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JP2004059131A - 注出容器 - Google Patents

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JP2004059131A
JP2004059131A JP2002223859A JP2002223859A JP2004059131A JP 2004059131 A JP2004059131 A JP 2004059131A JP 2002223859 A JP2002223859 A JP 2002223859A JP 2002223859 A JP2002223859 A JP 2002223859A JP 2004059131 A JP2004059131 A JP 2004059131A
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中村 弘幸
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Yoshino Kogyosho Co Ltd
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Abstract

【課題】均一なスクイズ変形が可能で、外観への影響が小さい接着帯の形成を技術的課題として、注出操作を最後までスムーズに達成することができ、外観の優れたスクイズタイプの注出容器を提供する。
【解決手段】剥離可能に積層された、デラミボトル型の容器本体の口部に組付き固定する注出キャップ体を有し、外部容体の中心軸に対して略軸対称に、容器本体の略全高さ範囲にわたり外層と内層とを接着した一対の縦細帯状の接着帯により形成された、一対の縦帯状の規制帯を設け、注出キャップ体に、内部容体内への内容物の逆流および外部の空気の進入を防ぐ第1逆止弁部を設け、外部容体に、外層と内層との層間に外部の空気を導入するための吸気部を形成し、この吸気部からの空気の排出を不能に吸気部を開閉する第2逆止弁部を設けた注出容器。
【選択図】      図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スクイズ変形自在な外部容体内に、自在に減容変形する内部容体を剥離可能に積層し、外気を吸引することなく、内容物の反復注出使用を可能とした、合成樹脂製の注出容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
実開昭57−44063号公報および実開平7−22951号公報には、内部容体、および内部容体を収納した外部容体からなる、スクイズタイプの注出容器についての従来技術の記載がある。
【0003】
実開昭57−44063号公報に記載の従来技術は、容器本体の底部に通気孔を設けることにより、容器本体のスクイズにより、内容物を注出した後、外部容体と内部容体との間に外部の空気が導入され、内部容体は変形したままの形状を保持し、かつ容器本体はその復元力により、元の形状に復帰するようにしたものである。
【0004】
実開平7−22951号公報に記載の従来技術は、外部容体と内部容体とを結合固定して、内部容体からの内容物の通過は許すが、外気の内容物への進入は阻止する第一の逆止弁と、外部容体と、内部容体との間への外気の通過は許すが、外部容体と内部容体との間に進入した外気の排出は阻止する第二の逆止弁を設けた構成となっている。
【0005】
また、容器本体の全高さ範囲にわたって外部容体と内部容体とを接着固定した縦帯状の接着帯を一対設けることにより、内部容体の減容変形を、高さ方向の縮小を生じることがない一定の形態に規制し、これにより内容物の流動通路を確保し、注出操作をスムーズにする方法も一般的に用いられ、胴部の中心軸に対し軸対称の位置に一対の接着帯を配置する方法が簡単で、効果的である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、接着帯にその機能を発揮させるためには、一定の幅を有した接着帯が必要であるが、接着帯の形成された部分では肉厚になり、また外部容体の胴部がスクイズ容器としての可撓性をもたせるために比較的肉薄に成形されているので、この接着帯部分が骨状になり、均一なスクイズ変形が妨げられるという問題、また使用者が手の感触において違和感を覚えるという問題、接着帯を形成する接着性樹脂が高価である等の問題があった。
【0007】
また通常、容器の胴部外表面は、ラベルの貼付、印刷等により、商品名を示したり、加飾したりして商品の外観上重要な部分であるが、接着帯の形成により胴部の外表面に凸凹ができ、工程上また外観上の問題があり、さらに骨状の接着帯自体が目立つという外観上の問題があった。
