JP2004009061A - レーザ照射アーク長揺動パルスアーク溶接方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】予め定めた高アーク長期間HTc中は第1のピーク期間中の第1のピーク電流の通電と第1のベース期間中の第1のベース電流の通電とを繰り返し、続けて予め定めた低アーク長期間LTc中は第2のピーク期間中の第2のピーク電流の通電と第2のベース期間中の第2のベース電流の通電とを繰り返してアーク長を上下に揺動させるアーク長揺動パルスアーク溶接方法において、ブローホールの非常に発生しやすい材料であるアルミニウム合金鋳物、亜鉛メッキ鋼板等の溶接ではそのブローホールの削減効果が不十分である。
【解決手段】本発明は、上記高アーク長期間HTcの全期間又は一部期間中には予め定めた高出力値HPw[W]のレーザを溶融池に照射し、それ以外の期間中は予め定めた低出力値のレーザを溶融池に照射するか又はレーザの照射を停止することを特徴とするレーザ照射アーク長揺動パルスアーク溶接方法である。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明は、上記高アーク長期間HTcの全期間又は一部期間中には予め定めた高出力値HPw[W]のレーザを溶融池に照射し、それ以外の期間中は予め定めた低出力値のレーザを溶融池に照射するか又はレーザの照射を停止することを特徴とするレーザ照射アーク長揺動パルスアーク溶接方法である。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ピーク電流及びピーク期間の組合せを低周波で切り換えてアーク長を周期的に変化させるアーク長揺動パルスアーク溶接方法に関し、特に、アーク長の揺動と同期して溶融池へレーザを照射することによってブローホールの発生個数を削減させることができるレーザ照射アーク長揺動パルスアーク溶接方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ピーク期間Tp中のピーク電流Ipの通電とベース期間Tb中のベース電流Ibの通電とを繰り返して行う消耗電極式パルスアーク溶接において、上記のピーク電流Ip及び上記のピーク期間Tpの組合せ(以下、ユニットパルスという)を予め定めた低周波(数Hz〜数十Hz)のアーク長切換周期Tc毎に変化させることによって、アーク長を上下に揺動させる溶接方法が従来から行われている。このアーク長揺動パルスアーク溶接方法では、アーク長の揺動によってアークの広がりを変化させて美しい波目模様のビード外観を得ることができるので、外観を重視するオートバイのフレームの溶接等に利用されている。さらに、この溶接方法では、アーク長の揺動によって溶融池への入熱及びアーク力を変化させて溶融池を攪拌することができ、これによって溶接欠陥の原因となるブローホールの発生個数を削減することができる。一般的に、アルミニウム合金の溶接ではブローホールが発生しやすいために、このアーク長揺動パルスアーク溶接方法を適用することでブローホールの発生個数を削減することができ、良好な溶接品質を得ることができる。以下、従来技術としてこのアーク長揺動パルスアーク溶接方法について、図面を参照して説明する。
【0003】
図14は、従来技術のアーク長揺動パルスアーク溶接の電流・電圧波形図である。同図(A)はアーク長切換信号STcの時間変化を示し、同図(B)は溶接電流Iwの時間変化を示し、同図(C)は溶接電圧Vwの時間変化を示し、同図(D)はアーク長Laの時間変化を示す。以下、同図を参照して説明する。
【0004】
同図(A)に示すように、アーク長切換信号STcは、予め定めたHighレベルの高アーク長期間HTcと、予め定めたLowレベルの低アーク長期間LTcとをアーク長切換周期Tc毎に繰り返す。これに応動して、同図(D)に示すように、アーク長Laは、上記の高アーク長期間HTc中は高アーク長HLa[mm]となり、上記の低アーク長期間LTc中は低アーク長LLa[mm]となる。
【0005】
▲1▼ 高アーク長期間HTc
同図(B)に示すように、第1のピーク期間HTp中は第1のピーク電流HIpを通電し、第1のベース期間HTb中は第1のベース電流HIbを通電し、これらの通電を第1のパルス周期HTfとして高アーク長期間HTc中繰り返して通電する。同様に、同図(C)に示すように、第1のピーク期間HTp中は第1のピーク電圧HVpが印加し、第1のベース期間HTb中は第1のベース電圧HVbが印加し、これらの印加を高アーク長期間HTc中繰り返して行う。
【0006】
▲2▼ 低アーク長期間LTc
同図(B)に示すように、第2のピーク期間LTp中は第2のピーク電流LIpを通電し、第2のベース期間LTb中は第2のベース電流LIbを通電し、これらの通電を第2のパルス周期LTfとして低アーク長期間LTc中繰り返して通電する。同様に、同図(C)に示すように、第2のピーク期間LTp中は第2のピーク電圧LVpが印加し、第2のベース期間LTb中は第2のベース電圧LVbが印加し、これらの印加を低アーク長期間LTc中繰り返して行う。
【0007】
上記の第1のピーク電流HIpと第1のピーク期間HTpとからなるユニットパルス及び上記の第2のピーク電流LIpと第2のピーク期間LTpとからなるユニットパルスは、溶接ワイヤからの溶滴が1パルス1溶滴移行する範囲内に予め設定される。また、上記の第1のベース電流HIb及び上記の第2のベース電流LIbは、この通電によって溶接ワイヤの先端が溶融しないように数十A以下の低い値に予め設定される。また、同図(C)に示すように、上記の第1のベース期間HTbは、高アーク長期間HTc中の溶接電圧Vwの平均値が予め定めた電圧設定値Vsと略等しくなるようにフィードバック制御によって自動制御される。同様に、第2のベース期間LTbは、低アーク長期間LTc中の溶接電圧Vwの平均値が上記の電圧設定値Vsと略等しくなるようにフィードバック制御によって自動制御される。第1のピーク電流HIpと第2のピーク電流LIpとの差及び第1のピーク期間HTpと第2のピーク期間LTpとの差が大きい程、同図(D)に示す高アーク長HLaと低アーク長LLaとの変化幅が大きくなり、上述した溶融池の攪拌作用が活発になりブローホールの削減効果は大きくなる。これは、アーク長の変化幅が大きくなると溶融池への入熱及びアーク力の変化も大きくなり、この結果、溶融池の攪拌作用が活発になるためである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来技術では、ブローホールの削減効果を大きくするためには、第1のピーク電流HIpと第2のピーク電流LIpとの差及び第1のピーク期間HTpと第2のピーク期間LTpとの差を大きくする必要がある。しかしながら、上述したように、第1のピーク電流HIpと第1のピーク期間HTpとのユニットパルス及び第2のピーク電流LIpと第2のピーク期間LTpとのユニットパルスは、両者とも1パルス1溶滴移行の範囲内に設定する必要がある。これは、上記のユニットパルスが1パルス1溶滴移行の範囲外になると、溶滴移行の周期性が失われて溶滴サイズにバラツキが生じスパッタが多くなりビード外観が悪くなるためである。図15は、直径1.6mmのアルミニウム合金ワイヤ(JIS A4043材)の1パルス1溶滴移行範囲を示す図である。同図の横軸はピーク期間Tp[ms]を示し、縦軸はピーク電流Ip[A]を示す。同図において斜線部分が1パルス1溶滴移行範囲となる。すなわち、上記の第1のピーク電流HIpと第1のピーク期間HTpとのユニットパルス及び第2のピーク電流LIpと第2のピーク期間LTpとのユニットパルスは、同図の斜線部分に設定される必要がある。したがって、両ユニットパルスの設定値の差は、1パルス1溶滴移行範囲によって制限される。通常、アルミニウム合金の溶接においては、このユニットパルスの設定値の差が制限範囲内であっても十分なブローホールの削減効果がある。しかし、ブローホールが非常に発生しやすいアルミニウム合金鋳物、亜鉛メッキ鋼板等の溶接においては、両ユニットパルスの設定値の差が制限範囲内で最大になるように設定しても、アーク長の揺動による溶融池攪拌作用が十分でないために、ブローホールの削減効果が十分でない場合も生じ、溶接欠陥となる場合もある。
【0009】
