JP2004002862A - アクリル系ブロック共重合体の製造方法及び粘着剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】分子量分布を狭くすることにより優れた耐熱性を得るとともに、被着体の種類によらずに高い接着力を発現できるアクリル系ブロック共重合体及びこれを用いる粘着剤組成物を提供する。
【解決手段】式(A−B)nで表されるブロック共重合体、式B−(A−B)nで表されるブロック共重合体または式(A−B)n−Aで表されるアクリル系ブロック共重合体であって、ブロックAは、アルキル基の炭素数が1〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするビニル系モノマーからなる共重合体であり、ブロックBは、(メタ)アクリルアルキルエステル酸を主成分とするビニル系モノマーからなる共重合体であり、nは1〜3の整数であり、ブロックBの重量平均分子量は、5000〜50万であり、かつ、全体の重量平均分子量(Mw)は1万〜400万であり、比(Mw/Mn)が1.0〜2.0であるアクリル系ブロック共重合体。
【選択図】 なし
【解決手段】式(A−B)nで表されるブロック共重合体、式B−(A−B)nで表されるブロック共重合体または式(A−B)n−Aで表されるアクリル系ブロック共重合体であって、ブロックAは、アルキル基の炭素数が1〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするビニル系モノマーからなる共重合体であり、ブロックBは、(メタ)アクリルアルキルエステル酸を主成分とするビニル系モノマーからなる共重合体であり、nは1〜3の整数であり、ブロックBの重量平均分子量は、5000〜50万であり、かつ、全体の重量平均分子量(Mw)は1万〜400万であり、比(Mw/Mn)が1.0〜2.0であるアクリル系ブロック共重合体。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、分子量分布が狭く、耐熱性に優れ、しかも、被着体の表面極性に影響されない高い接着力を有するアクリル系ブロック共重合体並びにこれらを用いた粘着剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
アクリル系共重合体は、粘着剤として、粘着テープ、粘着シート等の粘着剤層、ホットメルト型粘着剤、ホットメルト型接着剤等に広く用いられている。このようなアクリル系粘着剤は、ゴム系の粘着剤に比較して、耐熱性、耐候性に優れ、良好な接着性や透明性を有することや、シリコーン系粘着剤に比較して低コストであることから広く用いられている。このようなアクリル系共重合体としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ランダム共重合体が一般的である。
【0003】
下記特許文献1には、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ランダム共重合体を用いる粘着剤組成物が開示されている。
しかしながら、このような(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ランダム共重合体のみからなる粘着剤組成物は、溶融特性が良くないので、例えば、粘着シートを製造する際、基材シートへの塗工性に問題がある。また、初期粘着力、経時粘着力、保持力等の粘着特性においても不充分であり、これでは高度の性能が要求される分野の使用に供することはできない。
【0004】
また、アクリル系共重合体は、耐熱性に優れているのであるが、高温にさらされると流動性を示すようになり、凝集力が低下し、糊残りが発生するようになる。近年、アクリル系共重合体の性能に対する要求レベルがますます高度化する傾向があることから、耐熱性により優れ、高温において優れた凝集力、耐剥離性を維持し、糊残り等が発生しないような性能もまた要求されている。
【0005】
耐熱性を向上させる方法としては、アクリル系共重合体の重合度を高めることにより、高温時においても充分な凝集力を発揮させる方法が考えられる。しかし、溶剤型アクリルポリマーを例にとると、現在の重合技術や塗工技術、更には、コスト等から由来する制限により、重量平均分子量150万前後のものの使用が限度であり、重合度を高める手段に依存するのみでは、充分な凝集力を確保することができない。
【0006】
そのため、より充分な凝集力を得るために、重合体の重合度を高めると共に、架橋を施す必要がある。しかしながら、重合体に架橋を施すと、凝集力は高まるが、その一方、粘着力は低下するので、凝集力とのバランスをとることが困難であり、例えば、耐剥離性と耐熱性とのバランス等、相反する物性間のバランスに限界があり、粘着特性間の良好なバランスを維持することが困難となる。
【0007】
耐熱性を向上させる方法としては、アクリル系粘着剤組成物のTg(ガラス転移温度)を高くする方法もある。しかし、この場合においては、粘着不良や低温での粘着力の低下をもたらし、耐熱性と低温での作業性のバランス等に限界がある。
【0008】
下記特許文献2には、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とする主鎖に、高いTgを有する重合性ポリマーをグラフト重合させたものが開示されている。
【0009】
下記特許文献3には、A−B−A型のアクリル系ブロック共重合体の構造、組成、平均分子量等を変化させて、塗工性、粘着性能のバランスを満足させる試みが開示されている。
【0010】
これらは、Tgの異なるポリマーをグラフト重合又はブロック重合により結合し、得られた共重合体の相分離構造に基づく物理的な架橋により、常温付近における粘着力及び凝集力を高め、他方、高温下においては、物理的架橋が可逆的に崩壊して溶融する性質を利用することにより、溶融特性を高め、ホットメルト型粘着剤として基材に塗工することを可能とした。
【0011】
しかしながら、これらのものも、初期粘着力、経時粘着力、保持力等の粘着特性のバランス、及び、これらの粘着特性と溶融特性とのバランスや、高温時における凝集力が未だ充分ではなかった。
【0012】
近年、電気、電子分野における接着剤、自動車部品分野における接着への応用が進み、耐熱性、接着性、再剥離性等の品質がより強く求められるようになり、なかでも耐熱性に対する要求が益々厳しくなってきている。アクリル系共重合体は、通常ラジカル重合開始剤を用いた溶液重合、塊状重合、懸濁重合、乳化重合等により製造されているが、これらラジカル重合に基づく重合体は、分子量分布〔重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)〕が2.0〜5と広く、低分子量が混在するために耐熱性が必ずしも充分なものではなかった。
【0013】
また、アクリル系ランダム共重合体は、通常、金属接着力を向上させるために(メタ)アクリル酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のカルボン酸や水酸基を含有するモノマーを用いることが一般的に行われているが、これらのモノマーの共重合量を増やしてゆくと、共重合体自体のTgが増加し、低温でのタック性が著しく低下する欠点が生じてくるし、ポリエチレンやポリプロピレン等の低極性の被着体に対する接着力が低下して粘着付与樹脂の添加が必須となってくる。
【0014】
下記特許文献4には、特定の水酸基含有ビニル系モノマーを有する樹脂酸エステル化合物を粘着付与樹脂として用いる技術が開示されている。しかしながら、このものは、低温における粘着性が改善されるが、凝集力が充分ではない欠点を有している。
【0015】
【特許文献1】
特開平6−41501号公報
【特許文献2】
特開昭59−75975号公報
【特許文献3】
特開平2−103277号公報
【特許文献4】
特開平3−281587号公報
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記に鑑み、分子量分布を狭くすることにより優れた耐熱性を得るとともに、被着体の種類によらずに高い接着力を発現できるアクリル系ブロック共重合体及びその製造方法並びにこれを用いた粘着剤組成物を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は、一般式
(A−B)n
で表されるブロック共重合体、
一般式
B−(A−B)n
で表されるブロック共重合体、及び、
一般式
(A−B)n−A
で表されるブロック共重合体からなる群より選択される少なくとも1種のアクリル系ブロック共重合体であって、上記ブロックAは、アルキル基の炭素数が1〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするビニル系モノマーからなり、Tgが20℃以下である共重合体であり、上記ブロックBは、炭素数が1〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするビニル系モノマーからなり、上記ブロックAよりTgが20℃以上高い共重合体であり、上記nは1〜3の整数であり、上記ブロックBの重量平均分子量は、5000〜50万であり、かつ、全体の重量平均分子量(Mw)は、1万〜400万であり、上記重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、1.0〜1.5であるアクリル系ブロック共重合体である。以下このものを「アクリル系ブロック共重合体(II)」ともいう。
【0018】
以下に本発明を詳述するが、本発明の説明に援用するために、本発明と関連する別発明1を先に説明する。
別発明1のアクリル系共重合体は、アルキル基の炭素数が1〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするビニル系モノマー80〜99.5重量部と(メタ)アクリル酸0.5〜20重量部とからなる(メタ)アクリル系共重合体であって、上記(メタ)アクリル系共重合体の重量平均分子量(Mw)は、10万以上であり、上記重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、1.0〜1.5であるものである。以下このものを「アクリル系共重合体(I)」ともいう。
【0019】
以下に別発明1を詳述する。
上記アクリル系共重合体(I)は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするビニル系モノマーと(メタ)アクリル酸とからなる(メタ)アクリル系共重合体である。
【0020】
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、アルキル基の炭素数が1〜12のものであれば特に限定されず、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸s−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸デシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ボロニル、アクリル酸イソボロニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸s−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸イソオクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ボロニル、メタクリル酸イソボロニル等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0021】
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル以外のビニル系モノマーとしては特に限定されず、例えば、N−ビニルピロリドン、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル、テトラフルフリルアクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート等が挙げられる。
【0022】
上記アクリル系共重合体(I)は、アルキル基の炭素数が1〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするビニル系モノマー80〜99.5重量部と(メタ)アクリル酸0.5〜20重量部とからなる。上記(メタ)アクリル酸が0.5重量部未満であると、保持力、耐熱性が低下し、20重量部を超えると、タックが低下し、また、被着体への濡れ性が低下する結果接着力が落ちるため、上記範囲に限定される。
【0023】
上記アクリル系共重合体(I)の重量平均分子量(Mw)は、10万以上であ。重量平均分子量が10万未満であると、充分な耐熱性が得られないため、上記範囲に限定される。好ましくは、30万以上である。
【0024】
上記アクリル系共重合体(I)の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、1.0〜1.5である。Mw/Mnが1.5を超えると、充分な耐熱性が得られないため、上記範囲に限定される。好ましくは、1.0〜1.3である。
【0025】
別発明1のアクリル系共重合体(I)は、有機金属化合物の存在下に重合されたものであることが好ましい。
上記重合の具体的な方法としては、例えば、アルキル基の炭素数が1〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするビニル系モノマーと、一般式
