JP2004091602A - 黄味の赤色顔料組成物の製造方法、それで得られた赤色顔料組成物を用いたカラーフィルター - Google Patents
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Abstract
【課題】被着色媒体に加えた時に経時的な色分かれや増粘が起こりにくい、さらに、CIE発色系色度におけるY値が大きく、透明性に優れたカラーフィルターが得られる微細赤色顔料組成物を提供する。高着色力で保存安定性に優れたカラーフィルター用微細赤色光硬化性組成物および透明性と高着色力を兼備した赤色画素部を有するカラーフィルターを提供する。
【解決手段】赤色有機顔料と黄色有機顔料とを原料として、これらを共に磨砕することを特徴とする黄味の微細赤色顔料組成物の製造方法。一次粒子の平均粒子径が10〜100nmとなる様に磨砕を行う前記微細赤色顔料組成物の製造方法。前記微細赤色顔料組成物を含む赤色画素部を有するカラーフィルター。
【選択図】 なし。
【解決手段】赤色有機顔料と黄色有機顔料とを原料として、これらを共に磨砕することを特徴とする黄味の微細赤色顔料組成物の製造方法。一次粒子の平均粒子径が10〜100nmとなる様に磨砕を行う前記微細赤色顔料組成物の製造方法。前記微細赤色顔料組成物を含む赤色画素部を有するカラーフィルター。
【選択図】 なし。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷インキ、塗料及び着色プラスチック等の着色剤として使用できる黄味の微細赤色顔料組成物の製造方法に関し、中でもパソコン用ディスプレー、モニター、テレビ等の大画面用高色純度液晶表示装置を備えるカラーフィルターに好適な、黄味の微細赤色顔料組成物の製造方法、それで得られた微細赤色顔料組成物を含み赤色画素部を有するカラーフィルターに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来使用されていたカラーフィルターは高透明性であり、バックライトの輝線を良く透過させて色表示できる顔料が優れているとされていた。この技術は現在でも携帯電話やモバイルゲーム機、PDA等、二次電池や乾電池等の限られた電気量で、バックライト光源が電気容量を小さくする必要のある機器については有利である。
【0003】
しかしながら、パーソナルコンピューターの液晶表示モニター、液晶テレビ等、電源を常につないだ状態で使用される機器に使用されるカラーフィルターは、バックライト光源が常に供給される電源を持つため、その要求特性は色純度が高く、かつ高透過性の色材が要求される。
【0004】
この高色純度が要求される液晶表示装置に用いられるカラーフィルターは、ガラス等の透明基板上に赤色、緑色、青色の3色のパターンが形成されたものであり、赤色の着色パターンを形成するためには、一般にジケトピロロピロール系顔料(C.I.Pigment Red 254)やアンスラキノン系顔料(C.I.Pigment Red 177)等の赤色有機顔料からなる着色剤が使用されている。
【0005】
前記赤色有機顔料の中で、例えば、ジケトピロロピロール系顔料は、対称発色団をもつ新規なヘテロ環状化合物であり、1分子中に2個の芳香環を有する。そして、この芳香環はそれぞれ5個の水素原子を有していて、これら合計10個の水素原子は、塩素等のハロゲン原子、アルキル基、フェニル基によって置換可能である。
【0006】
従って、高色純度が要求される液晶表示装置に用いられるカラーフィルターの赤色パターンに使用される前記着色剤は、通常、この10個の水素原子のうちの2個が、塩素によって各パラ位に置換されたジケトピロロピロール顔料やジアミノアンスラキノニルレッド顔料等を含む赤色顔料組成物が使用されていた。
【0007】
また、特開平11−14824号公報、特開2001−240780号公報等では、カラーフィルター用途において赤色有機顔料のみや赤色有機顔料と黄色有機顔料の混色での色相等を改良する目的で、C.I.Pigment Red 177、同254等の赤色有機顔料に、C.I.Pigment Yellow83、139等の黄色有機顔料を添加し、黄味が強い赤色とした赤色顔料組成物も記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、カラーフイルター用途の従来の技術においては、赤色有機顔料と黄色有機顔料とを混色して得られた赤色顔料組成物から黄味の赤色の光硬化性組成物を調製したり、あるいは赤色有機顔料から得た光硬化性組成物と黄色有機顔料から得た光硬化性組成物とを混色して黄味の赤色の光硬化性組成物を調製している。従ってこの様な方法では、黄味の赤色は発色可能であっても、経時的に色別れが起きたり、光硬化性組成物が増粘したりして、安定性が不充分であるという欠点があった。
そしてこの様な経時安定性不良は、カラーフィルター用途以外の印刷インキや塗料等の一般的用途の場合でも、多かれ少なかれ起こる現象である。
本発明は、被着色媒体に加えた時に経時的な色分かれや増粘が起こりにくい微細赤色顔料組成物を提供する。また、前記の他CIE発色系色度におけるY値が大きく透明性に優れたカラーフィルターが得られる微細赤色顔料組成物、高着色力で保存安定性に優れたカラーフィルター用微細赤色光硬化性組成物及び透明性と高着色力を兼備した赤色画素部を有するカラーフィルターを提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、赤色有機顔料と黄色有機顔料とを原料として、これらを共に磨砕して得られた黄味でより微細な赤色顔料組成物とし、それを用いることで、上記課題を解決できることを見い出し、本発明に至った。
即ち本発明は、赤色有機顔料と黄色有機顔料とを原料として、これらを共に磨砕することを特徴とする黄味の微細赤色顔料組成物の製造方法、及びこの製造方法で得られた微細赤色顔料組成物を含むことを特徴とする赤色画素部を有するカラーフィルターを提供することを目的とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に本発明をさらに詳細に説明するが、「カラーフィルター用微細赤色顔料組成物」のことを「微細赤色顔料組成物」と、また「カラーフィルター用微細赤色光硬化性組成物」のことを「微細赤色光硬化性組成物」と、それぞれ略記する。
【0011】
本明細書においては、CIE発色系色度(Y,x,y)のx値が大きいものを「色純度が高い」という。x、y値が一定の値となるように光硬化性組成物の硬化塗膜の膜厚を決めた場合、膜厚が薄いものを「色濃度が高い」といい、Y値が大きいものを「透明性が高い」という。
【0012】
本発明における一方の原料である赤色有機顔料としては、市販赤色有機顔料やそれに対応する粗製顔料が挙げられる。縮合多環系赤色有機顔料としては、例えば、C.I.Pigment Red 86、同88、同122、同123、同149、同168、同177、同179、同189、同190、同194、同198、同207、同209、同216、同224、同254、同255、同264等の縮合多環系赤色有機顔料が挙げられる。さらに、アゾ系赤色有機顔料としては、例えば、C.I.Pigment Red 5、同9、同17、同48:1、同48:2、同48:3、同48:4、同52:2、同144、同166、同242、同256、同268等のアゾ系赤色有機顔料が挙げられる。上記赤色有機顔料の中でもC.I.Pigment Red 177、同179、同207、同209、同254、同268が色純度と透明性、着色力に優れる点で好ましい。これら赤色有機顔料は単独で使用することも出来るし、2種以上を併用することも出来る。粗製顔料の場合は、一般的な顔料化処理を行って顔料となしてから、用いることも出来る。
【0013】
前記した赤色有機顔料は、公知の製造方法によって製造することができる。C.I.Pigment Red 254として公知の赤色有機顔料であるジケトピロロピロール顔料は、例えば、p−クロロベンゾニトリルとブロモ酢酸エステルを亜鉛粉末の存在下で反応させることで製造されるが、製造方法は特に限定されるものではない。C.I.Pigment Red 207として公知の赤色有機顔料であるキナクリドン系固溶体顔料は、例えば、2,5−ジアニリノテレフタル酸と2,5−ジ(2−クロロアニリノ)テレフタル酸とをポリ燐酸中で環化、加水分解する第一工程、第一工程で得られた粗製キナクリドン系固溶体をソルベント法等で顔料化処理する第二工程により製造されるが、製造方法は特に限定されるものではない。C.I.Pigment Red 177として公知の赤色有機顔料であるジアミノアンスラキノニルレッド顔料は、例えば、1−アミノアンスラキノンを、スルホン化、アミノ化、ハロゲン化および酸・アルカリ縮合等の多段階の工程を経る第一工程、第一工程で得られた粗製ジアミノアンスラキノニルレッドをアシッドペースト法とよばれる硫酸中に溶解後、大量の水に取り出して再沈殿させる方法等で顔料化処理する第二工程により製造されるが、製造方法は特に限定されるものではない。
【0014】
