JP2004013278A - 手術日決定支援装置及びその方法並びにプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】細胞の培養期間を正確に算定することにより、適切な候補手術日を患者や医師等に提示するとともに、細胞培養の状態を候補手術日に反映させることができるようにする。
【解決手段】年齢及び性別毎に細胞培養期間が登録されている標準培養期間テーブル47を有し、患者の年齢、性別、及び細胞採取日からなる基本情報を取得した場合に、この基本情報と標準培養期間テーブル47とに基づいて、候補手術日を設定する。そして、候補手術日を通信部46を介して病院端末へ送信する。また、候補手術日に対する希望手術日を受信した場合には、希望手術日に候補手術日を一致させるための調整情報を培養期間調整テーブル48に基づいて作成し、作成した調整情報を通信部46を介して病院端末へ送信する。
【選択図】 図4
【解決手段】年齢及び性別毎に細胞培養期間が登録されている標準培養期間テーブル47を有し、患者の年齢、性別、及び細胞採取日からなる基本情報を取得した場合に、この基本情報と標準培養期間テーブル47とに基づいて、候補手術日を設定する。そして、候補手術日を通信部46を介して病院端末へ送信する。また、候補手術日に対する希望手術日を受信した場合には、希望手術日に候補手術日を一致させるための調整情報を培養期間調整テーブル48に基づいて作成し、作成した調整情報を通信部46を介して病院端末へ送信する。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、患者から採取した細胞を培養し、培養した細胞を該患者へ移植する手術において、手術日設定の支援を行う手術日設定支援装置及びその方法並びにプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、骨腫瘍摘出や外傷等によって生じる骨の欠損部に、骨補填材を補填して骨を修復させることが行われている。しかしながら、骨粗鬆症のように、骨が次第にもろくなっていく場合や、欠損部が非常に広域である場合等には、上記方法では問題を解決することが難しい。
そこで、近年、患者から骨髄を採取し、この採取した骨髄に含まれる間葉系幹細胞から人為的に骨芽細胞を十分に増殖させた後に、再び患者の体内に戻すという新たな試みが要請されている。この場合、患者自身から採取した骨髄から骨芽細胞を増殖させ、該患者の体内に戻すため、免疫反応を生じることなく骨の形成を活性化させることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したような培養骨の移植手術などでは、医師が患者とカンファレンスを行い、骨髄の採取日や、手術日などを設定する。
通常、医師が今までの経験から、細胞培養に要する期間を推定し、推定した細胞培養期間を考慮して、手術日を設定することが多いが、細胞培養に要する期間は、骨の欠損部の大きさや、患者の属性などによって微妙に変化するため、細胞の培養期間を正確に推定し、適切な日にちに手術日を設定することは、経験豊富な医師であっても非常に難しい。
【0004】
このため、移植手術を早急に行いたいと患者が希望したとしても、培養期間を正確に推定することができないことから、手術日に培養骨が間に合わないという最悪の状況を回避するために、細胞培養期間を長めに取り、手術日を設定せざるを得なかった。
【0005】
一方、培養骨の培養過程において、細菌や真菌等が検出された場合や、細胞の活性度が低く、増殖が予定通りに行われない場合もある。この場合、当初の予定よりも長い培養期間を要してしまい、設定した手術日に間に合わないという問題が生じる。このような場合には、医師は、患者と再度手術日を検討しなければならず、労力を要した。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、細胞の培養期間を正確に算定することにより、適切な手術日を患者や医師等に提示するとともに、細胞培養の状態を手術日に反映させることができる手術日設定支援装置及びその方法並びにプログラムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、患者から採取した細胞を培養し、培養した細胞を該患者へ移植する移植手術において、手術日設定の支援を行う手術日設定支援装置であって、年齢及び性別毎に細胞培養期間が登録されている標準培養期間テーブルと、患者の年齢、性別、及び細胞採取日からなる基本情報を取得した場合に、前記基本情報と前記標準培養期間テーブルとに基づいて、候補手術日を設定する候補手術日設定手段と、前記候補手術日を出力する出力手段とを具備する手術日設定支援装置を提供する。
【0008】
この発明によれば、患者毎に細胞の培養に要する期間を正確に把握できるので、候補手術日を適切な日に設定することが可能となる。
【0009】
また、上記記載の手術日設定支援装置は、細胞培養期間を短縮するための要素と、短縮日数とが関連付けられた培養期間調整テーブルと、前記基本情報の他に希望手術日を取得した場合に、前記候補手術日を該希望手術日に一致させるための調整情報を前記培養期間調整テーブルに基づいて作成する調整情報作成手段とを備え、前記出力手段が、前記候補手術日とともに前記調整情報を出力することを特徴としている。
【0010】
この発明によれば、設定された手術日を希望手術日に一致させるように、培養期間を調整することができるので、一方的に手術日を設定するだけでなく、医師や患者等の希望にそった候補手術日を設定することができる。
【0011】
また、上記記載の手術日設定支援装置において、前記培養期間調整テーブルには、前記要素の各々に料金情報が付加されており、前記培養期間調整情報には、料金情報が含まれていることを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、料金情報も病院側の医師や患者などに通知することが可能となる。
【0013】
また、上記記載の手術日設定支援装置は、細胞の培養過程の状態に応じて前記候補手術日を補正する補正手段を具備することを特徴としている。
【0014】
この発明によれば、培養過程において、細胞の増殖状態などによって培養期間が標準の期間よりも長引くようなことが生じた場合には、補正手段が細胞培養の状態に基づき、細胞培養期間の補正を行うので、培養過程の状態を自動的に候補手術日に反映させることが可能となる。
【0015】
また、本発明は、患者から採取した細胞を培養し、培養した細胞を該患者へ移植する移植手術において、手術日設定の支援を行う手術日設定支援方法であって、患者の年齢、性別、及び細胞採取日からなる基本情報を取得した場合に、前記基本情報と、年齢及び性別毎に細胞培養期間が予め登録されている標準培養期間テーブルとに基づいて、候補手術日を設定する過程と、設定した候補手術日を出力する過程とを具備する手術日設定支援方法を提供する。
【0016】
また、本発明は、患者から採取した細胞を培養し、培養した細胞を該患者へ移植する移植手術において、手術日設定の支援を行うための手術日設定支援プログラムであって、患者の年齢、性別、及び細胞採取日からなる基本情報を取得した場合に、前記基本情報と、年齢及び性別毎に細胞培養期間が予め登録されている標準培養期間テーブルとに基づいて、候補手術日を設定するステップと、設定した候補手術日を出力するステップとをコンピュータに実行させる手術日設定支援プログラムを提供する。
【0017】
また、本発明は、請求項1〜請求項4に記載の手術日設定支援装置によって設定された手術日に基づいて、細胞を培養する細胞培養システムであって、予め患者から採取した骨髄液を保存する骨髄液保存手段と、前記手術日設定支援装置によって設定された前記患者の手術日に基づいて、前記骨髄液保存手段から該患者の骨髄液を取得する骨髄液取得手段とを具備する細胞培養システムを提供する。
【0018】
また、本発明は、請求項1〜請求項4に記載の手術日設定支援装置によって設定された手術日に基づいて、細胞を培養する細胞培養システムであって、予め採取した骨髄液を保存する骨髄液保存手段と、前記手術日設定支援装置によって設定された前記患者の手術日に基づいて、前記骨髄液保存手段から前記患者に適合する骨髄液を取得する骨髄液取得手段とを具備する細胞培養システムを提供する。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態について説明する。
なお、本実施形態では、本発明の手術日設定支援装置を培養骨を形成して、患者に移植する培養骨の移植に適用した場合を例に挙げて説明する。
まず、骨を培養するシステムについて、図1を参照して簡単に説明する。
図1において、病院1で患者から採取された骨髄は、所定の搬入容器に収容され、培養骨を形成する培養センタ2へ搬入される。なお、搬入容器は、約37℃に保たれていても良く、また、4℃或いは冷凍されていても良い。
【0020】
培養センタ2では、搬入された骨髄に含まれている間葉系幹細胞を培養する一次培養、培養された間葉系幹細胞をスキャホールドと呼ばれる足場材に加え培養骨を形成する二次培養、細菌や真菌が骨髄や培養液等に含まれていないかを調べる検査等が行われ、最終的に形成された培養骨が所定の搬出容器に収容されて、病院1へ搬出される。なお、搬入容器は、約37℃に保たれていても良く、また、4℃或いは冷凍されていても良い。
なお、二次培養において使用されるスキャホールドは、スキャホールド供給センタ3から供給される。
【0021】
次に、培養センタ2において行われる培養工程について図2を参照して簡単に説明する。
まず、病院1で患者から採取された骨髄は、所定の搬入容器に収容されて培養センタ2に搬入される。
培養センタ2では、搬入容器に収容されている骨髄細胞の一部を取り出し、採取された骨髄に細菌や真菌等が含まれていないかを検査する(ステップSP1)。
