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JP2004086966A - 光情報再生装置および光情報記録再生装置 - Google Patents

光情報再生装置および光情報記録再生装置 Download PDF

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JP2004086966A
JP2004086966A JP2002244726A JP2002244726A JP2004086966A JP 2004086966 A JP2004086966 A JP 2004086966A JP 2002244726 A JP2002244726 A JP 2002244726A JP 2002244726 A JP2002244726 A JP 2002244726A JP 2004086966 A JP2004086966 A JP 2004086966A
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松本 公三
Hideyoshi Horigome
堀米 秀嘉
Wataru Kubo
久保 渉
Takashi Takishima
滝島 俊
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Pentax Corp
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    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
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    • G11B7/08Disposition or mounting of heads or light sources relatively to record carriers
    • G11B7/083Disposition or mounting of heads or light sources relatively to record carriers relative to record carriers storing information in the form of optical interference patterns, e.g. holograms

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  • Optical Recording Or Reproduction (AREA)
  • Holo Graphy (AREA)
  • Optical Head (AREA)

Abstract

【課題】ホログラフィを利用して記録媒体から2次元画像情報を正確に再生することができるようにする。
【解決手段】光ヘッド11内の記録再生光学系は、記録時には、情報光と記録用参照光との干渉によって記録媒体1に2次元画像情報が記録されるように、情報光と記録用参照光を記録媒体1に照射する。記録再生光学系は、再生時には、再生用参照光を記録媒体1に対して照射し、記録媒体1より発生される再生光を収集し検出する。光情報記録再生装置は、傾き検出器95と像ずれ補正回路96を備えている。傾き検出器95は、所定の基準位置に対する記録媒体1の傾きを検出する。像ずれ補正回路96は、傾き検出器95の出力信号に基づいて、光ヘッド11内の光学系の一部を構成するレンズを移動させて、光ヘッド11内の固体撮像素子に入射する再生光の像と固体撮像素子との間の位置ずれを補正する。
【選択図】     図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ホログラフィを利用して記録媒体から2次元画像情報を再生する光情報再生装置、およびホログラフィを利用して記録媒体に2次元画像情報を記録すると共に記録媒体から2次元画像情報を再生光情報記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ホログラフィを利用して記録媒体に情報を記録するホログラフィック記録は、一般的に、イメージ情報を持った光と参照光とを記録媒体の内部で重ね合わせ、そのときにできる干渉パターンを記録媒体に書き込むことによって行われる。記録された情報の再生時には、その記録媒体に参照光を照射することにより、干渉パターンによる回折によりイメージ情報が再生される。
【0003】
近年では、超高密度光記録のために、ボリュームホログラフィ、特にデジタルボリュームホログラフィが実用域で開発され注目を集めている。ボリュームホログラフィとは、記録媒体の厚み方向も積極的に活用して、3次元的に干渉パターンを書き込む方式であり、厚みを増すことで回折効率を高め、多重記録を用いて記録容量の増大を図ることができるという特徴がある。そして、デジタルボリュームホログラフィとは、ボリュームホログラフィと同様の記録媒体と記録方式を用いつつも、記録するイメージ情報は2値化したデジタルパターンに限定した、コンピュータ指向のホログラフィック記録方式である。このデジタルボリュームホログラフィでは、例えばアナログ的な絵のような画像情報も、一旦デジタイズして、2次元デジタルパターン情報に展開し、これをイメージ情報として記録する。再生時は、このデジタルパターン情報を読み出してデコードすることで、元の画像情報に戻して表示する。これにより、再生時に信号対雑音比(以下、SN比と記す。)が多少悪くても、微分検出を行ったり、2値化データをコード化しエラー訂正を行ったりすることで、極めて忠実に元の情報を再現することが可能になる。
【0004】
上述のようにホログラフィを利用して記録媒体に情報を記録する場合には、2次元画像情報を担持した情報光と記録用参照光とを、記録媒体における同一の領域に入射させる。そして、情報光と記録用参照光との干渉による干渉パターンによって、記録媒体に情報を記録する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ホログラフィを利用して記録媒体に情報を記録すると共に、ホログラフィを利用して記録媒体から情報を再生する光情報記録再生装置の構成としては、例えば、次のような構成が考えられる。すなわち、記録媒体として、回転する円板状の記録媒体を用いると共に、この記録媒体に対して移動可能な光ヘッド内に、記録再生用の光学系を収納するという構成である。
【0006】
ところで、一般的に、上記情報光は、複数の画素を有する空間光検出器によって生成される。この場合、情報光および再生光は、複数の画素を有することになる。また、一般的に、再生光は、複数の画素を有する光検出器によって検出される。そのため、情報を正確に再生するためには、光検出器の画素と、光検出器に投影される再生光の画素との位置合わせを正確に行わなければならない。
【0007】
しかしながら、前述のような構成の光情報記録再生装置では、記録媒体の傾き等により光ヘッド内の光学系と記録媒体との位置関係が変動し、その結果、光検出器の画素と再生光の画素との位置関係が変動し、情報の再生が正確に行われなくなる場合があるという問題点がある。
【0008】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、ホログラフィを利用して記録媒体から2次元画像情報を正確に再生することができるようにした光情報再生装置を提供することにある。
【0009】
本発明の第2の目的は、ホログラフィを利用して記録媒体に2次元画像情報を記録すると共にホログラフィを利用して記録媒体から2次元画像情報を再生する光情報記録再生装置であって、記録媒体から2次元画像情報を正確に再生することができるようにした光情報記録再生装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の光情報再生装置は、2次元画像情報を担持した情報光と記録用参照光との干渉によって2次元画像情報が記録された記録媒体から、ホログラフィを利用して2次元画像情報を再生するための装置であって、
再生用参照光を生成する再生用参照光生成手段と、
再生用参照光生成手段によって生成された再生用参照光を記録媒体に対して照射すると共に、再生用参照光が照射されることによって記録媒体より発生される、2次元画像情報を担持した再生光を収集する再生光学系と、
再生光学系によって収集された再生光が入射され、この再生光を検出する再生光検出手段と、
再生光検出手段に入射する再生光と再生光検出手段との間の位置ずれに関係する再生光位置ずれ情報を検出する再生光位置ずれ検出手段と、
再生光位置ずれ検出手段によって検出された再生光位置ずれ情報に基づいて、位置ずれを補正する補正手段とを備えたものである。
【0011】
本発明の光情報再生装置では、再生用参照光が照射されることによって記録媒体より発生される再生光が再生光検出手段によって検出される。また、この光情報再生装置では、再生光位置ずれ検出手段によって、再生光検出手段に入射する再生光と再生光検出手段との間の位置ずれに関係する再生光位置ずれ情報が検出され、この情報に基づいて、補正手段によって位置ずれが補正される。
【0012】
本発明の光情報記録再生装置は、ホログラフィを利用して記録媒体に2次元画像情報を記録すると共に、ホログラフィを利用して記録媒体から2次元画像情報を再生するための装置であって、
2次元画像情報を担持した情報光を生成する情報光生成手段と、
記録用参照光を生成する記録用参照光生成手段と、
再生用参照光を生成する再生用参照光生成手段と、
情報の記録時には、情報光と記録用参照光との干渉によって記録媒体に2次元画像情報が記録されるように、情報光生成手段によって生成された情報光と記録用参照光生成手段によって生成された記録用参照光とを記録媒体に照射し、情報の再生時には、再生用参照光生成手段によって生成された再生用参照光を記録媒体に対して照射すると共に、再生用参照光が照射されることによって記録媒体より発生される、2次元画像情報を担持した再生光を収集する記録再生光学系と、記録再生光学系によって収集された再生光が入射され、この再生光を検出する再生光検出手段と、
再生光検出手段に入射する再生光と再生光検出手段との間の位置ずれに関係する再生光位置ずれ情報を検出する再生光位置ずれ検出手段と、
再生光位置ずれ検出手段によって検出された再生光位置ずれ情報に基づいて、位置ずれを補正する補正手段とを備えたものである。
【0013】
本発明の光情報記録再生装置では、情報の記録時には、情報光と記録用参照光とが記録媒体に照射され、これらの干渉によって記録媒体に2次元画像情報が記録される。また、この光情報記録再生装置では、情報の再生時には、再生用参照光が照射されることによって記録媒体より発生される再生光が再生光検出手段によって検出される。また、この光情報記録再生装置では、再生光位置ずれ検出手段によって、再生光検出手段に入射する再生光と再生光検出手段との間の位置ずれに関係する再生光位置ずれ情報が検出され、この情報に基づいて、補正手段によって位置ずれが補正される。
【0014】
本発明の光情報再生装置または光情報記録再生装置において、再生光位置ずれ検出手段は、再生光位置ずれ情報として、所定の基準位置に対する記録媒体の傾きの情報を検出してもよい。
【0015】
また、本発明の光情報再生装置または光情報記録再生装置は、更に、記録媒体に入射する再生用参照光と記録媒体との位置関係に関する情報を検出する参照光位置情報検出手段を備え、再生光位置ずれ検出手段は、参照光位置情報検出手段を用いて、再生光位置ずれ情報として、所定の基準位置に対する記録媒体の傾きの情報を検出してもよい。
【0016】
また、本発明の光情報再生装置または光情報記録再生装置において、再生光位置ずれ検出手段は、再生光検出手段を用いて再生光位置ずれ情報を検出してもよい。
【0017】
