JP2004008832A - 非光触媒溶液透明膜塗布方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な方法によって塩化ビニールやプラスチックやFRPなどの撥水性を有する素材の塗布部材に光触媒を設けることができる実用性、作業性、取り扱い性、衣装性、コスト安に秀れた非光触媒の透明膜塗布方法を提供するものである。
【解決手段】非光触媒1や非光触媒誘導体に水溶性の二価鉄化合物を混合し、該混合物を塗布部材2に塗布することで該塗布部材2上に鉄の膜3を介して、非光触媒1を設けるものである。
【選択図】 なし
【解決手段】非光触媒1や非光触媒誘導体に水溶性の二価鉄化合物を混合し、該混合物を塗布部材2に塗布することで該塗布部材2上に鉄の膜3を介して、非光触媒1を設けるものである。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非光触媒の関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近、環境改善の為の新技術として、アナターゼ型酸化チタン(TiO2)などを成分とし、太陽光や蛍光灯などから発せられる光エネルギーによって空気中の水分や酸素から活性酸素をつくりだし、該活性酸素の有する酸化力により、周囲の臭気を脱臭したり、有機化合物等の汚れ成分や有害ガスを分解したり、細菌を死滅させたりする光触媒と称される技術が注目される。
【0003】
この光触媒は、例えば建物や建造物などの表面に仕上げ材として薄膜状に固定化し、光触媒が発揮する汚れ成分の分解作用によって建物や建造物の表面に付着する汚れ成分を除去し、建物や建造物の体裁を保つ目的などに使用される。
【0004】
ところで、この光触媒は、例えばアナターゼ型酸化チタンの場合、水にアナターゼ型酸化チタン粒子が分散せしめられた光触媒水溶液を建物や建造物などの表面に塗布(コーティング)し、該光触媒水溶液を乾燥若しくは焼成することによって前記建物や建造物などにアナターゼ型酸化チタン(光触媒)の虹色や白色の膜を形成するなどの簡単な方法によって任意の場所に設けることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記光触媒水溶液は、塩化ビニールやプラスチックやFRPなどの撥水性を有する部材に対してははじかれてしまう為、塩化ビニールやプラスチックやFRPなどの撥水性を有する部材への塗布が困難であるという問題点、さらに上記光触媒水溶液を乾燥若しくは焼成することによってアナターゼ形酸化チタン(光触媒)の虹色や白色の膜が形成されるが、形成された膜の虹色や白色が目立つ為、衣装上の問題点、そして光がないと使用できない問題点がある。
この問題点を解決する為、四塩化チタン(TiCl4)に水酸化ナトリウム(NaOH)を加えて反応させ得た水酸化チタン(Ti(OH)4)を洗浄、分離後、過酸化水素水(H2O2)で処理して粘稠性アモルファス型過酸化チタンを得、粘稠性を生かして該粘稠性アモルファス型過酸化チタンを塗布部材に塗布し、焼成方法も提案されているが、この方法は、塗布した粘稠性アモルファス型過酸化チタンを500℃以上の高温で焼成しなければならず、塗布作業が厄介であるという問題点や、酸や有機化合物が混合される為、取り扱いが厄介で且つ経時変化し易いという問題点や、粘稠性アモルファス型過酸化チタンの製造が厄介でコスト高であるという問題点や、光触媒の膜の密着性が低いという問題点や、光触媒の膜に温度を加えると虹色や白色の膜を形成するという衣装的な問題点や、光触媒の膜密度が低いという問題点や光がないと使用できないという問題点がある。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決するもので、簡単な方法によって塩化ビニールやプラスチックやFRPなどの撥水性を有する素材の塗布部材に非光触媒を設けることができる実用性、作業性、取り扱い性、衣装性、コスト安に優れた非光触媒の透明膜塗布方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決する為の手段】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0008】
