JP2004082933A - 車両のシート構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両のシート構造において、非使用姿勢で固定されたシートの座部を使用姿勢に操作する場合、楽に使用姿勢に操作できるように構成する。
【解決手段】シートの座部の前部に備えられた支持部材9を、車体に備えられた固定部材14の横軸芯P1周りに上下に揺動自在に支持して、シートの座部を横向きの使用姿勢及び縦向きの非使用姿勢に操作自在に構成する。支持部材9及び固定部材14のうちの一方にピン10を取り付け、ピン10に弾性体11を外嵌して、弾性体11に硬質のカラー部材12を外嵌する。支持部材9及び固定部材14のうちの他方に係合部14bを備える。シートの座部を非使用姿勢に操作すると、係合部14bがカラー部材12に接当することにより、弾性体11が弾性的に変形しながらカラー部材12が係合部14bに係合して、シートの座部が非使用姿勢に保持されるように構成する。
【選択図】 図2
【解決手段】シートの座部の前部に備えられた支持部材9を、車体に備えられた固定部材14の横軸芯P1周りに上下に揺動自在に支持して、シートの座部を横向きの使用姿勢及び縦向きの非使用姿勢に操作自在に構成する。支持部材9及び固定部材14のうちの一方にピン10を取り付け、ピン10に弾性体11を外嵌して、弾性体11に硬質のカラー部材12を外嵌する。支持部材9及び固定部材14のうちの他方に係合部14bを備える。シートの座部を非使用姿勢に操作すると、係合部14bがカラー部材12に接当することにより、弾性体11が弾性的に変形しながらカラー部材12が係合部14bに係合して、シートの座部が非使用姿勢に保持されるように構成する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、乗用車や商用車、バス、作業車等の車両において、シートの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば1BOX型式やミニバン型式等の車両では、例えば2列目のシートにおいて、シートの背もたれ部を前方に倒した後に、シートの座部の前部を支点としてシートの座部を持ち上げることにより、シートの座部を横向きの使用姿勢から縦向きの非使用姿勢に操作自在に構成したものがある。これにより、2列目のシートの後方の荷物室を広げることができるのであり、3列目のシートを備えた車両では3列目のシートへの乗降通路が確保される。
【0003】
この場合、シートの座部を非使用姿勢に操作すると、例えばフック状のロック部材がシートの座部に自動的に係合して、シートの座部が非使用姿勢で保持されるように構成したものがあり、この後に固定バンド等をシートの座部に掛けて、シートの座部を非使用姿勢で固定する。
前述のようにシートの座部を非使用姿勢に操作した際、例えばフック状のロック部材がシートの座部に自動的に係合して、シートの座部が非使用姿勢で保持されるように構成することによって、固定バンド等をシートの座部に掛けようとしている間に、シートの座部が非使用姿勢から使用姿勢に戻ってしまうようなことがない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術に記載の構造によると、非使用姿勢で固定されたシートの座部を使用姿勢に操作する場合、先ず固定バンド等をシートの座部から外し、その後にロック部材をシートの座部から外して、シートの座部を非使用姿勢から使用姿勢に操作することになる。
【0005】
これにより非使用姿勢で固定されたシートの座部を使用姿勢に操作する場合、固定バンド等をシートの座部から外す操作、及びロック部材をシートの座部から外す操作の2つの操作が必要になるので、操作性の面で改善の余地がある。
本発明は、車両のシート構造において、非使用姿勢で固定されたシートの座部を使用姿勢に操作する場合、シートの座部を楽に使用姿勢に操作できるように構成することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