そこで、本発明では、アルミニウム合金鋳物、亜鉛メッキ鋼板等のブローホールが非常に発生しやすい材料の溶接において、両ユニットパルスの設定値が1パルス1溶滴移行範囲内であっても十分なブローホールの削減効果を有するアーク長揺動パルスアーク溶接方法を提供する。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、溶接ワイヤを定速で送給すると共に、予め定めた高アーク長期間中は第1のピーク期間中の第1のピーク電流の通電と第1のベース期間中の第1のベース電流の通電とを繰り返し、続けて予め定めた低アーク長期間中は上記第1のピーク期間よりも短い第2のピーク期間中の上記第1のピーク電流よりも小さい第2のピーク電流の通電と第2のベース期間中の第2のベース電流の通電とを繰り返すことによってアーク長を所定幅で上下に揺動させて溶接を行うアーク長揺動パルスアーク溶接方法において、
上記高アーク長期間の全期間又は一部期間中には予め定めた高出力値のレーザを溶融池に照射し、それ以外の期間中は予め定めた低出力値のレーザを溶融池に照射するか又はレーザの照射を停止することを特徴とするレーザ照射アーク長揺動パルスアーク溶接方法である。
【0011】
請求項2の発明は、溶接ワイヤを定速で送給すると共に、高アーク長期間中は第1のピーク期間中の第1のピーク電流の通電と第1のベース期間中の第1のベース電流の通電とを繰り返し、続けて予め定めた低アーク長期間中は上記第1のピーク期間よりも短い第2のピーク期間中の上記第1のピーク電流よりも小さい第2のピーク電流の通電と第2のベース期間中の第2のベース電流の通電とを繰り返すことによってアーク長を所定幅で上下に揺動させて溶接を行うアーク長揺動パルスアーク溶接方法において、
予め定めた高出力期間中は予め定めた高出力値のレーザを溶融池に照射し、予め定めた低出力期間中は予め定めた低出力値のレーザを溶融池に照射するか又はレーザの照射を停止し、上記高出力期間の全期間又は一部期間を上記高アーク長期間としそれ以外の期間を低アーク長期間とすることを特徴とするレーザ照射アーク長揺動パルスアーク溶接方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態1を示す波形図である。同図(A)はアーク長切換信号STcの時間変化を示し、同図(B)は溶接電流Iw[A]の時間変化を示し、同図(C)は溶融池に照射されるYAGレーザ、半導体レーザ等のレーザの出力値Pw[W]の時間変化を示す。同図(A)に示すように、アーク長切換信号STcがHighレベルの高アーク長期間HTcになると、同図(B)に示すように、第1のピーク電流及び第1のピーク期間からなる溶接電流Iwが通電し、同図(C)に示すように、高出力値HPwのレーザが溶融池へ照射される。続いて、同図(A)に示すように、アーク長切換信号STcがLowレベルの低アーク長期間LTcになると、同図(B)に示すように、第2のピーク電流及び第2のピーク期間からなる溶接電流Iwが通電し、同図(C)に示すように、レーザの照射は停止される。上記の動作を繰り返し行う。
【0013】
高アーク長期間HTc中に、高出力値HPwのレーザを溶融池に照射することによって、溶融池への入熱を大きくすることができ、他方低アーク長期間LTc中はレーザを照射しないので、高アーク長期間HTc中と低アーク長期間LTc中との溶融池の温度差を拡大することができる。さらに、高アーク長期間HTc中はレーザの照射によって溶融池の照射部にキーホールが形成され、低アーク長期間LTc中はレーザが照射されないのでこのキーホールは消滅する。このようにキーホールの形成と消滅に伴って、溶融池内の対流が激しくなる。上記の溶融池の温度差の拡大及び対流の促進によって溶融池の攪拌作用が活発になるので、ブローホールの削減効果が大幅に増大する。
【0014】
[実施の形態2]
図2は、本発明の実施の形態2を示す波形図である。同図(A)はアーク長切換信号STcの時間変化を示し、同図(B)は溶接電流Iw[A]の時間変化を示し、同図(C)は溶融池に照射されるレーザの出力値Pw[W]の時間変化を示す。同図(A)に示すように、アーク長切換信号STcがHighレベルの高アーク長期間HTcになると、同図(B)に示すように、第1のピーク電流及び第1のピーク期間からなる溶接電流Iwが通電し、同図(C)に示すように、高アーク長期間HTcの開始時点から予め定めた高出力期間HTo中は高出力値HPwのレーザが溶融池へ照射される。続いて、同図(A)に示すように、アーク長切換信号STcがLowレベルの低アーク長期間LTcになると、同図(B)に示すように、第2のピーク電流及び第2のピーク期間からなる溶接電流Iwが通電し、同図(C)に示すように、レーザの照射は停止される。上記の動作を繰り返し行う。
【0015】
上記の実施の形態2では、上述した実施の形態1のときと同様に溶融池の攪拌作用を活発化することに加えて、高出力期間HToを調整することによって溶融池への入熱量を調整することができる。このために、ブローホールの削減効果を増大させた上で、ビード外観、溶け込み等の他の溶接品質も向上させることができる。
【0016】
[実施の形態3]
図3は、本発明の実施の形態3を示す波形図である。同図(A)はアーク長切換信号STcの時間変化を示し、同図(B)は溶接電流Iw[A]の時間変化を示し、同図(C)は溶融池に照射されるレーザの出力値Pw[W]の時間変化を示す。同図(A)に示すように、アーク長切換信号STcがHighレベルの高アーク長期間HTcになると、同図(B)に示すように、第1のピーク電流及び第1のピーク期間からなる溶接電流Iwが通電し、同図(C)に示すように、高出力値HPwのレーザが溶融池へ照射される。続いて、同図(A)に示すように、アーク長切換信号STcがLowレベルの低アーク長期間LTcになると、同図(B)に示すように、第2のピーク電流及び第2のピーク期間からなる溶接電流Iwが通電し、同図(C)に示すように、低出力値LPwのレーザが溶融池へ照射される。上記の動作を繰り返し行う。
【0017】
上記の実施の形態3では、上述した実施の形態1のときと同様に溶融池の攪拌作用を活発化することに加えて、高出力値HPwと低出力値LPwとの両値の差を調整することによって溶融池への入熱量を調整することができる。このために、ブローホールの削減効果を増大させた上で、ビード外観、溶け込み等の他の溶接品質も向上させることができる。
【0018】
[実施の形態4]
図4は、本発明の実施の形態4を示す波形図である。同図(A)はアーク長切換信号STcの時間変化を示し、同図(B)は溶接電流Iw[A]の時間変化を示し、同図(C)は溶融池に照射されるレーザの出力値Pw[W]の時間変化を示す。同図(A)に示すように、アーク長切換信号STcがHighレベルの高アーク長期間HTcになると、同図(B)に示すように、第1のピーク電流及び第1のピーク期間からなる溶接電流Iwが通電し、同図(C)に示すように、高アーク長期間HTcの開始時点から予め定めた高出力期間HTo中は高出力値HPwのレーザが溶融池へ照射され、その後は低出力値LPwのレーザが照射される。続いて、同図(A)に示すように、アーク長切換信号STcがLowレベルの低アーク長期間LTcになると、同図(B)に示すように、第2のピーク電流及び第2のピーク期間からなる溶接電流Iwが通電し、同図(C)に示すように、低出力値LPwのレーザが溶融池へ照射される。上記の動作を繰り返し行う。
【0019】
上記の実施の形態4では、上述した実施の形態1のときと同様に溶融池の攪拌作用を活発化することに加えて、高出力期間HTo及び高出力値HPwと低出力値LPwとの両値の差を調整することによって溶融池への入熱量を調整することができる。このために、ブローホールの削減効果を増大させた上で、ビード外観、溶け込み等の他の溶接品質も向上させることができる。
【0020】
図5は、上記の実施の形態4を実施するための溶接装置の構成図である。以下、同図を参照して説明する。
アーク長切換信号設定回路STCは、予め定めた高アーク長期間HTc中はHighレベルとなり、予め定めた低アーク長期間LTc中はLowレベルとなるアーク長切換信号STcを出力する。出力切換信号タイマ回路TTOは、上記のアーク長切換信号STcがHighレベルに変化した時点から予め定めた高出力期間HTo中のみHighレベルとなる出力切換信号SToを出力する。
【0021】
溶接電源装置6は、上記のアーク長切換信号STcに応じてユニットパルスを切り換えて溶接電流Iw及び溶接電圧Vwを出力すると共に、溶接ワイヤ1の送給を制御するための送給制御信号Fcを出力する。送給装置5は、上記の送給制御信号Fcに従って溶接ワイヤ1の送給を制御する。溶接ワイヤ1は、溶接トーチ4を通って送給されて、母材2との間にアーク3が発生して溶融池2aが形成される。レーザ発振装置9は、上記の出力切換信号SToがHighレベルのときには出力値Pwが高出力値となり、Lowレベルのときは低出力値となるレーザ7を、レーザ照射ヘッド8を介して溶融池2aに照射する。
【0022】