非光触媒1に水溶性の二価鉄化合物を混合し、該混合物を塗布部材2に塗布することで該塗布部材2上に非光触媒1を設けることを特徴とする非光触媒の塗布方法に係るものである。
【0009】
また、非光触媒誘導体に水溶性の二価鉄化合物を混合し、該混合物を塗布部材2に塗布し、その後、該光触媒誘導体を適宜処理することで該塗布部材2上に光触媒1を設けることを特徴とする非光触媒の透明膜塗布方法に係るものである。
【0010】
尚、非光触媒溶液ペルオキソ改質アナターゼ型酸化チタンゾルは、常温での乾燥でも塗布部材2上で非光触媒1の膜となる。
【0011】
また、請求項1,2いずれか1項に記載の非光触媒の透明膜塗布方法において、非光触媒1として二価鉄化合溶液とアナターゼ型酸化チタンとを採用したことを特徴とする非光触媒の透明膜塗布方法に係るものである。
【0012】
また、請求項1に記載の非光触媒の透明膜塗布方法において、非光触媒1としてペルオキソ改質アナターゼ型酸化チタンゾルを採用したことを特徴とする非光触媒の透明膜塗布方法に係るものである。
【0013】
また、請求項2に記載の非光触媒の透明膜塗布方法において、非光触媒誘導体としてペルオキソチタン酸溶液とトルマリン水溶液を採用したことを特徴とする非光触媒の透明膜塗布方法に係るものである。
【0014】
また、請求項1〜5いずれか1項に記載の光触媒の透明膜塗布方法において、塗布部材2がレンズ、鏡、タイル、ガラス繊維、塩化ビニール、金属、FRP、天然繊維、若しくは人工繊維であることを特徴とする非光触媒の透明膜塗布方法に係るものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
ペルオキソ改質アナターゼ型酸化チタンゾルやセラミック型トルマリンゲルなどの非光触媒1やペルオキソチタン酸溶液などの非光触媒誘導体を水溶性の二価鉄化合物と混合して得た混合物は、水溶性のキレート化二価鉄化合溶液の親油性により、塩化ビニールやプラスチックやFRPなどの撥水性を有する塗布部材2に塗布した際にもはじかれず、該塗布部材2上に光触媒1を設けることになる。
【0016】
この混合物中の水溶性の二価化合物は、非光触媒1や非光触媒誘導体を乾燥したり焼成する際に発揮して比重が変化し、非光触媒1や非光触媒誘導体の膜の下に位置づけられ、塗布部材2の表面にアモルファス型の鉄の膜3を介して、非光触媒1の膜を形成し、しかも、非光触媒1の発揮する非光触媒作用に全く悪影響を及ぼさない。
【0017】
また、水溶性の二価化合物との混合物として塗布部材2上に塗布された非光触媒1や非光触媒誘導体は、乾燥によって塗布部材2上に膜上に保持されたままとなる。
【0018】
尚、ペルオキソ改質アナターゼ型酸化チタンゾルは、常温での乾燥でも塗布部材2上で非光触媒1の膜となり、また、ペルオキソチタン酸溶液も100℃程度の低温での焼成でも塗布部材2上で非光触媒1の膜となる為、非光触媒1の塗布作業は容易に行われることになる。
【0019】
本発明は上述の様にするから、簡単な方法によって塩化ビニールやプラスチックやFRPなどの撥水性を有する素材の塗布部材に非光触媒を設けることができる実用性、作業性、取り扱い性、衣装性、コスト安に秀れた非光触媒の透明膜塗布方法となる。
【0020】
【発明の実施の形態】
図面は本発明の一実施例を図示したものであり、以下に説明する。
【0021】
