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JP7289854B2 - 細胞生成支援装置、方法、及びプログラム - Google Patents

細胞生成支援装置、方法、及びプログラム Download PDF

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Description


本開示の技術は、細胞生成支援装置、方法、及びプログラムに関する。

近年、ES(Embryonic Stem)細胞及びiPS(Induced Pluripotent Stem)細胞等の多能性幹細胞は、種々の組織の細胞に分化する能力を備えており、再生医療、薬の開発、病気の解明等において応用が可能な細胞として注目されている。例えばiPS細胞を分化させることにより、所望する細胞を所望する個数生成したい場合には、図19に示すように、細胞提供者40から血球細胞41又は皮膚細胞42等の細胞を採取して、採取した細胞に複数の遺伝子を導入することでiPS細胞43を生成する初期化工程T1、生成されたiPS細胞43を培養(以下、拡大培養ともいう)して所望する個数のiPS細胞46を生成する培養工程T2、生成された個数のiPS細胞46を神経細胞47、心筋細胞48、及び肝臓細胞49等を分化誘導する分化工程T3を経る必要がある。一般的には初期化工程T1と培養工程T2を合わせて2か月程度、分化工程T3は2から3か月程度の期間を要する。

培養工程T2においては、iPS細胞43を収容した培養容器から培地を除去し、iPS細胞43を新しい培地に移す「継代」と称する操作がある。継代操作においては、増殖したiPS細胞43を、複数の培養容器に予め定められた大きさ及び密度で均一に播種し、細胞の株分けが行われる。培養細胞を継代する際に、特に初期化されたiPS細胞の場合は、一般的に、未分化状態を維持して増殖する可能性がある細胞を、作業の担当者が目視で観察することにより選択している。担当者は、例えば形が整っているiPS細胞44は継続して培養し、形が整っていないiPS細胞45は取り除くといった細胞の選別を行う。しかしながら、担当者による細胞の選別が行われた場合であっても、iPS細胞からの分化誘導が上手くいかないケースが発生している。分化誘導が上手くいかないと、分化させたい細胞を目標とする個数生成することが困難となり、このことが、産業化への障害となっている。

そこで、画像からiPS細胞の良悪を選択する方法、代謝物を計測する方法、及び遺伝子を計測する方法等、個々に細胞を計測することにより、培養及び分化に適した細胞を選別することが行われている。特許文献1には、培養時間が異なる二つ以上の時点(予測時)において各サンプルの細胞を撮影して取得した各画像を解析することにより生成した細胞の形態に関する2つ以上の指標と、サンプル毎に取得した予測目標の実測データとを用いて、細胞の品質を予測する予測モデルが開示されている。

特開2009-44974号公報

一方、培養工程T2において、未分化状態を維持して増殖する可能性がある細胞を選んで分化誘導させた場合であっても、分化誘導が必ず成功して目標とする細胞が生成されるとは限らず、失敗する場合もある。生成したい細胞に成り得る可能性のある細胞の数は、培養工程T2の終了時に決定される。例えば、分化工程T3に入ってから、生成したい細胞に成り得る可能性のある細胞の数が目標とする細胞の数よりも少ないことが判明すると、足りない分だけ新たに一から細胞を生成しなければならず、時間及びコストがかかってしまう。例えば、健常者から採取した細胞を創薬ツールとして使用する場合には、生成したい細胞を目標とする数だけ可能な限り短時間で生成することが望まれている。そこで、生成したい細胞を目標とする数だけ生成可能か否かの情報を取得して、生成不可能である場合には、できるだけ早い時期に新たに細胞を生成できるようにすることが望まれる。上記特許文献1に記載の技術では、実測データから細胞の品質を予測することは可能であるが、生成したい細胞を目標とする数だけ生成可能か否かの情報を取得することはできない。

本開示は上記事情に鑑みなされたものであり、生成したい細胞を目標とする数だけ生成可能か否かの情報を取得できるようにすることを目的とする。

本開示による細胞生成支援装置は、使用する細胞の経歴を示す経歴情報及び生成したい細胞の細胞情報を取得する情報取得部と、情報取得部で取得した経歴情報、細胞情報、及び細胞を初期化する初期化工程、細胞を培養する培養工程、及び細胞を分化誘導させる分化工程のうちの何れかの工程において細胞を計測する際の計測に関連する計測情報に基づいて、細胞の計測毎に生成したい細胞が生成可能か否かの情報を取得する生成可能情報取得部とを含む。

なお、本開示による細胞生成支援装置においては、生成可能情報取得部が、情報取得部で取得した経歴情報及び細胞情報、並びに計測情報に基づいて生成したい細胞が生成可能か否かの情報を導出する第1の導出部を含んでもよい。

また、本開示による細胞生成支援装置においては、第1の導出部は、使用する細胞の経歴を示す経歴情報及び生成したい細胞の細胞情報、並びに細胞を初期化する初期化工程、細胞を培養する培養工程、及び細胞を分化誘導させる分化工程のうちの何れかの工程において、細胞を計測する際の計測に関連する計測情報を含む第1の情報の組と、この第1の情報の組に対応する生成したい細胞が生成可能か否かの情報との情報セットを複数含む学習情報を用いて機械学習された第1の学習済みモデルを含んでもよい。

また、本開示による細胞生成支援装置においては、計測情報は、計測手段に関連する情報及び計測手段による計測で得られた計測結果を示す情報の少なくとも一方の情報であってもよい。

また、本開示による細胞生成支援装置においては、計測手段に関連する情報は、計測に用いた方法及び計測した担当者の何れか一方を示す情報を含み、計測結果を示す情報は、計測された細胞の状態、培地の状態、及び菌の有無のうち、何れか1以上の情報を含んでもよい。

また、本開示による細胞生成支援装置においては、計測された細胞の状態は、細胞の形状、細胞の色、細胞の数、細胞の大きさ、細胞の匂い、細胞の遺伝子発現、細胞の代謝物の種類、及び細胞のタンパク質のうち、何れか1以上の情報を含んでもよい。

また、本開示による細胞生成支援装置においては、経歴情報は、使用する細胞の保有者である細胞提供者の名前、細胞提供者の性別、細胞提供者の血液型、細胞提供者の人種、細胞提供者の年齢、細胞提供者の疾患歴、細胞提供者の免疫情報、及び細胞提供者の血縁者の疾患歴のうち、何れか1以上の情報を含んでもよい。

また、本開示による細胞生成支援装置においては、細胞情報は、生成したい細胞の種類、生成したい細胞の数、生成したい細胞の状態、及び生成を完了したい日数のうち、何れか1以上の情報を含んでもよい。

また、本開示による細胞生成支援装置においては、生成したい細胞が生成可能か否かの情報を報知する報知部を含んでもよい。

また、本開示による細胞生成支援装置においては、生成可能情報取得部が生成可能の情報を取得した場合に、情報取得部で取得した経歴情報及び細胞情報に基づいて細胞を培養するための培養条件を取得する培養条件取得部をさらに含んでもよい。

また、本開示による細胞生成支援装置においては、培養条件取得部は、細胞を初期化する初期化工程、細胞を培養する培養工程、及び細胞を分化誘導させる分化工程のうちの何れかの工程において、細胞を計測する際の計測に関係する計測情報に基づいて更新した更新培養条件を培養条件として取得してもよい。