図6は、上記の溶接電源装置6のブロック図である。出力制御回路INVは、商用交流電源(3相200V等)を入力として、後述する電流誤差増幅信号Eiに従ってインバータ制御、サイリスタ位相制御等の出力制御を行い、溶接に適した溶接電流Iw及び溶接電圧Vwを出力する。溶接ワイヤ1は、送給装置の送給ロール5aの回転によって溶接トーチ4を通って送給されて、母材2との間でアーク3が発生する。
【0023】
電圧検出回路VDは、溶接電圧Vwを検出して電圧検出信号Vdを出力する。電圧平均化回路VAVは、上記の電圧検出信号Vdを平均化して平均電圧信号Vavを出力する。電圧設定回路VSは、予め定めた電圧設定信号Vsを出力する。電圧誤差増幅回路EVは、上記の電圧設定信号Vsと平均電圧信号Vavとの誤差を増幅して、電圧誤差増幅信号Evを出力する。V/F変換回路V/Fは、上記の電圧誤差増幅信号Evの値に応じた周期(図14のパルス周期HTf、LTf)毎に短時間だけHighレベルとなるパルス周期信号Tfを出力する。単安定マルチバイブレータ回路MMは、上記のパルス周期信号TfがHighレベルに変化した時点から後述するピーク期間設定信号Tpsによって定まる期間だけHighレベルとなるピーク期間信号Tpを出力する。ベース電流設定回路IBは、予め定めたベース電流設定信号Ibを出力する。電流設定切換回路SIは、上記のピーク期間信号TpがHighレベルのときにはa側に切り換わり後述するピーク電流設定信号Sipを電流制御設定信号Iscとして出力し、Lowレベルのときにはb側に切り換わり上記のベース電流設定信号Ibを電流制御設定信号Iscとして出力する。電流検出回路IDは、溶接電流Iwを検出して電流検出信号Idを出力する。電流誤差増幅回路EIは、上記の電流制御設定信号Iscと電流検出信号Idとの誤差を増幅して、電流誤差増幅信号Eiを出力する。
【0024】
第1のピーク期間設定回路HTPは、予め定めた第1のピーク期間設定信号Htpを出力する。第2のピーク期間設定回路LTPは、予め定めた第2のピーク期間設定信号Ltpを出力する。ピーク期間設定切換回路STPは、外部から入力されるアーク長切換信号STcがHighレベルのときにはa側に切り換わり第1のピーク期間設定信号Htpをピーク期間設定信号Tpsとして出力し、Lowレベルのときにはb側に切り換わり上記の第2のピーク期間設定信号Ltpをピーク期間設定信号Tpsとして出力する。第1のピーク電流設定回路HIPは、予め定めた第1のピーク電流設定信号Hipを出力する。第2のピーク電流設定回路LIPは、予め定めた第2のピーク電流設定信号Lipを出力する。ピーク電流設定切換回路SIPは、上記のアーク長切換信号STcがHighレベルのときにはa側に切り換わり上記の第1のピーク電流設定信号Hipをピーク電流設定信号Sipとして出力し、Lowレベルのときにはb側に切り換わり上記の第2のピーク電流設定信号Lipをピーク電流設定信号Sipとして出力する。
【0025】
図7は、上記のレーザ発振装置9のブロック図である。高出力設定回路HPSは、予め定めた高出力設定信号Hpsを出力する。低出力設定回路LPSは、予め定めた低出力設定信号Lpsを出力する。出力設定切換回路SPSは、外部からの出力切換信号SToがHighレベルのときにはa側に切り換わり上記の高出力設定信号Hpsを出力設定信号Psとして出力し、Lowレベルのときにはb側に切り換わり上記の低出力設定信号Lpsを出力設定信号Psとして出力する。レーザ出力制御回路LOCは、上記の出力設定信号Psに応じた出力値Pwでレーザを照射する。
【0026】
上記の図5〜7で示す溶接装置は、実施の形態4を実施するためのものであるが、その構成の一部を変更することで実施の形態1〜3を実施するための溶接装置にもなる。すなわち、実施の形態1を実施するためには、図5に示す出力切換信号タイマ回路STOを除去してアーク長切換信号STcを直接レーザ発振装置9に入力すると共に、図7に示す低出力設定信号Lps=0[W]に設定すればよい。また、実施の形態2を実施するためには、図7に示す低出力設定信号Lps=0[W]に設定すればよい。また、実施の形態3を実施するためには、図5に示す出力切換信号タイマ回路STOを除去してアーク長切換信号STcを直接レーザ発振装置9に入力すればよい。
【0027】
[実施の形態5]
図8は、本発明の実施の形態5を示す波形図である。同図(A)は出力切換信号SToの時間変化を示し、同図(B)はレーザの出力値Pwの時間変化を示し、同図(C)は溶接電流Iwの時間変化を示す。同図(A)に示すように、出力切換信号SToがHighレベルの高出力期間HToになると、同図(B)に示すように、高出力値HPwでレーザが照射され、同図(C)に示すように、高アーク長期間HTcとして第1のピーク電流及び第1のピーク期間からなる溶接電流Iwが通電する。続いて、同図(A)に示すように、出力切換信号SToがLowレベルの低出力期間LToになると、同図(B)に示すように、レーザの照射は停止され、同図(C)に示すように、低アーク長期間LTcとして第2のピーク電流及び第2のピーク期間からなる溶接電流Iwが通電する。上記の動作を繰り返し行う。
【0028】
上述した実施の形態1と同様に、高出力値HPwのレーザの照射と高アーク長期間HTcとを同期させることによって、溶融池への入熱を大きくすることができ、他方低出力期間LTo中はレーザを照射しないので高出力期間HTo中と低出力期間LTo中との溶融池の温度差を拡大することができる。さらに、高出力期間HTo中はレーザの照射によって溶融池の照射部にキーホールが形成され、低出力期間LTo中はレーザが照射されないのでこのキーホールは消滅する。このようにキーホールの形成と消滅に伴って、溶融池内の対流が激しくなる。上記の溶融池の温度差の拡大及び対流の促進によって溶融池の攪拌作用が活発になるので、ブローホールの削減効果が大幅に増大する。
【0029】
[実施の形態6]
図9は、本発明の実施の形態6を示す波形図である。同図(A)は出力切換信号SToの時間変化を示し、同図(B)はレーザの出力値Pwの時間変化を示し、同図(C)は溶接電流Iwの時間変化を示す。同図(A)に示すように、出力切換信号SToがHighレベルの高出力期間HToになると、同図(B)に示すように、高出力値HPwでレーザが照射され、同図(C)に示すように、この高出力期間HToの開始時点から予め定めた高アーク長期間HTc中のみ第1のピーク電流及び第1のピーク期間からなる溶接電流Iwが通電し、その後は第2のピーク電流及び第2のピーク期間からなる溶接電流Iwが通電する。続いて、同図(A)に示すように、出力切換信号SToがLowレベルの低出力期間LToになると、同図(B)に示すように、レーザの照射は停止され、同図(C)に示すように、第2のピーク電流及び第2のピーク期間からなる溶接電流Iwが通電する。したがって、同図(C)に示すように、上記の高アーク長期間HTcの終了時点から次の高出力期間HToが開始するまでの期間が低アーク長期間LTcとなる。上記の動作を繰り返し行う。
【0030】
上記の実施の形態6では、上述した実施の形態5のときと同様に溶融池の攪拌作用を活発化することに加えて、高アーク長期間HTcを調整することによって溶融池への入熱量を調整することができる。このために、ブローホールの削減効果を増大させた上で、ビード外観、溶け込み等の他の溶接品質も向上させることができる。
【0031】
[実施の形態7]
図10は、本発明の実施の形態7を示す波形図である。同図(A)は出力切換信号SToの時間変化を示し、同図(B)はレーザの出力値Pwの時間変化を示し、同図(C)は溶接電流Iwの時間変化を示す。同図(A)に示すように、出力切換信号SToがHighレベルの高出力期間HToになると、同図(B)に示すように、高出力値HPwでレーザが照射され、同図(C)に示すように、高アーク長期間HTcとして第1のピーク電流及び第1のピーク期間からなる溶接電流Iwが通電する。続いて、同図(A)に示すように、出力切換信号SToがLowレベルの低出力期間LToになると、同図(B)に示すように、低出力値LPwでレーザが照射され、同図(C)に示すように、低アーク長期間LTcとして第2のピーク電流及び第2のピーク期間からなる溶接電流Iwが通電する。上記の動作を繰り返し行う。
【0032】
上記の実施の形態7では、上述した実施の形態5のときと同様に溶融池の攪拌作用を活発化することに加えて、高出力値HPwと低出力値LPwとの両値の差を調整することによって溶融池への入熱量を調整することができる。このために、ブローホールの削減効果を増大させた上で、ビード外観、溶け込み等の他の溶接品質も向上させることができる。
【0033】
