JP2003264071A - 有機el素子の製造方法及びその装置 - Google Patents
有機el素子の製造方法及びその装置Info
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Abstract
く製造しうる有機EL素子の製造技術を提供する。 【解決手段】本発明の有機EL素子製造装置は、不活性
ガス雰囲気中において有機薄膜層を塗布形成するための
第1の成膜ユニット10と、この第1の成膜ユニット1
0と気密的に接続され、真空雰囲気中において有機薄膜
層上に陰極を形成するための第2の成膜ユニット20と
を有する。不活性ガス雰囲気中において、基板の陽極上
に発光層を含む有機薄膜層を塗布形成した後、真空雰囲
気中において、有機薄膜層上に陰極を連続的に形成す
る。
Description
造方法及びその装置に関し、特に高分子系の有機材料を
用いた有機EL素子の製造方法及びその装置に関する。
光を示す有機EL素子を用いたフラットパネルディスプ
レイへの研究が進展している。
的に励起して発光させる自発光型素子で、高輝度、高視
野角、面発光、薄型で多色発光が可能であり、しかも数
Vという低電圧の直流印加で発光する全固体素子で、か
つ低温においてもその特性の変化が少ないという特徴を
有している。
低分子系の色素材料を用いたものと、高分子系の色素材
料を用いたものが知られている。
EL素子の一例を示す断面図である。図6に示すよう
に、この有機EL素子100は、例えばガラス基板10
1上に形成されたITOからなる陽極102の上に、そ
れぞれ有機材料からなる陽極バッファ層103及び発光
層104が形成され、さらに、その上に例えばマグネシ
ウムと銀(Mg/Ag)の合金からなる陰極105が形
成されている。
02と陰極105との間に数V程度の低電圧を印加する
ように構成されている。
従来技術にあっては、通常の場合、高分子材料を用いて
スピンコートにより陽極バッファ層103及び発光層1
04を形成するが、このような高分子材料は酸素
(O2)や水(H2O)に対して弱いため大気にさらさず
に成膜を行う必要がある。
の実用化が現実的になりつつあり、そのため有機EL素
子を効率良く製造するシステムの構築が要求されるよう
になってきている。
考慮してなされたもので、良質の有機薄膜を有する有機
EL素子を効率よく製造しうる有機EL素子の製造方法
及びその装置を提供することを目的とする。
になされた請求項1記載の発明は、所定の不活性ガス雰
囲気中において、陽極を有する基板上に、発光層を含む
有機薄膜層を塗布形成する工程と、真空雰囲気中におい
て、上記有機薄膜層上に陰極を連続的に形成する工程と
を有することを特徴とする有機EL素子の製造方法であ
る。また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明
において、所定の不活性ガス雰囲気中において、陽極上
に有機薄膜からなる陽極バッファ層を形成した後、該陽
極バッファ層上に発光層を形成することを特徴とする。
さらに、請求項3は、請求項1又は2のいずれか1項記
載の発明において、発光層の材料として、高分子系の有
機材料を用いることを特徴とする。さらにまた、請求項
4は、請求項2又は3のいずれか1項記載の発明におい
て、陽極バッファ層の材料として、高分子系の有機材料
を用いることを特徴とする。さらにまた、請求項5記載
の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明にお
いて、所定の不活性ガス雰囲気中において、レーザ照射
によって不要な有機薄膜を除去する工程を含むことを特
徴とする。さらにまた、請求項6記載の発明は、請求項
1乃至5のいずれかに記載の発明において、有機薄膜上
に陰極材料からなる層を全面成膜した後、所定の電極パ
ターンに対応するレジスト膜を形成し、ドライエッチン
グにより上記陰極材料の不要な部分を除去して陰極を形
成することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項
記載の有機EL素子の製造方法。さらにまた、請求項7
記載の発明は、請求項6記載の方法によって得られた有
機EL素子を真空雰囲気中において封止する工程を有す
ることを特徴とする。一方、請求項8記載の発明は、所
定の不活性ガス雰囲気中において有機薄膜層を塗布形成
するための第1の成膜ユニットと、この第1の成膜ユニ
