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JP3954952B2 - 注出容器 - Google Patents

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JP3954952B2
JP3954952B2 JP2002306008A JP2002306008A JP3954952B2 JP 3954952 B2 JP3954952 B2 JP 3954952B2 JP 2002306008 A JP2002306008 A JP 2002306008A JP 2002306008 A JP2002306008 A JP 2002306008A JP 3954952 B2 JP3954952 B2 JP 3954952B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、容器内部へ外気を侵入させることなく、内容物の注出が可能な注出容器に関し、所定の形状に成形された外層と、この外層に剥離可能に積層した内層とから構成される容器本体と、この容器本体の底部に取り付けられるベースカップとの組み合わせで構成される、いわゆるデラミボトルと呼ばれる注出容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
所定の形状に成形された外層に、可撓性に富んだ袋状の内層を外層から容易に剥離する状態で積層させ、上部に内容物の注出口を設け、外層と内層の間に外気を導入する導入口を開口させて構成した、一般にデラミボトルと称されるブロー成形による注出容器が知られている。
【0003】
このような注出容器は、相溶性の殆どない外層パリソンと内層パリソンとを共押し出しで積層パリソンに押し出し成形し、底部をブロー金型のピンチオフ部で押し潰し、積層パリソンをブロー成形して得られる。
【0004】
ところが、底部の底シール部は、基本的に相溶性の殆どない外層部分と内層部分との積層構造となるため、外層部分に底割れが発生することがある。
【0005】
この底割れが発生すると、スリットが注出容器の底部に成形されるため注出容器底部の機械的強度が低下したり、水場で使用した場合には内層の剥離・収縮に伴いスリットより湯水が内外層間に浸入してしまうという不都合がある。
【0006】
このため従来は、特殊なピン或いは接着層を設けて底シール部の外層部分と内層部分を強固に融着または接着固定して底シール部での底割れの発生を防止し、そして注出容器の注出口付近あるいは胴部の外層部分に、外気導入口を専用の加工操作で開設していた。このようにして、注出容器の底部を強固で安定した機械的強度を有するものとし、かつ注出容器の外観体裁を損なうことなく、円滑に外気を導入できる箇所に外気導入口を設けていた。
【0007】
一方、底割れにより底シール部に開口されるスリットを、外層と内層との間への外気の導入口として機能させると、外気導入口の成形がきわめて簡単で確実なものとなる。そこで容器本体の底部にベースカップをアンダーカットにより嵌めた注出容器において、ベースカップに容器本体の底部側壁を押圧する押圧部を備え、ベースカップを底部に嵌合させる際前記側壁を押圧することにより底シール部に押圧力を付与して外層に底割れを生じさせ、底部に外気導入口としてのスリットを形成するようにした発明が知られている。(例えば、特許文献1参照。)。
【0008】
【特許文献1】
特開平9‐301404号公報。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、容器本体の底部にベースカップをアンダーカットにより嵌め、ベースカップの嵌め込み・容器本体の底部側壁を押圧により底シール部に押圧力を付与して底割れによるスリットを開口するようにした注出容器では、注出容器が硬質材料で成形されている場合は充分な嵌め込み力が得られ容器本体にベースカップを固定できるが、注出容器が柔らかい材質で成形されている場合には、ベースカップを充分な嵌合力で固定できなくなることがあった。
【0010】