本発明おけるもう一方の原料である黄色有機顔料としては、市販黄色有機顔料やそれに対応する粗顔料が挙げられる。黄色有機顔料としては、例えば、C.I.Pigment Yellow 17、同20、同24、同83、同86、同93、同94、同109、同117、同125、同128、同129、同137、同138、同139、同147、同148、同150、同151、同153、同154、同155、同166、同168、同173、同180、同185等の黄色有機顔料が挙げられる。これら黄色有機顔料は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。粗顔料の場合は、前記赤色有機顔料と同様にして顔料となしてから、用いることも出来る。
【0015】
カラーフィルター用途に本発明の製造方法で得た微細赤色顔料組成物を用いる場合には、上記黄色有機顔料の中でも色純度と、透明性と、耐熱性とに優れている点で、C.I.Pigment Yellow 83、同110、同128、同138、同139、同150、同151、同154、同180、同185がより好ましい。
【0016】
本発明では、上記した赤色有機顔料と、黄色有機顔料とを共に磨砕して、赤色有機顔料と黄色有機顔料とを含む、より微細となった黄味の赤色を呈する赤色顔料組成物とする(この共に磨砕するという工程を、以下、共磨砕と称する。)。この共磨砕により微細赤色顔料組成物を調製することにより、赤色有機顔料と黄色有機顔料とを混合し攪拌する様な単純混合による赤色顔料組成物の調製に比べて、各種用途において、より着色力に優れた微細赤色顔料組成物とすることが出来る。また、例えば塗料用途の場合、赤色有機顔料を含む塗料と黄色有機顔料を含む塗料とを混合し混色塗料を調製することがあるが、本発明の微細赤色顔料組成物を用いて調製した塗料は、前記混色塗料より着色力に優れた塗料とすることが出来る。
【0017】
本発明における微細赤色顔料組成物を調製するに当たっての、赤色有機顔料と黄色有機顔料との割合は、用途に応じて適宜選択することができるが、赤色有機顔料/黄色有機顔料(質量比)=95/5〜10/90である。本発明の微細赤色顔料組成物をカラーフィルター用途に使用する場合は、一般的に赤色有機顔料/黄色有機顔料(質量比)=90/10〜15/85が好ましく、中でも同質量比が85/15〜40/60となる様にするのがより好ましい。
【0018】
本発明における共磨砕は、前記赤色有機顔料と、前記黄色有機顔料と、有機溶剤と、水溶性無機塩とを混練する操作である。具体的には、前記赤色有機顔料と、前記黄色有機顔料と、水溶性無機塩との混合物に少量の有機溶剤を加え混練する。この混練には、一般的には、ニーダー、ミックスマーラー等が使用される。
【0019】
本発明における共磨砕は、一次粒子の平均粒子径が10〜100nmとなる様に磨砕を行う。
【0020】
水溶性無機塩としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等やそれら水和物等の無機塩水和物が挙げられる。
【0021】
有機溶剤としては、公知慣用のものが採用できるが、水溶性であることが好ましい。混練時に蒸発し難く、安全性の点から沸点が高い有機溶剤が好ましい。この様な有機溶剤としては、例えば、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノアルキルエーテル、液体ポリエチレングリコール、アルコキシアルカノール、ジプロピレングリコール,ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル、低分子量ポリプロピレングリコール等が用いられる。
【0022】
共磨砕を行うに当たっての、前記赤色有機顔料と、前記黄色有機顔料と、水溶性無機塩と、有機溶剤との割合は、特に制限されないが、一般的には質量換算で、前記赤色有機顔料と前記黄色有機顔料との合計100部あたり、水溶性無機塩300〜2000部、有機溶剤1〜500部である。
【0023】
この共磨砕は、例えば、温度30〜150℃で3〜20時間の範囲で行うことが出来る。また、共磨砕は窒素ガスや希ガスの様な不活性ガスの存在下で行うことも出来る。
【0024】
こうして共磨砕により得られた混練物は、水と混合攪拌して懸濁液となし、水と、有機溶剤とを濾過等により分離することにより、本発明における微細赤色顔料組成物を含むウエットケーキを取り出すことが出来る。このウエットケーキは洗浄し乾燥することにより、粉体で微細な粒子径を有する、本発明における微細赤色顔料組成物とすることが出来る。
【0025】
用途を問わず顔料は、被分散媒体への分散状態におけるその粒子径が小さいほど、これを使用して得られる着色物の透明性が高くなる。したがって、本発明において使用する前記赤色有機顔料および黄色有機顔料は、いずれも一次粒子の平均粒子径が10〜100nmの範囲であるものが好ましく、30〜50nmの範囲が特に好ましい。従って共磨砕は、磨砕前よりも磨砕後の方が平均粒子径が小さくなる様にして、上記平均粒子径範囲の微細有機顔料の混合物の粒子となるまで行うことが好ましい。
【0026】
本発明の製造方法により得た微細赤色顔料組成物をカラーフィルター用途に用いる場合には、例えば、それから微細赤色顔料分散液(着色ペーストと呼ばれることがある。)や微細赤色光硬化性組成物(顔料分散フォトレジストとも呼ばれる。)を調製することになる。ここで微細赤色顔料分散液中に分散させた顔料の一次の平均粒子径が100nmを超えている場合は、これを使用して製造された赤色画素部を有するカラーフィルターの透明性が低下する傾向にあるので好ましくない。また、同10nmよりも小さい場合は、微細赤色顔料分散液等の粘度が経時的に上昇したり、チキソトロピーが強く現れたりするほか、顔料が凝集しやすくなるため、分散状態において、かえって粒子径の大きい二次粒子を形成することがあり、この場合もまた、赤色画素部を有するカラーフィルターの透明性が低下する原因となるので好ましくない。
【0027】
こうして得られた本発明における微細赤色顔料組成物は、静電荷像現像用トナーやカラーフィルターを得るために使用することができる。また、公知慣用の印刷インキ用樹脂、塗料用樹脂、成形用樹脂等に対して分散させることにより、印刷インキ、塗料、着色樹脂成形品等を得ることができる。
【0028】
カラーフィルターを製造するに当たっては、本発明の製造方法で得た微細赤色顔料組成物から、微細赤色顔料分散液や微細赤色光硬化性組成物等が予め調製される場合が多い。この際の微細赤色顔料分散液は、例えば、上記の様にして得られた赤色有機顔料および黄色有機顔料を必須成分とし、これに分散剤、溶剤、および必要に応じて各種添加剤を混合して調製する。
【0029】
前記微細赤色顔料分散液に使用する分散剤としては、一般の顔料分散に使用される公知のものを使用することができ、特に限定されるものではない。例えば、界面活性剤、顔料の中間体もしくは誘導体、染料の中間体もしくは誘導体、あるいは、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂などの樹脂型分散剤が挙げられる。これらの分散剤は、1種単独でも、あるいは、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
【0030】
前記微細赤色顔料分散液には、本発明における微細赤色顔料組成物を安定的に分散させることができる有機溶剤を使用する。この有機溶剤としては、上記分散剤、および後述する微細赤色光硬化性組成物に使用する樹脂およびその他の成分を溶解するものが好ましい。この様な溶剤としては、例えば、酢酸エステル系溶剤、プロピオネート系溶剤、芳香族系溶剤、エーテル系溶剤、ケトン系溶剤、脂肪族炭化水素系溶剤、窒素化合物系溶剤、ラクトン系溶剤、カルバミン酸エステル等が挙げられる。これらの溶剤は、1種単独でも、あるいは2種以上を組み合わせて使用することもできる。
【0031】
前記微細赤色顔料分散液は、上記で得られた赤色有機顔料と黄色有機顔料との混合物、分散剤、有機溶剤、および必要に応じて配合する各種添加剤を、ボールミル、サンドミル、ビーズミル、3本ロールミル、ペイントコンディショナー、アトライター、分散攪拌機、あるいは超音波分散機等を使用し、混合して調製することが出来る。
【0032】
前記微細赤色顔料分散液中に含有される不揮発分の含有率は質量換算で10〜35%の範囲にあることが好ましい。また、該不揮発分中に含有される赤色有機顔料と、黄色有機顔料の合計含有率は、質量換算で8〜23%、分散剤の含有率は、質量換算で2〜15%の範囲、残部が有機溶剤であることが好ましい。
【0033】
本発明における微細赤色光硬化性組成物は、上記微細赤色顔料組成物、分散剤、酸性基を有するアルカリ可溶性バインダー樹脂、光硬化性化合物、および有機溶剤からなる混合物に、必要に応じて添加剤を加えたものである。
【0034】
酸性基を有するアルカリ可溶性バインダー樹脂としては、一分子中に酸性基とエチレン性二重結合を有する単量体とその他の単量体との共重合体が挙げられる。一分子中に酸性基とエチレン性二重結合を有する単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、p−スチレンカルボン酸、p−スチレンスルホン酸、p−ヒドロキシスチレン、無水マレイン酸、マレイン酸モノエステル、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルホスフェート等が挙げられる。中でも、カルボキシル基あるいはフェノール性水酸基を有する単量体を使用するのが好ましい。
