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JP2003274924A - 細胞分離方法及び装置 - Google Patents

細胞分離方法及び装置

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Publication number
JP2003274924A
JP2003274924A JP2002130182A JP2002130182A JP2003274924A JP 2003274924 A JP2003274924 A JP 2003274924A JP 2002130182 A JP2002130182 A JP 2002130182A JP 2002130182 A JP2002130182 A JP 2002130182A JP 2003274924 A JP2003274924 A JP 2003274924A
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JP
Japan
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cells
cell
pump
electroosmotic
cell separation
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Application number
JP2002130182A
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English (en)
Inventor
Zen Takamura
禅 高村
Hiroyuki Onoda
博之 斧田
Yasuhiro Horiike
靖浩 堀池
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Individual
Original Assignee
Individual
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Pending legal-status Critical Current

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  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)
  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】従来の細胞分離装置は大型かつ高価であるとい
う欠点があり、また分離の際に細胞に電界を印加するな
どの少なからず細胞に損傷を及ぼすものであった。 【解決手段】装置の小型化、廉価化を図るために細胞導
入口、流路、分岐流路およびポンプ手段を一体のチップ
上に形成し、かつ特にポンプ手段には細胞に直接電界を
印加することの無い電気浸透流ポンプを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、健康状態の判断
や、免疫診断、免疫治療を行うために、血液に含まれる
リンパ球等の細胞を、電気泳動速度や比重の違いを利用
してT細胞、B細胞等の亜集団に区別し、その数を計測
し、または其々の亜集団に分離するための分離手段なら
びにその装置に関する。特に必要な機能、構造の一部が
一つの板状のチップに集積されており、必要な検体が微
量ですみ、携帯性、即時性、使い捨て、安価などを特徴
とする微小流体力学やmicro−TAS、Lab−o
n−a−Chipといわれる分野に関する。
【0002】
【従来の技術】リンパ球は体内の免疫機能を担う中心で
あり、機能的系統的にいくつかの異なる細胞集団であ
る、B細胞、キラーT細胞、ヘルパーT細胞、サプレッ
サーT細胞などのリンパ球亜群から構成されている。リ
ンパ球は言うまでもなく個体の免疫応答に関する様々な
情報をもっており、ある亜群を分取し詳細に調べること
で、または抹消血中のリンパ球亜群の比率を測定するだ
けでも、免疫診断を行うための有益な情報を得ることが
できる。あるいはある種のリンパ球を体外で培養し、体
内に戻すような免疫治療を行う上でも、リンパ球亜群の
区別・分離は重要かつ一般的基本的なものとなってき
た。
【0003】通常、このようなリンパ球亜群比率の測定
や、特定の亜群の分取には、特定の亜群と結びつく蛍光
抗体を作用させたリンパ球を、ノズルから細かい水滴に
含まれる形で空中に押し出し、その一つ一つの蛍光や散
乱から亜群を区別・計数し、さらに静電力によって特定
の亜群を含む水滴だけの軌道を曲げ分取する、フローサ
イトメトリー法が使用されるが、これは装置も大掛かり
で高価なものであり、メンテナンスも大変で、必要な時
に手軽に使えるものではなかった。簡易的な方法として
は、特定の亜群だけを吸着するように、表面に抗体を固
定化するなどした特殊な繊維状やビーズ状の樹脂がつめ
られたカラムを通すことにより、分離する方法がある
が、これはリンパ球を損傷したり、カラムのコンディシ
ョニングに手間が掛かったり、また滴下速度などの条件
により吸着率が異なり、定量性に問題がある。また細胞
電気泳動装置やフリーフロー電気泳動装置を用い、表面
電荷濃度の違いにより、T細胞とB細胞を分離する方法
は、以前はよく使用されたが、やはり装置が大型で、近
年はフローサイトメトリー法に取って代わられつつある
が、この手法の利点は、抗体を用いないため細胞の損傷
