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JP2004019127A - 建設機械における誤作動防止装置 - Google Patents

建設機械における誤作動防止装置 Download PDF

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Ikuhisa Sawada
澤田 育久
Makoto Hasuike
蓮池 誠
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Caterpillar Mitsubishi Ltd
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Abstract

【課題】着座判別手段によってアクチュエータの誤作動を確実に防止できるようにしたものでありながら、オペレータが運転席から腰を上げて操作レバーを操作する場合には、作業を続行できるようにする。
【解決手段】オペレータが運転席に着座しているか否かを判別する着座判別手段と、オペレータがアクチュエータを作動させるべく操作しているか否かを判別する操作判別手段とを設け、着座判別手段によりオペレータが着座しておらず、且つ操作判別手段によりオペレータが操作していないと判別された場合に、アクチュエータの作動をロックするように構成した。
【選択図】    図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、油圧ショベル等の建設機械における誤作動防止装置の技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、油圧ショベル等の建設機械において、エンジンを駆動させたままの状態でオペレータが運転席を離れる場合等に、誤って走行用、作業用の操作レバー等に触れてしまうと、オペレータが意図せずに走行用、作業用のアクチュエータが作動してしまう惧れがある。この様な誤作動を防止するため、従来、運転席への乗降通路に通路遮断レバー(ゲートレバー)を設け、該通路遮断レバーが乗降通路を遮断する遮断位置に位置している状態ではアクチュエータへの油圧供給を許容する一方、通路遮断レバーが乗降通路を開放する開放位置に位置している状態ではアクチュエータへの圧油供給を遮断するように構成し、これによって通路遮断レバーが開放位置に位置しているときには、誤って操作レバーに触れてもアクチュエータが作動していないように配慮していた。
ところが、前記通路遮断レバーは、遮断位置に位置していても通路を全面的に塞ぐものではないため、遮断位置の通路遮断レバーを乗り越えて運転席に乗降してしまうことがある。また、車外の付帯作業の状況確認のためにオペレータが運転席から一時的に立ち上がるとき等に、誤って操作レバーに触れてしまうことがあるが、この様に一時的に運転席から立ち上がるような場合、通路遮断レバーは遮断位置のままであるから、操作レバーに触れるとアクチュエータが誤作動してしまう惧れがある。
そこで、運転席にオペレータが着座しているか否かを検知する着座検出手段を設け、該着座検出手段がオペレータの着座を検出していない状態では、通路遮断レバーが遮断位置に位置していてもアクチュエータへの油圧供給を遮断するように構成したものが提唱される。このものでは、オペレータが運転席に着座していないときには油圧アクチュエータの作動がロックされるため、前述したように遮断位置の通路遮断レバーを乗り越えて運転席に乗降したり、運転席から一時的に立ち上がるような場合であっても、アクチュエータの誤作動を確実に防止することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、建設機械において、例えば法面のかき上げ作業や機体直近の深堀作業を行う場合、オペレータは、作業状態や作業機を目視で確認するために、運転席から腰を上げて中腰あるいは立ち上がって前下方を覗き込むような姿勢で、操作レバーを操作することがある。しかるに、この様な作業を行う場合、前述したオペレータが着座していないときにアクチュエータへの圧油供給を遮断するように構成したものでは、オペレータが運転席から腰を上げると操作レバーを操作してもアクチュエータが作動しないことになって、作業を続行することができないという問題があり、ここに本発明が解決しようとする課題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の如き実情に鑑み、これらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、オペレータが運転席に着座しているか否かを判別する着座判別手段と、オペレータが建設機械に設けられる各種アクチュエータを作動させるべく操作しているか否かを判別する操作判別手段と、上記アクチュエータの作動をロックできる作動ロック手段とを設け、前記着座判別手段によりオペレータが着座しておらず、且つ操作判別手段によりオペレータが操作していないと判別された場合に、作動ロック手段によりアクチュエータの作動をロックするように構成したものである。