【0035】
一分子中に酸性基とエチレン性二重結合を有する単量体と共重合可能な単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、β−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類、スチレン、メチルビニルエーテル、酢酸ビニル、塩化ビニル、N−ビニルピロリドン、アクリルアミドなど、公知の単量体が挙げられる。
【0036】
該酸性基を有するアルカリ可溶性バインダー樹脂の酸価は、共重合用単量体の組成によっても異なるが、20〜250mgKOH/gとするのが好ましく、50〜150mgKOH/gであればより好ましい。
【0037】
本発明における微細赤色光硬化性組成物に使用する光硬化性化合物としては、光重合性あるいは光硬化性官能基を有する化合物を含有する。光重合性官能基を有する化合物を使用する場合は、必要に応じて光重合開始剤を添加する。
【0038】
光重合性あるいは光硬化性官能基を有する化合物は、紫外線や可視光線を照射することにより重合するか、または架橋することによって硬化する。この様な化合物の代表的なものとしては、例えば、側鎖にケイ皮酸残基やアジド基を有する光架橋型感光性樹脂や、光によってラジカル重合あるいは、イオン重合可能な単量体等、いずれも公知の化合物を挙げることができる。この様な単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等の一官能の単量体の他に、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の二〜六官能の多官能単量体が挙げられる。
【0039】
本発明においては、上記単量体の中でも、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートなど、多官能でしかも揮発性の低いものを使用するのが好ましい。これらの単量体は、単独で用いることも、2種以上を混合して使用することもできる。
【0040】
光重合性あるいは光硬化性官能基を有する化合物の配合率は、アルカリ可溶性バインダー樹脂に対して質量換算で25〜150%の範囲が好ましい。光重合性あるいは光硬化性官能基を有する化合物そのものはアルカリに不溶であっても、これを前記微細赤色顔料分散液と共にアルカリ可溶性バインダー樹脂と混合し、さらに必要に応じて光重合開始剤を添加して微細赤色光硬化性組成物を調製し後述するフォトリソグラフィー法に使用した場合は、該光硬化性組成物塗膜の、紫外線あるいは可視光が照射された部分は、光硬化してアルカリ現像液に不溶となるが、照射されなかった部分はアルカリ現像液に溶解除去されて現像される。光重合性あるいは光硬化性官能基を有する化合物の配合率が、アルカリ可溶性バインダー樹脂に対して質量換算で150%を超えると、現像性が低下する傾向にあり、25%未満では、塗膜の光硬化が不十分となる。
【0041】
光重合開始剤としては、公知慣用の光重合開始剤が使用できる。例えば、各種ベンゾフェノン類;キサントン類;p−ジメチルアミノアセトフェノン、ベンジル−4−ジメチルアミノベンゾエート、4−ビス−トリクロロメチル−6−(4−エトキシ)フェニル−S−トリアジン、2−アミルアントラキノン、β−クロルアントラキノン、ビイミダゾール等が挙げられる。
【0042】
市販の光重合開始剤としては、例えば、チバスペシャルティーケミカルズ社製「イルガキュア−184」、「イルガキュア−369」、「ダロキュア−1173」、BASF社製「ルシリン−TPO」、日本化薬社製「カヤキュアーDETX」、「カヤキュアーOA」、ストーファー社製「バイキュアー10」、「バイキュアー55」、アクゾー社製「トリゴナールPI」、サンド社製「サンドレー1000」、アップジョン社製「デープ」、黒金化成社製「ビイミダゾール」等が挙げられる。
【0043】
また、上記光重合開始剤に公知慣用の光増感剤を併用することもできる。光増感剤としては、例えば、アミン類、尿素類、硫黄原子を有する化合物、燐原子を有する化合物、塩素原子を有する化合物またはニトリル類もしくはその他の窒素原子を有する化合物等が挙げられる。これらは、単独で用いることも、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0044】
光重合開始剤の配合率は、特に限定されるものではないが、光重合性あるいは光硬化性官能基を有する化合物に対して質量換算で0.1〜30%の範囲が好ましい。0.1%未満では、光硬化時の感光度が低下する傾向にあり、30%を超えると、微細赤色光硬化性組成物の塗膜を乾燥させたときに、光重合開始剤の結晶が析出して塗膜物性の劣化を引き起こすことがある。
【0045】
微細赤色光硬化性組成物に用いる有機溶剤としては、前記微細赤色顔料分散液を得る際に使用できる溶剤として挙げたものが使用できる。
【0046】
本発明の微細赤色顔料組成物及び光硬化性組成物には、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、例えば、顔料誘導体、染料、樹脂、カップリング剤、レベリング剤、消泡剤、酸化防止剤、安定剤等、公知慣用の添加剤を添加することができる。
【0047】
本発明の微細赤色光硬化性組成物は、前記赤色有機顔料と黄色有機化合物の合計が質量換算で4〜12%、分散剤0.8〜9%、酸性基を有するアルカリ可溶性バインダー樹脂3〜15%、光硬化性化合物0.8〜23%、光重合開始剤0.1〜7%、有機溶剤および必要に応じて添加剤を加えて、不揮発分を20〜30%の範囲とするのが好ましい。
【0048】
一般に、カラーフィルターは以下の工程を経て作製される。
光硬化性組成物を、カラーフィルター用の透明基板のブラックマトリックスを設けた側の面に塗布、加熱乾燥(プリベーク)した後、フォトマスクを介して紫外線を照射することでパターン露光を行って、画素部に対応する箇所の光硬化性化合物を硬化させた後、未露光部分を現像液で現像し、非画素部を除去して画素部を透明基板に固着させる(フォトリソグラフィー法と称す。)。この方法によって、光硬化性組成物の光硬化塗膜層からなる画素部が透明基板上に形成される。
【0049】
各色ごとに同様の操作を3回繰り返して、所定の位置に赤色、緑色、青色(あるいは、シアン、マジェンタ、イエロー)の画素部を有するカラーフィルターを作製する。その後必要に応じて、カラーフィルター全体を加熱処理(ポストベーク)して該光硬化性組成物の光硬化塗膜層をさらに熱硬化させることもできる。
【0050】
以下に、本発明の微細赤色光硬化性組成物を用いた赤色画素部を有するカラーフィルターの製造方法を、上記一般的な製造方法を例として、工程順に更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0051】
微細赤色光硬化性組成物をカラーフィルター用のガラス等の透明基板上に塗布する方法については、特に限定はない。塗布方法としては、例えば、印刷法、スプレー法、ロールコート法、バーコート法、カーテンコート法、スピンコート法、インクジェット法等、公知の方法を用いることができる。
【0052】
カラーフィルター用のガラス等の透明基板上に塗布した微細赤色光硬化性組成物の塗膜の乾燥条件は、各成分の種類、配合割合等によっても異なるが、通常、50〜150℃で、1〜15分間程度である。この加熱処理を一般に「プリベーク」という。
【0053】
また、微細赤色光硬化性組成物の塗膜の光硬化に用いる光としては、200〜500nmの波長範囲の紫外線あるいは可視光を使用するのが好ましい。中でも波長が短くエネルギーの高い紫外線を使用するのがより好ましい。紫外線あるいは可視光の光源としては、フォトファブリケーションの分野で広く使用されているものを使用することができ、例えば、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、水銀−キセノンランプ、エキシマーランプ、ショートアーク灯、ヘリウム・カドミウムレーザー、アルゴンレーザー、Nd−YAGレーザーを用いたTHGやFHG光レーザー等が挙げられる。光源としてレーザーを使用した場合は、フォトマスクを使用しないで、微細赤色光硬化性組成物の塗膜に直接画素パターンを描画することができる。
【0054】
本発明の微細赤色光硬化性組成物は、上記の光だけではなく、電子線に対しても感度を有するので、レーザーと同様に、電子線で微細赤色光硬化性組成物の塗膜に直接画素パターンを描画することもできる。この場合は、前記微細赤色光硬化性化合物中に必ずしも光重合開始剤を配合する必要はない。
【0055】
微細赤色光硬化性組成物の塗膜に光照射して画素パターンを焼き付けた後、現像する際に用いるアルカリ現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、トリメチルアンモニウムヒドロキシドなどの水溶液等を使用することができる。該アルカリ現像液中に、メタノール、エタノール、イソプロパノール等の水溶性有機溶剤、界面活性剤を適当量添加してもよい。
【0056】