【0022】
そして、検査結果に異常が無ければ、骨髄液中に含まれている間葉系幹細胞の増殖工程へ移行する(ステップSP2)。なお、この間葉系幹細胞の増殖工程を一次培養と称する。この一次培養では、真菌、細菌エンドトキシン等が含まれていないことが確認された検査済みの血清を含む培地(この培地は人或いは牛の血清が使用される)に、同じくステップSP1において検査済みである骨髄を浸透させることにより、間葉系幹細胞を増殖させる。
【0023】
そして、間葉系幹細胞が培養骨を形成するために必要とされる十分な量まで増殖すると、続いて、この間葉系幹細胞に真菌や細菌等が含まれていないかを検査し(ステップSP3)、この結果、問題がなければ、培養骨を形成する二次培養へ移行する(ステップSP4)。
二次培養では、一次培養によって増殖させた間葉系幹細胞をスキャホールドと呼ばれる足場材に附着させる。
このスキャホールドは、β−TCPのようなリン酸カルシウム多孔体からなる足場材である。このスキャホールドに間葉系幹細胞を附着させることにより、間葉系幹細胞がβ−TCPを貪食し、骨芽細胞の分化が促進し、骨組織が形成される。なお、このとき骨芽細胞の分化を更に促進させるために、成長因子等を添加してもよい。なお、上記β−TCPに代わって、ハイドロキシアパタイト多孔体等のスキャホールドを用いても良い。
【0024】
そして、このようにして形成された培養骨は、搬出前の検査、例えば、ウイルスやマイコプラズマ培養液、真菌、細菌が含まれていないかを検査する工程へ進み(ステップSP5)、異常がなければ、所定の搬送用容器へ移し替えられ、病院1へ搬出される。
そして、培養骨を受け取った病院側では、設定されている手術日において、該培養骨を患者に移植する移植手術が行われる(ステップSP6)。
【0025】
次に、上述したような培養工程を経て形成された培養骨を移植する移植手術の手術日を設定するための手術日設定支援装置4について説明する。
図3は、本発明の一実施形態に係る手術日設定支援装置4と、病院1、培養センタ2とを繋ぐネットワーク構成を示す図である。
同図において、手術日設定支援装置4、病院1に設置されている病院端末10、培養センタ2に設置されている培養管理装置40は、互いにネットワーク70に接続されており、ネットワーク70を介して種々の情報を送受信可能な構成を有している。
ここで、上記培養管理装置40は、上述した各培養過程における細胞の培養状態などを一元管理する端末装置である。病院端末10及び、手術日設定支援装置4は、この培養管理装置40にアクセスすることで、どの患者の細胞がどの培養過程にあり、どのような状態であるかを把握することができる。
【0026】
上記病院端末10及び培養管理端末40は、端末内の各部を制御するCPUと、CPUが実行する各種プログラムが格納されているROMと、CPUの処理過程で発生したデータを一次保存するためのRAMと、ネットワーク7を介して情報を送受するための通信部と、それぞれメッセージや画面を表示する表示部と、情報を入力するキーボード、マウス等の入力部とを有し、またネットワーク7をインターネットとした場合には、インターネット上のサービスを受けることができるWWWブラウザのアプリケーションプログラムがインストールされている。なお、培養管理端末40は、各細胞の培養状態が格納されている培養状態管理データベースを有している。
【0027】
次に、手術日設定支援装置4の構成について図4を参照して説明する。
図4は、手術日設定支援装置4の電気的構成を示す図である。
同図において、手術日設定支援装置4は、装置内の各部を制御するCPU41と、CPU41が実行する各種プログラムが格納されているROM42と、CPU41の処理過程で発生したデータを一次保存するためのRAM43と、情報を入力するキーボード、マウス等の入力部44と、CPU41から供給される表示データを表示する表示部45と、手術日程データベーネットワーク7を介して情報を送受するための通信部46と、標準培養期間テーブル47と、培養期間調整テーブル48と、手術日程データベース49とを有している。
【0028】
上記標準培養期間テーブル47は、図5に示すように、年齢及び性別毎に細胞培養期間が登録されたテーブルである。更に、骨粗鬆症や、白血病などの病歴がある患者については、これらの病歴がない人に比べて培養期間が長引く傾向にあるため、各病歴に対して追加する日数が対応付けられている。
【0029】
一方、上記培養期間調整テーブル48は、図6に示すように、細胞培養期間を短縮するための要素と、短縮日数と、要素の単位当たりの金額とが関連付けられているテーブルである。例えば、成長因子であるエストロゲンを1ng/ml使用した場合には、培養期間が2日短縮される旨を示している。
なお、自家培地を使用した場合の短縮日数が「−」に設定されているのは、図5に示した培養期間が自家培地を使用した場合の培養期間となっているからである。従って、牛の培地を使用した場合には、金額がマイナス、即ち、自家培地を使用した場合よりも安くなることを示している。
【0030】
また、手術日程データベース49は、患者毎に手術が行われるまでのスケジュールが格納されるデータベースである。なお、手術日程データベース49に格納される情報についての詳細は後述する。
【0031】
なお、上述した標準培養期間テーブル47、培養期間調整テーブル48及び手術日程データベース49は、ハードウェアなどのメモリの他、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体であっても良い。例えば、半導体メモリや磁気ディスク等であってもよく、また、光ディスク(CD−ROM/R/RW、DVD−ROM、DVD−R/RW、DVD−RAM等)、光磁気ディスク(MO,MD等)、磁気記憶媒体(HDD、FD、磁気テープ等)、半導体メモリ(MS、SDカード等のフラッシュメモリ、FeRAM等)などの可搬型記録媒体であっても良い。
あるいはこれらの組合せによるコンピュータ読み取り、書き込み可能な記録媒体より構成されていても良い。
【0032】
次に、培養骨の移植手術の手術日設定について、上記構成からなる手術日設定支援装置4と病院端末10との間で行われる情報の送受について説明する。
【0033】
まず、医師は患者Aとのカンファレンスにおいて、病院端末10を操作し、初期画面を病院端末10の表示部に表示させる。ここで、初期画面の一例を図7に示す。この図に示すように、初期画面では、各種手術コースが一覧になって表されており、医師は、患者Aと相談して、手術コースを選択する。なお、ここでは、培養骨コースを選択したものとする。
【0034】
培養骨コースが選択されると、続いて、培養骨の移植手術日を設定するために必要となる各種項目を入力する基本情報入力画面が病院端末10の表示部に表示される。図8に基本情報入力画面の一例を示す。図8に示すように、基本情報入力画面には、患者Aの氏名、年齢、性別、骨髄採取日、病歴に関する情報を入力する欄が設けられている。医師は、病院端末10の入力部を操作することにより、必定事項を入力し、送信ボタンを操作する。
なお、ここでは、年齢「54歳」、性別「女」、骨髄採取日「3月3日」、病歴に関する情報「なし」を入力し、送信ボタンを操作したものとする。
係る操作が行われることにより、当該基本情報は、ネットワーク7を介して手術日設定支援装置4へ送信される。
【0035】
手術日設定支援装置4の通信部46は、上記患者Aの年齢、性別、及び細胞採取日からなる基本情報を受信すると、この基本情報をCPU41へ供給する。CPU41は、基本情報に該当する基本培養期間を標準培養期間テーブル47から取得する。
即ち、「54歳」、「女性」に該当する培養期間は、図5に示す標準培養期間テーブルから「32日」となる。更に、この培養期間「32日」に骨髄の搬入、培養骨の搬出に要する期間として「2日」を加算し、「34日」を算出する。これが、骨髄採取から、移植手術を行うまでに必要とされる基本的な日数となる。そして、骨髄採取日として「3月3日」が設定されているので、CPU41は、この「3月3日」から「34日後」の「4月6日」を候補手術日として割り出し、この候補手術日を通信部46を介して病院端末10へ送信する。
【0036】
これにより、病院端末10の表示部には、図9に示すように当該患者Aの氏名と、候補手術日とが表示される。この候補手術日を確認した医師は、この候補手術日で問題がない場合には、確定ボタンを操作する。これにより、候補手術日で確定する旨の情報が手術日設定支援装置4へ送信される。これにより、当該患者Aの基本情報と確定された手術日(4月6日)とが関連づけられて、手術日程データベースに格納される。
【0037】
一方、提示された候補手術日(4月6日)では都合が悪い場合には、希望の手術日を希望手術日入力欄に入力し、送信ボタンを操作する。ここでは、図9に示すように、希望手術日として「4月2日」が入力されたとする。
これにより、希望手術日として「4月2日」の情報がネットワーク7を介して手術日設定支援装置4へ送信される。
【0038】
手術日設定支援装置4のCPU41は通信部46を介して該希望手術日の情報を取得すると、候補手術日を「4月6日」から「4月2日」へ移行させるための要素、即ち培養期間を4日間短縮させるために必要となる要素を図6に示した培養期間調整テーブル48から取得する。
具体的には、CPU41は、培養期間調整テーブル48に登録されている各種要素の中から短縮日数が「4日」になるような要素を抽出又は要素の組合せを作成する。
例えば、図6から、培地を牛にすると培養期間を「3日」短縮でき、また、エストロゲンを使用することにより培養期間を「1日」短縮することができる。従って、この2つを組み合わせて使用することで、培養期間を合計「4日」短縮することができる。同様に、培養期間を「4日」短縮する要素の組合せを図6の培養期間調整テーブル48から作成する。また、この組合せ毎に、費やされる金額を算出する。