また、本発明の光情報再生装置または光情報記録再生装置において、補正手段は、再生光学系または記録再生光学系の一部を構成する補正用レンズと、この補正用レンズを移動させる移動機構とを有していてもよい。移動機構は、補正用レンズを、補正用レンズの光軸に交差する方向と、補正用レンズの光軸方向と、補正用レンズに入射する再生光の進行方向と補正用レンズの光軸方向とがなす角度が変化する方向のうちの少なくとも1つの方向に移動させてもよい。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
始めに、図1ないし図6を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る光情報記録再生装置の構成について説明する。図1は本実施の形態に係る光情報記録再生装置の全体構成を示すブロック図である。図2は本実施の形態に係る光情報記録再生装置における光ヘッドの記録再生光学系の主要部分の構成を示す説明図である。図3は光ヘッドの可動部とその周辺を示す平面図である。図4は本実施の形態に係る光情報記録再生装置における光ヘッドの光の出射部と記録媒体とを示す説明図である。図5は光ヘッドの位置制御用光学系を示す説明図である。図6は本実施の形態において用いられる記録媒体を示す説明図である。なお、本実施の形態に係る光情報記録再生装置は、本実施の形態に係る光情報再生装置を含んでいる。また、本実施の形態における記録再生光学系は、再生光学系を含んでいる。
【0019】
まず、図4および図6を参照して、本実施の形態において用いられる記録媒体の構成について説明する。図4に示したように、本実施の形態における記録媒体1は、ポリカーボネート等によって形成された円板状の透明基板2と、この透明基板2における光の入出射側とは反対側に、透明基板2から順に配置された情報記録層3、透明基板4および反射層5を備えている。なお、透明基板4の代りにエアギャップ層を設けてもよい。情報記録層3は、ホログラフィを利用して情報が記録される層であり、光が照射されたときに光の強度に応じて屈折率、誘電率、反射率等の光学的特性が変化するホログラム材料によって形成されている。ホログラム材料としては、例えば、デュポン(Dupont)社製フォトポリマ(photopolymers)HRF−600(製品名)や、アプリリス(Aprils)社製フォトポリマULSH−500(製品名)等が使用される。反射層5は、例えばアルミニウムによって形成されている。反射層5における透明基板4側の面は、情報を記録または再生するための光を反射する反射面5aになっている。
【0020】
図6には、記録媒体1における1つのトラックの一部を示している。記録媒体1は、円板状をなし、複数のトラックTRを有している。各トラックTRには、複数のアドレス・サーボ領域6が等間隔に設けられている。隣り合うアドレス・サーボ領域6間には、1つまたは複数の情報記録領域7が設けられている。図6には、隣り合うアドレス・サーボ領域6間に4つの情報記録領域7が等間隔に設けられている例を示す。
【0021】
アドレス・サーボ領域6には、光情報記録再生装置における各種の動作のタイミングの基準となる基本クロックを生成するための情報、サンプルドサーボ方式によってフォーカスサーボを行うための情報、サンプルドサーボ方式によってトラッキングサーボを行うための情報およびアドレス情報が、予めエンボスピット等によって記録されている。なお、アドレス・サーボ領域6にはフォーカスサーボを行うための情報が記録されずに、フォーカスサーボは記録媒体1の反射面5aを用いて行ってもよい。アドレス情報は、各情報記録領域7を識別するための情報である。
【0022】
次に、図1を参照して、本実施の形態に係る光情報記録再生装置の構成について説明する。この光情報記録再生装置10は、記録媒体1が取り付けられるスピンドル81と、このスピンドル81を回転させるスピンドルモータ82と、記録媒体1の回転数を所定の値に保つようにスピンドルモータ82を制御するスピンドルサーボ回路83と、スピンドルモータ82を水平方向に移動させるスライダ93とを備えている。光情報記録再生装置10は、更に、記録媒体1の一方の面(図1では下面)に対向するように配置された光ヘッド11を備えている。この光ヘッド11は、記録媒体1に対して情報光と記録用参照光とを照射して情報を記録すると共に、記録媒体1に対して再生用参照光を照射し、再生光を検出して、記録媒体1に記録されている情報を再生するようになっている。
【0023】
光情報記録再生装置10は、更に、光ヘッド11の出力信号よりフォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TEおよび再生信号RFを検出するための検出回路85と、この検出回路85によって検出されるフォーカスエラー信号FEに基づいて、光ヘッド11内のアクチュエータを駆動して光ヘッド11内の対物レンズを記録媒体1の厚み方向に移動させてフォーカスサーボを行うフォーカスサーボ回路86と、検出回路85によって検出されるトラッキングエラー信号TEに基づいて光ヘッド11内のリニアモータを駆動して対物レンズを記録媒体1の半径方向に移動させてトラッキングサーボを行うトラッキングサーボ回路87と、トラッキングエラー信号TEおよび後述するコントローラからの指令に基づいてスライダ93を制御して、スピンドルモータ82を水平方向に移動させるスライドサーボを行うスライドサーボ回路88とを備えている。
【0024】
光情報記録再生装置10は、更に、情報の記録時において、情報光および記録用参照光の照射位置をほぼトラックに沿う方向に移動させることによって、所定の期間、移動する1つの情報記録領域7に情報光および記録用参照光の照射位置が追従するように、情報光および記録用参照光の照射位置を制御する追従制御回路94を備えている。
【0025】
光情報記録再生装置10は、更に、光ヘッド11において記録媒体1の一方の面に対向する面(図1では上面)に固定され、所定の基準位置に対する記録媒体1の傾きを検出する傾き検出器95と、この傾き検出器95の出力信号を入力する像ずれ補正回路96とを備えている。像ずれ補正回路96は、傾き検出器95の出力信号に基づいて、光ヘッド11内の光学系の一部を構成するレンズを移動させて、光ヘッド11内の後述する固体撮像素子に入射する再生光の像と固体撮像素子との間の位置ずれを補正する。傾き検出器95は、本発明における再生光位置ずれ検出手段に対応する。
【0026】
光情報記録再生装置10は、更に、光ヘッド11内の固体撮像素子の出力データをデコードして、記録媒体1の情報記録領域7に記録されたデータを再生したり、検出回路85からの再生信号RFより基本クロックを再生したりアドレスを判別したりする信号処理回路89と、光情報記録再生装置10の全体を制御するコントローラ90と、このコントローラ90に対して種々の指示を与える操作部91とを備えている。コントローラ90は、信号処理回路89より出力される基本クロックやアドレス情報を入力すると共に、光ヘッド11、スピンドルサーボ回路83、スライドサーボ回路88および追従制御回路94等を制御するようになっている。スピンドルサーボ回路83は、信号処理回路89より出力される基本クロックを入力するようになっている。コントローラ90は、CPU(中央処理装置)、ROM(リード・オンリ・メモリ)およびRAM(ランダム・アクセス・メモリ)を有し、CPUが、RAMを作業領域として、ROMに格納されたプログラムを実行することによって、コントローラ90の機能を実現するようになっている。
【0027】
次に、図2を参照して、本実施の形態における光ヘッド11の記録再生光学系の主要部分の構成について説明する。光ヘッド11は、コヒーレントな直線偏光のレーザ光を出射する光源装置12と、この光源装置12より出射される光の光路上に光源装置12側から順に配置されたコリメータレンズ13、ミラー14、2分の1波長板15および偏光ビームスプリッタ16を有している。光源装置12としては、例えば、単波長の緑色光を出射する半導体レーザが用いられる。緑色光とは、波長がおよそ492nm〜577nmの範囲内の光を言う。偏光ビームスプリッタ16は、S偏光の光を反射し、P偏光の光を透過させる偏光ビームスプリッタ面16aを有している。なお、S偏光とは偏光方向が入射面(図2の紙面)に垂直な直線偏光であり、P偏光とは偏光方向が入射面に平行な直線偏光である。
【0028】
光ヘッド11は、更に、2分の1波長板15側から偏光ビームスプリッタ16に入射して偏光ビームスプリッタ面16aを透過した光の進行方向に、偏光ビームスプリッタ16側から順に配置された2分の1波長板17および偏光ビームスプリッタ18を備えている。偏光ビームスプリッタ18は、S偏光の光を反射し、P偏光の光を透過させる偏光ビームスプリッタ面18aを有している。
【0029】
光ヘッド11は、更に、2分の1波長板17側から偏光ビームスプリッタ18に入射して偏光ビームスプリッタ面18aで反射された光の進行方向に、偏光ビームスプリッタ18側から順に配置された4分の1波長板19および反射型空間光変調器20を備えている。反射型空間光変調器20は、格子状に配列された多数の画素を有し、各画素毎に光を通過させる状態と光を遮断する状態とを選択することによって、光強度によって光を空間的に変調して、2次元画像情報を担持した情報光を生成することができるようになっている。
【0030】
光ヘッド11は、更に、4分の1波長板19側から偏光ビームスプリッタ18に入射して偏光ビームスプリッタ面18aを透過した光の進行方向に、偏光ビームスプリッタ18側から順に配置された2分の1波長板21、凸レンズ22、ピンホール23、凸レンズ24および偏光ビームスプリッタ25を備えている。偏光ビームスプリッタ25は、S偏光の光を反射し、P偏光の光を透過させる偏光ビームスプリッタ面25aを有している。
【0031】
光ヘッド11は、更に、2分の1波長板15側から偏光ビームスプリッタ16に入射して偏光ビームスプリッタ面16aで反射された光の進行方向に、偏光ビームスプリッタ16側から順に配置された位相空間光変調器26および偏光ビームスプリッタ27を備えている。位相空間光変調器26は、格子状に配列された多数の画素を有し、各画素毎に出射光の位相を選択することによって、光の位相を空間的に変調することができるようになっている。この位相空間光変調器26としては、液晶素子を用いることができる。偏光ビームスプリッタ27は、S偏光の光を反射し、P偏光の光を透過させる偏光ビームスプリッタ面27aを有している。
【0032】
光ヘッド11は、更に、位相空間光変調器26側から偏光ビームスプリッタ27に入射して偏光ビームスプリッタ面27aで反射された光の進行方向に、偏光ビームスプリッタ27側から順に配置された2分の1波長板28、凸レンズ29および凸レンズ30を備えている。凸レンズ29,30を通過した光は、凸レンズ24側から偏光ビームスプリッタ25に入射する光の進行方向に対して直交する方向に進んで、偏光ビームスプリッタ25に入射するようになっている。
【0033】
光ヘッド11は、更に、凸レンズ24側から偏光ビームスプリッタ25に入射して偏光ビームスプリッタ面25aで反射された光および凸レンズ30側から偏光ビームスプリッタ25に入射して偏光ビームスプリッタ面25aを透過した光の進行方向に、偏光ビームスプリッタ25側から順に配置された短波長パスフィルタ31、2分割旋光板32およびダイクロイックミラー33を備えている。短波長パスフィルタ31は、緑色光を通過させ、赤色光を遮断するようになっている。赤色光とは、波長がおよそ622nm〜770nmの範囲内の光を言う。2分割旋光板32は、図2において光軸の右側部分に配置された旋光板32Rと、光軸の左側部分に配置された旋光板32Lとを有している。旋光板32Rは偏光方向を−45°回転させ、旋光板32Lは偏光方向を+45°回転させるようになっている。ダイクロイックミラー33は、緑色光を反射し、赤色光を通過させるようになっている。
【0034】
本実施の形態では、2分割旋光板32は、反射型空間光変調器20が配置された位置と共役な位置に配置されている。詳しく説明すると、反射型空間光変調器20は、情報に対応した像を形成する像形成面を有し、この像形成面と2分割旋光板32は、両者の間の光学系に関して、互いに共役な位置に配置されている。従って、反射型空間光変調器20によって形成される像は、2分割旋光板32上で結像される。