現像方法としては、例えば、液盛り法、ディッピング法、スプレー法等が挙げられる。光硬化性組成物の露光、現像の後に、必要な色の画素部が形成された透明基板は水洗し乾燥させる。本発明の微細赤色顔料分散液および微細赤色光硬化性組成物は、赤色画素部用であるが、一般には、各色ごとに上記操作を3回繰り返し、所定の位置の画素部に、それぞれ赤色、緑色、青色の光硬化性組成物の光硬化塗膜層を有するカラーフィルターを作成する。こうして得られたカラーフィルターは、ホットプレート、オーブン等の加熱装置により、100〜280℃で、所定時間加熱処理(ポストベーク)することによって、塗膜中の揮発性成分を除去すると同時に、光硬化性組成物の光硬化塗膜中に残存する未反応の光硬化性化合物が熱硬化し、必要な色の画素部を有するカラーフィルターが完成する。
【0057】
上記工程を経て得られる本発明の赤色画素部を有するカラーフィルターは、透明性、色純度、色濃度に優れている。
【0058】
カラーフィルターは、カラー個体撮像素子や、液晶カラーディスプレイ、カラーCRT等のカラーディスプレイに使用されている。従来のノート型パソコン、携帯情報端末等の小型カラー液晶ディスプレイでは、省電力化が重視されるため、カラーフィルターには、特に透明性が要求されたが、近年、用途が多様化してカラーモニターやカラーテレビ等に使用されるようになった。これと同時にカラー液晶ディスプレイパネルの大型化が図られている。このような背景のもとで、カラーフィルターにも、従来の透明性に加えて、色再現性、耐熱性、耐光性、耐薬品性等の信頼性向上がさらに要求されるようになってきた。
【0059】
この要求に対応するため、カラーフィルターの製造方法も、初期においては着色剤として染料を使用する「染色法」が主流であったが、最近では耐熱性、耐光性、耐薬品性等に優れる顔料を使用した「顔料分散法」が主流となっている。さらに、バインダー樹脂中に分散剤を用いて顔料を分散させた着色組成物に、光重合性モノマー、光重合開始剤を添加した光硬化性着色組成物を透明基板上に塗布して乾燥させ、フォトマスクを通して露光した後、現像して得られる着色パターンを固着するフォトリソグラフィー法が一般的に広く行われている。本発明によれば、上記した要求に合致したカラーフィルターを提供できる。
【0060】
【実施例】
以下、本発明を実施例と比較例により詳細に説明する。尚、「部」および「%」は、特に断りがない限り、質量基準である。
【0061】
(実施例1)[微細赤色顔料組成物の作製]
赤色有機顔料(C.I.Pigment Red 177、大日本インキ化学工業(株)製のFastogen Super Red ATY−01)50部、黄色有機顔料(C.I.Pigment Yellow 154、大日本インキ化学工業(株)製のSymuler Fast Yellow 4192)50部、ジエチレングリコール200部、食塩700部を内容積2Lの双腕式ニーダーに入れ、内温が118℃〜120℃になるよう温度調節をして、より微細な粒子径となる様に6時間磨砕した。その後、内容物を20倍量の温湯に解膠し、濾過、比電導度が0.5μS/cm2になるまで洗浄を行い、食塩、ジエチレングリコールを洗浄除去した。その後、90℃で一昼夜乾燥し、本発明の微細赤色顔料組成物が得られた。該微細赤色顔料組成物は、黄味の赤色を呈しており、一次粒子の平均粒子径が40nmであり、原料よりも微細であった。
【0062】
(実施例2)[微細赤色顔料分散液の作製]
直径0.5mmのジルコニアビーズを仕込んだ五十嵐機械製造社製高速分散機「TSC−6H」に、一次粒子径が40〜50nmで、実施例1で得た微細赤色顔料組成物15部、ビックケミー社製アクリル系分散剤「BYK−2001」4.5部、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート(以下、PGMAcと略記する)80.5部を仕込み、毎分2000回転で8時間攪拌して、微細赤色顔料分散液を得た。
【0063】
(実施例3)[微細赤色光硬化性組成物の作製]
上記実施例2で得た微細赤色顔料分散液100部、大日本インキ化学工業(株)製アルカリ可溶性バインダー樹脂のPGMAc溶液「エクセディックLC−295」(不揮発分:40%、溶液の酸価:33mgKOH/g)31.3部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(光硬化性化合物。以下、DPHAと略記する。)12.5部、及びチバスペシャルティーケミカルズ社製光重合開始剤「イルガキュアー#369」0.3部、PGMAc17.1部を混合した後、孔径1.0μmのフィルターを用いて濾過し、対応する本発明の微細赤色光硬化性組成物を得た。
【0064】
(実施例4)[微細赤色顔料組成物の作製]
赤色有機顔料(C.I.Pigment Red 207、大日本インキ化学工業(株)製のFastogen Super Scarlet GK)70部と黄色有機顔料(C.I.Pigment Yellow 154、大日本インキ化学工業(株)製のSymuler Fast Yellow 4GO)30部を用いる以外は実施例1と同様の操作を行い、本発明の微細赤色顔料組成物が得られた。該微細赤色顔料組成物は、黄味の赤色を呈しており、一次粒子の平均粒子径が50nmであり、原料よりも微細であった。
【0065】
(実施例5)[微細赤色顔料分散液の作製]
実施例4で得た微細赤色顔料組成物を用いる以外は、実施例2と同様の操作を行い、微細赤色顔料分散液を得た。
【0066】
(実施例6)[微細赤色光硬化性組成物の作製]
上記実施例5で得た微細赤色顔料分散液を用いる以外は、実施例3と同様の操作を行い、微細赤色光硬化性組成物を得た。
【0067】
(比較例1)[微細赤色顔料分散液、微細黄色顔料分散液の作製]
(微細赤色顔料分散液)
実施例1で使用した赤色有機顔料のみを用いて実施例1と同様にニーダー磨砕を行って得た同様の一次粒子の平均粒子径をもつ微細赤色有機顔料を用いる以外は、実施例2と同様の操作を行い、微細赤色顔料分散液を得た。
(微細黄色顔料分散液)
実施例1で使用した黄色有機顔料のみを用いて実施例1と同様にニーダー磨砕を行って得た同様の一次粒子の平均粒子径をもつ微細黄色有機顔料を用いる以外は、実施例2と同様の操作を行い、微細黄色顔料分散液を得た。
【0068】
(比較例2)[微細赤色光硬化性組成物の作製]
上記比較例1で各々得た微細赤色顔料分散液50.0部、同微細黄色顔料分散液50.0部を用いる以外は、実施例3と同様の操作を行い、微細赤色光硬化性組成物を得た。
【0069】
(比較例3)[微細赤色顔料分散液、微細黄色顔料分散液の作製]
(微細赤色顔料分散液)
実施例4で使用した赤色有機顔料のみを用いて実施例4と同様にニーダー磨砕を行って得た同様の一次粒子の平均粒子径をもつ微細赤色有機顔料を用いる以外は、実施例2と同様の操作を行い、微細赤色顔料分散液を得た。
(微細黄色顔料分散液)
実施例4で使用した黄色有機顔料のみを用いて実施例4と同様にニーダー磨砕を行って得た同様の一次粒子の平均粒子径をもつ微細黄色有機顔料を用いる以外は、実施例2と同様の操作を行い、微細黄色顔料分散液を得た。
【0070】
(比較例4)[微細赤色光硬化性組成物の作製]
上記比較例3で各々得た微細赤色顔料分散液70.0部、同微細黄色顔料分散液30.0部を用いる以外は、実施例3と同様の操作を行い、微細赤色光硬化性組成物を得た。
【0071】
上記実施例3、6及び比較例2、4でそれぞれ得た微細赤色光硬化性組成物について粘度の測定を行った。
【0072】
[微細赤色光硬化性組成物の粘度測定]
上記作製の各微細赤色光硬化性組成物について、東機産業(株)製VISCOMETER MODEL R−Lで、微細赤色光硬化性組成物作製2時間後と同10日後の粘度(mPa・s)を各々測定した。これらの測定結果をまとめて表1に示す。
【0073】
【表1】
表1
【0074】
[赤色画素部を有するカラーフィルターの製造及びその色評価]
実施例3、6及び比較例2、4の光硬化性組成物は1mm厚ガラスに乾燥膜厚1μmとなるように塗布した。次いでフォトマスクを介して紫外線によるパターン露光を行った後、未露光部分を有機溶剤で洗浄することにより赤色画素部を有するカラーフィルターとした。
【0075】
これらの実施例3、6及び比較例2、4から製造した赤色画素部を有するカラーフィルターの着色力を目視評価した(評価基準は、次の通りである。◎;極めて良好、○;良好、×;不良)。また、このカラーフィルター上の硬化した組成物の着色塗膜について、オリンパス(株)製顕微分光測光装置OSP−SP−200で測色した。尚、実施例3に対して比較例2、実施例6に対して比較例4について色座標x、y値を合わせてCIE発色系色度におけるY値を測定した。これらの測定結果をまとめて表2に示す。
【0076】
【表2】
表2
【0077】
表1、表2の測定結果から明らかなように、赤色有機顔料と黄色有機顔料の共磨砕により作製された微細赤色顔料組成物を含む黄味の微細赤色光硬化性組成物は、微細赤色光硬化性組成物と微細黄色光硬化性組成物とを混合した黄味の微細赤色光硬化性組成物に比べて、粘度の経時変化が小さく、比較的低いことがわかる。また、同組成物を使用して製造した赤色画素部を有するカラーフィルターはY値、着色力がより高いことがわかる。
【0078】
【発明の効果】