そして、作成した組合せを調整情報として病院端末10へ送信する。
【0039】
これにより、病院端末10には、候補手術日「4月6日」を希望手術日「4月2日」に一致させるための調整情報が表示される。この病院端末10に表示される調整情報の一例を図10に示す。
図10に示すように、病院端末10の表示画面には、候補手術日を4月2日にするための様々な組合せの調整情報がその金額とともに表示されている。
医師は患者Aと話し合い、どの調整情報を採用するかを決定する。そして、採用する調整情報を選択し(ここでは、NO.34の調整情報を選択した場合について図示されている)、送信ボタン(図示略)を操作する。
【0040】
これにより、選択されたNO.34の調整情報がネットワーク7を介して手術日設定支援装置4へ送信され、更に、通信部46を介してCPU41へ供給される。
CPU41は、受信した調整情報と、当該患者Aの情報と、また、候補手術日とを互いに関連づけて手術日データベース49に格納する。これにより、手術日データベース49には、患者Aの基本情報と、手術日(4月2日)と、また、細胞の培養過程において与える成長因子の情報(図6に示したNO34の調整情報)とが互いに関連づけられて格納されることとなる。
このように、候補手術日が確定すると、最初の手術日設定支援装置4の役割は終了する。なお、このとき、手術データベース49に格納した情報を培養センタ2の培養管理端末40と共有するような構成としても良い。
【0041】
続いて、日にちが経過し、骨髄採取日である「3月3日」になると、患者Aの骨髄採取が行われ、採取された骨髄は、培養センタ2へ搬入されることにより、培養センタ2で当該細胞の培養が開始される。このとき、採取された骨髄と、患者Aとの対応付けは、手術日設定支援装置4並びに培養管理端末40において管理される。
【0042】
培養センタ2では、図2に示したような培養過程を経て、培養骨が形成されていく。この培養過程における細胞の状態は、逐次、培養センタ2内の培養管理端末40によって管理され、今、患者Aの細胞がどのような状態であるのかが監視される。なお、培養過程において、培養管理端末40は、手術日設定支援装置4の手術日程データベース49に格納されている当該患者Aの調整情報、即ち、図10に示したNO.34の調整情報に基づいて、培養が行われる。
【0043】
まず、培養センタ2に搬入された患者Aの骨髄細胞は、図2のステップSP1に示したように、検査が行われ、問題が無ければ、骨髄液中に含まれている間葉系幹細胞の増殖工程である一次培養へ移行する。そして、一次培養が開始されてから2週間後に、培養センタ2の検査員が増殖状態を判定する。
これは、一次培養皿の底に定着している細胞の数を画像認識により数え、この細胞の数が、所定数(例えば、1×106個)以上であれば、一次培養における細胞増殖は十分であると判断し、所定数未満であれば、増殖は不十分であると判断する。
【0044】
即ち、所定数以上であれば、予定通り、後続の工程である二次培養へ移行し、一方、細胞の数が所定数未満であった場合には、更に何日間か一次培養を行い、細胞数を所定数まで増殖させなければならない。
このように、一次培養が予定通りに行われなかった場合、実際の培養期間が標準培養期間よりも長引いてしまうこととなる。従って、培養センタ2の検査員は、培養管理端末40に対して、一次培養が予定通り進んでいないことを示す情報、何日間1次培養が延長するかを示す推定延長日数、当該細胞の識別情報(即ち、患者Aの情報)などを送信する。
【0045】
該情報を受信した培養管理端末40は、自己が備える図示しない培養状態管理データベースに、受信した情報を反映させるとともに、該情報をネットワーク7を介して手術日設定支援装置4へ送信する。
これにより、手術日設定支援装置4内のCPU41は、患者Aの細胞の培養期間が何日間延長するかという情報(推定延長日数)を取得する。
当該情報を受信したCPU41は、手術日程データベース49から患者Aのデータを読み出す。これにより、当該患者Aの手術日(4月2日)、調整情報(NO.34の調整情報)、基本情報などが読み出される。
【0046】
続いて、CPU41は、読み出した手術日(4月2日)に先ほど培養管理端末40から受信した推定延長日数(例えば、3日)を加算し、加算後の手術日(4月5日)を補正手術日とし、この患者Aの基本情報(ここでは、氏名のみとする)とともに病院端末10へ送信する。
これにより、病院端末10の表示画面には、患者Aの基本情報と、補正手術日とが表示される。なお、このとき表示される表示画面は、図9に示した表示画面の「候補手術日 4月6日」に代わって、「補正手術日 4月5日」が表示された画面となる。
当該情報を確認した医師は、患者にその旨を伝え、補正手術日である「4月5日」に手術日を変更するか、或いは、当初の手術日(4月2日)に手術が行えるよう、成長因子などを更に加えて培養期間を調整するかを決定する。
【0047】
この結果、手術日を変更する場合には、希望手術日に希望の手術日を入力して送信ボタンを操作し、また、補正手術日で問題がない場合には、確定ボタンを操作する。なお、この後の調整情報の作成手法や、手術日程データベース49への書き込み処理などについては、上述と同様の手法によって行われる。
【0048】
上述したように、細胞の培養過程において、細胞培養がスケジュール通りに進まずに遅れが生じてしまうような場合には、その情報が常に培養管理端末40に反映され、更に培養管理端末40から推定遅延日数が手術日設定支援装置4へ送信される。これにより、手術日設定支援装置4は、培養過程の状態を常に手術日に反映させることが可能となる。
なお、図5に示した標準培養期間は、全培養過程における全日数が示されているだけであるが、この標準培養期間を培養過程の各々に対して割り当てたテーブルを培養管理端末40は有している。そして、検査員などは、培養管理端末40が有しているスケジュールテーブルと、実際の培養の進み具合とを照らし合わせることにより、スケジュール通りに培養が進んでいるかを判断することができる。
【0049】
なお、一次培養において、細胞の増殖状態を判定する手法は、上述した細胞の数を数える手法の他、例えば、培地の成分を分析することにより、細胞の増殖状態を把握する手法、細胞に所定の刺激を与えることにより培地中の成分を調べる手法などを用いても良い。
なお、上記培地の成分を分析する手法は、細胞から産成するタンパク質やその他の成分を分析することで、培養の程度を判定する手法である。
【0050】
また、同様に、二次培養においても、細胞の分化の状態を判定するわけであるが、この二次培養の状態を調べる手法としては、以下のような手法が挙げられる。
1)例えば、円筒状の孔を中心に有するスキャホールド100の場合には、図11に示すように、スキャホールド100の円筒状の孔にボールペン型のコンフォーカル顕微鏡101を挿入し、内部まで骨細胞に分化できているか否かを調べることにより、二次培養の状態を判定する手法。
2)図12に示すように、スキャホールド100の表面をコンフォーカル顕微鏡102により画像として取り込み、画像処理によって細胞を抽出し、抽出された細胞の数が所定数(例えば、1×1016)以上であるか否かを判定することにより、二次培養の状態を判定する手法。
3)また、上述の2)の手法では、表面に細胞が重なって形成された場合に、判定が難しいため、図13に示すように、1次培養された間葉系幹細胞を使用して、単層の検査用の細胞103と、製品(患者へ移植するもの)104とを同一条件化において生成し、この検査用の単層の細胞の表面を2)と同様の手法により二次培養の状態を判定する手法。
4)また、上記検査用の単層の細胞に、マーカ、ALP活性が測定されるか否かにより、二次培養の状態を判定する手法。例えば、β−TCPを砕いて、アルカリフォスファターゼ(酵素活性)、即ち、骨芽細胞の活性を示すパラメータを測定することにより、二次培養の状態を調べる手法。
5)また、細胞を蛍光染色した後、蛍光測定を行い、この測定結果により、分化の度合いを判断することにより、二次培養の状態を判定する手法。
【0051】
そして、上記いずれかの手法を用いて二次培養の状態が判定された結果、二次培養がスケジュール通りに進まないと検査員が判断した場合には、上述した一次培養の日にち延長の場合と同様に、推定延長日数と、当該細胞のデータなどを培養管理端末40へ送信する。
これにより、二次培養が延長して行われる旨の情報などが培養管理端末40の培養状態管理データベースに反映されるとともに、培養管理端末40から手術日設定支援装置4へ送信される。これにより、手術日設定支援装置は、上述した一次培養と同様の処理を行うこととなる。
【0052】
このようにして、培養過程におけるスケジュールの遅延が、手術日程データベース49に格納されている最新の候補手術日にフィードバックされることにより、常に、培養状態が反映された適切な手術日が設定されることとなる。
【0053】
以上、この発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0054】
例えば、図10に示した調整情報において、コスト順にソートする機能や、投与する物品の少ない順にソートする機能などを付加してもよい。このような機能を付加することにより、患者及び医師は、所望の調整情報を速やかに選択することが可能となる。
【0055】
また、上述した実施形態では、図8の基本情報入力画面において、培地の種類(自家血清を使用するか、又は牛の血清を使用して培地を生成するか)、感染歴、アレルギー、血液型、平熱、病気の部位、疾患名、疾患部位の大きさ、インプラント名、カンファレンス情報(術式、使用材料、手術日、機材の手配)、培養骨の大きさ、スキャホールドの種類などを入力する欄を追加し、疾患部位の大きさ、スキャホールドの種類、培養骨の大きさ、アレルギー、感染歴など、より詳細な情報に基づいて培養期間を細かく設定するようにしても良い。