また注出容器が柔らかい材質で成形されていると、ベースカップを容器本体に嵌め込むときに底シール部にかかる押圧力が、容器本体側壁やベースカップが有する弾性のため分散してしまい、押圧力が不足してベースカップの嵌め込みによって容器本体の底部にスリット、すなわち開口部が形成されなくなることが考えられる。
【0011】
本発明は、上記した課題を解決し、容器本体の底部にベースカップを取り付ける注出容器において、ベースカップの取り付けを確実にするとともに底シール部の底割れが確実に行われ、外層と内層との間に外気を導入させるスリットを容易、かつ確実に形成できる注出容器を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明にかかる請求項1に記載の発明は、円筒状パリソンからブロー成形され、外層と、該外層に剥離自在に積層した可撓性を有する内層とから成り、有底筒形状の上部に内容物の注出口を形成する口筒部を備え、下部の底板壁下面にパーティングラインに沿って前記パリソンの食い切り部である底シール部を形成した容器本体と、前記容器本体底部に取り付けられ、空気流通口を開口させたベースカップとを備えた注出容器において、
前記容器本体は、底部側面に雄ネジ部を備えたこと、
前記ベースカップは、筒壁内面の上部に前記雄ネジ部に螺合される雌ネジ部を、下部に、該ベースカップを前記容器本体底部に螺合させると、前記底板壁を側方より押圧し前記食い切り部の外層にスリットを開口させる狭圧部を備えて注出容器を構成した。
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、雄ネジ部と雌ネジ部による螺合によって容器本体にベースカップを組み付けることから、容器本体及びベースカップに複数の螺旋状の突条が形成されるため、これら突条が補強用のリブとして機能し、容器本体の組み付け部分を強固にでき、かつ複数の突条で組み付けられることからベースカップと容器本体との嵌合力を大きくできる。
【0014】
またベースカップの螺合に伴って底板壁を側方より押圧することから、ベースカップを回転させながら底板壁を徐々に押圧させるため、小さな力で組み付けられるとともに無理なく必要な押圧力を底板壁に加えることができ、外層と内層との間に外気を導入させるスリットを容器本体の底板壁に容易、かつ確実に開口させることができる。
【0015】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の注出容器において、狭圧部を、筒壁内面に突出し、底板壁の外径より間隔が狭い、少なくとも一対の突起より構成した。請求項2に記載の発明によれば、突起の間に底板壁が挟持され側方より押圧されることにより、確実にスリットが底シール部に形成される。
【0016】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の注出容器において、底板壁を、パーティングライン方向を長径とした楕円あるいは長円形に形成し、前記長径より狭圧部の間隔を短く形成した。請求項3に記載の発明によればベースカップを螺進させると、底板壁の長径部分がベースカップの狭圧部に挟持され、押圧変形して底シール部にスリットが形成される。
【0017】
請求項4に記載の発明は、請求項1または3に記載の注出容器において、狭圧部を、底板壁の外径あるいは長径より、長径が長く短径が短い楕円あるいは長円状に形成した。これによっても底板壁がベースカップの狭圧部に確実に挟持され、押圧変形して底シール部にスリットが形成される。
【0018】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の注出容器において、狭圧部を筒壁の内側に該筒壁から所定の間隔をあけて底板から立設した。これにより、底板壁押圧により生じた反力を狭圧部から雌ネジ部に伝達させることがなく、ネジ部での螺合結合が緩んだり、気密性が損なわれることがない。
【0019】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の注出容器において、狭圧部を、上部より下部の間隔を狭めたテーパー状に形成した。このことにより、ベースカップを螺進させるにつれ底板壁に生じる押圧力が増大され、ベースカップの螺合によりスリットを確実に形成することができる。
