JP2004082020A - 中空糸膜モジュールの運転方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】運転コストの低い中空糸膜モジュールの運転方法の提供。
【解決手段】所要数の中空糸膜がケースハウジング内に収容固定された中空糸膜モジュールを用い、外圧濾過方式で、所定間隔で逆圧洗浄して天然水を濾過処理する運転方法であり、前記中空糸膜として、外径が0.2〜1.2mmで、膜間圧力100kPaにおける純水透過流束が300L/m2・h以上の親水性中空糸膜を用いる、中空糸膜モジュールの運転方法。逆浸透膜を用いる海水淡水化処理の前処理用として適している。
【選択図】 なし
【解決手段】所要数の中空糸膜がケースハウジング内に収容固定された中空糸膜モジュールを用い、外圧濾過方式で、所定間隔で逆圧洗浄して天然水を濾過処理する運転方法であり、前記中空糸膜として、外径が0.2〜1.2mmで、膜間圧力100kPaにおける純水透過流束が300L/m2・h以上の親水性中空糸膜を用いる、中空糸膜モジュールの運転方法。逆浸透膜を用いる海水淡水化処理の前処理用として適している。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、天然水の処理、特に海水淡水化プロセスに適した中空糸膜モジュールの運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
逆浸透膜を用いた海水淡水化処理においては、逆浸透膜モジュールの膜面におけるスケール防止や膜の安定性能維持のため前処理がなされるが、前処理法の一つとして、膜を用いた濾過法が採用されている。
【0003】
前記したスケール防止等の目的を達成する観点からは、前処理法として中空糸膜モジュールを採用する方法が望ましいが、その場合には、全体の運転コストを低下させるため、エネルギー消費量が少ないことと、透過流束が大きいことが重要となる。
【0004】
しかし、中空糸膜モジュールを採用した場合、エネルギー消費量が少ないことと、透過流束が大きいこととを両立させることは困難である。なお、関連する先行技術として、特開2000−210660号公報、特開平6−170178号公報、特開平6−238135号公報、特開2001−29754号公報、特開2000−140585号公報等が知られている。
【0005】
本発明の課題は、エネルギー消費を減少させ、高い透過流束を維持することができ、特に逆浸透膜を用いた海水淡水化プロセスにおける前処理法として適した、中空糸膜モジュールの運転方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、課題の解決手段として、所要数の中空糸膜がケースハウジング内に収容固定された中空糸膜モジュールを用い、外圧濾過方式で、所定間隔で逆圧洗浄して天然水を濾過処理する運転方法であり、前記中空糸膜として、外径が0.2〜1.2mmで、膜間圧力100kPaにおける純水透過流束が300L/m2・h以上の親水性中空糸膜を用いる、中空糸膜モジュールの運転方法を提供するものである。
【0007】
上記のとおり、濾過法式が外圧濾過方式で、かつ所定間隔で逆圧洗浄するとき、外径と純水透過流束で規定される中空糸膜を用いることにより、低圧による濾過にも拘わらず、高い透過流束を得ることができる。このため、高圧濾過する場合に比べてエネルギー消費が小さく、その一方で透過流束が高いので、運転コストを低下させることができる。
【0008】
本発明では、親水性中空糸膜として酢酸セルロース中空糸膜が好ましく、濾過法として全量濾過が好ましい。本発明の運転方法は、逆浸透膜を用いる海水淡水化処理の前処理として好適である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面により本発明の一実施形態を説明する。図1は、本発明の運転方法を説明するための処理フローを示す概念図である。本発明は図1に示す処理フローに限定されるものではなく、必要に応じ、当業者において通常なされる他の処理工程を付加することができる。
【0010】
原水槽1に貯水された海水等の原水は、原水供給ライン11を経て、外圧式中空糸膜モジュール2の上端側出入り口3aに供給され、全量濾過される。原水は、原水中の懸濁質(SS)濃度やSSの大きさ等に応じ、必要により凝集剤による凝集処理をすることができる。
【0011】
外圧式の中空糸膜モジュール2は、ケースハウジング内に、少なくとも一端側が接着剤等で固定された多数の中空糸膜が収容されたものであり、上端側出入り口3aを有しており、透過液取出口4は少なくとも1つ備えていればよく、濃縮液排出口3bは必要に応じて設けることができる。