【0008】
そこで、本発明は上記した従来技術における問題点を解消すべく創案されたもので、均一なスクイズ変形が可能で、外観への影響が小さい接着帯の形成を技術的課題として、注出操作を最後までスムーズに達成することができ、低コストで外観の優れたスクイズタイプの注出容器を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記技術的課題を解決する本発明の手段の内、請求項1記載の発明の手段は、剥離可能に積層された、スクイズ変形可能で復元自在な可撓性を有する外部容体を形成する外層と、内容物をその内部に収容し、内圧の減少により自在に減容変形する内部容体を形成する内層とからブロー成形により形成されるデラミボトル型の容器本体を有すること、
容器本体の口部に組付き固定する注出キャップ体を有すること、
外部容体の中心軸に対して略軸対称に、容器本体の略全高さ範囲にわたり外層と内層とを接着した一対の縦細帯状の接着帯により形成された、一対の縦帯状の規制帯を設けること、
注出キャップ体に、内部容体内への内容物の逆流および外部の空気の進入を防ぐ第1逆止弁部を設けること、
外部容体に、外層と内層との層間に外部の空気を導入するための吸気部を形成し、この吸気部からの空気の排出を不能に吸気部を開閉する第2逆止弁部を設けること、
にある。
【0010】
請求項1記載の発明にあっては、容器本体のスクイズにより、内容物を注出した後、スクイズを止め、押圧を解除すると、外部容体が弾性的な回復力により元の形に復元し始め、注出キャップ体に設けた第1逆止弁部の機能により、内容物の注出が止まり、内部容体への内容物の逆流および外気の流入が止められ、内部容体は減容変形した状態を保持したままであるので、吸気部から、外層と内層との層間に、外部の空気が導入され、外部容体が元の形状に復元される。
【0011】
外部容体が元の形状に復元した状態から、再度スクイズすると、第2逆止弁部により層間の空気が密封されているので、この空気が加圧されて、内部容体に圧力が加えられ、内容物が注出される。
【0012】
第1逆止弁部により、内部容体内への外気の流入がないので、内部容体内に空気溜りができることがなく、それゆえ内容物は常に開口部に臨んで位置することになり、このため注出容器をどのような姿勢で使用しても、内容物を簡単にすばやく注出することができ、また空気による内容物の分解、酸化劣化等の問題も防ぐことができる。
【0013】
縦帯状の規制帯は、両側端部に位置する接着帯およびこの接着帯に挟まれ、外層と内層が接着していない部分(以下非接着部と記す。)から形成されるが、この非接着部および両側端部の接着帯を合わせた全幅において、内層の減容変形を規制する作用効果を発揮する。
【0014】
この規制帯が、容器本体の略全高さ範囲にわたり、外部容体の中心軸に対して略軸対称に一対、形成されると内部容体の自在な減容変形が規制され、胴部の平断面で見て、この規制帯を境にして両側に位置する一対の接着されていない内層部分(以降、内層変形部と記す)の中央部を扁平に変形させながら、スクイズ操作による内容物の注出の進行に従って内部容体の減容変形が進行する。
【0015】
ここで、規制帯を形成する一対の縦細帯状の接着帯はブロー成形工程で形成されるが、この工程で技術的、生産性等の観点から許容される範囲内で細幅にすることができるので、規制帯の全幅が肉厚になり骨状になることなく、容器の胴部全体に渡って均一なスクイズ変形性を確保でき、また押圧時における骨状の縦帯による感触の違和感も無くすことことができる。
【0016】
また、接着帯を形成する接着性樹脂の使用量も少なくすることができるが、通常この接着性樹脂は高価であるので、材料コストを低く抑えることできる。
【0017】
請求項2記載の発明の手段は、請求項1記載の発明において、外部容体の左右パーティングラインの近傍に1対の規制帯を設ける構成とすること、にある。
【0018】
請求項2記載の上記構成により、規制帯をパーティングライン近傍に位置させることにより、通常容器の正面部でラベルを貼付したり、印刷をするパーティングラインに直角な胴部の前後面を凸凹のないスムーズな状態とすることができ、外観が良好で商品性の高い容器を提供することが可能となる。
【0019】
請求項3記載の発明の手段は、請求項2の発明において、規制帯の左右中心線がパーティングライン上に位置すること、にある。
【0020】
請求項3記載の上記構成により、規制帯を容器の正面からみてちょうど90°の位置にすることができ、外観をさらに良好にさせることが可能であり、内層の変形を左右のパーティングラインを結んだ線に対して対称にすることが可能となり、良好な操作性、注出性を得ることができる。
