JP2003262228A - 転動装置 - Google Patents
転動装置Info
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- JP2003262228A JP2003262228A JP2002062069A JP2002062069A JP2003262228A JP 2003262228 A JP2003262228 A JP 2003262228A JP 2002062069 A JP2002062069 A JP 2002062069A JP 2002062069 A JP2002062069 A JP 2002062069A JP 2003262228 A JP2003262228 A JP 2003262228A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 優れた潤滑性を有し高温下においても長寿命
な転動装置を提供する。 【解決手段】 玉軸受1の空隙部内に、合成油及びパー
フルオロポリエーテル油を基油として含有し、N−置換
テレフタルアミド酸金属塩及びフッ素樹脂を増ちょう剤
として含有するグリース組成物Gを充填した。
な転動装置を提供する。 【解決手段】 玉軸受1の空隙部内に、合成油及びパー
フルオロポリエーテル油を基油として含有し、N−置換
テレフタルアミド酸金属塩及びフッ素樹脂を増ちょう剤
として含有するグリース組成物Gを充填した。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた潤滑性を有
し高温下においても長寿命な転動装置に係り、特に、オ
ルタネータ,電磁クラッチ等の自動車電装部品、アイド
ラプーリ等の自動車エンジン補機、複写機,プリンタ等
の事務機器のように、高温高速条件下で使用される機器
の回転部分や摺動部分に好適に使用可能な転動装置に関
する。
し高温下においても長寿命な転動装置に係り、特に、オ
ルタネータ,電磁クラッチ等の自動車電装部品、アイド
ラプーリ等の自動車エンジン補機、複写機,プリンタ等
の事務機器のように、高温高速条件下で使用される機器
の回転部分や摺動部分に好適に使用可能な転動装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】自動車(乗用車)は小型軽量化や居住空
間の拡大が望まれていることから、エンジンルーム空間
の縮小が余儀なくされており、そのため電装部品やエン
ジン補機の小型軽量化がより一層進められている。この
ことに加えて、静粛性の向上が望まれエンジンルームの
密閉化が進んでいるため、エンジンルーム内の高温化が
促進されている。そのため、前記各部品には高温に耐え
る性質も必要とされてきている。例えば、電動ファンモ
ータ用軸受は、従来は130〜150℃の軸受温度で使
用されていたが、近年では180〜200℃の高温に耐
えることが必要とされてきている。
間の拡大が望まれていることから、エンジンルーム空間
の縮小が余儀なくされており、そのため電装部品やエン
ジン補機の小型軽量化がより一層進められている。この
ことに加えて、静粛性の向上が望まれエンジンルームの
密閉化が進んでいるため、エンジンルーム内の高温化が
促進されている。そのため、前記各部品には高温に耐え
る性質も必要とされてきている。例えば、電動ファンモ
ータ用軸受は、従来は130〜150℃の軸受温度で使
用されていたが、近年では180〜200℃の高温に耐
えることが必要とされてきている。
【0003】150℃以上の高温環境下で使用される軸
受に対しては、従来は、例えば特許第2977624号
明細書に示されるように、合成油系潤滑油にリチウム系
石けん及びウレア化合物を混合したグリースを軸受内部
に封入することで対応してきた。しかしながら、このよ
うなグリースであっても160℃以上の高温下では早期
に焼付きを生じるので、耐熱性のより高いグリースが必
要とされている。
受に対しては、従来は、例えば特許第2977624号
明細書に示されるように、合成油系潤滑油にリチウム系
石けん及びウレア化合物を混合したグリースを軸受内部
に封入することで対応してきた。しかしながら、このよ