【0035】
更に、本実施の形態では、位相空間光変調器26は、2分割旋光板32が配置された位置と共役な位置に配置されている。詳しく説明すると、位相空間光変調器26は、位相が空間的に変調された像を形成する像形成面を有し、この像形成面と2分割旋光板32は、両者の間の光学系に関して、互いに共役な位置に配置されている。従って、位相空間光変調器26によって形成される像は、2分割旋光板32上で結像される。
【0036】
光ヘッド11は、更に、2分割旋光板32側からダイクロイックミラー33に入射してこれによって反射された光の進行方向に、ダイクロイックミラー33側から順に配置された凸レンズ34、凸レンズ35およびミラー36を備えている。
【0037】
凸レンズ35側からミラー36に入射してミラー36で反射された光は、図3に示した可動部に入射するようになっている。
【0038】
光ヘッド11は、更に、2分の1波長板28側から偏光ビームスプリッタ27に入射して偏光ビームスプリッタ面27aを透過した光の進行方向に、偏光ビームスプリッタ27側から順に配置されたリレーレンズ系37と固体撮像素子39とを備えている。固体撮像素子39としては、例えばCCDやMOS型固体撮像素子が用いられる。固体撮像素子39は、本発明における再生光検出手段に対応する。図1における信号処理回路89は、固体撮像素子39の出力信号を処理して、2次元画像情報を再生する。
【0039】
リレーレンズ系37は、偏光ビームスプリッタ27側から順に配置された凸レンズ37A、凹レンズ37B、凹レンズ37C、凹レンズ37Dおよび凸レンズ37Eを有している。凸レンズ37Aと凹レンズ37Bは接合され、凹レンズ37Dと凸レンズ37Eは接合されている。凹レンズ37Cは、後述するレンズ移動機構によって移動可能になっている。リレーレンズ系37は、再生光の像を固体撮像素子39に投影する。また、このリレーレンズ系37では、凹レンズ37Cを移動させることにより、固体撮像素子39に投影される再生光の像の位置および大きさを調整できるようになっている。凹レンズ37Cは、本発明における補正用レンズに対応する。
【0040】
光ヘッド11は、更に、図5に示した位置制御用光学系を備えている。この位置制御用光学系は、ダイクロイックミラー33における凸レンズ34とは反対側に、ダイクロイックミラー33側から順に配置された赤色透過フィルタ42、ビームスプリッタ43、コリメータレンズ44および光源装置45を備えている。ビームスプリッタ43は、その法線方向がコリメータレンズ44の光軸方向に対して45°傾けられた半反射面43aを有している。赤色透過フィルタ42は、赤色光を通過させ、他の波長域の光を遮断するようになっている。光源装置45としては、例えば、単波長の赤色光を出射する半導体レーザが用いられる。光ヘッド11は、更に、コリメータレンズ44側からビームスプリッタ43に入射し、半反射面43aで反射された光の進行方向に配置された光検出器46を備えている。この光検出器46は、光源装置45の出射光の光量を監視して、光源装置45の出射光の自動光量調整を行うために用いられるものである。
【0041】
光ヘッド11は、更に、ビームスプリッタ43における光検出器46とは反対側に、ビームスプリッタ43側から順に配置された凸レンズ47、シリンドリカルレンズ48および4分割光検出器49を備えている。4分割光検出器49は、記録媒体1におけるトラック方向に対応する方向に平行な分割線とこれと直交する方向の分割線とによって分割された4つの受光部を有している。シリンドリカルレンズ48は、その円筒面の中心軸が4分割光検出器49の分割線に対して45°をなすように配置されている。4分割光検出器49は、記録媒体1に入射する再生用参照光と記録媒体1との位置関係に関する情報を検出する。4分割光検出器49は、本発明における参照光位置情報検出手段に対応する。
【0042】
次に、図3および図4を参照して、光ヘッド11の可動部の構成について説明する。光ヘッド11の可動部200は、記録再生光学系の一部を構成する対物レンズ41とミラー40とを有している。図4に示したように、対物レンズ41は、記録媒体1の透明基板2に対向する位置に配置され、ミラー40は、対物レンズ41における記録媒体1とは反対側に配置されている。
【0043】
光ヘッド11の可動部200は、第1の可動部201と、第2の可動部202とを有している。光情報記録再生装置の本体には、記録媒体1の半径方向(図3における左右方向)に延びる2本のレール211が取り付けられている。第1の可動部201は、この2本のレール211によって、記録媒体1の半径方向に移動可能に支持されている。また、光ヘッド11は、第1の可動部201を、光情報記録再生装置の本体に対して記録媒体1の半径方向に移動させるリニアモータ212を有している。
【0044】
第1の可動部201には、トラックの接線方向(図3における上下方向)に延びる2本のレール221が取り付けられている。第2の可動部202は、この2本のレール221によって、トラックの接線方向に移動可能に支持されている。また、光ヘッド11は、第2の可動部202を、第1の可動部201に対してトラックの接線方向に移動させるリニアモータ222を有している。
【0045】
第2の可動部202には、対物レンズ41を、記録媒体1の面に垂直な方向(図3における紙面に直交する方向)に移動可能に支持する支持板203が取り付けられている。また、光ヘッド11は、対物レンズ41を、第2の可動部202に対して記録媒体1の面に垂直な方向に移動させるアクチュエータ231を有している。
【0046】
第1の可動部201には、ミラー40が固定されている。図3における凸レンズ35側からミラー36に入射してこれによって反射された光は、図4に示したミラー40に入射してこれによって反射される。ミラー40によって反射された光は、対物レンズ41で集光されて記録媒体1に照射されるようになっている。また、記録媒体1側から対物レンズ41に入射した光は、対物レンズ41によって集光され、ミラー40,36によって順に反射され、凸レンズ35および凸レンズ34を順に通過する。
【0047】
本実施の形態における光ヘッド11では、アクチュエータ231によって、記録媒体1の面に垂直な方向に、対物レンズ41の位置を変化させることができ、これにより、フォーカスサーボを行うことができる。また、光ヘッド11では、リニアモータ212によって、記録媒体1の半径方向に、対物レンズ41の位置を変化させることができ、これにより、トラッキングサーボを行うことができる。また、光ヘッド11では、リニアモータ222によって、トラックの接線方向、すなわち、ほぼトラックに沿う方向に、対物レンズ41の位置を変化させることができる。これにより、情報記録領域7に対して情報光および記録用参照光の照射位置を追従させる制御を行うことができる。なお、所望のトラックへのアクセスは、スライダ93によってスピンドルモータ82を水平方向に移動させることによって行われる。
【0048】
アクチュエータ231は、図1におけるフォーカスサーボ回路86によって駆動されるようになっている。リニアモータ212は、図1におけるトラッキングサーボ回路87によって駆動されるようになっている。また、リニアモータ222は、図1における追従制御回路94によって駆動されるようになっている。また、スライダ93は、図1におけるスライドサーボ回路88によって駆動されるようになっている。
【0049】
なお、光ヘッド11内の光源装置12,45、反射型空間光変調器20および位相空間光変調器26は、図1におけるコントローラ90によって制御されるようになっている。コントローラ90は、位相空間光変調器26において光の位相を空間的に変調するための複数の変調パターンの情報を保持している。また、操作部91は、複数の変調パターンの中から任意の変調パターンを選択することができるようになっている。そして、コントローラ90は、所定の条件に従って自らが選択した変調パターンまたは操作部91によって選択された変調パターンの情報を位相空間光変調器26に与え、位相空間光変調器26は、コントローラ90より与えられる変調パターンの情報に従って、対応する変調パターンで光の位相を空間的に変調するようになっている。
【0050】
次に、図2ないし図5に示した光ヘッド11の光学系の作用の概略について説明する。光源装置12は、S偏光またはP偏光の直線偏光の緑色光を出射する。光源装置12の出射光は、コリメータレンズ13によって平行光束にされ、ミラー14で反射された後、2分の1波長板15を通過して、その偏光方向が45°回転されてS偏光成分とP偏光成分とを含む光になる。この光は、偏光ビームスプリッタ16に入射する。偏光ビームスプリッタ16に入射した光のうち、P偏光成分は偏光ビームスプリッタ16の偏光ビームスプリッタ面16aを通過し、S偏光成分は偏光ビームスプリッタ16の偏光ビームスプリッタ面16aで反射される。
【0051】
偏光ビームスプリッタ面16aを通過したP偏光の光は、2分の1波長板17によって、その偏光方向が90°回転されて、S偏光の光になる。この光は、光ビームスプリッタ18の偏光ビームスプリッタ面18aで反射された後、4分の1波長板19を通過して円偏光の光になって、空間光変調器20に入射する。空間光変調器20に入射した光は、空間光変調器20によって光の強度が空間的に変調され、情報光となって空間光変調器20から出射される。空間光変調器20から出射された情報光は、4分の1波長板19を通過してP偏光の光になり、偏光ビームスプリッタ18の偏光ビームスプリッタ面18aを通過する。この光は、2分の1波長板21を通過してS偏光の光になる。この光は、凸レンズ22、ピンホール23、凸レンズ24を順に通過し、偏光ビームスプリッタ25に入射し、偏光ビームスプリッタ面25aで反射されて、短波長パスフィルタ31に入射する。
【0052】
一方、偏光ビームスプリッタ面16aで反射されたS偏光の光は、位相空間光変調器26に入射する。位相空間光変調器26は、例えば、各画素毎に出射光の位相を、互いにπ(rad)だけ異なる2つの値のいずれかに設定することによって、光の位相を空間的に変調するようになっている。位相空間光変調器26によって変調された光は記録用参照光または再生用参照光となる。位相空間光変調器26の出射光は、偏光ビームスプリッタ27に入射し、偏光ビームスプリッタ面27aで反射される。この光は、2分の1波長板28によって、その偏光方向が45°回転された後、凸レンズ29,30を通過して、偏光ビームスプリッタ25に入射する。この光のうちの一部は、偏光ビームスプリッタ面25aを通過して、短波長パスフィルタ31に入射する。
【0053】
偏光ビームスプリッタ25から出射されて短波長パスフィルタ31に入射する光は、情報光、記録用参照光または再生用参照光である。また、これらの光は、緑色光である。これらの光は、短波長パスフィルタ31および2分割旋光板32を通過し、ダイクロイックミラー33で反射され、凸レンズ34,35を順に通過し、ミラー36,40で順に反射されて、対物レンズ41によって集光されて、記録媒体1に照射される。情報光、記録用参照光および再生用参照光は、記録媒体1の情報記録層3に対して、一方の面側より同軸的に、且つ反射面5a上で最も小径になって収束するように照射される。
【0054】
記録媒体1に照射された緑色光に対応する記録媒体1からの戻り光は、対物レンズ41で平行またはほぼ平行な光束にされ、ミラー40,36、凸レンズ35,34、ダイクロイックミラー33、2分割旋光板32および短波長パスフィルタ31を経て、偏光ビームスプリッタ25に入射する。後で詳しく説明するが、偏光ビームスプリッタ25に入射する光には、S偏光の光とP偏光の光とがある。このうち、S偏光の光は偏光ビームスプリッタ面25aで反射され、P偏光の光は偏光ビームスプリッタ面25aを通過する。偏光ビームスプリッタ面25aを通過したP偏光の光は、凸レンズ30,29を通過し、2分の1波長板28によって、その偏光方向が45°回転された後、偏光ビームスプリッタ27に入射する。この光のうちの一部は、偏光ビームスプリッタ面27aを通過して、リレーレンズ系37を通過して固体撮像素子39に入射する。