本発明の製造方法により得た黄味の微細赤色顔料組成物は、従来の黄味の微細赤色顔料組成物より、樹脂等の被着色媒体への分散性に優れ保存安定性に富み、着色樹脂塗膜の透明性(Y値)、着色力がより高くなるという格別顕著な効果を奏する。したがって、本発明の製造方法により得た微細赤色顔料組成物は、カラーフィルターの赤色パターンの形成に最適である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷インキ、塗料及び着色プラスチック等の着色剤として使用できる黄味の微細赤色顔料組成物の製造方法に関し、中でもパソコン用ディスプレー、モニター、テレビ等の大画面用高色純度液晶表示装置を備えるカラーフィルターに好適な、黄味の微細赤色顔料組成物の製造方法、それで得られた微細赤色顔料組成物を含み赤色画素部を有するカラーフィルターに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来使用されていたカラーフィルターは高透明性であり、バックライトの輝線を良く透過させて色表示できる顔料が優れているとされていた。この技術は現在でも携帯電話やモバイルゲーム機、PDA等、二次電池や乾電池等の限られた電気量で、バックライト光源が電気容量を小さくする必要のある機器については有利である。
【0003】
しかしながら、パーソナルコンピューターの液晶表示モニター、液晶テレビ等、電源を常につないだ状態で使用される機器に使用されるカラーフィルターは、バックライト光源が常に供給される電源を持つため、その要求特性は色純度が高く、かつ高透過性の色材が要求される。
【0004】
この高色純度が要求される液晶表示装置に用いられるカラーフィルターは、ガラス等の透明基板上に赤色、緑色、青色の3色のパターンが形成されたものであり、赤色の着色パターンを形成するためには、一般にジケトピロロピロール系顔料(C.I.Pigment Red 254)やアンスラキノン系顔料(C.I.Pigment Red 177)等の赤色有機顔料からなる着色剤が使用されている。
【0005】
前記赤色有機顔料の中で、例えば、ジケトピロロピロール系顔料は、対称発色団をもつ新規なヘテロ環状化合物であり、1分子中に2個の芳香環を有する。そして、この芳香環はそれぞれ5個の水素原子を有していて、これら合計10個の水素原子は、塩素等のハロゲン原子、アルキル基、フェニル基によって置換可能である。
【0006】
従って、高色純度が要求される液晶表示装置に用いられるカラーフィルターの赤色パターンに使用される前記着色剤は、通常、この10個の水素原子のうちの2個が、塩素によって各パラ位に置換されたジケトピロロピロール顔料やジアミノアンスラキノニルレッド顔料等を含む赤色顔料組成物が使用されていた。
【0007】
また、特開平11−14824号公報、特開2001−240780号公報等では、カラーフィルター用途において赤色有機顔料のみや赤色有機顔料と黄色有機顔料の混色での色相等を改良する目的で、C.I.Pigment Red 177、同254等の赤色有機顔料に、C.I.Pigment Yellow83、139等の黄色有機顔料を添加し、黄味が強い赤色とした赤色顔料組成物も記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、カラーフイルター用途の従来の技術においては、赤色有機顔料と黄色有機顔料とを混色して得られた赤色顔料組成物から黄味の赤色の光硬化性組成物を調製したり、あるいは赤色有機顔料から得た光硬化性組成物と黄色有機顔料から得た光硬化性組成物とを混色して黄味の赤色の光硬化性組成物を調製している。従ってこの様な方法では、黄味の赤色は発色可能であっても、経時的に色別れが起きたり、光硬化性組成物が増粘したりして、安定性が不充分であるという欠点があった。
そしてこの様な経時安定性不良は、カラーフィルター用途以外の印刷インキや塗料等の一般的用途の場合でも、多かれ少なかれ起こる現象である。
本発明は、被着色媒体に加えた時に経時的な色分かれや増粘が起こりにくい微細赤色顔料組成物を提供する。また、前記の他CIE発色系色度におけるY値が大きく透明性に優れたカラーフィルターが得られる微細赤色顔料組成物、高着色力で保存安定性に優れたカラーフィルター用微細赤色光硬化性組成物及び透明性と高着色力を兼備した赤色画素部を有するカラーフィルターを提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、赤色有機顔料と黄色有機顔料とを原料として、これらを共に磨砕して得られた黄味でより微細な赤色顔料組成物とし、それを用いることで、上記課題を解決できることを見い出し、本発明に至った。
即ち本発明は、赤色有機顔料と黄色有機顔料とを原料として、これらを共に磨砕することを特徴とする黄味の微細赤色顔料組成物の製造方法、及びこの製造方法で得られた微細赤色顔料組成物を含むことを特徴とする赤色画素部を有するカラーフィルターを提供することを目的とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に本発明をさらに詳細に説明するが、「カラーフィルター用微細赤色顔料組成物」のことを「微細赤色顔料組成物」と、また「カラーフィルター用微細赤色光硬化性組成物」のことを「微細赤色光硬化性組成物」と、それぞれ略記する。
【0011】
本明細書においては、CIE発色系色度(Y,x,y)のx値が大きいものを「色純度が高い」という。x、y値が一定の値となるように光硬化性組成物の硬化塗膜の膜厚を決めた場合、膜厚が薄いものを「色濃度が高い」といい、Y値が大きいものを「透明性が高い」という。
【0012】
本発明における一方の原料である赤色有機顔料としては、市販赤色有機顔料やそれに対応する粗製顔料が挙げられる。縮合多環系赤色有機顔料としては、例えば、C.I.Pigment Red 86、同88、同122、同123、同149、同168、同177、同179、同189、同190、同194、同198、同207、同209、同216、同224、同254、同255、同264等の縮合多環系赤色有機顔料が挙げられる。さらに、アゾ系赤色有機顔料としては、例えば、C.I.Pigment Red 5、同9、同17、同48:1、同48:2、同48:3、同48:4、同52:2、同144、同166、同242、同256、同268等のアゾ系赤色有機顔料が挙げられる。上記赤色有機顔料の中でもC.I.Pigment Red 177、同179、同207、同209、同254、同268が色純度と透明性、着色力に優れる点で好ましい。これら赤色有機顔料は単独で使用することも出来るし、2種以上を併用することも出来る。粗製顔料の場合は、一般的な顔料化処理を行って顔料となしてから、用いることも出来る。
【0013】
前記した赤色有機顔料は、公知の製造方法によって製造することができる。C.I.Pigment Red 254として公知の赤色有機顔料であるジケトピロロピロール顔料は、例えば、p−クロロベンゾニトリルとブロモ酢酸エステルを亜鉛粉末の存在下で反応させることで製造されるが、製造方法は特に限定されるものではない。C.I.Pigment Red 207として公知の赤色有機顔料であるキナクリドン系固溶体顔料は、例えば、2,5−ジアニリノテレフタル酸と2,5−ジ(2−クロロアニリノ)テレフタル酸とをポリ燐酸中で環化、加水分解する第一工程、第一工程で得られた粗製キナクリドン系固溶体をソルベント法等で顔料化処理する第二工程により製造されるが、製造方法は特に限定されるものではない。C.I.Pigment Red 177として公知の赤色有機顔料であるジアミノアンスラキノニルレッド顔料は、例えば、1−アミノアンスラキノンを、スルホン化、アミノ化、ハロゲン化および酸・アルカリ縮合等の多段階の工程を経る第一工程、第一工程で得られた粗製ジアミノアンスラキノニルレッドをアシッドペースト法とよばれる硫酸中に溶解後、大量の水に取り出して再沈殿させる方法等で顔料化処理する第二工程により製造されるが、製造方法は特に限定されるものではない。
【0014】
本発明おけるもう一方の原料である黄色有機顔料としては、市販黄色有機顔料やそれに対応する粗顔料が挙げられる。黄色有機顔料としては、例えば、C.I.Pigment Yellow 17、同20、同24、同83、同86、同93、同94、同109、同117、同125、同128、同129、同137、同138、同139、同147、同148、同150、同151、同153、同154、同155、同166、同168、同173、同180、同185等の黄色有機顔料が挙げられる。これら黄色有機顔料は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。粗顔料の場合は、前記赤色有機顔料と同様にして顔料となしてから、用いることも出来る。
【0015】
カラーフィルター用途に本発明の製造方法で得た微細赤色顔料組成物を用いる場合には、上記黄色有機顔料の中でも色純度と、透明性と、耐熱性とに優れている点で、C.I.Pigment Yellow 83、同110、同128、同138、同139、同150、同151、同154、同180、同185がより好ましい。
【0016】