が少ないことにあり、免疫治療を目的とした用途等に現
在も使われている。
【0004】近年、microTAS、Lab−on−
a−Chipという技術分野が立ち上がりつつあり、従
来の分析技術や化学合成法を、一つのチップの上に集積
化することで、システムの小型化、必要な試薬や検体量
の縮小化、低コスト化、高速化、高機能化を実現してい
る。このようなチップ上でリンパ球のT、B細胞分離を
行った例はすでに公知となっている。(特願2001−
304178)本方法によれば緩衝液のpH変化を抑制
しながら、一箇所にバンド状に並べたリンパ球を電気泳
動させることによってTとB細胞に分離できる。また、
遠心分離と電気泳動を同時に行うことによっても同様に
これらの細胞を分離できることが示されている。
【0005】また、家庭や緊急医療現場で、一滴の血液
から、人間の健康管理に必要な血液分析を1チップで行
うことを目的とした、ヘルスケアデバイスのような、血
液分析チップが最近開発されている。(特開2001−
258868)もし1チップ上で細胞分離が可能であれ
ば、免疫診断から健康管理に有益な情報が得られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、現在細胞
分離に用いられているフローサイトメトリ装置は大がか
りで高価なものであることから、これが免疫診断、免疫
治療の恩恵を万人が浴するための一つの大きな障壁とな
っている。もしこのような細胞分離がチップ上で実現で
きれば、小型、安価、簡便、即時などのチップ化のメリ
ットにより、日常的免疫診断、健康管理といったことに
適用することができ、人々の安寧に寄与するところ大で
ある。さらに当該フローサイトメトリ法の場合、細胞分
離の際に電界を細胞に印加しているため、細胞に少なか
らず損傷を与えてしまうという問題があった。
【0007】またチップ上で電気泳動を用い細胞分離を
行う場合においても細胞に電界を印加しているために細
胞に損傷を及ぼしていると考えられ、これは細胞分離の
応用を著しく狭める大きな問題である。
【0008】
【課題を解決するための手段】細胞に悪影響を及ぼす電
界などを印加すること無く、細胞分離を行うためにダウ
ンフロー型の電気浸透流ポンプを用いる。当該ポンプに
ついては公知例(特願2001−116091)に詳し
いが、図1を用いて簡単に説明する。流路手段101、
上流流路102,小断面積流路103,下流流路104
および液溜め110には予め電解液が満たされており、
これら流路の途中には2箇所のゲル電極105および1
07を介して白金電極106および108が接続されて
いる。また109も流路手段であり、上流の様々な以降
と接続されている。今、図中の矢印方向に電解液の輸送
を行いたいとすると、上流側の白金電極106に正の電
圧を印加し、下流側の白金電極108は接地する。これ
により当該電極106、108間に印加された電圧によ
り生じる電気浸透流のために、流路内の電解質液体は図
中の矢印の向きに移動する。この結果、上流側の流路手
段109には陰圧(吸引力)が生じるため、図1に示し
た機構がポンプとしての作用を有することを示してい
る。ここで電圧をゲル電極を介して印加しているのは、
電極反応に伴う水素や酸素の発生や電解質溶液のpH変
動を抑制するためであり、また小断面積流路103を有
するのはより高いポンプ力を得るためである。ここで強
調しておくべきことは図1に示した電気浸透流ポンプの
上流側においては、電解液に電界が全く印加されていな
いことである。すなわち当該ポンプをチップ上に形成し
て細胞分離に用いた場合、細胞に直接電界を印加するこ
と無く任意の細胞を任意の方向に輸送することができる
ので、これを細胞の検出手段と組み合わせることにより
複数の種類の細胞をそれぞれ任意の細胞貯めに分別する
ことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】図2に本発明に基づき、作製した
細胞分離チップとその周辺構成図を示す。201はチッ
プを構成する基板であり、この上には検体である細胞の
液溜め202、流路203があり、その下流において流
路はY字に分岐し、それぞれ分岐流路A204および分
岐流路B205がある。それぞれの分岐流路の下流には
それぞれ電気浸透流ポンプA206と電気浸透流ポンプ
B207が配置されている。今、液溜め202に2種類
の細胞を複数個入れて液溜め及び流路を緩衝液などの液
体で満たす。このとき1種類の細胞には予め蛍光抗体を
付着させてある。(この場合蛍光抗体を付着させた細胞
を細胞A、付着させていない細胞を細胞Bとする)その
後に圧力流あるいはチップ上の電気浸透流ポンプにより
細胞を下流へと導く。このとき流路203の途中におい
て、光源210から光を照射し、この光により細胞表面
に蛍光抗体がある場合には蛍光を発し、この蛍光は検出
器211により検出される。同時にこの地点を通過する
細胞はCCDカメラ212によっても観察している。こ
れらのデータは制御コンピュータ213に送られ、細胞
の流速と観察地点からY字分岐地点までの距離から、電
気浸透流ポンプAとBのオンあるいはオフのタイミング
を算出する。すなわち、いま蛍光を発する細胞(すなわ
ち細胞A)を検知したとすると、その細胞がY字分岐路
に達する直前に電気浸透流ポンプAをオン、電気浸透流
ポンプBをオフにし、細胞Aを分岐流路Aへと引き込
む。蛍光を発しない細胞Bの場合にはその逆に電気浸透
流ポンプAをオフ、電気浸透流ポンプBをオンとし、こ
れを分岐流路Bへと引き込む。このようなことを繰り返
すことで2種類の細胞を電界などを印加することなく電