【0056】
また、上述した実施形態では、候補手術日を患者及び医師に一旦提示し、これに対する希望手術日が入力された場合には、候補手術日を希望手術日に一致させるように、調整情報を作成していたが、これに代わって以下のような態様にすることも可能である。
【0057】
例えば、図8に示した基本情報入力画面に、希望手術日の入力欄を設け、任意に希望手術日を入力できるようにする。このように希望手術日を初期段階で入力できるようにすれば、候補手術日を希望手術日に一致させるような調整情報を始めから作成することができる。これにより、年齢及び性別から求めた候補手術日を病院端末へ送信するという処理を省略することができ、処理を迅速に行うことが可能となる。
【0058】
また、図8に示した基本情報入力画面に、培養期間を早める要素となる成長因子や、培地などを選択させる項目を付加することにより、初期段階において、培養過程において加えたい成長因子などの情報を入力できるようにする。この場合、候補手術日の設定においては、標準培養期間テーブル47及び培養期間調整テーブル48の2つのテーブルを参照することにより行われることとなる。
このように、予め成長因子などの選択も行えるようにすることで、予め手術日を早めたい場合などには、候補手術日の提示の時点から、通常の手術日よりも早い手術日を提示させることが可能となる。これにより、後の処理を迅速に行うことが可能となる。
【0059】
また、上述した候補手術日の設定において、培養センタ2の稼働状況、混み具合等も反映させるようにしても良い。
【0060】
例えば、上述した実施形態においては、本発明の細胞培養システムの一例として培養骨を形成する培養骨形成システムを例に挙げて説明したが、これに限らず、細胞を培養するために、その培養期間を考慮して手術日を設定しなければならないようなシステムに適用することができる。
例えば、患者の軟骨細胞を採取して搬入し、この細胞を培養して増殖させ、該患者に移植するような手術等でも適用可能である。
【0061】
更に、上述した手順により設定された手術日に合わせて、病院1に設けられている病院端末10或いは、培養センタ2の培養管理端末40が、スキャホールド供給センタ3に設定されている図示しない端末装置に対して、スキャホールドの発注を自動的に行うような構成としても良い。この場合、上記発注指示に従って、スキャホールド供給センタ3は、受注したスキャホールドを培養センタ2へ供給する。なお、スキャホールドの発注を指示する際には、少なくとも、スキャホールドの形状、個数、培養センタ2への納入日などを指定されているものとする。更に、上記納入日は、例えば、二次培養が開始されるであろう日時の数日前に設定されるように、予めスキャホールドの発注に係るアプリケーションプログラムを作成することにより、このアプリケーションプログラムを病院端末10内のCPU或いは、培養管理端末40内のCPUが実行することにより、スキャホールドの自動発注を実現することができる。
【0062】
また、図14に示すように、移植手術の有無に拘わらず、予め何人も自分の骨髄液を培養センタ2に保存しておき、培養骨の生成が必要となった場合に、培養センタ2に保存しておいた自分の骨髄液を使用して、上述した手法により培養骨を形成するような構成としても良い。
この場合には、骨髄液は既に培養センタ2に保存してあるので、上述した手術日設定に際し、医師らは、図8の初期入力において骨髄採取日を好きな日に設定することが可能となる。
【0063】
更に、何人も希望により骨髄液を保存することができる構成とした場合には、例えば、保存されている骨髄液の中から、培養骨の移植手術が必要である患者に適合する骨髄を抽出し、抽出された他人の骨髄液を使用して骨を培養するような構成としても良い。この場合、抽出された他人の骨髄液が患者に適合するか否かを十分検討する必要がある。
【0064】
また、上述した骨髄液だけでなく、予め採取された骨髄液から所定の大きさの培養骨を形成しておき、この培養骨を保存しておくようにしても良い。この場合、事前に自己の骨髄液、或いは自己の性質に適合する他人の骨髄液から、培養骨が形成されており、その培養骨が培養センタ2に保存されているので、培養骨の移植手術が必要となった場合には、即座に対応することができる。
【0065】
なお、本実施形態に係る手術日設定支援装置の機能を実現するためのプログラムは、上記ROM42に限らず、上記機能を実現するためのプログラムを他のコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各種の処理を実行してもよい。
なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0066】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
【0067】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。更に、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
例えば、上記プログラムを各病院端末や培養管理端末40にインストールすることにより、病院端末の各々が、又は培養管理端末40が、本発明の手術日設定支援装置の機能を実現するようにしても良い。
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の手術日設定支援装置によれば、患者毎に細胞の培養に要する期間を正確に把握でき、候補手術日を適切な日に設定することができる。
【0069】
また、本発明の手術日設定支援装置によれば、設定された手術日を希望手術日に一致させるように、培養期間を調整することができるので、一方的に手術日を設定するだけでなく、医師や患者等の意向にそったかたちで手術日を検討することができる。
【0070】
また、本発明の手術日設定支援装置によれば、料金情報も病院側の医師や患者などに通知することが可能であるので、料金面においても、患者が納得のいくように設定することができる。
【0071】
また、本発明の手術日設定支援装置によれば、培養過程において、細胞の増殖状態などによって培養期間が標準の期間よりも長引くようなことが生じた場合には、補正手段が細胞培養の状態に基づき、細胞培養期間の補正を行うので、培養過程の状態を自動的に候補手術日に反映させることが可能となる。これにより、患者や医師は、常に最新の候補手術日の情報や、培養状態を知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】細胞培養システムの概要を簡単に説明するための図である。
【図2】培養センタ2において行われる培養工程について説明するための図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る手術日設定支援装置4と、病院1、培養センタ2とを繋ぐネットワーク構成を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る手術日設定支援装置4の電気的構成を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る標準培養期間テーブル47を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る培養期間調整テーブル48を示す図である。
【図7】病院端末10に表示される初期画面の一例を示す図である。
【図8】病院端末10に表示される基本情報入力画面の一例を示す図である。
【図9】候補手術日の確定操作、又は希望手術日の入力を行う画面の一例を示す図である。
【図10】調整情報の一例を示す図である。
【図11】コンフォーカル顕微鏡により二次培養の分化状態を判定する手法の一例について示した図である。
【図12】コンフォーカル顕微鏡により二次培養の分化状態を判定する手法の一例について示した図である。
【図13】二次培養の分化状態を判定する手法の一例について示した図である。
【図14】予め骨髄液や培養骨を培養センタに保存しておく場合について示した細胞培養システムの図である。
【符号の説明】
1…病院
2…培養センタ
3…スキャホールド供給センタ
4…手術日設定支援装置
7…ネットワーク
10…病院端末
40…培養管理端末
41…CPU(候補手術日設定手段、調整情報作成手段、補正手段)
42…ROM
43…RAM
44…表示部
45…入力部
46…通信部(出力手段)
47…標準培養期間テーブル
48…培養期間調整テーブル
49…手術日程データベース
【発明の属する技術分野】
本発明は、患者から採取した細胞を培養し、培養した細胞を該患者へ移植する手術において、手術日設定の支援を行う手術日設定支援装置及びその方法並びにプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、骨腫瘍摘出や外傷等によって生じる骨の欠損部に、骨補填材を補填して骨を修復させることが行われている。しかしながら、骨粗鬆症のように、骨が次第にもろくなっていく場合や、欠損部が非常に広域である場合等には、上記方法では問題を解決することが難しい。
そこで、近年、患者から骨髄を採取し、この採取した骨髄に含まれる間葉系幹細胞から人為的に骨芽細胞を十分に増殖させた後に、再び患者の体内に戻すという新たな試みが要請されている。この場合、患者自身から採取した骨髄から骨芽細胞を増殖させ、該患者の体内に戻すため、免疫反応を生じることなく骨の形成を活性化させることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したような培養骨の移植手術などでは、医師が患者とカンファレンスを行い、骨髄の採取日や、手術日などを設定する。