[実施の形態8]
図11は、本発明の実施の形態8を示す波形図である。同図(A)は出力切換信号SToの時間変化を示し、同図(B)はレーザの出力値Pwの時間変化を示し、同図(C)は溶接電流Iwの時間変化を示す。同図(A)に示すように、出力切換信号SToがHighレベルの高出力期間HToになると、同図(B)に示すように、高出力値HPwでレーザが照射され、同図(C)に示すように、この高出力期間HToの開始時点から予め定めた高アーク長期間HTc中のみ第1のピーク電流及び第1のピーク期間からなる溶接電流Iwが通電し、その後は第2のピーク電流及び第2のピーク期間からなる溶接電流Iwが通電する。続いて、同図(A)に示すように、出力切換信号SToがLowレベルの低出力期間LToになると、同図(B)に示すように、低出力値LPwでレーザが照射され、同図(C)に示すように、第2のピーク電流及び第2のピーク期間からなる溶接電流Iwが通電する。したがって、同図(C)に示すように、上記の高アーク長期間HTcの終了時点から次の高出力期間HToが開始するまでの期間が低アーク長期間LTcとなる。上記の動作を繰り返し行う。
【0034】
上記の実施の形態8では、上述した実施の形態5のときと同様に溶融池の攪拌作用を活発化することに加えて、高アーク長期間HTc及び高出力値HPwと低出力値LPwとの両値の差を調整することによって溶融池への入熱量を調整することができる。このために、ブローホールの削減効果を増大させた上で、ビード外観、溶け込み等の他の溶接品質も向上させることができる。
【0035】
図12は、上記の実施の形態8を実施するための溶接装置の構成図である。同図において、上述した図5と同一の回路ブロックには同一符号を付してそれらの説明は省略する。以下、図5とは異なる点線で示す回路ブロックについて、同図を参照して説明する。
【0036】
出力切換信号設定回路STOは、予め定めた高出力期間HTo中はHighレベルとなり、予め定めた低出力期間LTo中はLowレベルとなる出力切換信号SToを出力する。アーク長切換信号タイマ回路TTCは、上記の出力切換信号SToがHighレベルに変化した時点から予め定めた高アーク長期間HTc中だけHighレベルとなるアーク長切換信号STcを出力する。また、溶接電源装置6のブロック図は上述した図6と同一であり、レーザ発振装置9のブロック図は上述した図7と同一である。
【0037】
上記の図12で示す溶接装置は、実施の形態8を実施するためのものであるが、その構成の一部を変更することで実施の形態5〜7を実施するための溶接装置にもなる。すなわち、実施の形態5を実施するためには、図12に示すアーク長切換信号タイマ回路STCを除去して出力切換信号SToを直接溶接電源装置6に入力すると共に、図7に示す低出力設定信号Lps=0[W]に設定すればよい。また、実施の形態6を実施するためには、図7に示す低出力設定信号Lps=0[W]に設定すればよい。また、実施の形態7を実施するためには、図12に示すアーク長切換信号タイマ回路STCを除去して出力切換信号SToを直接溶接電源装置6に入力すればよい。
【0038】
[効果]
図13は、レーザを照射しない従来技術のアーク長揺動パルスアーク溶接方法と、本発明のレーザ照射アーク長揺動パルスアーク溶接方法とのブローホールの削減効果を比較した図である。同図において、横軸はアーク長切換周波数1/Tc[Hz]を示し、縦軸は溶接ビードの単位長さ当りのブローホール数[個/cm]を示す。主な溶接条件は以下のとおりである。母材にはブローホールが非常に発生しやすい材料である板厚3mmのアルミニウム合金鋳物AC4C材を、溶接ワイヤには直径1.6mmのA4043材を使用して、平均溶接電流Iw=100A、平均溶接電圧Vw=20V、レーザの高出力値HPw=3kWでパルスMIG溶接した場合である。このときの第1のピーク電流HIp=400A、第1のピーク期間HTp=1.4ms、第2のピーク電流LIp=370A、第2のピーク期間LTp=0.8msである。
【0039】
同図において、従来技術ではアーク長切換周波数によってブローホールの発生個数が大きく変化し、X1点で示す20Hzのときにブローホール数が最小となる。このようにアーク長切換周波数によってブローホール数が変化する理由は、溶融池のサイズ、成分等によって共振周波数が定まるため、アーク長切換周波数がこの共振周波数と略一致したときに溶融池の攪拌作用が最も活発化されるためである。ちなみに、X2点で示すアーク長周波数が0Hzのときが、アーク長を揺動させない通常のパルスMIG溶接の場合のブローホール数を示している。
【0040】
同図から明らかなように、従来技術におけるブローホール数は最小値X1点であってもまだ5個/cm程度存在しており良好な溶接品質とは言えない。これに対して、本発明におけるブローホール数は最小値Y1点で1個/cmと大幅に削減されており良好な溶接品質となる。
【0041】
【発明の効果】
本発明のレーザ照射アーク長揺動パルスアーク溶接方法によれば、アーク長揺動中の高アーク長期間と高出力値でのレーザの照射とを同期させることによって溶融池の攪拌作用を活発化させることができるので、ブローホールが非常に発生しやすい材料であるアルミニウム合金鋳物、亜鉛メッキ鋼板等の溶接においてもブローホール数を大幅に削減させて良好な溶接品質を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る波形図である。
【図2】本発明の実施の形態2に係る波形図である。
【図3】本発明の実施の形態3に係る波形図である。
【図4】本発明の実施の形態4に係る波形図である。
【図5】本発明の実施の形態4に係る溶接装置の構成図である。
【図6】本発明に係る溶接電源装置のブロック図である。
【図7】本発明に係るレーザ発振装置のブロック図である。
【図8】本発明の実施の形態5に係る波形図である。
【図9】本発明の実施の形態6に係る波形図である。
【図10】本発明の実施の形態7に係る波形図である。
【図11】本発明の実施の形態8に係る波形図である。
【図12】本発明の実施の形態8に係る溶接装置の構成図である。
【図13】本発明のブローホール数の削減効果を示す図である。
【図14】従来技術に係るアーク長揺動パルスアーク溶接方法の電流電圧波形図である。
【図15】従来技術に係るパルスアーク溶接におけるピーク期間Tp及びピーク電流Ipの1パルス1溶滴移行範囲を示す図である。
【符号の説明】
1 溶接ワイヤ
2 母材
2a 溶融池
3 アーク
4 溶接トーチ
5 送給装置
5a 送給ロール
6 溶接電源装置
7 レーザ
8 レーザ照射ヘッド
9 レーザ発振装置
EI 電流誤差増幅回路
Ei 電流誤差増幅信号
EV 電圧誤差増幅回路
Ev 電圧誤差増幅信号
HIb 第1のベース電流
HIP 第1のピーク電流設定回路
HIp 第1のピーク電流(設定信号)
HLa 高アーク長
HPS 高出力設定回路
Hps 高出力設定信号
HPw 高出力値
HTb 第1のベース期間
HTc 高アーク長期間
HTf 第1のパルス周期
HTo 高出力期間
HTP 第1のピーク期間設定回路
HTp 第1のピーク期間(設定信号)
IB ベース電流設定回路
Ib ベース電流設定信号
ID 電流検出回路
Id 電流検出信号
INV 出力制御回路
Isc 電流制御設定信号
Iw 溶接電流
LIb 第2のベース電流
LIP 第2のピーク電流設定回路
LIp 第2のピーク電流(設定信号)
LLa 低アーク長
LOC レーザ出力制御回路
LPS 低出力設定回路
Lps 低出力設定信号
LPw 低出力値
LTb 第2のベース期間
LTc 低アーク長期間
LTf 第2のパルス周期
LTo 低出力期間
LTP 第2のピーク期間設定回路
LTp 第2のピーク期間(設定信号)
MM 単安定マルチバイブレータ回路
Pw レーザの出力値
Ps 出力設定信号
SI 電流設定切換回路
SIP ピーク電流設定切換回路
Sip ピーク電流設定切換信号
SPS 出力設定切換回路
STC アーク長切換信号設定回路
STc アーク長切換信号
STO 出力切換信号設定回路
STo 出力切換信号
STP ピーク期間設定切換回路
Tc アーク長切換周期
Tf パルス周期信号
To 出力切換周期
Tp ピーク期間信号
Tps ピーク期間設定信号
TTC アーク長切換信号タイマ回路
TTO 出力切換信号タイマ回路
V/F V/F変換回路
VAV 電圧平均化回路
Vav 平均電圧信号
VD 電圧検出回路
Vd 電圧検出信号
VS 電圧設定回路
Vs 電圧設定(値/信号)
Vw 溶接電圧
【発明の属する技術分野】