CH2=C(R1)COOSiR2(R3)(R4)
(式中、R1は、メチル基又は水素原子を表す。R2、R3、R4は、独立して、炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基を表す。)で表される(メタ)アクリル酸3置換シリルとを、3価有機Sc化合物と、3価有機Y化合物と、2価ランタノイド系希土類金属及び3価ランタノイド系希土類金属から選択された少なくとも1種の元素を含む有機金属化合物とからなる群より選択された少なくとも1種の有機金属化合物を開始剤として用い、−100〜100℃の温度で重合し、生成したポリマーを加水分解して保護基を外すことにより重合する方法等が挙げられる。
【0026】
上記重合においては、不活性ガス雰囲気下、溶媒存在下で、上記アルキル基の炭素数が1〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするビニル系モノマーと、上記一般式で表される(メタ)アクリル酸3置換シリルとを重合させる。
【0027】
上記不活性ガスとしては特に限定されず、例えば、 窒素、アルゴン、ヘリウム等が挙げられる。
上記溶媒としては、充分に脱水、脱気されたものであれば特に限定されず、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素;シクロヘキサン、シクロヘプタン等の脂環族炭化水素;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル等が挙げられる。
【0028】
上記一般式で表される(メタ)アクリル酸3置換シリルは、最終的に保護基である3置換シリル基が外されることにより、別発明1のアクリル系共重合体(I)を構成するものである。
【0029】
上記一般式で表される(メタ)アクリル酸3置換シリルとしては特に限定されず、例えば、アクリル酸トリメチルシリル、アクリル酸トリエチルシリル、アクリル酸トリn−ブチルシリル、アクリル酸フェニルジメチルシリル、アクリル酸ジフェニルメチルシリル、アクリル酸t−ブチルジメチルシリル、メタクリル酸トリメチルシリル、メタクリル酸トリエチルシリル、メタクリル酸トリn−ブチルシリル、メタクリル酸フェニルジメチルシリル、メタクリル酸ジフェニルメチルシリル、メタクリル酸t−ブチルジメチルシリル等が挙げられる。
【0030】
また、上記一般式で表される(メタ)アクリル酸3置換シリルの代わりに、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸トリメチル亜鉛、(メタ)アクリル酸トリメチル錫等を用いることもできる。
【0031】
上記重合において、上記一般式で表される(メタ)アクリル酸3置換シリルの配合量は、0.8〜80重量部が好ましい。0.8重量部未満であると、保持力が低下し、80重量部を超えると、タック力やピール力が低下する。より好ましくは、2〜40重量部である。
【0032】
上記アルキル基の炭素数が1〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするビニル系モノマー、及び、上記一般式で表される(メタ)アクリル酸3置換シリルとしては、カルシウムハイドライド、モレキュラーシーブ等により充分乾燥させたものを重合直前に不活性気体下で蒸留したものを用いることが好ましい。
【0033】
上記重合においては、開始剤として有機金属化合物を用いる。上記有機金属化合物は、例えば、モノマーを重合させる前にあらかじめ溶媒中に溶解させておくことが好ましい。
【0034】
上記有機金属化合物は、3価有機Sc化合物と、3価有機Y化合物と、2価ランタノイド系希土類金属及び3価ランタノイド系希土類金属から選択された少なくとも1種の元素を含む有機金属化合物とからなる群より選択された少なくとも1種の有機金属化合物である。上記有機金属化合物としては、下記一般式(1)又は下記一般式(2)で表される化合物が好適に用いられる。
【0035】
【化1】
【0036】
【化2】
上記一般式(1)及び上記一般式(2)中、R1〜R10は、水素原子、炭素数1〜5の炭化水素基又はケイ素を含む炭化水素基を表す。R1〜R10は、隣接するR基と炭化水素基を介して結合していてもよい。Mは、3価のSc、3価のY、2価のランタノイド系希土類金属元素又は3価のランタノイド系希土類金属元素(La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)を表す。Zは、炭素数1〜3のアルキレン基又はアルキルシリル基を表す。Dは、溶媒分子を表す。nは、0〜3の整数である。
【0037】
上記一般式(1)又は上記一般式(2)で表される化合物の具体例としては特に限定されず、例えば、ビスシクロペンタジエニルルテチウムハイドライド、ビスシクロペンタジエニルルテチウムメチル、ビスシクロペンタジエニルルテチウムビストリメチルシリルメチル、ビスペンタメチルシクロペンタジエニルルテチウムハイドライド、ビスペンタメチルシクロペンタジエニルルテチウムメチル、ビスペンタメチルシクロペンタジエニルルテチウムビストリメチルシリルメチル、ビスシクロペンタジエニルイッテルビュウムハイドライド、ビスシクロペンタジエニルイッテルビュウムメチル、ビスペンタメチルシクロペンタジエニルイッテルビュウムハイドライド、ビスペンタメチルシクロペキンタジエニルイッテルビュウムハイドライド、ビスペンタメチルシクロペンタジエニルイッテルビュウムメチル、ビスペンタメチルシクロペンタジエニルイッテルビュウムビストリメチルシリルメチル、ビスシクロペンタジエニルサマリウムハイドライド、ビスシクロペンタジエニルサマリウムメチル、ビスペンタメチルシクロペンタジエニルサマリウムハイドライド、ビスペンタメチルシクロペンタジエニルサマリウムメチル、ビスペンタメチルシクロペンタジエニルサマリウムビストリメチルシリルメチル、ビスシクロペンタジエニルヨールピウムハイドライド、ビスシクロペンタジエニルヨーロピウムメチル、ビスペンタメチルシクロペンタジエニルヨーロピウムハイドライド、ビスペンタメチルシクロペンタジエニルヨーロピウムメチル、ビスペンタメチルシクロペンタジエニルネオジウムメチル、ビスペンタメチルシクロペンタジエニルセリウムハイドライド、ビスペンタメチルシクロペンタジエニルイットリウムメチル、ビスペンタメチルシクロペンタジエニルスカンジウムハイドライド、ビスペンタメチルシクロペンタジエニルスカンジウムメチル、ビスインデニルルテチウムメチル、エチレンビスインデニルルテチウムメチル、エチレンビスシクロペンタジエニルルテチウムメチル等が挙げられる。
【0038】
上記有機金属化合物の製造方法としては特に限定されず、例えば、ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサエティー(J.Am.Chem.Soc.)(トビン・ジェイ・マークス(Tobin J.Marks)、107巻、8091頁、1985年)、ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサエティー(ウィリアム・ジェイ・エバンス(William J.Evans)、105巻、1401頁、1983年)、アメリカン・ケミカル・ソサエティー・シンポジウム(A.C.S.Symp.)(ピー・エル・ワトソン(P.L.Watson)、495頁、1983年)、WO 8605788(トビン・ジェイ・マークス)等に記載されているような公知の方法等により製造することができる。
【0039】
上記重合においては、その重合温度は、−100〜100℃が好ましい。−100℃未満であると、重合溶媒の粘度が高くなるので、重合制御が難しくなり、100℃を超えると、沸点又はそれに近い温度になるので、重合制御が難しくなる。より好ましくは、−100〜50℃、更に好ましくは、−100〜25℃である。
【0040】
また、重合圧力は、1〜50気圧が好ましい。より好ましくは、1〜5気圧である。
上記重合においては、生成したポリマーを加水分解して保護基を外すことにより、最終的に別発明1のアクリル系共重合体(I)を得ることができる。
【0041】
本発明のアクリル系ブロック共重合体(II)は、(A−B)nで表されるブロック共重合体、B−(A−B)nで表されるブロック共重合体、及び、(A−B)n−Aで表されるブロック共重合体のうちの少なくとも1種で表される。nは1〜3の整数である。
【0042】
上記アクリル系ブロック共重合体(II)を構成するブロックAは、アルキル基の炭素数が1〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするビニル系モノマーからなる共重合体である。上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては特に限定されず、例えば、上記アクリル系共重合体(I)における説明で例示したもの等が挙げられる。
【0043】
上記ブロックAは、Tgが20℃以下のものである。20℃を超えると、タックやピール力が低下するので、上記範囲に限定される。好ましくは、−10℃以下である。
【0044】
上記アクリル系ブロック共重合体(II)を構成するブロックBは、炭素数が1〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするモノマーからなり、上記ブロックAよりTgが20℃以上高い共重合体である。20℃未満であると、保持力が低下するので、上記範囲に限定される。好ましくは、40℃以上である。
【0045】
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては特に限定されず、例えば、別発明1のアクリル系共重合体(I)における説明で例示したもの等が挙げられる。
【0046】
上記ブロックBの重量平均分子量(Mw)は、5000〜100万である。5000未満であると、上記アクリル系ブロック共重合体(II)の耐熱性が低下し、100万を超えると、上記アクリル系ブロック共重合体(II)の塗工性、加工性等が低下するので、上記範囲に限定される。好ましくは、5000〜50万である。
【0047】
本発明のアクリル系ブロック共重合体(II)は、その少なくとも一つのブロック中に、カルボキシル基又は水酸基を有するビニル系モノマーを含有するものであることが好ましい。このようなモノマーを含有することにより、凝集力、耐熱性が高まり、金属等の高極性被着体に対する接着力が向上する。
【0048】
上記カルボキシル基又は水酸基を有するビニル系モノマーとしては特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、クロトン酸等が挙げられる。
【0049】
上記水酸基を有するビニル系モノマーとしては特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル等が挙げられる。
【0050】
上記カルボキシル基又は水酸基を有するビニル系モノマーの含有量は、上記アクリル系ブロック共重合体(II)100重量部に対して0.5〜40重量部が好ましい。0.5重量部未満であると、耐熱性、及び、高極性被着体に対する接着力に劣り、40重量部を超えると、上記アクリル系ブロック共重合体(II)の極性及びTgが高くなりすぎ、低極性被着体に対する接着力が低下する。
【0051】
本発明のアクリル系ブロック共重合体(II)の重量平均分子量(Mw)は、1万〜400万である。1万未満であると、充分な耐熱性が得られず、400万を超えると、塗工性、加工性等が低下するので、上記範囲に限定される。好ましくは、5万〜80万である。
【0052】
上記アクリル系ブロック共重合体(II)の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、1.0〜2.0である。2.0を超えると、充分な耐熱性が得られないので、上記範囲に限定される。好ましくは、1.0〜1.5である。
【0053】
本発明のアクリル系ブロック共重合体(II)は、有機金属化合物の存在下に重合されたものであることが好ましい。
上記重合の具体的な方法としては、例えば、アルキル基の炭素数が1〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするビニル系モノマーからなり、Tgが20℃以下の共重合体であるブロックAを、3価有機Sc化合物と、3価有機Y化合物と、2価ランタノイド系希土類金属及び3価ランタノイド系希土類金属から選択された少なくとも1種の元素を含む有機金属化合物とからなる群より選択された少なくとも1種の有機金属化合物を開始剤として用いて、−100〜100℃の温度で、転化率が90%以上となるまで重合する工程(3)、並びに、炭素数が1〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするビニル系モノマーからなり、上記ブロックAよりTgが20℃以上高い共重合体であるブロックBを、3価有機Sc化合物と、3価有機Y化合物と、2価ランタノイド系希土類金属及び3価ランタノイド系希土類金属から選択された少なくとも1種の元素を含む有機金属化合物とからなる群より選択された少なくとも1種の有機金属化合物を開始剤として用いて、−100〜100℃の温度で転化率が90%以上となるまで重合する工程(4)の上記工程(3)及び上記工程(4)を組み合わせて実施し、重合する方法等が挙げられる。
【0054】
上記重合方法で、さらに、上記ブロックA及び上記ブロックBのうち、少なくとも1種の中に一般式
CH2=C(R1)COOSiR2(R3)(R4)