ットと気密的に接続され、真空雰囲気中において上記有
機薄膜層上に陰極を形成するための第2の成膜ユニット
とを有することを特徴とする有機EL素子製造装置であ
る。また、請求項9記載の発明は、請求項8記載の発明
において、所定の不活性ガス雰囲気中においてレーザ照
射によって不要な有機薄膜を除去するための有機薄膜除
去室を有することを特徴とする。さらに、請求項10記
載の発明は、請求項8又は9のいずれか1項記載の発明
において、第1の成膜ユニットが、所定のスピンナを有
するスピンコート室と、所定のヒータを有するベーキン
グ室とを備えていることを特徴とする。さらにまた、請
求項11記載の発明は、請求項8乃至11のいずれかに
記載の発明において、第2の成膜ユニットが、所定のス
パッタリングガスを導入可能なスパッタリング室と、所
定の反応ガスを導入可能なドライエッチング室とを有す
ることを特徴とする。さらにまた、請求項12記載の発
明は、請求項8乃至11のいずれかに記載の発明におい
て、第2の成膜ユニットが、当該有機EL素子を封止す
るための封止室を有することを特徴とする。
成した後、有機薄膜層上に陰極を連続的に形成するよう
にしたことから、従来技術に比べて有機EL素子を効率
良く形成することができる。
活性ガス雰囲気中において有機薄膜層を塗布形成するた
めの第1の成膜ユニットと、真空雰囲気中において有機
薄膜層上に陰極を形成するための第2の成膜ユニットと
を気密的に接続するようにしたことから、高分子材料を
大気にさらすことなく、良質の有機薄膜層を形成するこ
とができる。
の製造方法及びその装置の好ましい実施の形態を図面を
参照して詳細に説明する。
実施の形態の概略構成図である。図1に示すように、本
実施の形態の有機EL素子製造装置1は、後述する有機
薄膜層を形成するための第1の成膜ユニット10と、陰
極形成及び封止を行うための第2の成膜ユニット20と
を有している。
中心としてその周囲に搬入室12、第1のスピンコート
室13、第1のベーキング室14、第2のスピンコート
室15、第2のベーキング室16及び搬出室17が配設
されている。
第2のスピンコート室13,15、第1及び第2のベー
キング室14,16、搬出室17は気密に接続され、図
示しないガス源から例えば窒素(N2)ガス等の不活性ガ
スを導入できるように構成されている。
18が配設され、この基板搬送ロボット18によって搬
送室11、搬入室12、第1及び第2のスピンコート室
13,15、第1及び第2のベーキング室14,16、
搬出室17間において、例えばガラス板からなる基板3
の搬出入を自由に行えるようになっている。
21を中心としてその周囲に搬入室22、陰極形成室2
3、レジスト膜形成室24、エッチング室25、封止室
26、搬出室27が配設されている。
室23、レジスト膜形成室24、エッチング室25、封
止室26、搬出室27は気密に接続され、図示しない真
空排気系に接続されている。
送ロボット28が配設され、この基板搬送ロボット28
によって搬送室21、搬入室22、陰極形成室23、レ
ジスト膜形成室24、エッチング室25、封止室26、
搬出室27間において、基板3の搬出入を自由に行える
ようになっている。
膜ユニット20との間には、有機薄膜除去室30が設け
られている。
ニット10の搬出室17及び第2の成膜ユニット20の
搬入室22と気密的に接続できるように構成されてい
る。また、有機薄膜除去室30内には、例えば窒素
(N2)ガス等の不活性ガスを導入できるようになってい
る。
方法の一実施の形態を示す工程図であり、図3(a)〜
(d)は、同実施の形態の各工程に対応する有機EL素
子の構成を示す断面図である。
有機EL素子の構成を示す断面図、図4(b)は、この
有機EL素子の電極の位置関係を示す斜視図である。
に係る有機EL素子の製造方法の好ましい実施の形態を
説明する。
施の形態においては、まず、例えばITOからなる陽極
51が形成された基板3を、第1の成膜ユニット10の
搬入室12及び搬送室11を介して第1のスピンコート
室13に搬入する。
ピンコータが配設されている。そして、この第1のスピ
ンコート室13において、公知のスピンコート法によ
り、図4(a)に示すように、基板3の陽極51上に陽
極バッファ層52aを形成する。
ては、例えばポリアニリン(PAn)を好適に用いるこ
とができる。
0×105〜1.01×105Paの窒素雰囲気で、温度
20℃、時間60秒程度とすることが好ましい。