【0012】
中空糸膜は、外径が0.2〜1.2mm、好ましくは0.3〜1.1mm、より好ましくは0.4〜1.0mmで、膜間圧力100kPaにおける純水透過流束が300L/m2・h以上、好ましくは500L/m2・h以上、より好ましくは700L/m2・h以上の親水性中空糸膜である。
【0013】
上記した外径と純水透過流束で規定される親水性中空糸膜を用いることにより、エネルギー消費の少ない低圧による濾過にも拘わらず、高い透過流束を得ることができる。
【0014】
中空糸膜束5の中空糸膜としては、酢酸セルロース系中空糸膜、ポリスルホン系中空糸膜、ポリアクリロニトリル系中空糸膜等を挙げることができるが、これらの中でも、低い膜間圧力で運転することができ、膜のファウリングも抑制し易いため、酢酸セルロース系中空糸膜が好ましく、内表面側の細孔より外表面側の細孔の方が小さい孔径のものが外圧式として好適である。
【0015】
外圧式中空糸膜モジュール2の上端側出入り口3aに送液するときの原水供給圧力は、60kPa以下が好ましく、40kPa以下がより好ましく、30kPa以下が更に好ましい。
【0016】
原水槽1から中空糸膜モジュール2への送液は、送液ポンプ16を用いることができ、低圧で濾過運転を行うため、水頭差を利用することもできる。
【0017】
外圧式中空糸膜モジュール2において、所定条件下で全量濾過された透過液は、透過液ライン12から開閉弁19を経て、透過液槽6に送られて貯水される。全量濾過は、濃縮液を排出せずに、透過液ライン12への透過液の一方的な排出を行う方法である。
【0018】
濾過運転時における膜間圧力は、水頭差を利用したときは、原水槽1の液面と中空糸膜モジュール2からの透過液ライン12の排出口との高低差(Δh)及び中空糸膜モジュール2の内部液圧力損失によって決定されるものである。実膜濾過運転時の膜間圧力は、好ましくは60kPa以下、より好ましくは50〜10kPa、更に好ましくは40〜20kPaである。膜間圧力が60kPa以下であると、実用上要求される透水速度を維持すると共に、膜の目詰まりを防止でき、長期間、安定した透水速度を得ることができる。
【0019】
濾過運転時には、濾過能力を維持するため、定期的に水又は空気による逆圧洗浄を行うことが望ましい。
【0020】
逆圧洗浄媒体として水を用いた場合は、逆圧ポンプ20を作動させることにより、透過液槽6内の透過液を逆圧洗浄ライン23及び透過液ライン12を経て中空糸膜モジュール2の透過液取出口4から圧入して、中空糸膜を逆圧洗浄する。
【0021】
逆圧洗浄後の排水は、開閉弁18を操作して、下端側出入り口3bから排出する。濃縮液は、開閉弁18を操作することにより、濃縮液排出ライン13から系外に排出するか、又は濃縮液返送ライン13と原水槽1を接続しておき、原水槽1に返送して再度濾過処理する。
【0022】
逆圧洗浄時には、洗浄力を高めるため、ポンプ21を作動させ、薬液タンク22内の薬液を透過液に混入させることが望ましい。薬液としては次亜塩素酸ナトリウム水溶液を挙げることができ、薬液の添加量は、次亜塩素酸ナトリウム水溶液を用いた場合は、逆圧洗浄後における中空糸膜内の残留塩素濃度が5〜100mg/Lになるように調整する。
【0023】
本発明の運転方法で凝集剤を用いる場合は、無機系凝集剤、有機系凝集剤又はこれらを組み合わせて用いることができる。無機系凝集剤としては、ポリ塩化アルミニウム、ポリ塩化鉄、硫酸第二鉄、硫酸アルミニウム、ベントナイト等を挙げることができる。有機系凝集剤としては、ポリアクリルアミド、カチオン性ポリアクリルアミド系、カチオン性ポリ(メタ)アクリル酸エステル系、ポリアミン系、ポリジシアンジアミド系、低分子有機アミン、ポリアクリル酸ナトリウム、アニオン性ポリ(メタ)アクリル酸エステル系、アニオン性ポリアクリルアミド系等のノニオン性、カチオン性、アニオン性高分子又は低分子凝集剤等を挙げることができる。
【0024】
本発明の運転方法は、河川水、湖沼水等の浄化処理、海水の淡水化等に適用することができ、特に逆浸透膜を用いる海水淡水化の前処理として適用することが好ましい。
【0025】
【実施例】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0026】
実施例1
図1に示す処理フローにより、中空糸膜モジュールの運転を行った。天然水として、原水槽1に貯水した海水を用いた。なお海水は、1kg中に約30gの塩化ナトリウムを含むものである。