(式中、R1は、メチル基又は水素原子を表す。R2、R3、R4は、独立して、炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基を表す。)で表される(メタ)アクリル酸3置換シリル、及び、一般式
CH2=C(R1)COOCH2CH2OSiR2(R3)(R4)
(式中、R1、R2、R3、R4は、上記と同じ。)で表される(メタ)アクリル酸3置換シロキシエチルのうち少なくとも1種を、ランダム共重合又はブロック共重合した後、生成したポリマーを加水分解して保護基を外すことにより、上記ブロックA及び上記ブロックBのうち、少なくとも1種の中に、(メタ)アクリル酸又は(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルをランダム又はブロック共重合することができる。
【0055】
上記重合においては、まず、工程(3)として、上記アルキル基の炭素数が1〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするビニル系モノマーを、上記有機金属化合物を開始剤として用いて、転化率が90%以上、好ましくは、95%以上になるまで重合させ、Tgが20℃以下である共重合体であるブロックAを重合する。
【0056】
上記重合においては、次に、工程(4)として、上記炭素数が1〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするビニル系モノマーを、上記有機金属化合物を開始剤として重合させ、上記ブロックAよりTgが20℃以上高い共重合体であるブロックBを重合する。
【0057】
上記工程(3)及び上記工程(4)において用いられる上記有機金属化合物は、上記アクリル系共重合体(I)の製造方法の説明において詳述したものと同様のものである。
【0058】
上記工程(3)及び上記工程(4)においては、重合温度は、−100〜100℃が好ましい。−100℃未満であると、重合溶媒の粘度が高くなるので、重合制御が難しくなり、100℃を超えると、沸点又はそれに近くなるので、重合制御が難しくなる。より好ましくは、−100〜50℃、更に好ましくは、−100〜25℃である。
【0059】
また、重合圧力は、1〜50気圧が好ましい。より好ましくは、1〜5気圧である。
上記工程(3)及び上記工程(4)の重合は、不活性ガス雰囲気下、溶媒存在下で行われる。上記不活性ガス及び上記溶媒としては特に限定されず、例えば、別発明1のアクリル系共重合体(I)の重合方法の説明において例示したもの等が挙げられる。
【0060】
上記工程(3)及び上記工程(4)は、交互に少なくとも1回行われるが、工程(3)を先に行った後工程(4)を行ってもよく、その逆であってもよい。
上記重合においては、上記ブロックA及び上記ブロックBのうち少なくとも1種の中に、上記一般式で表される(メタ)アクリル酸3置換シリル、及び、上記一般式で表される(メタ)アクリル酸3置換シロキシエチルのうち少なくとも1種を、ランダム共重合又はブロック共重合させる。
【0061】
上記(メタ)アクリル酸3置換シリルとしては特に限定されず、例えば、上記アクリル系共重合体(I)の製造方法の説明で例示したもの等が挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸3置換シロキシエチルとしては特に限定されず、例えば、アクリル酸トリメチルシロキシエチル、アクリル酸トリエチルシロキシエチル、アクリル酸トリn−ブチルシロキシエチル、アクリル酸フェニルジメチルシロキシエチル、アクリル酸ジフェニルメチルシロキシエチル、アクリル酸t−ブチルジメチルシロキシエチル、メタクリル酸トリメチルシロキシエチル、メタクリル酸トリエチルシロキシエチル、メタクリル酸トリn−ブチルシロキシエチル、メタクリル酸フェニルジメチルシロキシエチル、メタクリル酸ジフェニルメチルシロキシエチル、メタクリル酸t−ブチルジメチルシロキシエチル等が挙げられる。
【0062】
また、上記アクリル酸3置換シリル及び上記アクリル酸3置換シロキシエチルの代わりに、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸トリメチル亜鉛等を用いることもできる。
【0063】
上記重合においては、生成したポリマーを加水分解して保護基を外すことにより、最終的に本発明のアクリル系ブロック共重合体(II)を得ることができる。
【0064】
本発明のアクリル系ブロック共重合体(II)は、分子量分布が狭く、低極性ブロックと高極性ブロックとを併せ持つものである。このため、同一組成のランダム共重合体に比べて、低Tgであるが、高温サイドの弾性率が高く、タックと耐熱性とのバランスに優れている。
【0065】
従来のラジカル重合法や、EP−A−402号公報、EP−A−219号公報に記載されているアルキルリチウムやアルキルマグネシウムを開始剤として用いるアニオン重合法では、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを重合すると、高分子量のものを得ることが難しかったり、分子量分布が大きくなりすぎたりしてしまう。このため、高分子量かつ分子量分布の制御されたブロック共重合体を得ることができなかった。また、重合温度が高いと、連鎖移動反応や停止反応等の副反応が起こり、重合のリビング性が低下し、ポリマーの分子量分布が更に広がる問題があった。しかしながら、上記において詳述した重合方法によれば、このような問題がなく、優れた物性を有するアクリル系ブロック共重合体を得ることができる。
【0066】
本発明2は、本発明のアクリル系ブロック共重合体(II)からなる粘着剤組成物である。
本発明のアクリル系ブロック共重合体(II)は、上述のように優れた物性を有するものであるので、上記粘着剤組成物は、耐熱性に優れ、かつ、ガラス、金属等の高極性被着体や、ポリエチレン、ポリプロピレン等の低極性被着体に対して良好な接着性を発揮することができる。
【0067】
本発明のアクリル系ブロック共重合体(II)を架橋することにより、上記粘着剤組成物の凝集力、耐熱性をより高めることができる。上記架橋を行うための架橋剤としては特に限定されず、例えば、有機化合物架橋剤、有機金属化合物架橋剤、金属塩架橋剤等を挙げることができる。
【0068】
上記有機化合物架橋剤としては特に限定されず、例えば、N,N−メキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、ビスイソフタロイル−1−(2−メチルアジリジン)等のアジリジン化合物;トリレンジイソシアネート、水素化トリレンジイソシアネート、トリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネート付加物、トリフェニルメタントリイソシアネート、メチレンビス(4−フェニルメタン)トリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等のイソシアネート化合物;ビスフェノールA、エピクロルヒドリン型のエポキシ樹脂、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルアミン、N,N,N,N−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン等のエポキシ化合物;アミノ樹脂;メラミン樹脂等が挙げられる。
【0069】
上記有機金属化合物架橋剤としては特に限定されず、例えば、アルミニウム、鉄、銅、錫、亜鉛、チタン、ニッケル、アンチモン、マグネシウム、バナジウム、クロム、ジルコニウム等の多価金属のアセチルアセトンやアセト酢酸エステルの配位化合物等が挙げられる。
【0070】
上記金属塩架橋剤としては特に限定されず、例えば、塩化第二銅、塩化アルミニウム、塩化第二鉄、硫酸アルミニウム、硫酸銅、塩化第二錫、塩化亜鉛、塩化ニッケル、塩化マグネシウム、酢酸クロム、酢酸銅等が挙げられる。
【0071】
上記架橋剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記架橋剤の添加量は、本発明のアクリル系ブロック共重合体(II)100重量部に対して0.001〜5重量部が好ましい。0.001未満であると、本発明2の粘着剤組成物の耐熱性が劣り、5重量部を超えると、本発明2の粘着剤組成物の接着性が劣る。
【0072】
本発明2の粘着剤組成物には、必要に応じて、更に、粘着付与樹脂、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、カルボン酸金属塩等を添加することができる。
上記粘着付与樹脂としては特に限定されず、例えば、C5系(水添)石油樹脂、C6系(水添)石油樹脂、(水添)ロジン樹脂、(水添)ロジンエステル樹脂、(水添)テルペン樹脂、(水添)テルペンフェノール樹脂、(水添)クマロンインデン樹脂、不均化ロジン樹脂、不均化ロジンエステル樹脂、重合ロジン樹脂、重合ロジンエステル樹脂等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0073】
上記充填剤としては特に限定されず、例えば、炭酸カルシウム、酸化チタン、マイカ、タルク等が挙げられる。
上記酸化防止剤としては特に限定されず、例えば、フェノール系のもの、アミン系のもの等が挙げられる。
【0074】
上記紫外線吸収剤としては特に限定されず、例えば、ベンゾトリアゾール系のもの等が挙げられる。
上記カルボン酸金属塩としては特に限定されず、例えば、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム、パルミチン酸ナトリウム等が挙げられる。
【0075】
本発明2の粘着剤組成物は、例えば、粘着テープ、粘着シート等の粘着剤層として好適に用いることができる。
【0076】
【実施例】
以下に本発明の実施例を掲げて更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0077】
実施例1
アルゴン置換した1000mlのフラスコに、ナトリウム/カリウム合金で乾燥し、蒸留したトルエン500gと、ビスペンタメチルシクロペンタジエニルサマリウムハイドライド([Cp* 2SmH]2:Cp*=C5(CH3)50.5g(1.2mmol)とをトルエン50mlに溶かした溶液を加え、磁気攪拌機で均一になるまで攪拌しながら液温を0℃に調整した。これにカルシウムハイドライド及びモレキュラーシーブにより乾燥したアクリル酸n−ブチル(n−BA)50gとアクリル酸トリメチルシリル(TMSA)3gとを加え、0℃で1時間攪拌した。この時点で系中の未反応モノマーをガスクロマトグラフィーで測定したところ、n−BA、TMSAは検出できず、モノマーの重合転化率は略100%であることが確認された。これに50gのメタノールを加えて重合を停止させた。
【0078】
この溶液に水50gを加え、70℃で1時間攪拌し、TMSAの保護基を外し、真空加熱乾燥させて、BA−アクリル酸共重合体を得た。このポリマーの一部をTHFに溶解させ、GPC(ゲル透過クロマトグラフィー)測定を行った。測定は標準架橋ポリスチレンを基準とし、THFを分離剤として使用し、検出は屈折計を用いて測定した。ポリマーの重量平均分子量(Mw)、及び、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分子量分布(Mw/Mn)を表1に示した。
【0079】
残りのポリマーをトルエンで固形分が40重量部になるように希釈した後、アクリル系ポリマー固形分換算100重量部に対して、架橋剤としてN,N′−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)(HDU、相互薬工社製)0.15重量部を添加し、攪拌してアクリル系粘着剤組成物を得た。これをコロナ放電処理した38μmのPETフィルム上にアプリケーターで塗布乾燥し、25μmの厚みの粘着剤層を形成し、その上にシリコン離型処理したPETフィルムをラミネートし、アクリル系粘着剤ラミネート体を得た。得られたアクリル系粘着剤ラミネート体について、保持力試験、定荷重剥離試験及び180°ピール力試験を下記方法により実施した。結果を表1に示した。
【0080】
保持力試験
アクリル系粘着剤ラミネート体を25mm幅のテープ状に切り、離型PETを剥がして、25mm×25mmの面積で、23℃の温度下、SUS304板に対して2kgのローラーで一往復して貼付し、図1に示すようにして、100℃のオーブン中で2kgの重りを吊り下げ、1時間後の粘着剤層のずれ、又は、1時間以内のテープの落下時間を測定した。
【0081】
定荷重剥離試験
アクリル系粘着剤ラミネート体を20mm幅のテープ状に切り、離型PETを剥がして、25mm×100mmの面積で、23℃の温度下、SUS304板に対して2kgのローラーで一往復して貼付し、図2に示すようにして、80℃のオーブン中で100gの重りを架けて、1時間後の剥がれ長さ、又は、1時間以内の落下時間を測定した。
【0082】
180°ピール力試験
SP粘着力
JIS Z 0237に準拠して、SUS304板に、25mm幅に切ったアクリル系粘着剤ラミネート体を貼り付け、23℃で20分放置後、測定温度23℃、180°方向、引張速度300mm/分の条件で、ピール力を測定した。
【0083】
ポリエチレン粘着力
ポリエチレン樹脂板(ハイゼックス1300J、三井石油化学工業社製)に、25mm幅に切ったアクリル系粘着剤ラミネート体を貼り付け、23℃で20分放置後、測定温度23℃、180°方向、引張速度300mm/分の条件で、ピール力を測定した。
【0084】
実施例2