【0055】
一方、光源装置45から出射された赤色光は、コリメータレンズ44で平行光束にされた後、ビームスプリッタ43に入射する。ビームスプリッタ43に入射した光の一部は半反射面43aで反射されて光検出器46に入射し、他の一部は半反射面43aを通過する。半反射面43aを通過した光は、位置制御用光となる。この位置制御用光は、赤色透過フィルタ42、ダイクロイックミラー33を順に通過し、更に、凸レンズ34,35を順に通過し、ミラー36,40で順に反射されて、対物レンズ41によって集光されて、記録媒体1に照射される。位置制御用光は、記録媒体1の反射面5a上で最も小径になって収束するように、記録媒体1に照射される。
【0056】
記録媒体1に照射された赤色光に対応する記録媒体1からの戻り光は、対物レンズ41で平行光束にされ、ミラー40,36、凸レンズ35,34を経て、ダイクロイックミラー33に入射する。この光は、ダイクロイックミラー33、赤色透過フィルタ42を順に通過した後、ビームスプリッタ43に入射する。ビームスプリッタ43に入射した光の一部は半反射面43aで反射され、凸レンズ47、シリンドリカルレンズ48を順に通過した後、4分割光検出器49によって検出される。この4分割光検出器49の出力に基づいて、検出回路85によって、フォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TEおよび再生信号RFが生成される。そして、これらの信号に基づいて、記録媒体1に対する情報光、記録用参照光および再生用参照光の位置を制御するフォーカスサーボおよびトラッキングサーボが行われると共に、基本クロックの再生およびアドレスの判別が行われる。
【0057】
ここで、図7を参照して、後の説明で使用するA偏光およびB偏光を以下のように定義する。すなわち、図7に示したように、A偏光はS偏光を−45°またはP偏光を+45°偏光方向を回転させた直線偏光とし、B偏光はS偏光を+45°またはP偏光を−45°偏光方向を回転させた直線偏光とする。A偏光とB偏光は、互いに偏光方向が直交している。
【0058】
次に、本実施の形態に係る光情報記録再生装置の作用について、サーボ時、情報の記録時、情報の再生時に分けて、順に説明する。
【0059】
まず、図8を参照して、サーボ時の作用について説明する。図8はサーボ時における光の状態を示す説明図である。なお、図8では、光学部品としてはダイクロイックミラー33および対物レンズ41のみを示している。サーボ時には、光源装置45は赤色光を出射し、光源装置12は緑色光を出射しない。光源装置45の出射光である位置制御用光51は、前述のように、コリメータレンズ44、ビームスプリッタ43、赤色透過フィルタ42、ダイクロイックミラー33、凸レンズ34,35、ミラー36,40を経て、対物レンズ41から記録媒体1に照射される。この位置制御用光51は、記録媒体1の反射面5aで反射され、対物レンズ41、ミラー40,36、凸レンズ35,34、ダイクロイックミラー33、赤色透過フィルタ42、ビームスプリッタ43、凸レンズ47、シリンドリカルレンズ48を経て、4分割光検出器49によって検出される。この4分割光検出器49の出力に基づいて、検出回路85によって、フォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TEおよび再生信号RFが生成される。そして、これらの信号に基づいて、フォーカスサーボおよびトラッキングサーボが行われると共に、基本クロックの再生およびアドレスの判別が行われる。本実施の形態では、位置制御用光51が記録媒体1の反射面5a上で最も小径になって収束するように、フォーカスサーボが行われる。
【0060】
コントローラ90は、再生信号RFより再生された基本クロックに基づいて、対物レンズ41の出射光がアドレス・サーボ領域6を通過するタイミングを予測し、対物レンズ41の出射光がアドレス・サーボ領域6を通過する間、上記の設定とする。
【0061】
次に、図9を参照して、情報の記録時の作用について説明する。図9は情報の記録時における光の状態を示す説明図である。なお、図9では、光学部品としては偏光ビームスプリッタ25、2分割旋光板32および対物レンズ41のみを示している。
【0062】
情報の記録時には、光源装置12は緑色光を出射し、光源装置45は赤色光を出射しない。光源装置12の出射光の出力は、コントローラ90による制御の下で、一定時間だけ、記録用の高出力にされる。また、対物レンズ41の出射光がアドレス・サーボ領域6以外の領域を通過する間は、フォーカスサーボおよびトラッキングサーボは行われない。この間、対物レンズ41は、直前に行われたフォーカスサーボおよびトラッキングサーボによって決定された位置に固定されている。
【0063】
光源装置12の出射光は、偏光ビームスプリッタ16によって2つの光束に分割される。一方の光束は、空間光変調器20によって変調されて情報光61となる。他方の光束は、位相空間光変調器26によって変調されて記録用参照光62となる。情報光61と記録用参照光62は、偏光ビームスプリッタ25によって合成されて、共に2分割旋光板32に入射する。2分割旋光板32に入射する前において、情報光61はS偏光の光であり、記録用参照光62はP偏光の光である。
【0064】
2分割旋光板32の旋光板32Rを通過した情報光61RはA偏光となり、2分割旋光板32の旋光板32Lを通過した情報光61LはB偏光となる。一方、2分割旋光板32の旋光板32Rを通過した記録用参照光62RはB偏光となり、2分割旋光板32の旋光板32Lを通過した記録用参照光62LはA偏光となる。
【0065】
2分割旋光板32を通過した情報光61R,61Lおよび記録用参照光62R,62Lは、対物レンズ41によって集光されて、記録媒体1に対して、同一面側より同軸的に照射される。情報光61R,61Lおよび記録用参照光62R,62Lは、反射面5a上で最も小径になって収束する。
【0066】
旋光板32Rを通過した後、記録媒体1に入射する情報光61RはA偏光となっている。また、旋光板32Lを通過した後、記録媒体1に入射する記録用参照光62LもA偏光となっている。A偏光の記録用参照光62Lは、記録媒体1の反射面5aで反射され、情報記録層3内において、反射面5aで反射される前のA偏光の情報光61Rと同じ領域を通過する。これらの光61R,62Lは、偏光方向が一致するので干渉して干渉パターンを形成する。また、A偏光の情報光61Rは、記録媒体1の反射面5aで反射され、情報記録層3内において、反射面5aで反射される前のA偏光の記録用参照光62Lと同じ領域を通過する。これらの光61R,62Lも、偏光方向が一致するので干渉して干渉パターンを形成する。従って、情報記録層3内には、反射面5aに入射する前のA偏光の情報光61Rと反射面5aで反射された後のA偏光の記録用参照光62Lとの干渉による干渉パターンと、反射面5aに入射する前のA偏光の記録用参照光62Lと反射面5aで反射された後のA偏光の情報光61Rとの干渉による干渉パターンとが体積的に記録される。
【0067】
同様に、旋光板32Lを通過した後、記録媒体1に入射する情報光61LはB偏光となっている。また、旋光板32Rを通過した後、記録媒体1に入射する記録用参照光62RもB偏光となっている。B偏光の記録用参照光62Rは、記録媒体1の反射面5aで反射され、情報記録層3内において、反射面5aで反射される前のB偏光の情報光61Lと同じ領域を通過する。これらの光61L,62Rは、偏光方向が一致するので干渉して干渉パターンを形成する。また、B偏光の情報光61Lは、記録媒体1の反射面5aで反射され、情報記録層3内において、反射面5aで反射される前のB偏光の記録用参照光62Rと同じ領域を通過する。これらの光61L,62Rも、偏光方向が一致するので干渉して干渉パターンを形成する。従って、情報記録層3内には、反射面5aに入射する前のB偏光の情報光61Lと反射面5aで反射された後のB偏光の記録用参照光62Rとの干渉による干渉パターンと、反射面5aに入射する前のB偏光の記録用参照光62Rと反射面5aで反射された後のB偏光の情報光61Lとの干渉による干渉パターンとが体積的に記録される。
【0068】
なお、旋光板32Rを通過した情報光61Rと旋光板32Lを通過した情報光61Lとは、偏光方向が90°異なるので干渉しない。同様に、旋光板32Rを通過した記録用参照光62Rと旋光板32Lを通過した記録用参照光62Lとは、偏光方向が90°異なるので干渉しない。
【0069】
また、本実施の形態では、記録する情報毎に、記録用参照光の位相の変調パターンを変えることにより、位相符号化多重方式により、情報記録層3の同一箇所に複数の情報を多重記録することができる。
【0070】
次に、図10を参照して、情報の再生時の作用について説明する。図10は情報の再生時における光の状態を示す説明図である。
【0071】
情報の再生時には、光源装置12は緑色光を出射し、光源装置45は赤色光を出射しない。光源装置12の出射光の出力は、コントローラ90による制御の下で、再生用の低出力にされる。また、対物レンズ41の出射光がアドレス・サーボ領域6以外の領域を通過する間は、フォーカスサーボおよびトラッキングサーボは行われない。この間、対物レンズ41は、直前に行われたフォーカスサーボおよびトラッキングサーボによって決定された位置に固定されている。
【0072】
空間光変調器20は、全画素が光を遮断する状態にされる。光源装置12の出射光は、偏光ビームスプリッタ16によって2つの光束に分割される。一方の光束は、空間光変調器20によって遮断される。他方の光束は、位相空間光変調器26によって変調されて再生用参照光71となる。再生用参照光71は、偏光ビームスプリッタ25を通過して、2分割旋光板32に入射する。2分割旋光板32に入射する前において、再生用参照光71はP偏光の光である。
【0073】
2分割旋光板32の旋光板32Rを通過した再生用参照光71RはB偏光となり、2分割旋光板32の旋光板32Lを通過した再生用参照光71LはA偏光となる。
【0074】
2分割旋光板32を通過した再生用参照光71R,71Lは、対物レンズ41によって集光されて、記録媒体1に照射される。再生用参照光71R,71Lは、情報光61R,61Lおよび記録用参照光62R,62Lが最も小径になって収束する位置と同じ位置、すなわち反射面5a上で最も小径になって収束する。
【0075】
旋光板32Rを通過した後、記録媒体1に入射する再生用参照光71RはB偏光となっている。一方、旋光板32Lを通過した後、記録媒体1に入射する再生用参照光71LはA偏光となっている。情報記録層3では、反射面5aで反射される前の再生用参照光によって、反射面5aとは反対側に進行する再生光が発生すると共に、反射面5aで反射された後の再生用参照光によって、反射面5a側に進行する再生光が発生する。反射面5aとは反対側に進行する再生光は、そのまま記録媒体1より出射され、反射面5a側に進行する再生光は、反射面5aで反射されて、記録媒体1より出射される。
【0076】
再生光は、対物レンズ41によって平行光束にされた後、2分割旋光板32に入射する。ここで、2分割旋光板32の旋光板32Rに入射する再生光72Rは、旋光板32Rに入射する前はB偏光であり、旋光板32Rを通過した後はP偏光となる。一方、2分割旋光板32の旋光板32Lに入射する再生光72Lは、旋光板32Lに入射する前はA偏光であり、旋光板32Lを通過した後はP偏光となる。このように、2分割旋光板32を通過した後の再生光は、光束の断面全体についてP偏光となる。2分割旋光板32を通過した再生光は固体撮像素子39に入射する。リレーレンズ系37は、再生光が担持した2次元画像を固体撮像素子39上で結像させるようになっている。
【0077】