[I]
請求項1の特徴によると、シートの座部の前部に備えられた支持部材を、車体に備えられた固定部材の横軸芯周りに上下に揺動自在に支持して、シートの座部を横向きの使用姿勢及び縦向きの非使用姿勢に操作自在に構成している。支持部材及び固定部材のうちの一方にピンを取り付け、ピンに弾性体を外嵌して、弾性体に硬質のカラー部材を外嵌している。支持部材及び固定部材のうちの他方に係合部を備えている。シートの座部を非使用姿勢に操作すると、係合部がカラー部材に接当することにより、弾性体が弾性的に変形しながらカラー部材が係合部に係合して、シートの座部が非使用姿勢で保持されるように構成している。
【0007】
請求項1の特徴によると、シートの座部を使用姿勢から非使用姿勢に操作する場合、係合部がカラー部材に接当することにより、弾性体が弾性的に変形しながらカラー部材が係合部に自動的に係合して、シートの座部が非使用姿勢で保持される。この後に固定バンド等をシートの座部に掛けて、シートの座部を非使用姿勢で固定する。
【0008】
次に、シートの座部を非使用姿勢から使用姿勢に操作する場合、固定バンド等をシートの座部から外して、シートの座部を非使用姿勢から使用姿勢に操作すれば、係合部がカラー部材に接当することにより、弾性体が弾性的に変形しながらカラー部材が係合部に自動的に外れる。これにより、請求項1の特徴によると、シートの座部を非使用姿勢から使用姿勢に操作する場合、従来の技術に記載の構造のようにロック部材をシートの座部から外すと言うような操作を行う必要がない。
【0009】
[II]
請求項1の特徴によると、支持部材及び固定部材のうちの一方にピンを取り付け、ピンに弾性体を外嵌して、弾性体に硬質のカラー部材を外嵌するように構成しており、支持部材及び固定部材のうちの他方に係合部を備えて、シートの座部を非使用姿勢で保持する機構を構成している。
【0010】
このように請求項1の特徴によると、支持部材及び固定部材のうちの一方に取り付けられたピンに、弾性体及びカラー部材を単純に外嵌するだけでよく、支持部材及び固定部材のうちの他方に係合部を備えるだけでよい。従って、請求項1の特徴によると、例えば支持部材及び固定部材のうちの一方にフック部材を揺動自在に支持し、フック部材にバネを取り付けて、支持部材及び固定部材のうちの他方の係合部にフック部材が係合するように構成すると言うような複雑な構造を備える必要がない。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1(a)は3列シート型式でミニバン型式の車両であり、1列目のシート1(運転席及び助手席)、2列目のシート2(右及び左の2分割型式)、及び3列目のシート3(右及び左の2分割型式)を備えている。シート2は座部4、背もたれ部5及びヘッドレスト6を備えて構成されており、背もたれ部2がリクライナ部7を介して座部4に取り付けられている。
【0012】
図2(a),3,4に示すように、丸パイプを平面視コ字状に折り曲げて構成された支持フレーム8が、右及び左のシート2の座部4の下部に取り付けられ、板材を平面視コ字状に折り曲げて構成された支持部材9が、支持フレーム8の前部の右及び左に固定されている。右及び左の支持部材9にピン10が回転自在に取り付けられており、ゴム製や軟質の合成樹脂製の弾性体11がピン10に外嵌され、金属製又は硬質の合成樹脂製で円筒状のカラー部材12が弾性体11に外嵌されている。これにより、弾性体11及びカラー部材12が、ピン10により回転自在に右及び左の支持部材9に支持されている。
【0013】
図2(a)及び図4に示すように、板材を正面視コ字状に折り曲げて構成された固定部材14が、車体のフロア部13の右側の2箇所、左側の2箇所に固定されている。固定部材14の前部に凹部14aが形成されており、凹部14aの下部に凸部状の係合部14bが形成されている。右側の2箇所の固定部材14に、右のシート2の支持部材9がピン15を介して取り付けられ、左側の2箇所の固定部材14に、左のシート2の支持部材9がピン15を介して取り付けられており、右及び左のシート2の座部4が各々独立に、固定部材14の横軸芯P1周りに上下に揺動自在に支持されている。