通常、医師が今までの経験から、細胞培養に要する期間を推定し、推定した細胞培養期間を考慮して、手術日を設定することが多いが、細胞培養に要する期間は、骨の欠損部の大きさや、患者の属性などによって微妙に変化するため、細胞の培養期間を正確に推定し、適切な日にちに手術日を設定することは、経験豊富な医師であっても非常に難しい。
【0004】
このため、移植手術を早急に行いたいと患者が希望したとしても、培養期間を正確に推定することができないことから、手術日に培養骨が間に合わないという最悪の状況を回避するために、細胞培養期間を長めに取り、手術日を設定せざるを得なかった。
【0005】
一方、培養骨の培養過程において、細菌や真菌等が検出された場合や、細胞の活性度が低く、増殖が予定通りに行われない場合もある。この場合、当初の予定よりも長い培養期間を要してしまい、設定した手術日に間に合わないという問題が生じる。このような場合には、医師は、患者と再度手術日を検討しなければならず、労力を要した。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、細胞の培養期間を正確に算定することにより、適切な手術日を患者や医師等に提示するとともに、細胞培養の状態を手術日に反映させることができる手術日設定支援装置及びその方法並びにプログラムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、患者から採取した細胞を培養し、培養した細胞を該患者へ移植する移植手術において、手術日設定の支援を行う手術日設定支援装置であって、年齢及び性別毎に細胞培養期間が登録されている標準培養期間テーブルと、患者の年齢、性別、及び細胞採取日からなる基本情報を取得した場合に、前記基本情報と前記標準培養期間テーブルとに基づいて、候補手術日を設定する候補手術日設定手段と、前記候補手術日を出力する出力手段とを具備する手術日設定支援装置を提供する。
【0008】
この発明によれば、患者毎に細胞の培養に要する期間を正確に把握できるので、候補手術日を適切な日に設定することが可能となる。
【0009】
また、上記記載の手術日設定支援装置は、細胞培養期間を短縮するための要素と、短縮日数とが関連付けられた培養期間調整テーブルと、前記基本情報の他に希望手術日を取得した場合に、前記候補手術日を該希望手術日に一致させるための調整情報を前記培養期間調整テーブルに基づいて作成する調整情報作成手段とを備え、前記出力手段が、前記候補手術日とともに前記調整情報を出力することを特徴としている。
【0010】
この発明によれば、設定された手術日を希望手術日に一致させるように、培養期間を調整することができるので、一方的に手術日を設定するだけでなく、医師や患者等の希望にそった候補手術日を設定することができる。
【0011】
また、上記記載の手術日設定支援装置において、前記培養期間調整テーブルには、前記要素の各々に料金情報が付加されており、前記培養期間調整情報には、料金情報が含まれていることを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、料金情報も病院側の医師や患者などに通知することが可能となる。
【0013】
また、上記記載の手術日設定支援装置は、細胞の培養過程の状態に応じて前記候補手術日を補正する補正手段を具備することを特徴としている。
【0014】
この発明によれば、培養過程において、細胞の増殖状態などによって培養期間が標準の期間よりも長引くようなことが生じた場合には、補正手段が細胞培養の状態に基づき、細胞培養期間の補正を行うので、培養過程の状態を自動的に候補手術日に反映させることが可能となる。
【0015】
また、本発明は、患者から採取した細胞を培養し、培養した細胞を該患者へ移植する移植手術において、手術日設定の支援を行う手術日設定支援方法であって、患者の年齢、性別、及び細胞採取日からなる基本情報を取得した場合に、前記基本情報と、年齢及び性別毎に細胞培養期間が予め登録されている標準培養期間テーブルとに基づいて、候補手術日を設定する過程と、設定した候補手術日を出力する過程とを具備する手術日設定支援方法を提供する。
【0016】
また、本発明は、患者から採取した細胞を培養し、培養した細胞を該患者へ移植する移植手術において、手術日設定の支援を行うための手術日設定支援プログラムであって、患者の年齢、性別、及び細胞採取日からなる基本情報を取得した場合に、前記基本情報と、年齢及び性別毎に細胞培養期間が予め登録されている標準培養期間テーブルとに基づいて、候補手術日を設定するステップと、設定した候補手術日を出力するステップとをコンピュータに実行させる手術日設定支援プログラムを提供する。
【0017】
また、本発明は、請求項1〜請求項4に記載の手術日設定支援装置によって設定された手術日に基づいて、細胞を培養する細胞培養システムであって、予め患者から採取した骨髄液を保存する骨髄液保存手段と、前記手術日設定支援装置によって設定された前記患者の手術日に基づいて、前記骨髄液保存手段から該患者の骨髄液を取得する骨髄液取得手段とを具備する細胞培養システムを提供する。
【0018】
また、本発明は、請求項1〜請求項4に記載の手術日設定支援装置によって設定された手術日に基づいて、細胞を培養する細胞培養システムであって、予め採取した骨髄液を保存する骨髄液保存手段と、前記手術日設定支援装置によって設定された前記患者の手術日に基づいて、前記骨髄液保存手段から前記患者に適合する骨髄液を取得する骨髄液取得手段とを具備する細胞培養システムを提供する。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態について説明する。
なお、本実施形態では、本発明の手術日設定支援装置を培養骨を形成して、患者に移植する培養骨の移植に適用した場合を例に挙げて説明する。
まず、骨を培養するシステムについて、図1を参照して簡単に説明する。
図1において、病院1で患者から採取された骨髄は、所定の搬入容器に収容され、培養骨を形成する培養センタ2へ搬入される。なお、搬入容器は、約37℃に保たれていても良く、また、4℃或いは冷凍されていても良い。
【0020】
培養センタ2では、搬入された骨髄に含まれている間葉系幹細胞を培養する一次培養、培養された間葉系幹細胞をスキャホールドと呼ばれる足場材に加え培養骨を形成する二次培養、細菌や真菌が骨髄や培養液等に含まれていないかを調べる検査等が行われ、最終的に形成された培養骨が所定の搬出容器に収容されて、病院1へ搬出される。なお、搬入容器は、約37℃に保たれていても良く、また、4℃或いは冷凍されていても良い。
なお、二次培養において使用されるスキャホールドは、スキャホールド供給センタ3から供給される。
【0021】
次に、培養センタ2において行われる培養工程について図2を参照して簡単に説明する。
まず、病院1で患者から採取された骨髄は、所定の搬入容器に収容されて培養センタ2に搬入される。
培養センタ2では、搬入容器に収容されている骨髄細胞の一部を取り出し、採取された骨髄に細菌や真菌等が含まれていないかを検査する(ステップSP1)。
【0022】
そして、検査結果に異常が無ければ、骨髄液中に含まれている間葉系幹細胞の増殖工程へ移行する(ステップSP2)。なお、この間葉系幹細胞の増殖工程を一次培養と称する。この一次培養では、真菌、細菌エンドトキシン等が含まれていないことが確認された検査済みの血清を含む培地(この培地は人或いは牛の血清が使用される)に、同じくステップSP1において検査済みである骨髄を浸透させることにより、間葉系幹細胞を増殖させる。
【0023】
そして、間葉系幹細胞が培養骨を形成するために必要とされる十分な量まで増殖すると、続いて、この間葉系幹細胞に真菌や細菌等が含まれていないかを検査し(ステップSP3)、この結果、問題がなければ、培養骨を形成する二次培養へ移行する(ステップSP4)。
二次培養では、一次培養によって増殖させた間葉系幹細胞をスキャホールドと呼ばれる足場材に附着させる。
このスキャホールドは、β−TCPのようなリン酸カルシウム多孔体からなる足場材である。このスキャホールドに間葉系幹細胞を附着させることにより、間葉系幹細胞がβ−TCPを貪食し、骨芽細胞の分化が促進し、骨組織が形成される。なお、このとき骨芽細胞の分化を更に促進させるために、成長因子等を添加してもよい。なお、上記β−TCPに代わって、ハイドロキシアパタイト多孔体等のスキャホールドを用いても良い。
【0024】
そして、このようにして形成された培養骨は、搬出前の検査、例えば、ウイルスやマイコプラズマ培養液、真菌、細菌が含まれていないかを検査する工程へ進み(ステップSP5)、異常がなければ、所定の搬送用容器へ移し替えられ、病院1へ搬出される。
そして、培養骨を受け取った病院側では、設定されている手術日において、該培養骨を患者に移植する移植手術が行われる(ステップSP6)。
【0025】
次に、上述したような培養工程を経て形成された培養骨を移植する移植手術の手術日を設定するための手術日設定支援装置4について説明する。
図3は、本発明の一実施形態に係る手術日設定支援装置4と、病院1、培養センタ2とを繋ぐネットワーク構成を示す図である。
同図において、手術日設定支援装置4、病院1に設置されている病院端末10、培養センタ2に設置されている培養管理装置40は、互いにネットワーク70に接続されており、ネットワーク70を介して種々の情報を送受信可能な構成を有している。
ここで、上記培養管理装置40は、上述した各培養過程における細胞の培養状態などを一元管理する端末装置である。病院端末10及び、手術日設定支援装置4は、この培養管理装置40にアクセスすることで、どの患者の細胞がどの培養過程にあり、どのような状態であるかを把握することができる。
【0026】
