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JP2003225055A - 水中油型チョコレート類 - Google Patents

水中油型チョコレート類

Info

Publication number
JP2003225055A
JP2003225055A JP2002027770A JP2002027770A JP2003225055A JP 2003225055 A JP2003225055 A JP 2003225055A JP 2002027770 A JP2002027770 A JP 2002027770A JP 2002027770 A JP2002027770 A JP 2002027770A JP 2003225055 A JP2003225055 A JP 2003225055A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
weight
water
chocolate
lysophospholipoprotein
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002027770A
Other languages
English (en)
Inventor
Megumi Yoshizawa
恵 吉沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Adeka Corp
Original Assignee
Asahi Denka Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Denka Kogyo KK filed Critical Asahi Denka Kogyo KK
Priority to JP2002027770A priority Critical patent/JP2003225055A/ja
Publication of JP2003225055A publication Critical patent/JP2003225055A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 保存性、口溶け、保水性が良好であり、耐熱
性があり、特に製造直後でも耐熱性を有し、30〜40
℃に保管しても保型性が良好で、離水や油分離をしない
水中油型チョコレート類を提供する。 【解決手段】 リゾホスホリポ蛋白質を含有し、水分の
含有量が5〜30重量%である水中油型チョコレート
類。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水中油型チョコレー
ト類に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ガナッ
シュはチョコレート類とクリーム類の混合物で、従来に
おいては、通常、細かく刻んだチョコレートを煮立てた
クリーム類に加え、これを良く混ぜ合わせた後、冷却し
て製造されている。その乳化状態は水中油型であり、口
溶けは良好であるが、保存性に劣っていた。
【0003】特開2000−262217号公報に記載
の水中油型含水チョコレートでは、焼成耐性があるもの
の、保水力が劣り、またチョコレートを高温(30〜4
0℃)に一晩保管したとき、保型性が悪く、離水や油分
離をしてしまうものであった。
【0004】また、特開平3−228647号公報に
は、水相中に油脂が分散したO/W型エマルジョンをチ
ョコレート中に分散混合した耐熱性チョコレートが記載
されている。これにより得られた耐熱性チョコレート
は、みずみずしさに乏しいものであり、また製造直後の
耐熱性は劣るものであった。
【0005】従って、本発明の目的は、保存性、口溶
け、保水性が良好であり、耐熱性があり、特に製造直後
でも耐熱性を有し、30〜40℃に保管しても保型性が
良好で、離水や油分離をしない水中油型チョコレート類
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、リゾホスホリ
ポ蛋白質を含有し、水分の含有量が5〜30重量%であ
る水中油型チョコレート類により、上記目的を達成した
ものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の水中油型チョコレ