【0014】
次に、シート2の座部4を横向きの使用姿勢から縦向きの非使用姿勢に操作する状態について説明する。
図1(a)及び図2(a)に示す状態は、シート2の座部4を使用姿勢に操作し、シート2の背もたれ部5を立てた状態であり、ロック機構17によりシート2の座部4が使用姿勢で固定されている。車体を停止させた状態において、図1(b)に示すようにシート2の背もたれ部5を前方に倒した後、ロック機構17を解除操作して、図1(c)に示すようにシート2の座部4を横軸芯P1周りに使用姿勢から非使用姿勢に操作していく。
【0015】
この場合、図2(a)に示すように、横軸芯P1周りに移動する弾性体11及びカラー部材12の移動軌跡A1に対して、固定部材14の係合部14bが少し入り込んだ状態となっている。図1(b)及び図2(a)から図1(c)及び図2(b)に示すように、シート2の座部4を横軸芯P1周りに使用姿勢から非使用姿勢に操作していくと、弾性体11及びカラー部材12が移動軌跡A1に沿って移動し、弾性体11及びカラー部材12が固定部材14の係合部14bに達すると、ピン10により弾性体11及びカラー部材12が図2(b)の紙面時計方向に回転しながら、固定部材14の係合部14bによって弾性体11が押し潰されるように弾性変形し、弾性体11及びカラー部材12が固定部材14の係合部14bを乗り越えて、弾性体11及びカラー部材12が固定部材14の凹部14aに入り込む。これにより、弾性体11及びカラー部材12が固定部材14の係合部14bに係合した状態となって、シート2の座部4が非使用姿勢で保持された状態となる。
【0016】
シート2の座部4を非使用姿勢に保持した状態で走行する場合(例えば3列目のシート3も折り畳んで、シート2の後方の荷物室を広げた状態で走行する場合や、3列目のシート3は折り畳まずに、3列目のシート3に乗員が着座した状態で走行する場合)、図1(c)に示すように、1列目のシート1とシート2の座部4とに亘り固定バンド16を掛けて、シート2の座部4を非使用姿勢で固定する。
【0017】
シート2の座部4を非使用姿勢に保持した状態で(車体を停止させた状態)、3列目のシート3に乗降する場合、図1(c)に示すように1列目のシート1とシート2の座部4とに亘り固定バンド16を掛けて、シート2の座部4を非使用姿勢で固定すると言うようなことを行う必要はなく、弾性体11及びカラー部材12が固定部材14の係合部14bに係合した状態(図2(b)参照)だけで、シート2の座部4が非使用姿勢で保持されている。
【0018】
次に、シート2の座部4を縦向きの非使用姿勢から横向きの使用姿勢に操作する状態について説明する。
図1(c)に示すように、シート2の座部4が非使用姿勢で固定された状態において(車体を停止させた状態)、固定バンド16をシート2の座部4から外して、図1(c)及び図2(b)から図1(b)及び図2(a)に示すように、シート2の座部4を横軸芯P1周りに非使用姿勢から使用姿勢に操作していく。
【0019】
この場合、図2(b)から図2(a)に示すように、ピン10により弾性体11及びカラー部材12が図2(b)の紙面反時計方向に回転しながら、固定部材14の係合部14bによって弾性体11が押し潰されるように弾性変形し、弾性体11及びカラー部材12が固定部材14の係合部14bを乗り越える。これにより、図1(b)及び図2(a)に示すようにシート2の座部4を使用姿勢に操作して、ロック機構17によりシート2の座部4を使用姿勢で固定し、図1(a)に示すようにシート2の背もたれ部5を立てる。
【0020】
[発明の実施の別形態]
前述の[発明の実施の形態]において、凹部14a及び係合部14bを支持部材9に形成し、ピン10、弾性体11及びカラー部材12を固定部材14に備えるように構成してもよい。係合部14bを固定部材14(又は支持部材9)に一体的に形成するのではなく、別体の係合部14bを固定部材14(又は支持部材9)にボルト等によって連結するように構成してもよい。