【0027】
中空糸膜モジュール2では、酢酸セルロース中空糸膜(外径0.9mm、請求項1で規定する純水透過流束700L/m2・h、全有効膜面積5m2)を用いた。
【0028】
濾過運転は、水頭差を利用し、中空糸膜モジュール2への原水供給圧力50kPa、膜間圧力40kPaで、30分ごとに1分間の逆圧洗浄を行った。逆圧洗浄は、透過液タンク6内の透過液に次亜塩素酸ナトリウムを添加した逆圧洗浄水を、5m/dayの流量で透過液出口4から圧入した。
【0029】
運転開始時における透過流束は200L/m2・h、透過液中の塩化ナトリウム濃度は30g/kgであり、運転開始から10日後における透過流束は150L/m2・h、透過液中の塩化ナトリウム濃度は30g/kgであった。
【0030】
比較例1
中空糸膜として、外径1.3mm、請求項1で規定する純水透過流束200L/m2・hのものを用いたほかは実施例1と同様の条件で、濾過運転を行った。その結果、運転開始時における透過流束は100L/m2・h、透過液中の塩化ナトリウム濃度は30g/kgであり、運転開始から10日後における透過流束は50L/m2・h、透過液中の塩化ナトリウム濃度は30g/kgであった。
【0031】
【発明の効果】
本発明の中空糸膜モジュールの運転方法によれば、エネルギー消費を少なくして、透過流束を高めることができるので、運転コストを低下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を説明するための運転フローの概念図。
【符号の説明】
1 原水槽
2 中空糸膜モジュール
6 透過液槽
【発明の属する技術分野】
本発明は、天然水の処理、特に海水淡水化プロセスに適した中空糸膜モジュールの運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
逆浸透膜を用いた海水淡水化処理においては、逆浸透膜モジュールの膜面におけるスケール防止や膜の安定性能維持のため前処理がなされるが、前処理法の一つとして、膜を用いた濾過法が採用されている。
【0003】
前記したスケール防止等の目的を達成する観点からは、前処理法として中空糸膜モジュールを採用する方法が望ましいが、その場合には、全体の運転コストを低下させるため、エネルギー消費量が少ないことと、透過流束が大きいことが重要となる。
【0004】
しかし、中空糸膜モジュールを採用した場合、エネルギー消費量が少ないことと、透過流束が大きいこととを両立させることは困難である。なお、関連する先行技術として、特開2000−210660号公報、特開平6−170178号公報、特開平6−238135号公報、特開2001−29754号公報、特開2000−140585号公報等が知られている。
【0005】
本発明の課題は、エネルギー消費を減少させ、高い透過流束を維持することができ、特に逆浸透膜を用いた海水淡水化プロセスにおける前処理法として適した、中空糸膜モジュールの運転方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、課題の解決手段として、所要数の中空糸膜がケースハウジング内に収容固定された中空糸膜モジュールを用い、外圧濾過方式で、所定間隔で逆圧洗浄して天然水を濾過処理する運転方法であり、前記中空糸膜として、外径が0.2〜1.2mmで、膜間圧力100kPaにおける純水透過流束が300L/m2・h以上の親水性中空糸膜を用いる、中空糸膜モジュールの運転方法を提供するものである。
【0007】
上記のとおり、濾過法式が外圧濾過方式で、かつ所定間隔で逆圧洗浄するとき、外径と純水透過流束で規定される中空糸膜を用いることにより、低圧による濾過にも拘わらず、高い透過流束を得ることができる。このため、高圧濾過する場合に比べてエネルギー消費が小さく、その一方で透過流束が高いので、運転コストを低下させることができる。
【0008】
本発明では、親水性中空糸膜として酢酸セルロース中空糸膜が好ましく、濾過法として全量濾過が好ましい。本発明の運転方法は、逆浸透膜を用いる海水淡水化処理の前処理として好適である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面により本発明の一実施形態を説明する。図1は、本発明の運転方法を説明するための処理フローを示す概念図である。本発明は図1に示す処理フローに限定されるものではなく、必要に応じ、当業者において通常なされる他の処理工程を付加することができる。
【0010】