ート類について詳述する。
【0008】本発明の水中油型チョコレート類はリゾホ
スホリポ蛋白質を含有する。上記のリゾホスホリポ蛋白
質は、リゾリン脂質と蛋白質が複合体を形成したもので
あり、リゾリン脂質あるいは蛋白質とは全く性質の異な
るものである。また、同一系内にリゾリン脂質と蛋白質
が共存していても複合体は形成されない。
【0009】上記のリゾホスホリポ蛋白質は、ホスホリ
ポ蛋白質又はホスホリポ蛋白質含有原料、例えば卵黄、
全卵、バターミルクパウダー、バターミルク、大豆蛋
白、小麦蛋白等をホスホリパーゼAで処理したものであ
る。本発明では卵黄をホスホリパーゼAで処理したもの
が好ましく用いられる。
【0010】上記のホスホリパーゼAは、リン脂質分子
のグリセロール部分と脂肪酸残基とを結び付けている結
合を切断し、この脂肪酸残基を水酸基で置き換える作用
を有する酵素である。ホスホリパーゼA2の場合、リン
脂質分子のグリセロール部分の2位の脂肪酸残基が選択
的に切り離される。ホスホリパーゼAは、作用する部位
の違いによってA1及びA2があるが、本発明ではホスホ
リパーゼA2を用いるのが好ましい。
【0011】本発明の水中油型チョコレート類におい
て、上記のリゾホスホリポ蛋白質を使用したことによる
著しい効果は、水中油型チョコレート類の保水力を向上
させ、水中油型チョコレート類に耐熱保型性を付与し、
特に製造直後の耐熱保型性を付与することである。
【0012】本発明の水中油型チョコレート類における
上記のリゾホスホリポ蛋白質の含有量は、好ましくは
0.015〜0.27重量%、さらに好ましくは0.0
17〜0.24重量%、最も好ましくは0.018〜
0.21重量%である。水中油型チョコレート類中の上
記のリゾホスホリポ蛋白質の含有量が0.015重量%
より少ないと水中油型チョコレート類を高温(30〜4
0℃)に保管したとき、保型性が悪く、離水や油分離を
しやすく、水中油型チョコレート類中の上記のリゾホス
ホリポ蛋白質の含有量が0.27重量%よりも多いと水
中油型チョコレート類の風味を損いやすい。
【0013】また、本発明の水中油型チョコレート類に
おける上記のリゾホスホリポ蛋白質の含有量をリゾホス
ホリポ蛋白質を構成するリゾリン脂質の量で示すと、水
中油型チョコレート類中、好ましくは0.01〜0.1
7重量%、さらに好ましくは0.01〜0.15重量
%、最も好ましくは0.01〜0.13重量%である。
【0014】本発明においてリゾホスホリポ蛋白質含有
原料として、例えば卵黄をホスホリパーゼA2で処理
し、そのときのホスホリポ蛋白質からリゾホスホリポ蛋
白質への変換率が75%の酵素処理卵黄を用いた場合、
本発明の水中油型チョコレート中の上記の酵素処理卵黄
の含有量は、好ましくは0.12〜2.2重量%、さら
に好ましくは0.13〜2重量%、最も好ましくは0.
15〜1.7重量%である。また、本発明においてリゾ
ホスホリポ蛋白質含有原料として、例えば卵黄をホスホ
リパーゼA2で処理し、そのときのホスホリポ蛋白質か
らリゾホスホリポ蛋白質への変換率が76.6%の酵素
処理卵黄を用いた場合、本発明の水中油型チョコレート
中、酵素処理卵黄の含有量は好ましくは0.12〜2.
2重量%、さらに好ましくは0.13〜1.9重量%、
最も好ましくは0.14〜1.7重量%である。このよ
うにホスホリポ蛋白質からリゾホスホリポ蛋白質への変
換率によって酵素処理した卵黄の添加量は変化する。
【0015】上記のリゾホスホリポ蛋白質の変換率は、
変換前のホスファチジルコリンとホスファチジルエタノ
ールアミンとの合計量に対する変換されたリゾホスファ
チジルコリンとリゾエタノールアミンの割合として表し
ている。上記のリゾホスホリポ蛋白質の変換率は10重
量%以上、さらに好ましくは40〜60重量%、最も好
ましくは60〜90重量%であり、変換率の高いほうが
リゾホスホリポ蛋白質の使用量を節約できる。
【0016】本発明の水中油型チョコレート類は、ホス
ホリポ蛋白質を含有していてもよい。ここでいうホスホ
リポ蛋白質とは、ホスホリポ蛋白質含有原料(例えば卵
黄、全卵、バターミルクパウダー、バターミルク、大豆
蛋白、小麦蛋白等)でもよいし、ホスホリポ蛋白質やホ
スホリポ蛋白質含有原料をホスホリパーゼAで処理した
際にリゾホスホリポ蛋白質とならなかったホスホリポ蛋