固体撮像素子39上には、記録時において空間光変調器20によって形成された光の強度のパターンが結像され、このパターンを検出することで、2次元画像情報が再生される。なお、記録用参照光の変調パターンを変えて、情報記録層3に複数の情報が多重記録されている場合には、複数の情報のうち、再生用参照光の変調パターンに対応する情報のみが再生される。
【0078】
一方、旋光板32Rを通過した後、記録媒体1に入射した再生用参照光71Rは、反射面5aで反射されて、記録媒体1より出射され、旋光板32Lを通過してS偏光の戻り光に変換される。また、旋光板32Lを通過した後、記録媒体1に入射した再生用参照光71Lは、反射面5aで反射されて、記録媒体1より出射され、旋光板32Rを通過してS偏光の戻り光に変換される。このように、2分割旋光板32を通過した後の戻り光は、光束の断面全体についてS偏光となる。この戻り光は、偏光ビームスプリッタ25の偏光ビームスプリッタ面25aで反射されるため、固体撮像素子39には入射しない。
【0079】
以上説明したように、本実施の形態では、情報の記録時には、情報光および記録用参照光が、情報記録層3に対して、一方の面側より同軸的に、且つ反射面5a上で最も小径になって収束するように照射される。
【0080】
また、情報の記録時には、第1の偏光方向(P偏光)の記録用参照光と、第1の偏光方向(P偏光)とは異なる第2の偏光方向(S偏光)の情報光が、それぞれ、2分割旋光板32によって、光束の断面を2分割した各領域毎に異なる方向に旋光される。これにより、情報光と記録用参照光のそれぞれについて、情報記録層3内の同じ領域において、反射面5aに入射する前の情報光と反射面5aで反射された後の記録用参照光の偏光方向が一致し、反射面5aに入射する前の記録用参照光と反射面5aで反射された後の情報光の偏光方向が一致するように、光束の断面を2分割した各領域毎に偏光方向が異なるように設定される。その結果、情報記録層3では、反射面5aに入射する前の情報光と反射面5aで反射された後の記録用参照光との干渉による干渉パターンが記録されると共に、反射面5aに入射する前の記録用参照光と反射面5aで反射された後の情報光との干渉による干渉パターンが記録される。
【0081】
また、情報の再生時には、再生用参照光は、情報光および記録用参照光が最も小径になって収束する位置と同じ位置で、最も小径になって収束するように情報記録層3に照射される。また、情報の再生時には、再生用参照光の照射と再生光の収集とが、情報記録層3の一方の面側より行われ、且つ再生用参照光および再生光が同軸的に配置される。
【0082】
また、情報の再生時には、第1の偏光方向(P偏光)の再生用参照光が、2分割旋光板32によって、光束の断面を2分割した各領域毎に異なる方向に旋光されて、各領域毎に偏光方向が異なる再生用参照光に変換されて情報記録層3に照射される。また、再生光と反射面5aで反射された再生用参照光による戻り光とが、2分割旋光板32によって各領域毎に異なる方向に旋光されて、光束の断面全体について第1の偏光方向(P偏光)となる再生光と光束の断面全体について第2の偏光方向(S偏光)となる戻り光とに変換される。これにより、偏光分離手段としての偏光ビームスプリッタ25によって、再生光と戻り光とを分離することが可能になり、その結果、再生情報のSN比を向上させることができる。
【0083】
また、本実施の形態では、情報光は光束の断面の全体を用いて情報を担持することができ、同様に、再生光も光束の断面の全体を用いて情報を担持することができる。
【0084】
次に、図11を参照して、情報の記録時における光ヘッド11の動作について説明する。図11は、情報の記録時におけるトラックTRの動きと情報光および記録用参照光の照射位置101の動きとを示している。図11において、記号Rは、記録媒体1の移動方向を表している。なお、図11では、便宜上、照射位置101をトラックTRに重ならないように表しているが、実際には、照射位置101はトラックTRに重なる。
【0085】
本実施の形態では、図11(a)に示したように、記録媒体1の情報記録領域7に情報を記録する前に、照射位置101は、中立の位置よりも記録媒体1の移動方向Rとは反対方向(以下、進み方向とも言う。)に移動される。その際、照射位置101はアドレス・サーボ領域6を通過し、アドレス・サーボ領域6に記録された情報が光ヘッド11によって検出される。
【0086】
次に、図11(b)に示したように、照射位置101が進み方向の移動範囲の端E1に達したら、照射位置101は、今度は記録媒体1の移動方向R(以下、遅れ方向とも言う。)に移動される。照射位置101の遅れ方向への移動開始直後は、照射位置101の移動速度は、情報を記録すべき所望の情報記録領域7の移動速度よりも小さい。従って、やがて、照射位置101は所望の情報記録領域7に重なる。
【0087】
図11(c)に示したように、照射位置101が所望の情報記録領域7に重なったら、照射位置101の移動速度は、その情報記録領域7の移動速度と等しくなるように調整される。これにより、所望の情報記録領域7に照射位置101が追従するように照射位置101が移動される。
【0088】
次に、図11(d)に示したように、照射位置101が遅れ方向の移動範囲の端E2に達したら、照射位置101は、再び、進み方向に移動され、図11(a)に示した動作が行われる。このようにして、図11(a)〜(d)に示した動作が繰り返し実行される。
【0089】
上述のように、本実施の形態では、所定の期間、移動する1つの情報記録領域7に情報光および記録用参照光の照射位置101が追従するように、照射位置101が移動される。これにより、所定の期間、1つの情報記録領域7に情報光および記録用参照光が照射され続け、この情報記録領域7に、情報光と記録用参照光との干渉による干渉パターンによって情報が記録される。従って、本実施の形態によれば、情報記録領域7と情報光および記録用参照光の照射位置とのずれを生じることなく、情報記録領域7に情報を記録するのに十分な時間だけ、情報記録領域7に情報光および記録用参照光を照射することが可能となる。その結果、本実施の形態によれば、例えば、実用的な光源である半導体レーザを用いて、複数の情報記録領域7を有する記録媒体1を回転移動させながら、各情報記録領域7にホログラフィを利用して情報を記録することが可能となる。
【0090】
以下、固体撮像素子39に入射する再生光の像と固体撮像素子39との間の位置ずれを補正するための構成とその作用について詳しく説明する。本実施の形態において、情報光は、複数の画素を有する空間光検出器20によって生成される。従って、情報光および再生光は複数の画素を有する。また、本実施の形態において、再生光を検出する固体撮像素子39も、複数の画素を有している。そのため、情報を正確に再生するためには、固体撮像素子39の画素と、固体撮像素子39に投影される再生光の画素との位置合わせを正確に行わなければならない。しかしながら、種々の要因から、固体撮像素子39に対する再生光の像の位置が所望の位置からずれて、その結果、固体撮像素子39の画素と再生光の画素との間で位置ずれが生じる場合がある。その最も大きな要因は、記録媒体1の傾きによる光ヘッド11内の光学系と記録媒体1との位置関係の変動である。
【0091】
そこで、本実施の形態では、傾き検出器95によって、固体撮像素子39に入射する再生光と固体撮像素子39との間の位置ずれに関係する再生光位置ずれ情報として、所定の基準位置に対する記録媒体1の傾きの情報を検出する。そして、この傾きの情報に基づいて、像ずれ補正回路96およびレンズ移動機構によって、固体撮像素子39に入射する再生光の像と固体撮像素子39との間の位置ずれを補正する。像ずれ補正回路96およびレンズ移動機構は、本発明における補正手段に対応する。
【0092】
まず、図12を参照して、傾き検出器95の構成について説明する。この傾き検出器95は、光ヘッド11において記録媒体1の下面に対向する面、すなわち光ヘッド11の上面に固定された基板111と、この基板111の上に配置された発光ダイオード112およびフォトダイオード113A,113B,113C,113Dを有している。発光ダイオード112は、記録媒体1の下面に向けて光を出射するようになっている。フォトダイオード113A,113B,113C,113Dは、発光ダイオード112の周囲に配置されている。このうち、フォトダイオード113A,113Bは、記録媒体1におけるトラックの接線方向に沿って、発光ダイオード112を挟んで互いに反対側の位置に配置されている。また、フォトダイオード113C,113Dは、記録媒体1の半径方向に沿って、発光ダイオード112を挟んで互いに反対側の位置に配置されている。
【0093】
次に、図13および図14を参照して、傾き検出器95の作用について説明する。まず、記録媒体1の下面が基板111の上面に平行になる記録媒体1の位置を基準位置とする。記録媒体1がこの基準位置にあるときには、発光ダイオード112より出射された光は、記録媒体1の下面で反射されてフォトダイオード113A〜113Dに入射する。このとき、フォトダイオード113A〜113Dの受光量は等しくなるように設定されている。ここで、フォトダイオード113A,113B,113C,113Dの各出力信号の大きさを、それぞれPD1a,PD1b,PD1c,PD1dとする。フォトダイオード113A〜113Dの受光量が大きいほど、フォトダイオード113A〜113Dの出力信号の大きさPD1a〜PD1dは大きくなるようになっている。また、フォトダイオード113A〜113Dにおける受光量と出力信号の大きさとの関係は全て等しくなっている。従って、記録媒体1が基準位置にあるときには、フォトダイオード113A〜113Dの各出力信号の大きさPD1a〜PD1dは全て等しい。
【0094】
図13は、記録媒体1が基準位置にあるときに、発光ダイオード112より出射された光がフォトダイオード113A,113Bに入射する様子を示している。この状態では、フォトダイオード113A,113Bの出力信号の大きさPD1a,PD1bは等しいので、PD1a−PD1b=0となる。図示しないが、記録媒体1が基準位置にあるときには、フォトダイオード113C,113Dの出力信号の大きさPD1c,PD1dは等しいので、PD1c−PD1d=0となる。
【0095】
図14は、記録媒体1とフォトダイオード113Aとの間の距離が、記録媒体1とフォトダイオード113Bとの間の距離よりも大きくなるように記録媒体1が傾いた状態において、発光ダイオード112より出射された光がフォトダイオード113A,113Bに入射する様子を示している。この状態では、フォトダイオード113Aの受光量は、フォトダイオード113Bの受光量よりも小さくなる。従って、PD1a−PD1b<0となる。また、記録媒体1の基準位置からの傾きが大きいほど、PD1a−PD1bの絶対値は大きくなる。
【0096】
図示しないが、記録媒体1とフォトダイオード113Bとの間の距離が、記録媒体1とフォトダイオード113Aとの間の距離よりも大きくなるように記録媒体1が傾いた状態では、フォトダイオード113Bの受光量は、フォトダイオード113Aの受光量よりも小さくなる。従って、PD1a−PD1b>0となる。また、記録媒体1の基準位置からの傾きが大きいほど、PD1a−PD1bの絶対値は大きくなる。
【0097】
以上のことから、PD1a−PD1bの値によって、記録媒体1の半径方向を中心として記録媒体1が回転するような記録媒体1の傾き(以下、タンジェンシャルチルトと言う。)の方向および大きさを検出することができる。
【0098】
図示しないが、記録媒体1とフォトダイオード113Cとの間の距離が、記録媒体1とフォトダイオード113Dとの間の距離よりも大きくなるように記録媒体1が傾いた状態では、フォトダイオード113Cの受光量は、フォトダイオード113Dの受光量よりも小さくなる。従って、PD1c−PD1d<0となる。また、記録媒体1の基準位置からの傾きが大きいほど、PD1c−PD1dの絶対値は大きくなる。
【0099】
また、記録媒体1とフォトダイオード113Dとの間の距離が、記録媒体1とフォトダイオード113Cとの間の距離よりも大きくなるように記録媒体1が傾いた状態では、フォトダイオード113Dの受光量は、フォトダイオード113Cの受光量よりも小さくなる。従って、PD1c−PD1d>0となる。また、記録媒体1の基準位置からの傾きが大きいほど、PD1c−PD1dの絶対値は大きくなる。