本実施例は、非光触媒1に水溶性の二価化合物を混合し、該混合物を塗布部材2に塗布することで該塗布部材2の表面にアモルファス型の鉄の膜3を介して、非光触媒1を設ける方法、及び、非光触媒誘導体に水溶性の二価化合物を混合し、該混合物を塗布部材2に塗布し、その後、該非光触媒誘導体を適宜処理することで該塗布部材2の表面にアモルファス型の鉄の膜3を介して、光触媒1を設ける方法により、塗布部材2の表面にアモルファス型の鉄の膜3を介して、非光触媒1の膜を形成するものである。
【0022】
非光触媒1としては、アナターゼ形酸化チタン(TiO2、結晶構造アナターゼ型、比重3.9〜4.2、1858℃、屈折率2.52)とを採用する。
【0023】
また、非光触媒1としては、アモルファス状態のペルオキソ改質アナターゼ型酸化チタンゾルなどのアナターゼ型酸化チタン粒子が分散されたものを採用する。尚、他の酸化チタン系の非光触媒、例えばアモルファス型過酸化チタンゾルや、酸化亜鉛(ZnO)などを採用しても良い。
【0024】
また、非光触媒誘導体としては、ペルオキソチタン酸水溶液などの低温での焼成によりアナターゼ型酸化チタン、すなわち非光触媒1となるものを採用する。尚、例えば、過酸化水素化チタン水溶液などを採用しても良い。
【0025】
また、非光触媒1と非光触媒誘導体とを混合して使用しても良い。
【0026】
以下、詳細な実施例について詳述する。
【0027】
尚、ペルオキソ改質アナターゼ型酸化チタンゾルとしては、水酸化チタンや酸化チタン等を水中に分散せしめた水溶液に過酸化物(過酸化水素水を使用。)を添加してペルオキソチタン酸水溶液を得、続いて、該ペルオキソチタン酸水溶液80〜200℃且つ40分〜2時間加熱処理して得たものを使用した。また、ペルオキソチタン酸水溶液としては、塩化チタンや硫酸チタン等の水溶液とアンモニアや水酸化ナトリウム等のアルカリ溶液とを混合させ沈殿させた水酸化チタンゾルを分離し、該水酸化チタンゾルに過酸化水素水を加え、その後該溶液を80℃以上で加熱処理して得たものを使用した。
【0028】
<実施例1>
ペルオキソ改質アナターゼ型酸化チタンゾルと水溶性の二価化合物とを混合し、混合物を得る。尚、濃度調整して使用する場合、純水や蒸留水などで希釈しても良い。
【0029】
続いて、混合物中に塗布部材2を浸漬し、所定時間の後、塗布部材2を引き上げ該塗布部材2の表面にペルオキソ改質アナターゼ型酸化チタンゾルを付着させ
る。尚、混合物をスプレーなどによって塗布する方法を採用しても良い。
【0030】
この際、塗布部材2が塩化ビニールやプラスチックやFRPなどの撥水性を有する素材であっても、混合物中の水溶性の二価鉄化合物の有する親油性と塗布部材2が有する親油性との効果により、混合物中のペルオキソ改質アナターゼ型酸化チタンゾルは、鉄の膜3を介して、塗布部材2の表面に良好に保持されることになる。
【0031】
続いて、ペルオキソ改質アナターゼ型酸化チタンゾルを乾燥させ、塗布部材2の表面に鉄の膜3を介してアナターゼ型酸化チタン(非光触媒1)の膜を形成する。
【0032】
このままでも塗布部材2の表面の鉄の膜3上のアナターゼ型酸化チタンゾルは非光触媒作用を発揮するが、アナターゼ型酸化チタンの膜の密着性や膜密度を向上させる為、40〜90℃で焼成を行った方が良い。
【0033】
<実施例2>
ペルオキソチタン酸水溶液(非光触媒誘導体)と水溶性の二価鉄化合物とを混合し、混合物を得る。
【0034】
続いて、混合物中に塗布部材2を浸漬し、所定時間の後、塗布部材2を引き上げ、該塗布部材2の表面にペルオキソチタン酸水溶液を付着させる。
【0035】
この際、塗布部材2の表面には、ペルオキソチタン酸水溶液及び水溶性の二価鉄化合物の有する親水性の効果により、塗布部材2の表面にペルオキソチタン酸水溶液が極めて良好に保持されることになる。
【0036】
続いて、塗布部材2の表面に付着している混合物を乾燥させ、塗布部材の表面に鉄の膜3を介してペルオキソチタン酸の膜を形成させる。
