JP2003284300A - 回転電機の巻線の製造方法 - Google Patents
回転電機の巻線の製造方法Info
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Abstract
電機の巻線の製造方法を提供すること。 【解決手段】 セグメント導体の絶縁被膜が剥離された
先端部331g、332gを変形する加圧工程と、加圧
工程によって先端部331g、332gが変形したセグ
メント導体を固定子鉄心のスロットに挿入する挿入工程
と、スロットに挿入されたセグメント導体の端部を折り
曲げる折り曲げ工程と、折り曲げられた隣接するセグメ
ント導体の先端部の接合部331h、332h同士を接
合する接合工程とを有する。加圧工程は、先端部331
g、332gの端面側にいくほど突出した加圧面を有す
るダイと、このダイに対向する加圧面を有するパンチと
を用いて、先端部331g、332gを加圧方向両側か
ら挟み込んで変形する。
Description
に搭載される車両用交流発電機等の回転電機の巻線を製
造する回転電機の巻線の製造方法に関する。
に伴って、車両用交流発電機にはますます発電能力の向
上が求められている。このような発電能力向上の要請に
応えるものとして、U字状の電気導体を規則的に並べて
固定子のスロット内の電気導体を高占積率化することに
より高出力化を図った回転電機が知られている。このよ
うな回転電機では、U字状の電気導体の端部を溶接する
ために、電気導体の端部周囲に形成されている絶縁皮膜
を接合工程の前に予め除去しておく必要がある。
来の回転電機の巻線を製造する場合には、電気導体の端
部同士の接合のために端部周辺に形成された絶縁皮膜を
除去する必要があるが、この絶縁皮膜も所定の厚みを有
するため、接合対象となった2本の電気導体の端部の素
線部分が互いに離れてしまい接合不良が生じるおそれが
あるという問題があった。
導体の接合前の状態を示す図である。図9に示すよう
に、電気導体200の周囲に形成された絶縁皮膜202
は端部については除去され、素線204が突出した状態
になっている。接合は、このような2本の電気導体20
0のそれぞれの端部同士を溶接することにより行われる
が、それぞれの電気導体200の素線204が互いに離
間すると溶接性が低下する。
たものであり、その目的は、接合不良の発生を防止する
ことができる回転電機の巻線の製造方法を提供すること
にある。
ために、本発明の回転電機の巻線の製造方法は、電気導
体の絶縁被膜が剥離された先端部を、接合対象となる他
の電気導体の先端部が配置される向きに傾斜させる加圧
工程と、加圧工程によって先端部が変形した電気導体
を、固定子鉄心に形成されたスロットに径方向に複数本
が重複するように挿入する挿入工程と、スロットに挿入
された導体の端部を、隣接する他の電気導体が互いに反
対向きに傾斜するように折り曲げる折り曲げ工程と、折
り曲げ工程によって折り曲げられた隣接する電気導体の
先端部同士を接合する接合工程とを有している。特に、
上述した加圧工程は、先端部の端面側にいくほど加圧方
向に突出した加圧面を有する第1の治具と、先端部を挟
んで第1の治具に対向する加圧面を有する第2の治具と
を用いて、先端部を加圧方向両側から挟み込んで変形す
ることが望ましい。絶縁被膜が剥離された電気導体の先
端部に除去された絶縁被膜分あるいはそれ以上の段差が
生じた場合に、この段差をなくす方向に先端部が加圧さ
れて傾斜するため、この傾斜した先端部に対して行われ
る接合工程において発生する接合不良を防止することが
できる。
変形させる際の変形量は、少なくとも絶縁被膜の膜厚以
上であることが望ましい。あるいは、上述した加圧工程
において先端部を変形させる際の変形量は、少なくとも
絶縁被膜を剥離した際の剥離量以上であることが望まし
い。先端部における絶縁被膜の剥離は、絶縁被膜のみを
除去する場合の他に、絶縁被膜とともに電気導体の素線
の一部を除去する場合が考えられるため、これらの除去
によって生じる段差を少なくともなくすように先端部の
変形を行うことにより、接合対象となる電気導体の先端
部同士を確実に接触させることができ、接合不良の発生
を大幅に低減することができる。
を有するセグメント導体であることが望ましい。このよ
うなセグメント導体を用いることにより、変形後の先端
部同士の接触面積を拡大することが可能になり、接合不
良の発生をさらに防止することができる。
側にいくほど電気導体の傾斜方向に突出した加圧面を有
する第1の治具と、先端部を挟んで第1の治具に対向す
る加圧面を有する第2の治具とを用いて、先端部を加圧
方向両側から挟み込んで変形することが望ましい。
態の回転電機の巻線の製造方法について、図面を参照し
ながら詳細に説明する。図1は本実施形態の車両用交流