【0100】
以上のことから、PD1c−PD1dの値によって、記録媒体1の半径方向が基板111の上面に対して傾くような記録媒体1の傾き(以下、ラジアルチルトと言う。)の方向および大きさを検出することができる。
【0101】
像ずれ補正回路96は、フォトダイオード113A〜113Dの出力信号を入力し、PD1a−PD1bおよびPD1c−PD1dを演算する。なお、PD1a−PD1bおよびPD1c−PD1dと、固体撮像素子39に入射する再生光の像と固体撮像素子39との間の位置ずれの方向および大きさとの関係は、予め求められている。従って、PD1a−PD1bおよびPD1c−PD1dによって、上記位置ずれの方向および大きさが分かる。像ずれ補正回路96は、このPD1a−PD1bおよびPD1c−PD1dに基づいて、上記位置ずれがなくなるようにレンズ移動機構を制御する。
【0102】
次に、図15を参照して、固体撮像素子39に投影される再生光の像の位置および大きさを調整することのできるリレーレンズ系37の構成について説明する。図15に示したように、リレーレンズ系37は、再生光が入射する側(図15における左側)から順に配置された凸レンズ37A、凹レンズ37B、凹レンズ37C、凹レンズ37Dおよび凸レンズ37Eを有している。前述のように、凸レンズ37Aと凹レンズ37Bは接合され、凹レンズ37Dと凸レンズ37Eは接合されている。凹レンズ37Cは、レンズ移動機構によって移動可能になっている。図15中の記号r1〜r8は、再生光が入射する側から順に配置されたレンズ面を示している。また、図15中の記号d1〜d7は、レンズ面の間隔を示している。
【0103】
ここで、凹レンズ37Cが中立の位置にあるときのリレーレンズ系の緒元データを、以下の表に示す。なお、表中の面番号は、再生光が入射する側から数えたレンズ面の番号を表わしている。Rは各レンズ面の曲率半径を表わしている。Dは、表中の対応する番号n(nは1〜7の整数)のレンズ面と番号n+1のレンズ面との間隔を表わしている。N(532)は、番号nのレンズ面と番号n+1のレンズ面との間の部分の、波長532nmにおける屈折率を表わしている。νdは、番号nのレンズ面と番号n+1のレンズ面との間の部分の、d線(波長587.56nm)に対するアッベ数を表わしている。また、NDは、番号nのレンズ面と番号n+1のレンズ面との間の部分の、d線に対する屈折率を表わしている。また、このリレーレンズ系の条件としては、以下の表に示す緒元データの他に、横倍率が−1.75倍、物体高が直径3mm、物体距離が23.9mm、像点距離が43.7mmという条件がある。
【0104】
【表1】
Figure 2004086966
【0105】
図16は、リレーレンズ系37の球面収差および色収差を示す収差図である。図16において、横軸は光軸方向の位置(単位はmm)を表わし、縦軸は射出瞳から出射する光線の高さ(単位はmm)を表わしている。縦軸における最大値は、軸上瞳径である5.2mmである。図中の曲線(収差曲線)は、射出瞳から出射する光線の高さと、光線が光軸と交わる位置との関係を表わしている。また、図16は、波長532nm、522nm、542nmのそれぞれにおける収差曲線を示している。
【0106】
図17は、リレーレンズ系37の非点収差を示す収差図である。図17において、横軸は光軸方向の位置(単位はmm)を表わし、縦軸は射出角(単位はdeg(度))を表わしている。縦軸における最大値は、1.7(deg)である。また、図17において、記号Sで示す曲線はサジタル像面を表わし、記号Mで示す曲線はメリジオナル像面を表わしている。
【0107】
図18は、リレーレンズ系37の歪曲収差を示す収差図である。図18において、横軸は像の歪み量(単位は%)を表わし、縦軸は射出角(単位はdeg)を表わしている。縦軸における最大値は、1.7(deg)である。
【0108】
図19ないし図22は、それぞれ、リレーレンズ系37のコマ収差を示す収差図である。図19ないし図22において、横軸は相対的瞳径(単位は無次元)を表わし、縦軸はコマ収差量(単位はmm)を表わしている。相対的瞳径は、図19ないし図22における各画角での最大瞳径が1となるように規格された瞳径である。また、図19ないし図22は、それぞれ、射出角が0.00(deg)、0.57(deg)、1.14(deg)、1.71(deg)における収差を表わしている。
【0109】
なお、図17ないし図22は、いずれも波長532nmにおける収差曲線を示している。
【0110】
図15に示したリレーレンズ系37は、倍率を変えることができるようになっている。例として、図23ないし図25には、それぞれ倍率が−1.53、−1.75、−2.03となるときのリレーレンズ系37の状態を示している。なお、図23ないし図25において、符号121は物体面を表わし、符号122は像面を表わしている。また、倍率における負号は、像が倒立像となることを表わしている。本実施の形態に係る光情報記録再生装置は、倍率が−1.75のときに、固体撮像素子39に投影される再生光の像の大きさが最適になるように設計されている。レンズ37A〜37Eの光軸が一致し、倍率が−1.75となるときのレンズ37Cの位置を、レンズ37Cの中立の位置とする。
【0111】
なお、図23ないし図25に示した例では、レンズ37A〜37Cを光軸方向に移動させることによって倍率を変化させているが、レンズ37Cのみを光軸方向に移動させても倍率を変化させることができる。
【0112】
図26は、レンズ37Cのみを光軸方向に移動させた場合におけるレンズ37Cの位置と倍率との関係を示す特性図である。図26において、横軸は光軸方向についてのレンズ37Cの位置を表わし、縦軸は倍率を表わしている。なお、レンズ37Cの位置は、中立の位置を0mmで表わし、この中立の位置よりもレンズ37D寄りの位置を正の値で表わし、中立の位置よりもレンズ37B寄りの位置を負の値で表わしている。このリレーレンズ系37では、光軸方向についてのレンズ37Cの移動量1mm当たり、倍率は−0.025だけ変化する。
【0113】
また、図15に示したリレーレンズ系37では、レンズ37Cを光軸に直交する方向に移動させることによって、固体撮像素子39に投影される再生光の像の位置を移動させることができる。図27は、光軸に直交する方向についてのレンズ37Cの位置と再生光の像の移動量との関係を示す特性図である。図27において、横軸は光軸に直交する方向についてのレンズ37Cの位置を表わし、縦軸は再生光の像の移動量を表わしている。なお、レンズ37Cの位置は、中立の位置を0mmで表わしている。再生光の像の移動量は、レンズ37Cが中立の位置にあるときの再生光の像の位置を基準として表わしている。図27において、レンズ37Cの位置が負の値で表わされ、再生光の像の移動量が正の値で表わされているのは、レンズ37Cの移動方向と再生光の像の移動方向とが逆になるためである。このリレーレンズ系37では、光軸に直交する方向についてのレンズ37Cの移動量1mm当たり、再生光の像の位置は−0.629mmだけ移動する。なお、図26に示した範囲内で、光軸方向についてのレンズ37Cの位置を変えた場合でも、光軸に直交する方向についてのレンズ37Cの位置と再生光の像の移動量との関係はほとんど変わらなかった。
【0114】
また、図15に示したリレーレンズ系37では、レンズ37Cに入射する再生光の進行方向とレンズ37Cの光軸方向とがなす角度が変化する方向にレンズ37Cを移動させることによっても、固体撮像素子39に投影される再生光の像の位置を移動させることができる。図28は、レンズ37Cの光軸の傾きと再生光の像の移動量との関係を示す特性図である。図28において、横軸は、レンズ37Cの光軸の傾きを表わし、縦軸は再生光の像の移動量を表わしている。なお、レンズ37Cの光軸の傾きは、レンズ37Cの光軸と、レンズ37Cに入射する再生光の進行方向すなわち他のレンズ37A,37B,37D,37Eの光軸とのなす角度で表わしている。再生光の像の移動量は、レンズ37Cの光軸の傾きが0°のときの再生光の像の位置を基準として表わしている。このリレーレンズ系37では、レンズ37Cの光軸の傾き1(deg)当たり、再生光の像の位置は−0.007mmだけ移動する。なお、図26に示した範囲内で、光軸方向についてのレンズ37Cの位置を変えた場合でも、レンズ37Cの光軸の傾きと再生光の像の移動量との関係はほとんど変わらなかった。
【0115】
次に、図29ないし図32を参照して、レンズ移動機構について説明する。図29はレンズ移動機構の正面図、図30は図29のA−A線断面図、図31はレンズ移動機構の斜視図、図32はレンズ移動機構の分解斜視図である。
【0116】
レンズ移動機構は、ベース131と、このベース131に取り付けられたワイヤホルダ132と、互いに平行に配置され、各一端がワイヤホルダ132に固定された2本のサスペンションワイヤ133と、この2本のサスペンションワイヤ133の他端に取り付けられたレンズホルダ134と、このレンズホルダ134に取り付けられた2つのマグネット135とを備えている。レンズ37Cは、レンズホルダ134に固定されている。レンズホルダ134は、4つの側面を有している。2本のサスペンションワイヤ133の他端は、それぞれ、レンズホルダ134の互いに反対側に配置された2つの側面に固定されている。2つのマグネット135は、レンズホルダ134の残りの2つの側面に固定されている。また、ベース131は、レンズ37Cに光を入射させるための開口部131aを有している。
【0117】
レンズ移動機構は、更に、2つのマグネット135に対向する位置に配置され、ベース131に固定された2つのコイルアッセンブリ140を備えている。図32に示したように、各コイルアッセンブリ140は、ヨークホルダ141と、このヨークホルダ141に取り付けられたヨーク142と、ヨークホルダ141およびヨーク142の周囲に設けられた平行移動用コイル143と、このコイル143の周囲に設けられたズーム用コイル144とを有している。
【0118】
次に、図29ないし図32に示したレンズ移動機構の作用について説明する。このレンズ移動機構では、平行移動用コイル143に通電することによって、レンズ37Cの光軸に直交する方向(図29における上下方向)にレンズ37Cを移動させることができる。
【0119】
また、このレンズ移動機構では、2つのズーム用コイル144に流す電流の方向と大きさを制御することにより、レンズ37Cの光軸方向(図30における上下方向)にレンズ37Cを移動させたり、レンズ37Cに入射する再生光の進行方向とレンズ37Cの光軸方向とがなす角度が変化する方向にレンズ37Cを移動させることができる。
【0120】
このレンズ移動機構では、レンズ37Cを光軸方向に移動させることにより、固体撮像素子39に投影される再生光の像の大きさを調整することができる。また、このレンズ移動機構では、レンズ37Cを光軸に直交する方向に移動させることによって、固体撮像素子39に投影される再生光の像の位置を、所定の第1の方向に移動させることができる。また、このレンズ移動機構では、レンズ37Cに入射する再生光の進行方向とレンズ37Cの光軸方向とがなす角度が変化する方向にレンズ37Cを移動させることによって、上記第1の方向に直交する第2の方向に移動させることができる。
【0121】
ところで、記録媒体1の傾きに起因する固体撮像素子39の画素と再生光の画素との位置ずれには、ラジアルチルトに起因する位置ずれと、タンジェンシャルチルトに起因する位置ずれとがある。両位置ずれの方向は直交している。また、ラジアルチルトに起因する位置ずれは、タンジェンシャルチルトに起因する位置ずれよりも大きい場合が多い。一方、図27および図28から分かるように、レンズ37Cを光軸に直交する方向に移動させる方が、レンズ37Cの光軸を傾けるよりも、容易に大きな像移動量を得ることができる。そこで、レンズ37Cを光軸に直交する方向に移動させることによってラジアルチルトに起因する位置ずれを補正し、レンズ37Cの光軸を傾けることによってタンジェンシャルチルトに起因する位置ずれを補正するように設定するのが好ましい。なお、レンズ37Cの移動の方向および大きさと、固体撮像素子39上における再生光の像の移動および大きさとの関係は予め求められている。