また、本開示による細胞生成支援装置においては、培養条件取得部は、情報取得部で取得した経歴情報及び細胞情報に基づいて培養条件を導出する第2の導出部と、計測情報に基づいて更新した更新培養条件を培養条件として導出する第3の導出部とを含んでもよい。

また、本開示による細胞生成支援装置においては、第2の導出部は、使用する細胞の経歴を示す経歴情報及び生成したい細胞の細胞情報を含む第2の情報の組と、この第2の情報の組に対応する培養条件との情報セットを複数含む学習情報を用いて機械学習された第2の学習済みモデルを含み、第3の導出部は、細胞を初期化する初期化工程、細胞を培養する培養工程、及び細胞を分化誘導させる分化工程のうちの何れかの工程において、細胞を計測する際の計測に関連する計測情報及び培養条件を含む第3の情報の組と、この第3の情報の組に対応する更新培養条件との情報セットを複数含む学習情報を用いて機械学習された第3の学習済みモデルを含んでもよい。

また、本開示による細胞生成支援装置においては、第2の学習済みモデルと第3の学習済みモデルとは1つの学習済みモデルで構成されていてもよい。

また、本開示による細胞生成支援装置においては、培養条件は、使用する細胞の種類、使用する細胞数、使用する容器の種類、使用する培地の種類、使用する添加物の種類、処理のタイミング、及び担当者に関する情報のうち、何れか1以上を含んでもよい。

また、本開示による細胞生成支援装置においては、処理のタイミングは、播種のタイミング、継代のタイミング、培地を交換するタイミング、添加物を添加するタイミング、及び細胞を検査するタイミングのうち、何れか1以上のタイミングを含んでもよい。

本開示による細胞生成支援方法においては、使用する細胞の経歴を示す経歴情報及び生成したい細胞の細胞情報を取得し、経歴情報、細胞情報、及び細胞を初期化する初期化工程、細胞を培養する培養工程、及び細胞を分化誘導させる分化工程のうちの何れかの工程において細胞を計測する際の計測に関連する計測情報に基づいて、細胞の計測毎に生成したい細胞が生成可能か否かの情報を取得する。

なお、本開示による細胞生成支援方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして提供してもよい。

本開示による他の細胞生成支援装置は、コンピュータに実行させるための命令を記憶するメモリと、記憶された命令を実行するよう構成されたプロセッサとを備え、プロセッサは、使用する細胞の経歴を示す経歴情報及び生成したい細胞の細胞情報を取得し、経歴情報、細胞情報、及び細胞を初期化する初期化工程、細胞を培養する培養工程、及び細胞を分化誘導させる分化工程のうちの何れかの工程において細胞を計測する際の計測に関連する計測情報に基づいて、細胞の計測毎に生成したい細胞が生成可能か否かの情報を取得する処理を実行する。

本開示の一実施形態によれば、生成したい細胞を目標とする数だけ生成可能か否かの情報を取得することができる。

本開示の第1の実施形態による細胞生成支援装置の概略構成を示す図 本開示の第1の実施形態による経歴情報の一例を示す図 本開示の第1の実施形態による細胞情報の一例を示す図 本開示の第1の実施形態による計測情報の一例を示す図 本開示の第1の実施形態による生成可能情報取得部の概略構成を示す図 本開示の第1の実施形態による学習済みモデルを説明するための図 本開示の第1の実施形態による第1の導出部を説明するための図 本開示の第1の実施形態の細胞生成支援装置において行われる処理を示すフローチャート 本開示の第1の実施形態による学習済みモデルを説明するための図 本開示の第2の実施形態による細胞生成支援装置の概略構成を示す図 本開示の第2の実施形態による培養条件の一例を示す図 本開示の第2の実施形態による培養条件取得部の概略構成を示す図 本開示の第2の実施形態による学習済みモデルを説明するための図 本開示の第2の実施形態による第2の導出部を説明するための図 本開示の第2の実施形態による学習済みモデルをさらに説明するための図 本開示の第2の実施形態による第3の導出部を説明するための図 本開示の第2の実施形態の細胞生成支援装置において行われる処理を示すフローチャート 本開示の第2の実施形態の細胞生成支援装置において行われる処理を説明するための図 細胞を生成する各工程を説明するための図

以下、図面を参照して本開示の第1の実施形態について説明する。図1は本開示の第1の実施形態による細胞生成支援装置の概略構成を示す図である。図1は、細胞生成支援プログラムが不揮発性のメモリ12にインストールされたことを示している。なお、胞生成支援プログラムはストレージ13にインストールされてもよい。また、メモリ12はDRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)等の揮発性のメモリであってもよく、その場合、CPU12から呼び出された細胞生成支援プログラムが一時的にメモリ12へ記憶され、実行されてもよい。なお、本開示の第1の実施形態においては、細胞生成支援装置が、学習済みモデルを内包するものとする。このため、図1には細胞生成支援装置のみを示す。図1に示すように、細胞生成支援装置1は、標準的なコンピュータの構成として、CPU(Central Processing Unit)11、メモリ12及びストレージ13を備えている。また、細胞生成支援装置1には、後述する培養条件Cを報知する報知部14、並びにキーボード及びマウス等の入力装置(以下、入力部とする)15が接続されている。

本開示の一実施形態における報知部14は、一例として培養条件C及び生成したい細胞が生成可能か否かの情報Fを可視表示させるディスプレイで構成される。なお報知部14はメッセージ等を可視表示させるディスプレイ、音声が出力されることにより可聴表示させる音声再生装置、用紙等の記録媒体に記録して永久可視表示させるプリンタ、メールや電話等の通信手段及び表示灯等を意味し、上記ディスプレイ、上記音声再生装置、上記プリンタ、上記通信手段及び上記表示光のうちの少なくとも2つ以上を組み合わせてもよい。なお、本開示の一実施形態は、報知部14が細胞生成支援装置1の外部装置としているが、本開示の技術はこれに限られず、報知部14が細胞生成支援装置1の一部に含まれていてもよい。

ストレージ13は、ハードディスクまたはSSD(Solid State Drive)等のストレージデバイスからなる。ストレージ13には、ネットワークを経由して外部のデータサーバ(図示せず)から取得した、使用する細胞の経歴を示す経歴情報A及び細胞生成支援装置1の処理に必要な情報を含む各種情報が記憶されている。

また、メモリ12には、細胞生成支援プログラム、及び学習済みモデルが記憶されている。細胞生成支援プログラムは、CPU11に実行させる処理として、使用する細胞の経歴を示す経歴情報及び生成したい細胞の細胞情報を取得する情報取得処理、並びに経歴情報、細胞情報、及び細胞を初期化する初期化工程、細胞を培養する培養工程、及び細胞を分化誘導させる分化工程のうちの何れかの工程において細胞を計測する際の計測に関連する計測情報に基づいて、細胞の計測毎に生成したい細胞が生成可能か否かの情報を取得する生成可能情報取得処理を規定する。