本発明では、上記した赤色有機顔料と、黄色有機顔料とを共に磨砕して、赤色有機顔料と黄色有機顔料とを含む、より微細となった黄味の赤色を呈する赤色顔料組成物とする(この共に磨砕するという工程を、以下、共磨砕と称する。)。この共磨砕により微細赤色顔料組成物を調製することにより、赤色有機顔料と黄色有機顔料とを混合し攪拌する様な単純混合による赤色顔料組成物の調製に比べて、各種用途において、より着色力に優れた微細赤色顔料組成物とすることが出来る。また、例えば塗料用途の場合、赤色有機顔料を含む塗料と黄色有機顔料を含む塗料とを混合し混色塗料を調製することがあるが、本発明の微細赤色顔料組成物を用いて調製した塗料は、前記混色塗料より着色力に優れた塗料とすることが出来る。
【0017】
本発明における微細赤色顔料組成物を調製するに当たっての、赤色有機顔料と黄色有機顔料との割合は、用途に応じて適宜選択することができるが、赤色有機顔料/黄色有機顔料(質量比)=95/5〜10/90である。本発明の微細赤色顔料組成物をカラーフィルター用途に使用する場合は、一般的に赤色有機顔料/黄色有機顔料(質量比)=90/10〜15/85が好ましく、中でも同質量比が85/15〜40/60となる様にするのがより好ましい。
【0018】
本発明における共磨砕は、前記赤色有機顔料と、前記黄色有機顔料と、有機溶剤と、水溶性無機塩とを混練する操作である。具体的には、前記赤色有機顔料と、前記黄色有機顔料と、水溶性無機塩との混合物に少量の有機溶剤を加え混練する。この混練には、一般的には、ニーダー、ミックスマーラー等が使用される。
【0019】
本発明における共磨砕は、一次粒子の平均粒子径が10〜100nmとなる様に磨砕を行う。
【0020】
水溶性無機塩としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等やそれら水和物等の無機塩水和物が挙げられる。
【0021】
有機溶剤としては、公知慣用のものが採用できるが、水溶性であることが好ましい。混練時に蒸発し難く、安全性の点から沸点が高い有機溶剤が好ましい。この様な有機溶剤としては、例えば、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノアルキルエーテル、液体ポリエチレングリコール、アルコキシアルカノール、ジプロピレングリコール,ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル、低分子量ポリプロピレングリコール等が用いられる。
【0022】
共磨砕を行うに当たっての、前記赤色有機顔料と、前記黄色有機顔料と、水溶性無機塩と、有機溶剤との割合は、特に制限されないが、一般的には質量換算で、前記赤色有機顔料と前記黄色有機顔料との合計100部あたり、水溶性無機塩300〜2000部、有機溶剤1〜500部である。
【0023】
この共磨砕は、例えば、温度30〜150℃で3〜20時間の範囲で行うことが出来る。また、共磨砕は窒素ガスや希ガスの様な不活性ガスの存在下で行うことも出来る。
【0024】
こうして共磨砕により得られた混練物は、水と混合攪拌して懸濁液となし、水と、有機溶剤とを濾過等により分離することにより、本発明における微細赤色顔料組成物を含むウエットケーキを取り出すことが出来る。このウエットケーキは洗浄し乾燥することにより、粉体で微細な粒子径を有する、本発明における微細赤色顔料組成物とすることが出来る。
【0025】
用途を問わず顔料は、被分散媒体への分散状態におけるその粒子径が小さいほど、これを使用して得られる着色物の透明性が高くなる。したがって、本発明において使用する前記赤色有機顔料および黄色有機顔料は、いずれも一次粒子の平均粒子径が10〜100nmの範囲であるものが好ましく、30〜50nmの範囲が特に好ましい。従って共磨砕は、磨砕前よりも磨砕後の方が平均粒子径が小さくなる様にして、上記平均粒子径範囲の微細有機顔料の混合物の粒子となるまで行うことが好ましい。
【0026】
本発明の製造方法により得た微細赤色顔料組成物をカラーフィルター用途に用いる場合には、例えば、それから微細赤色顔料分散液(着色ペーストと呼ばれることがある。)や微細赤色光硬化性組成物(顔料分散フォトレジストとも呼ばれる。)を調製することになる。ここで微細赤色顔料分散液中に分散させた顔料の一次の平均粒子径が100nmを超えている場合は、これを使用して製造された赤色画素部を有するカラーフィルターの透明性が低下する傾向にあるので好ましくない。また、同10nmよりも小さい場合は、微細赤色顔料分散液等の粘度が経時的に上昇したり、チキソトロピーが強く現れたりするほか、顔料が凝集しやすくなるため、分散状態において、かえって粒子径の大きい二次粒子を形成することがあり、この場合もまた、赤色画素部を有するカラーフィルターの透明性が低下する原因となるので好ましくない。
【0027】
こうして得られた本発明における微細赤色顔料組成物は、静電荷像現像用トナーやカラーフィルターを得るために使用することができる。また、公知慣用の印刷インキ用樹脂、塗料用樹脂、成形用樹脂等に対して分散させることにより、印刷インキ、塗料、着色樹脂成形品等を得ることができる。
【0028】
カラーフィルターを製造するに当たっては、本発明の製造方法で得た微細赤色顔料組成物から、微細赤色顔料分散液や微細赤色光硬化性組成物等が予め調製される場合が多い。この際の微細赤色顔料分散液は、例えば、上記の様にして得られた赤色有機顔料および黄色有機顔料を必須成分とし、これに分散剤、溶剤、および必要に応じて各種添加剤を混合して調製する。
【0029】
前記微細赤色顔料分散液に使用する分散剤としては、一般の顔料分散に使用される公知のものを使用することができ、特に限定されるものではない。例えば、界面活性剤、顔料の中間体もしくは誘導体、染料の中間体もしくは誘導体、あるいは、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂などの樹脂型分散剤が挙げられる。これらの分散剤は、1種単独でも、あるいは、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
【0030】
前記微細赤色顔料分散液には、本発明における微細赤色顔料組成物を安定的に分散させることができる有機溶剤を使用する。この有機溶剤としては、上記分散剤、および後述する微細赤色光硬化性組成物に使用する樹脂およびその他の成分を溶解するものが好ましい。この様な溶剤としては、例えば、酢酸エステル系溶剤、プロピオネート系溶剤、芳香族系溶剤、エーテル系溶剤、ケトン系溶剤、脂肪族炭化水素系溶剤、窒素化合物系溶剤、ラクトン系溶剤、カルバミン酸エステル等が挙げられる。これらの溶剤は、1種単独でも、あるいは2種以上を組み合わせて使用することもできる。
【0031】
前記微細赤色顔料分散液は、上記で得られた赤色有機顔料と黄色有機顔料との混合物、分散剤、有機溶剤、および必要に応じて配合する各種添加剤を、ボールミル、サンドミル、ビーズミル、3本ロールミル、ペイントコンディショナー、アトライター、分散攪拌機、あるいは超音波分散機等を使用し、混合して調製することが出来る。
【0032】
前記微細赤色顔料分散液中に含有される不揮発分の含有率は質量換算で10〜35%の範囲にあることが好ましい。また、該不揮発分中に含有される赤色有機顔料と、黄色有機顔料の合計含有率は、質量換算で8〜23%、分散剤の含有率は、質量換算で2〜15%の範囲、残部が有機溶剤であることが好ましい。
【0033】
本発明における微細赤色光硬化性組成物は、上記微細赤色顔料組成物、分散剤、酸性基を有するアルカリ可溶性バインダー樹脂、光硬化性化合物、および有機溶剤からなる混合物に、必要に応じて添加剤を加えたものである。
【0034】
酸性基を有するアルカリ可溶性バインダー樹脂としては、一分子中に酸性基とエチレン性二重結合を有する単量体とその他の単量体との共重合体が挙げられる。一分子中に酸性基とエチレン性二重結合を有する単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、p−スチレンカルボン酸、p−スチレンスルホン酸、p−ヒドロキシスチレン、無水マレイン酸、マレイン酸モノエステル、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルホスフェート等が挙げられる。中でも、カルボキシル基あるいはフェノール性水酸基を有する単量体を使用するのが好ましい。
【0035】
一分子中に酸性基とエチレン性二重結合を有する単量体と共重合可能な単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、β−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類、スチレン、メチルビニルエーテル、酢酸ビニル、塩化ビニル、N−ビニルピロリドン、アクリルアミドなど、公知の単量体が挙げられる。
【0036】
該酸性基を有するアルカリ可溶性バインダー樹脂の酸価は、共重合用単量体の組成によっても異なるが、20〜250mgKOH/gとするのが好ましく、50〜150mgKOH/gであればより好ましい。
【0037】
本発明における微細赤色光硬化性組成物に使用する光硬化性化合物としては、光重合性あるいは光硬化性官能基を有する化合物を含有する。光重合性官能基を有する化合物を使用する場合は、必要に応じて光重合開始剤を添加する。