アクリル酸n−ブチル(n−BA)50gの代わりに、アクリル酸2−エチルヘキシル(2EHA)50gを用いたこと以外は、実施例1と同様に行った。結果を表1に示した。
【0085】
実施例3
架橋剤としてN,N′−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)(HDU)0.15重量部の代わりに、イソホロンジイソシアネート(IPDI)0.15重量部を用いたこと以外は、実施例1と同様に行った。結果を表1に示した。
【0086】
実施例4
重合開始剤としてビスペンタメチルシクロペンタジエニルサマリウムハイドライド([Cp* 2SmH]2)0.5gの代わりに、ビスペンタメチルシクロペンタジエニルイッテルビュウムビストリメチルシリルメチル(Cp* 2YbCH(SiMe3)2)0.6gを用い、重合時間を10時間とし、重合温度を−78℃としたこと以外は、実施例1と同様に行った。結果を表1に示した。
【0087】
比較例1
重合開始剤としてビスペンタメチルシクロペンタジエニルサマリウムハイドライド([Cp* 2SmH]2)0.5gの代わりに、ベンゾイルパーオキサイド(BPO)0.10gを用い、アクリル酸トリメチルシリル(TMSA)3gの代わりに、アクリル酸(AAc)2.5gを用い、溶媒のトルエン量を500gから50gとし、重合時間を10時間とし、重合温度を70℃としたこと以外は、実施例1と同様に行った。結果を表1に示した。
【0088】
【表1】
【0089】
実施例5
アルゴン置換した1000mlのフラスコに、ナトリウム/カリウム合金で乾燥し、蒸留したトルエン500gと、ビスペンタメチルシクロペンタジエニルサマリウムハイドライド([Cp* 2SmH]2:Cp*=C5(CH3)50.5g(1.2mmol)とをトルエン50mlに溶かした溶液を加え、磁気攪拌機で均一になるまで攪拌しながら、液温を0℃に調整した。これに第1モノマーとしてカルシウムハイドライド及びモレキュラーシーブにより乾燥したアクリル酸n−ブチル(n−BA)3gとメタクリル酸メチル(MMA)7gとを加え、0℃で10分間攪拌した。10分後系中のポリマー溶液から1mlを抜き出し、未反応モノマーをガスクロマトグラフィーで測定したところ、n−BA、MMAは検出できず、モノマーの重合添加率は略100%であることが確認された。
【0090】
更にポリマー溶液をTHFで希釈し、GPC(ゲル透過クロマトグラフィー)測定を行った。測定は標準架橋ポリスチレンを基準とし、THFを分離剤として使用し、検出は屈折計を用いて測定した。ポリマーの重量平均分子量(Mw)、及び、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分子量分布(Mw/Mn)を表2に示した。
【0091】
次に、重合溶液系に第2モノマーとしてアルカリハイドライド及びモレキュラーシーブにより乾燥したアクリル酸2−エチルヘキシル(2EHA)35gとアクリル酸n−ブチル(n−BA)5gとを加え、0℃で1時間重合した。1時間後、重合溶液系に50gのメタノールを加えて重合を停止させた。この溶液を真空加熱乾燥させて、P(n−BA/MMA)−block−P(2EHA/n−BA)ブロック共重合体を得た。このポリマーの一部をTHFに溶解させ、GPC測定を行った。ポリマーの重量平均分子量(Mw)、及び、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分子量分布(Mw/Mn)を表2に示した。
【0092】
残りのポリマーをトルエンで固形分が40重量部になるように希釈し、これをコロナ放電処理した38μmのPETフィルム上にアプリケーターで塗布乾燥し、25μmの厚みの粘着剤層を形成し、その上にシリコン離型処理したPETフィルムをラミネートし、アクリル系粘着剤ラミネート体を得た。得られたアクリル系粘着剤ラミネート体について、保持力試験、ボールタック試験及び180°ピール力試験を実施した。保持力試験及び180°ピール力試験は実施例1と同様にして行った。ボールタック試験は下記方法で行った。結果を表2に示した。
【0093】
ボールタック試験
JIS Z 0237に準拠して、測定温度23℃でボールタックを測定した。
【0094】
実施例6
第1モノマーとしてアクリル酸n−ブチル(n−BA)3gの代わりに、メチルメタクリレート(MMA)10gを用い、第2モノマーとしてアクリル酸2−エチルヘキシル(2EHA)35gとアクリル酸n−ブチル(n−BA)5gの代わりに、n−BA37gとメタクリル酸トリメチルシリル(TMSMA)3gを使用し、第2ブロックの重合時間を10分とし、10分後このポリマー溶液から1mlを抜き出し、GPC測定に供し、残りのポリマー溶液に第3モノマーとしてメタクリル酸エチル(EMA)10gを加え、1時間重合し、得られたポリマーを加水分解し、TMSMAの保護基を外したこと以外は、実施例5と同様に行った。結果を表2に示した。
【0095】
実施例7
第1ブロックのモノマーとしてアクリル酸n−ブチル(n−BA)3gとメタクリル酸メチル(MMA)4gとメタクリル酸トリメチルシリル(TMSMA)1gの混合液を用い、第2ブロックのモノマーとして、アクリル酸n−ブチル(n−BA)10gとメタクリル酸メチル(MMA)3g、アクリル酸2−エチルヘキシル(2EHA)25gの混合液を用いたこと以外は、実施例5と同様に行った。結果を表2に示した。
【0096】
実施例8
重合開始剤としてビスペンタメチルシクロペンタジエニルサマリウムハイドライド([Cp* 2SmH]2)0.5gの代わりに、ビスペンタメチルシクロペンタジエニルイッテルビュウムビストリメチルシリルメチル(Cp* 2YbCH(SiMe3)2)0.6gを用い、第1ブロックのモノマーとしてアクリル酸n−ブチル(n−BA)12gとメタクリル酸メチル(MMA)26gとの混合液を用い、第2ブロックのモノマーとしてアクリル酸n−ブチル(n−BA)1g、アクリル酸2−エチルヘキシル(2EHA)1g、アクリル酸t−ブチル(t−BA)1gを使用し、第1ブロックの重合時間を1時間とし、第2ブロックの重合時間を2時間とし、重合後に、重合溶液に水10g、メタノール30g、p−トルエンスルホン酸2gを加えて、70℃で5時間攪拌し、t−BAの保護基(t−ブチル基)を外し、架橋剤としてN,N′−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)(HDU、相互薬工社製)0.15重量部を用いたこと以外は、実施例5と同様に行った。結果を表2に示した。
【0097】
比較例2
アクリル酸n−ブチル(n−BA)50gを、アクリル酸n−ブチル(n−BA)30g、メタクリル酸メチル(MMA)20gに代えた以外は比較例1と同様に行った。結果を表2に示した。
【0098】
【表2】
【0099】
実施例9
アルゴン置換した1000mlのフラスコに、ナトリウム/カリウム合金で乾燥し、蒸留したトルエン500gと、ビスペンタメチルシクロペンタジエニルサマリウムハイドライド([Cp* 2SmH]2:Cp*=C5(CH3)50.5g(1.2mmol)とをトルエン50mlに溶かした溶液を加え、磁気攪拌機で均一になるまで攪拌しながら、液温を0℃に調整した。これに第1モノマーとしてカルシウムハイドライド及びモレキュラーシーブにより乾燥したメタクリル酸トリメチルシリル(TMSMA)3gを加え、0℃で5分間攪拌した。10分後系中のポリマー溶液から1mlを抜き出し、未反応モノマーをガスクロマトグラフィーで測定したところ、TMSMAは検出できず、モノマーの重合転化率は略100%であることが確認された。
【0100】
更にポリマー溶液をTHFで希釈し、GPC(ゲル透過クロマトグラフィー)測定を行った。測定は標準架橋ポリスチレンを基準とし、THFを分離剤として使用し、検出は屈折計を用いて測定した。ポリマーの重量平均分子量(Mw)、及び、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分子量分布(Mw/Mn)を表3に示した。
【0101】
次に、重合溶液系に第2モノマーとしてカルシウムハイドライド及びモレキュラーシーブにより乾燥したアクリル酸n−ブチル(n−BA)50gを加え、0℃で1時間重合した。1時間後、重合溶液系に50gのメタノールを加えて重合を停止させた。この溶液に水50gを加え、70℃で1時間攪拌し、TMSMAの保護基を外し、真空加熱乾燥させて、BA−アクリル酸共重合体を得た。このポリマーの一部をTHFに溶解させ、GPC測定を行った。ポリマーの重量平均分子量(Mw)、及び、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分子量分布(Mw/Mn)を表3に示した。
【0102】
残りのポリマーをトルエンで固形分が40重量部になるように希釈した後、アクリル系ポリマー固形分換算100重量部に対して、架橋剤としてN,N′−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)(HDU、相互薬工社製)0.15重量部を添加し、攪拌してアクリル系粘着剤組成物を得た。これをコロナ放電処理した38μmのPETフィルム上にアプリケーターで塗布乾燥し、25μmの厚みの粘着剤層を形成し、その上にシリコン離型処理したPETフィルムをラミネートし、アクリル系粘着剤ラミネート体を得た。得られたアクリル系粘着剤ラミネート体について、保持力試験、ボールタッタ試験及び180°ピール試験を実施した。保持力試験及び180°ピール力試験は実施例1と同様にして、ボールタック試験は実施例5と同様にして行った。結果を表3に示した。
【0103】
実施例10
第2ブロックのモノマーとして、メタクリル酸メチル2gを用い、第2ブロックの重合時間を20分とし、20分後このポリマー溶液から1mlを抜き出し、GPC測定に供し、残りのポリマー溶液に、第3モノマーとしてアクリル酸2−エチルヘキシル(2EHA)35gを加え、1時間重合し、ラミネート体作成時に架橋剤を使用しなかったこと以外は、実施例9と同様に行った。結果を表3に示した。
【0104】
実施例11
メタクリル酸トリメチルシリル(TMSMA)3gの代わりに、アクリル酸n−ブチル(n−BA)25gとメタクリル酸メチル(MMA)5gとの混合液を用い、第2ブロックのモノマーとして、アクリル酸n−ブチル(n−BA)50gの代わりに、アクリル酸トリメチルシリル(TMSA)5gを用い、架橋剤としてN,N′−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)(HDU)0.15重量部の代わりに、イソホロンジイソシアネート(IPDI)0.15重量部を用い、第1ブロックの重合時間を1時間としたこと以外は、実施例9と同様に行った。結果を表3に示した。
【0105】
実施例12
重合開始剤としてビスペンタメチルシクロペンタジエニルサマリウムハイドライド([Cp* 2SmH]2)0.5gの代わりに、ビスペンタメチルシクロペンタジエニルイッテルビュウムビストリメチルシリルメチル(Cp* 2YbCH(SiMe3)2)0.6gを用い、第1ブロックのモノマーとしてメタクリル酸トリメチルシリル(TMSMA)3gの代わりに、アクリル酸n−ブチル(n−BA)15gとアクリル酸2−エチルヘキシル(2EHA)25gとメタクリル酸メチル(MMA)5gとの混合液を用い、第2ブロックのモノマーとしてアクリル酸n−ブチル(n−BA)50gの代わりに、アクリル酸t−ブチル(t−BA)4gを用い、第1ブロックの重合時間を2時間とし、第2ブロックの重合時間を5時間とし、重合温度を−78℃とし、重合後に重合溶液に水10g、メタノール30gとp−トルエンスルホン酸2gを加えて、70℃で5時間攪拌し、t−BAの保護基(t−ブチル基)を外し、架橋剤としてN,N′−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)(HDU、相互薬工社製)0.15重量部を用いたこと以外は、実施例9と同様に行った。結果を表3に示した。
【0106】
比較例3
アクリル酸n−ブチル(n−BA)50gをアクリル酸n−ブチル(n−BA)35gとメタクリル酸エチル10gとメタクリル酸(MAc)4gに代えたこと以外は比較例1と同様に行った。結果を表3に示した。
【0107】
【表3】
【0108】
【発明の効果】
本発明のアクリル系ブロック共重合体及び粘着剤組成物は、上述の構成からなるので、耐熱性に優れ、また、被着体の表面極性に影響されない高い接着力を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】保持力試験を説明するための概略図である。
【図2】定荷重剥離試験を説明するための概略図である。
【符号の説明】
1…SUS板
2…粘着剤層
3…PETフィルム
4…重り
【発明の属する技術分野】
本発明は、分子量分布が狭く、耐熱性に優れ、しかも、被着体の表面極性に影響されない高い接着力を有するアクリル系ブロック共重合体並びにこれらを用いた粘着剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
アクリル系共重合体は、粘着剤として、粘着テープ、粘着シート等の粘着剤層、ホットメルト型粘着剤、ホットメルト型接着剤等に広く用いられている。このようなアクリル系粘着剤は、ゴム系の粘着剤に比較して、耐熱性、耐候性に優れ、良好な接着性や透明性を有することや、シリコーン系粘着剤に比較して低コストであることから広く用いられている。このようなアクリル系共重合体としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ランダム共重合体が一般的である。