うなグリースであっても160℃以上の高温下では早期
に焼付きを生じるので、耐熱性のより高いグリースが必
要とされている。
【0004】一方、OA機器、特に複写機等において
は、熱可塑性樹脂と着色剤からなる着色微粉末(トナ
ー)を加熱溶融して圧力により紙面に定着させるため、
ローラの軸心にはヒータが挿入されており、軸受部の転
がり軸受の温度は140℃から機種によっては200℃
前後に達する場合がある。したがって、このような転が
り軸受には耐熱性の優れたグリースを使用する必要があ
る。
は、熱可塑性樹脂と着色剤からなる着色微粉末(トナ
ー)を加熱溶融して圧力により紙面に定着させるため、
ローラの軸心にはヒータが挿入されており、軸受部の転
がり軸受の温度は140℃から機種によっては200℃
前後に達する場合がある。したがって、このような転が
り軸受には耐熱性の優れたグリースを使用する必要があ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】例えばポリテトラフル
オロエチレン(PTFE)を増ちょう剤としパーフルオ
ロポリエーテル油(PFPE油)を基油としたフッ素系
グリースは耐熱性が優れているので、このフッ素系グリ
ースを充填した転がり軸受は160℃以上の高温環境下
でも使用可能である。
オロエチレン(PTFE)を増ちょう剤としパーフルオ
ロポリエーテル油(PFPE油)を基油としたフッ素系
グリースは耐熱性が優れているので、このフッ素系グリ
ースを充填した転がり軸受は160℃以上の高温環境下
でも使用可能である。
【0006】しかしながら、上記のようなフッ素系グリ
ースは、一般的なグリースに配合される添加剤を添加す
ることが難しく、潤滑性,防錆性,及び金属腐食を防ぐ
性能に劣る傾向がある。さらに、フッ素系グリースは、
合成油系グリースに比べて5〜20倍程度高価であると
いう問題点も有している。また、特開平11−1814
65号公報には、ウレア系グリースにフッ素油を配合し
て耐熱性を向上させたグリース組成物が記載されてい
る。しかしながら、ウレア系グリースの基油である鉱油
又は合成油はフッ素油との親和性が乏しいので、前記グ
リース組成物は離油度が大きく、高速で回転する部品用
の軸受には不適であるという問題があった。
ースは、一般的なグリースに配合される添加剤を添加す
ることが難しく、潤滑性,防錆性,及び金属腐食を防ぐ
性能に劣る傾向がある。さらに、フッ素系グリースは、
合成油系グリースに比べて5〜20倍程度高価であると
いう問題点も有している。また、特開平11−1814
65号公報には、ウレア系グリースにフッ素油を配合し
て耐熱性を向上させたグリース組成物が記載されてい
る。しかしながら、ウレア系グリースの基油である鉱油
又は合成油はフッ素油との親和性が乏しいので、前記グ
リース組成物は離油度が大きく、高速で回転する部品用
の軸受には不適であるという問題があった。
【0007】そこで、本発明は上記のような従来技術が
有する問題点を解決し、優れた潤滑性を有し高温下にお
いても長寿命な転動装置を提供することを課題とする。
有する問題点を解決し、優れた潤滑性を有し高温下にお
いても長寿命な転動装置を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明は次のような構成からなる。すなわち、本発
明の転動装置は、外面に軌道面を有する内方部材と、該
内方部材の軌道面に対向する軌道面を有し前記内方部材
の外方に配置された外方部材と、前記両軌道面間に転動
自在に配設された複数の転動体と、前記内方部材と前記
外方部材との間に形成され前記転動体が配設された空隙
部内に充填されたグリース組成物と、を備える転動装置
において、前記グリース組成物は、鉱油及び合成油の少
なくとも一方とパーフルオロポリエーテル油とを基油と
して含有し、N−置換テレフタルアミド酸金属塩及びフ
ッ素樹脂を増ちょう剤として含有することを特徴とす
る。
め、本発明は次のような構成からなる。すなわち、本発
明の転動装置は、外面に軌道面を有する内方部材と、該
内方部材の軌道面に対向する軌道面を有し前記内方部材
の外方に配置された外方部材と、前記両軌道面間に転動
自在に配設された複数の転動体と、前記内方部材と前記