シート2の座部4を非使用姿勢に持ち上げるように付勢するバネ(図示せず)や、ガスダンパー(図示せず)を備えるように構成してもよい。
シート2の座部4を非使用姿勢で保持した状態において、固定バンド16を1列目のシート1の下方のフロア部13とシート2の座部4とに亘って掛けるように構成してもよい。
本発明は2列目のシート2ばかりではなく、1列目のシート1及び3列目のシート3にも適用できる。
【0021】
【発明の効果】
請求項1の特徴によると、車両のシート構造において、非使用姿勢で固定されたシートの座部を使用姿勢に操作する場合、固定バンド等をシートの座部から外せば、ロック部材をシートの座部から外すと言うような操作を行わなくても、シートの座部を非使用姿勢から使用姿勢に操作することができるようになり、シートの座部を楽に使用姿勢に操作することができるようになって、操作性を向上させることができた。
【0022】
請求項1の特徴によると、シートの座部を非使用姿勢で保持する機構を構成する場合、支持部材及び固定部材のうちの一方に固定されたピンに、弾性体及びカラー部材を単純に外嵌するだけでよく、支持部材及び固定部材のうちの他方に係合部を備えるだけでよいので、シートの座部を非使用姿勢で保持する機構を簡素に構成することが可能になって、構造の簡素化の面で有利なものとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】シートの背もたれ部を立ててシートの座部を使用姿勢で固定した状態、シートの座部を使用姿勢で固定した状態でシートの背もたれ部を前方に倒した状態、及びシートの座部を非使用姿勢で固定した状態を示す車両の全体側面図
【図2】シートの座部を使用姿勢及び非使用姿勢で保持した状態を示す支持部材及び固定部材の付近の側面図
【図3】シートの全体斜視図
【図4】支持部材及び保持部材等を示す斜視図
【符号の説明】
2 シート
4 シートの座部
9 支持部材
10 ピン
11 弾性体
12 カラー部材
14 固定部材
14b 係合部
P1 横軸芯
【発明の属する技術分野】
本発明は、乗用車や商用車、バス、作業車等の車両において、シートの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば1BOX型式やミニバン型式等の車両では、例えば2列目のシートにおいて、シートの背もたれ部を前方に倒した後に、シートの座部の前部を支点としてシートの座部を持ち上げることにより、シートの座部を横向きの使用姿勢から縦向きの非使用姿勢に操作自在に構成したものがある。これにより、2列目のシートの後方の荷物室を広げることができるのであり、3列目のシートを備えた車両では3列目のシートへの乗降通路が確保される。
【0003】
この場合、シートの座部を非使用姿勢に操作すると、例えばフック状のロック部材がシートの座部に自動的に係合して、シートの座部が非使用姿勢で保持されるように構成したものがあり、この後に固定バンド等をシートの座部に掛けて、シートの座部を非使用姿勢で固定する。
前述のようにシートの座部を非使用姿勢に操作した際、例えばフック状のロック部材がシートの座部に自動的に係合して、シートの座部が非使用姿勢で保持されるように構成することによって、固定バンド等をシートの座部に掛けようとしている間に、シートの座部が非使用姿勢から使用姿勢に戻ってしまうようなことがない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術に記載の構造によると、非使用姿勢で固定されたシートの座部を使用姿勢に操作する場合、先ず固定バンド等をシートの座部から外し、その後にロック部材をシートの座部から外して、シートの座部を非使用姿勢から使用姿勢に操作することになる。
【0005】
これにより非使用姿勢で固定されたシートの座部を使用姿勢に操作する場合、固定バンド等をシートの座部から外す操作、及びロック部材をシートの座部から外す操作の2つの操作が必要になるので、操作性の面で改善の余地がある。