上記病院端末10及び培養管理端末40は、端末内の各部を制御するCPUと、CPUが実行する各種プログラムが格納されているROMと、CPUの処理過程で発生したデータを一次保存するためのRAMと、ネットワーク7を介して情報を送受するための通信部と、それぞれメッセージや画面を表示する表示部と、情報を入力するキーボード、マウス等の入力部とを有し、またネットワーク7をインターネットとした場合には、インターネット上のサービスを受けることができるWWWブラウザのアプリケーションプログラムがインストールされている。なお、培養管理端末40は、各細胞の培養状態が格納されている培養状態管理データベースを有している。
【0027】
次に、手術日設定支援装置4の構成について図4を参照して説明する。
図4は、手術日設定支援装置4の電気的構成を示す図である。
同図において、手術日設定支援装置4は、装置内の各部を制御するCPU41と、CPU41が実行する各種プログラムが格納されているROM42と、CPU41の処理過程で発生したデータを一次保存するためのRAM43と、情報を入力するキーボード、マウス等の入力部44と、CPU41から供給される表示データを表示する表示部45と、手術日程データベーネットワーク7を介して情報を送受するための通信部46と、標準培養期間テーブル47と、培養期間調整テーブル48と、手術日程データベース49とを有している。
【0028】
上記標準培養期間テーブル47は、図5に示すように、年齢及び性別毎に細胞培養期間が登録されたテーブルである。更に、骨粗鬆症や、白血病などの病歴がある患者については、これらの病歴がない人に比べて培養期間が長引く傾向にあるため、各病歴に対して追加する日数が対応付けられている。
【0029】
一方、上記培養期間調整テーブル48は、図6に示すように、細胞培養期間を短縮するための要素と、短縮日数と、要素の単位当たりの金額とが関連付けられているテーブルである。例えば、成長因子であるエストロゲンを1ng/ml使用した場合には、培養期間が2日短縮される旨を示している。
なお、自家培地を使用した場合の短縮日数が「−」に設定されているのは、図5に示した培養期間が自家培地を使用した場合の培養期間となっているからである。従って、牛の培地を使用した場合には、金額がマイナス、即ち、自家培地を使用した場合よりも安くなることを示している。
【0030】
また、手術日程データベース49は、患者毎に手術が行われるまでのスケジュールが格納されるデータベースである。なお、手術日程データベース49に格納される情報についての詳細は後述する。
【0031】
なお、上述した標準培養期間テーブル47、培養期間調整テーブル48及び手術日程データベース49は、ハードウェアなどのメモリの他、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体であっても良い。例えば、半導体メモリや磁気ディスク等であってもよく、また、光ディスク(CD−ROM/R/RW、DVD−ROM、DVD−R/RW、DVD−RAM等)、光磁気ディスク(MO,MD等)、磁気記憶媒体(HDD、FD、磁気テープ等)、半導体メモリ(MS、SDカード等のフラッシュメモリ、FeRAM等)などの可搬型記録媒体であっても良い。
あるいはこれらの組合せによるコンピュータ読み取り、書き込み可能な記録媒体より構成されていても良い。
【0032】
次に、培養骨の移植手術の手術日設定について、上記構成からなる手術日設定支援装置4と病院端末10との間で行われる情報の送受について説明する。
【0033】
まず、医師は患者Aとのカンファレンスにおいて、病院端末10を操作し、初期画面を病院端末10の表示部に表示させる。ここで、初期画面の一例を図7に示す。この図に示すように、初期画面では、各種手術コースが一覧になって表されており、医師は、患者Aと相談して、手術コースを選択する。なお、ここでは、培養骨コースを選択したものとする。
【0034】
培養骨コースが選択されると、続いて、培養骨の移植手術日を設定するために必要となる各種項目を入力する基本情報入力画面が病院端末10の表示部に表示される。図8に基本情報入力画面の一例を示す。図8に示すように、基本情報入力画面には、患者Aの氏名、年齢、性別、骨髄採取日、病歴に関する情報を入力する欄が設けられている。医師は、病院端末10の入力部を操作することにより、必定事項を入力し、送信ボタンを操作する。
なお、ここでは、年齢「54歳」、性別「女」、骨髄採取日「3月3日」、病歴に関する情報「なし」を入力し、送信ボタンを操作したものとする。
係る操作が行われることにより、当該基本情報は、ネットワーク7を介して手術日設定支援装置4へ送信される。
【0035】
手術日設定支援装置4の通信部46は、上記患者Aの年齢、性別、及び細胞採取日からなる基本情報を受信すると、この基本情報をCPU41へ供給する。CPU41は、基本情報に該当する基本培養期間を標準培養期間テーブル47から取得する。
即ち、「54歳」、「女性」に該当する培養期間は、図5に示す標準培養期間テーブルから「32日」となる。更に、この培養期間「32日」に骨髄の搬入、培養骨の搬出に要する期間として「2日」を加算し、「34日」を算出する。これが、骨髄採取から、移植手術を行うまでに必要とされる基本的な日数となる。そして、骨髄採取日として「3月3日」が設定されているので、CPU41は、この「3月3日」から「34日後」の「4月6日」を候補手術日として割り出し、この候補手術日を通信部46を介して病院端末10へ送信する。
【0036】
これにより、病院端末10の表示部には、図9に示すように当該患者Aの氏名と、候補手術日とが表示される。この候補手術日を確認した医師は、この候補手術日で問題がない場合には、確定ボタンを操作する。これにより、候補手術日で確定する旨の情報が手術日設定支援装置4へ送信される。これにより、当該患者Aの基本情報と確定された手術日(4月6日)とが関連づけられて、手術日程データベースに格納される。
【0037】
一方、提示された候補手術日(4月6日)では都合が悪い場合には、希望の手術日を希望手術日入力欄に入力し、送信ボタンを操作する。ここでは、図9に示すように、希望手術日として「4月2日」が入力されたとする。
これにより、希望手術日として「4月2日」の情報がネットワーク7を介して手術日設定支援装置4へ送信される。
【0038】
手術日設定支援装置4のCPU41は通信部46を介して該希望手術日の情報を取得すると、候補手術日を「4月6日」から「4月2日」へ移行させるための要素、即ち培養期間を4日間短縮させるために必要となる要素を図6に示した培養期間調整テーブル48から取得する。
具体的には、CPU41は、培養期間調整テーブル48に登録されている各種要素の中から短縮日数が「4日」になるような要素を抽出又は要素の組合せを作成する。
例えば、図6から、培地を牛にすると培養期間を「3日」短縮でき、また、エストロゲンを使用することにより培養期間を「1日」短縮することができる。従って、この2つを組み合わせて使用することで、培養期間を合計「4日」短縮することができる。同様に、培養期間を「4日」短縮する要素の組合せを図6の培養期間調整テーブル48から作成する。また、この組合せ毎に、費やされる金額を算出する。
そして、作成した組合せを調整情報として病院端末10へ送信する。
【0039】
これにより、病院端末10には、候補手術日「4月6日」を希望手術日「4月2日」に一致させるための調整情報が表示される。この病院端末10に表示される調整情報の一例を図10に示す。
図10に示すように、病院端末10の表示画面には、候補手術日を4月2日にするための様々な組合せの調整情報がその金額とともに表示されている。
医師は患者Aと話し合い、どの調整情報を採用するかを決定する。そして、採用する調整情報を選択し(ここでは、NO.34の調整情報を選択した場合について図示されている)、送信ボタン(図示略)を操作する。
【0040】
これにより、選択されたNO.34の調整情報がネットワーク7を介して手術日設定支援装置4へ送信され、更に、通信部46を介してCPU41へ供給される。
CPU41は、受信した調整情報と、当該患者Aの情報と、また、候補手術日とを互いに関連づけて手術日データベース49に格納する。これにより、手術日データベース49には、患者Aの基本情報と、手術日(4月2日)と、また、細胞の培養過程において与える成長因子の情報(図6に示したNO34の調整情報)とが互いに関連づけられて格納されることとなる。
このように、候補手術日が確定すると、最初の手術日設定支援装置4の役割は終了する。なお、このとき、手術データベース49に格納した情報を培養センタ2の培養管理端末40と共有するような構成としても良い。
【0041】
続いて、日にちが経過し、骨髄採取日である「3月3日」になると、患者Aの骨髄採取が行われ、採取された骨髄は、培養センタ2へ搬入されることにより、培養センタ2で当該細胞の培養が開始される。このとき、採取された骨髄と、患者Aとの対応付けは、手術日設定支援装置4並びに培養管理端末40において管理される。
【0042】
培養センタ2では、図2に示したような培養過程を経て、培養骨が形成されていく。この培養過程における細胞の状態は、逐次、培養センタ2内の培養管理端末40によって管理され、今、患者Aの細胞がどのような状態であるのかが監視される。なお、培養過程において、培養管理端末40は、手術日設定支援装置4の手術日程データベース49に格納されている当該患者Aの調整情報、即ち、図10に示したNO.34の調整情報に基づいて、培養が行われる。
【0043】
まず、培養センタ2に搬入された患者Aの骨髄細胞は、図2のステップSP1に示したように、検査が行われ、問題が無ければ、骨髄液中に含まれている間葉系幹細胞の増殖工程である一次培養へ移行する。そして、一次培養が開始されてから2週間後に、培養センタ2の検査員が増殖状態を判定する。