そして、CPU11が細胞生成支援プログラムに従いこれらの処理を実行することで、コンピュータは、情報取得部21及び生成可能情報取得部23として機能する。なお、本実施形態においては、CPU11が細胞生成支援プログラムによって、各部の機能を実行するようにしたが、ソフトウェアを実行して各種の処理部として機能する汎用的なプロセッサとしては、CPU11の他、FPGA (Field Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)を用いることができる。また、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等により、各部の処理を実行するようにしてもよい。また、メモリ12が揮発性のメモリの場合、CPU12から呼び出された細胞生成支援プログラム、及び学習済みモデルが一時的にメモリ12へ記憶され、実行されてもよい。

1つの処理部は、これら各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種または異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGA、またはCPUとFPGAの組み合わせ等)で構成されてもよい。また、複数の処理部を1つのプロセッサで構成してもよい。複数の処理部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアント及びサーバ等のコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウェアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが複数の処理部として機能する形態がある。第2に、システムオンチップ(System On Chip:SoC)等に代表されるように、複数の処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、各種の処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサを1つ以上用いて構成される。

さらに、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路(circuitry)である。

情報取得部21は、使用する細胞の経歴を示す経歴情報A及び生成したい細胞の細胞情報Bを取得する。情報取得部21は、一例として、使用する細胞が収容された容器に記された識別情報が入力部15から入力された場合に、入力された識別情報に対応する細胞提供者の経歴情報Aを、外部サーバから取得する。

図2は本開示の第1の実施形態による経歴情報Aの一例を示す図である。経歴情報Aは、使用する細胞の経歴を示す情報である。経歴情報Aは、一例として図2に示すように、使用する細胞の保有者である細胞提供者の名前、細胞提供者の性別、細胞提供者の血液型、細胞提供者の人種、細胞提供者の年齢、細胞提供者の疾患歴、細胞提供者の免疫情報、及び細胞提供者の血縁者の疾患歴の情報である。本開示の一実施形態として、細胞提供者の血縁者は、例えば細胞提供者本人からみて3親等以内の血縁者とする。なお、本開示の技術はこれに限られず、例えば3親等よりも遠い血縁者を含んでもよい。また、本開示においては、一例として経歴情報Aは図2に示す情報を示すものとしたが、本開示の技術はこれに限られず、図2に示す情報のうち、何れか1以上の情報を含む情報であってもよい。

図3は本開示の第1の実施形態による細胞情報Bの一例を示す図である。細胞情報Bは、生成したい細胞の情報である。細胞情報Bは、一例として図3に示すように、生成したい細胞の種類B1、目標細胞数B2、及び生成したい細胞の状態B3の情報を含む。細胞の種類B1は、iPS細胞、心筋細胞、及び神経細胞等の生成したい細胞の種類の情報である。目標細胞数B2は、10万個及び100個等の生成したい細胞の数を示す情報である。細胞の状態B3は、培養したい、及び分化させたい等、細胞に対して何をしたいのかを示す情報である。

なお、細胞の種類B1及び目標細胞数B2は、予め設定されると、図19に示す初期化工程T1、培養工程T2、及び分化工程T3の全てが終了するまで変更されない。細胞の状態B3は、初期工程T1であれば「初期化したい」、培養工程T2であれば「拡大培養したい」及び「選別したい」、分化工程T3であれば「分化させたい」のように、各工程毎に担当者によって変更される。本開示の技術においては、一例として図3に示すように、細胞情報Bは細胞の種類B1、目標細胞数B2、細胞の状態B3、及び生成を完了したい日数B4の情報を示すものとしたが、本開示の技術はこれに限られず、細胞情報Bはこれらの情報のうち、何れか1以上の情報を含む情報であってもよい。

生成可能情報取得部23は、情報取得部21で取得した経歴情報A、細胞情報B、及び細胞を初期化する初期化工程T1、細胞を培養する培養工程T2、及び細胞を分化誘導させる分化工程T3のうちの何れかの工程において細胞を計測する際の計測に関連する計測情報Dに基づいて、細胞の計測毎に生成したい細胞が生成可能か否かの情報Fを取得する。

ここで、計測情報Dについて説明する。図4は本開示の第1の実施形態による計測情報Dの一例を示す図である。計測情報Dは細胞の検査で細胞を計測する際の計測に関連する情報であり、図4に示すように、計測手段に関する情報D1及び計測手段による計測で得られた計測結果を示す情報D2である。

計測手段に関する情報D1は、計測に用いた方法の情報及び計測した担当者の情報を含む。計測に用いた方法としては、計測装置の種類や計測装置の使用の有無の情報があり、位相差顕微鏡、明視野顕微鏡、及び目視等がある。また計測した担当者の情報としては、計測者A、及び計測者B等、各計測者の名前や計測の熟年度等の情報がある。

計測で得られた計測結果を示す情報D2は、計測された細胞の状態、培地の状態、及び菌の有無の情報を含む。計測された細胞の状態は、細胞の検査値であり、細胞の形状、細胞の色、細胞の数、細胞の大きさ、細胞の匂い、細胞の遺伝子発現、細胞の代謝物の種類、細胞のタンパク質の情報、及び細胞にあけた穴の大きさ等である。なお、本開示においては、細胞のタンパク質の情報は、タンパク質が合成されているか否かの情報であり、細胞の遺伝子発現は、遺伝子の情報が細胞における構造及び機能に変換される過程をいう。本開示の技術においては、一例としてタンパク質は蛍光プローブを使用して計測し、遺伝子発現は、細胞をすりつぶして対象とする遺伝子の増幅剤を用いて計測する。なお、本開示はこれに限られず、公知の計測方法を使用することができる。

また、培地の状態は、培地の色、培地に含まれる細胞の代謝物、培地に溶けている気体濃度等の情報を含む。培地の色を計測することにより、培地に溶けている二酸化炭素の量を計測することができる。気体濃度は、一例として培地中の炭素濃度及び窒素濃度を計測する。これにより、細胞が正常に培養できているか否かを検出することができる。

また、菌の有無は、細胞に菌がいるのか、培地に菌がいるのか、細胞及び培地に菌がいるのか、及び菌がいないのか等の情報である。

なお、本開示においては、一実施形態として図4に示す情報を計測情報Dとしたが、本開示の技術はこれに限られず、計測情報Dは、図4に示す情報を何れか1つ以上含む情報であればよい。

なお、一例として図19に示す初期化工程T1において、初期化中に計測が行われる場合、計測に用いる方法としては、例えば位相差顕微鏡がある。すなわち、初期化工程T1においては、血球細胞41及び皮膚細胞42に穴をあけ、あけられた穴に薬剤が導入される。この場合、穴が薬剤を入れるために必要な大きさ、形、及び深さにあけられていないと、細胞の初期化が成功しない場合がある。そこで、例えば穴があいた細胞41及び皮膚細胞42を位相差顕微鏡により撮像して取得した画像から穴の大きさを計測する。なお、初期化工程T1において計測に用いた方法としては、位相差顕微鏡に限られず、穴を計測可能な方法であれば何れの方法を用いてもよい。

また、一例として図19に示す培養工程T2において、iPS細胞の選別する際に行われる計測に用いる方法としては、例えば位相差顕微鏡を使用する方法がある。位相差顕微鏡を用いてiPS細胞43を撮像して撮像画像を取得し、取得した撮像画像におけるiPS細胞43の大きさ及び形等を計測し、形が整った、つまり分化誘導可能な形状のiPS細胞44である場合には、培養を継続してiPS細胞44を拡大培養し、例えば形が整っていない形状である、つまり分化誘導不可能な形状のiPS細胞44である場合には、iPS細胞44を除去することにより、細胞の選別が行われる。なお、iPS細胞43を計測に用いる方法は、位相差顕微鏡に限られず、計測者の目視であってもよいし、その他何れの方法であってもよい。