本発明は、車両のシート構造において、非使用姿勢で固定されたシートの座部を使用姿勢に操作する場合、シートの座部を楽に使用姿勢に操作できるように構成することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
[I]
請求項1の特徴によると、シートの座部の前部に備えられた支持部材を、車体に備えられた固定部材の横軸芯周りに上下に揺動自在に支持して、シートの座部を横向きの使用姿勢及び縦向きの非使用姿勢に操作自在に構成している。支持部材及び固定部材のうちの一方にピンを取り付け、ピンに弾性体を外嵌して、弾性体に硬質のカラー部材を外嵌している。支持部材及び固定部材のうちの他方に係合部を備えている。シートの座部を非使用姿勢に操作すると、係合部がカラー部材に接当することにより、弾性体が弾性的に変形しながらカラー部材が係合部に係合して、シートの座部が非使用姿勢で保持されるように構成している。
【0007】
請求項1の特徴によると、シートの座部を使用姿勢から非使用姿勢に操作する場合、係合部がカラー部材に接当することにより、弾性体が弾性的に変形しながらカラー部材が係合部に自動的に係合して、シートの座部が非使用姿勢で保持される。この後に固定バンド等をシートの座部に掛けて、シートの座部を非使用姿勢で固定する。
【0008】
次に、シートの座部を非使用姿勢から使用姿勢に操作する場合、固定バンド等をシートの座部から外して、シートの座部を非使用姿勢から使用姿勢に操作すれば、係合部がカラー部材に接当することにより、弾性体が弾性的に変形しながらカラー部材が係合部に自動的に外れる。これにより、請求項1の特徴によると、シートの座部を非使用姿勢から使用姿勢に操作する場合、従来の技術に記載の構造のようにロック部材をシートの座部から外すと言うような操作を行う必要がない。
【0009】
[II]
請求項1の特徴によると、支持部材及び固定部材のうちの一方にピンを取り付け、ピンに弾性体を外嵌して、弾性体に硬質のカラー部材を外嵌するように構成しており、支持部材及び固定部材のうちの他方に係合部を備えて、シートの座部を非使用姿勢で保持する機構を構成している。
【0010】
このように請求項1の特徴によると、支持部材及び固定部材のうちの一方に取り付けられたピンに、弾性体及びカラー部材を単純に外嵌するだけでよく、支持部材及び固定部材のうちの他方に係合部を備えるだけでよい。従って、請求項1の特徴によると、例えば支持部材及び固定部材のうちの一方にフック部材を揺動自在に支持し、フック部材にバネを取り付けて、支持部材及び固定部材のうちの他方の係合部にフック部材が係合するように構成すると言うような複雑な構造を備える必要がない。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1(a)は3列シート型式でミニバン型式の車両であり、1列目のシート1(運転席及び助手席)、2列目のシート2(右及び左の2分割型式)、及び3列目のシート3(右及び左の2分割型式)を備えている。シート2は座部4、背もたれ部5及びヘッドレスト6を備えて構成されており、背もたれ部2がリクライナ部7を介して座部4に取り付けられている。
【0012】
図2(a),3,4に示すように、丸パイプを平面視コ字状に折り曲げて構成された支持フレーム8が、右及び左のシート2の座部4の下部に取り付けられ、板材を平面視コ字状に折り曲げて構成された支持部材9が、支持フレーム8の前部の右及び左に固定されている。右及び左の支持部材9にピン10が回転自在に取り付けられており、ゴム製や軟質の合成樹脂製の弾性体11がピン10に外嵌され、金属製又は硬質の合成樹脂製で円筒状のカラー部材12が弾性体11に外嵌されている。これにより、弾性体11及びカラー部材12が、ピン10により回転自在に右及び左の支持部材9に支持されている。
【0013】