白質でもよい。
【0017】本発明の水中油型チョコレート類における
上記のホスホリポ蛋白質の含有量は、好ましくは0.0
05〜0.09重量%、さらに好ましくは0.006〜
0.08重量%、最も好ましくは0.006〜0.07
重量%である。
【0018】本発明の水中油型チョコレート類の水分
は、5〜30重量%、好ましくは7〜28重量%、最も
好ましくは10〜25重量%である。
【0019】水中油型チョコレート類の水分が5重量%
よりも少ないと水中油型の含水チョコレートにすること
が困難なので好ましくなく、30重量%よりも多いと風
味が劣るので好ましくない。
【0020】本発明の水中油型チョコレート類で用いる
ことができる油脂としては、例えば、パーム油、パーム
核油、ヤシ油、コーン油、綿実油、大豆油、菜種油、米
油、ヒマワリ油、落花生油、サフラワー油、オリーブ
油、カボック油、月見草油、カカオ脂、イリッペ脂、サ
ル脂、シア脂、牛脂、乳脂、豚脂、魚油、鯨油、バタ
ー、バターオイル等の各種植物油脂、動物油脂並びにこ
れらを水素添加、分別及びエステル交換から選択される
一又は二以上の処理を施した加工油脂が挙げられる。
【0021】本発明でいう油脂には、乳製品、果実、果
汁、コーヒー、ナッツペースト、香辛料、カカオマス、
ココアパウダー、穀類、豆類、野菜類、肉類、魚介類等
の食品素材から抽出される脂肪分も含む。
【0022】上記の油脂の含有量は、本発明の水中油型
チョコレート類中、好ましくは10〜60重量%、さら
に好ましくは12〜55重量%、最も好ましくは15〜
50重量%である。
【0023】本発明の水中油型チョコレート類で用いる
ことができる乳化剤としては、レシチン等の天然の乳化
剤や、以下に示した合成乳化剤を使用することができ
る。合成乳化剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、
グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸
エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセ
リンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪
酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ショ糖酢酸イソ酪
酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリ
セリン縮合リシノレイン酸エステル、プロピレングリコ
ール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ス
テアロイル乳酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビ
タンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタン
モノグリセリド等が挙げられ、これらの中から選ばれた
1種又は2種以上を用いることができる。本発明ではこ
れらの乳化剤のうち、ポリグリセリン脂肪酸エステルを
用いるのが好ましい。
【0024】上記のポリグリセリン脂肪酸エステルのH
LBは好ましくは10以上、さらに好ましくは12〜2
0である。
【0025】上記のポリグリセリン脂肪酸エステルを構
成する脂肪酸としては、ラウリン酸、パルミチン酸、ス
テアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸等が挙げられる。上
記ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセ
リン残基としては、好ましくはグリセリン重合度が6〜
10のポリグリセリン残基が好ましい。具体的にはデカ
グリセリンモノオレエートが好ましい。
【0026】上記の乳化剤の含有量は、本発明の水中油
型チョコレート類中、好ましくは0.05〜2.7重量
%、さらに好ましくは0.055〜2.4重量%、最も
好ましくは0.06〜2.1重量%である。
【0027】本発明の水中油型チョコレート類で用いる
ことができる糖類としては、例えば、上白糖、グラニュ
ー糖、粉糖、ブドウ糖、果糖、蔗糖、麦芽糖、乳糖、酵
素糖化水飴、還元澱粉糖化物、異性化液糖、蔗糖結合水