図5は本開示の第1の実施形態による生成可能情報取得部23の概略構成を示す図である。生成可能情報取得部23は、図5に示すように、第1の導出部29を含む。第1の導出部29は、経歴情報A及び細胞情報B、並びに計測情報Dに基づいて細胞の計測毎に生成したい細胞が生成可能か否かの情報Fを導出する。本実施形態においては、一例として、第1の導出部29は学習情報を用いて機械学習された学習済みモデルMを含む。

図6は本開示の第1の実施形態による学習済みモデルMを説明するための図である。学習済みモデルMは、図6に示すように、使用する細胞の経歴を示す経歴情報A及び生成したい細胞の細胞情報B、並びに計測情報Dの情報の組Qと、情報の組Qに対応する生成したい細胞が生成可能か否かの情報Fとの情報セットJを複数含む学習情報を用いて機械学習される。すなわち、学習済みモデルMは、経歴情報A及び細胞情報B、並びに計測情報Dに基づいて生成したい細胞が生成可能か否かの情報Fを出力するように機械学習がなされている。なお、学習済みモデルMは、例えば細胞提供者Xの情報の組Qすなわち経歴情報Aを有する細胞提供者Xの細胞から細胞情報Bの細胞を生成する際に、生成したい細胞が目標とする個数生成できたか否かの結果も合わせて学習済みモデルMを得るためのモデルに学習させる。これにより、学習済みモデルMは、経歴情報A及び細胞情報B、並びに計測情報Dが入力されると、経歴情報A及び細胞情報B、並びに計測情報Dに対して、生成したい細胞が生成可能か否かの情報Fを出力するように学習がなされる。

本開示の一実施形態として、学習済みモデルMにおける機械学習のアルゴリズムは、例えばディープラーニング(深層学習)がなされたニューラルネットワーク(NN(Neural Network))を使用することができる。ただし、本開示の技術はこれに限られず、例えばサポートベクタマシン(SVM(Support Vector Machine))、畳み込みニューラルネットワーク(CNN(Convolutional Neural Network))、畳み込みニューラルネットワーク(CNN(Convolutional Neural Network))及びリカレントニューラルネットワーク(RNN(Recurrent Neural Network))等、公知の機械学習のアルゴリズムを適宜使用することができる。

図7は本開示の第1の実施形態による第1の導出部29を説明するための図である。第1の導出部29は一例として上述した学習済みモデルMを有している。これにより、図7に示すように、経歴情報Aを有する細胞提供者Xの細胞から細胞情報Bの細胞を生成する場合に、経歴情報A及び細胞情報B、並びに計測情報Dが入力されると、予め定められた閾値を超えた培養が継続できるか否かの情報、すなわち生成したい細胞が生成可能か否か情報Fが出力される。なお、学習済みモデルMに経歴情報A及び細胞情報B、並びに計測情報Dが入力された場合、学習済みモデルMは目標とする品質で、かつ目標とする数の細胞が生成できる確率を出力し、予め定められた確率の閾値を超えた場合に、生成したい細胞が生成可能であり、上記確率の閾値以下である場合に生成したい細胞が生成不可能であるとして出力する。なお、学習済みモデルMは、細胞の数毎に、生成したい細胞が生成できる確率を出力するようにしてもよい。この場合、予め定められた確率の閾値を超えた細胞数を生成可能な細胞数として出力し、上記確率の閾値以下である細胞数は、目標とする細胞数まで足りない細胞数を足りない細胞の個数として出力するようにしてもよい。

次いで、本開示の第1の実施形態の細胞生成支援装置1において行われる処理について説明する。図8は本開示の第1の実施形態の細胞生成支援装置1において行われる処理を説明するための図、図9は本開示の第1の実施形態の細胞生成支援装置1において行われる処理を示すフローチャートである。まず、情報取得部21は、使用する細胞の経歴を示す経歴情報A及び生成したい細胞の細胞情報Bを取得する(ステップST1)。

次に、計測手段に関する情報D1に基づいて、細胞の計測が細胞を初期化する初期化工程T1、細胞を培養する培養工程T2、及び細胞を分化誘導させる分化工程T3の各工程の予め定められたタイミング、すなわち細胞検査タイミングで行われる。細胞生成支援装置1において、CPU11は、細胞を初期化する初期化工程T1、細胞を培養する培養工程T2、及び細胞を分化誘導させる分化工程T3の各工程において、予め定められたタイミング、すなわち判断タイミングに基づいて、生成可能情報取得部23が細胞を計測する際の計測に関連する新たな計測情報Dを取得したか否かを判別する(ステップST2)。一例として判断タイミングは、細胞検査タイミングに基づいて設定することができ、ある細胞検査タイミングとその次の細胞検査タイミングとの間に判断タイミングを設定することができる。

ステップST2において生成可能情報取得部23が新たな計測情報Dを取得していないと判別した場合(ステップST2;NO)には、CPU11は、ステップST6に処理を移行し、全ての工程が終了したか否かを判別する(ステップST6)。

一方、ステップST2においてCPU11が新たな計測情報Dを取得したと判別した場合(ステップST2;YES)には、生成可能情報取得部23は、図8に示すように、取得した新たな計測情報Dを学習済みモデルMに入力することにより出力された、経歴情報A及び細胞情報B、並びに計測情報Dに基づいた、生成したい細胞が生成可能か否かの情報Fを取得する(ステップST3)。

次にCPU11は、生成したい細胞が生成可能か否かを判別する(ステップST4)。生成可能である場合には(ステップST4;YES)、報知部14は、生成可能であることを報知し、細胞の培養が継続される。報知部14は、具体的にはディスプレイに細胞が生成可能であることを表示する(ステップST5)。報知部14は、さらに足りない細胞の個数を表示してもよい。

次にCPU11は、全ての工程が終了したか否かを判別する(ステップST6)。全ての工程が終了していない場合には(ステップST6;NO)、CPU11はステップST2に処理を移行して、以降の処理を行う。すなわち、予め定められたタイミングに基づいて、生成可能情報取得部23が細胞を計測する際の計測に関連する新たな計測情報Dを取得したか否かを判別する(ステップST2)。一方、全ての工程が終了した場合には(ステップST6;YES)、細胞生成支援装置1は一連の処理を終了する。

一方、ステップST4において、生成可能でない場合には(ステップST4;NO)、報知部14は、培養停止を報知し、細胞の培養を停止する。報知部14は、具体的にはディスプレイに培養停止を表示する(ステップST7)。そして、細胞生成支援装置1は一連の処理を終了する。

以上のように本開示の第1の実施形態の細胞生成支援装置1によれば、使用する細胞の経歴を示す経歴情報A及び生成したい細胞の細胞情報Bを取得し、経歴情報A、細胞情報B、及び細胞を初期化する初期化工程、細胞を培養する培養工程、及び細胞を分化誘導させる分化工程のうちの何れかの工程において細胞を計測する際の計測に関連する計測情報Dに基づいて、細胞の計測毎に生成したい細胞が生成可能か否かの情報Fを取得するので、生成したい細胞を目標とする数だけ生成可能か否かの情報を取得できる。