【0038】
光重合性あるいは光硬化性官能基を有する化合物は、紫外線や可視光線を照射することにより重合するか、または架橋することによって硬化する。この様な化合物の代表的なものとしては、例えば、側鎖にケイ皮酸残基やアジド基を有する光架橋型感光性樹脂や、光によってラジカル重合あるいは、イオン重合可能な単量体等、いずれも公知の化合物を挙げることができる。この様な単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等の一官能の単量体の他に、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の二〜六官能の多官能単量体が挙げられる。
【0039】
本発明においては、上記単量体の中でも、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートなど、多官能でしかも揮発性の低いものを使用するのが好ましい。これらの単量体は、単独で用いることも、2種以上を混合して使用することもできる。
【0040】
光重合性あるいは光硬化性官能基を有する化合物の配合率は、アルカリ可溶性バインダー樹脂に対して質量換算で25〜150%の範囲が好ましい。光重合性あるいは光硬化性官能基を有する化合物そのものはアルカリに不溶であっても、これを前記微細赤色顔料分散液と共にアルカリ可溶性バインダー樹脂と混合し、さらに必要に応じて光重合開始剤を添加して微細赤色光硬化性組成物を調製し後述するフォトリソグラフィー法に使用した場合は、該光硬化性組成物塗膜の、紫外線あるいは可視光が照射された部分は、光硬化してアルカリ現像液に不溶となるが、照射されなかった部分はアルカリ現像液に溶解除去されて現像される。光重合性あるいは光硬化性官能基を有する化合物の配合率が、アルカリ可溶性バインダー樹脂に対して質量換算で150%を超えると、現像性が低下する傾向にあり、25%未満では、塗膜の光硬化が不十分となる。
【0041】
光重合開始剤としては、公知慣用の光重合開始剤が使用できる。例えば、各種ベンゾフェノン類;キサントン類;p−ジメチルアミノアセトフェノン、ベンジル−4−ジメチルアミノベンゾエート、4−ビス−トリクロロメチル−6−(4−エトキシ)フェニル−S−トリアジン、2−アミルアントラキノン、β−クロルアントラキノン、ビイミダゾール等が挙げられる。
【0042】
市販の光重合開始剤としては、例えば、チバスペシャルティーケミカルズ社製「イルガキュア−184」、「イルガキュア−369」、「ダロキュア−1173」、BASF社製「ルシリン−TPO」、日本化薬社製「カヤキュアーDETX」、「カヤキュアーOA」、ストーファー社製「バイキュアー10」、「バイキュアー55」、アクゾー社製「トリゴナールPI」、サンド社製「サンドレー1000」、アップジョン社製「デープ」、黒金化成社製「ビイミダゾール」等が挙げられる。
【0043】
また、上記光重合開始剤に公知慣用の光増感剤を併用することもできる。光増感剤としては、例えば、アミン類、尿素類、硫黄原子を有する化合物、燐原子を有する化合物、塩素原子を有する化合物またはニトリル類もしくはその他の窒素原子を有する化合物等が挙げられる。これらは、単独で用いることも、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0044】
光重合開始剤の配合率は、特に限定されるものではないが、光重合性あるいは光硬化性官能基を有する化合物に対して質量換算で0.1〜30%の範囲が好ましい。0.1%未満では、光硬化時の感光度が低下する傾向にあり、30%を超えると、微細赤色光硬化性組成物の塗膜を乾燥させたときに、光重合開始剤の結晶が析出して塗膜物性の劣化を引き起こすことがある。
【0045】
微細赤色光硬化性組成物に用いる有機溶剤としては、前記微細赤色顔料分散液を得る際に使用できる溶剤として挙げたものが使用できる。
【0046】
本発明の微細赤色顔料組成物及び光硬化性組成物には、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、例えば、顔料誘導体、染料、樹脂、カップリング剤、レベリング剤、消泡剤、酸化防止剤、安定剤等、公知慣用の添加剤を添加することができる。
【0047】
本発明の微細赤色光硬化性組成物は、前記赤色有機顔料と黄色有機化合物の合計が質量換算で4〜12%、分散剤0.8〜9%、酸性基を有するアルカリ可溶性バインダー樹脂3〜15%、光硬化性化合物0.8〜23%、光重合開始剤0.1〜7%、有機溶剤および必要に応じて添加剤を加えて、不揮発分を20〜30%の範囲とするのが好ましい。
【0048】
一般に、カラーフィルターは以下の工程を経て作製される。
光硬化性組成物を、カラーフィルター用の透明基板のブラックマトリックスを設けた側の面に塗布、加熱乾燥(プリベーク)した後、フォトマスクを介して紫外線を照射することでパターン露光を行って、画素部に対応する箇所の光硬化性化合物を硬化させた後、未露光部分を現像液で現像し、非画素部を除去して画素部を透明基板に固着させる(フォトリソグラフィー法と称す。)。この方法によって、光硬化性組成物の光硬化塗膜層からなる画素部が透明基板上に形成される。
【0049】
各色ごとに同様の操作を3回繰り返して、所定の位置に赤色、緑色、青色(あるいは、シアン、マジェンタ、イエロー)の画素部を有するカラーフィルターを作製する。その後必要に応じて、カラーフィルター全体を加熱処理(ポストベーク)して該光硬化性組成物の光硬化塗膜層をさらに熱硬化させることもできる。
【0050】
以下に、本発明の微細赤色光硬化性組成物を用いた赤色画素部を有するカラーフィルターの製造方法を、上記一般的な製造方法を例として、工程順に更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0051】
微細赤色光硬化性組成物をカラーフィルター用のガラス等の透明基板上に塗布する方法については、特に限定はない。塗布方法としては、例えば、印刷法、スプレー法、ロールコート法、バーコート法、カーテンコート法、スピンコート法、インクジェット法等、公知の方法を用いることができる。
【0052】
カラーフィルター用のガラス等の透明基板上に塗布した微細赤色光硬化性組成物の塗膜の乾燥条件は、各成分の種類、配合割合等によっても異なるが、通常、50〜150℃で、1〜15分間程度である。この加熱処理を一般に「プリベーク」という。
【0053】
また、微細赤色光硬化性組成物の塗膜の光硬化に用いる光としては、200〜500nmの波長範囲の紫外線あるいは可視光を使用するのが好ましい。中でも波長が短くエネルギーの高い紫外線を使用するのがより好ましい。紫外線あるいは可視光の光源としては、フォトファブリケーションの分野で広く使用されているものを使用することができ、例えば、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、水銀−キセノンランプ、エキシマーランプ、ショートアーク灯、ヘリウム・カドミウムレーザー、アルゴンレーザー、Nd−YAGレーザーを用いたTHGやFHG光レーザー等が挙げられる。光源としてレーザーを使用した場合は、フォトマスクを使用しないで、微細赤色光硬化性組成物の塗膜に直接画素パターンを描画することができる。
【0054】
本発明の微細赤色光硬化性組成物は、上記の光だけではなく、電子線に対しても感度を有するので、レーザーと同様に、電子線で微細赤色光硬化性組成物の塗膜に直接画素パターンを描画することもできる。この場合は、前記微細赤色光硬化性化合物中に必ずしも光重合開始剤を配合する必要はない。
【0055】
微細赤色光硬化性組成物の塗膜に光照射して画素パターンを焼き付けた後、現像する際に用いるアルカリ現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、トリメチルアンモニウムヒドロキシドなどの水溶液等を使用することができる。該アルカリ現像液中に、メタノール、エタノール、イソプロパノール等の水溶性有機溶剤、界面活性剤を適当量添加してもよい。
【0056】
現像方法としては、例えば、液盛り法、ディッピング法、スプレー法等が挙げられる。光硬化性組成物の露光、現像の後に、必要な色の画素部が形成された透明基板は水洗し乾燥させる。本発明の微細赤色顔料分散液および微細赤色光硬化性組成物は、赤色画素部用であるが、一般には、各色ごとに上記操作を3回繰り返し、所定の位置の画素部に、それぞれ赤色、緑色、青色の光硬化性組成物の光硬化塗膜層を有するカラーフィルターを作成する。こうして得られたカラーフィルターは、ホットプレート、オーブン等の加熱装置により、100〜280℃で、所定時間加熱処理(ポストベーク)することによって、塗膜中の揮発性成分を除去すると同時に、光硬化性組成物の光硬化塗膜中に残存する未反応の光硬化性化合物が熱硬化し、必要な色の画素部を有するカラーフィルターが完成する。
【0057】
上記工程を経て得られる本発明の赤色画素部を有するカラーフィルターは、透明性、色純度、色濃度に優れている。
【0058】