【0020】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の注出容器において、容器本体をスクイズ変形可能とすると共に、容器本体口筒部に開閉自在に設けられ、該口筒部内への内容物の逆流及び外気の流入を阻止する第一逆止弁と、前記容器本体底部に密に取り付けられ、有底筒形状の下部底板に空気流通口を開口させたベースカップと、前記空気流通口に開閉自在に設けられ、前記ベースカップ外への外気の流出を阻止する第二逆止弁とを設けた。これにより胴部が比較的柔軟なスクイズ容器であっても食い切り部にスリットを容易に形成することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる注出容器の一実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0022】
図1は、本発明にかかる注出容器の一実施形態を示すもので、注出容器1は、容器本体2と、容器本体2の底部6に取り付けられたベースカップ12からなり、注出容器1の上部にはブラシ50が螺合により着脱可能に取り付けられている。
【0023】
容器本体2は、図1の円内に示すように外層2aと内層2bとを積層させたブロー成形品であり、外層2aは高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂材料で、必要とする自己形状保持能力を持たせてスクイズ変形可能に成形されており、内層2bは、外層2aに対して相溶性の低いナイロン、エチレンビニルアルコール共重合体、低密度ポリエチレン等の合成樹脂材料で、撓み変形が自在な袋状に成形されている。
【0024】
容器本体2の外層2aおよび内層2bは、単層構造でも積層構造でも良く、また内層2bの萎み変形が適正なものとなるように、外層2aと内層2bとを容器本体2の全高さ範囲にわたって設けた帯状の接着層(図示せず)により適宜接着固定するのが好ましい。また、この接着層は1本以上設けられていれば良く、その本数及び幅は特に限定されない。尚、スクイズ変形可能とする容器形態においては、対称位置に設けるのが好ましく、更には、同容器形態においてはパーティングラインP(図3参照)上となる対称位置に2本若しくはパーティングラインPを挟んだ近傍の対称位置に4本設けるのが内容物の残量を減らす意味からも好ましい。
【0025】
容器本体2の胴部3は円筒形状をしており、胴部3の上端には外周面に螺条を刻設した内容物の注出口としての口筒部4を起立連設し、胴部3の下端には、螺旋状の突条からなる雄ネジ5を備えた有底筒形状の底部6を連設している。口筒部4には、内容物の逆流と外気の流入を阻止する第一逆止弁10を介して前述したブラシ部50がブラシ部50の先端から薬剤等の内容物を吐出できるように内部が連通した状態で取り付けられている。
【0026】
底部6は、図2に示すように外周面に雄ネジ5を周設した筒形状の周壁7と、周壁7の下端に連設し容器本体2の内方に陥没させた底板壁8とから構成されている。底板壁8には、底部6の側面図である図3、および底面図である図4に示すように中央部下面にパリソンの食い切り部である底シール部9が、パーティングラインPに沿って突条状に形成してある。図7に底シール部9の断面を示す。図7に示すように底シール部9では、内層2bの端部が互いに接着され、その状態で外層2aの内側に内層2bが張り付いている。
【0027】
図5にベースカップ12を示す。ベースカップ12は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ABS、AS等により射出成形されたもので、有底筒形状の筒壁13の内周面に容器本体2の雄ネジ5に螺合する螺旋状の突条からなる雌ネジ14を周設し、筒壁13の下端に、平円板状の底壁15を連設してある。
【0028】
底壁15には、中央に弁保持筒16が立設してある。弁保持筒16は中央に空気流通口としての連通口17が開口しており、弁保持筒16の内側に第二逆止弁23が気密に取り付けられている。第二逆止弁23は、弁膜24が弁枠25に上下方向に開閉自在に取り付けられており、外気をベースカップ12内に取り入れるが、排出方向には弁膜24が閉じられ外への空気の流出を阻止するようになっている。
【0029】