図2(a)及び図4に示すように、板材を正面視コ字状に折り曲げて構成された固定部材14が、車体のフロア部13の右側の2箇所、左側の2箇所に固定されている。固定部材14の前部に凹部14aが形成されており、凹部14aの下部に凸部状の係合部14bが形成されている。右側の2箇所の固定部材14に、右のシート2の支持部材9がピン15を介して取り付けられ、左側の2箇所の固定部材14に、左のシート2の支持部材9がピン15を介して取り付けられており、右及び左のシート2の座部4が各々独立に、固定部材14の横軸芯P1周りに上下に揺動自在に支持されている。
【0014】
次に、シート2の座部4を横向きの使用姿勢から縦向きの非使用姿勢に操作する状態について説明する。
図1(a)及び図2(a)に示す状態は、シート2の座部4を使用姿勢に操作し、シート2の背もたれ部5を立てた状態であり、ロック機構17によりシート2の座部4が使用姿勢で固定されている。車体を停止させた状態において、図1(b)に示すようにシート2の背もたれ部5を前方に倒した後、ロック機構17を解除操作して、図1(c)に示すようにシート2の座部4を横軸芯P1周りに使用姿勢から非使用姿勢に操作していく。
【0015】
この場合、図2(a)に示すように、横軸芯P1周りに移動する弾性体11及びカラー部材12の移動軌跡A1に対して、固定部材14の係合部14bが少し入り込んだ状態となっている。図1(b)及び図2(a)から図1(c)及び図2(b)に示すように、シート2の座部4を横軸芯P1周りに使用姿勢から非使用姿勢に操作していくと、弾性体11及びカラー部材12が移動軌跡A1に沿って移動し、弾性体11及びカラー部材12が固定部材14の係合部14bに達すると、ピン10により弾性体11及びカラー部材12が図2(b)の紙面時計方向に回転しながら、固定部材14の係合部14bによって弾性体11が押し潰されるように弾性変形し、弾性体11及びカラー部材12が固定部材14の係合部14bを乗り越えて、弾性体11及びカラー部材12が固定部材14の凹部14aに入り込む。これにより、弾性体11及びカラー部材12が固定部材14の係合部14bに係合した状態となって、シート2の座部4が非使用姿勢で保持された状態となる。
【0016】
シート2の座部4を非使用姿勢に保持した状態で走行する場合(例えば3列目のシート3も折り畳んで、シート2の後方の荷物室を広げた状態で走行する場合や、3列目のシート3は折り畳まずに、3列目のシート3に乗員が着座した状態で走行する場合)、図1(c)に示すように、1列目のシート1とシート2の座部4とに亘り固定バンド16を掛けて、シート2の座部4を非使用姿勢で固定する。
【0017】
シート2の座部4を非使用姿勢に保持した状態で(車体を停止させた状態)、3列目のシート3に乗降する場合、図1(c)に示すように1列目のシート1とシート2の座部4とに亘り固定バンド16を掛けて、シート2の座部4を非使用姿勢で固定すると言うようなことを行う必要はなく、弾性体11及びカラー部材12が固定部材14の係合部14bに係合した状態(図2(b)参照)だけで、シート2の座部4が非使用姿勢で保持されている。
【0018】
次に、シート2の座部4を縦向きの非使用姿勢から横向きの使用姿勢に操作する状態について説明する。
図1(c)に示すように、シート2の座部4が非使用姿勢で固定された状態において(車体を停止させた状態)、固定バンド16をシート2の座部4から外して、図1(c)及び図2(b)から図1(b)及び図2(a)に示すように、シート2の座部4を横軸芯P1周りに非使用姿勢から使用姿勢に操作していく。
【0019】
この場合、図2(b)から図2(a)に示すように、ピン10により弾性体11及びカラー部材12が図2(b)の紙面反時計方向に回転しながら、固定部材14の係合部14bによって弾性体11が押し潰されるように弾性変形し、弾性体11及びカラー部材12が固定部材14の係合部14bを乗り越える。これにより、図1(b)及び図2(a)に示すようにシート2の座部4を使用姿勢に操作して、ロック機構17によりシート2の座部4を使用姿勢で固定し、図1(a)に示すようにシート2の背もたれ部5を立てる。
【0020】
[発明の実施の別形態]