発電機の全体構成を示す断面図である。図1に示すよう
に、本実施形態の車両用交流発電機1は、固定子2、回
転子3、ハウジング4、整流器5等を含んで構成されて
いる。
6と一体になって回転しており、ランデル型ポールコア
7、界磁コイル8、スリップリング9、10、送風装置
としての斜流ファン11および遠心ファン12を備えて
いる。シャフト6は、プーリ20に連結されており、車
両に搭載された走行用のエンジン(図示せず)により回
転駆動される。
コアを組合わせて構成されている。このランデル型ポー
ルコア7は、シャフト6に組付られたボス部71と、ボ
ス部71の両端より径方向に延びるディスク部72と、
12個の爪状磁極部73により構成されている。
7の端面に溶接などによって固着されたベース板111
に対して鋭角の傾斜を持つブレードと直角のブレードと
を有し、回転子3と一体になって回転する。反プーリ側
の遠心ファン12は、ポールコア7の端面に溶接などに
よって固着されたベース板121に対して直角のブレー
ドのみを有する。
とリアハウジング4bからなっており、その軸方向端面
には吸入孔41が、外周両肩部には、固定子2の第1コ
イルエンド群31aと第2コイルエンド群31bのそれ
ぞれの径方向外側に対応して冷却風の排出孔42が設け
られている。
電圧を直流に変換する整流作用を行っており、車両用交
流発電機1の反プーリ側の端部に設けられている。次
に、固定子2の詳細について説明する。図2は、固定子
2の部分的な断面図である。図3は、固定子鉄心32に
装着されるセグメント導体33の模式的形状を示す斜視
図である。
鉄心32と、固定子鉄心32に形成された複数のスロッ
ト35内に配置された複数の電気導体としてのセグメン
ト導体33によって構成された固定子巻線31と、固定
子鉄心32と固定子巻線31との間を電気絶縁するイン
シュレータ34とを備えている。
多相の固定子巻線31を収容できるように、内径側に開
口を有する複数のスロット35が形成されている。本実
施形態では、回転子3の磁極数に対応して、三相の固定
子巻線31を収容するために、96個のスロット35
が、等間隔に配置されている。
た固定子巻線31は、1本1本の電気導体として把握す
ることができ、複数のスロット35のそれぞれの中に
は、偶数本(本実施形態では4本)の電気導体が収容さ
れている。また、一のスロット35内の4本の電気導体
は、固定子鉄心32の径方向に関して内側から内端層、
内中層、外中層、外端層の順で一列に配列されている。
これらの電気導体には、絶縁被膜37として、ポリアミ
ドイミド等の被膜材が塗布されている。
れることにより、固定子巻線31が形成される。なお、
本実施形態では、スロット35内の電気導体は、第1コ
イルエンド群31a側においては、連続線を配置するこ
とにより一端が接続され、また、第2コイルエンド群3
1b側においては、他端を接合することにより接続され
る。
定の磁極ピッチ離れた他のスロット35内の1本の他の
電気導体と対をなしている。特に、コイルエンド部にお
ける複数の電気導体間の隙間を確保し、整列して配置す
るために、一のスロット35内の所定の層の電気導体
は、所定の磁極ピッチ離れた他のスロット35内の他の
層の電気導体と対をなしている。
体331aは、固定子鉄心32の時計回り方向に向けて
1磁極ピッチ離れた他のスロット内の外端層の電気導体
331bと対をなしている。同様に、一のスロット内の
内中層の電気導体332aは固定子鉄心32の時計回り
方向に向けて1磁極ピッチ離れた他のスロット内の外中
層の電気導体332bと対をなしている。そして、これ
らの対をなす電気導体は、固定子鉄心32の軸方向の一
方の端部において連続線を用いることにより、ターン部
331c、332cを経由することで接続される。した
がって、固定子鉄心32の一方の端部においては、外中
層の電気導体と内中層の電気導体とを接続する連続線
を、外端層の電気導体と内端層の電気導体とを接続する
連続線が囲むこととなる。このように、固定子鉄心32
の一方の端部においては、対をなす電気導体の接続部
が、同じスロット内に収容された他の対をなす電気導体
の接続部により囲まれる。外中層の電気導体と内中層の
電気導体との接続により中層コイルエンドが形成され、
外端層の電気導体と内端層の電気導体との接続により端
層コイルエンドが形成される。
導体332aは、固定子鉄心32の時計回り方向に向け
て1磁極ピッチ離れた他のスロット35内の内端層の電
気導体331a’とも対をなしている。同様に、一のス
ロット35内の外端層の電気導体331b’は、固定子
鉄心32の時計回り方向に向けて1磁極ピッチ離れた他
のスロット35内の外中層の電気導体332bと対をな
している。そして、これらの電気導体は固定子鉄心32
の軸方向の他方の端部において接合により接続される。
においては、外端層の電気導体と外中層の電気導体とを