また筒壁13の内周面には、狭圧部18としての突起17が形成してある。突起17は、ベースカップ12の平面図である図6に示すようにベースカップ12の中心を挟み対向して一対設けられており、かつ突起17の間隔aが図3に示す底板壁8の直径bより小さく、かつベースカップ12を底部6に螺合すると底板壁8が必ず通過、あるいは当接する位置に配設されている。
【0030】
このように注出容器1を構成したことにより、成形された容器本体2の底部6にベースカップ12を螺合させ底板壁8が雌ネジ14を通過すると、底板壁8が突起17に接し、突起17間で形成される狭圧部18に挟持される。すると底板壁8は、突起17の挟持により押圧力を受け、特にベースカップ12の回転に伴いパーティングラインPが突起17の箇所を通過すると、パーティングラインPに沿った方向から底シール部9が徐々に押圧され、その押圧力により外層2aから内層2bが剥がれ、また外層2a同士の間隔も押圧により広がる。尚押圧力は、外層2aから内層2bを剥がすのみで、可撓性を有する内層2b同士の接合は剥離させない。
【0031】
また容器本体2の底部6及びベースカップ12に複数の突条が螺旋状に形成されていることにより、かかる部分の強度が大きくなり、また容器本体2の底部6にベースカップ12を螺合させるとそれらは大きな力で嵌合螺合される。
【0032】
したがって図8に示すように底板壁8の底シール部9に、外層2aと内層2bとの間に外気を導入させる導入口としてのスリット22が開口される。そしてベースカップ12を容器本体2の底部6螺合させ雄ネジ5と雌ネジ14が締結すると、スリット22が開口された状態で容器本体2にベースカップ12が密に、かつ強固に固定される。
【0033】
次に注出容器1の使用方法について説明する。注出容器1の内層2b内に薬剤を収納し口筒部4にブラシ部50を取り付けた状態で胴部3を両側より押すと、外層2aとともに内層2bが押され薬剤がブラシ部50の先端から吐出される。胴部3の押し込みを離し元の形状に復元されると第二逆止弁23が開放され、また第一逆止弁10が閉じ、ベースカップ12内に外気が流入し、更にスリット22を通過して外層2aと内層2bの間に外気が侵入する。そして、再度胴部3を押し込むとスリット22を通してベースカップ12内の圧力は高まるが、第二逆止弁23は閉じるため外層2aと内層2bの間の空気は流出せず、内層2bが押されて薬剤がブラシ50から吐出される。
【0034】
したがって、薬剤を吐出させても注出容器1の外形が縮径していくことなく常に一定の外形を保持し、また胴部3を押圧しただけの量の薬剤をブラシ50から吐出させることができる。尚突起17は一対に限らず、筒壁13の内面に複数対設けてもよい。
【0035】
注出容器の他の例を図9に示す。これは容器本体2の底板壁8を、パーティングラインPの方向を長径とした楕円形とし、一方狭圧部18の間隔を底板壁8の長径より狭めたものである。このように注出容器1を構成すると、ベースカップ12を容器本体2に螺合させた場合、底板壁8の長径方向の部分が狭圧部18に押圧され、パーティングラインPの方向に沿って底シール部9が押圧されてスリット22が開口する。これにより底板壁8が確実に、しかも底シール部9の方向に沿って突起17により押圧されるので、効率良くスリットを開口できる。
【0036】
更に、狭圧部18を円形でなく、楕円もしくは長円形に形成してもよい。この場合、底板壁8を、狭圧部18の短径より長径が長い楕円もしくは長円形とするか、あるいは狭圧部18の短径より外径の大きい円形に形成する。
【0037】
注出容器の他の例を図10に示す。これは筒壁13の内側に押圧壁19を底板15に立設し、押圧壁19を狭圧部18としたものである。押圧壁19と筒壁13との間には若干の間隔が設けてあり、狭圧部18が底板壁8を押圧力しその反力を受けても、押圧壁19と筒壁13との間に間隔が設けられていることにより反力が筒壁13を介して雌ネジ14に伝達されない。
【0038】
これにより、狭圧部18が底板壁8を強固に押圧してもその反力が筒壁13には影響を与えず、雄ネジ5と雌ネジ14との結合に影響がなく、雌ネジ14での気密性が保持される。尚、押圧壁19は、筒壁13内に対向して設けても、筒壁13の内側に沿って周状に形成してもよい。また、その形状も円形に限らない。