外方部材との間に形成され前記転動体が配設された空隙
部内に充填されたグリース組成物と、を備える転動装置
において、前記グリース組成物は、鉱油及び合成油の少
なくとも一方とパーフルオロポリエーテル油とを基油と
して含有し、N−置換テレフタルアミド酸金属塩及びフ
ッ素樹脂を増ちょう剤として含有することを特徴とす
る。
【0009】基油としてパーフルオロポリエーテル油を
含有し、増ちょう剤としてフッ素樹脂を含有しているこ
とから、前記グリース組成物は優れた耐熱性を有してい
る。よって、本発明の転動装置は、高温下においても長
寿命である。また、前記グリース組成物の基油粘度が低
く抑えられるので、低温流動性にも優れている。さら
に、基油として鉱油及び合成油の少なくとも一方を含有
していることから、種々の添加剤を添加することができ
る。よって、前記グリース組成物は、潤滑性,防錆性,
及び金属腐食を防ぐ性能に優れている。
含有し、増ちょう剤としてフッ素樹脂を含有しているこ
とから、前記グリース組成物は優れた耐熱性を有してい
る。よって、本発明の転動装置は、高温下においても長
寿命である。また、前記グリース組成物の基油粘度が低
く抑えられるので、低温流動性にも優れている。さら
に、基油として鉱油及び合成油の少なくとも一方を含有
していることから、種々の添加剤を添加することができ
る。よって、前記グリース組成物は、潤滑性,防錆性,
及び金属腐食を防ぐ性能に優れている。
【0010】さらに、基油として鉱油及び合成油の少な
くとも一方を含有し、増ちょう剤としてN−置換テレフ
タルアミド酸金属塩を含有していることから、前記グリ
ース組成物はフッ素系グリースと比較して安価である。
前記グリース組成物においては、N−置換テレフタルア
ミド酸金属塩20〜60質量%とフッ素樹脂80〜40
質量%とで増ちょう剤を構成することが好ましい。ま
た、前記グリース組成物においては、鉱油及び合成油の
少なくとも一方10〜90質量%とパーフルオロポリエ
ーテル油90〜10質量%とで前記基油を構成すること
が好ましい。
くとも一方を含有し、増ちょう剤としてN−置換テレフ
タルアミド酸金属塩を含有していることから、前記グリ
ース組成物はフッ素系グリースと比較して安価である。
前記グリース組成物においては、N−置換テレフタルア
ミド酸金属塩20〜60質量%とフッ素樹脂80〜40
質量%とで増ちょう剤を構成することが好ましい。ま
た、前記グリース組成物においては、鉱油及び合成油の
少なくとも一方10〜90質量%とパーフルオロポリエ
ーテル油90〜10質量%とで前記基油を構成すること
が好ましい。
【0011】N−置換テレフタルアミド酸金属塩が20
質量%未満であるとフッ素樹脂は80質量%超過となる
ので、グリース組成物が高コストとなる。一方、N−置
換テレフタルアミド酸金属塩が60質量%超過でフッ素
樹脂が40質量%未満であると、グリース組成物の耐熱
性が不十分となる。このような問題がより生じにくくす
るためには、N−置換テレフタルアミド酸金属塩30〜
50質量%とフッ素樹脂70〜50質量%とで増ちょう
剤を構成することが好ましい。
質量%未満であるとフッ素樹脂は80質量%超過となる
ので、グリース組成物が高コストとなる。一方、N−置
換テレフタルアミド酸金属塩が60質量%超過でフッ素
樹脂が40質量%未満であると、グリース組成物の耐熱
性が不十分となる。このような問題がより生じにくくす
るためには、N−置換テレフタルアミド酸金属塩30〜
50質量%とフッ素樹脂70〜50質量%とで増ちょう
剤を構成することが好ましい。
【0012】また、鉱油及び合成油の少なくとも一方が
10質量%未満であると、グリース組成物に添加剤を添
加した場合に添加効果が十分に得られない。そして、鉱
油及び合成油の少なくとも一方が10質量%未満である
とパーフルオロポリエーテル油は90質量%超過となる
ので、グリース組成物が高コストとなる。一方、鉱油及
び合成油の少なくとも一方が90質量%超過で、パーフ
ルオロポリエーテル油が10質量%未満であると、グリ
ース組成物の耐熱性が不十分となる。
10質量%未満であると、グリース組成物に添加剤を添
加した場合に添加効果が十分に得られない。そして、鉱
油及び合成油の少なくとも一方が10質量%未満である