このように細胞の計測毎に生成したい細胞が生成可能か否かの情報Fを取得することができるので、細胞を生成する担当者は、細胞が生成可能であると報知された場合は細胞の培養を継続し、一方、細胞が生成可能ではないと報知された時点で、細胞の培養を停止して、最初からやり直したり、足りない個数の細胞の生成を開始したりすることができる。これにより、従来と比較して、不要な時間を短縮することができ、かつ不要な培養や分化誘導を行なわずに済むので、コストの損失を防止することができる。なお、本実施形態では、生成可能情報取得部23は、経歴情報Aと細胞情報Bと新たな計測情報Dに基づいて、生成したい細胞が生成可能か否かの情報Fを取得したが、これに限定されず、生成可能情報取得部23は、経歴情報Aと細胞情報Bと、培養開始時から新たな計測情報Dを取得するまでに得られた全ての計測情報Dに基づいて、生成したい細胞が生成可能か否かの情報Fを取得してもよい。

次に、本開示の第2の実施形態について説明する。図10は本開示の第2の実施形態による細胞生成支援装置1-2の概略構成を示す図である。図10は、細胞生成支援プログラムをインストールすることにより実現される、なお、本開示の第2の実施形態による細胞生成支援装置1-2は、上述した第1の実施形態による細胞生成支援装置1と同じ構成には同符号を付与してここでの説明は省略し、異なる箇所についてのみ詳細に説明する。

細胞生成支援装置1-2は、図10に示すように、図1の細胞生成支援装置1にさらに、培養条件取得部22を備えている。培養条件取得部22は、経歴情報A及び細胞情報Bに基づいて細胞を培養するための培養条件Cを取得する。図11は本開示の第2の実施形態による培養条件Cの一例を示す図である。培養条件Cは、生成したい細胞を目標とする数だけ生成するための培養条件である。なお、ここで「生成したい細胞」は目標とする品質を備えた細胞であることが望ましい。従って、本実施形態において、培養条件Cは、生成したい細胞を目標とする品質で、かつ目標とする数だけ生成するための培養条件である。培養条件Cは、どの細胞をどのくらいの数、どの容器で、どの培地を使用して、どの添加物を添加して細胞を生成すれば、生成したい細胞を目標数生成することができるのかを示す。培養条件Cは、具体的には、一例として図11に示すように、使用する細胞の種類、使用する細胞数、使用する容器の種類、使用する培地の種類、使用する添加物の種類、処理のタイミング、及び担当者に関する情報を含む。

使用する細胞の種類は、一例として、細胞A、細胞B、又は細胞Aと細胞B等である。例えば細胞Aとして肝臓細胞、細胞Bとして血管細胞をそれぞれ使用することが培養条件Cに含まれる。また、細胞数は、細胞Aを10個、細胞Bを10個、及び細胞Aを10個と細胞Bを10個等、具体的に使用する細胞の個数が培養条件Cに含まれる。また、使用する容器の種類は、一例としてシャーレ、6つのウェルを有するウェルプレートをn個、24つのウェルを有するウェルプレートをm個、及びT75フラスコをl個等、使用する容器の種類と個数とが培養条件Cに含まれる。また、使用する培地の種類は、一例として、培地M1、培地M2、又は培地M1と培地M2との混合等が培養条件Cに含まれる。なお、培地が混合である場合には、混合する割合を含めて培養条件Cとする。また、使用する添加物の種類は、一例として、添加物C1、添加物C2、又は添加物C1と添加物C2との混合等が培養条件Cに含まれる。なお、添加物が混合である場合には、混合する割合を含めて培養条件Cとする。

処理のタイミングは、一例として、播種のタイミング、継代のタイミング、培地を交換するタイミング、添加物を添加するタイミング、及び細胞を検査するタイミングである。どの処理をどのタイミングで行えばよいのかが培養条件Cに含まれる。また、担当者に関する情報は、担当者A、担当者Bなど、どの処理を誰に担当させるかが培養条件Cに含まれる。例えば、細かい作業が得意な担当者Aと、細かい作業が苦手な担当者Bとでは、同じ処理を行った場合であっても、細胞の生成に与える影響が異なる場合がある。そのため、どの担当者が、どの処理を行うべきなのかが培養条件Cに含まれる。

なお、本開示においては、一実施形態として図11に示す条件を培養条件Cとしたが、本開示の技術はこれに限られず、培養条件Cは図11に示す情報を何れか1つ以上含む情報であればよい。

図12は本開示の第2の実施形態による培養条件取得部22の概略構成を示す図である。培養条件取得部22は、図12に示すように、第2の導出部30と第3の導出部31とを含む。第2の導出部30は、経歴情報A及び細胞情報Bに基づいて培養条件Cを導出する。本実施形態においては、一例として、第2の導出部30は学習情報を用いて機械学習された学習済みモデルMを含む。

図13は本開示の第2の実施形態による学習済みモデルMを説明するための図である。学習済みモデルMは、図13に示すように、使用する細胞の経歴を示す経歴情報A及び生成したい細胞の細胞情報Bの情報の組Pと、情報の組Pに対応する培養条件Cとの情報セットSを複数含む学習情報を用いて機械学習される。すなわち、学習済みモデルMは、経歴情報A及び細胞情報Bに基づいて培養条件Cを出力するように機械学習がなされている。なお、学習済みモデルMは、例えば細胞提供者Xの情報の組Pすなわち経歴情報Aを有する細胞提供者Xの細胞から細胞情報Bの細胞を生成する際に、培養条件Cで培養を行った場合に成功したか否かの結果も合わせて学習済みモデルMを得るためのモデルに学習させる。これにより、学習済みモデルMは、経歴情報A及び細胞情報Bが入力されると、経歴情報A及び細胞情報Bに対して、細胞情報Bが示す細胞を生成することができる培養条件Cを出力するように学習がなされる。

図14は本開示の第2の実施形態による第2の導出部30を説明するための図である。第2の導出部30は一例として上述した図13に示す学習済みモデルMを有している。これにより、図14に示すように、経歴情報Aを有する細胞提供者Xの細胞から細胞情報Bの細胞を生成する場合に、経歴情報A及び細胞情報Bが入力されると、予め定められた閾値を超えた培養条件が、生成したい細胞に適した培養条件Cとして出力される。なお、培養条件Cは、図11に示すように、使用する細胞の種類、使用する細胞数、使用する容器の種類、使用する培地の種類、使用する添加物の種類、処理のタイミング、及び担当者に関する情報の少なくとも1つを含む。従って、例えば使用する細胞数を培養条件Cとする場合に、学習済みモデルMに経歴情報A及び細胞情報Bが入力された場合、学習済みモデルMは使用する細胞数毎に、目標とする品質で、かつ目標とする数の細胞が生成できる確率を出力し、培養条件取得部22が、目標とする品質で、かつ目標とする数の細胞が生産できる確率が最も高い細胞数を使用する細胞数として、すなわち、生成したい細胞に最も適した培養条件Cとして取得するようにしてもよい。