【0037】
続いて、塗布部材2の表面のペルオキソチタン酸80℃以上に加熱して焼成を
行い、該ペルオキソチタン酸をアナターゼ型の結晶に変化させ、塗布部材2の表面にアナターゼ型酸化チタン酸(非光触媒1)を形成する。
【0038】
尚、ペルオキソチタン酸を焼成する際、加熱温度が高い程、アナターゼ型酸化チタンの膜の密着性や膜密度を向上させることができるが、800℃以上に加熱するとペルオキソチタン酸がルチル型の結晶になってしまう為、非光触媒作用が発揮されなくなってしまう。
【0039】
また、その余は実施例1と同様である。
【0040】
<実施例3>
実施例2において、ペルオキソチタン酸水溶液の代わりに、ペルオキソ改質アナターゼ型酸化トルマリンゾルとペルオキソチタン酸型セラミック水溶液とを6 : 5の比率で混合したものを使用し、塗布部材2の表面にアナターゼ型酸化チタンの膜を形成するもので、特に混合物をスプレーやディッピングや刷毛ぬりによって塗布部材2の表面に塗布する方法に適している。
【0041】
また、その余は実施例1及び実施例2と同様である。
【0042】
本実施例は上述のようにするから、水溶性の二価鉄化合物との混合物とするだけで、常温から250℃程度の比較的低温での加熱を行って非光触媒1の膜を形成できる非光触媒1や非光触媒誘導体を使用しても、該非光触媒1や非光触媒誘導体を該塗布部材2の表面に良好に保持して光触媒1の膜を形成することができる実用性、作業性、衣装性に秀れた非光触媒の透明膜塗布方法となる。
【0043】
また、混合物中の水溶性の二価鉄化合物は、塗布部材2の表面に鉄の膜3を介して、非光触媒1の無色透明な膜を形成する。その時、非光触媒1の膜の形成や非光触媒作用に全く悪影響を及ぼず、密着性や膜密度の高い非光触媒1を得ることができる実用性に秀れた非光触媒の透明膜塗布方法となる。
【0044】
また、混合物には取り扱いが厄介であったり経時変化し易い酸や有機化合物を含まなくても良いから、非光触媒1の塗布作業を簡単且つ良好に行うことができ、しかもコスト安で塗布部材2に光触媒1を設けることができる実用性、作業性、取り扱い性、保存性、衣装性、コスト安に秀れた非光触媒の透明膜塗布方法となる。
【0045】
【発明の効果】
また、上記実施例1〜3による非光触媒1の作用を確認したところ、105(個/ml)オーダーの大腸菌や黄色ブドウ球菌が、24時間いずれも10(個/ml)未満にまで減少し、また、0.1(mg/cm2)程度の植物油が約10時間ですべて分解された。更に消臭試験を北川式検地方法で確認した所、アンモニア、トリメチルアミン、ホルムアルデヒドを其其初期濃度50ppmにして非光触媒の膜をはったフィルターをとうした所15分で0.2ppm未満にまで分解された。従って、非光触媒1や非光触媒誘導体に水溶性の二価鉄化合物を混合して使用しても、非光触媒作用が確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の説明図である。
【符号の説明】
1 非光触媒
2 塗布部材
3 鉄
【発明の属する技術分野】
本発明は、非光触媒の関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近、環境改善の為の新技術として、アナターゼ型酸化チタン(TiO2)などを成分とし、太陽光や蛍光灯などから発せられる光エネルギーによって空気中の水分や酸素から活性酸素をつくりだし、該活性酸素の有する酸化力により、周囲の臭気を脱臭したり、有機化合物等の汚れ成分や有害ガスを分解したり、細菌を死滅させたりする光触媒と称される技術が注目される。
【0003】
この光触媒は、例えば建物や建造物などの表面に仕上げ材として薄膜状に固定化し、光触媒が発揮する汚れ成分の分解作用によって建物や建造物の表面に付着する汚れ成分を除去し、建物や建造物の体裁を保つ目的などに使用される。