グ室14内に搬入してベーキングを行う。この第1のベ
ーキング室14内には図示しないヒータが配設され、基
板3を所定の温度に加熱できるようになっている。
00×105〜1.01×105Paの窒素雰囲気で、温
度200℃、時間300秒程度とすることが好ましい。
ート室15に搬入する。スピンコート15室内には、図
示しないスピンコータが配設されている。そして、所定
の高分子材料溶液を用い、スピンコート法により、図4
(b)に示すように、陽極バッファ層52a上に発光層
52bを形成する。
例えば、ポリパラフェニレンビニレン誘導体(MEH−
PPV)等を好適に用いることができる。
0×105〜1.01×105Paの窒素雰囲気で、温度
20℃、時間60秒程度とすることが好ましい。
グ室16内に搬入してベーキングを行う。この第2のベ
ーキング室16内には図示しないヒータが配設され、基
板3を所定の温度に加熱できるようになっている。
〜100Paの真空雰囲気で、温度90℃、時間60秒
程度とすることが好ましい。そして、このような工程を
経ることにより、陽極51上に陽極バッファ層52a及
び発光層52bからなる有機薄膜層52が形成される。
30に搬入する。有機薄膜除去室30には図示しないレ
ーザ光源が配設され、このレーザ光源から基板3にレー
ザビームを照射することにより、基板3に付着した不要
な陽極バッファ層52a及び発光層52bの材料を除去
する。
去処理は、1.01×105Pa程度の窒素雰囲気中に
おいて行う。
の搬入室22及び搬送室21を介して基板3を蒸着室2
3に搬入する。この蒸着室23内には例えば図示しない
ワイヤフィード蒸着源が設けられ、これにより、図4
(c)に示すように、発光層32上に厚さ500nm程
度のアルミニウム(Al)層53を全面成膜する。
〜2×10-4Paの真空雰囲気で、温度20℃、時間2
40秒程度とすることが好ましい。
室24内に搬入し、例えば図示しないマスクを用いて反
応性スパッタリングを行うことにより、図4(d)に示
すように、所定の電極パターンに対応するAlN膜(レ
ジスト膜)54を形成する。
ターゲットを用い、例えば窒素(N2)ガスを導入し、圧
力1.3×10-1〜6.7×10-1Paの真空雰囲気
で、温度20℃、時間300秒程度とすることが好まし
い。
5内に導入し、例えばCCl4等のハロゲンガスを用い
てエッチングを行う。これにより、図4(e)に示すよ
うに、所定の電極パターンに対応するように陰極53a
が形成される。
3×10-1〜6.7×10-1Paの真空雰囲気で、温度
20℃、時間60秒程度とすることが好ましい。
(a)(b)に示すように、直線状に延びる所定数の陽
極51が一定の間隔で形成された基板3上に陽極バッフ
ァ層52a及び発光層52bがこの順で形成され、さら
に、各陽極51と直交する方向に延びる所定数の陰極5
3aが一定の間隔で形成された有機EL素子60が得ら
れる。
直流電源55の各端子に接続されるようになっている。
し、例えばエポキシ樹脂等のUV硬化樹脂を用いて有機
EL素子60の封止を行う。
一例を示す説明図である。図5に示すように、本実施の
形態においては、吸湿剤61が配された板状の容器62
を用いて有機EL素子60を封止する。
3と同一の大きさを有しており、図5に示すように、容
器62のフランジ部63にUV硬化樹脂64を塗布し、
マスク65を介してUVランプ66から紫外線を照射す
ることによりUV硬化樹脂64を硬化させて有機EL素
子60の素子部60aを容器62内に密封する。
05〜1.01×105Paの窒素雰囲気で、温度20
℃、時間120秒程度とすることが好ましい。
より、長寿命の有機EL素子が得られる。
有機薄膜層と陰極を連続的に形成するようにしたことか
ら、従来技術に比べて有機EL素子を効率良く製造する
ことができる。
定の不活性ガス雰囲気中において有機薄膜を形成する第
1の成膜ユニットと、真空雰囲気中において陰極を形成
する第2の成膜ユニットとを気密的に接続するようにし
たことから、高分子材料を大気にさらすことなく良質の
有機薄膜層を形成することができる。
ることなく、種々の変更を行うことができる。例えば、
上述の実施の形態においては、ITO膜を形成した基板
を第1の成膜ユニットに搬入して有機薄膜層を形成する
ようにしたが、本発明はこれに限られず、第1の成膜ユ
ニットにおいて陽極を形成した後に有機薄膜層を形成す
るように構成することも可能である。
ない場合にも適用しうることはもちろんである。