そして、この様にすることにより、着座判別手段によってアクチュエータの誤作動を確実に防止できるものでありながら、オペレータの操作の有無を操作判別手段によって判別することで、運転席に着座せずに作業を行う場合にはアクチュエータの作動がロックされてしまうことがなく、作業を続行できることになって、作業性、操作性が向上する。
このものにおいて、操作判別手段は、各アクチュエータ用の操作具の操作を検出する操作具検出手段を用いて構成され、これら操作具検出手段のうち少なくとも二つの操作具の操作が検出された場合に、オペレータがアクチュエータを作動させるべく操作していると判別する設定にすることにより、オペレータが意図して操作具を操作した場合と誤って操作具に触れた場合とを判別できる。
また、作動ロック手段は、油圧アクチュエータへの圧油供給を遮断する油圧ロック手段を用いて構成することができる。
【0005】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1において、1は油圧ショベルの運転室であって、該運転室1内には、オペレータが座する運転席2、左右の作業用操作レバー3L、3R、左右の走行用操作レバー4L、4R、左右の走行用操作ペダル5L、5R、ブレード用操作レバー6、モニタパネル7、通路遮断レバー(ゲートレバー)8等、油圧ショベルの運転に必要な各種部材装置が配設されている。
【0006】
前記運転席2には、オペレータが運転席2に着座しているか否かを判別する着座判別手段9が取り付けられている。該着座判別手段9は、オペレータの重さで開閉するリミットスイッチや、オペレータの存否を検知する光センサ、オペレータの体温を検知する温度センサ等、適宜検出手段を採用することができる。
【0007】
また、前記左右の作業用、左右の走行用、ブレード用の各操作レバー3L、3R、4L、4R、6の握り部には、オペレータが操作レバー3L、3R、4L、4R、6を操作しているか否かを検出する操作具検出手段10が取り付けられている。この操作具検出手段10についても、オペレータが握り部を把持していることを検知するリミットスイッチや圧力センサ、オペレータの指の存否を検知する光センサ、オペレータの体温を検知する温度センサ等、適宜検出手段を採用できる。
【0008】
さらに、前記通路遮断レバー8は、運転席2の側方に配されていて、運転席2への乗降通路を開放する開放位置と、乗降通路を遮断する遮断位置とに揺動自在に構成されている。そしてこの通路遮断レバー8の揺動位置は、通路遮断レバー用リミットスイッチ11によって検出されるように構成されている。
【0009】
一方、油圧ショベルには、作業機用シリンダ、旋回用モータ、左右の走行用モータ、ブレード用シリンダ等の各種の油圧アクチュエータ12が設けられており、これら油圧アクチュエータ12の作動は、前記左右の作業用操作レバー3L、3R、左右の走行用操作レバー4L、4R、左右の走行用操作ペダル5L、5R、ブレード用操作レバー6等の各操作具の操作に基づいて行われるが、本実施の形態では、各操作具の操作に基づいてパイロットバルブ13から供給されるパイロット圧によって、油圧アクチュエータ12への圧油供給制御を行うコントロールバルブ14を切換え、これによって各油圧アクチュエータ12が作動するように構成されている。尚、図2に示す油圧回路図では、油圧アクチュエータ12、パイロットバルブ13、コントロールバルブ14はそれぞれ一つづつ示し、他の油圧アクチュエータ12、パイロットバルブ13、コントロールバルブ14については省略してある。
【0010】
また、前記図2において、15はパイロット油圧源16から各パイロットバルブ13に至るパイロット油路17に配設される油圧ロック用電磁バルブであって、該油圧ロック用電磁バルブ15は、ソレノイド15aのON状態(通電状態)ではパイロット油路17を開き、ソレノイド15aのOFF状態(非通電状態)ではパイロット油路17を閉じるように設定されている。そして、パイロット油路17が開いているときには、各操作具の操作に基づいてパイロットバルブ13からコントロールバルブ14にパイロット圧が出力されて油圧アクチュエータ12の作動が行われるが、パイロット油路17が閉じているときには、パイロット油圧源16からパイロットバルブ13へのパイロット圧の供給が絶たれて、操作具を操作しても油圧アクチュエータ12が作動しない構成になっている。
【0011】
さらに、18はバルブ制御用コントローラであって、該バルブ制御用コントローラ18は、図3のブロック図に示す如く、着座判別手段9、操作具検出手段10および通路遮断レバー用リミットスイッチ11からの検出信号を入力し、該検出信号に基づいて、前記油圧ロック用電磁バルブ15に対し、ソレノイドON−OFFの制御信号を出力する。