本開示の第2の実施形態による培養条件取得部22はさらに、図19に示す初期化工程T1、培養工程T2、及び分化工程T3のうちの何れかの工程において、細胞を計測する際の計測に関連する計測情報Dに基づいて、計測情報Dが取得された時点での培養条件Cを更新した更新培養条件Eを、新たな培養条件Cとして取得する。

図15は、図13に示す本開示の第2の実施形態による学習済みモデルMをさらに説明するための図である。学習済みモデルMは、図15に示すように、細胞を計測する際の計測に関連する計測情報D及び培養条件Cの情報の組Gと、情報の組Gに対応する更新培養条件Eとの情報セットRを複数含む学習情報を用いて機械学習される。すなわち、学習済みモデルMは、計測情報Dと計測情報Dが取得された時点での培養条件Cに基づいて更新培養条件Eを出力するように機械学習がなされている。なお、学習済みモデルMは、例えば細胞提供者Xの細胞から細胞情報Bの細胞を生成する際に、更新培養条件Eで培養を行った場合に成功したか否かの結果も合わせて学習済みモデルMを得るためのモデルに学習させる。これにより、学習済みモデルMは、新たな計測情報Dと新たな計測情報Dが取得された時点での培養条件Cが入力されると、新たな計測情報Dに対して、細胞情報Bが示す細胞を生成することができる更新培養条件Eを出力するように学習がなされる。

なお、本開示の一実施形態として、図13に示す学習済みモデルMと図15に示す学習済みモデルMとは、同一のモデルとするが、本開示の技術はこれに限らず、図13に示す学習済みモデルMを第2の学習済みモデルとし、図15に示す学習済みモデルMを第3の学習済みモデルとする等、異なるモデルで構成してもよい。また、図6に示す学習済みモデルも、図13に示す学習済みモデルMと図15に示す学習済みモデルMとは、同一のモデルとしてもよいし、図6に示す学習済みモデルを第1の学習済みモデルとし、上記モデルとは異なるモデルで構成してもよい。

本開示の第2の実施形態として、学習済みモデルMにおける機械学習のアルゴリズムは、例えばディープラーニング(深層学習)がなされたニューラルネットワーク(NN(Neural Network))を使用することができる。ただし、本開示の技術はこれに限られず、例えばサポートベクタマシン(SVM(Support Vector Machine))、畳み込みニューラルネットワーク(CNN(Convolutional Neural Network))、畳み込みニューラルネットワーク(CNN(Convolutional Neural Network))及びリカレントニューラルネットワーク(RNN(Recurrent Neural Network))等、公知の機械学習のアルゴリズムを適宜使用することができる。

図16は本開示の第2の実施形態による第3の導出部31を説明するための図である。第3の導出部31は一例として上述した図15に示す学習済みモデルMを有している。これにより、図16に示すように、経歴情報Aを有する細胞提供者Xの細胞から細胞情報Bの細胞を生成する場合に、細胞の計測毎に計測された計測情報Dとこの計測情報Dが取得された時点での培養条件Cが入力されると、予め定められた閾値を超えた培養条件が、生成したい細胞に適した更新培養条件Eとして出力される。なお、更新培養条件Eは、例えば使用する細胞数を更新培養条件Eとする場合に、学習済みモデルMに計測情報Dとこの計測情報Dが取得された時点での培養条件Cが入力された場合、学習済みモデルMは使用する細胞数毎に、目標とする品質で、かつ目標とする数の細胞が生成できる確率を出力し、培養条件取得部22が、目標とする品質で、かつ目標とする数の細胞が生成できる確率が最も高い細胞数を使用する細胞数として、すなわち、生成したい細胞に最も適した更新培養条件Eとして取得するようにしてもよい。

次いで、本開示の第2の実施形態の細胞生成支援装置1-2において行われる処理について説明する。図17は本開示の第2の実施形態の細胞生成支援装置1-2において行われる処理を示すフローチャート、図18は本開示の第2の実施形態の細胞生成支援装置1-2において行われる処理を説明するための図である。まず、情報取得部21は、使用する細胞の経歴を示す経歴情報A及び生成したい細胞の細胞情報Bを取得する(ステップST21)。

次に、培養条件取得部22は、情報取得部21で取得した経歴情報A及び細胞情報Bを図18に示すように、学習済みモデルMに入力して細胞を培養するための培養条件Cを取得する(ステップST22)。

そして、培養条件取得部22により取得された培養条件Cに基づいて、すなわち図11に示される、使用する細胞の種類、使用する細胞数、使用する容器の種類、使用する培地の種類、使用する添加物の種類、処理のタイミング、及び担当者に関する情報に基づいて、担当者により細胞を生成する作業が開始される。まずは図19に示すように担当者が細胞提供者40から培養条件Cに基づいた細胞を採取し、採取された細胞の初期化工程T1が開始される。

次に、培養条件Cの計測手段に関する情報D1に基づいて、細胞の計測が細胞を初期化する初期化工程T1、細胞を培養する培養工程T2、及び細胞を分化誘導させる分化工程T3の各工程の予め定められたタイミング、すなわち細胞検査タイミングで行われる。細胞生成支援装置1-2において、CPU11は、細胞を初期化する初期化工程T1、細胞を培養する培養工程T2、及び細胞を分化誘導させる分化工程T3の各工程において、予め定められたタイミング、すなわち判断タイミングに基づいて、培養条件取得部22が細胞を計測する際の計測に関連する新たな計測情報Dを取得したか否かを判別する(ステップST23)。一例として判断タイミングは、細胞検査タイミングに基づいて設定することができ、ある細胞検査タイミングとその次の細胞検査タイミングとの間に判断タイミングを設定することができる。

ステップST23において培養条件取得部22が新たな計測情報Dを取得していないと判別した場合(ステップST23;NO)には、CPU11は、ステップST30に処理を移行し、全ての工程が終了したか否かを判別する(ステップST30)。

一方、ステップST23において培養条件取得部22が新たな計測情報Dを取得したと判別した場合(ステップST23;YES)には、生成可能情報取得部23は、図8に示すように、取得した新たな計測情報Dを学習済みモデルMに入力することにより出力された、経歴情報A及び細胞情報B、並びに計測情報Dに基づいた、生成したい細胞が生成可能か否かの情報Fを取得する(ステップST24)。

次にCPU11は、生成したい細胞が生成可能か否かを判別する(ステップST25)。生成可能である場合には(ステップST25;YES)、報知部14は、生成可能であることを報知し、細胞の培養が継続される。報知部14は、具体的にはディスプレイに細胞が生成可能であることを表示する(ステップST26)。報知部14は、さらに足りない細胞の個数を表示してもよい。

一方、ステップST25において、生成可能でない場合には(ステップST25;NO)、報知部14は、培養停止を報知し、細胞の培養を停止する。報知部14は、具体的にはディスプレイに培養停止を表示する(ステップST27)。そして、細胞生成支援装置1は一連の処理を終了する。

次に、ステップST26において、ディスプレイに細胞が生成可能であることが表示されると、次に培養条件取得部22は、図18に示すように、取得した新たな計測情報Dと新たな計測情報Dが取得された時点での培養条件Cとを学習済みモデルMに入力することにより学習済みモデルMから出力された更新培養条件Eを新たな培養条件Cとして取得する(ステップST28)。