前述の[発明の実施の形態]において、凹部14a及び係合部14bを支持部材9に形成し、ピン10、弾性体11及びカラー部材12を固定部材14に備えるように構成してもよい。係合部14bを固定部材14(又は支持部材9)に一体的に形成するのではなく、別体の係合部14bを固定部材14(又は支持部材9)にボルト等によって連結するように構成してもよい。
シート2の座部4を非使用姿勢に持ち上げるように付勢するバネ(図示せず)や、ガスダンパー(図示せず)を備えるように構成してもよい。
シート2の座部4を非使用姿勢で保持した状態において、固定バンド16を1列目のシート1の下方のフロア部13とシート2の座部4とに亘って掛けるように構成してもよい。
本発明は2列目のシート2ばかりではなく、1列目のシート1及び3列目のシート3にも適用できる。
【0021】
【発明の効果】
請求項1の特徴によると、車両のシート構造において、非使用姿勢で固定されたシートの座部を使用姿勢に操作する場合、固定バンド等をシートの座部から外せば、ロック部材をシートの座部から外すと言うような操作を行わなくても、シートの座部を非使用姿勢から使用姿勢に操作することができるようになり、シートの座部を楽に使用姿勢に操作することができるようになって、操作性を向上させることができた。
【0022】
請求項1の特徴によると、シートの座部を非使用姿勢で保持する機構を構成する場合、支持部材及び固定部材のうちの一方に固定されたピンに、弾性体及びカラー部材を単純に外嵌するだけでよく、支持部材及び固定部材のうちの他方に係合部を備えるだけでよいので、シートの座部を非使用姿勢で保持する機構を簡素に構成することが可能になって、構造の簡素化の面で有利なものとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】シートの背もたれ部を立ててシートの座部を使用姿勢で固定した状態、シートの座部を使用姿勢で固定した状態でシートの背もたれ部を前方に倒した状態、及びシートの座部を非使用姿勢で固定した状態を示す車両の全体側面図
【図2】シートの座部を使用姿勢及び非使用姿勢で保持した状態を示す支持部材及び固定部材の付近の側面図
【図3】シートの全体斜視図
【図4】支持部材及び保持部材等を示す斜視図
【符号の説明】
2 シート
4 シートの座部
9 支持部材
10 ピン
11 弾性体
12 カラー部材
14 固定部材
14b 係合部
P1 横軸芯
Claims (1)
- シートの座部の前部に備えられた支持部材を、車体に備えられた固定部材の横軸芯周りに上下に揺動自在に支持して、前記シートの座部を横向きの使用姿勢及び縦向きの非使用姿勢に操作自在に構成すると共に、
前記支持部材及び固定部材のうちの一方にピンを取り付け、前記ピンに弾性体を外嵌して、前記弾性体に硬質のカラー部材を外嵌し、
前記支持部材及び固定部材のうちの他方に係合部を備えて、
前記シートの座部を非使用姿勢に操作すると、前記係合部が前記カラー部材に接当することにより、前記弾性体が弾性的に変形しながら前記カラー部材が前記係合部に係合して、前記シートの座部が非使用姿勢で保持されるように構成してある車両のシート構造。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006264577A (ja) * | 2005-03-25 | 2006-10-05 | Suzuki Motor Corp | シートの取付構造 |
JP2007302191A (ja) * | 2006-05-15 | 2007-11-22 | Nissan Motor Co Ltd | シートヒンジフック |
JP2009190500A (ja) * | 2008-02-13 | 2009-08-27 | Toyota Boshoku Corp | 車両用シートのフレーム締結構造 |
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2002
- 2002-08-28 JP JP2002249021A patent/JP2004082933A/ja active Pending
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