【0003】
下記特許文献1には、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ランダム共重合体を用いる粘着剤組成物が開示されている。
しかしながら、このような(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ランダム共重合体のみからなる粘着剤組成物は、溶融特性が良くないので、例えば、粘着シートを製造する際、基材シートへの塗工性に問題がある。また、初期粘着力、経時粘着力、保持力等の粘着特性においても不充分であり、これでは高度の性能が要求される分野の使用に供することはできない。
【0004】
また、アクリル系共重合体は、耐熱性に優れているのであるが、高温にさらされると流動性を示すようになり、凝集力が低下し、糊残りが発生するようになる。近年、アクリル系共重合体の性能に対する要求レベルがますます高度化する傾向があることから、耐熱性により優れ、高温において優れた凝集力、耐剥離性を維持し、糊残り等が発生しないような性能もまた要求されている。
【0005】
耐熱性を向上させる方法としては、アクリル系共重合体の重合度を高めることにより、高温時においても充分な凝集力を発揮させる方法が考えられる。しかし、溶剤型アクリルポリマーを例にとると、現在の重合技術や塗工技術、更には、コスト等から由来する制限により、重量平均分子量150万前後のものの使用が限度であり、重合度を高める手段に依存するのみでは、充分な凝集力を確保することができない。
【0006】
そのため、より充分な凝集力を得るために、重合体の重合度を高めると共に、架橋を施す必要がある。しかしながら、重合体に架橋を施すと、凝集力は高まるが、その一方、粘着力は低下するので、凝集力とのバランスをとることが困難であり、例えば、耐剥離性と耐熱性とのバランス等、相反する物性間のバランスに限界があり、粘着特性間の良好なバランスを維持することが困難となる。
【0007】
耐熱性を向上させる方法としては、アクリル系粘着剤組成物のTg(ガラス転移温度)を高くする方法もある。しかし、この場合においては、粘着不良や低温での粘着力の低下をもたらし、耐熱性と低温での作業性のバランス等に限界がある。
【0008】
下記特許文献2には、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とする主鎖に、高いTgを有する重合性ポリマーをグラフト重合させたものが開示されている。
【0009】
下記特許文献3には、A−B−A型のアクリル系ブロック共重合体の構造、組成、平均分子量等を変化させて、塗工性、粘着性能のバランスを満足させる試みが開示されている。
【0010】
これらは、Tgの異なるポリマーをグラフト重合又はブロック重合により結合し、得られた共重合体の相分離構造に基づく物理的な架橋により、常温付近における粘着力及び凝集力を高め、他方、高温下においては、物理的架橋が可逆的に崩壊して溶融する性質を利用することにより、溶融特性を高め、ホットメルト型粘着剤として基材に塗工することを可能とした。
【0011】
しかしながら、これらのものも、初期粘着力、経時粘着力、保持力等の粘着特性のバランス、及び、これらの粘着特性と溶融特性とのバランスや、高温時における凝集力が未だ充分ではなかった。
【0012】
近年、電気、電子分野における接着剤、自動車部品分野における接着への応用が進み、耐熱性、接着性、再剥離性等の品質がより強く求められるようになり、なかでも耐熱性に対する要求が益々厳しくなってきている。アクリル系共重合体は、通常ラジカル重合開始剤を用いた溶液重合、塊状重合、懸濁重合、乳化重合等により製造されているが、これらラジカル重合に基づく重合体は、分子量分布〔重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)〕が2.0〜5と広く、低分子量が混在するために耐熱性が必ずしも充分なものではなかった。
【0013】
また、アクリル系ランダム共重合体は、通常、金属接着力を向上させるために(メタ)アクリル酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のカルボン酸や水酸基を含有するモノマーを用いることが一般的に行われているが、これらのモノマーの共重合量を増やしてゆくと、共重合体自体のTgが増加し、低温でのタック性が著しく低下する欠点が生じてくるし、ポリエチレンやポリプロピレン等の低極性の被着体に対する接着力が低下して粘着付与樹脂の添加が必須となってくる。
【0014】
下記特許文献4には、特定の水酸基含有ビニル系モノマーを有する樹脂酸エステル化合物を粘着付与樹脂として用いる技術が開示されている。しかしながら、このものは、低温における粘着性が改善されるが、凝集力が充分ではない欠点を有している。
【0015】
【特許文献1】
特開平6−41501号公報
【特許文献2】
特開昭59−75975号公報
【特許文献3】
特開平2−103277号公報
【特許文献4】
特開平3−281587号公報
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記に鑑み、分子量分布を狭くすることにより優れた耐熱性を得るとともに、被着体の種類によらずに高い接着力を発現できるアクリル系ブロック共重合体及びその製造方法並びにこれを用いた粘着剤組成物を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は、一般式
(A−B)n
で表されるブロック共重合体、
一般式
B−(A−B)n
で表されるブロック共重合体、及び、
一般式
(A−B)n−A
で表されるブロック共重合体からなる群より選択される少なくとも1種のアクリル系ブロック共重合体であって、上記ブロックAは、アルキル基の炭素数が1〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするビニル系モノマーからなり、Tgが20℃以下である共重合体であり、上記ブロックBは、炭素数が1〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするビニル系モノマーからなり、上記ブロックAよりTgが20℃以上高い共重合体であり、上記nは1〜3の整数であり、上記ブロックBの重量平均分子量は、5000〜50万であり、かつ、全体の重量平均分子量(Mw)は、1万〜400万であり、上記重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、1.0〜1.5であるアクリル系ブロック共重合体である。以下このものを「アクリル系ブロック共重合体(II)」ともいう。
【0018】
以下に本発明を詳述するが、本発明の説明に援用するために、本発明と関連する別発明1を先に説明する。
別発明1のアクリル系共重合体は、アルキル基の炭素数が1〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするビニル系モノマー80〜99.5重量部と(メタ)アクリル酸0.5〜20重量部とからなる(メタ)アクリル系共重合体であって、上記(メタ)アクリル系共重合体の重量平均分子量(Mw)は、10万以上であり、上記重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、1.0〜1.5であるものである。以下このものを「アクリル系共重合体(I)」ともいう。
【0019】
以下に別発明1を詳述する。
上記アクリル系共重合体(I)は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするビニル系モノマーと(メタ)アクリル酸とからなる(メタ)アクリル系共重合体である。
【0020】
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、アルキル基の炭素数が1〜12のものであれば特に限定されず、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸s−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸デシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ボロニル、アクリル酸イソボロニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸s−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸イソオクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ボロニル、メタクリル酸イソボロニル等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0021】
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル以外のビニル系モノマーとしては特に限定されず、例えば、N−ビニルピロリドン、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル、テトラフルフリルアクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート等が挙げられる。
【0022】
上記アクリル系共重合体(I)は、アルキル基の炭素数が1〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするビニル系モノマー80〜99.5重量部と(メタ)アクリル酸0.5〜20重量部とからなる。上記(メタ)アクリル酸が0.5重量部未満であると、保持力、耐熱性が低下し、20重量部を超えると、タックが低下し、また、被着体への濡れ性が低下する結果接着力が落ちるため、上記範囲に限定される。
【0023】
上記アクリル系共重合体(I)の重量平均分子量(Mw)は、10万以上であ。重量平均分子量が10万未満であると、充分な耐熱性が得られないため、上記範囲に限定される。好ましくは、30万以上である。
【0024】
上記アクリル系共重合体(I)の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、1.0〜1.5である。Mw/Mnが1.5を超えると、充分な耐熱性が得られないため、上記範囲に限定される。好ましくは、1.0〜1.3である。
【0025】
別発明1のアクリル系共重合体(I)は、有機金属化合物の存在下に重合されたものであることが好ましい。
上記重合の具体的な方法としては、例えば、アルキル基の炭素数が1〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするビニル系モノマーと、一般式
CH2=C(R1)COOSiR2(R3)(R4)
(式中、R1は、メチル基又は水素原子を表す。R2、R3、R4は、独立して、炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基を表す。)で表される(メタ)アクリル酸3置換シリルとを、3価有機Sc化合物と、3価有機Y化合物と、2価ランタノイド系希土類金属及び3価ランタノイド系希土類金属から選択された少なくとも1種の元素を含む有機金属化合物とからなる群より選択された少なくとも1種の有機金属化合物を開始剤として用い、−100〜100℃の温度で重合し、生成したポリマーを加水分解して保護基を外すことにより重合する方法等が挙げられる。
【0026】
上記重合においては、不活性ガス雰囲気下、溶媒存在下で、上記アルキル基の炭素数が1〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするビニル系モノマーと、上記一般式で表される(メタ)アクリル酸3置換シリルとを重合させる。
【0027】
上記不活性ガスとしては特に限定されず、例えば、 窒素、アルゴン、ヘリウム等が挙げられる。
上記溶媒としては、充分に脱水、脱気されたものであれば特に限定されず、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素;シクロヘキサン、シクロヘプタン等の脂環族炭化水素;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル等が挙げられる。
【0028】
上記一般式で表される(メタ)アクリル酸3置換シリルは、最終的に保護基である3置換シリル基が外されることにより、別発明1のアクリル系共重合体(I)を構成するものである。
【0029】
上記一般式で表される(メタ)アクリル酸3置換シリルとしては特に限定されず、例えば、アクリル酸トリメチルシリル、アクリル酸トリエチルシリル、アクリル酸トリn−ブチルシリル、アクリル酸フェニルジメチルシリル、アクリル酸ジフェニルメチルシリル、アクリル酸t−ブチルジメチルシリル、メタクリル酸トリメチルシリル、メタクリル酸トリエチルシリル、メタクリル酸トリn−ブチルシリル、メタクリル酸フェニルジメチルシリル、メタクリル酸ジフェニルメチルシリル、メタクリル酸t−ブチルジメチルシリル等が挙げられる。
【0030】
また、上記一般式で表される(メタ)アクリル酸3置換シリルの代わりに、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸トリメチル亜鉛、(メタ)アクリル酸トリメチル錫等を用いることもできる。
【0031】