次に報知部14は、培養条件取得部22が新たに取得した培養条件Cを報知する。具体的にはディスプレイに培養条件Cを表示する(ステップST29)。

以降の工程においては、更新された培養条件Cに基づいて、細胞の生成が行われる。次にCPU11は、全ての工程が終了したか否かを判別する(ステップST30)。全ての工程が終了していない場合には(ステップST30;NO)、CPU11はステップST23に処理を移行して、以降の処理を行う。すなわち、更新された培養条件Cの細胞検査タイミングに基づいて、培養条件取得部22が細胞を計測する際の計測に関連する新たな計測情報Dを取得したか否かを判別する(ステップST23)。一方、全ての工程が終了した場合には(ステップST30;YES)、細胞生成支援装置1は一連の処理を終了する。

以上のように本開示の第2の実施形態の細胞生成支援装置1によれば、生成したい細胞が生成可能である場合に、使用する細胞の経歴を示す経歴情報A及び生成したい細胞の細胞情報Bを取得し、取得した経歴情報A及び細胞情報Bに基づいて細胞を培養するための培養条件Cを取得して、さらに細胞を初期化する初期化工程T1、細胞を培養する培養工程T2、及び細胞を分化誘導させる分化工程T3のうちの何れかの工程において、細胞を計測する際の計測に関連する計測情報Dに基づいて、計測情報Dが取得された時点での培養条件Cを更新した更新培養条件Eを、培養条件Cとして取得するので、細胞を計測する毎に生成したい細胞を目標とする数だけ生成するためのより最適な培養条件Cを取得することができる。

このように培養条件Cに基づいた細胞検査タイミングでの計測毎に、最適な培養条件Cを取得することができるので、細胞を生成する担当者は、最適な培養条件Cに基づいて細胞を生成することができ、従来と比較して、生成したい細胞を目標とする数だけ生成できる可能性を向上させることができる。

なお、上述した実施形態においては、第1の導出部29、第2の導出部30、及び第3の導出部31は、学習済みモデルMを含むものとしたが、本開示の技術はこれに限られない。第1の導出部29は、経歴情報A及び細胞情報B、並びに計測情報Dに基づいて、生成したい細胞が生成可能であるか否かの情報Fを導出することができれば、機械学習を使用しなくても、経歴情報A及び細胞情報B、並びに計測情報Dと、生成可能であるか否かの情報Fとの対応テーブル、及び計算式等を使用してもよい。また、第2の導出部30は、経歴情報A及び細胞情報Bに基づいて培養条件Cを導出することができれば、機械学習を使用しなくても、経歴情報A及び細胞情報Bと、培養条件Cとの対応テーブル、及び計算式等を使用してもよい。また、第3の導出部31についても第2の導出部30と同様に、計測情報D及びこの計測情報Dを取得した時点で取得された培養条件Cに基づいて更新培養条件Eを導出することができれば、対応テーブル、及び計算式等のうちの何れを使用してもよい。

また、上述した実施形態の培養条件取得部22は、さらに、計測手段に関する情報D1に基づいた重み付けを付加して更新した更新培養条件Eを、培養条件Cとして取得してもよい。例えば、細かい作業が得意な担当者Aと、細かい作業が苦手な担当者Bとでは、同じ処理を行った場合であっても、細胞の生成に与える影響が異なる場合がある。また、計測に用いた方法においても、担当者の目視と、計測装置を用いた計測とでは、細胞の生成に与える影響が異なる場合がある。そのため、更新した更新培養条件Eに計測手段に関する情報D1に基づいた重み付け、すなわち、計測手段に関する情報D1において、計測結果がより正確になる方に重み付けをより重く付加することにより、培養条件Cは、上述した実施形態と比較してより最適な培養条件Cを取得することができる。

また、上記の第2の実施形態の学習済みモデルMは、新たな計測情報D及びこの計測情報Dを取得した時点で取得された培養条件Cから導出される更新培養条件Eと、目標とする品質で、かつ目標とする数の細胞が生成できる確率を出力とを出力するように学習がなされるが、これに限定されず、培養条件Cのかわりに、経歴情報Aと細胞情報Bを含めた情報から更新培養条件Eを導出するようにしてもよい。

また、上述した実施形態の報知部14は、第1の実施形態では細胞が生成可能であることを表示し、第2の実施形態では細胞が生成可能であること、及び培養条件Cを表示するようにしたが、これらに加えて、細胞情報Bが示す細胞を生成することができる確率、経歴情報A、細胞情報B、取得した計測情報D、すなわち計測手段に関する情報D1や計測で得られた計測結果を示す情報D2、また計測で得られた計測結果を示す情報D2の継時的変化等を表示するようにしてもよい。

なお、上記実施形態で説明した処理はあくまでも一例である。従って、本開示の技術の主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよいことは言うまでもない。

また、本開示の技術の一実施形態である細胞生成支援装置1は、本開示の技術の主旨を逸脱しない範囲内において適宜設計変更可能である。

1 細胞作成支援装置

11 CPU

12 メモリ

13 ストレージ

14 報知部

15 入力部

21 情報取得部

22 培養条件取得部

23 生成可能情報取得部

29 第1の導出部

30 第2の導出部

31 第3の導出部

40 細胞提供者

41 血球細胞

42 皮膚細胞

43,44,45,46 iPS細胞

47 神経細胞

48 心筋細胞

49 肝臓細胞

A 経歴情報

B 細胞情報

B1 細胞の種類

B2 目標細胞数

B3 細胞の状態

B4 生成を完了したい日数

C 培養条件

D 計測情報

D1 計測手段に関する情報

D2 計測で得られた計測結果を示す情報

E 更新培養条件

M 学習済みモデル(第1の学習済みモデル,第2の学習済みモデル,第3の学習済みモデル)

P 情報の組(第2の情報の組)

Q 情報の組(第1の情報の組)

G 情報の組(第3の情報の組)

R 情報セット

S 情報セット

T1 初期化工程

T1 初期工程

T2 培養工程

T3 分化工程

X 細胞提供者

Claims (10)