接続する接合部と、内端層の電気導体と内中層の電気導
体とを接続する接合部とが、径方向に並んでいる。外端
層の電気導体と外中層の電気導体との接続、および内端
層の電気導体と内中層の電気導体との接続により隣接層
コイルエンドが形成される。このように固定子鉄心32
の他方の端部においては、対をなす電気導体の接続部
が、重複することなく並べて配置される。
(平角断面)をもった一定の太さの電気導体を所定形状
に成形したU字状のセグメント導体により提供される。
図3に示すように、内端層の電気導体と外端層の電気導
体とが、一連の電気導体をほぼU字状に成形してなる大
セグメント331により提供される。また、内中層の電
気導体と外中層の電気導体とが一連の電気導体をほぼU
字状に成形してなる小セグメント332により提供され
る。
とは基本セグメント導体33を形成する。そして、基本
セグメント導体33を規則的にスロット35に配置し
て、固定子鉄心32の周りを2周するコイルが形成され
る。しかし、固定子巻線の引出線を構成するセグメント
導体および1周めと2周めとを接続するターン部は基本
セグメント導体33とは形状の異なる異形セグメント導
体で構成される。本実施形態の場合、異形セグメント導
体の本数は6本となる。1周めと2周めとの接続は、端
層と中層の接続となるが、この接続により異形コイルエ
ンドが形成される。
る。 (挿入工程)基本セグメント導体33は、U字状の小セ
グメント332のターン部332cをU字状の大セグメ
ント331のターン部331cが囲むように揃えられ、
固定子鉄心32の軸方向側面の一方側から挿入される。
その際、大セグメント331の一方の電気導体331a
は固定子鉄心32の一のスロット35の内端層に、小セ
グメント332の一方の電気導体332aは前記一のス
ロット35の内中層に、そして、大セグメント331の
他方の電気導体331bは固定子鉄心32の前記一のス
ロット35から時計方向に1磁極ピッチ離れた他のスロ
ット35の外端層に、小セグメント332の他方の電気
導体332bも前記他のスロット35の外中層に挿入さ
れる。
の基本セグメント導体33を示す図である。図4に示す
ように、小セグメント332を覆うように大セグメント
331が配置された状態で、固定子鉄心32の各スロッ
ト35に挿入される。また、大セグメント331の反タ
ーン部側の先端部331gおよび小セグメント332の
反ターン部側の先端部332gには、部分的に絶縁皮膜
37が剥離されて素線が露出した接合部331h、33
2hが形成されている。また、接合対象となる先端部3
31g、332gは、互いに接近する向きに加圧されて
傾斜がつけられている。この傾斜は、接合時に接合部3
31h、332hに露出した素線同士を確実に接触させ
るためのものである。この傾斜をつけるために行われる
加圧工程については後述する。
すように一のスロット35には内端層側から、上述した
電気導体として直線部331a、332a、332
b’、331b’が一列に配置される。ここで、直線部
332b’、331b’は、1磁極ピッチずれた他のス
ロット35内の電気導体と対をなしている大小のセグメ
ントの直線部である。
ド群31bにおいて、端層側に位置している直線部33
1a、331bは、大セグメント331が開く方向に接
合部331d、331eが半磁極ピッチ分(本実施形態
では1.5スロット分)捻られて折り曲げられる。そし
て、中層側に位置している直線部332a、332b
は、小セグメント332が閉じる方向に接合部332
d、332eが半磁極ピッチ分捻られて折り曲げられ
る。その結果、第2コイルエンド群31bにおいては、
径方向に隣接する電気導体は周方向の逆向きに傾斜して
いる。以上の構成を、全てのスロット35のセグメント
導体33について繰り返す。
31bにおいて、外端層の接合部331h’と外中層の
接合部332h、並びに内中層の接合部332hと内端
層の接合部331h’とが、溶接、超音波溶着、アーク
溶接、ろう付け等の手段によって電気的導通を得るよう
に接合され、図5に示すような固定子2が得られる。
詳細について説明する。図6は、加圧工程によって傾斜
がつけられた先端部331g、332gの詳細を示す図
である。また、図7は加圧工程の具体的な手順を示す図
である。図7(A)に示すように、加圧工程は、先端部
331gの端面に近づくにしたがって傾斜方向に突出し
た傾斜面を加圧面とするダイ(第1の治具)100と、
ダイ100の加圧面に対向する加圧面を有するパンチ
(第2の治具)102とを用いて、先端部331gを加
圧方向両側から挟み込むことにより行われる。これによ
り、図7(B)に示すように、ダイ100とパンチ10
2の加圧面に沿って先端部331gが一方向に傾斜する
ように変形する。他の先端部332gについても同様で