とパーフルオロポリエーテル油は90質量%超過となる
ので、グリース組成物が高コストとなる。一方、鉱油及
び合成油の少なくとも一方が90質量%超過で、パーフ
ルオロポリエーテル油が10質量%未満であると、グリ
ース組成物の耐熱性が不十分となる。
【0013】さらに、前記グリース組成物においては、
増ちょう剤の含有量をグリース組成物全体の5〜40質
量%とすることが好ましい。5質量%未満であるとグリ
ース状態を維持することが困難となり、40質量%超過
であると、グリース組成物が硬化しすぎて十分な潤滑性
を発揮することが困難となる。
増ちょう剤の含有量をグリース組成物全体の5〜40質
量%とすることが好ましい。5質量%未満であるとグリ
ース状態を維持することが困難となり、40質量%超過
であると、グリース組成物が硬化しすぎて十分な潤滑性
を発揮することが困難となる。
【0014】さらに、前記グリース組成物においては、
鉱油及び合成油の少なくとも一方の40℃における動粘
度を20〜400mm2 /sとし、パーフルオロポリエ
ーテル油の40℃における動粘度を20〜400mm2
/sとすることが好ましい。両者の40℃における動粘
度が400mm2 /sを超えると、油膜が比較的厚くな
って電気抵抗値が大きくなる。また、低温での流動性が
不十分となって、転動装置を低温下で起動する際に異音
が発生するおそれがある。
鉱油及び合成油の少なくとも一方の40℃における動粘
度を20〜400mm2 /sとし、パーフルオロポリエ
ーテル油の40℃における動粘度を20〜400mm2
/sとすることが好ましい。両者の40℃における動粘
度が400mm2 /sを超えると、油膜が比較的厚くな
って電気抵抗値が大きくなる。また、低温での流動性が
不十分となって、転動装置を低温下で起動する際に異音
が発生するおそれがある。
【0015】ただし、動粘度が20mm2 /s未満であ
ると、蒸発損失や潤滑性の問題から適当ではない。すな
わち、基油の粘度が低すぎると、高温において例えば軸
受の回転中に軌道面と転動体との金属接触を避けるのに
十分な潤滑油膜の形成が困難となる。このような問題が
より生じにくくするためには、両者の40℃における動
粘度は、30〜200mm2 /sとすることがより好ま
しい。
ると、蒸発損失や潤滑性の問題から適当ではない。すな
わち、基油の粘度が低すぎると、高温において例えば軸
受の回転中に軌道面と転動体との金属接触を避けるのに
十分な潤滑油膜の形成が困難となる。このような問題が
より生じにくくするためには、両者の40℃における動
粘度は、30〜200mm2 /sとすることがより好ま
しい。
【0016】以下に、前記グリース組成物を構成する各
成分について詳細に説明する。 〔増ちょう剤について〕このグリース組成物の増ちょう
剤には、N−置換テレフタルアミド酸金属塩とフッ素樹
脂との両方を使用する必要がある。なお、本発明の目的
を損なわない程度の量であれば、他種の増ちょう剤を併
用してもよい。
成分について詳細に説明する。 〔増ちょう剤について〕このグリース組成物の増ちょう
剤には、N−置換テレフタルアミド酸金属塩とフッ素樹
脂との両方を使用する必要がある。なお、本発明の目的
を損なわない程度の量であれば、他種の増ちょう剤を併
用してもよい。
【0017】本発明において増ちょう剤として使用され
るN−置換テレフタルアミド酸金属塩は、下記の一般式
(I)で表される。
るN−置換テレフタルアミド酸金属塩は、下記の一般式
(I)で表される。
【0018】
【化1】
【0019】なお、式(I)中の窒素原子に結合した置
換基R1 は、直鎖状,分岐鎖状,又は環式で飽和又は不
飽和の1価の炭化水素基であり、Mは金属であり、nは
金属の原子価に等しい数である。置換基R1 が直鎖状又
は分岐鎖状の炭化水素基である場合は、炭化水素基の炭
素数は10〜32、好ましくは12〜22であり、環式
の炭化水素基である場合は、炭化水素基の炭素数は6〜
28、好ましくは7〜22である。炭化水素基の炭素数
が前記下限値より小さいと、増ちょう剤が基油に分散し
にくく、また、増ちょう剤と基油とが分離しやすくな
る。一方、炭化水素基の炭素数が前記上限値より大きい
増ちょう剤は、工業的に非現実的である。