【0021】
請求項4記載の発明の手段は、請求項2の発明において、規制帯の左右中心線をパーティングライン上からずらして位置すること、にある。
【0022】
容器は通常、ピンチオフ部構造を有するブロー成形割り金型でブロー成形されるので、底部ピンチオフ部で形成される容器本体の底シール部では、内層を両側から外層で挟んだサンドイッチ状になっており、外層と内層は剥離可能となっている。
【0023】
ここで、上記底シール部はパーティングラインの方向に対して直角な方向から、円筒状のパリソンを割り金型のピンチオフ部で両側から挟み込み、扁平に押し潰すようにして形成されるので、容器本体において規制帯の左右中心線をパーティングライン上からずらして形成する場合には、この規制帯を形成する一対の接着帯のうちパーティングラインからより離れた個所に位置する接着帯は、底シール部においては、左右長さ方向の中央により近い部分に位置するようになる。
【0024】
このため底シール部の中央により近い位置の2箇所で内層と外層が接着した部分を形成することができ、この接着部分と底シ−ル部の左右端部の4ヶ所が、外層と内層からなる積層体の底シール部における変形に対して結節点の機能を果たし、底シール部になんらかの力が負荷された状態でも、この力に対抗することができ、底シール部の割れをより確実に防止することが可能となる。
【0025】
請求項5記載の発明の手段は、請求項1、2、3または4記載の発明において、胴部を円形状の平断面形状とすることにある。
【0026】
請求項5記載の上記構成により、胴部が円筒状であれば、掴持する方向を気にすることなくスクイズ容器を使用することができ、また通常、円形状の場合は楕円状あるいは長円状等の偏平な断面形状を有したものに比較して良好な注出操作性を得るために規制帯の幅を広く設定する必要があるが、本構成では規制帯を一対の縦細帯状の接着帯により形成するので、幅広の規制帯がスクイズ変形の均一性を阻害することがなく、どの方向からでも同様なスクイズ性を有した円筒状の胴部を有したスクイズ容器を提供することができる。
【0027】
請求項6記載の発明の手段は、請求項1、2、3、4または5の発明において、胴部を円形状と楕円形状と長円形状のいずれか一つの平断面形状とすること、規制帯の幅を(1/4)(L−2D1)に設定すること、にある。(L;平断面の周長、D1;平断面の長径)
【0028】
規制帯の幅を、広く設定すると、内容物をかなり多くに残した状態で、内層変形部の周方向の長さの寸法的な限界により、変形可能な部分がほとんどなくなり、このため、外部容体を手で押圧しても、内容物を注出し難くなる。
【0029】
また、規制帯を狭く設定すると、内層変形部の長さに充分な余裕があるため、容器全体としてはまだ内容物が多く残っている状態でも、容器の注出や保管の状態により、容器の中で、内容物が少なくなりやすい部分では、内部容体の平断面形状が、内容物の流動通路をほぼ閉塞してしまう状態となり、以降内容物のスムーズな注出を実施することができなくなる。
【0030】
円形状の場合長径は直径に相当し、楕円形状および長円形状の場合は手で掴持してのスクイズ性を考慮して通常長径の方向にパーティングラインがあり、規制帯を位置させるが、ここで規制帯の幅を(1/4)(L−2D1)に設定することにより、内層変形部の周方向の長さはちょうど、減容変形による潰れにより胴部の平断面を塞ぐ長さとなる。すなわち、全高さ方向に亘って理想的な変形が進行すれば内容物の注出完了と略同時に、内部容体の全高さ範囲において平断面が略完全に潰れた状態とすることができ、良好な注出性、スクイズ操作性を略最後まで維持することが可能となる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を、図面を参照しながら説明する。
図1ないし図6は本発明による注出容器の一実施例を示すもので、容器本体1は低密度ポリエチレン製樹脂からなる外層16と、低密度ポリエチレン製樹脂との相溶性が低いナイロン製樹脂からなる内層11と、低密度ポリエチレン製樹脂およびナイロン製樹脂に対して、充分な接着性を発揮する接着性樹脂からなる接着層15とから構成される。
【0032】
容器本体1は、底部4と、円筒状の胴部2と、この胴部2の上端に肩部6を介して起立連設して、外周面に螺条を刻設した円筒状の口部3とからなる壜体状である。
【0033】
容器本体1の高さは160mm、胴部2の円形状平断面の直径は60mm(内径で示す。)である。
【0034】