上記重合において、上記一般式で表される(メタ)アクリル酸3置換シリルの配合量は、0.8〜80重量部が好ましい。0.8重量部未満であると、保持力が低下し、80重量部を超えると、タック力やピール力が低下する。より好ましくは、2〜40重量部である。
【0032】
上記アルキル基の炭素数が1〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするビニル系モノマー、及び、上記一般式で表される(メタ)アクリル酸3置換シリルとしては、カルシウムハイドライド、モレキュラーシーブ等により充分乾燥させたものを重合直前に不活性気体下で蒸留したものを用いることが好ましい。
【0033】
上記重合においては、開始剤として有機金属化合物を用いる。上記有機金属化合物は、例えば、モノマーを重合させる前にあらかじめ溶媒中に溶解させておくことが好ましい。
【0034】
上記有機金属化合物は、3価有機Sc化合物と、3価有機Y化合物と、2価ランタノイド系希土類金属及び3価ランタノイド系希土類金属から選択された少なくとも1種の元素を含む有機金属化合物とからなる群より選択された少なくとも1種の有機金属化合物である。上記有機金属化合物としては、下記一般式(1)又は下記一般式(2)で表される化合物が好適に用いられる。
【0035】
【化1】
【0036】
【化2】
上記一般式(1)及び上記一般式(2)中、R1〜R10は、水素原子、炭素数1〜5の炭化水素基又はケイ素を含む炭化水素基を表す。R1〜R10は、隣接するR基と炭化水素基を介して結合していてもよい。Mは、3価のSc、3価のY、2価のランタノイド系希土類金属元素又は3価のランタノイド系希土類金属元素(La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)を表す。Zは、炭素数1〜3のアルキレン基又はアルキルシリル基を表す。Dは、溶媒分子を表す。nは、0〜3の整数である。
【0037】
上記一般式(1)又は上記一般式(2)で表される化合物の具体例としては特に限定されず、例えば、ビスシクロペンタジエニルルテチウムハイドライド、ビスシクロペンタジエニルルテチウムメチル、ビスシクロペンタジエニルルテチウムビストリメチルシリルメチル、ビスペンタメチルシクロペンタジエニルルテチウムハイドライド、ビスペンタメチルシクロペンタジエニルルテチウムメチル、ビスペンタメチルシクロペンタジエニルルテチウムビストリメチルシリルメチル、ビスシクロペンタジエニルイッテルビュウムハイドライド、ビスシクロペンタジエニルイッテルビュウムメチル、ビスペンタメチルシクロペンタジエニルイッテルビュウムハイドライド、ビスペンタメチルシクロペキンタジエニルイッテルビュウムハイドライド、ビスペンタメチルシクロペンタジエニルイッテルビュウムメチル、ビスペンタメチルシクロペンタジエニルイッテルビュウムビストリメチルシリルメチル、ビスシクロペンタジエニルサマリウムハイドライド、ビスシクロペンタジエニルサマリウムメチル、ビスペンタメチルシクロペンタジエニルサマリウムハイドライド、ビスペンタメチルシクロペンタジエニルサマリウムメチル、ビスペンタメチルシクロペンタジエニルサマリウムビストリメチルシリルメチル、ビスシクロペンタジエニルヨールピウムハイドライド、ビスシクロペンタジエニルヨーロピウムメチル、ビスペンタメチルシクロペンタジエニルヨーロピウムハイドライド、ビスペンタメチルシクロペンタジエニルヨーロピウムメチル、ビスペンタメチルシクロペンタジエニルネオジウムメチル、ビスペンタメチルシクロペンタジエニルセリウムハイドライド、ビスペンタメチルシクロペンタジエニルイットリウムメチル、ビスペンタメチルシクロペンタジエニルスカンジウムハイドライド、ビスペンタメチルシクロペンタジエニルスカンジウムメチル、ビスインデニルルテチウムメチル、エチレンビスインデニルルテチウムメチル、エチレンビスシクロペンタジエニルルテチウムメチル等が挙げられる。
【0038】
上記有機金属化合物の製造方法としては特に限定されず、例えば、ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサエティー(J.Am.Chem.Soc.)(トビン・ジェイ・マークス(Tobin J.Marks)、107巻、8091頁、1985年)、ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサエティー(ウィリアム・ジェイ・エバンス(William J.Evans)、105巻、1401頁、1983年)、アメリカン・ケミカル・ソサエティー・シンポジウム(A.C.S.Symp.)(ピー・エル・ワトソン(P.L.Watson)、495頁、1983年)、WO 8605788(トビン・ジェイ・マークス)等に記載されているような公知の方法等により製造することができる。
【0039】
上記重合においては、その重合温度は、−100〜100℃が好ましい。−100℃未満であると、重合溶媒の粘度が高くなるので、重合制御が難しくなり、100℃を超えると、沸点又はそれに近い温度になるので、重合制御が難しくなる。より好ましくは、−100〜50℃、更に好ましくは、−100〜25℃である。
【0040】
また、重合圧力は、1〜50気圧が好ましい。より好ましくは、1〜5気圧である。
上記重合においては、生成したポリマーを加水分解して保護基を外すことにより、最終的に別発明1のアクリル系共重合体(I)を得ることができる。
【0041】
本発明のアクリル系ブロック共重合体(II)は、(A−B)nで表されるブロック共重合体、B−(A−B)nで表されるブロック共重合体、及び、(A−B)n−Aで表されるブロック共重合体のうちの少なくとも1種で表される。nは1〜3の整数である。
【0042】
上記アクリル系ブロック共重合体(II)を構成するブロックAは、アルキル基の炭素数が1〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするビニル系モノマーからなる共重合体である。上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては特に限定されず、例えば、上記アクリル系共重合体(I)における説明で例示したもの等が挙げられる。
【0043】
上記ブロックAは、Tgが20℃以下のものである。20℃を超えると、タックやピール力が低下するので、上記範囲に限定される。好ましくは、−10℃以下である。
【0044】
上記アクリル系ブロック共重合体(II)を構成するブロックBは、炭素数が1〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするモノマーからなり、上記ブロックAよりTgが20℃以上高い共重合体である。20℃未満であると、保持力が低下するので、上記範囲に限定される。好ましくは、40℃以上である。
【0045】
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては特に限定されず、例えば、別発明1のアクリル系共重合体(I)における説明で例示したもの等が挙げられる。
【0046】
上記ブロックBの重量平均分子量(Mw)は、5000〜100万である。5000未満であると、上記アクリル系ブロック共重合体(II)の耐熱性が低下し、100万を超えると、上記アクリル系ブロック共重合体(II)の塗工性、加工性等が低下するので、上記範囲に限定される。好ましくは、5000〜50万である。
【0047】
本発明のアクリル系ブロック共重合体(II)は、その少なくとも一つのブロック中に、カルボキシル基又は水酸基を有するビニル系モノマーを含有するものであることが好ましい。このようなモノマーを含有することにより、凝集力、耐熱性が高まり、金属等の高極性被着体に対する接着力が向上する。
【0048】
上記カルボキシル基又は水酸基を有するビニル系モノマーとしては特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、クロトン酸等が挙げられる。
【0049】
上記水酸基を有するビニル系モノマーとしては特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル等が挙げられる。
【0050】
上記カルボキシル基又は水酸基を有するビニル系モノマーの含有量は、上記アクリル系ブロック共重合体(II)100重量部に対して0.5〜40重量部が好ましい。0.5重量部未満であると、耐熱性、及び、高極性被着体に対する接着力に劣り、40重量部を超えると、上記アクリル系ブロック共重合体(II)の極性及びTgが高くなりすぎ、低極性被着体に対する接着力が低下する。
【0051】
本発明のアクリル系ブロック共重合体(II)の重量平均分子量(Mw)は、1万〜400万である。1万未満であると、充分な耐熱性が得られず、400万を超えると、塗工性、加工性等が低下するので、上記範囲に限定される。好ましくは、5万〜80万である。
【0052】
上記アクリル系ブロック共重合体(II)の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、1.0〜2.0である。2.0を超えると、充分な耐熱性が得られないので、上記範囲に限定される。好ましくは、1.0〜1.5である。
【0053】
本発明のアクリル系ブロック共重合体(II)は、有機金属化合物の存在下に重合されたものであることが好ましい。
上記重合の具体的な方法としては、例えば、アルキル基の炭素数が1〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするビニル系モノマーからなり、Tgが20℃以下の共重合体であるブロックAを、3価有機Sc化合物と、3価有機Y化合物と、2価ランタノイド系希土類金属及び3価ランタノイド系希土類金属から選択された少なくとも1種の元素を含む有機金属化合物とからなる群より選択された少なくとも1種の有機金属化合物を開始剤として用いて、−100〜100℃の温度で、転化率が90%以上となるまで重合する工程(3)、並びに、炭素数が1〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするビニル系モノマーからなり、上記ブロックAよりTgが20℃以上高い共重合体であるブロックBを、3価有機Sc化合物と、3価有機Y化合物と、2価ランタノイド系希土類金属及び3価ランタノイド系希土類金属から選択された少なくとも1種の元素を含む有機金属化合物とからなる群より選択された少なくとも1種の有機金属化合物を開始剤として用いて、−100〜100℃の温度で転化率が90%以上となるまで重合する工程(4)の上記工程(3)及び上記工程(4)を組み合わせて実施し、重合する方法等が挙げられる。
【0054】
上記重合方法で、さらに、上記ブロックA及び上記ブロックBのうち、少なくとも1種の中に一般式
CH2=C(R1)COOSiR2(R3)(R4)
(式中、R1は、メチル基又は水素原子を表す。R2、R3、R4は、独立して、炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基を表す。)で表される(メタ)アクリル酸3置換シリル、及び、一般式
CH2=C(R1)COOCH2CH2OSiR2(R3)(R4)
(式中、R1、R2、R3、R4は、上記と同じ。)で表される(メタ)アクリル酸3置換シロキシエチルのうち少なくとも1種を、ランダム共重合又はブロック共重合した後、生成したポリマーを加水分解して保護基を外すことにより、上記ブロックA及び上記ブロックBのうち、少なくとも1種の中に、(メタ)アクリル酸又は(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルをランダム又はブロック共重合することができる。
【0055】
上記重合においては、まず、工程(3)として、上記アルキル基の炭素数が1〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするビニル系モノマーを、上記有機金属化合物を開始剤として用いて、転化率が90%以上、好ましくは、95%以上になるまで重合させ、Tgが20℃以下である共重合体であるブロックAを重合する。
【0056】
上記重合においては、次に、工程(4)として、上記炭素数が1〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするビニル系モノマーを、上記有機金属化合物を開始剤として重合させ、上記ブロックAよりTgが20℃以上高い共重合体であるブロックBを重合する。
【0057】
上記工程(3)及び上記工程(4)において用いられる上記有機金属化合物は、上記アクリル系共重合体(I)の製造方法の説明において詳述したものと同様のものである。
【0058】
上記工程(3)及び上記工程(4)においては、重合温度は、−100〜100℃が好ましい。−100℃未満であると、重合溶媒の粘度が高くなるので、重合制御が難しくなり、100℃を超えると、沸点又はそれに近くなるので、重合制御が難しくなる。より好ましくは、−100〜50℃、更に好ましくは、−100〜25℃である。
【0059】
また、重合圧力は、1〜50気圧が好ましい。より好ましくは、1〜5気圧である。
上記工程(3)及び上記工程(4)の重合は、不活性ガス雰囲気下、溶媒存在下で行われる。上記不活性ガス及び上記溶媒としては特に限定されず、例えば、別発明1のアクリル系共重合体(I)の重合方法の説明において例示したもの等が挙げられる。
【0060】
上記工程(3)及び上記工程(4)は、交互に少なくとも1回行われるが、工程(3)を先に行った後工程(4)を行ってもよく、その逆であってもよい。