【0004】
ところで、この光触媒は、例えばアナターゼ型酸化チタンの場合、水にアナターゼ型酸化チタン粒子が分散せしめられた光触媒水溶液を建物や建造物などの表面に塗布(コーティング)し、該光触媒水溶液を乾燥若しくは焼成することによって前記建物や建造物などにアナターゼ型酸化チタン(光触媒)の虹色や白色の膜を形成するなどの簡単な方法によって任意の場所に設けることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記光触媒水溶液は、塩化ビニールやプラスチックやFRPなどの撥水性を有する部材に対してははじかれてしまう為、塩化ビニールやプラスチックやFRPなどの撥水性を有する部材への塗布が困難であるという問題点、さらに上記光触媒水溶液を乾燥若しくは焼成することによってアナターゼ形酸化チタン(光触媒)の虹色や白色の膜が形成されるが、形成された膜の虹色や白色が目立つ為、衣装上の問題点、そして光がないと使用できない問題点がある。
この問題点を解決する為、四塩化チタン(TiCl4)に水酸化ナトリウム(NaOH)を加えて反応させ得た水酸化チタン(Ti(OH)4)を洗浄、分離後、過酸化水素水(H2O2)で処理して粘稠性アモルファス型過酸化チタンを得、粘稠性を生かして該粘稠性アモルファス型過酸化チタンを塗布部材に塗布し、焼成方法も提案されているが、この方法は、塗布した粘稠性アモルファス型過酸化チタンを500℃以上の高温で焼成しなければならず、塗布作業が厄介であるという問題点や、酸や有機化合物が混合される為、取り扱いが厄介で且つ経時変化し易いという問題点や、粘稠性アモルファス型過酸化チタンの製造が厄介でコスト高であるという問題点や、光触媒の膜の密着性が低いという問題点や、光触媒の膜に温度を加えると虹色や白色の膜を形成するという衣装的な問題点や、光触媒の膜密度が低いという問題点や光がないと使用できないという問題点がある。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決するもので、簡単な方法によって塩化ビニールやプラスチックやFRPなどの撥水性を有する素材の塗布部材に非光触媒を設けることができる実用性、作業性、取り扱い性、衣装性、コスト安に優れた非光触媒の透明膜塗布方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決する為の手段】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0008】
非光触媒1に水溶性の二価鉄化合物を混合し、該混合物を塗布部材2に塗布することで該塗布部材2上に非光触媒1を設けることを特徴とする非光触媒の塗布方法に係るものである。
【0009】
また、非光触媒誘導体に水溶性の二価鉄化合物を混合し、該混合物を塗布部材2に塗布し、その後、該光触媒誘導体を適宜処理することで該塗布部材2上に光触媒1を設けることを特徴とする非光触媒の透明膜塗布方法に係るものである。
【0010】
尚、非光触媒溶液ペルオキソ改質アナターゼ型酸化チタンゾルは、常温での乾燥でも塗布部材2上で非光触媒1の膜となる。
【0011】
また、請求項1,2いずれか1項に記載の非光触媒の透明膜塗布方法において、非光触媒1として二価鉄化合溶液とアナターゼ型酸化チタンとを採用したことを特徴とする非光触媒の透明膜塗布方法に係るものである。
【0012】
また、請求項1に記載の非光触媒の透明膜塗布方法において、非光触媒1としてペルオキソ改質アナターゼ型酸化チタンゾルを採用したことを特徴とする非光触媒の透明膜塗布方法に係るものである。
【0013】
また、請求項2に記載の非光触媒の透明膜塗布方法において、非光触媒誘導体としてペルオキソチタン酸溶液とトルマリン水溶液を採用したことを特徴とする非光触媒の透明膜塗布方法に係るものである。