原水槽1に貯水された海水等の原水は、原水供給ライン11を経て、外圧式中空糸膜モジュール2の上端側出入り口3aに供給され、全量濾過される。原水は、原水中の懸濁質(SS)濃度やSSの大きさ等に応じ、必要により凝集剤による凝集処理をすることができる。
【0011】
外圧式の中空糸膜モジュール2は、ケースハウジング内に、少なくとも一端側が接着剤等で固定された多数の中空糸膜が収容されたものであり、上端側出入り口3aを有しており、透過液取出口4は少なくとも1つ備えていればよく、濃縮液排出口3bは必要に応じて設けることができる。
【0012】
中空糸膜は、外径が0.2〜1.2mm、好ましくは0.3〜1.1mm、より好ましくは0.4〜1.0mmで、膜間圧力100kPaにおける純水透過流束が300L/m2・h以上、好ましくは500L/m2・h以上、より好ましくは700L/m2・h以上の親水性中空糸膜である。
【0013】
上記した外径と純水透過流束で規定される親水性中空糸膜を用いることにより、エネルギー消費の少ない低圧による濾過にも拘わらず、高い透過流束を得ることができる。
【0014】
中空糸膜束5の中空糸膜としては、酢酸セルロース系中空糸膜、ポリスルホン系中空糸膜、ポリアクリロニトリル系中空糸膜等を挙げることができるが、これらの中でも、低い膜間圧力で運転することができ、膜のファウリングも抑制し易いため、酢酸セルロース系中空糸膜が好ましく、内表面側の細孔より外表面側の細孔の方が小さい孔径のものが外圧式として好適である。
【0015】
外圧式中空糸膜モジュール2の上端側出入り口3aに送液するときの原水供給圧力は、60kPa以下が好ましく、40kPa以下がより好ましく、30kPa以下が更に好ましい。
【0016】
原水槽1から中空糸膜モジュール2への送液は、送液ポンプ16を用いることができ、低圧で濾過運転を行うため、水頭差を利用することもできる。
【0017】
外圧式中空糸膜モジュール2において、所定条件下で全量濾過された透過液は、透過液ライン12から開閉弁19を経て、透過液槽6に送られて貯水される。全量濾過は、濃縮液を排出せずに、透過液ライン12への透過液の一方的な排出を行う方法である。
【0018】
濾過運転時における膜間圧力は、水頭差を利用したときは、原水槽1の液面と中空糸膜モジュール2からの透過液ライン12の排出口との高低差(Δh)及び中空糸膜モジュール2の内部液圧力損失によって決定されるものである。実膜濾過運転時の膜間圧力は、好ましくは60kPa以下、より好ましくは50〜10kPa、更に好ましくは40〜20kPaである。膜間圧力が60kPa以下であると、実用上要求される透水速度を維持すると共に、膜の目詰まりを防止でき、長期間、安定した透水速度を得ることができる。
【0019】
濾過運転時には、濾過能力を維持するため、定期的に水又は空気による逆圧洗浄を行うことが望ましい。
【0020】
逆圧洗浄媒体として水を用いた場合は、逆圧ポンプ20を作動させることにより、透過液槽6内の透過液を逆圧洗浄ライン23及び透過液ライン12を経て中空糸膜モジュール2の透過液取出口4から圧入して、中空糸膜を逆圧洗浄する。
【0021】
逆圧洗浄後の排水は、開閉弁18を操作して、下端側出入り口3bから排出する。濃縮液は、開閉弁18を操作することにより、濃縮液排出ライン13から系外に排出するか、又は濃縮液返送ライン13と原水槽1を接続しておき、原水槽1に返送して再度濾過処理する。
【0022】
逆圧洗浄時には、洗浄力を高めるため、ポンプ21を作動させ、薬液タンク22内の薬液を透過液に混入させることが望ましい。薬液としては次亜塩素酸ナトリウム水溶液を挙げることができ、薬液の添加量は、次亜塩素酸ナトリウム水溶液を用いた場合は、逆圧洗浄後における中空糸膜内の残留塩素濃度が5〜100mg/Lになるように調整する。
【0023】
本発明の運転方法で凝集剤を用いる場合は、無機系凝集剤、有機系凝集剤又はこれらを組み合わせて用いることができる。無機系凝集剤としては、ポリ塩化アルミニウム、ポリ塩化鉄、硫酸第二鉄、硫酸アルミニウム、ベントナイト等を挙げることができる。有機系凝集剤としては、ポリアクリルアミド、カチオン性ポリアクリルアミド系、カチオン性ポリ(メタ)アクリル酸エステル系、ポリアミン系、ポリジシアンジアミド系、低分子有機アミン、ポリアクリル酸ナトリウム、アニオン性ポリ(メタ)アクリル酸エステル系、アニオン性ポリアクリルアミド系等のノニオン性、カチオン性、アニオン性高分子又は低分子凝集剤等を挙げることができる。
【0024】
本発明の運転方法は、河川水、湖沼水等の浄化処理、海水の淡水化等に適用することができ、特に逆浸透膜を用いる海水淡水化の前処理として適用することが好ましい。