本発明は、ピーク電流及びピーク期間の組合せを低周波で切り換えてアーク長を周期的に変化させるアーク長揺動パルスアーク溶接方法に関し、特に、アーク長の揺動と同期して溶融池へレーザを照射することによってブローホールの発生個数を削減させることができるレーザ照射アーク長揺動パルスアーク溶接方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ピーク期間Tp中のピーク電流Ipの通電とベース期間Tb中のベース電流Ibの通電とを繰り返して行う消耗電極式パルスアーク溶接において、上記のピーク電流Ip及び上記のピーク期間Tpの組合せ(以下、ユニットパルスという)を予め定めた低周波(数Hz〜数十Hz)のアーク長切換周期Tc毎に変化させることによって、アーク長を上下に揺動させる溶接方法が従来から行われている。このアーク長揺動パルスアーク溶接方法では、アーク長の揺動によってアークの広がりを変化させて美しい波目模様のビード外観を得ることができるので、外観を重視するオートバイのフレームの溶接等に利用されている。さらに、この溶接方法では、アーク長の揺動によって溶融池への入熱及びアーク力を変化させて溶融池を攪拌することができ、これによって溶接欠陥の原因となるブローホールの発生個数を削減することができる。一般的に、アルミニウム合金の溶接ではブローホールが発生しやすいために、このアーク長揺動パルスアーク溶接方法を適用することでブローホールの発生個数を削減することができ、良好な溶接品質を得ることができる。以下、従来技術としてこのアーク長揺動パルスアーク溶接方法について、図面を参照して説明する。
【0003】
図14は、従来技術のアーク長揺動パルスアーク溶接の電流・電圧波形図である。同図(A)はアーク長切換信号STcの時間変化を示し、同図(B)は溶接電流Iwの時間変化を示し、同図(C)は溶接電圧Vwの時間変化を示し、同図(D)はアーク長Laの時間変化を示す。以下、同図を参照して説明する。
【0004】
同図(A)に示すように、アーク長切換信号STcは、予め定めたHighレベルの高アーク長期間HTcと、予め定めたLowレベルの低アーク長期間LTcとをアーク長切換周期Tc毎に繰り返す。これに応動して、同図(D)に示すように、アーク長Laは、上記の高アーク長期間HTc中は高アーク長HLa[mm]となり、上記の低アーク長期間LTc中は低アーク長LLa[mm]となる。
【0005】
▲1▼ 高アーク長期間HTc
同図(B)に示すように、第1のピーク期間HTp中は第1のピーク電流HIpを通電し、第1のベース期間HTb中は第1のベース電流HIbを通電し、これらの通電を第1のパルス周期HTfとして高アーク長期間HTc中繰り返して通電する。同様に、同図(C)に示すように、第1のピーク期間HTp中は第1のピーク電圧HVpが印加し、第1のベース期間HTb中は第1のベース電圧HVbが印加し、これらの印加を高アーク長期間HTc中繰り返して行う。
【0006】
▲2▼ 低アーク長期間LTc
同図(B)に示すように、第2のピーク期間LTp中は第2のピーク電流LIpを通電し、第2のベース期間LTb中は第2のベース電流LIbを通電し、これらの通電を第2のパルス周期LTfとして低アーク長期間LTc中繰り返して通電する。同様に、同図(C)に示すように、第2のピーク期間LTp中は第2のピーク電圧LVpが印加し、第2のベース期間LTb中は第2のベース電圧LVbが印加し、これらの印加を低アーク長期間LTc中繰り返して行う。
【0007】
上記の第1のピーク電流HIpと第1のピーク期間HTpとからなるユニットパルス及び上記の第2のピーク電流LIpと第2のピーク期間LTpとからなるユニットパルスは、溶接ワイヤからの溶滴が1パルス1溶滴移行する範囲内に予め設定される。また、上記の第1のベース電流HIb及び上記の第2のベース電流LIbは、この通電によって溶接ワイヤの先端が溶融しないように数十A以下の低い値に予め設定される。また、同図(C)に示すように、上記の第1のベース期間HTbは、高アーク長期間HTc中の溶接電圧Vwの平均値が予め定めた電圧設定値Vsと略等しくなるようにフィードバック制御によって自動制御される。同様に、第2のベース期間LTbは、低アーク長期間LTc中の溶接電圧Vwの平均値が上記の電圧設定値Vsと略等しくなるようにフィードバック制御によって自動制御される。第1のピーク電流HIpと第2のピーク電流LIpとの差及び第1のピーク期間HTpと第2のピーク期間LTpとの差が大きい程、同図(D)に示す高アーク長HLaと低アーク長LLaとの変化幅が大きくなり、上述した溶融池の攪拌作用が活発になりブローホールの削減効果は大きくなる。これは、アーク長の変化幅が大きくなると溶融池への入熱及びアーク力の変化も大きくなり、この結果、溶融池の攪拌作用が活発になるためである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来技術では、ブローホールの削減効果を大きくするためには、第1のピーク電流HIpと第2のピーク電流LIpとの差及び第1のピーク期間HTpと第2のピーク期間LTpとの差を大きくする必要がある。しかしながら、上述したように、第1のピーク電流HIpと第1のピーク期間HTpとのユニットパルス及び第2のピーク電流LIpと第2のピーク期間LTpとのユニットパルスは、両者とも1パルス1溶滴移行の範囲内に設定する必要がある。これは、上記のユニットパルスが1パルス1溶滴移行の範囲外になると、溶滴移行の周期性が失われて溶滴サイズにバラツキが生じスパッタが多くなりビード外観が悪くなるためである。図15は、直径1.6mmのアルミニウム合金ワイヤ(JIS A4043材)の1パルス1溶滴移行範囲を示す図である。同図の横軸はピーク期間Tp[ms]を示し、縦軸はピーク電流Ip[A]を示す。同図において斜線部分が1パルス1溶滴移行範囲となる。すなわち、上記の第1のピーク電流HIpと第1のピーク期間HTpとのユニットパルス及び第2のピーク電流LIpと第2のピーク期間LTpとのユニットパルスは、同図の斜線部分に設定される必要がある。したがって、両ユニットパルスの設定値の差は、1パルス1溶滴移行範囲によって制限される。通常、アルミニウム合金の溶接においては、このユニットパルスの設定値の差が制限範囲内であっても十分なブローホールの削減効果がある。しかし、ブローホールが非常に発生しやすいアルミニウム合金鋳物、亜鉛メッキ鋼板等の溶接においては、両ユニットパルスの設定値の差が制限範囲内で最大になるように設定しても、アーク長の揺動による溶融池攪拌作用が十分でないために、ブローホールの削減効果が十分でない場合も生じ、溶接欠陥となる場合もある。
【0009】
そこで、本発明では、アルミニウム合金鋳物、亜鉛メッキ鋼板等のブローホールが非常に発生しやすい材料の溶接において、両ユニットパルスの設定値が1パルス1溶滴移行範囲内であっても十分なブローホールの削減効果を有するアーク長揺動パルスアーク溶接方法を提供する。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、溶接ワイヤを定速で送給すると共に、予め定めた高アーク長期間中は第1のピーク期間中の第1のピーク電流の通電と第1のベース期間中の第1のベース電流の通電とを繰り返し、続けて予め定めた低アーク長期間中は上記第1のピーク期間よりも短い第2のピーク期間中の上記第1のピーク電流よりも小さい第2のピーク電流の通電と第2のベース期間中の第2のベース電流の通電とを繰り返すことによってアーク長を所定幅で上下に揺動させて溶接を行うアーク長揺動パルスアーク溶接方法において、
上記高アーク長期間の全期間又は一部期間中には予め定めた高出力値のレーザを溶融池に照射し、それ以外の期間中は予め定めた低出力値のレーザを溶融池に照射するか又はレーザの照射を停止することを特徴とするレーザ照射アーク長揺動パルスアーク溶接方法である。
【0011】
請求項2の発明は、溶接ワイヤを定速で送給すると共に、高アーク長期間中は第1のピーク期間中の第1のピーク電流の通電と第1のベース期間中の第1のベース電流の通電とを繰り返し、続けて予め定めた低アーク長期間中は上記第1のピーク期間よりも短い第2のピーク期間中の上記第1のピーク電流よりも小さい第2のピーク電流の通電と第2のベース期間中の第2のベース電流の通電とを繰り返すことによってアーク長を所定幅で上下に揺動させて溶接を行うアーク長揺動パルスアーク溶接方法において、