飴、オリゴ糖、還元糖ポリデキストロース、トレハロー
ス、キシロース、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガ
ラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラフィノース、ラクチ
ュロース、パラチノースオリゴ糖、ステビア、アスパル
テーム、はちみつ等が挙げられる。
【0028】上記の糖類の含有量は、本発明の水中油型
チョコレート類中、好ましくは10〜70重量%、さら
に好ましくは15〜60重量%、最も好ましくは20〜
55重量%である。
【0029】本発明の水中油型チョコレート類で用いる
ことができる澱粉類としては、コーン・ワキシーコーン
・タピオカ・馬鈴薯・甘藷・小麦・米等の澱粉類が挙げ
られ、これらの澱粉類を、酵素処理、酸やアルカリ処
理、エステル化処理、リン酸架橋化処理、α化処理等の
物理的、化学的処理の中から選ばれた1種又は2種以上
の処理を行った澱粉類を用いてもよい。特に本発明では
α化処理を行っていない澱粉類を用いるのがよい。
【0030】上記の澱粉類の含有量は、本発明の水中油
型チョコレート類中、好ましくは0.25〜9重量%、
さらに好ましくは0.275〜8重量%、最も好ましく
は0.3〜7重量%である。
【0031】本発明の水中油型チョコレート類で用いる
ことができる安定剤としては、例えばキサンタンガム、
ローカストビーンガム、グアーガム、ファーセラン、タ
マリンド種子多糖類、タラガム、カラヤガム、アラビア
ガム、ジェランガム、トラガントガム、アルギン酸ナト
リウム、カルボキシメチルセルロース、微結晶セルロー
ス、ペクチン、寒天、カラギーナン、プルラン、ゼラチ
ンを必要により用いることができ、本発明ではκ―カラ
ギーナンを用いるのが好ましい。
【0032】上記の安定剤の含有量は、本発明の水中油
型チョコレート類中、好ましくは0.1〜2.7重量
%、さらに好ましくは0.11〜2.4重量%、最も好
ましくは0.12〜2.1重量%である。
【0033】本発明の水中油型チョコレート類で用いる
ことができる乳製品や乳製品類似製品としては、例えば
生乳、牛乳、特別牛乳、生山羊乳、殺菌山羊乳、生めん
羊乳、部分脱脂乳、脱脂乳、加工乳、豆乳、クリーム、
濃縮クリーム、濃縮ホエイ、アイスクリーム類、濃縮
乳、脱脂濃縮乳、練乳、無糖練乳、無糖脱脂練乳、加糖
練乳、加糖脱脂練乳、全粉乳、脱脂粉乳、全脂粉乳、ク
リームパウダー、ホエイ、ホエイパウダー、蛋白質濃縮
ホエイパウダー、バター、バターミルクパウダー、加糖
粉乳、調製粉乳、はっ酵乳、乳酸菌飲料、乳飲料、カゼ
イン、カゼインカルシウム、カゼインカリウム、カゼイ
ンマグネシウム、カゼインナトリウム、レンネットカゼ
イン、乳清蛋白質、ラクトアルブミン、ホエープロテイ
ンコンセートレート、トータルミルクプロテイン、ミル
クカルシウム、チーズ、ナチュラルチーズ、プロセスチ
ーズ、ヨーグルト、純生クリーム、ホイップ用クリーム
(コンパウンドクリーム)、植物性ホイップ用クリー
ム、チョコレート・ガナッシュ・カスタード風味のホイ
ップ用クリーム等のクリーム類及びこれらのクリーム類
をホイップしたもの等が挙げられる。
【0034】上記の乳製品の含有量は、本発明の水中油
型チョコレート類中、好ましくは0.05〜11重量
%、さらに好ましくは0.1〜10重量%、最も好まし
くは0.2〜9重量%である。
【0035】また、本発明の水中油型チョコレート類で
は必要により、以下のような食品素材を用いることがで
きる。例えば、強力粉、薄力粉、中力粉等の穀粉類、全
卵、卵黄、卵白、乾燥卵、乾燥卵黄、乾燥卵白等の卵
類、原料アルコール、焼酎、ウオッカやブランデー等の
蒸留酒、ワイン、日本酒、ビール等の醸造酒、各種リキ
ュール、ココナッツミルク、食塩、塩化カリウム等の塩
味剤、β−カロチン、カラメル、紅麹色素等の着色料、
トコフェロール、茶抽出物等の酸化防止剤、小麦蛋白や
大豆蛋白といった植物蛋白、着香料、調味料、pH調整
剤、炭酸カルシウム等の塩類、セルロース等の増量剤、
食品保存料、日持ち向上剤、果実、果汁、ジャム、フル
ーツソース、コーヒー、ナッツペースト、香辛料、穀
類、ハーブ、豆類、野菜類、肉類、魚介類等の食品素
材、コンソメ、ブイヨン、食品添加物等が挙げられる。
【0036】本発明の水中油型チョコレート類は例えば