【0039】
図11に他の例を示す。これは狭圧部18としての筒壁13を、上部より下部の間隔を狭めてテーパー状に形成したものである。このように構成すると、ベースカップ12の螺合により容器本体2の底部6がベースカップ12の内部に進むほど狭圧部18の間隔が狭められ、狭圧部18により底板壁8がより強く押圧される。
【0040】
テーパーに形成された狭圧部18は、筒壁13の内面に突出した突起状であっても、筒壁13に沿った周状であってもよく、また筒壁13とは別に筒壁13の内側に間隔をあけて設けてもよい。また、周状の場合円形であっても、楕円状、長円状、三角形、四角形、その他多角形状であってもよい。
【0041】
尚、上記例ではブラシ付き注出容器を例に説明したが、本発明にかかる注出容器はブラシつきに限るものではなく、容器本体2の口筒部4を注出口のみとした吐出容器としたり、或いはブラシ以外の他の作用部材を取り付けてもよいし、容器本体をスクイズ容器とせず外層を硬質な樹脂で成形すると共に逆止弁を配設せずに、口筒部にポンプ・トリガー・スプレー等のディスペンサーを設けた容器構成とすることも可能である。更には、本注出容器内には、前述の薬剤のみならず化粧品・トイレタリー製品・食品他様々な分野の内容物を収容することが可能である。
【0042】
また、図示はしないが、空気流通口の形成位置については、ベースカップ底板の中心に開口されるものに限らず、ベースカップ底板の任意の位置或いはベースカップ内壁と容器本体側壁に形成されたネジ部の少なくとも何れか一方を間欠として空気流通口とすることも可能である。
【0043】
【発明の効果】
本発明は、上記した構成となっているので、以下に示す効果を奏する。
【0044】
請求項1に記載の発明は、容器本体にベースカップを組み付けた注出容器において、容器本体は、底部側面に雄ネジ部を備え、ベースカップは、有底筒体の筒壁内面の上部に雄ネジ部に螺合される雌ネジ部を、下部に、ベースカップを容器本体底部に螺合させると、底板壁を側方より押圧し食い切り部の外層にスリットを開口させる狭圧部を備えて構成したので、第一に雄ネジ部と雌ネジ部による螺合によって容器本体にベースカップを組み付けることから、容器本体及びベースカップに複数の螺旋状の突条が形成され、これら突条が補強用のリブとして機能し、容器本体の組み付け部分を強固にでき、かつ複数の突条で組み付けられることからベースカップと容器本体との嵌合力を大きくできる。
【0045】
また第二にベースカップの螺合に伴って底板壁を側方より押圧することから、ベースカップを回転させながら底板壁を徐々に押圧させるため、小さな力で組み付けられるとともに無理なく必要な押圧力を底板壁に加えることができ、外層と内層との間に外気を導入させるスリットを容器本体の底板壁に容易、かつ確実に開口させることができる。
【0046】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の注出容器において、ベースカップの筒壁内に少なくとも一対の突起を、底板壁の直径より小さい対向間隔で形成したので、突起により底板壁に押圧力を加え、外層と内層との間に外気を導入させるスリットを食い切り部に容易、かつ確実に開口させることができる。
【0047】
請求項3に記載の発明では、請求項1に記載の注出容器において、底板壁を、パーティングライン方向を長径とした楕円あるいは長円形に形成し、長径より狭圧部の間隔を短く形成したので、狭圧部から底板壁に確実に押圧力を加えられ、外層と内層との間に外気を導入させるスリットを食い切り部に容易、かつ確実に開口させることができる。
【0048】
請求項4に記載の発明では、請求項1または3に記載の注出容器において、狭圧部を、底板壁の外径あるいは長径より、長径が長く短径が短い楕円あるいは長円状に形成した。これによっても狭圧部から底板壁に確実に押圧力を加えられ、外層と内層との間に外気を導入させるスリットを食い切り部に容易、かつ確実に開口させることができる。
【0049】
請求項5に記載の発明では、請求項1〜4に記載の注出容器において、狭圧部を筒壁の内側に筒壁から所定の間隔をあけて底板から立設したので、底板壁を押圧した際の反力が狭圧部から筒壁に伝わらず、容器本体とベースカップとの螺合、及びそれらの間の気密性に影響を与えることがない。