容器本体1を形成する外層16と内層11は、接着帯32において接着層15で接着固定されている部分を除いて、剥離可能に積層しており、外層16は、充分な機械的強度とスクイズ変形性と復元自在な可撓性とを有する外部容体17を形成し、内層11は、自在に減容変形を発揮できる薄肉の内部容体12を、外部容体17の内側に形成している。(図1、2参照)
【0035】
図3は、胴部2の平断面図を示すが、胴部2の円形状の平断面形状の左右のパーティングライン36の位置(図3では上下の位置に示される。)に、一対の規制帯31が、容器本体1の略全高さ範囲にわたり形成している。
【0036】
この規制帯31は、両側端部に位置する外層17と内層11と細縦帯状の接着層15から形成される接着帯32とその間にある非接着部33から構成されており、この一対の規制帯31により内部容体12の減容変形が規制され、スクイズ操作性を良好なものとしている。
【0037】
また、本実施例では、規制帯の幅は(1/4)(L−2D1)すなわち円形状では(1/4)D(π−2)に従って算出した17mmであり、接着帯32の幅は2mmである。(Dは直径、πは円周率を示す。)
【0038】
このように規制帯31をパーティングライン36上に配置したので、通常容器本体1の正面で、ラベルを貼付したり、印刷をするパーティングライン36に直角な胴部2の前後面は凸凹のないスムーズな状態とすることができ、また接着帯32を細くすることができ、規制帯31が目立たないので外観が良好で商品性の高い容器を提供することができる。
【0039】
この容器本体1のブロー成形は、図7および図8に示すように、外筒63と、この外筒63の内側に位置する内筒62と、外筒63と内筒62の間に、パリソンの中心軸に関して軸対称に位置する二対計4本の縦細帯状の接着層15とを、共押し出ししてパリソン61を成形し、このパリソン61をブロー成形の割り金型を用いて容器本体1に成形する。
【0040】
外周面に螺条を刻設した円筒状の口部3には、吸気部51の一つの実施形態である吸気孔51aを、外部容体17の中心軸に関して、パーティングライン36から90°の位置に軸対称に一対形成している。(図1参照)
【0041】
注出キャップ体41は、中央部に開口部44を形成した頂壁を有し、内周面に容器本体1の口部3と螺合するための螺条を刻設した、有頂円筒状のキャップ本体42と、このキャップ本体42の頂壁の上面に、開口部44の開口縁部に起立連設した注出筒48とを有し、この注出筒48の先端の注出口43から内容物55が外部に注出される構成であり、注出口43をカバーキャップ49で蓋をしている。(図2、4参照)
【0042】
また注出キャップ体41は、螺合により容器本体1の口部3に組付けられ、キャップ本体42の頂壁の下面に垂下設したシール筒片48aと、キャップ本体42の筒壁の内周面下端に付設したシール周条45が、それぞれ容器本体1の口部3の内周面上端と外周面下端に密着して、容器本体1に密に組み付く。
【0043】
また、注出キャップ体41は、キャップ本体42の開口部44に、第1弁体46aを有する第1逆止弁部46を設置することにより、常時は、開口部44を閉鎖して、外部の空気の侵入を阻止する逆止機能を発揮させ、容器本体1をスクイズして内容物55を注出する際には、内部容体12の内圧により開き、開口部44を開放する機能を発揮させる。
【0044】
また、注出キャップ体41には、キャップ本体42の筒壁に、口部3に設けた吸気孔51aの位置に合せた箇所に、第2逆止弁部47を構成する第2弁体47aが付設されており、この第2弁体47aは、吸気孔51aを経て外層16と内層11の層間19に外部の空気を導入する機能と、逆に層間19の空気を外部に逃がさない逆止機能とを有する。
【0045】
次に、上記実施例による、注出容器の使用状態について説明する。
前記のように構成された注出容器においては、容器本体1をスクイズすると、第2弁体47aが閉じた状態であり、内容物55を収容している内部容体12内の圧力が上昇して、第1弁体46aを開き、注出キャップ体41の先端の注出口43より、内容物55が外部に注出され、その分内部容体12は減容変形する。
【0046】
ここで、規制帯31自体は17mmとその幅は広く、この幅全体に接着層15を積層し外層16と内層11を接着している構成であれば、可撓性をもたせるためにその胴部は比較的肉薄に形成されている外部容体17に比較してこの規制帯31が変形し難い骨状の部分となり、均一なスクイズ変形ができず、また手に掴持してスクイズする際にこの骨状の部分により違和感を覚える感触となる。
【0047】
しかしながら、本一実施例では、この規制帯31を幅2mm程の接着帯32で形成しているため、容器本体1の胴部2をどの方向から持ってスクイズしても同じようなスクイズ変形性が得られ、前述した違和感も無くすことができる。
【0048】
