JP3303809B2 - 車両用交流発電機の固定子 - Google Patents
車両用交流発電機の固定子Info
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Description
に搭載される車両用交流発電機の固定子に関する。
して、複数の導体セグメントを接合することにより形成
された巻線を有するものが従来から知られている。例え
ば、WO92/06527には、U字状の複数の導体セ
グメントを固定子鉄心の一方の端面側から挿入した後
に、反挿入側の端部同士を接合することにより巻線が形
成された固定子が開示されている。この固定子は、連続
した導体巻線を巻いて巻線を構成する場合に比べて、規
則的に配置された巻線が形成しやすい特長がある。
O92/06527においては、固定子鉄心の各スロッ
トに挿入された導体は、異なるスロットに収納されたも
の同士の端部が接合され、それぞれの接合部が固定子鉄
心の形状に沿って円周方向に等間隔に並んで配置されて
いる。例えば、各スロットには4本の導体がスロット入
口側に2本、スロット奥側に2本が周方向に並んで収容
されており、一のスロットから同じ方向に延びた2本の
導体の端部と、他のスロットから同じ方向に延びた2本
の導体の端部とがそれぞれ接合され、この2つの接合部
が円周方向に沿って一列に配置されている。接合部と反
対側に形成されたターン部についても同様であり、同じ
スロットから延びた2本の導体につながる2つのターン
部が円周方向に沿って一列に配置されている。このよう
に、各接合部やターン部が円周方向に沿って一列に配置
されているため、出力電力を取り出す端子X等につなが
る巻線の端部が変形しやすいという問題があった。例え
ば、内周側で巻線の端部が引き出された場合には内周側
に変形しやすく、反対に外周側で巻線の端部が引き出さ
れた場合には外周側に変形しやすくなる。このため、製
造工程における組み付け作業時にあるいは分解修理時
に、巻線の端部が簡単に変形してしまい、その都度手作
業で手直しする必要があるため、作業効率の低下につな
がっていた。
たものであり、その目的は、固定子巻線の端部の変形を
防止することができる車両用交流発電機の固定子を提供
することにある。
に記載の発明では、複数のスロットを持つ固定子鉄心
と、一つの前記スロットに径方向内側から内端層、内中
層、外中層、外端層の順で一列に配列された電気導体で
構成された固定子巻線とを有する車両用交流発電機の固
定子において、 前記固定子巻線は、内端層の電気導体と
外端層の電気導体とがほぼU字状に成形してなる大セグ
メントと、内中層の電気導体と外中層の電気導体とがほ
ぼU字状に成形してなる小セグメントとを含んでおり、
出力用引き出し線を前記外中層若しくは前記内中層から
取り出すという構成を採用する。また、前記固定子巻線
は、三相の巻線がY結線されており、中性点に対応する
前記三相の巻線のそれぞれをの端部を前記大セグメント
から取り出して結線するという構成を採用することもで
きる。
態の車両用交流発電機について、図面を参照しながら詳
細に説明する。
す図である。図1に示す車両用交流発電機1は、固定子
2、回転子3、フレーム4、整流器5等を含んで構成さ
れている。
線を構成する複数の導体セグメント23と、固定子鉄心
22と各導体セグメント23との間を電気絶縁するイン
シュレータ24とを備えている。
かつ同心状に巻き回した界磁巻線8を、それぞれが6個
の爪部を有するポールコア7によって、シャフト6を通
して両側から挟み込んだ構造を有している。また、フロ
ント側のポールコア7の端面には、フロント側から吸い
込んだ冷却風を軸方向および径方向に吐き出すために軸
流式の冷却ファン11が溶接等によって取り付けられて
いる。同様に、リヤ側のポールコア7の端面には、リヤ
側から吸い込んだ冷却風を径方向に吐き出すために遠心
式の冷却ファン12が溶接等によって取り付けられてい
る。
収容しており、回転子3がシャフト6を中心に回転可能
な状態で支持されているとともに、回転子3のポールコ