【0025】
【実施例】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0026】
実施例1
図1に示す処理フローにより、中空糸膜モジュールの運転を行った。天然水として、原水槽1に貯水した海水を用いた。なお海水は、1kg中に約30gの塩化ナトリウムを含むものである。
【0027】
中空糸膜モジュール2では、酢酸セルロース中空糸膜(外径0.9mm、請求項1で規定する純水透過流束700L/m2・h、全有効膜面積5m2)を用いた。
【0028】
濾過運転は、水頭差を利用し、中空糸膜モジュール2への原水供給圧力50kPa、膜間圧力40kPaで、30分ごとに1分間の逆圧洗浄を行った。逆圧洗浄は、透過液タンク6内の透過液に次亜塩素酸ナトリウムを添加した逆圧洗浄水を、5m/dayの流量で透過液出口4から圧入した。
【0029】
運転開始時における透過流束は200L/m2・h、透過液中の塩化ナトリウム濃度は30g/kgであり、運転開始から10日後における透過流束は150L/m2・h、透過液中の塩化ナトリウム濃度は30g/kgであった。
【0030】
比較例1
中空糸膜として、外径1.3mm、請求項1で規定する純水透過流束200L/m2・hのものを用いたほかは実施例1と同様の条件で、濾過運転を行った。その結果、運転開始時における透過流束は100L/m2・h、透過液中の塩化ナトリウム濃度は30g/kgであり、運転開始から10日後における透過流束は50L/m2・h、透過液中の塩化ナトリウム濃度は30g/kgであった。
【0031】
【発明の効果】
本発明の中空糸膜モジュールの運転方法によれば、エネルギー消費を少なくして、透過流束を高めることができるので、運転コストを低下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を説明するための運転フローの概念図。
【符号の説明】
1 原水槽
2 中空糸膜モジュール
6 透過液槽
Claims (4)
- 所要数の中空糸膜がケースハウジング内に収容固定された中空糸膜モジュールを用い、外圧濾過方式で、所定間隔で逆圧洗浄して天然水を濾過処理する運転方法であり、前記中空糸膜として、外径が0.2〜1.2mmで、膜間圧力100kPaにおける純水透過流束が300L/m2・h以上の親水性中空糸膜を用いる、中空糸膜モジュールの運転方法。
- 親水性中空糸膜が酢酸セルロース中空糸膜である請求項1記載の中空糸膜モジュールの運転方法。
- 全量濾過を行う請求項1又は2記載の中空糸膜モジュールの運転方法。
- 逆浸透膜を用いる海水淡水化処理の前処理として適用する、請求項1〜3のいずれかに記載の中空糸膜モジュールの運転方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002248310A JP2004082020A (ja) | 2002-08-28 | 2002-08-28 | 中空糸膜モジュールの運転方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002248310A JP2004082020A (ja) | 2002-08-28 | 2002-08-28 | 中空糸膜モジュールの運転方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004082020A true JP2004082020A (ja) | 2004-03-18 |
Family
ID=32055725
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002248310A Pending JP2004082020A (ja) | 2002-08-28 | 2002-08-28 | 中空糸膜モジュールの運転方法 |
Country Status (1)
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---|---|
JP (1) | JP2004082020A (ja) |
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-
2002
- 2002-08-28 JP JP2002248310A patent/JP2004082020A/ja active Pending
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