予め定めた高出力期間中は予め定めた高出力値のレーザを溶融池に照射し、予め定めた低出力期間中は予め定めた低出力値のレーザを溶融池に照射するか又はレーザの照射を停止し、上記高出力期間の全期間又は一部期間を上記高アーク長期間としそれ以外の期間を低アーク長期間とすることを特徴とするレーザ照射アーク長揺動パルスアーク溶接方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態1を示す波形図である。同図(A)はアーク長切換信号STcの時間変化を示し、同図(B)は溶接電流Iw[A]の時間変化を示し、同図(C)は溶融池に照射されるYAGレーザ、半導体レーザ等のレーザの出力値Pw[W]の時間変化を示す。同図(A)に示すように、アーク長切換信号STcがHighレベルの高アーク長期間HTcになると、同図(B)に示すように、第1のピーク電流及び第1のピーク期間からなる溶接電流Iwが通電し、同図(C)に示すように、高出力値HPwのレーザが溶融池へ照射される。続いて、同図(A)に示すように、アーク長切換信号STcがLowレベルの低アーク長期間LTcになると、同図(B)に示すように、第2のピーク電流及び第2のピーク期間からなる溶接電流Iwが通電し、同図(C)に示すように、レーザの照射は停止される。上記の動作を繰り返し行う。
【0013】
高アーク長期間HTc中に、高出力値HPwのレーザを溶融池に照射することによって、溶融池への入熱を大きくすることができ、他方低アーク長期間LTc中はレーザを照射しないので、高アーク長期間HTc中と低アーク長期間LTc中との溶融池の温度差を拡大することができる。さらに、高アーク長期間HTc中はレーザの照射によって溶融池の照射部にキーホールが形成され、低アーク長期間LTc中はレーザが照射されないのでこのキーホールは消滅する。このようにキーホールの形成と消滅に伴って、溶融池内の対流が激しくなる。上記の溶融池の温度差の拡大及び対流の促進によって溶融池の攪拌作用が活発になるので、ブローホールの削減効果が大幅に増大する。
【0014】
[実施の形態2]
図2は、本発明の実施の形態2を示す波形図である。同図(A)はアーク長切換信号STcの時間変化を示し、同図(B)は溶接電流Iw[A]の時間変化を示し、同図(C)は溶融池に照射されるレーザの出力値Pw[W]の時間変化を示す。同図(A)に示すように、アーク長切換信号STcがHighレベルの高アーク長期間HTcになると、同図(B)に示すように、第1のピーク電流及び第1のピーク期間からなる溶接電流Iwが通電し、同図(C)に示すように、高アーク長期間HTcの開始時点から予め定めた高出力期間HTo中は高出力値HPwのレーザが溶融池へ照射される。続いて、同図(A)に示すように、アーク長切換信号STcがLowレベルの低アーク長期間LTcになると、同図(B)に示すように、第2のピーク電流及び第2のピーク期間からなる溶接電流Iwが通電し、同図(C)に示すように、レーザの照射は停止される。上記の動作を繰り返し行う。
【0015】
上記の実施の形態2では、上述した実施の形態1のときと同様に溶融池の攪拌作用を活発化することに加えて、高出力期間HToを調整することによって溶融池への入熱量を調整することができる。このために、ブローホールの削減効果を増大させた上で、ビード外観、溶け込み等の他の溶接品質も向上させることができる。
【0016】
[実施の形態3]
図3は、本発明の実施の形態3を示す波形図である。同図(A)はアーク長切換信号STcの時間変化を示し、同図(B)は溶接電流Iw[A]の時間変化を示し、同図(C)は溶融池に照射されるレーザの出力値Pw[W]の時間変化を示す。同図(A)に示すように、アーク長切換信号STcがHighレベルの高アーク長期間HTcになると、同図(B)に示すように、第1のピーク電流及び第1のピーク期間からなる溶接電流Iwが通電し、同図(C)に示すように、高出力値HPwのレーザが溶融池へ照射される。続いて、同図(A)に示すように、アーク長切換信号STcがLowレベルの低アーク長期間LTcになると、同図(B)に示すように、第2のピーク電流及び第2のピーク期間からなる溶接電流Iwが通電し、同図(C)に示すように、低出力値LPwのレーザが溶融池へ照射される。上記の動作を繰り返し行う。
【0017】
上記の実施の形態3では、上述した実施の形態1のときと同様に溶融池の攪拌作用を活発化することに加えて、高出力値HPwと低出力値LPwとの両値の差を調整することによって溶融池への入熱量を調整することができる。このために、ブローホールの削減効果を増大させた上で、ビード外観、溶け込み等の他の溶接品質も向上させることができる。
【0018】
[実施の形態4]
図4は、本発明の実施の形態4を示す波形図である。同図(A)はアーク長切換信号STcの時間変化を示し、同図(B)は溶接電流Iw[A]の時間変化を示し、同図(C)は溶融池に照射されるレーザの出力値Pw[W]の時間変化を示す。同図(A)に示すように、アーク長切換信号STcがHighレベルの高アーク長期間HTcになると、同図(B)に示すように、第1のピーク電流及び第1のピーク期間からなる溶接電流Iwが通電し、同図(C)に示すように、高アーク長期間HTcの開始時点から予め定めた高出力期間HTo中は高出力値HPwのレーザが溶融池へ照射され、その後は低出力値LPwのレーザが照射される。続いて、同図(A)に示すように、アーク長切換信号STcがLowレベルの低アーク長期間LTcになると、同図(B)に示すように、第2のピーク電流及び第2のピーク期間からなる溶接電流Iwが通電し、同図(C)に示すように、低出力値LPwのレーザが溶融池へ照射される。上記の動作を繰り返し行う。
【0019】
上記の実施の形態4では、上述した実施の形態1のときと同様に溶融池の攪拌作用を活発化することに加えて、高出力期間HTo及び高出力値HPwと低出力値LPwとの両値の差を調整することによって溶融池への入熱量を調整することができる。このために、ブローホールの削減効果を増大させた上で、ビード外観、溶け込み等の他の溶接品質も向上させることができる。
【0020】
図5は、上記の実施の形態4を実施するための溶接装置の構成図である。以下、同図を参照して説明する。
アーク長切換信号設定回路STCは、予め定めた高アーク長期間HTc中はHighレベルとなり、予め定めた低アーク長期間LTc中はLowレベルとなるアーク長切換信号STcを出力する。出力切換信号タイマ回路TTOは、上記のアーク長切換信号STcがHighレベルに変化した時点から予め定めた高出力期間HTo中のみHighレベルとなる出力切換信号SToを出力する。
【0021】
溶接電源装置6は、上記のアーク長切換信号STcに応じてユニットパルスを切り換えて溶接電流Iw及び溶接電圧Vwを出力すると共に、溶接ワイヤ1の送給を制御するための送給制御信号Fcを出力する。送給装置5は、上記の送給制御信号Fcに従って溶接ワイヤ1の送給を制御する。溶接ワイヤ1は、溶接トーチ4を通って送給されて、母材2との間にアーク3が発生して溶融池2aが形成される。レーザ発振装置9は、上記の出力切換信号SToがHighレベルのときには出力値Pwが高出力値となり、Lowレベルのときは低出力値となるレーザ7を、レーザ照射ヘッド8を介して溶融池2aに照射する。
【0022】
図6は、上記の溶接電源装置6のブロック図である。出力制御回路INVは、商用交流電源(3相200V等)を入力として、後述する電流誤差増幅信号Eiに従ってインバータ制御、サイリスタ位相制御等の出力制御を行い、溶接に適した溶接電流Iw及び溶接電圧Vwを出力する。溶接ワイヤ1は、送給装置の送給ロール5aの回転によって溶接トーチ4を通って送給されて、母材2との間でアーク3が発生する。
【0023】
電圧検出回路VDは、溶接電圧Vwを検出して電圧検出信号Vdを出力する。電圧平均化回路VAVは、上記の電圧検出信号Vdを平均化して平均電圧信号Vavを出力する。電圧設定回路VSは、予め定めた電圧設定信号Vsを出力する。電圧誤差増幅回路EVは、上記の電圧設定信号Vsと平均電圧信号Vavとの誤差を増幅して、電圧誤差増幅信号Evを出力する。V/F変換回路V/Fは、上記の電圧誤差増幅信号Evの値に応じた周期(図14のパルス周期HTf、LTf)毎に短時間だけHighレベルとなるパルス周期信号Tfを出力する。単安定マルチバイブレータ回路MMは、上記のパルス周期信号TfがHighレベルに変化した時点から後述するピーク期間設定信号Tpsによって定まる期間だけHighレベルとなるピーク期間信号Tpを出力する。ベース電流設定回路IBは、予め定めたベース電流設定信号Ibを出力する。電流設定切換回路SIは、上記のピーク期間信号TpがHighレベルのときにはa側に切り換わり後述するピーク電流設定信号Sipを電流制御設定信号Iscとして出力し、Lowレベルのときにはb側に切り換わり上記のベース電流設定信号Ibを電流制御設定信号Iscとして出力する。電流検出回路IDは、溶接電流Iwを検出して電流検出信号Idを出力する。電流誤差増幅回路EIは、上記の電流制御設定信号Iscと電流検出信号Idとの誤差を増幅して、電流誤差増幅信号Eiを出力する。