【0050】
請求項6に記載の発明では、請求項1〜5に記載の注出容器において、狭圧部を、上部より下部の間隔を狭めたテーパー状に形成したので、ベースカップを螺合させると、それにつれて底板壁を大きく押圧し、確実にスリットを食い切り部に形成することができる。
【0051】
請求項7に記載の発明では、請求項1〜6に記載の注出容器において、容器本体をスクイズ変形可能とすると共に、容器本体口筒部に開閉自在に設けられ、該口筒部内への内容物の逆流及び外気の流入を阻止する第一逆止弁と、前記容器本体底部に密に取り付けられ、有底筒形状の下部底板に空気流通口を開口させたベースカップと、前記空気流通口に開閉自在に設けられ、前記ベースカップ外への外気の流出を阻止する第二逆止弁とを設けたので、胴部が比較的柔軟なスクイズ容器であっても食い切り部にスリットを容易に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる注出容器の一実施形態を示す、一部縦断および拡大断面した正面図。
【図2】図1に示した容器本体の底部を示した部分側面図。
【図3】容器本体の底部を示した部分側面図。
【図4】容器本体の底面図。
【図5】ベースカップの側面断面図。
【図6】ベースカップの平面図。
【図7】底シール部を示す拡大断面図。
【図8】スリットの開放状態を示す拡大断面図。
【図9】他の注出容器の例を示す斜視図。
【図10】他の注出容器の例を示す部分断面図。
【図11】他の注出容器の例を示す部分断面図。
【符号の説明】
1 ; 注出容器
2 ; 容器本体
2a; 外層
2b; 内層
3 ; 胴部
4 ; 口筒部
5 ; 雄ネジ
6 ; 底部
7 ; 周壁
8 ; 底板壁
9 ; 底シール部
10; 第一逆止弁
12; ベースカップ
13; 筒壁
14; 雌ネジ
15; 底壁
16; 弁保持筒
17; 突起
18; 狭圧部
19; 押圧壁
22; スリット
23; 第二逆止弁
24; 弁膜
25; 弁枠
P ; パーティングライン

Claims (7)

  1. 円筒状パリソンからブロー成形され、外層と、該外層に剥離自在に積層した可撓性を有する内層とから成り、有底筒形状の上部に内容物の注出口を形成する口筒部を備え、下部の底板壁下面にパーティングラインに沿って前記パリソンの食い切り部である底シール部を形成した容器本体と、
    前記容器本体底部に取り付けられ、空気流通口を開口させたベースカップとを備えた注出容器において、
    前記容器本体は、底部側面に雄ネジ部を備え、
    前記ベースカップは、筒壁内面の上部に前記雄ネジ部に螺合される雌ネジ部を、下部に、該ベースカップを前記容器本体底部に螺合させると、前記底板壁を側方より押圧し前記食い切り部の外層にスリットを開口させる狭圧部を備えたことを特徴とした注出容器。
  2. 狭圧部は、筒壁内面に突出し、底板壁の外径より間隔が狭い、少なくとも一対の突起より構成したことを特徴とした請求項1に記載の注出容器。
  3. 底板壁を、パーティングライン方向を長径とした楕円あるいは長円形に形成し、前記長径より狭圧部の間隔を短く形成したことを特徴とした請求項1に記載の注出容器。
  4. 狭圧部を、底板壁の外径あるいは長径より、長径が長く短径が短い楕円あるいは長円状に形成したことを特徴とした請求項1または3に記載の注出容器。
  5. 狭圧部を筒壁の内側に該筒壁から所定の間隔をあけて底板から立設したことを特徴とした請求項1〜4のいずれか1項に記載の注出容器。
  6. 狭圧部を、上部より下部の間隔を狭めたテーパー状に形成したことを特徴とした請求項1〜5のいずれか1項に記載の注出容器。
  7. 容器本体をスクイズ変形可能とすると共に、容器本体口筒部に開閉自在に設けられ、該口筒部内への内容物の逆流及び外気の流入を阻止する第一逆止弁と、前記容器本体底部に密に取り付けられ、有底筒形状の下部底板に空気流通口を開口させたベースカップと、前記空気流通口に開閉自在に設けられ、前記ベースカップ外への外気の流出を阻止する第二逆止弁とを設けたことを特徴とした請求項1〜6のいずれか1項に記載の注出容器。
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