【0122】
以上説明したように、本実施の形態では、傾き検出器95によって、固体撮像素子39に入射する再生光と固体撮像素子39との間の位置ずれに関係する再生光位置ずれ情報として、記録媒体1の傾きの情報を検出する。そして、この傾きの情報に基づいて、像ずれ補正回路96およびレンズ移動機構によって、上記位置ずれがなくなるように、位置ずれを補正する。従って、本実施の形態によれば、記録媒体1から2次元画像情報を正確に再生することができる。
【0123】
[第2の実施の形態]
次に、図33ないし図36を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る光情報記録再生装置について説明する。本実施の形態は、第1の実施の形態に対して、レンズ移動機構のみが異なるものである。図33は、本実施の形態におけるレンズ移動機構の分解斜視図、図34は本実施の形態におけるレンズ移動機構の正面図、図35は図34のB−B線断面図、図36は図34のC−C線断面図である。
【0124】
本実施の形態におけるレンズ移動機構は、レンズ37Cを保持するレンズホルダ150と、このレンズホルダ150を懸架する4本のサスペンションワイヤ151とを備えている。レンズ移動機構は、更に、レンズホルダ150の一方の面に接合されたコイル152と、このコイル152におけるレンズホルダ150とは反対側に接合された4つのコイル153〜156とを備えている。コイル152〜156は、いずれも全体形状が矩形になっている。コイル153,154は、コイル152の4つの辺部分のうちの平行な2つの辺部分に接合され、コイル155,156は、コイル152の4つの辺部分のうちの残りの2つの辺部分に接合されている。
【0125】
レンズ移動機構は、更に、それぞれコイル153〜156の1つの辺部分を挟み込む形状のヨーク163A〜166Aと、各ヨーク163A〜166Aに固着されたマグネット163B〜166Bとを備えている。
【0126】
次に、図33ないし図36に示したレンズ移動機構の作用について説明する。以下の説明では、図33に示したように、レンズ37Cの光軸方向をZ軸とし、レンズ37Cの光軸方向に直交すると共に互いに直交する2つの方向をX軸およびY軸とする。X軸はコイル153,154が接合されたコイル152の2つの辺部分に平行であり、Y軸はコイル155,156が接合されたコイル152の2つの辺部分に平行である。
【0127】
このレンズ移動機構では、コイル152に通電することによって、Z軸方向にレンズ37Cを移動させることができる。また、このレンズ移動機構では、コイル153,154に通電することにより、X軸を中心として回転する方向にレンズ37Cを移動させることができる。また、このレンズ移動機構では、コイル155,156に通電することにより、Y軸を中心として回転する方向にレンズ37Cを移動させることができる。
【0128】
このレンズ移動機構では、レンズ37Cを光軸方向に移動させることにより、固体撮像素子39に投影される再生光の像の大きさを調整することができる。また、このレンズ移動機構では、X軸を中心として回転する方向にレンズ37Cを移動させることによって、固体撮像素子39に投影される再生光の像の位置を、所定の第1の方向に移動させることができる。また、このレンズ移動機構では、Y軸を中心として回転する方向にレンズ37Cを移動させることによって、上記第1の方向に直交する第2の方向に移動させることができる。なお、レンズ37Cの移動の方向および大きさと、固体撮像素子39上における再生光の像の移動の方向および大きさとの関係は予め求められている。
【0129】
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
【0130】
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態に係る光情報記録再生装置について説明する。本実施の形態に係る光情報記録再生装置では、第1の実施の形態における傾き検出器95は設けられておらず、4分割光検出器49を用いて、所定の基準位置に対する記録媒体1の傾きを検出する。従って、本実施の形態では、4分割光検出器49は、参照光位置情報検出手段と再生光位置ずれ検出手段とを兼ねている。本実施の形態における像ずれ補正回路96は、傾き検出器95の出力信号ではなく、4分割光検出器49の出力信号を入力する。
【0131】
次に、図37を参照して、4分割光検出器49を用いて記録媒体1の傾きを検出する方法について説明する。図37に示したように、4分割光検出器49は、記録媒体1におけるトラック方向に対応する方向に平行な分割線171とこれと直交する方向の分割線172とによって分割された4つの受光部49A,49B,49C,49Dを有している。図37において、受光部49A,49Bと、受光部49C,49Dは、分割線171を挟んで反対側に配置され、受光部49A,49Cと、受光部49B,49Dは、分割線172を挟んで反対側に配置されている。受光部49A〜49Dの出力信号は、像ずれ補正回路96に入力されるようになっている。
【0132】
4分割光検出器49は、対物レンズ41の出射光がアドレス・サーボ領域6を通過する期間では、フォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TEおよび再生信号RFを生成するために用いられる。
【0133】
本実施の形態では、情報の再生時には、4分割光検出器49は、記録媒体1の傾きを検出するために用いられる。本実施の形態では、情報の再生時にも、光源装置45は赤色光を出射し、記録媒体1に照射された赤色光に対応する記録媒体1からの戻り光が4分割光検出器49によって受光される。ここで、記録媒体1の傾きがないときには、戻り光は4分割光検出器49の中央部分に入射し、受光部49A〜49Dの出力信号の大きさは等しい。以下、受光部49A〜49Dの出力信号の大きさを、PD2a〜PD2dとする。
【0134】
記録媒体1にタンジェンシャルチルトが生じると、4分割光検出器49に対する戻り光の入射位置は、図37において符号173Tで示す矢印方向に移動する。その結果、PD2a+PD2cと、PD2b+PD2dとの間に差が生じる。よって、(PD2a+PD2c)−(PD2b+PD2d)の値によって、タンジェンシャルチルトの方向および大きさを検出することができる。
【0135】
また、記録媒体1にラジアルチルトが生じると、4分割光検出器49に対する戻り光の入射位置は、図37において符号173Rで示す矢印方向に移動する。その結果、PD2a+PD2bと、PD2c+PD2dとの間に差が生じる。よって、(PD2a+PD2b)−(PD2c+PD2d)の値によって、ラジアルチルトの方向および大きさを検出することができる。
【0136】
本実施の形態における像ずれ補正回路96は、(PD2a+PD2c)−(PD2b+PD2d)を演算する演算増幅器174と、(PD2a+PD2b)−(PD2c+PD2d)を演算する演算増幅器175とを有している。像ずれ補正回路96は、演算増幅器174,175の出力信号に基づいてレンズ移動機構を制御する。
【0137】
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
【0138】
[第4の実施の形態]
次に、本発明の第4の実施の形態に係る光情報記録再生装置について説明する。本実施の形態に係る光情報記録再生装置では、第1の実施の形態における傾き検出器95は設けられておらず、固体撮像素子39を用いて、固体撮像素子39に入射する再生光と固体撮像素子39との間の位置ずれを直接、検出する。従って、本実施の形態では、固体撮像素子39は、再生光検出手段と再生光位置ずれ検出手段とを兼ねている。本実施の形態における像ずれ補正回路96は、傾き検出器95の出力信号ではなく、信号処理回路89の出力信号を入力する。
【0139】
次に、図38を参照して、固体撮像素子39を用いて上記位置ずれを検出する方法について説明する。図38は、固体撮像素子39に投影される再生光の像181を示している。本実施の形態では、空間光変調器20によって情報光を生成する際に、情報光に対して、4つの位置認識用マーク182A〜182Dが挿入される。マーク182A〜182Dは、情報光の光束における上下左右の各端部の位置に配置される。また、マーク182A〜182Dは、それぞれ、空間光変調器20の一部の複数の画素を用いて形成された所定の2次元パターンを有している。このように、本実施の形態では、情報光がマーク182A〜182Dを含むことから、再生光の像181にも、マーク182A〜182Dが含まれている。
【0140】
本実施の形態における像ずれ補正回路96は、固体撮像素子39の出力信号を処理する信号処理回路89の出力信号に基づいて、マーク182A〜182Dを認識すると共に、固体撮像素子39上におけるマーク182A〜182Dの位置を検出する。なお、マーク182A〜182Dの位置は、各マーク182A〜182D中の所定の画素、例えば中央の画素の位置で表わす。また、像ずれ補正回路96は、以下のようにして、マーク182A〜182Dの位置から、固体撮像素子39に入射する再生光と固体撮像素子39との間の位置ずれの方向および大きさと、固体撮像素子39上における再生光の像181の大きさとを検出する。
【0141】
ここで、図38における水平方向をX軸とし、図38における垂直方向をY軸とする。また、固体撮像素子39上におけるマーク182A〜182Dの位置を、それぞれ、座標(x,y),(x,y),(x,y),(x,y)で表わす。また、固体撮像素子39上における再生光の像181の中心の位置を、座標(x,y)で表わす。なお、固体撮像素子39は、予め、x=x、y=yとなるように配置されている。
【0142】
像ずれ補正回路96は、以下の式によって、中心の位置の座標(x,y)を求める。
【0143】
=(x+x)/2
=(y+y)/2
【0144】
像ずれ補正回路96は、再生光の像181の中心の位置の座標(x,y)と、予め決められた所望の位置とを比較して、固体撮像素子39に入射する再生光と固体撮像素子39との間の位置ずれの方向および大きさを検出する。そして、像ずれ補正回路96は、上記位置ずれがなくなるようにレンズ移動機構を制御する。
【0145】
また、像ずれ補正回路96は、以下の式によって、像181の高さHと、像181の幅Wとを求める。
【0146】
H=y−y
W=x−x
【0147】
像ずれ補正回路96は、更に、以下の式によって、像181の直径Rを求める。
【0148】
R=(H+W)/2
【0149】
像ずれ補正回路96は、像181の直径Rと、予め決められた所望の径とを比較して、所望の大きさに対する像181の大きさのずれを検出する。そして、像ずれ補正回路96は、上記大きさのずれがなくなるように、レンズ移動機構を制御してリレーレンズ径37の倍率を調整する。
【0150】
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
【0151】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、実施の形態では、記録再生光学系の一部を構成するレンズ37Cを移動させることによって、固体撮像素子39に入射する再生光と固体撮像素子39との間の位置ずれを補正するようにしている。しかし、本発明では、静的に光の進行方向を変える光学素子を記録再生光学系に挿入し、この光学素子を用いて、上記位置ずれを補正するようにしてもよい。また、本発明では、固体撮像素子39に入射する再生光を移動させる代わりに、固体撮像素子39を移動させることによって、上記位置ずれを補正するようにしてもよい。
【0152】