【0024】
第1のピーク期間設定回路HTPは、予め定めた第1のピーク期間設定信号Htpを出力する。第2のピーク期間設定回路LTPは、予め定めた第2のピーク期間設定信号Ltpを出力する。ピーク期間設定切換回路STPは、外部から入力されるアーク長切換信号STcがHighレベルのときにはa側に切り換わり第1のピーク期間設定信号Htpをピーク期間設定信号Tpsとして出力し、Lowレベルのときにはb側に切り換わり上記の第2のピーク期間設定信号Ltpをピーク期間設定信号Tpsとして出力する。第1のピーク電流設定回路HIPは、予め定めた第1のピーク電流設定信号Hipを出力する。第2のピーク電流設定回路LIPは、予め定めた第2のピーク電流設定信号Lipを出力する。ピーク電流設定切換回路SIPは、上記のアーク長切換信号STcがHighレベルのときにはa側に切り換わり上記の第1のピーク電流設定信号Hipをピーク電流設定信号Sipとして出力し、Lowレベルのときにはb側に切り換わり上記の第2のピーク電流設定信号Lipをピーク電流設定信号Sipとして出力する。
【0025】
図7は、上記のレーザ発振装置9のブロック図である。高出力設定回路HPSは、予め定めた高出力設定信号Hpsを出力する。低出力設定回路LPSは、予め定めた低出力設定信号Lpsを出力する。出力設定切換回路SPSは、外部からの出力切換信号SToがHighレベルのときにはa側に切り換わり上記の高出力設定信号Hpsを出力設定信号Psとして出力し、Lowレベルのときにはb側に切り換わり上記の低出力設定信号Lpsを出力設定信号Psとして出力する。レーザ出力制御回路LOCは、上記の出力設定信号Psに応じた出力値Pwでレーザを照射する。
【0026】
上記の図5〜7で示す溶接装置は、実施の形態4を実施するためのものであるが、その構成の一部を変更することで実施の形態1〜3を実施するための溶接装置にもなる。すなわち、実施の形態1を実施するためには、図5に示す出力切換信号タイマ回路STOを除去してアーク長切換信号STcを直接レーザ発振装置9に入力すると共に、図7に示す低出力設定信号Lps=0[W]に設定すればよい。また、実施の形態2を実施するためには、図7に示す低出力設定信号Lps=0[W]に設定すればよい。また、実施の形態3を実施するためには、図5に示す出力切換信号タイマ回路STOを除去してアーク長切換信号STcを直接レーザ発振装置9に入力すればよい。
【0027】
[実施の形態5]
図8は、本発明の実施の形態5を示す波形図である。同図(A)は出力切換信号SToの時間変化を示し、同図(B)はレーザの出力値Pwの時間変化を示し、同図(C)は溶接電流Iwの時間変化を示す。同図(A)に示すように、出力切換信号SToがHighレベルの高出力期間HToになると、同図(B)に示すように、高出力値HPwでレーザが照射され、同図(C)に示すように、高アーク長期間HTcとして第1のピーク電流及び第1のピーク期間からなる溶接電流Iwが通電する。続いて、同図(A)に示すように、出力切換信号SToがLowレベルの低出力期間LToになると、同図(B)に示すように、レーザの照射は停止され、同図(C)に示すように、低アーク長期間LTcとして第2のピーク電流及び第2のピーク期間からなる溶接電流Iwが通電する。上記の動作を繰り返し行う。
【0028】
上述した実施の形態1と同様に、高出力値HPwのレーザの照射と高アーク長期間HTcとを同期させることによって、溶融池への入熱を大きくすることができ、他方低出力期間LTo中はレーザを照射しないので高出力期間HTo中と低出力期間LTo中との溶融池の温度差を拡大することができる。さらに、高出力期間HTo中はレーザの照射によって溶融池の照射部にキーホールが形成され、低出力期間LTo中はレーザが照射されないのでこのキーホールは消滅する。このようにキーホールの形成と消滅に伴って、溶融池内の対流が激しくなる。上記の溶融池の温度差の拡大及び対流の促進によって溶融池の攪拌作用が活発になるので、ブローホールの削減効果が大幅に増大する。
【0029】
[実施の形態6]
図9は、本発明の実施の形態6を示す波形図である。同図(A)は出力切換信号SToの時間変化を示し、同図(B)はレーザの出力値Pwの時間変化を示し、同図(C)は溶接電流Iwの時間変化を示す。同図(A)に示すように、出力切換信号SToがHighレベルの高出力期間HToになると、同図(B)に示すように、高出力値HPwでレーザが照射され、同図(C)に示すように、この高出力期間HToの開始時点から予め定めた高アーク長期間HTc中のみ第1のピーク電流及び第1のピーク期間からなる溶接電流Iwが通電し、その後は第2のピーク電流及び第2のピーク期間からなる溶接電流Iwが通電する。続いて、同図(A)に示すように、出力切換信号SToがLowレベルの低出力期間LToになると、同図(B)に示すように、レーザの照射は停止され、同図(C)に示すように、第2のピーク電流及び第2のピーク期間からなる溶接電流Iwが通電する。したがって、同図(C)に示すように、上記の高アーク長期間HTcの終了時点から次の高出力期間HToが開始するまでの期間が低アーク長期間LTcとなる。上記の動作を繰り返し行う。
【0030】
上記の実施の形態6では、上述した実施の形態5のときと同様に溶融池の攪拌作用を活発化することに加えて、高アーク長期間HTcを調整することによって溶融池への入熱量を調整することができる。このために、ブローホールの削減効果を増大させた上で、ビード外観、溶け込み等の他の溶接品質も向上させることができる。
【0031】
[実施の形態7]
図10は、本発明の実施の形態7を示す波形図である。同図(A)は出力切換信号SToの時間変化を示し、同図(B)はレーザの出力値Pwの時間変化を示し、同図(C)は溶接電流Iwの時間変化を示す。同図(A)に示すように、出力切換信号SToがHighレベルの高出力期間HToになると、同図(B)に示すように、高出力値HPwでレーザが照射され、同図(C)に示すように、高アーク長期間HTcとして第1のピーク電流及び第1のピーク期間からなる溶接電流Iwが通電する。続いて、同図(A)に示すように、出力切換信号SToがLowレベルの低出力期間LToになると、同図(B)に示すように、低出力値LPwでレーザが照射され、同図(C)に示すように、低アーク長期間LTcとして第2のピーク電流及び第2のピーク期間からなる溶接電流Iwが通電する。上記の動作を繰り返し行う。
【0032】
上記の実施の形態7では、上述した実施の形態5のときと同様に溶融池の攪拌作用を活発化することに加えて、高出力値HPwと低出力値LPwとの両値の差を調整することによって溶融池への入熱量を調整することができる。このために、ブローホールの削減効果を増大させた上で、ビード外観、溶け込み等の他の溶接品質も向上させることができる。
【0033】
[実施の形態8]
図11は、本発明の実施の形態8を示す波形図である。同図(A)は出力切換信号SToの時間変化を示し、同図(B)はレーザの出力値Pwの時間変化を示し、同図(C)は溶接電流Iwの時間変化を示す。同図(A)に示すように、出力切換信号SToがHighレベルの高出力期間HToになると、同図(B)に示すように、高出力値HPwでレーザが照射され、同図(C)に示すように、この高出力期間HToの開始時点から予め定めた高アーク長期間HTc中のみ第1のピーク電流及び第1のピーク期間からなる溶接電流Iwが通電し、その後は第2のピーク電流及び第2のピーク期間からなる溶接電流Iwが通電する。続いて、同図(A)に示すように、出力切換信号SToがLowレベルの低出力期間LToになると、同図(B)に示すように、低出力値LPwでレーザが照射され、同図(C)に示すように、第2のピーク電流及び第2のピーク期間からなる溶接電流Iwが通電する。したがって、同図(C)に示すように、上記の高アーク長期間HTcの終了時点から次の高出力期間HToが開始するまでの期間が低アーク長期間LTcとなる。上記の動作を繰り返し行う。
【0034】
上記の実施の形態8では、上述した実施の形態5のときと同様に溶融池の攪拌作用を活発化することに加えて、高アーク長期間HTc及び高出力値HPwと低出力値LPwとの両値の差を調整することによって溶融池への入熱量を調整することができる。このために、ブローホールの削減効果を増大させた上で、ビード外観、溶け込み等の他の溶接品質も向上させることができる。
【0035】
図12は、上記の実施の形態8を実施するための溶接装置の構成図である。同図において、上述した図5と同一の回路ブロックには同一符号を付してそれらの説明は省略する。以下、図5とは異なる点線で示す回路ブロックについて、同図を参照して説明する。