ア7の外周側に所定の隙間を介して配置された固定子2
が固定されている。また、フレーム4は、固定子鉄心2
2の軸方向端面から突出した固定子巻線に対向した部分
に冷却風の吐出窓42が、軸方向端面に吸入窓41がそ
れぞれ設けられている。
は、ベルト等を介してプーリ20にエンジン(図示せ
ず)からの回転力が伝えられると回転子3が所定方向に
回転する。この状態で回転子3の界磁巻線8に外部から
励磁電圧を印加することにより、ポールコア7のそれぞ
れの爪部が励磁され、固定子巻線に3相交流電圧を発生
させることができ、整流器5の出力端子からは所定の直
流電流が取り出される。
図2は、固定子2の部分的な断面図である。また、図3
は固定子巻線を構成するセグメントの斜視図である。
た固定子巻線は複数の電気導体により構成され、各スロ
ット25には偶数本(本実施形態では4本)の電気導体
が収容されている。また、一のスロット内の4本の電気
導体は、図2に示すように固定子鉄心22の径方向に関
して内側から内端層、内中層、外中層、外端層の順で一
列に配列されている。
31aは、固定子鉄心22の時計回り方向に向けて磁極
ピッチ離れた他のスロット25内の外端層の電気導体2
31bと対をなしている。同様に、一のスロット25内
の内中層の電気導体232aは固定子鉄心22の時計回
り方向に向けて1磁極ピッチ離れた他のスロット25内
の外中層の電気導体232bと対をなしている。そし
て、これらの対をなす電気導体は、固定子鉄心22の軸
方向の一方の端面側において連続線を用いることによ
り、ターン部231c、232cを経由することで接続
される。
側においては、外中層の電気導体232bと内中層の電
気導体232aとをターン部232cを経由して接続す
る連続線を、外端層の電気導体231bと内端層の電気
導体231aとをターン部231cを経由して接続する
連続線が内包することとなる。このように、固定子鉄心
22の一方の端面側においては、対をなす電気導体の接
続部としてのターン部232cが、同じスロット25内
に収容された他の対をなす電気導体の接続部としてのタ
ーン部231cにより囲まれる。外中層の電気導体23
2bと内中層の電気導体232aとの接続により中層コ
イルエンドが形成され、外端層の電気導体231bと内
端層の電気導体231aとの接続により端層コイルエン
ドが形成される。
導体232aは、固定子鉄心22の時計回り方向に向け
て1磁極ピッチ離れた他のスロット25内の内端層の電
気導体231a’とも対をなしている。同様に、一のス
ロット25内の外端層の電気導体231b’は、固定子
鉄心22の時計回り方向に向けて1磁極ピッチ離れた他
のスロット25内の外中層の電気導体232bとも対を
なしている。そして、これらの電気導体は固定子鉄心2
2の軸方向の他方の端面側において接合により接続され
る。
側においては、外端層の電気導体231b’と外中層の
電気導体232bとを接続する外側接合部233bと、
内端層の電気導体231a’と内中層の電気導体232
aとを接続する内側接合部233aとが、径方向および
周方向に互いにずれた状態で配置されている。外端層の
電気導体231b’と外中層の電気導体232bとの接
続、および内端層の電気導体231a’と内中層の電気
導体232aとの接続により、異なる同心円上に配置さ
れた2つの隣接層コイルエンドが形成される。
導体231aと外端層の電気導体231bとが、一連の
電気導体をほぼU字状に成形してなる大セグメント23
1により提供される。そして、内中層の電気導体232
aと外中層の電気導体232bとが一連の電気導体をほ
ぼU字状に成形してなる小セグメント232により提供
される。基本となるU字状の導体セグメント23は、大
セグメント231と小セグメント232によって形成さ
れる。各セグメント231、232は、スロット25内
に収容されて軸方向に沿って延びる部分を備えるととも
に、軸方向に対して所定角度傾斜して延びる斜行部23
1f、231g、232f、232gを備える。これら
斜行部によって、固定子鉄心22から軸方向の両端面に