気浸透流ポンプによる液体の流れのみで分離することが
できる。なお蛍光を発しない細胞Bの場合はCCDカメ
ラ212によって当該細胞を確認している。
【0010】上の場合、2種類の細胞を蛍光の有無によ
り見分けていたが、その他の細胞の形状の違いから見分
けるなどの方法でも同様に細胞を分別することができ
る。
【0011】
【実施例】〔第一の実施例〕図2に示した細胞分離チッ
プを用い、リンパ球のT細胞の内のCD4とCD8の分
離を試みた。チップ基板としては安価なポリエチレンテ
レフタレート(PET)を用い、これを流路や液溜めパ
ターンを光露光法や乾式エッチング法を用いて形成した
石英製の型に押し当て、チップ基板にパターンを転写、
形成した。このCD4とCD8の個数比を調べることに
よって後天性免疫不全症候群(AIDS)やB型肝炎の
診断が可能である。あらかじめCD4にのみ付着する蛍
光抗体処理をこれらの細胞に施し、液溜め102に導入
する。このとき流路と液溜め全体をHBSS溶液(HE
PES buffered Hanks‘ balan
ced salt solution)で満たす。その
後に細胞を下流へと流し、その途中で蛍光の有無を検出
してそのデータより電気浸透流ポンプのオン、オフによ
り細胞を分離していく。その結果分岐流路Aに蛍光を発
するCD4のみが、分岐流路Bに蛍光を発しないCD8
のみが分離できていることが確認された。
【0012】〔第二の実施例〕図3には図2に示した細
胞分離チップを改造したものを示している。同図におい
て図2と同じ名称のものは、図2の符号をそのまま用い
た。この場合、2つの分岐流路の途中に電気浸透流ポン
プを設置し、またその下流にそれぞれ分別した細胞を溜
めておく細胞溜めA301と細胞溜めB302を設置し
ているところが図2と異なる。こうすることによって図
1の場合に多数の細胞を分別する際にそれぞれの分岐流
路のポンプ上に細胞が集まり、それが抵抗となってポン
プ能力が低下してきてしまっていたが、図2のように途
中に電気浸透流ポンプを設置して、さらにその下流に液
溜めを設けることで分別した細胞を液溜めに格納しなが
ら細胞を分別していくことができる。実際に第一の実施
例と同様にCD4とCD8の分離を試みたところ電気浸
透流ポンプの能力の低下を伴うことなくこれらを分別す
ることができた。
【0013】
【発明の効果】以上に述べたとおり、本発明による細胞
分離装置では、複数の細胞の種類を蛍光や細胞形状から
判断し、その結果から電気浸透流ポンプを制御して細胞
を分離していく。電気浸透流ポンプは細胞に直接電界を
印加することはないので、非損傷の細胞分離が実現する
ことができる。本発明においては2種類の細胞の分離を
行ったが、分岐流路を多くするかそれらを多段は位置す
ることにより、より多くの種類の細胞を同時に分離する
ことが可能であることは容易に推測することができる。
さらに本発明の細胞分離装置は従来装置と比較して小型
かつ安価に構成できるので、これにより多くの人々に免
疫診断、免疫治療を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 電気浸透流ポンプを説明する図である。
【図2】 本発明の細胞分離装置の構成を説明する図で
ある。
【図3】 本発明の細胞分離装置の構成を説明する図で
ある。
【符号の説明】
101 流路手段 102 上流流路 103 小断面積流路 104 下流流路 105 ゲル電極 106 白金電極 107 ゲル電極 108 白金電極 109 流路手段 110 液溜め 201 基板 202 検体入口液溜め 203 流路 204 分岐流路A 205 分岐流路B 206 電気浸透流ポンプA 207 電気浸透流ポンプB 208 細胞A 209 細胞B 210 光源 211 検出器 212 CCDカメラ 213 制御コンピュータ 301 細胞溜めA 302 細胞溜めB
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斧田 博之 兵庫県神戸市北区星和台1丁目18番20号 (72)発明者 堀池 靖浩 東京都西東京市東伏見3丁目2番地12号 Fターム(参考) 4B029 AA23 AA27 BB11 CC01 4B065 AA90X BA30 CA44 CA46

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の種類の細胞を分離する装置であっ
    て、細胞の導入口、細胞を移動するための流路、分離し
    た細胞を導く複数の分岐流路と細胞を輸送するための複
    数のポンプ手段が一枚の板や棒状のものに一体で形成さ
    れており、当該ポンプ手段を作動させたときに細胞に直
    接電界が印加されることが無いことを特徴とし、また細
    胞を識別する検出手段からの信号に基づき、それぞれの
    ポンプ手段を作動あるいは不作動として所望の分岐流路
    に所望の種類の細胞を導き細胞分離を行うことを特徴と
    した細胞分離装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のポンプ手段が特に電気
    浸透流ポンプであることを特徴とする細胞分離装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のポンプ手段が特に電気
    浸透流ポンプであることを特徴とする細胞分離方法。
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