これは、一次培養皿の底に定着している細胞の数を画像認識により数え、この細胞の数が、所定数(例えば、1×106個)以上であれば、一次培養における細胞増殖は十分であると判断し、所定数未満であれば、増殖は不十分であると判断する。
【0044】
即ち、所定数以上であれば、予定通り、後続の工程である二次培養へ移行し、一方、細胞の数が所定数未満であった場合には、更に何日間か一次培養を行い、細胞数を所定数まで増殖させなければならない。
このように、一次培養が予定通りに行われなかった場合、実際の培養期間が標準培養期間よりも長引いてしまうこととなる。従って、培養センタ2の検査員は、培養管理端末40に対して、一次培養が予定通り進んでいないことを示す情報、何日間1次培養が延長するかを示す推定延長日数、当該細胞の識別情報(即ち、患者Aの情報)などを送信する。
【0045】
該情報を受信した培養管理端末40は、自己が備える図示しない培養状態管理データベースに、受信した情報を反映させるとともに、該情報をネットワーク7を介して手術日設定支援装置4へ送信する。
これにより、手術日設定支援装置4内のCPU41は、患者Aの細胞の培養期間が何日間延長するかという情報(推定延長日数)を取得する。
当該情報を受信したCPU41は、手術日程データベース49から患者Aのデータを読み出す。これにより、当該患者Aの手術日(4月2日)、調整情報(NO.34の調整情報)、基本情報などが読み出される。
【0046】
続いて、CPU41は、読み出した手術日(4月2日)に先ほど培養管理端末40から受信した推定延長日数(例えば、3日)を加算し、加算後の手術日(4月5日)を補正手術日とし、この患者Aの基本情報(ここでは、氏名のみとする)とともに病院端末10へ送信する。
これにより、病院端末10の表示画面には、患者Aの基本情報と、補正手術日とが表示される。なお、このとき表示される表示画面は、図9に示した表示画面の「候補手術日 4月6日」に代わって、「補正手術日 4月5日」が表示された画面となる。
当該情報を確認した医師は、患者にその旨を伝え、補正手術日である「4月5日」に手術日を変更するか、或いは、当初の手術日(4月2日)に手術が行えるよう、成長因子などを更に加えて培養期間を調整するかを決定する。
【0047】
この結果、手術日を変更する場合には、希望手術日に希望の手術日を入力して送信ボタンを操作し、また、補正手術日で問題がない場合には、確定ボタンを操作する。なお、この後の調整情報の作成手法や、手術日程データベース49への書き込み処理などについては、上述と同様の手法によって行われる。
【0048】
上述したように、細胞の培養過程において、細胞培養がスケジュール通りに進まずに遅れが生じてしまうような場合には、その情報が常に培養管理端末40に反映され、更に培養管理端末40から推定遅延日数が手術日設定支援装置4へ送信される。これにより、手術日設定支援装置4は、培養過程の状態を常に手術日に反映させることが可能となる。
なお、図5に示した標準培養期間は、全培養過程における全日数が示されているだけであるが、この標準培養期間を培養過程の各々に対して割り当てたテーブルを培養管理端末40は有している。そして、検査員などは、培養管理端末40が有しているスケジュールテーブルと、実際の培養の進み具合とを照らし合わせることにより、スケジュール通りに培養が進んでいるかを判断することができる。
【0049】
なお、一次培養において、細胞の増殖状態を判定する手法は、上述した細胞の数を数える手法の他、例えば、培地の成分を分析することにより、細胞の増殖状態を把握する手法、細胞に所定の刺激を与えることにより培地中の成分を調べる手法などを用いても良い。
なお、上記培地の成分を分析する手法は、細胞から産成するタンパク質やその他の成分を分析することで、培養の程度を判定する手法である。
【0050】
また、同様に、二次培養においても、細胞の分化の状態を判定するわけであるが、この二次培養の状態を調べる手法としては、以下のような手法が挙げられる。
1)例えば、円筒状の孔を中心に有するスキャホールド100の場合には、図11に示すように、スキャホールド100の円筒状の孔にボールペン型のコンフォーカル顕微鏡101を挿入し、内部まで骨細胞に分化できているか否かを調べることにより、二次培養の状態を判定する手法。
2)図12に示すように、スキャホールド100の表面をコンフォーカル顕微鏡102により画像として取り込み、画像処理によって細胞を抽出し、抽出された細胞の数が所定数(例えば、1×1016)以上であるか否かを判定することにより、二次培養の状態を判定する手法。
3)また、上述の2)の手法では、表面に細胞が重なって形成された場合に、判定が難しいため、図13に示すように、1次培養された間葉系幹細胞を使用して、単層の検査用の細胞103と、製品(患者へ移植するもの)104とを同一条件化において生成し、この検査用の単層の細胞の表面を2)と同様の手法により二次培養の状態を判定する手法。
4)また、上記検査用の単層の細胞に、マーカ、ALP活性が測定されるか否かにより、二次培養の状態を判定する手法。例えば、β−TCPを砕いて、アルカリフォスファターゼ(酵素活性)、即ち、骨芽細胞の活性を示すパラメータを測定することにより、二次培養の状態を調べる手法。
5)また、細胞を蛍光染色した後、蛍光測定を行い、この測定結果により、分化の度合いを判断することにより、二次培養の状態を判定する手法。
【0051】
そして、上記いずれかの手法を用いて二次培養の状態が判定された結果、二次培養がスケジュール通りに進まないと検査員が判断した場合には、上述した一次培養の日にち延長の場合と同様に、推定延長日数と、当該細胞のデータなどを培養管理端末40へ送信する。
これにより、二次培養が延長して行われる旨の情報などが培養管理端末40の培養状態管理データベースに反映されるとともに、培養管理端末40から手術日設定支援装置4へ送信される。これにより、手術日設定支援装置は、上述した一次培養と同様の処理を行うこととなる。
【0052】
このようにして、培養過程におけるスケジュールの遅延が、手術日程データベース49に格納されている最新の候補手術日にフィードバックされることにより、常に、培養状態が反映された適切な手術日が設定されることとなる。
【0053】
以上、この発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0054】
例えば、図10に示した調整情報において、コスト順にソートする機能や、投与する物品の少ない順にソートする機能などを付加してもよい。このような機能を付加することにより、患者及び医師は、所望の調整情報を速やかに選択することが可能となる。
【0055】
また、上述した実施形態では、図8の基本情報入力画面において、培地の種類(自家血清を使用するか、又は牛の血清を使用して培地を生成するか)、感染歴、アレルギー、血液型、平熱、病気の部位、疾患名、疾患部位の大きさ、インプラント名、カンファレンス情報(術式、使用材料、手術日、機材の手配)、培養骨の大きさ、スキャホールドの種類などを入力する欄を追加し、疾患部位の大きさ、スキャホールドの種類、培養骨の大きさ、アレルギー、感染歴など、より詳細な情報に基づいて培養期間を細かく設定するようにしても良い。
【0056】
また、上述した実施形態では、候補手術日を患者及び医師に一旦提示し、これに対する希望手術日が入力された場合には、候補手術日を希望手術日に一致させるように、調整情報を作成していたが、これに代わって以下のような態様にすることも可能である。
【0057】
例えば、図8に示した基本情報入力画面に、希望手術日の入力欄を設け、任意に希望手術日を入力できるようにする。このように希望手術日を初期段階で入力できるようにすれば、候補手術日を希望手術日に一致させるような調整情報を始めから作成することができる。これにより、年齢及び性別から求めた候補手術日を病院端末へ送信するという処理を省略することができ、処理を迅速に行うことが可能となる。
【0058】
また、図8に示した基本情報入力画面に、培養期間を早める要素となる成長因子や、培地などを選択させる項目を付加することにより、初期段階において、培養過程において加えたい成長因子などの情報を入力できるようにする。この場合、候補手術日の設定においては、標準培養期間テーブル47及び培養期間調整テーブル48の2つのテーブルを参照することにより行われることとなる。
このように、予め成長因子などの選択も行えるようにすることで、予め手術日を早めたい場合などには、候補手術日の提示の時点から、通常の手術日よりも早い手術日を提示させることが可能となる。これにより、後の処理を迅速に行うことが可能となる。
【0059】
また、上述した候補手術日の設定において、培養センタ2の稼働状況、混み具合等も反映させるようにしても良い。
【0060】
例えば、上述した実施形態においては、本発明の細胞培養システムの一例として培養骨を形成する培養骨形成システムを例に挙げて説明したが、これに限らず、細胞を培養するために、その培養期間を考慮して手術日を設定しなければならないようなシステムに適用することができる。
例えば、患者の軟骨細胞を採取して搬入し、この細胞を培養して増殖させ、該患者に移植するような手術等でも適用可能である。
【0061】
更に、上述した手順により設定された手術日に合わせて、病院1に設けられている病院端末10或いは、培養センタ2の培養管理端末40が、スキャホールド供給センタ3に設定されている図示しない端末装置に対して、スキャホールドの発注を自動的に行うような構成としても良い。この場合、上記発注指示に従って、スキャホールド供給センタ3は、受注したスキャホールドを培養センタ2へ供給する。なお、スキャホールドの発注を指示する際には、少なくとも、スキャホールドの形状、個数、培養センタ2への納入日などを指定されているものとする。更に、上記納入日は、例えば、二次培養が開始されるであろう日時の数日前に設定されるように、予めスキャホールドの発注に係るアプリケーションプログラムを作成することにより、このアプリケーションプログラムを病院端末10内のCPU或いは、培養管理端末40内のCPUが実行することにより、スキャホールドの自動発注を実現することができる。