の有機薄膜層を有する有機EL素子を効率良く製造する
ことができる。
態の概略構成図
す工程図
する有機EL素子の構成を示す断面図
子の断面構成図 (b):同有機EL素子の電極の位置関係を示す斜視図
明図
例を示す断面図
膜ユニット 11…搬送室 12…搬入室 13…第1
のスピンコート室 14…第1のベーキング室 15…第2のスピンコート室 16…第2のベーキング
室 17…搬出室 20…第2の成膜ユニット 21…
搬送室 22…搬入室 23…陰極形成室 24…保護
層形成室 25…エッチング室 26…封止室 27…
搬出室 30…有機薄膜除去室 51…陽極 52…有
機薄膜層 52a…陽極バッファ層 52b…発光層
53a…陰極 54…AlN膜(レジスト膜) 60…
有機EL素子 61…吸湿剤 62…容器
Claims (12)
- 【請求項1】所定の不活性ガス雰囲気中において、陽極
を有する基板上に、発光層を含む有機薄膜層を塗布形成
する工程と、 真空雰囲気中において、上記有機薄膜層上に陰極を連続
的に形成する工程とを有することを特徴とする有機EL
素子の製造方法。 - 【請求項2】所定の不活性ガス雰囲気中において、陽極
上に有機薄膜からなる陽極バッファ層を形成した後、該
陽極バッファ層上に発光層を形成することを特徴とする
請求項1記載の有機EL素子の製造方法。 - 【請求項3】発光層の材料として、高分子系の有機材料
を用いることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1
項記載の有機EL素子の製造方法。 - 【請求項4】陽極バッファ層の材料として、高分子系の
有機材料を用いることを特徴とする請求項2又は3のい
ずれか1項記載の有機EL素子の製造方法。 - 【請求項5】所定の不活性ガス雰囲気中において、レー
ザ照射によって不要な有機薄膜を除去する工程を含むこ
とを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の有
機EL素子の製造方法。 - 【請求項6】有機薄膜上に陰極材料からなる層を全面成
膜した後、所定の電極パターンに対応するレジスト膜を
形成し、ドライエッチングにより上記陰極材料の不要な
部分を除去して陰極を形成することを特徴とする請求項
1乃至5のいずれか1項記載の有機EL素子の製造方
法。 - 【請求項7】請求項6記載の方法によって得られた有機
EL素子を真空雰囲気中において封止する工程を有する
ことを特徴とする有機EL素子の製造方法。 - 【請求項8】所定の不活性ガス雰囲気中において有機薄
膜層を塗布形成するための第1の成膜ユニットと、 該第1の成膜ユニットと気密的に接続され、真空雰囲気
中において上記有機薄膜層上に陰極を形成するための第
2の成膜ユニットとを有することを特徴とする有機EL
素子製造装置。 - 【請求項9】所定の不活性ガス雰囲気中においてレーザ
照射によって不要な有機薄膜を除去するための有機薄膜
除去室を有することを特徴とする請求項8記載の有機E
L素子製造装置。 - 【請求項10】第1の成膜ユニットが、所定のスピンナ
を有するスピンコート室と、所定のヒータを有するベー
キング室とを備えていることを特徴とする請求項8又は
9のいずれか1項記載の有機EL素子製造装置。 - 【請求項11】第2の成膜ユニットが、所定のスパッタ
リングガスを導入可能なスパッタリング室と、所定の反
応ガスを導入可能なドライエッチング室とを有すること
を特徴とする請求項8乃至10のいずれか1項記載の有
機EL素子製造装置。 - 【請求項12】第2の成膜ユニットが、当該有機EL素
子を封止するための封止室を有することを特徴とする請
求項8乃至11のいずれか1項記載の有機EL素子製造
装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002063131A JP2003264071A (ja) | 2002-03-08 | 2002-03-08 | 有機el素子の製造方法及びその装置 |
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WO2022214907A1 (ja) * | 2021-04-08 | 2022-10-13 | 株式会社半導体エネルギー研究所 | 発光デバイスの製造装置 |
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