以下のような製造方法により製造することができる。本
発明の水中油型チョコレート類は、リゾホスホリポ蛋白
質を含有する水相又はリゾホスホリポ蛋白質を含有する
水中油型乳化物と、チョコレート生地を含有する油相を
混合することにより得られる。
【0037】具体的にはまず、リゾホスホリポ蛋白質を
含有する水相又はリゾホスホリポ蛋白質を含有する水中
油型乳化物を用意する。
【0038】上記のリゾホスホリポ蛋白質を含有する水
相やリゾホスホリポ蛋白質を含有する水中油型乳化物の
粘度は、15℃で好ましくは50万〜200万cp(5
00〜2000Pa・s)、さらに好ましくは70万〜
180万cp(7000〜1800Pa・s)、最も好
ましくは90万〜150万cp(9000〜1500P
a・s)である。
【0039】上記の粘度は、例えばBH型粘度計を使用
し、リゾホスホリポ蛋白質を含有する水性成分を含有す
る水相やリゾホスホリポ蛋白質を含有する水中油型乳化
物を15℃で1分間、2rpmで回転させて測定したと
きの値である。
【0040】また上記のリゾホスホリポ蛋白質を含有す
る水中油型乳化物の油分は好ましくは20〜60重量
%、さらに好ましくは25〜55重量%、最も好ましく
は30〜50重量%である。
【0041】このようなリゾホスホリポ蛋白質を含有す
る水相やリゾホスホリポ蛋白質を含有する水中油型乳化
物を好ましくは20〜50℃、さらに好ましくは25〜
40℃に調温する。
【0042】一方、チョコレート生地を含有する油相を
用意する。上記のチョコレート生地とは、カカオマスや
ココアパウダー、粉乳等の各種粉末食品、油脂類、糖
類、乳化剤、香料、色素等の中から選択した原料を任意
の割合で混合し、常法によりロール掛け、コンチング処
理して得たものを意味する。また上記のチョコレート生
地はブラックチョコレート、ホワイトチョコレート、カ
ラーチョコレート等のいずれでもよい。
【0043】上記のチョコレート生地を含有する油相
は、上記のようなチョコレート生地に必要により、澱粉
類、安定剤、乳化剤、香料、色素、油脂等を添加したも
のである。
【0044】このようなチョコレート生地を含有する油
相を好ましくは20〜32℃、さらに好ましくは25〜
31℃に調温する。
【0045】そして、次に上記のリゾホスホリポ蛋白質
を含有する水相又はリゾホスホリポ蛋白質を含有する水
中油型乳化物と、上記のチョコレート生地を含有する油
相をミキサー等で混合する。
【0046】リゾホスホリポ蛋白質を含有する水相又は
リゾホスホリポ蛋白質を含有する水中油型乳化物と、チ
ョコレート生地を含有する油相の混合割合は、好ましく
はリゾホスホリポ蛋白質を含有する水相やリゾホスホリ
ポ蛋白質を含有する水中油型乳化物50〜90重量%、
チョコレート生地を含有する油相50〜10重量%、さ
らに好ましくはリゾホスホリポ蛋白質を含有する水相や
リゾホスホリポ蛋白質を含有する水中油型乳化物55〜
80重量%、チョコレート生地を含有する油相45〜2
0重量%、最も好ましくはリゾホスホリポ蛋白質を含有
する水相やリゾホスホリポ蛋白質を含有する水中油型乳
化物60〜70重量%、チョコレート生地を含有する油
相40〜30重量%とする。
【0047】本発明の水中油型チョコレート類は、シェ
ル状のチョコレートに入れたり、例えば、ケーキ、ビス
ケット、クッキー、シュー、パイ及び冷菓等のトッピン
グ用、サンド用、フィリング用及びコーティング用等と
して用いることができる。
【0048】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明を更に詳しく
説明する。
【0049】<酵素処理卵黄の調製>卵黄99.97重
量%に0.03重量%のレシターゼ10−L(登録商
標、ノボノルディスティックバイオインダストリー社
製、ホスホリパーゼA2を10000IU/ml含む)
を攪拌しながら加えた。得られた混合物を50℃で4時
間インキュベートし、その後5℃に保管した。得られた
リゾホスホリポ蛋白質含有原料のリゾホスホリポ蛋白質
の含有量は12.6重量%、ホスホリポ蛋白質の含有量
は3.9重量%で、リゾホスホリポ蛋白質の変換率は7
6.6重量%(リゾリン脂質含量として7.7重量%)
であった。
【0050】〔実施例1〕液糖42.44重量%、酵素
処理卵黄1重量%、デカグリセリンモノオレエート0.