容器本体1のスクイズを止め、胴部2に対する押圧を解除すると、外部容体17は弾性的な回復力により、元の形に復元し始め、外部容体17と内部容体12の間すなわち層間19の圧力が低下し、その結果、内部容体12の内圧が外気圧に戻り、第1弁体46aが閉じ、内容物55の注出が止まる。
【0049】
外部容体17の元の形への復元が更に進むと、内部容体12は減容変形した形状を保持したまま、第2弁体47aが開いて吸気孔51aを通して外層16と内層11との層間19に外部の空気が吸引され、この際外層16と内層11との剥離が進行する。
【0050】
図5は、本一実施例の注出容器の、胴部2の平断面図で、内層11(内部容体12)の変形の推移を示した説明図であり、減容変形の理想的な進行状況を平断面で見ると、まず規制帯31で左右に2分された内層変形部11a、11bが扁平状に変形し、この変形が進行して、パーティングライン36を結んだ線上で接触し、さらにこの接触が規制帯31が位置する部分に向かって進展しながら減容変形が進行する。
【0051】
ここで規制帯31の幅を17mmとすることにより、一対の内層変形部11a、11bのそれぞれの周方向の長さは77mmとなるが、この長さは直径と規制帯31の幅を加えたものであり、このように規制帯31の幅を設定することにより、変形がかなり進行した状態においても図5に示されるように、内容物55が略無くなるまで、規制帯31近傍に流動通路56が確保されるので、最後まで良好な注出操作性を維持することが可能となる。
【0052】
図6は本発明の注出容器の一実施例の底面図であるが、容器はピンチオフ部構造を有するブロー成形割り金型でブロー成形されるので、ピンチオフ部で形成された容器本体1の底シール部5では、内層を両側から外層で挟んだサンドイッチ状になっており、外層と内層は剥離可能となっている。
【0053】
図9は、パリソン61での、およびこのパリソン61をピンチオフした状態での接着層15の位置を示した説明図であり、そのうち(a)は規制帯31の左右中心線(幅方向の中心)をパーティングライン36に合わせたケース、(b)はパーティングライン36からずらして位置させたケースについて示してある。
【0054】
中心線をパーティングライン上に配置した場合の接着層15a1、15a2、15a3、15a4に比較して、ずらして配置させたケースではパリソン61でパーティングライン36からより離れて位置する接着層15b1、15b4はピンチオフした状態ではピンチオフ部の長さ方向のより中央に近く位置する。
【0055】
このため容器本体1の底シール部5のより中央に近い位置の2箇所で内層11と外層16を接着固定した部分を形成することができ、この接着部分と底シ−ル部5の左右端部の計4ヶ所が、外層16と内層11からなる積層体の底シール部5における変形に対して結節点の機能を果たし、底シール部5になんらかの力が負荷された状態でも、この力に対抗することができ、底シール部5の割れをより確実に防止することが可能となる。
【0056】
なお、胴部2の平断面形状は上記一実施例で記載した円形状に限定されるものでなく、楕円状、長円状の平断面形状、その他ブロー成形品で一般的に使用される形状においても本発明の作用効果が充分に発揮される。
【0057】
また、上記一実施例では、吸気部51を口部3の外部容体17に小さい丸孔を形成した吸気孔51aとしたが、この吸気部51はこの例に限定されるものでなくたとえば、底シール部5や、ブロー成形時に口部3にピンチオフ部を設けて形成したスリットを吸気部51とすることもできる。
【0058】
【発明の効果】
本発明は、上記した構成としたので、以下に示す効果を奏する。
請求項1記載の発明にあっては、一対の細幅の接着帯により規制帯を形成することにより、骨状の変形し難い部分が形成しないので、均一で良好なスクイズ変形性を確保することができ、押圧時における骨状の部分による感触の違和感も無くすことことができると共に、接着帯の形成による外観の劣化を防ぐことができる。
【0059】
また、接着帯を形成する接着性樹脂の使用量も少なくすることができ、材料コストを低く抑えることできる。
【0060】
請求項2記載の発明にあっては、規制帯をパーティングライン近傍に位置させることにより、通常容器の正面部でラベルを貼付したり、印刷をするパーティングラインに直角な胴部の前後面を凸凹のないスムーズな状態とすることができ、外観が良好で商品性の高い容器を提供することが可能となる。
【0061】
請求項3の発明にあっては、規制帯の左右中心線がパーティングライン上に位置するので、規制帯を容器の正面からみてちょうど90°の位置にすることができ、外観をさらに良好にすることができ、また内層の変形を左右のパーティングラインを結んだ線に対して対称にすることが可能となり、良好な操作性、注出性を得ることができる。