【0012】
次いで、前記バルブ制御用コントローラ18の制御について、図4のフローチャート図に基づいて説明すると、バルブ制御用コントローラ18は、まず、通路遮断レバー用スイッチ11からの入力信号により通路遮断レバー8の位置を判断する。そして、通路遮断レバー8が開放位置に位置しているときには、油圧ロック用電磁バルブ15に対し、ソレノイドOFFの制御指令を出力する。
一方、通路遮断レバー8が遮断位置に位置しているときには、次に、着座判別手段9からの入力信号によりオペレータが着座しているか否かを判断する。ここで、着座していると判断された場合には、油圧ロック用電磁バルブ15に対し、ソレノイドONの制御指令を出力する。
これに対し、着座していない(非着座)と判断された場合には、次に、オペレータが油圧アクチュエータ12を操作しているか否かを判断する。この場合、例えば図5の表図に示す如く、左右の作業用操作レバー3L、3R、左右の走行用操作レバー4L、4R、ブレード用操作レバー6の各操作レバーのうち、少なくとも二つの操作レバーの操作が操作具検出手段10によって検出された場合には、オペレータが油圧アクチュエータ12を操作していると判断される。一方、一つの操作レバーしか操作されていない、あるいは何れの操作レバーも操作されていないことが操作具検出手段10によって検出された場合には、オペレータが油圧アクチュエータ12を操作していない(非操作)と判断される。そして、オペレータが油圧アクチュエータ12を操作していると判断された場合には、油圧ロック用電磁バルブ15に対し、ソレノイドONの制御指令を出力し、また、油圧アクチュエータ12を操作していないと判断された場合には、ソレノイドOFFの制御指令を出力する。
【0013】
叙述の如く構成されたものにおいて、パイロット油路17に配設された油圧ロック用電磁バルブ15がソレノイドONのときには、対応する操作具の操作に基づいた油圧アクチュエータ12の作動が行われる一方、ソレノイドOFFのときには、操作具を操作しても油圧アクチュエータ12の作動が行われない作動ロック状態となるが、上記油圧ロック用電磁バルブ15のソレノイドON−OFFの制御は、通路遮断レバー用リミットスイッチ11、着座判別手段9、操作具検出手段10からの検出信号に基づいて行われる。
つまり、通路遮断レバー8が開放位置に位置しているときには、ソレノイドOFFの制御指令が出力されて、油圧アクチュエータ12の作動はロックされるが、通路遮断レバー8が遮断位置に位置していても、着座判別手段9によりオペレータが運転席2に着座していないことが検出され、且つオペレータが油圧アクチュエータ12の操作をしていないと判断された場合には、ソレノイドOFFの制御指令が出力されて、油圧アクチュエータ12の作動がロックされる。一方、着座判別手段9により運転席2に着座していないことが検出されても、オペレータが油圧アクチュエータ12の操作をしていると判断された場合には、ソレノイドONの制御指令が出力されて、操作具の操作に基づいた油圧アクチュエータ12の作動が行われることになる。尚、通路遮断レバー8が遮断位置に位置しており、且つ着座判別手段9によりオペレータの着座が検出された場合には、ソレノイドONの制御指令が出力されて、操作具の操作に基づいた油圧アクチュエータ12の作動が行われる。
【0014】
この結果、通路遮断レバー8が遮断位置であっても、該遮断位置の通路遮断レバー8を乗り越えて運転席2に乗降したり、車外の付帯作業の状況確認のために運転席2から一時的に立ち上がるような場合には、着座判別手段9によりオペレータの非着座が検出され、且つ油圧アクチュエータ12の操作を行っていないと判断されるため、油圧アクチュエータ12の作動はロックされることになり、而して油圧アクチュエータ12の誤操作を確実に低減できる。
一方、法面のかき上げ作業や機体直近の深堀作業を行うような場合、オペレータは、作業状態や作業機を目視で確認するために、運転席2から腰を上げて中腰あるいは立ち上がって前下方を覗き込むような姿勢で操作レバー3L、3R、4L、4R、6を操作することがあるが、この様な場合には、オペレータが油圧アクチュエータ12の操作を行っていると判断されるため、操作レバー3L、3R、4L、4R、操作レバー6の操作に基づいて各油圧アクチュエータ12が作動することになり、而して、前述したように誤作動の防止を計ったものでありながら、運転席2に着座していない状態での作業も続行できることになって、作業性、操作性が向上する。
【0015】