【0014】
また、請求項1〜5いずれか1項に記載の光触媒の透明膜塗布方法において、塗布部材2がレンズ、鏡、タイル、ガラス繊維、塩化ビニール、金属、FRP、天然繊維、若しくは人工繊維であることを特徴とする非光触媒の透明膜塗布方法に係るものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
ペルオキソ改質アナターゼ型酸化チタンゾルやセラミック型トルマリンゲルなどの非光触媒1やペルオキソチタン酸溶液などの非光触媒誘導体を水溶性の二価鉄化合物と混合して得た混合物は、水溶性のキレート化二価鉄化合溶液の親油性により、塩化ビニールやプラスチックやFRPなどの撥水性を有する塗布部材2に塗布した際にもはじかれず、該塗布部材2上に光触媒1を設けることになる。
【0016】
この混合物中の水溶性の二価化合物は、非光触媒1や非光触媒誘導体を乾燥したり焼成する際に発揮して比重が変化し、非光触媒1や非光触媒誘導体の膜の下に位置づけられ、塗布部材2の表面にアモルファス型の鉄の膜3を介して、非光触媒1の膜を形成し、しかも、非光触媒1の発揮する非光触媒作用に全く悪影響を及ぼさない。
【0017】
また、水溶性の二価化合物との混合物として塗布部材2上に塗布された非光触媒1や非光触媒誘導体は、乾燥によって塗布部材2上に膜上に保持されたままとなる。
【0018】
尚、ペルオキソ改質アナターゼ型酸化チタンゾルは、常温での乾燥でも塗布部材2上で非光触媒1の膜となり、また、ペルオキソチタン酸溶液も100℃程度の低温での焼成でも塗布部材2上で非光触媒1の膜となる為、非光触媒1の塗布作業は容易に行われることになる。
【0019】
本発明は上述の様にするから、簡単な方法によって塩化ビニールやプラスチックやFRPなどの撥水性を有する素材の塗布部材に非光触媒を設けることができる実用性、作業性、取り扱い性、衣装性、コスト安に秀れた非光触媒の透明膜塗布方法となる。
【0020】
【発明の実施の形態】
図面は本発明の一実施例を図示したものであり、以下に説明する。
【0021】
本実施例は、非光触媒1に水溶性の二価化合物を混合し、該混合物を塗布部材2に塗布することで該塗布部材2の表面にアモルファス型の鉄の膜3を介して、非光触媒1を設ける方法、及び、非光触媒誘導体に水溶性の二価化合物を混合し、該混合物を塗布部材2に塗布し、その後、該非光触媒誘導体を適宜処理することで該塗布部材2の表面にアモルファス型の鉄の膜3を介して、光触媒1を設ける方法により、塗布部材2の表面にアモルファス型の鉄の膜3を介して、非光触媒1の膜を形成するものである。
【0022】
非光触媒1としては、アナターゼ形酸化チタン(TiO2、結晶構造アナターゼ型、比重3.9〜4.2、1858℃、屈折率2.52)とを採用する。
【0023】
また、非光触媒1としては、アモルファス状態のペルオキソ改質アナターゼ型酸化チタンゾルなどのアナターゼ型酸化チタン粒子が分散されたものを採用する。尚、他の酸化チタン系の非光触媒、例えばアモルファス型過酸化チタンゾルや、酸化亜鉛(ZnO)などを採用しても良い。
【0024】
また、非光触媒誘導体としては、ペルオキソチタン酸水溶液などの低温での焼成によりアナターゼ型酸化チタン、すなわち非光触媒1となるものを採用する。尚、例えば、過酸化水素化チタン水溶液などを採用しても良い。
【0025】
また、非光触媒1と非光触媒誘導体とを混合して使用しても良い。
【0026】
以下、詳細な実施例について詳述する。
【0027】
尚、ペルオキソ改質アナターゼ型酸化チタンゾルとしては、水酸化チタンや酸化チタン等を水中に分散せしめた水溶液に過酸化物(過酸化水素水を使用。)を添加してペルオキソチタン酸水溶液を得、続いて、該ペルオキソチタン酸水溶液80〜200℃且つ40分〜2時間加熱処理して得たものを使用した。また、ペルオキソチタン酸水溶液としては、塩化チタンや硫酸チタン等の水溶液とアンモニアや水酸化ナトリウム等のアルカリ溶液とを混合させ沈殿させた水酸化チタンゾルを分離し、該水酸化チタンゾルに過酸化水素水を加え、その後該溶液を80℃以上で加熱処理して得たものを使用した。