【0036】
出力切換信号設定回路STOは、予め定めた高出力期間HTo中はHighレベルとなり、予め定めた低出力期間LTo中はLowレベルとなる出力切換信号SToを出力する。アーク長切換信号タイマ回路TTCは、上記の出力切換信号SToがHighレベルに変化した時点から予め定めた高アーク長期間HTc中だけHighレベルとなるアーク長切換信号STcを出力する。また、溶接電源装置6のブロック図は上述した図6と同一であり、レーザ発振装置9のブロック図は上述した図7と同一である。
【0037】
上記の図12で示す溶接装置は、実施の形態8を実施するためのものであるが、その構成の一部を変更することで実施の形態5〜7を実施するための溶接装置にもなる。すなわち、実施の形態5を実施するためには、図12に示すアーク長切換信号タイマ回路STCを除去して出力切換信号SToを直接溶接電源装置6に入力すると共に、図7に示す低出力設定信号Lps=0[W]に設定すればよい。また、実施の形態6を実施するためには、図7に示す低出力設定信号Lps=0[W]に設定すればよい。また、実施の形態7を実施するためには、図12に示すアーク長切換信号タイマ回路STCを除去して出力切換信号SToを直接溶接電源装置6に入力すればよい。
【0038】
[効果]
図13は、レーザを照射しない従来技術のアーク長揺動パルスアーク溶接方法と、本発明のレーザ照射アーク長揺動パルスアーク溶接方法とのブローホールの削減効果を比較した図である。同図において、横軸はアーク長切換周波数1/Tc[Hz]を示し、縦軸は溶接ビードの単位長さ当りのブローホール数[個/cm]を示す。主な溶接条件は以下のとおりである。母材にはブローホールが非常に発生しやすい材料である板厚3mmのアルミニウム合金鋳物AC4C材を、溶接ワイヤには直径1.6mmのA4043材を使用して、平均溶接電流Iw=100A、平均溶接電圧Vw=20V、レーザの高出力値HPw=3kWでパルスMIG溶接した場合である。このときの第1のピーク電流HIp=400A、第1のピーク期間HTp=1.4ms、第2のピーク電流LIp=370A、第2のピーク期間LTp=0.8msである。
【0039】
同図において、従来技術ではアーク長切換周波数によってブローホールの発生個数が大きく変化し、X1点で示す20Hzのときにブローホール数が最小となる。このようにアーク長切換周波数によってブローホール数が変化する理由は、溶融池のサイズ、成分等によって共振周波数が定まるため、アーク長切換周波数がこの共振周波数と略一致したときに溶融池の攪拌作用が最も活発化されるためである。ちなみに、X2点で示すアーク長周波数が0Hzのときが、アーク長を揺動させない通常のパルスMIG溶接の場合のブローホール数を示している。
【0040】
同図から明らかなように、従来技術におけるブローホール数は最小値X1点であってもまだ5個/cm程度存在しており良好な溶接品質とは言えない。これに対して、本発明におけるブローホール数は最小値Y1点で1個/cmと大幅に削減されており良好な溶接品質となる。
【0041】
【発明の効果】
本発明のレーザ照射アーク長揺動パルスアーク溶接方法によれば、アーク長揺動中の高アーク長期間と高出力値でのレーザの照射とを同期させることによって溶融池の攪拌作用を活発化させることができるので、ブローホールが非常に発生しやすい材料であるアルミニウム合金鋳物、亜鉛メッキ鋼板等の溶接においてもブローホール数を大幅に削減させて良好な溶接品質を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る波形図である。
【図2】本発明の実施の形態2に係る波形図である。
【図3】本発明の実施の形態3に係る波形図である。
【図4】本発明の実施の形態4に係る波形図である。
【図5】本発明の実施の形態4に係る溶接装置の構成図である。
【図6】本発明に係る溶接電源装置のブロック図である。
【図7】本発明に係るレーザ発振装置のブロック図である。
【図8】本発明の実施の形態5に係る波形図である。
【図9】本発明の実施の形態6に係る波形図である。
【図10】本発明の実施の形態7に係る波形図である。
【図11】本発明の実施の形態8に係る波形図である。
【図12】本発明の実施の形態8に係る溶接装置の構成図である。
【図13】本発明のブローホール数の削減効果を示す図である。
【図14】従来技術に係るアーク長揺動パルスアーク溶接方法の電流電圧波形図である。
【図15】従来技術に係るパルスアーク溶接におけるピーク期間Tp及びピーク電流Ipの1パルス1溶滴移行範囲を示す図である。
【符号の説明】
1 溶接ワイヤ
2 母材
2a 溶融池
3 アーク
4 溶接トーチ
5 送給装置
5a 送給ロール
6 溶接電源装置
7 レーザ
8 レーザ照射ヘッド
9 レーザ発振装置
EI 電流誤差増幅回路
Ei 電流誤差増幅信号
EV 電圧誤差増幅回路
Ev 電圧誤差増幅信号
HIb 第1のベース電流
HIP 第1のピーク電流設定回路
HIp 第1のピーク電流(設定信号)
HLa 高アーク長
HPS 高出力設定回路
Hps 高出力設定信号
HPw 高出力値
HTb 第1のベース期間
HTc 高アーク長期間
HTf 第1のパルス周期
HTo 高出力期間
HTP 第1のピーク期間設定回路
HTp 第1のピーク期間(設定信号)
IB ベース電流設定回路
Ib ベース電流設定信号
ID 電流検出回路
Id 電流検出信号
INV 出力制御回路
Isc 電流制御設定信号
Iw 溶接電流
LIb 第2のベース電流
LIP 第2のピーク電流設定回路
LIp 第2のピーク電流(設定信号)
LLa 低アーク長
LOC レーザ出力制御回路
LPS 低出力設定回路
Lps 低出力設定信号
LPw 低出力値
LTb 第2のベース期間
LTc 低アーク長期間
LTf 第2のパルス周期
LTo 低出力期間
LTP 第2のピーク期間設定回路
LTp 第2のピーク期間(設定信号)
MM 単安定マルチバイブレータ回路
Pw レーザの出力値
Ps 出力設定信号
SI 電流設定切換回路
SIP ピーク電流設定切換回路
Sip ピーク電流設定切換信号
SPS 出力設定切換回路
STC アーク長切換信号設定回路
STc アーク長切換信号
STO 出力切換信号設定回路
STo 出力切換信号
STP ピーク期間設定切換回路
Tc アーク長切換周期
Tf パルス周期信号
To 出力切換周期
Tp ピーク期間信号
Tps ピーク期間設定信号
TTC アーク長切換信号タイマ回路
TTO 出力切換信号タイマ回路
V/F V/F変換回路
VAV 電圧平均化回路
Vav 平均電圧信号
VD 電圧検出回路
Vd 電圧検出信号
VS 電圧設定回路
Vs 電圧設定(値/信号)
Vw 溶接電圧
Claims (2)
- 溶接ワイヤを定速で送給すると共に、予め定めた高アーク長期間中は第1のピーク期間中の第1のピーク電流の通電と第1のベース期間中の第1のベース電流の通電とを繰り返し、続けて予め定めた低アーク長期間中は前記第1のピーク期間よりも短い第2のピーク期間中の前記第1のピーク電流よりも小さい第2のピーク電流の通電と第2のベース期間中の第2のベース電流の通電とを繰り返すことによってアーク長を所定幅で上下に揺動させて溶接を行うアーク長揺動パルスアーク溶接方法において、
前記高アーク長期間の全期間又は一部期間中には予め定めた高出力値のレーザを溶融池に照射し、それ以外の期間中は予め定めた低出力値のレーザを溶融池に照射するか又はレーザの照射を停止することを特徴とするレーザ照射アーク長揺動パルスアーク溶接方法。 - 溶接ワイヤを定速で送給すると共に、高アーク長期間中は第1のピーク期間中の第1のピーク電流の通電と第1のベース期間中の第1のベース電流の通電とを繰り返し、続けて予め定めた低アーク長期間中は前記第1のピーク期間よりも短い第2のピーク期間中の前記第1のピーク電流よりも小さい第2のピーク電流の通電と第2のベース期間中の第2のベース電流の通電とを繰り返すことによってアーク長を所定幅で上下に揺動させて溶接を行うアーク長揺動パルスアーク溶接方法において、
予め定めた高出力期間中は予め定めた高出力値のレーザを溶融池に照射し、予め定めた低出力期間中は予め定めた低出力値のレーザを溶融池に照射するか又はレーザの照射を停止し、前記高出力期間の全期間又は一部期間を前記高アーク長期間としそれ以外の期間を低アーク長期間とすることを特徴とするレーザ照射アーク長揺動パルスアーク溶接方法。
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