突出するコイルエンドが形成されており、回転子3の軸
方向の両端面に取り付けられた冷却ファン11、12を
回転させたときに生じる冷却風の通風路は、主にこれら
斜行部の間に形成されている。
セグメント23について繰り返す。そして、反ターン部
側のコイルエンド群において、外端層の端部231e’
と外中層の端部232e、並びに内中層の端部232d
と内端層の端部231d’とがそれぞれ溶接、超音波溶
着、アーク溶接、ろう付け等の手段によって接合されて
外側接合部233bおよび内側接合部233aが形成さ
れ、電気的に接続されている。これらの接合部233
b、233aの互いの絶縁と保持のために、絶縁材によ
るコーティングが行われる。なお、耐振動性、耐環境性
を向上するために、複数の接合部の間を架橋するように
絶縁材が付着されてもよい。この絶縁材は、接合部23
3b、233aのみに厚く付着させることが望ましい。
であり、Y結線された三相(X相、Y相、Z相)の中の
X相に着目した巻線状態が示されている。上述した固定
子2は、図2に示したように、1つのスロット25内に
4本の導体セグメント23が収容されており、その中の
2本の導体セグメント23が図4に示す巻線211用に
用いられ、他の2本の導体セグメント23が図5に示す
巻線212用に用いられる。そして、それらの一方の端
部23nと23mとが異形の導体セグメントを用いるこ
とにより結線されて、図4に示す巻線211と図5に示
す巻線212が直列接続され、全体として図6に示すX
相の巻線が形成されている。なお、これらの図に示すX
1は、整流器5に接続されるX相の巻線の一方の端部と
しての出力用引き出し線を示しており、ターン部231
c、232c側から取り出されている。また、X2は、
X相の巻線の他方の端部としての中性点用引き出し線を
示しており、出力用引き出し線と同様にターン部231
c、232c側から取り出される。なお、上述した図4
〜図6はX相の巻線について示されているが、Y相の巻
線およびZ相の巻線についても同様であり、X相の巻線
が収容されるスロット25に隣接するスロット25を用
いてY相の巻線が形成され、さらに1つ分隣接するスロ
ット25を用いてZ相の巻線が形成される。
の結線図である。上述したように、図4に示す巻線21
1と図5に示す巻線212とが直列接続されてX相の巻
線が形成されており、その一方端である出力用引き出し
線X1が整流器5に接続される。同様に、Y相およびZ
相の巻線が形成されており、それぞれの一方端である出
力用引き出し線Y1、Y1が整流器5に接続される。ま
た、X、Y、Z相の各巻線の他方端である中性点用引き
出し線X2、Y2、Z2が、図8に示すように共通に結
線される。
引き出す様子を示す図であり、固定子2を導体セグメン
ト23のターン部231c、232c側から見た部分的
な平面図が示されている。また、図10は図9に示すP
方向から見た矢視図であり、X相の出力用引き出し線X
1と中性点N近傍の側面図が示されている。
のそれぞれは、外中層の電気導体232aとして固定子
巻線から取り出されており、それ以外の外端層、内中
層、内端層の各電気導体231b、232a、231a
によって囲まれて径方向の移動が拘束されている。
1c、232c側は、図3に示した標準形状の導体セグ
メント23を用いた場合には、外端層の電気導体231
bと内端層の電気導体231aとが接続され、外中層の
電気導体232bと内中層の電気導体232aとが接続
されるが、各種の出力用引き出し線や中性点用引き出し
線を取り出すとともに、上述したように図4に示した巻
線211の端部23mと図5に示した巻線212の端部
23nを接続する必要があるため、出力用引き出し線近
傍では異形の導体セグメントが一部使用されている。
近傍で使用されている異形の導体セグメントを示す図で
あり、図11にはY相の出力用引き出し線Y1近傍で用
いられる異形の導体セグメントが、図12にはZ相の出
力用引き出し線Z1近傍で用いられる異形の導体セグメ
ントがそれぞれ示されている。
線と同様に、Y相の巻線も図4に示す巻線211と図5