  1. 細胞を培養することにより培養元として使用する細胞とは異なる別の細胞を生成する細胞生成を支援する細胞生成支援装置であって、
    前記培養元として使用する細胞の経歴を示す経歴情報であって、細胞提供者の性別、血液型、人種、及び年齢を含む経歴情報と、生成したい前記別の細胞に関する細胞情報であって、細胞の種類、細胞の数、及び細胞の状態を含む細胞情報を取得する情報取得部と、
    前記情報取得部で取得した前記経歴情報及び前記細胞情報と、細胞を培養するための培養条件と、細胞を初期化する初期化工程、細胞を培養する培養工程、及び細胞を分化誘導させる分化工程の各工程において計測された細胞の種類、細胞の数、及び細胞の状態を含む計測結果とに基づいて、前記各工程で計測を行う毎に、前記細胞情報に規定された前記細胞の種類、前記細胞の状態及び前記細胞の数の条件を満足する前記別の細胞の生成が可能か否かの生成可能情報を取得する生成可能情報取得部と、
    前記生成可能情報が生成可能であることを示す場合は、前記各工程の前記計測結果を取得した時点での前記培養条件を更新し、更新した更新培養条件を前記培養条件として取得する培養条件取得部と、
    前記生成可能情報が生成可能であることを示す場合は、取得した前記培養条件を報知し、他方、前記生成可能情報が生成可能ではないことを示す場合には、細胞の培養停止を報知する報知部とを備え、
    前記培養条件取得部及び前記報知部は、前記生成可能情報取得部が前記生成可能情報を取得する毎に、前記培養条件の取得と報知とを行い、
    前記培養条件は、使用する培地の種類、使用する添加物の種類、及び培養に必要な処理のタイミングを含み、
    前記生成可能情報取得部は、前記経歴情報、前記細胞情報、及び前記計測結果を含む第1の情報の組と、前記第1の情報の組に対応する培養元として使用する細胞から生成された細胞が、前記第1の情報の組の前記細胞情報に規定された前記条件を満足する細胞が生成されたか否かの情報との情報セットを複数含む学習情報を用いて機械学習された第1の学習済みモデルを用いて、前記生成可能情報を取得する細胞生成支援装置。
  2. 前記計測結果は、さらに、培地の状態、及び培地及び/又は細胞の菌の有無のうち何れ
    か1以上の情報を含む請求項1に記載の細胞生成支援装置。
  3. 前記細胞の状態は、細胞の形状、細胞の色、細胞の大きさ、細胞の匂い、細胞の遺伝子発現、細胞の代謝物の種類、及び細胞のタンパク質のうち、何れか1以上の情報を含む請求項1に記載の細胞生成支援装置。
  4. 前記経歴情報は、さらに、前記細胞提供者の疾患歴、前記細胞提供者の免疫情報、及び前記細胞提供者の血縁者の疾患歴のうち、何れか1以上の情報を含む請求項1から3の何れか1項に記載の細胞生成支援装置。
  5. 前記細胞情報は、さらに、生成を完了したい日数を含む請求項1から4の何れか1項に記載の細胞生成支援装置。
  6. 前記処理のタイミングは、播種のタイミング、継代のタイミング、培地を交換するタイミング、添加物を添加するタイミング、及び細胞を検査するタイミングのうち、何れか1以上を含む請求項1に記載の細胞生成支援装置。
  7. 前記培養条件取得部は、
    前記情報取得部で取得した前記経歴情報及び前記細胞情報に基づいて前記培養条件を導出する第2の導出部と、前記計測結果に基づいて更新した前記更新培養条件を前記培養条件として導出する第3の導出部とを含む請求項1に記載の細胞生成支援装置。
  8. 前記第2の導出部は、培養元として使用した細胞の前記経歴情報及び前記培養元として使用した細胞から生成する別の細胞の前記細胞情報を含む第2の情報の組と、前記第2の情報の組に対応する前記培養条件との情報セットを複数含む学習情報を用いて機械学習された第2の学習済みモデルを含み、
    前記第3の導出部は、前記初期化工程、前記培養工程、及び前記分化工程のうちの何れかの工程において計測した前記計測結果及び前記計測結果を取得した時点での前記培養条件を含む第3の情報の組と、前記第3の情報の組に対応する前記更新培養条件との情報セットを複数含む学習情報を用いて機械学習された第3の学習済みモデルを含む請求項7に記載の細胞生成支援装置。
  9. 細胞を培養することにより培養元として使用する細胞とは異なる別の細胞を生成する細胞生成を支援する細胞生成支援方法であって、
    前記培養元として使用する細胞の経歴を示す経歴情報であって、細胞提供者の性別、血液型、人種、及び年齢を含む経歴情報と、生成したい前記別の細胞に関する細胞情報であって、細胞の種類、細胞の数、及び細胞の状態を含む細胞情報を取得し、
    取得した前記経歴情報及び前記細胞情報と、細胞を培養するための培養条件と、細胞を初期化する初期化工程、細胞を培養する培養工程、及び細胞を分化誘導させる分化工程の各工程において計測された細胞の種類、細胞の数、及び細胞の状態を含む計測結果とに基づいて、前記各工程で計測を行う毎に、前記細胞情報に規定された前記細胞の種類、前記細胞の状態及び前記細胞の数の条件を満足する前記別の細胞の生成が可能か否かの生成可能情報を取得し、
    前記生成可能情報が生成可能であることを示す場合は、前記各工程の前記計測結果を取得した時点での前記培養条件を更新し、更新した更新培養条件を前記培養条件として取得し、
    前記生成可能情報が生成可能であることを示す場合は、取得した前記培養条件を報知し、他方、前記生成可能情報が生成可能ではないことを示す場合には、細胞の培養停止を報知し、
    前記生成可能情報を取得する毎に、前記培養条件の取得と前記報知とを行う細胞生成支
    援方法であって、
    前記培養条件は、使用する培地の種類、使用する添加物の種類、及び培養に必要な処理のタイミングを含み、
    前記生成可能情報は、前記経歴情報、前記細胞情報、及び前記計測結果を含む第1の情報の組と、前記第1の情報の組に対応する培養元として使用した細胞から生成された細胞が、前記第1の情報の組の前記細胞情報に規定された前記条件を満足する細胞が生成されたか否かの情報との情報セットを複数含む学習情報を用いて機械学習された第1の学習済みモデルを用いて取得する細胞生成支援方法。
  10. 細胞を培養することにより培養元として使用する細胞とは異なる別の細胞を生成する細胞生成を支援する細胞生成支援プログラムであって、
    前記培養元として使用する細胞の経歴を示す経歴情報であって、細胞提供者の性別、血液型、人種、及び年齢を含む経歴情報と、生成したい前記別の細胞に関する細胞情報であって、細胞の種類、細胞の数、及び細胞の状態を含む細胞情報を取得する手順と
    取得した前記経歴情報及び前記細胞情報と、細胞を培養するための培養条件と、細胞を初期化する初期化工程、細胞を培養する培養工程、及び細胞を分化誘導させる分化工程の各工程において計測された細胞の種類、細胞の数、及び細胞の状態を含む計測結果とに基づいて、前記各工程で計測を行う毎に、前記細胞情報に規定された前記細胞の種類、前記細胞の状態及び前記細胞の数の条件を満足する前記別の細胞の生成が可能か否かの生成可能情報を取得する手順と
    前記生成可能情報が生成可能であることを示す場合は、前記各工程の前記計測結果を取得した時点での前記培養条件を更新し、更新した更新培養条件を前記培養条件として取得する手順と
    前記生成可能情報が生成可能であることを示す場合は、取得した前記培養条件を報知し、他方、生成可能情報が生成可能ではないことを示す場合には、細胞の培養停止を報知する手順と
    前記生成可能情報を取得する毎に、前記培養条件の取得と前記報知とを行う手順とをコンピュータに実行させるための細胞生成支援プログラムであり、
    前記培養条件は、使用する培地の種類、使用する添加物の種類、及び培養に必要な処理のタイミングを含み、
    前記生成可能情報は、前記経歴情報、前記細胞情報、及び前記計測結果を含む第1の情報の組と、前記第1の情報の組に対応する培養元として使用した細胞から生成された細胞が、前記第1の情報の組の前記細胞情報に規定された前記条件を満足する細胞が生成されたか否かの情報との情報セットを複数含む学習情報を用いて機械学習された第1の学習済みモデルを用いて取得する細胞生成支援プログラム。
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