しかもこのものにおいて、オペレータが油圧アクチュエータ12の操作をしているか否かの判別は、各操作レバー3L、3R、4L、4R、6に取付けた操作具検出手段10のうち、少なくとも二つの操作具検出手段10からの操作検出信号が入力された場合に、オペレータが油圧アクチュエータ12を操作していると判断される構成であるから、オペレータが操作の意図のない状態で誤って操作レバー3L、3R、4L、4R、6の何れかに触れたとしても、これが油圧アクチュエータ12の操作を行っていると誤認されることはなく、油圧アクチュエータ12の誤作動をより確実に防止できる。
【0016】
尚、本発明は、上記実施の形態に限定されないことは勿論であって、例えば、油圧アクチュエータへの圧油供給制御を行うコントロールバルブにパイロット圧を出力するパイロットバルブとして、操作具の操作量を電気信号に換算し、該電気信号に基づいてパイロット圧を出力する電子式のパイロットバルブが採用されている場合には、上記電気信号(PWM信号等)をモニターすることで操作具が操作されているか否かを検出することができる。
【0017】
また、本実施の形態において、操作具検出手段10は、左右の作業用、左右の走行用、ブレード用の各操作レバー3L、3R、4L、4R、6の握り部に取付けられているが、これら以外にも、左右の走行用操作ペダル5L、5Rや、その他のアタッチメント用ペダル等にも操作具検出手段10を取付けて、オペレータが操作具を操作しているか否かの検出を行うように構成することもできる。
【0018】
さらに、オペレータが油圧アクチュエータ12の操作をしているか否かの判別を行うにあたり、本実施の形態では、前述したように少なくとも二つの操作具検出手段からの操作検出があることを条件にしており、これによってオペレータが操作する意図があるか否かを判別している(オペレータが油圧アクチュエータの操作を行う場合には、通常、左右両方の作業用操作レバー、あるいは左右両方の走行用操作レバー等、少なくとも二つの操作レバーを把持する)が、これに限定されることなく、一つの操作具検出手段による操作の検出で、オペレータが油圧アクチュエータの操作をしていると判別する構成にすることもできる。この場合には、例えば、誤って触れる可能性の少ないところに操作具検出手段を取付けたり、操作具検出手段からの検出信号が予め設定される設定時間以上入力された場合にオペレータが油圧アクチュエータを操作していると判別する等、オペレータが意図して操作具を操作している場合と誤って触れた場合とを判別できるように配慮することが望ましい。
【0019】
さらにまた、前記実施の形態では、油圧ロック用電磁バルブ15の制御を行うバルブ制御用コントローラ18を設け、該バルブ制御用コントローラ18に、通路遮断レバー用リミットスイッチ11、着座判別手段9、操作具検出手段10からの検出信号が入力される構成となっているが、これに限定されることなく、例えば、通路遮断レバー用リミットスイッチ11、着座判別手段9、操作具検出手段10の検出に基づいて開閉するスイッチ接点を、油圧ロック用電磁バルブ18の通電回路に直接的に組込むように構成することもできる。
またさらに、本発明は、油圧ショベルに限定されることなく、運転席が設けられる各種建設機械に実施できることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】運転室内を示す斜視図である。
【図2】油圧ショベルの概略油圧回路図である。
【図3】バルブ制御用コントローラの入出力を示すブロック図である。
【図4】バルブ制御用コントローラの制御を示すフローチャート図である。
【図5】バルブ制御用コントローラによる操作、非操作の判別を示す表図である。
【符号の説明】
2  着座判別手段
10  操作具検出手段
12  油圧アクチュエータ
15  油圧ロック用電磁バルブ

Claims (3)

  1. オペレータが運転席に着座しているか否かを判別する着座判別手段と、オペレータが建設機械に設けられる各種アクチュエータを作動させるべく操作しているか否かを判別する操作判別手段と、上記アクチュエータの作動をロックできる作動ロック手段とを設け、前記着座判別手段によりオペレータが着座しておらず、且つ操作判別手段によりオペレータが操作していないと判別された場合に、作動ロック手段によりアクチュエータの作動をロックするように構成したことを特徴とする建設機械における誤作動防止装置。
  2. 請求項1において、操作判別手段は、各アクチュエータ用の操作具の操作を検出する操作具検出手段を用いて構成され、これら操作具検出手段のうち少なくとも二つの操作具の操作が検出された場合に、オペレータがアクチュエータを作動させるべく操作していると判別する設定になっていることを特徴とする建設機械における誤作動防止装置。
  3. 請求項1または2において、作動ロック手段は、油圧アクチュエータへの圧油供給を遮断する油圧ロック手段であることを特徴とする建設機械における誤作動防止装置。
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