【0062】
また、図14に示すように、移植手術の有無に拘わらず、予め何人も自分の骨髄液を培養センタ2に保存しておき、培養骨の生成が必要となった場合に、培養センタ2に保存しておいた自分の骨髄液を使用して、上述した手法により培養骨を形成するような構成としても良い。
この場合には、骨髄液は既に培養センタ2に保存してあるので、上述した手術日設定に際し、医師らは、図8の初期入力において骨髄採取日を好きな日に設定することが可能となる。
【0063】
更に、何人も希望により骨髄液を保存することができる構成とした場合には、例えば、保存されている骨髄液の中から、培養骨の移植手術が必要である患者に適合する骨髄を抽出し、抽出された他人の骨髄液を使用して骨を培養するような構成としても良い。この場合、抽出された他人の骨髄液が患者に適合するか否かを十分検討する必要がある。
【0064】
また、上述した骨髄液だけでなく、予め採取された骨髄液から所定の大きさの培養骨を形成しておき、この培養骨を保存しておくようにしても良い。この場合、事前に自己の骨髄液、或いは自己の性質に適合する他人の骨髄液から、培養骨が形成されており、その培養骨が培養センタ2に保存されているので、培養骨の移植手術が必要となった場合には、即座に対応することができる。
【0065】
なお、本実施形態に係る手術日設定支援装置の機能を実現するためのプログラムは、上記ROM42に限らず、上記機能を実現するためのプログラムを他のコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各種の処理を実行してもよい。
なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0066】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
【0067】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。更に、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
例えば、上記プログラムを各病院端末や培養管理端末40にインストールすることにより、病院端末の各々が、又は培養管理端末40が、本発明の手術日設定支援装置の機能を実現するようにしても良い。
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の手術日設定支援装置によれば、患者毎に細胞の培養に要する期間を正確に把握でき、候補手術日を適切な日に設定することができる。
【0069】
また、本発明の手術日設定支援装置によれば、設定された手術日を希望手術日に一致させるように、培養期間を調整することができるので、一方的に手術日を設定するだけでなく、医師や患者等の意向にそったかたちで手術日を検討することができる。
【0070】
また、本発明の手術日設定支援装置によれば、料金情報も病院側の医師や患者などに通知することが可能であるので、料金面においても、患者が納得のいくように設定することができる。
【0071】
また、本発明の手術日設定支援装置によれば、培養過程において、細胞の増殖状態などによって培養期間が標準の期間よりも長引くようなことが生じた場合には、補正手段が細胞培養の状態に基づき、細胞培養期間の補正を行うので、培養過程の状態を自動的に候補手術日に反映させることが可能となる。これにより、患者や医師は、常に最新の候補手術日の情報や、培養状態を知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】細胞培養システムの概要を簡単に説明するための図である。
【図2】培養センタ2において行われる培養工程について説明するための図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る手術日設定支援装置4と、病院1、培養センタ2とを繋ぐネットワーク構成を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る手術日設定支援装置4の電気的構成を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る標準培養期間テーブル47を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る培養期間調整テーブル48を示す図である。
【図7】病院端末10に表示される初期画面の一例を示す図である。
【図8】病院端末10に表示される基本情報入力画面の一例を示す図である。
【図9】候補手術日の確定操作、又は希望手術日の入力を行う画面の一例を示す図である。
【図10】調整情報の一例を示す図である。
【図11】コンフォーカル顕微鏡により二次培養の分化状態を判定する手法の一例について示した図である。
【図12】コンフォーカル顕微鏡により二次培養の分化状態を判定する手法の一例について示した図である。
【図13】二次培養の分化状態を判定する手法の一例について示した図である。
【図14】予め骨髄液や培養骨を培養センタに保存しておく場合について示した細胞培養システムの図である。
【符号の説明】
1…病院
2…培養センタ
3…スキャホールド供給センタ
4…手術日設定支援装置
7…ネットワーク
10…病院端末
40…培養管理端末
41…CPU(候補手術日設定手段、調整情報作成手段、補正手段)
42…ROM
43…RAM
44…表示部
45…入力部
46…通信部(出力手段)
47…標準培養期間テーブル
48…培養期間調整テーブル
49…手術日程データベース
Claims (8)
- 患者から採取した細胞を培養し、培養した細胞を該患者へ移植する移植手術において、手術日設定の支援を行う手術日設定支援装置であって、
少なくとも年齢及び性別毎に細胞培養期間が登録されている標準培養期間テーブルと、
少なくとも患者の年齢、性別、及び細胞採取日からなる基本情報を取得した場合に、前記基本情報と前記標準培養期間テーブルとに基づいて、候補手術日を設定する候補手術日設定手段と、
前記候補手術日を出力する出力手段と
を具備する手術日設定支援装置。 - 細胞培養期間を短縮するための要素と、短縮日数とが関連付けられた培養期間調整テーブルと、
前記基本情報の他に希望手術日を取得した場合に、前記候補手術日を該希望手術日に一致させるための調整情報を前記培養期間調整テーブルに基づいて作成する調整情報作成手段とを備え、
前記出力手段が、前記候補手術日とともに前記調整情報を出力する請求項1に記載の手術日設定支援装置。 - 前記培養期間調整テーブルには、前記要素の各々に料金情報が付加されており、
前記培養期間調整情報には、料金情報が含まれている請求項1又は請求項2に記載の手術日設定支援装置。 - 細胞の培養過程の状態に応じて前記候補手術日を補正する補正手段を具備する請求項1〜請求項3のいずれかに記載の手術日設定支援装置。
- 患者から採取した細胞を培養し、培養した細胞を該患者へ移植する移植手術において、手術日設定の支援を行う手術日設定支援方法であって、
少なくとも患者の年齢、性別、及び細胞採取日からなる基本情報を取得した場合に、前記基本情報と、少なくとも年齢及び性別毎に細胞培養期間が予め登録されている標準培養期間テーブルとに基づいて、候補手術日を設定する過程と、
設定した候補手術日を出力する過程とを具備する手術日設定支援方法。 - 患者から採取した細胞を培養し、培養した細胞を該患者へ移植する移植手術において、手術日設定の支援を行うための手術日設定支援プログラムであって、
少なくとも患者の年齢、性別、及び細胞採取日からなる基本情報を取得した場合に、前記基本情報と、少なくとも年齢及び性別毎に細胞培養期間が予め登録されている標準培養期間テーブルとに基づいて、候補手術日を設定するステップと、
設定した候補手術日を出力するステップと
をコンピュータに実行させる手術日設定支援プログラム。 - 請求項1〜請求項4に記載の手術日設定支援装置によって設定された手術日に基づいて、細胞を培養する細胞培養システムであって、
予め患者から採取した骨髄液を保存する骨髄液保存手段と、
前記手術日設定支援装置によって設定された前記患者の手術日に基づいて、前記骨髄液保存手段から該患者の骨髄液を取得する骨髄液取得手段と
を具備する細胞培養システム。 - 請求項1〜請求項4に記載の手術日設定支援装置によって設定された手術日に基づいて、細胞を培養する細胞培養システムであって、
予め採取した骨髄液を保存する骨髄液保存手段と、
前記手術日設定支援装置によって設定された前記患者の手術日に基づいて、前記骨髄液保存手段から前記患者に適合する骨髄液を取得する骨髄液取得手段と
を具備する細胞培養システム。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2015076391A1 (ja) * | 2013-11-25 | 2015-05-28 | 東京エレクトロン株式会社 | 自動培養システム及び細胞管理システム |
WO2020148964A1 (ja) * | 2019-01-18 | 2020-07-23 | 富士フイルム株式会社 | 細胞生成支援装置、方法、及びプログラム |
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-
2002
- 2002-06-04 JP JP2002162712A patent/JP2004013278A/ja active Pending
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