【0028】
<実施例1>
ペルオキソ改質アナターゼ型酸化チタンゾルと水溶性の二価化合物とを混合し、混合物を得る。尚、濃度調整して使用する場合、純水や蒸留水などで希釈しても良い。
【0029】
続いて、混合物中に塗布部材2を浸漬し、所定時間の後、塗布部材2を引き上げ該塗布部材2の表面にペルオキソ改質アナターゼ型酸化チタンゾルを付着させ
る。尚、混合物をスプレーなどによって塗布する方法を採用しても良い。
【0030】
この際、塗布部材2が塩化ビニールやプラスチックやFRPなどの撥水性を有する素材であっても、混合物中の水溶性の二価鉄化合物の有する親油性と塗布部材2が有する親油性との効果により、混合物中のペルオキソ改質アナターゼ型酸化チタンゾルは、鉄の膜3を介して、塗布部材2の表面に良好に保持されることになる。
【0031】
続いて、ペルオキソ改質アナターゼ型酸化チタンゾルを乾燥させ、塗布部材2の表面に鉄の膜3を介してアナターゼ型酸化チタン(非光触媒1)の膜を形成する。
【0032】
このままでも塗布部材2の表面の鉄の膜3上のアナターゼ型酸化チタンゾルは非光触媒作用を発揮するが、アナターゼ型酸化チタンの膜の密着性や膜密度を向上させる為、40〜90℃で焼成を行った方が良い。
【0033】
<実施例2>
ペルオキソチタン酸水溶液(非光触媒誘導体)と水溶性の二価鉄化合物とを混合し、混合物を得る。
【0034】
続いて、混合物中に塗布部材2を浸漬し、所定時間の後、塗布部材2を引き上げ、該塗布部材2の表面にペルオキソチタン酸水溶液を付着させる。
【0035】
この際、塗布部材2の表面には、ペルオキソチタン酸水溶液及び水溶性の二価鉄化合物の有する親水性の効果により、塗布部材2の表面にペルオキソチタン酸水溶液が極めて良好に保持されることになる。
【0036】
続いて、塗布部材2の表面に付着している混合物を乾燥させ、塗布部材の表面に鉄の膜3を介してペルオキソチタン酸の膜を形成させる。
【0037】
続いて、塗布部材2の表面のペルオキソチタン酸80℃以上に加熱して焼成を
行い、該ペルオキソチタン酸をアナターゼ型の結晶に変化させ、塗布部材2の表面にアナターゼ型酸化チタン酸(非光触媒1)を形成する。
【0038】
尚、ペルオキソチタン酸を焼成する際、加熱温度が高い程、アナターゼ型酸化チタンの膜の密着性や膜密度を向上させることができるが、800℃以上に加熱するとペルオキソチタン酸がルチル型の結晶になってしまう為、非光触媒作用が発揮されなくなってしまう。
【0039】
また、その余は実施例1と同様である。
【0040】
<実施例3>
実施例2において、ペルオキソチタン酸水溶液の代わりに、ペルオキソ改質アナターゼ型酸化トルマリンゾルとペルオキソチタン酸型セラミック水溶液とを6 : 5の比率で混合したものを使用し、塗布部材2の表面にアナターゼ型酸化チタンの膜を形成するもので、特に混合物をスプレーやディッピングや刷毛ぬりによって塗布部材2の表面に塗布する方法に適している。
【0041】
また、その余は実施例1及び実施例2と同様である。
【0042】
本実施例は上述のようにするから、水溶性の二価鉄化合物との混合物とするだけで、常温から250℃程度の比較的低温での加熱を行って非光触媒1の膜を形成できる非光触媒1や非光触媒誘導体を使用しても、該非光触媒1や非光触媒誘導体を該塗布部材2の表面に良好に保持して光触媒1の膜を形成することができる実用性、作業性、衣装性に秀れた非光触媒の透明膜塗布方法となる。
【0043】
また、混合物中の水溶性の二価鉄化合物は、塗布部材2の表面に鉄の膜3を介して、非光触媒1の無色透明な膜を形成する。その時、非光触媒1の膜の形成や非光触媒作用に全く悪影響を及ぼず、密着性や膜密度の高い非光触媒1を得ることができる実用性に秀れた非光触媒の透明膜塗布方法となる。