また、実施の形態では、位相符号化多重方式によって情報の多重記録を行うようにしたが、本発明は位相符号化多重方式による多重記録を行わない場合も含む。また、実施の形態では、情報の記録時において、所定の期間、移動する1つの情報記録領域7に情報光および記録用参照光の照射位置が追従するように、情報光および記録用参照光の照射位置を制御するようにしたが、本発明はこのような制御を行わない場合も含む。
【0153】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の光情報再生装置では、再生用参照光が照射されることによって記録媒体より発生される再生光が再生光検出手段によって検出される。また、再生光位置ずれ検出手段によって、再生光検出手段に入射する再生光と再生光検出手段との間の位置ずれに関係する再生光位置ずれ情報が検出され、この情報に基づいて、補正手段によって位置ずれが補正される。従って、本発明によれば、ホログラフィを利用して記録媒体から2次元画像情報を正確に再生することが可能になるという効果を奏する。
【0154】
また、本発明の光情報記録再生装置では、情報の記録時には、情報光と記録用参照光とが記録媒体に照射され、これらの干渉によって記録媒体に2次元画像情報が記録される。また、情報の再生時には、再生用参照光が照射されることによって記録媒体より発生される再生光が再生光検出手段によって検出される。また、再生光位置ずれ検出手段によって、再生光検出手段に入射する再生光と再生光検出手段との間の位置ずれに関係する再生光位置ずれ情報が検出され、この情報に基づいて、補正手段によって位置ずれが補正される。従って、本発明によれば、ホログラフィを利用して記録媒体に2次元画像情報を記録すると共にホログラフィを利用して記録媒体から2次元画像情報を再生することができると共に、記録媒体から2次元画像情報を正確に再生することが可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る光情報記録再生装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る光情報記録再生装置における光ヘッドの記録再生光学系の主要部分の構成を示す説明図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る光情報記録再生装置における光ヘッドの可動部とその周辺を示す平面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る光情報記録再生装置における光ヘッドの光の出射部と記録媒体とを示す説明図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る光情報記録再生装置における光ヘッドの位置制御用光学系を示す説明図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態において用いられる記録媒体を示す説明図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態において使用する偏光を説明するための説明図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係る光情報記録再生装置のサーボ時の作用を説明するための説明図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態に係る光情報記録再生装置の情報記録時の作用を説明するための説明図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態に係る光情報記録再生装置の情報再生時の作用を説明するための説明図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態に係る光情報記録再生装置の情報記録時におけるトラックの動きと情報光および記録用参照光の照射位置の動きとを説明するための説明図である。
【図12】本発明の第1の実施の形態における傾き検出器を示す斜視図である。
【図13】図12に示した傾き検出器の作用を説明するための説明図である。
【図14】図12に示した傾き検出器の作用を説明するための説明図である。
【図15】本発明の第1の実施の形態におけるリレーレンズ系の構成を示す説明図である。
【図16】図15に示したリレーレンズ系の球面収差および色収差を示す収差図である。
【図17】図15に示したリレーレンズ系の非点収差を示す収差図である。
【図18】図15に示したリレーレンズ系の歪曲収差を示す収差図である。
【図19】図15に示したリレーレンズ系のコマ収差を示す収差図である。
【図20】図15に示したリレーレンズ系のコマ収差を示す収差図である。
【図21】図15に示したリレーレンズ系のコマ収差を示す収差図である。
【図22】図15に示したリレーレンズ系のコマ収差を示す収差図である。
【図23】倍率が−1.53となるときの図15に示したリレーレンズ系の状態を示す説明図である。
【図24】倍率が−1.75となるときの図15に示したリレーレンズ系の状態を示す説明図である。
【図25】倍率が−2.03となるときの図15に示したリレーレンズ系の状態を示す説明図である。
【図26】図15に示したリレーレンズ系における補正用レンズの位置と倍率との関係を示す特性図である。
【図27】図15に示したリレーレンズ系における補正用レンズの位置と再生光の像の移動量との関係を示す特性図である。
【図28】図15に示したリレーレンズ系における補正用レンズの光軸の傾きと再生光の像の移動量との関係を示す特性図である。
【図29】本発明の第1の実施の形態におけるレンズ移動機構の正面図である。
【図30】図29のA−A線断面図である。
【図31】図29に示したレンズ移動機構の斜視図である。
【図32】図29に示したレンズ移動機構の分解斜視図である。
【図33】本発明の第2の実施の形態におけるレンズ移動機構の分解斜視図である。
【図34】本発明の第2の実施の形態におけるレンズ移動機構の正面図である。
【図35】図34のB−B線断面図である。
【図36】図34のC−C線断面図である。
【図37】本発明の第3の実施の形態において4分割光検出器を用いて記録媒体の傾きを検出する方法について説明するための説明図である。
【図38】本発明の第4の実施の形態において固体撮像素子を用いて固体撮像素子に入射する再生光と固体撮像素子との間の位置ずれを検出する方法について説明するための説明図である。
【符号の説明】
1…記録媒体、3…情報記録層、5…反射層、5a…反射面、11…光ヘッド、12…光源装置、20…空間光変調器、25…偏光ビームスプリッタ、26…位相空間光変調器、32…2分割旋光板、37…リレーレンズ系、37C…凹レンズ、39…固体撮像素子、41…対物レンズ、45…光源装置、95…傾き検出器、96…像ずれ補正回路。

Claims (12)

  1. 2次元画像情報を担持した情報光と記録用参照光との干渉によって前記2次元画像情報が記録された記録媒体から、ホログラフィを利用して前記2次元画像情報を再生するための光情報再生装置であって、
    再生用参照光を生成する再生用参照光生成手段と、
    前記再生用参照光生成手段によって生成された再生用参照光を前記記録媒体に対して照射すると共に、再生用参照光が照射されることによって前記記録媒体より発生される、前記2次元画像情報を担持した再生光を収集する再生光学系と、
    前記再生光学系によって収集された再生光が入射され、この再生光を検出する再生光検出手段と、
    前記再生光検出手段に入射する再生光と前記再生光検出手段との間の位置ずれに関係する再生光位置ずれ情報を検出する再生光位置ずれ検出手段と、
    前記再生光位置ずれ検出手段によって検出された再生光位置ずれ情報に基づいて、前記位置ずれを補正する補正手段と
    を備えたことを特徴とする光情報再生装置。
  2. 前記再生光位置ずれ検出手段は、前記再生光位置ずれ情報として、所定の基準位置に対する前記記録媒体の傾きの情報を検出することを特徴とする請求項1記載の光情報再生装置。
  3. 更に、前記記録媒体に入射する再生用参照光と前記記録媒体との位置関係に関する情報を検出する参照光位置情報検出手段を備え、
    前記再生光位置ずれ検出手段は、前記参照光位置情報検出手段を用いて、前記再生光位置ずれ情報として、所定の基準位置に対する前記記録媒体の傾きの情報を検出することを特徴とする請求項1記載の光情報再生装置。
  4. 前記再生光位置ずれ検出手段は、前記再生光検出手段を用いて前記再生光位置ずれ情報を検出することを特徴とする請求項1記載の光情報再生装置。
  5. 前記補正手段は、前記再生光学系の一部を構成する補正用レンズと、この補正用レンズを移動させる移動機構とを有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の光情報再生装置。
  6. 前記移動機構は、前記補正用レンズを、補正用レンズの光軸に交差する方向と、補正用レンズの光軸方向と、補正用レンズに入射する再生光の進行方向と補正用レンズの光軸方向とがなす角度が変化する方向のうちの少なくとも1つの方向に移動させることを特徴とする請求項5記載の光情報再生装置。
  7. ホログラフィを利用して記録媒体に2次元画像情報を記録すると共に、ホログラフィを利用して前記記録媒体から前記2次元画像情報を再生するための光情報記録再生装置であって、
    前記2次元画像情報を担持した情報光を生成する情報光生成手段と、
    記録用参照光を生成する記録用参照光生成手段と、
    再生用参照光を生成する再生用参照光生成手段と、
    情報の記録時には、前記情報光と記録用参照光との干渉によって前記記録媒体に前記2次元画像情報が記録されるように、前記情報光生成手段によって生成された情報光と前記記録用参照光生成手段によって生成された記録用参照光とを前記記録媒体に照射し、情報の再生時には、前記再生用参照光生成手段によって生成された再生用参照光を前記記録媒体に対して照射すると共に、再生用参照光が照射されることによって前記記録媒体より発生される、前記2次元画像情報を担持した再生光を収集する記録再生光学系と、
    前記記録再生光学系によって収集された再生光が入射され、この再生光を検出する再生光検出手段と、
    前記再生光検出手段に入射する再生光と前記再生光検出手段との間の位置ずれに関係する再生光位置ずれ情報を検出する再生光位置ずれ検出手段と、
    前記再生光位置ずれ検出手段によって検出された再生光位置ずれ情報に基づいて、前記位置ずれを補正する補正手段と
    を備えたことを特徴とする光情報記録再生装置。
  8. 前記再生光位置ずれ検出手段は、前記再生光位置ずれ情報として、所定の基準位置に対する前記記録媒体の傾きの情報を検出することを特徴とする請求項7記載の光情報記録再生装置。
  9. 更に、前記記録媒体に入射する再生用参照光と前記記録媒体との位置関係に関する情報を検出する参照光位置情報検出手段を備え、
    前記再生光位置ずれ検出手段は、前記参照光位置情報検出手段を用いて、前記再生光位置ずれ情報として、所定の基準位置に対する前記記録媒体の傾きの情報を検出することを特徴とする請求項7記載の光情報記録再生装置。
  10. 前記再生光位置ずれ検出手段は、前記再生光検出手段を用いて前記再生光位置ずれ情報を検出することを特徴とする請求項7記載の光情報記録再生装置。
  11. 前記補正手段は、前記記録再生光学系の一部を構成する補正用レンズと、この補正用レンズを移動させる移動機構とを有することを特徴とする請求項7ないし10のいずれかに記載の光情報記録再生装置。
  12. 前記移動機構は、前記補正用レンズを、補正用レンズの光軸に交差する方向と、補正用レンズの光軸方向と、補正用レンズに入射する再生光の進行方向と補正用レンズの光軸方向とがなす角度が変化する方向のうちの少なくとも1つの方向に移動させることを特徴とする請求項11記載の光情報記録再生装置。
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