上記重合においては、上記ブロックA及び上記ブロックBのうち少なくとも1種の中に、上記一般式で表される(メタ)アクリル酸3置換シリル、及び、上記一般式で表される(メタ)アクリル酸3置換シロキシエチルのうち少なくとも1種を、ランダム共重合又はブロック共重合させる。
【0061】
上記(メタ)アクリル酸3置換シリルとしては特に限定されず、例えば、上記アクリル系共重合体(I)の製造方法の説明で例示したもの等が挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸3置換シロキシエチルとしては特に限定されず、例えば、アクリル酸トリメチルシロキシエチル、アクリル酸トリエチルシロキシエチル、アクリル酸トリn−ブチルシロキシエチル、アクリル酸フェニルジメチルシロキシエチル、アクリル酸ジフェニルメチルシロキシエチル、アクリル酸t−ブチルジメチルシロキシエチル、メタクリル酸トリメチルシロキシエチル、メタクリル酸トリエチルシロキシエチル、メタクリル酸トリn−ブチルシロキシエチル、メタクリル酸フェニルジメチルシロキシエチル、メタクリル酸ジフェニルメチルシロキシエチル、メタクリル酸t−ブチルジメチルシロキシエチル等が挙げられる。
【0062】
また、上記アクリル酸3置換シリル及び上記アクリル酸3置換シロキシエチルの代わりに、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸トリメチル亜鉛等を用いることもできる。
【0063】
上記重合においては、生成したポリマーを加水分解して保護基を外すことにより、最終的に本発明のアクリル系ブロック共重合体(II)を得ることができる。
【0064】
本発明のアクリル系ブロック共重合体(II)は、分子量分布が狭く、低極性ブロックと高極性ブロックとを併せ持つものである。このため、同一組成のランダム共重合体に比べて、低Tgであるが、高温サイドの弾性率が高く、タックと耐熱性とのバランスに優れている。
【0065】
従来のラジカル重合法や、EP−A−402号公報、EP−A−219号公報に記載されているアルキルリチウムやアルキルマグネシウムを開始剤として用いるアニオン重合法では、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを重合すると、高分子量のものを得ることが難しかったり、分子量分布が大きくなりすぎたりしてしまう。このため、高分子量かつ分子量分布の制御されたブロック共重合体を得ることができなかった。また、重合温度が高いと、連鎖移動反応や停止反応等の副反応が起こり、重合のリビング性が低下し、ポリマーの分子量分布が更に広がる問題があった。しかしながら、上記において詳述した重合方法によれば、このような問題がなく、優れた物性を有するアクリル系ブロック共重合体を得ることができる。
【0066】
本発明2は、本発明のアクリル系ブロック共重合体(II)からなる粘着剤組成物である。
本発明のアクリル系ブロック共重合体(II)は、上述のように優れた物性を有するものであるので、上記粘着剤組成物は、耐熱性に優れ、かつ、ガラス、金属等の高極性被着体や、ポリエチレン、ポリプロピレン等の低極性被着体に対して良好な接着性を発揮することができる。
【0067】
本発明のアクリル系ブロック共重合体(II)を架橋することにより、上記粘着剤組成物の凝集力、耐熱性をより高めることができる。上記架橋を行うための架橋剤としては特に限定されず、例えば、有機化合物架橋剤、有機金属化合物架橋剤、金属塩架橋剤等を挙げることができる。
【0068】
上記有機化合物架橋剤としては特に限定されず、例えば、N,N−メキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、ビスイソフタロイル−1−(2−メチルアジリジン)等のアジリジン化合物;トリレンジイソシアネート、水素化トリレンジイソシアネート、トリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネート付加物、トリフェニルメタントリイソシアネート、メチレンビス(4−フェニルメタン)トリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等のイソシアネート化合物;ビスフェノールA、エピクロルヒドリン型のエポキシ樹脂、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルアミン、N,N,N,N−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン等のエポキシ化合物;アミノ樹脂;メラミン樹脂等が挙げられる。
【0069】
上記有機金属化合物架橋剤としては特に限定されず、例えば、アルミニウム、鉄、銅、錫、亜鉛、チタン、ニッケル、アンチモン、マグネシウム、バナジウム、クロム、ジルコニウム等の多価金属のアセチルアセトンやアセト酢酸エステルの配位化合物等が挙げられる。
【0070】
上記金属塩架橋剤としては特に限定されず、例えば、塩化第二銅、塩化アルミニウム、塩化第二鉄、硫酸アルミニウム、硫酸銅、塩化第二錫、塩化亜鉛、塩化ニッケル、塩化マグネシウム、酢酸クロム、酢酸銅等が挙げられる。
【0071】
上記架橋剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記架橋剤の添加量は、本発明のアクリル系ブロック共重合体(II)100重量部に対して0.001〜5重量部が好ましい。0.001未満であると、本発明2の粘着剤組成物の耐熱性が劣り、5重量部を超えると、本発明2の粘着剤組成物の接着性が劣る。
【0072】
本発明2の粘着剤組成物には、必要に応じて、更に、粘着付与樹脂、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、カルボン酸金属塩等を添加することができる。
上記粘着付与樹脂としては特に限定されず、例えば、C5系(水添)石油樹脂、C6系(水添)石油樹脂、(水添)ロジン樹脂、(水添)ロジンエステル樹脂、(水添)テルペン樹脂、(水添)テルペンフェノール樹脂、(水添)クマロンインデン樹脂、不均化ロジン樹脂、不均化ロジンエステル樹脂、重合ロジン樹脂、重合ロジンエステル樹脂等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0073】
上記充填剤としては特に限定されず、例えば、炭酸カルシウム、酸化チタン、マイカ、タルク等が挙げられる。
上記酸化防止剤としては特に限定されず、例えば、フェノール系のもの、アミン系のもの等が挙げられる。
【0074】
上記紫外線吸収剤としては特に限定されず、例えば、ベンゾトリアゾール系のもの等が挙げられる。
上記カルボン酸金属塩としては特に限定されず、例えば、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム、パルミチン酸ナトリウム等が挙げられる。
【0075】
本発明2の粘着剤組成物は、例えば、粘着テープ、粘着シート等の粘着剤層として好適に用いることができる。
【0076】
【実施例】
以下に本発明の実施例を掲げて更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0077】
実施例1
アルゴン置換した1000mlのフラスコに、ナトリウム/カリウム合金で乾燥し、蒸留したトルエン500gと、ビスペンタメチルシクロペンタジエニルサマリウムハイドライド([Cp* 2SmH]2:Cp*=C5(CH3)50.5g(1.2mmol)とをトルエン50mlに溶かした溶液を加え、磁気攪拌機で均一になるまで攪拌しながら液温を0℃に調整した。これにカルシウムハイドライド及びモレキュラーシーブにより乾燥したアクリル酸n−ブチル(n−BA)50gとアクリル酸トリメチルシリル(TMSA)3gとを加え、0℃で1時間攪拌した。この時点で系中の未反応モノマーをガスクロマトグラフィーで測定したところ、n−BA、TMSAは検出できず、モノマーの重合転化率は略100%であることが確認された。これに50gのメタノールを加えて重合を停止させた。
【0078】
この溶液に水50gを加え、70℃で1時間攪拌し、TMSAの保護基を外し、真空加熱乾燥させて、BA−アクリル酸共重合体を得た。このポリマーの一部をTHFに溶解させ、GPC(ゲル透過クロマトグラフィー)測定を行った。測定は標準架橋ポリスチレンを基準とし、THFを分離剤として使用し、検出は屈折計を用いて測定した。ポリマーの重量平均分子量(Mw)、及び、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分子量分布(Mw/Mn)を表1に示した。
【0079】
残りのポリマーをトルエンで固形分が40重量部になるように希釈した後、アクリル系ポリマー固形分換算100重量部に対して、架橋剤としてN,N′−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)(HDU、相互薬工社製)0.15重量部を添加し、攪拌してアクリル系粘着剤組成物を得た。これをコロナ放電処理した38μmのPETフィルム上にアプリケーターで塗布乾燥し、25μmの厚みの粘着剤層を形成し、その上にシリコン離型処理したPETフィルムをラミネートし、アクリル系粘着剤ラミネート体を得た。得られたアクリル系粘着剤ラミネート体について、保持力試験、定荷重剥離試験及び180°ピール力試験を下記方法により実施した。結果を表1に示した。
【0080】
保持力試験
アクリル系粘着剤ラミネート体を25mm幅のテープ状に切り、離型PETを剥がして、25mm×25mmの面積で、23℃の温度下、SUS304板に対して2kgのローラーで一往復して貼付し、図1に示すようにして、100℃のオーブン中で2kgの重りを吊り下げ、1時間後の粘着剤層のずれ、又は、1時間以内のテープの落下時間を測定した。
【0081】
定荷重剥離試験
アクリル系粘着剤ラミネート体を20mm幅のテープ状に切り、離型PETを剥がして、25mm×100mmの面積で、23℃の温度下、SUS304板に対して2kgのローラーで一往復して貼付し、図2に示すようにして、80℃のオーブン中で100gの重りを架けて、1時間後の剥がれ長さ、又は、1時間以内の落下時間を測定した。
【0082】
180°ピール力試験
SP粘着力
JIS Z 0237に準拠して、SUS304板に、25mm幅に切ったアクリル系粘着剤ラミネート体を貼り付け、23℃で20分放置後、測定温度23℃、180°方向、引張速度300mm/分の条件で、ピール力を測定した。
【0083】
ポリエチレン粘着力
ポリエチレン樹脂板(ハイゼックス1300J、三井石油化学工業社製)に、25mm幅に切ったアクリル系粘着剤ラミネート体を貼り付け、23℃で20分放置後、測定温度23℃、180°方向、引張速度300mm/分の条件で、ピール力を測定した。
【0084】
実施例2
アクリル酸n−ブチル(n−BA)50gの代わりに、アクリル酸2−エチルヘキシル(2EHA)50gを用いたこと以外は、実施例1と同様に行った。結果を表1に示した。
【0085】
実施例3
架橋剤としてN,N′−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)(HDU)0.15重量部の代わりに、イソホロンジイソシアネート(IPDI)0.15重量部を用いたこと以外は、実施例1と同様に行った。結果を表1に示した。
【0086】
実施例4
重合開始剤としてビスペンタメチルシクロペンタジエニルサマリウムハイドライド([Cp* 2SmH]2)0.5gの代わりに、ビスペンタメチルシクロペンタジエニルイッテルビュウムビストリメチルシリルメチル(Cp* 2YbCH(SiMe3)2)0.6gを用い、重合時間を10時間とし、重合温度を−78℃としたこと以外は、実施例1と同様に行った。結果を表1に示した。
【0087】
比較例1
重合開始剤としてビスペンタメチルシクロペンタジエニルサマリウムハイドライド([Cp* 2SmH]2)0.5gの代わりに、ベンゾイルパーオキサイド(BPO)0.10gを用い、アクリル酸トリメチルシリル(TMSA)3gの代わりに、アクリル酸(AAc)2.5gを用い、溶媒のトルエン量を500gから50gとし、重合時間を10時間とし、重合温度を70℃としたこと以外は、実施例1と同様に行った。結果を表1に示した。
【0088】
【表1】
【0089】
実施例5
アルゴン置換した1000mlのフラスコに、ナトリウム/カリウム合金で乾燥し、蒸留したトルエン500gと、ビスペンタメチルシクロペンタジエニルサマリウムハイドライド([Cp* 2SmH]2:Cp*=C5(CH3)50.5g(1.2mmol)とをトルエン50mlに溶かした溶液を加え、磁気攪拌機で均一になるまで攪拌しながら、液温を0℃に調整した。これに第1モノマーとしてカルシウムハイドライド及びモレキュラーシーブにより乾燥したアクリル酸n−ブチル(n−BA)3gとメタクリル酸メチル(MMA)7gとを加え、0℃で10分間攪拌した。10分後系中のポリマー溶液から1mlを抜き出し、未反応モノマーをガスクロマトグラフィーで測定したところ、n−BA、MMAは検出できず、モノマーの重合添加率は略100%であることが確認された。
【0090】
更にポリマー溶液をTHFで希釈し、GPC(ゲル透過クロマトグラフィー)測定を行った。測定は標準架橋ポリスチレンを基準とし、THFを分離剤として使用し、検出は屈折計を用いて測定した。ポリマーの重量平均分子量(Mw)、及び、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分子量分布(Mw/Mn)を表2に示した。
【0091】