カラーフィルターは、カラー個体撮像素子や、液晶カラーディスプレイ、カラーCRT等のカラーディスプレイに使用されている。従来のノート型パソコン、携帯情報端末等の小型カラー液晶ディスプレイでは、省電力化が重視されるため、カラーフィルターには、特に透明性が要求されたが、近年、用途が多様化してカラーモニターやカラーテレビ等に使用されるようになった。これと同時にカラー液晶ディスプレイパネルの大型化が図られている。このような背景のもとで、カラーフィルターにも、従来の透明性に加えて、色再現性、耐熱性、耐光性、耐薬品性等の信頼性向上がさらに要求されるようになってきた。
【0059】
この要求に対応するため、カラーフィルターの製造方法も、初期においては着色剤として染料を使用する「染色法」が主流であったが、最近では耐熱性、耐光性、耐薬品性等に優れる顔料を使用した「顔料分散法」が主流となっている。さらに、バインダー樹脂中に分散剤を用いて顔料を分散させた着色組成物に、光重合性モノマー、光重合開始剤を添加した光硬化性着色組成物を透明基板上に塗布して乾燥させ、フォトマスクを通して露光した後、現像して得られる着色パターンを固着するフォトリソグラフィー法が一般的に広く行われている。本発明によれば、上記した要求に合致したカラーフィルターを提供できる。
【0060】
【実施例】
以下、本発明を実施例と比較例により詳細に説明する。尚、「部」および「%」は、特に断りがない限り、質量基準である。
【0061】
(実施例1)[微細赤色顔料組成物の作製]
赤色有機顔料(C.I.Pigment Red 177、大日本インキ化学工業(株)製のFastogen Super Red ATY−01)50部、黄色有機顔料(C.I.Pigment Yellow 154、大日本インキ化学工業(株)製のSymuler Fast Yellow 4192)50部、ジエチレングリコール200部、食塩700部を内容積2Lの双腕式ニーダーに入れ、内温が118℃〜120℃になるよう温度調節をして、より微細な粒子径となる様に6時間磨砕した。その後、内容物を20倍量の温湯に解膠し、濾過、比電導度が0.5μS/cm2になるまで洗浄を行い、食塩、ジエチレングリコールを洗浄除去した。その後、90℃で一昼夜乾燥し、本発明の微細赤色顔料組成物が得られた。該微細赤色顔料組成物は、黄味の赤色を呈しており、一次粒子の平均粒子径が40nmであり、原料よりも微細であった。
【0062】
(実施例2)[微細赤色顔料分散液の作製]
直径0.5mmのジルコニアビーズを仕込んだ五十嵐機械製造社製高速分散機「TSC−6H」に、一次粒子径が40〜50nmで、実施例1で得た微細赤色顔料組成物15部、ビックケミー社製アクリル系分散剤「BYK−2001」4.5部、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート(以下、PGMAcと略記する)80.5部を仕込み、毎分2000回転で8時間攪拌して、微細赤色顔料分散液を得た。
【0063】
(実施例3)[微細赤色光硬化性組成物の作製]
上記実施例2で得た微細赤色顔料分散液100部、大日本インキ化学工業(株)製アルカリ可溶性バインダー樹脂のPGMAc溶液「エクセディックLC−295」(不揮発分:40%、溶液の酸価:33mgKOH/g)31.3部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(光硬化性化合物。以下、DPHAと略記する。)12.5部、及びチバスペシャルティーケミカルズ社製光重合開始剤「イルガキュアー#369」0.3部、PGMAc17.1部を混合した後、孔径1.0μmのフィルターを用いて濾過し、対応する本発明の微細赤色光硬化性組成物を得た。
【0064】
(実施例4)[微細赤色顔料組成物の作製]
赤色有機顔料(C.I.Pigment Red 207、大日本インキ化学工業(株)製のFastogen Super Scarlet GK)70部と黄色有機顔料(C.I.Pigment Yellow 154、大日本インキ化学工業(株)製のSymuler Fast Yellow 4GO)30部を用いる以外は実施例1と同様の操作を行い、本発明の微細赤色顔料組成物が得られた。該微細赤色顔料組成物は、黄味の赤色を呈しており、一次粒子の平均粒子径が50nmであり、原料よりも微細であった。
【0065】
(実施例5)[微細赤色顔料分散液の作製]
実施例4で得た微細赤色顔料組成物を用いる以外は、実施例2と同様の操作を行い、微細赤色顔料分散液を得た。
【0066】
(実施例6)[微細赤色光硬化性組成物の作製]
上記実施例5で得た微細赤色顔料分散液を用いる以外は、実施例3と同様の操作を行い、微細赤色光硬化性組成物を得た。
【0067】
(比較例1)[微細赤色顔料分散液、微細黄色顔料分散液の作製]
(微細赤色顔料分散液)
実施例1で使用した赤色有機顔料のみを用いて実施例1と同様にニーダー磨砕を行って得た同様の一次粒子の平均粒子径をもつ微細赤色有機顔料を用いる以外は、実施例2と同様の操作を行い、微細赤色顔料分散液を得た。
(微細黄色顔料分散液)
実施例1で使用した黄色有機顔料のみを用いて実施例1と同様にニーダー磨砕を行って得た同様の一次粒子の平均粒子径をもつ微細黄色有機顔料を用いる以外は、実施例2と同様の操作を行い、微細黄色顔料分散液を得た。
【0068】
(比較例2)[微細赤色光硬化性組成物の作製]
上記比較例1で各々得た微細赤色顔料分散液50.0部、同微細黄色顔料分散液50.0部を用いる以外は、実施例3と同様の操作を行い、微細赤色光硬化性組成物を得た。
【0069】
(比較例3)[微細赤色顔料分散液、微細黄色顔料分散液の作製]
(微細赤色顔料分散液)
実施例4で使用した赤色有機顔料のみを用いて実施例4と同様にニーダー磨砕を行って得た同様の一次粒子の平均粒子径をもつ微細赤色有機顔料を用いる以外は、実施例2と同様の操作を行い、微細赤色顔料分散液を得た。
(微細黄色顔料分散液)
実施例4で使用した黄色有機顔料のみを用いて実施例4と同様にニーダー磨砕を行って得た同様の一次粒子の平均粒子径をもつ微細黄色有機顔料を用いる以外は、実施例2と同様の操作を行い、微細黄色顔料分散液を得た。
【0070】
(比較例4)[微細赤色光硬化性組成物の作製]
上記比較例3で各々得た微細赤色顔料分散液70.0部、同微細黄色顔料分散液30.0部を用いる以外は、実施例3と同様の操作を行い、微細赤色光硬化性組成物を得た。
【0071】
上記実施例3、6及び比較例2、4でそれぞれ得た微細赤色光硬化性組成物について粘度の測定を行った。
【0072】
[微細赤色光硬化性組成物の粘度測定]
上記作製の各微細赤色光硬化性組成物について、東機産業(株)製VISCOMETER MODEL R−Lで、微細赤色光硬化性組成物作製2時間後と同10日後の粘度(mPa・s)を各々測定した。これらの測定結果をまとめて表1に示す。
【0073】
【表1】
表1
【0074】
[赤色画素部を有するカラーフィルターの製造及びその色評価]
実施例3、6及び比較例2、4の光硬化性組成物は1mm厚ガラスに乾燥膜厚1μmとなるように塗布した。次いでフォトマスクを介して紫外線によるパターン露光を行った後、未露光部分を有機溶剤で洗浄することにより赤色画素部を有するカラーフィルターとした。
【0075】
これらの実施例3、6及び比較例2、4から製造した赤色画素部を有するカラーフィルターの着色力を目視評価した(評価基準は、次の通りである。◎;極めて良好、○;良好、×;不良)。また、このカラーフィルター上の硬化した組成物の着色塗膜について、オリンパス(株)製顕微分光測光装置OSP−SP−200で測色した。尚、実施例3に対して比較例2、実施例6に対して比較例4について色座標x、y値を合わせてCIE発色系色度におけるY値を測定した。これらの測定結果をまとめて表2に示す。
【0076】
【表2】
表2
【0077】
表1、表2の測定結果から明らかなように、赤色有機顔料と黄色有機顔料の共磨砕により作製された微細赤色顔料組成物を含む黄味の微細赤色光硬化性組成物は、微細赤色光硬化性組成物と微細黄色光硬化性組成物とを混合した黄味の微細赤色光硬化性組成物に比べて、粘度の経時変化が小さく、比較的低いことがわかる。また、同組成物を使用して製造した赤色画素部を有するカラーフィルターはY値、着色力がより高いことがわかる。
【0078】
【発明の効果】
本発明の製造方法により得た黄味の微細赤色顔料組成物は、従来の黄味の微細赤色顔料組成物より、樹脂等の被着色媒体への分散性に優れ保存安定性に富み、着色樹脂塗膜の透明性(Y値)、着色力がより高くなるという格別顕著な効果を奏する。したがって、本発明の製造方法により得た微細赤色顔料組成物は、カラーフィルターの赤色パターンの形成に最適である。
Claims (4)
- 赤色有機顔料と黄色有機顔料とを原料として、これらを共に磨砕することを特徴とする黄味の微細赤色顔料組成物の製造方法。
- 赤色有機顔料が、縮合多環系顔料またはアゾ系顔料であり、かつカラーフィルター用途である請求項1記載の組成物の製造方法。
- 一次粒子の平均粒子径が10〜100nmとなる様に磨砕を行う請求項1または2記載の組成物の製造方法。
- 請求項1、2または3記載の製造方法で得られた微細赤色顔料組成物を含むことを特徴とする赤色画素部を有するカラーフィルター。
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