【0062】
請求項4の発明にあっては、規制帯の左右中心線をパーティングライン上からずらして位置することにより、底部シール部において接着帯がより中央部に位置することになり、底シール部の割れをより確実に防止することが可能となる。
【0063】
請求項5の発明にあっては、胴部が円筒状にすることにより、細幅の接着帯から形成される規制帯の作用効果と相俟って、どの方向からでも同様なスクイズ性を有したスクイズ容器を提供することができる。
【0064】
請求項6の発明にあっては、胴部の平断面形状を円形状と楕円形状と長円形状のいずれか一つの形状とし、規制帯の幅をこの形状によって決まる一定の幅にすることにより、最後まで良好な注出操作性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の注出容器の一実施例の容器本体を一部破断して示す、全体斜視図。
【図2】本発明の注出容器の一実施例の容器本体を示す、半縦断側面図。
【図3】図2におけるA−A線に沿って示す、平断面図。
【図4】図2の要部を拡大して示す、半縦断側面図。
【図5】本発明の注出容器の一実施例において、図3に示した平断面図での内層の変形の推移を示す、説明図。
【図6】本発明の注出容器の一実施例の底部を一部拡大して示す、底面図。
【図7】本発明の注出容器の一実施例の容器本体にブロー成形される、パリソンの一実施例を示す側面図。
【図8】図7におけるB−B線に沿って示す、平断面図。
【図9】パリソンおよび、パリソンをピンチオフした状態における接着層の配置を示す、説明図。
【符号の説明】
1 ; 容器本体
2 : 胴部
3 ; 口部
4 ; 底部
5 ; 底シール部
6 ; 肩部
11 ; 内層
11a ; 内層変形部
11b ; 内層変形部
12 ; 内部容体
15 ; 接着層
15a1 ; 接着層
15a2 ; 接着層
15a3 ; 接着層
15a4 ; 接着層
15b1 ; 接着層
15b2 ; 接着層
15b3 ; 接着層
15b4 ; 接着層
16 ; 外層
17 ; 外部容体
19 ; 層間
31 ; 規制帯
32 ; 接着帯
33 ; 非接着部
36 ; パーティングライン
41 ; 注出キャップ体
42 ; キャップ本体
43 ; 注出口
44 ; 開口部
45 ; シール周条
46 ; 第1逆止弁部
46a; 第1弁体
47 ; 第2逆止弁部
47a; 第2弁体
48 ; 注出筒
48a; シール筒片
49 ; カバーキャップ
51 ;吸気部
51a ;吸気孔
55 ; 内容物
56 ; 流動通路
61 ; パリソン
62 ; 内筒
63 ; 外筒

Claims (6)

  1. 剥離可能に積層された、スクイズ変形可能で復元自在な可撓性を有する外部容体(17)を形成する外層(16)と、内容物(55)をその内部に収容し、内圧の減少により自在に減容変形する内部容体(12)を形成する内層(11)とからブロー成形により形成されるデラミボトル型の容器本体(1)と、該容器本体(1)の口部(3)に組付き固定される注出キャップ体(41)とから成り、前記外部容体(1)の中心軸に対して略軸対称に、前記容器本体(1)の略全高さ範囲にわたり外層(16)と内層(11)とを接着した一対の縦細帯状の接着帯(32)により形成された、一対の縦帯状の規制帯(31)を設け、前記注出キャップ体(41)に、前記内部容体(12)内への内容物(55)の逆流および外部の空気の進入を防ぐ第1逆止弁部(46)を設け、前記外部容体(17)に前記外層(16)と内層(11)との層間(19)に外部の空気を導入するための吸気部(51)を形成し、該吸気部(51)からの空気の排出を不能に該吸気部(51)を開閉する第2逆止弁部(47)を設けた、注出容器。
  2. 外部容体(1)の左右パーティングライン(36)の近傍に1対の規制帯(31)を設ける構成とした、請求項1記載の注出容器。
  3. 規制帯(31)の左右中心線がパーティングライン(36)上に位置した、請求項2記載の注出容器。
  4. 規制帯(31)の左右中心線がパーティングライン(36)上からずれて位置した、請求項2記載の注出容器。
  5. 胴部(2)の平断面形状が円形状である、請求項1、2、3または4記載の注出容器。
  6. 胴部(2)が円形状と楕円形状と長円形状のいずれか一つの平断面形状であり、規制帯(31)の幅を(1/4)(L−2D1)に設定した、請求項1、2、3、4または5記載の注出容器。(L;平断面の周長、D1;平断面の長径)
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