次に、重合溶液系に第2モノマーとしてアルカリハイドライド及びモレキュラーシーブにより乾燥したアクリル酸2−エチルヘキシル(2EHA)35gとアクリル酸n−ブチル(n−BA)5gとを加え、0℃で1時間重合した。1時間後、重合溶液系に50gのメタノールを加えて重合を停止させた。この溶液を真空加熱乾燥させて、P(n−BA/MMA)−block−P(2EHA/n−BA)ブロック共重合体を得た。このポリマーの一部をTHFに溶解させ、GPC測定を行った。ポリマーの重量平均分子量(Mw)、及び、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分子量分布(Mw/Mn)を表2に示した。
【0092】
残りのポリマーをトルエンで固形分が40重量部になるように希釈し、これをコロナ放電処理した38μmのPETフィルム上にアプリケーターで塗布乾燥し、25μmの厚みの粘着剤層を形成し、その上にシリコン離型処理したPETフィルムをラミネートし、アクリル系粘着剤ラミネート体を得た。得られたアクリル系粘着剤ラミネート体について、保持力試験、ボールタック試験及び180°ピール力試験を実施した。保持力試験及び180°ピール力試験は実施例1と同様にして行った。ボールタック試験は下記方法で行った。結果を表2に示した。
【0093】
ボールタック試験
JIS Z 0237に準拠して、測定温度23℃でボールタックを測定した。
【0094】
実施例6
第1モノマーとしてアクリル酸n−ブチル(n−BA)3gの代わりに、メチルメタクリレート(MMA)10gを用い、第2モノマーとしてアクリル酸2−エチルヘキシル(2EHA)35gとアクリル酸n−ブチル(n−BA)5gの代わりに、n−BA37gとメタクリル酸トリメチルシリル(TMSMA)3gを使用し、第2ブロックの重合時間を10分とし、10分後このポリマー溶液から1mlを抜き出し、GPC測定に供し、残りのポリマー溶液に第3モノマーとしてメタクリル酸エチル(EMA)10gを加え、1時間重合し、得られたポリマーを加水分解し、TMSMAの保護基を外したこと以外は、実施例5と同様に行った。結果を表2に示した。
【0095】
実施例7
第1ブロックのモノマーとしてアクリル酸n−ブチル(n−BA)3gとメタクリル酸メチル(MMA)4gとメタクリル酸トリメチルシリル(TMSMA)1gの混合液を用い、第2ブロックのモノマーとして、アクリル酸n−ブチル(n−BA)10gとメタクリル酸メチル(MMA)3g、アクリル酸2−エチルヘキシル(2EHA)25gの混合液を用いたこと以外は、実施例5と同様に行った。結果を表2に示した。
【0096】
実施例8
重合開始剤としてビスペンタメチルシクロペンタジエニルサマリウムハイドライド([Cp* 2SmH]2)0.5gの代わりに、ビスペンタメチルシクロペンタジエニルイッテルビュウムビストリメチルシリルメチル(Cp* 2YbCH(SiMe3)2)0.6gを用い、第1ブロックのモノマーとしてアクリル酸n−ブチル(n−BA)12gとメタクリル酸メチル(MMA)26gとの混合液を用い、第2ブロックのモノマーとしてアクリル酸n−ブチル(n−BA)1g、アクリル酸2−エチルヘキシル(2EHA)1g、アクリル酸t−ブチル(t−BA)1gを使用し、第1ブロックの重合時間を1時間とし、第2ブロックの重合時間を2時間とし、重合後に、重合溶液に水10g、メタノール30g、p−トルエンスルホン酸2gを加えて、70℃で5時間攪拌し、t−BAの保護基(t−ブチル基)を外し、架橋剤としてN,N′−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)(HDU、相互薬工社製)0.15重量部を用いたこと以外は、実施例5と同様に行った。結果を表2に示した。
【0097】
比較例2
アクリル酸n−ブチル(n−BA)50gを、アクリル酸n−ブチル(n−BA)30g、メタクリル酸メチル(MMA)20gに代えた以外は比較例1と同様に行った。結果を表2に示した。
【0098】
【表2】
【0099】
実施例9
アルゴン置換した1000mlのフラスコに、ナトリウム/カリウム合金で乾燥し、蒸留したトルエン500gと、ビスペンタメチルシクロペンタジエニルサマリウムハイドライド([Cp* 2SmH]2:Cp*=C5(CH3)50.5g(1.2mmol)とをトルエン50mlに溶かした溶液を加え、磁気攪拌機で均一になるまで攪拌しながら、液温を0℃に調整した。これに第1モノマーとしてカルシウムハイドライド及びモレキュラーシーブにより乾燥したメタクリル酸トリメチルシリル(TMSMA)3gを加え、0℃で5分間攪拌した。10分後系中のポリマー溶液から1mlを抜き出し、未反応モノマーをガスクロマトグラフィーで測定したところ、TMSMAは検出できず、モノマーの重合転化率は略100%であることが確認された。
【0100】
更にポリマー溶液をTHFで希釈し、GPC(ゲル透過クロマトグラフィー)測定を行った。測定は標準架橋ポリスチレンを基準とし、THFを分離剤として使用し、検出は屈折計を用いて測定した。ポリマーの重量平均分子量(Mw)、及び、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分子量分布(Mw/Mn)を表3に示した。
【0101】
次に、重合溶液系に第2モノマーとしてカルシウムハイドライド及びモレキュラーシーブにより乾燥したアクリル酸n−ブチル(n−BA)50gを加え、0℃で1時間重合した。1時間後、重合溶液系に50gのメタノールを加えて重合を停止させた。この溶液に水50gを加え、70℃で1時間攪拌し、TMSMAの保護基を外し、真空加熱乾燥させて、BA−アクリル酸共重合体を得た。このポリマーの一部をTHFに溶解させ、GPC測定を行った。ポリマーの重量平均分子量(Mw)、及び、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分子量分布(Mw/Mn)を表3に示した。
【0102】
残りのポリマーをトルエンで固形分が40重量部になるように希釈した後、アクリル系ポリマー固形分換算100重量部に対して、架橋剤としてN,N′−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)(HDU、相互薬工社製)0.15重量部を添加し、攪拌してアクリル系粘着剤組成物を得た。これをコロナ放電処理した38μmのPETフィルム上にアプリケーターで塗布乾燥し、25μmの厚みの粘着剤層を形成し、その上にシリコン離型処理したPETフィルムをラミネートし、アクリル系粘着剤ラミネート体を得た。得られたアクリル系粘着剤ラミネート体について、保持力試験、ボールタッタ試験及び180°ピール試験を実施した。保持力試験及び180°ピール力試験は実施例1と同様にして、ボールタック試験は実施例5と同様にして行った。結果を表3に示した。
【0103】
実施例10
第2ブロックのモノマーとして、メタクリル酸メチル2gを用い、第2ブロックの重合時間を20分とし、20分後このポリマー溶液から1mlを抜き出し、GPC測定に供し、残りのポリマー溶液に、第3モノマーとしてアクリル酸2−エチルヘキシル(2EHA)35gを加え、1時間重合し、ラミネート体作成時に架橋剤を使用しなかったこと以外は、実施例9と同様に行った。結果を表3に示した。
【0104】
実施例11
メタクリル酸トリメチルシリル(TMSMA)3gの代わりに、アクリル酸n−ブチル(n−BA)25gとメタクリル酸メチル(MMA)5gとの混合液を用い、第2ブロックのモノマーとして、アクリル酸n−ブチル(n−BA)50gの代わりに、アクリル酸トリメチルシリル(TMSA)5gを用い、架橋剤としてN,N′−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)(HDU)0.15重量部の代わりに、イソホロンジイソシアネート(IPDI)0.15重量部を用い、第1ブロックの重合時間を1時間としたこと以外は、実施例9と同様に行った。結果を表3に示した。
【0105】
実施例12
重合開始剤としてビスペンタメチルシクロペンタジエニルサマリウムハイドライド([Cp* 2SmH]2)0.5gの代わりに、ビスペンタメチルシクロペンタジエニルイッテルビュウムビストリメチルシリルメチル(Cp* 2YbCH(SiMe3)2)0.6gを用い、第1ブロックのモノマーとしてメタクリル酸トリメチルシリル(TMSMA)3gの代わりに、アクリル酸n−ブチル(n−BA)15gとアクリル酸2−エチルヘキシル(2EHA)25gとメタクリル酸メチル(MMA)5gとの混合液を用い、第2ブロックのモノマーとしてアクリル酸n−ブチル(n−BA)50gの代わりに、アクリル酸t−ブチル(t−BA)4gを用い、第1ブロックの重合時間を2時間とし、第2ブロックの重合時間を5時間とし、重合温度を−78℃とし、重合後に重合溶液に水10g、メタノール30gとp−トルエンスルホン酸2gを加えて、70℃で5時間攪拌し、t−BAの保護基(t−ブチル基)を外し、架橋剤としてN,N′−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)(HDU、相互薬工社製)0.15重量部を用いたこと以外は、実施例9と同様に行った。結果を表3に示した。
【0106】
比較例3
アクリル酸n−ブチル(n−BA)50gをアクリル酸n−ブチル(n−BA)35gとメタクリル酸エチル10gとメタクリル酸(MAc)4gに代えたこと以外は比較例1と同様に行った。結果を表3に示した。
【0107】
【表3】
【0108】
【発明の効果】
本発明のアクリル系ブロック共重合体及び粘着剤組成物は、上述の構成からなるので、耐熱性に優れ、また、被着体の表面極性に影響されない高い接着力を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】保持力試験を説明するための概略図である。
【図2】定荷重剥離試験を説明するための概略図である。
【符号の説明】
1…SUS板
2…粘着剤層
3…PETフィルム
4…重り
Claims (5)
- 一般式
(A−B)n
で表されるブロック共重合体、
一般式
B−(A−B)n
で表されるブロック共重合体、及び、
一般式
(A−B)n−A
で表されるブロック共重合体からなる群より選択される少なくとも1種のアクリル系ブロック共重合体であって、
前記ブロックAは、アルキル基の炭素数が1〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするビニル系モノマーからなり、Tgが20℃以下である共重合体であり、
前記ブロックBは、炭素数が1〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするビニル系モノマーからなり、前記ブロックAよりTgが20℃以上高い共重合体であり、
前記nは1〜3の整数であり、
前記ブロックBの重量平均分子量は、5000〜50万であり、かつ、
全体の重量平均分子量(Mw)は、1万〜400万であり、前記重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、1.0〜2.0であることを特徴とするアクリル系ブロック共重合体。 - アクリル系ブロック共重合体は、有機金属化合物の存在下に重合されたものである請求項1記載のアクリル系ブロック共重合体。
- 請求項2記載のアクリル系ブロック共重合体を製造する方法であって、アルキル基の炭素数が1〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするビニル系モノマーからなり、Tgが20℃以下の共重合体であるブロックAを、
3価有機Sc化合物と、3価有機Y化合物と、2価ランタノイド系希土類金属及び3価ランタノイド系希土類金属から選択された少なくとも1種の元素を含む有機金属化合物とからなる群より選択された少なくとも1種の有機金属化合物を開始剤として用いて、−100〜100℃の温度で、転化率が90%以上となるまで重合する工程(3)、並びに、
炭素数が1〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするビニル系モノマーからなり、前記ブロックAよりTgが20℃以上高い共重合体であるブロックBを、
3価有機Sc化合物と、3価有機Y化合物と、2価ランタノイド系希土類金属及び3価ランタノイド系希土類金属から選択された少なくとも1種の元素を含む有機金属化合物とからなる群より選択された少なくとも1種の有機金属化合物を開始剤として用いて、−100〜100℃の温度で転化率が90%以上となるまで重合する工程(4)、
の前記工程(3)及び前記工程(4)を組み合わせて実施することを特徴とするアクリル系ブロック共重合体の製造方法。 - 前記ブロックA及びブロックBのうち少なくとも1種の中に、一般式
CH2=C(R1)COOSiR2(R3)(R4)
(式中、R1は、メチル基又は水素原子を表す。R2、R3、R4は、独立して、炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基を表す。)で表される(メタ)アクリル酸3置換シリル、及び、一般式
CH2=C(R1)COOCH2CH2OSiR2(R3)(R4)
(式中、R1、R2、R3、R4は、前記と同じ。)で表される(メタ)アクリル酸3置換シロキシエチルのうち少なくとも1種を、ランダム共重合又はブロック共重合した後、生成したポリマーを加水分解して保護基を外すことを特徴とする請求項3記載のアクリル系ブロック共重合体の製造方法。 - 請求項1または2記載のアクリル系ブロック共重合体からなることを特徴とする粘着剤組成物。
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