ある。これにより、接合対象となる一組の先端部331
gの端面と先端部332gの端面とが互いに接近する向
きに傾斜し、折り曲げ工程が終了した時点でそれぞれの
先端部331g、332gに形成された接合部331
h、332hを接触させることができる。
7が剥離されたセグメント導体33の先端部331g、
332gに、除去された絶縁被膜分あるいはそれ以上の
段差が生じた場合に、この段差をなくす方向にこれらの
先端部331g、332gが加圧されて傾斜するため、
この傾斜した先端部331g、332gの接合部331
h、332hに対して行われる接合工程において発生す
る接合不良を防止することができる。
絶縁被膜37の剥離は、絶縁被膜37のみを除去する場
合の他に、絶縁被膜37とともにセグメント導体33の
素線の一部を除去する場合が考えられるため、これらの
除去によって生じる段差を少なくともなくすように先端
部の331g、332gの変形を行うことにより、接合
対象となる接合部331h、332h同士を確実に接触
させることができ、接合不良の発生を大幅に低減するこ
とができる。
体33を用いることにより、変形後の接合部331h、
332hの隣接する各辺同士を接触させることができる
ため、接触面積を拡大することが可能になり、接合不良
の発生をさらに防止することができる。
ものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変
形実施が可能である。例えば、上述した実施形態では、
接合対象となる2つの先端部331g、332gの両方
を互いに近づく方向に傾斜させたが、一方のみを傾斜さ
せて接合部331h、332hを接触させるようにして
もよい。
圧面を有するダイ100とパンチ102を用いて加圧工
程を実施したが、図8(A)に示すように、先端部33
1g、332gの端面側に段差(突起)を設けたダイ1
00aと、ダイ100aに対向するように配置されたパ
ンチ102aを用いて加圧工程を実施するようにしても
よい。これにより、図8(B)に示すように、接合部3
31h(あるいは332h)のみが所定方向に傾斜する
ように変形することが可能になる。
電機の固定子巻線を形成する場合について説明したが、
車両用交流発電機以外の回転電機の固定子巻線や、固定
子巻線以外の巻線を製造する場合にも本発明を適用する
ことができる。
す断面図である。
的形状を示す斜視図である。
の基本セグメント導体を示す図である。
視図である。
細を示す図である。
順を示す図である。
す図である。
の状態を示す図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 電気導体の絶縁被膜が剥離された先端部
を、接合対象となる他の前記電気導体の先端部が配置さ
れる向きに傾斜させる加圧工程と、 前記加圧工程によって前記先端部が変形した前記電気導
体を、固定子鉄心に形成されたスロットに径方向に複数
本が重複するように挿入する挿入工程と、 前記スロットに挿入された前記電気導体の端部を、隣接
する他の前記電気導体が互いに反対向きに傾斜するよう
に折り曲げる折り曲げ工程と、 前記折り曲げ工程によって折り曲げられた隣接する前記
電気導体の前記先端部同士を接合する接合工程と、 を有する回転電機の巻線の製造方法。 - 【請求項2】 請求項1において、 前記加圧工程において前記先端部を変形させる際の変形
量は、少なくとも前記絶縁被膜の膜厚以上であることを
特徴とする回転電機の巻線の製造方法。 - 【請求項3】 請求項1において、 前記加圧工程において前記先端部を変形させる際の変形
量は、少なくとも前記絶縁被膜を剥離した際の剥離量以
上であることを特徴とする回転電機の巻線の製造方法。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかにおいて、 前記電気導体は、ほぼ矩形断面を有するセグメント導体
であることを特徴とする回転電機の巻線の製造方法。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかにおいて、 前記加圧工程は、前記先端部の端面側にいくほど前記電
気導体の傾斜方向に突出した加圧面を有する第1の治具
と、前記先端部を挟んで前記第1の治具に対向する加圧
面を有する第2の治具とを用いて、前記先端部を加圧方
向両側から挟み込んで変形することを特徴とする回転電
機の巻線の製造方法。
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JP2002077474A JP3775317B2 (ja) | 2002-03-20 | 2002-03-20 | 回転電機の巻線の製造方法 |
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