に示す巻線212を直列接続することによって構成され
ており、それぞれの端部23mと23nを相互に接続す
るために、図11に示す異形の導体セグメント23yが
使用され、外端層の電気導体231bと内中層の電気導
体232aとが接続される。
巻線も図4に示す巻線211と図5に示す巻線212を
直列接続することによって構成されており、それぞれの
端部23mと23nを相互に接続するために、図12に
示す異形の導体セグメント23zが使用され、外端層の
電気導体231bと内中層の電気導体232aとが接続
される。
機1に備わった固定子2は、X、Y、Zの三相の巻線が
Y結線されて固定子巻線が形成されており、X、Y、Z
の各相の出力用引き出し線X1、Y1、Z1のそれぞれ
が外中層の電気導体232bとして取り出されている。
したがって、それぞれの出力用引き出し線は、外端層の
電気導体231bや内中層の電気導体232aや内端層
の電気導体231aによって挟まれており、径方向の移
動が拘束されるため、変形やふらつきを防止することが
でき、組み付け作業や分解修理等における出力用引き出
し線の位置決めが容易となって、作業効率を上げること
ができる。
線に対応する中性点用引き出し線X2、Y2、Z2は、
全て内端層の電気導体231aとして取り出されるが、
これら3つの中性点用引き出し線は共通に接続されて中
性点となるため、外力によって移動しにくく、変形やふ
らつきを防止することができる。また、各中性点用引き
出し線は内端層から引き出されるが、この引き出し位置
が内周側にいけばいくほど、リヤ側のフレーム4の軸方
向の内壁面との距離が大きくなるため、固定子巻線とフ
レーム4との間の短絡を防止することができる。
ものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施
が可能である。例えば、上述した実施形態では、図4に
示した巻線211と図5に示した巻線212とを直列に
接続してX、Y、Zの各相の巻線を形成したが、図4に
示した巻線211と図5に示した巻線212とを別々に
所定の電気角ずらして配置することにより2組の三相巻
線を構成し、図13に示すように、それぞれの出力用引
き出し線を2つの整流器に別々に接続するようにしても
よい。この場合には、出力用引き出し線および中性点用
引き出し線の本数が2倍となるため、これらの引き出し
線の変形やふらつきを防止することにより、作業効率の
大幅な向上が可能になる。
るU字状のセグメントが収容されている場合を説明した
が、ターン部を有しない導体セグメントを使用した場合
や、連続線を巻回して固定子巻線を形成した場合にも本
発明を適用することができる。
線であるが、Δ結線としてもよい。この場合、2本ずつ
3箇所結線をするにあたり、一方の引き出し線は中層か
ら取り出されるので、同様に移動が拘束され、変形やふ
らつきを防止することができる。
る。
る。
を示す図である。
の導体セグメントを示す図である。
の導体セグメントを示す図である。
結線図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 複数のスロットを持つ固定子鉄心と、一
つの前記スロットに径方向内側から内端層、内中層、外
中層、外端層の順で一列に配列された電気導体で構成さ
れた固定子巻線とを有する車両用交流発電機の固定子に
おいて、 前記固定子巻線は、内端層の電気導体と外端層の電気導
体とがほぼU字状に成形してなる大セグメントと、内中
層の電気導体と外中層の電気導体とがほぼU字状に成形
してなる小セグメントとを含んでおり、出力用引き出し
線を前記外中層若しくは前記内中層から取り出すことを
特徴とする車両用交流発電機の固定子。 - 【請求項2】 請求項1において、前記固定子巻線は、
三相の巻線がY結線されており、中性点に対応する前記
三相の巻線のそれぞれをの端部を前記大セグメントから
取り出して結線することを特徴とする車両用交流発電機
の固定子。
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