7重量%、米澱粉3重量%、セルロース5重量%、炭酸
カルシウム2重量%、ラクトアルブミン0.4重量%、
κ―カラギーナン0.2重量%に菜種油45重量%、酸
化防止剤0.04重量%、色素0.02重量%、香料
0.2重量%を混合し、油分46.4重量%の水中油型
乳化物を得た。
【0051】得られた水中油型乳化物の粘度は15℃で
1300Pa・sであった。なお、上記の粘度は、例え
ばBH型粘度計を使用し、水中油型乳化物を1分間2r
pmで回転させて測定したときの値である。
【0052】一方、カカオマス16重量%、砂糖44重
量%、ココアバター10重量%、ハードバター10重量
%及び全脂粉乳20重量%から成る配合にて常法に従
い、ミルクチョコレート生地を製造した。そして、30
℃に調温した上記ミルクチョコレート生地30重量%と
上記水中油型乳化物を30℃に調温したもの70重量%
を合わせて水中油型チョコレートを製造した。
【0053】得られた水中油型チョコレートの水分は1
1.3重量%、リゾホスホリポ蛋白質は0.088重量
%、ホスホリポ蛋白質0.027重量%であった。
【0054】かくして得た水中油型チョコレートは、そ
の乳化型を通電により調べた結果、水中油型であった。
【0055】また製造直後の水中油型チョコレートを3
0℃、35℃に24時間保存したものは、口溶けがよ
く、離水や油分離がなく、保水性が良好で、保存後も保
型性は良好であった。
【0056】さらに製造後120日経過した水中油型乳
化物とチョコレート生地を混ぜて作った水中油型チョコ
レートを30℃、35℃に24時間保存したものは、口
溶けがよく、離水や油分離がなく、保水性が良好で、保
存後も保型性は良好であった。
【0057】〔実施例2〕カカオマス40重量%、砂糖
50重量%及びハードバター10重量%から成る配合に
て常法に従い、ビターチョコレート生地を製造した。そ
して、30℃に調温した上記ビターチョコレート生地3
0重量%と実施例1で得られた水中油型乳化物を30℃
に調温したもの70重量%を合わせて水中油型チョコレ
ートを製造した。
【0058】得られた水中油型チョコレートの水分は1
0.9重量%、リゾホスホリポ蛋白質は0.088重量
%、ホスホリポ蛋白質は0.027重量%であった。
【0059】かくして得た水中油型チョコレートは、そ
の乳化型を通電により調べた結果、水中油型であった。
【0060】また、製造直後の水中油型チョコレートを
30℃、35℃に24時間保存したものは、口溶けがよ
く、離水や油分離がなく、保水性が良好で、保存後も保
型性は良好であった。
【0061】さらに製造後120日経過した水中油型乳
化物とチョコレート生地を混ぜて作った水中油型チョコ
レートを30℃、35℃に24時間保存したものは、口
溶けがよく、離水や油分離がなく、保水性が良好で、保
存後も保型性は良好であった。
【0062】〔実施例3〕砂糖42.5重量%、ココア
バター20重量%、ハードバター17.5重量%、全脂
粉乳20重量%から成る配合にて常法に従い、ホワイト
チョコレート生地を製造した。そして、30℃に調温し
た上記ホワイトチョコレート生地30重量%と実施例1
で得られた水中油型乳化物を30℃に調温したもの70
重量%を合わせて水中油型チョコレートを製造した。
【0063】得られた水中油型チョコレートの水分は1
1.1重量%、リゾホスホリポ蛋白質は0.088重量
%、ホスホリポ蛋白質0.027重量%であった。
【0064】かくして得た水中油型チョコレートは、そ
の乳化型を通電により調べた結果、水中油型であった。
【0065】また製造直後の水中油型チョコレートを3
0℃、35℃に24時間保存したものは、口溶けがよ
く、離水や油分離がなく、保水性が良好で、保存後も保
型性は良好であった。