【0044】
また、混合物には取り扱いが厄介であったり経時変化し易い酸や有機化合物を含まなくても良いから、非光触媒1の塗布作業を簡単且つ良好に行うことができ、しかもコスト安で塗布部材2に光触媒1を設けることができる実用性、作業性、取り扱い性、保存性、衣装性、コスト安に秀れた非光触媒の透明膜塗布方法となる。
【0045】
【発明の効果】
また、上記実施例1〜3による非光触媒1の作用を確認したところ、105(個/ml)オーダーの大腸菌や黄色ブドウ球菌が、24時間いずれも10(個/ml)未満にまで減少し、また、0.1(mg/cm2)程度の植物油が約10時間ですべて分解された。更に消臭試験を北川式検地方法で確認した所、アンモニア、トリメチルアミン、ホルムアルデヒドを其其初期濃度50ppmにして非光触媒の膜をはったフィルターをとうした所15分で0.2ppm未満にまで分解された。従って、非光触媒1や非光触媒誘導体に水溶性の二価鉄化合物を混合して使用しても、非光触媒作用が確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の説明図である。
【符号の説明】
1 非光触媒
2 塗布部材
3 鉄
Claims (6)
- 非光触媒溶液(二酸化チタンと二価鉄化合物)を塗布部剤2に塗布することで該塗布部剤2上に非光触媒1を設けることを特徴とする非光触媒の透明膜塗布方法。
- 非光触媒誘導体に水溶性の二価鉄化合物を混合し、該混合物を塗布部剤2に塗布し、その後、該非光触媒誘導体を適宜処理することで該塗布部剤2上に光触媒1を設けることを特徴とする光触媒の透明膜塗布方法。
- 請求項1,2いずれか1項に記載の非光触媒の透明膜塗布方法において、非光触媒1としてアナターゼ型二酸化チタンを採用したことを特徴とする非光触媒の透明膜塗布方法。
- 請求項1項に記載の非光触媒の透明膜塗布方法において、非光触媒1としてペルオキソ改質アナターゼ型二酸化チタンゾルを採用したことを特徴とする非光触媒の透明膜塗布方法。
- 請求項2項に記載の非光触媒の透明膜塗布方法において、非光触媒誘導体としてペルオキソチタン酸溶液を採用したことを特徴とする非光触媒の透明膜塗布方法。
- 請求項1〜5いずれか1項に記載の非光触媒の透明膜塗布方法において、塗布部剤2がレンズ、鏡、タイル、コンクリート、ガラス繊維、塩化ビニール、金属、FRP、プラスチック、木材、天然繊維、若しくは人工繊維であることを特徴とする非光触媒の透明膜塗布方法。
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---|---|---|---|
JP2002161599A JP2004008832A (ja) | 2002-06-03 | 2002-06-03 | 非光触媒溶液透明膜塗布方法 |
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JP (1) | JP2004008832A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP4234641A1 (en) * | 2022-02-25 | 2023-08-30 | Basf Se | Compositions, comprising modified titanium dioxide nanoparticles and uses thereof |
-
2002
- 2002-06-03 JP JP2002161599A patent/JP2004008832A/ja active Pending
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