【0066】さらに製造後120日経過した水中油型乳
化物とチョコレート生地を混ぜて作った水中油型チョコ
レートを30℃、35℃に24時間保存したものは、口
溶けがよく、離水や油分離がなく、保水性が良好で、保
存後も保型性は良好であった。
【0067】〔実施例4〕小麦粉100重量部、全卵1
20重量部、上白糖100重量部、マーガリン25重量
部、起泡剤6重量部及び膨張剤1重量部で製造したブッ
セのフィリングクリームとして実施例1で製造した水中
油型チョコレートを使用したところ、保型性が良好で、
かつみずみすしく口溶け良好な美味しいチョコレート複
合菓子となった。また製造直後のチョコレート複合菓子
を30℃、35℃にて24時間保存後も保型性は良好で
あった。
【0068】〔実施例5〕小麦粉100重量部、全卵1
60重量部、炭酸アンモニウム1重量部、マーガリン9
0重量部及び水140重量部で製造したベビーシューの
フィリングクリームとして実施例2で製造した水中油型
チョコレートを使用したところ、保型性が良好で、かつ
みずみすしく口溶け良好な美味しいチョコレート複合菓
子となった。また製造直後のチョコレート複合菓子を3
0℃、35℃にて24時間保存後も保型性は良好であっ
た。
【0069】〔実施例6〕液糖51重量%、酵素処理卵
黄1重量%、デカグリセリンモノオレエート0.2重量
%、セルロース3重量%、炭酸カルシウム1重量%、ラ
クトアルブミン0.3重量%を混合して水相を得た。一
方、溶解したビターチョコレート生地(カカオマス1
9.02重量%、砂糖16.49重量%、ハードバター
6.76重量%)に、米澱粉1重量%、κ−カラギーナ
ン0.2重量%、酸化防止剤0.03重量%を添加して
油相を得た。そして30℃に調温した水相と、30℃に
調温した油相を混合して、水中油型チョコレートを得
た。得られた水中油型乳化物の粘度は15℃で1500
Pa・sであった。
【0070】なお、上記の粘度は、例えばBH型粘度計
を使用し、水中油型乳化物を1分間、2rpmで回転さ
せて測定したときの値である。
【0071】得られた水中油型チョコレートの水分は1
6重量%、リゾホスホリポ蛋白質は0.126重量%、
ホスホリポ蛋白質0.039重量%であった。
【0072】かくして得た水中油型チョコレートは、そ
の乳化型を通電により調べた結果、水中油型であった。
【0073】また製造直後の水中油型チョコレートを3
0℃、35℃に24時間保存したものは、口溶けがよ
く、離水や油分離がなく、保水性が良好で、保存後も保
型性が良好であった。
【0074】
【発明の効果】本発明の水中油型チョコレート類は、保
存性、口溶け、保水性が良好であり、耐熱性があり、特
に製造直後でも耐熱性を有し、30〜40℃に保管して
も保型性が良好で、離水や油分離をしないものである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リゾホスホリポ蛋白質を含有し、水分の
    含有量が5〜30重量%である水中油型チョコレート
    類。
  2. 【請求項2】 上記のリゾホスホリポ蛋白質の含有量が
    0.015〜0.27重量%である請求項1記載の水中
    油型チョコレート類。
  3. 【請求項3】 リゾホスホリポ蛋白質を含有する水相又
    はリゾホスホリポ蛋白質を含有する水中油型乳化物と、
    チョコレート生地を含有する油相を混合することを特徴
    とする水中油型チョコレート類の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2に記載の水中油型チョコ
    レート類を用いた食品。
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