換基R1 は、直鎖状,分岐鎖状,又は環式で飽和又は不
飽和の1価の炭化水素基であり、Mは金属であり、nは
金属の原子価に等しい数である。置換基R1 が直鎖状又
は分岐鎖状の炭化水素基である場合は、炭化水素基の炭
素数は10〜32、好ましくは12〜22であり、環式
の炭化水素基である場合は、炭化水素基の炭素数は6〜
28、好ましくは7〜22である。炭化水素基の炭素数
が前記下限値より小さいと、増ちょう剤が基油に分散し
にくく、また、増ちょう剤と基油とが分離しやすくな
る。一方、炭化水素基の炭素数が前記上限値より大きい
増ちょう剤は、工業的に非現実的である。
【0020】置換基R1 の例としては、デシル基,テト
ラデシル基,ヘキサデシル基,オクタデシル基,シクロ
ヘキシル基,ベンジル基,フェニル基,トリル基,ブチ
ルフェニル基等があげられる。また、金属Mとしては、
1,2,12,及び13族の金属、例えば、リチウム,
カリウム,ナトリウム,マグネシウム,カルシウム,バ
リウム,亜鉛,アルミニウム等があげられる。特に、ナ
トリウム,バリウム,リチウム,カリウムが好ましく、
ナトリウムが最も現実的である。
ラデシル基,ヘキサデシル基,オクタデシル基,シクロ
ヘキシル基,ベンジル基,フェニル基,トリル基,ブチ
ルフェニル基等があげられる。また、金属Mとしては、
1,2,12,及び13族の金属、例えば、リチウム,
カリウム,ナトリウム,マグネシウム,カルシウム,バ
リウム,亜鉛,アルミニウム等があげられる。特に、ナ
トリウム,バリウム,リチウム,カリウムが好ましく、
ナトリウムが最も現実的である。
【0021】このようなN−置換テレフタルアミド酸金
属塩は、別途合成したものを基油に分散させてもよい
し、基油中で合成することによって基油に分散させても
よい。ただし、後者の方法の方が、基油中に増ちょう剤
を良好に分散させやすいので、工業的に製造する場合に
は有利である。一方、もう一つの増ちょう剤であるフッ
素樹脂の種類も特に限定されるものではないが、ポリテ
トラフルオロエチレン(PTFE)や、テトラフルオロ
エチレンと全体又は一部分がフッ素化された他のエチレ
ン系不飽和炭化水素モノマーとの共重合体(以降はテト
ラフルオロエチレン共重合体と記す)等が好ましい。
属塩は、別途合成したものを基油に分散させてもよい
し、基油中で合成することによって基油に分散させても
よい。ただし、後者の方法の方が、基油中に増ちょう剤
を良好に分散させやすいので、工業的に製造する場合に
は有利である。一方、もう一つの増ちょう剤であるフッ
素樹脂の種類も特に限定されるものではないが、ポリテ
トラフルオロエチレン(PTFE)や、テトラフルオロ
エチレンと全体又は一部分がフッ素化された他のエチレ
ン系不飽和炭化水素モノマーとの共重合体(以降はテト
ラフルオロエチレン共重合体と記す)等が好ましい。
【0022】このテトラフルオロエチレン共重合体とし
ては、例えば、以下の〜に示すようなものがあげら
れる。 フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロイソブテン、クロ
ロトリフルオロエチレン、パーフルオロプロペン等のパ
ーフルオロアルキルエチレン類のうちの1種以上のコモ
ノマーを、PTFEに0.01〜3モル%、好ましくは
0.05〜0.5モル%共重合させた変性ポリテトラフ
ルオロエチレン。
ては、例えば、以下の〜に示すようなものがあげら
れる。 フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロイソブテン、クロ
ロトリフルオロエチレン、パーフルオロプロペン等のパ
ーフルオロアルキルエチレン類のうちの1種以上のコモ
ノマーを、PTFEに0.01〜3モル%、好ましくは
0.05〜0.5モル%共重合させた変性ポリテトラフ
ルオロエチレン。
【0023】少なくとも1種のパーフルオロアルキル
ビニルエーテル(パーフルオロアルキル基は1〜6個の
炭素を有している)を、0.5〜8モル%共重合させた
テトラフルオロエチレン(TFE)熱可塑性共重合体。
例としては、パーフルオロプロピルビニルエーテルとT
FEとの共重合体、パーフルオロメチルビニルエーテル
とTFEとの共重合体、パーフルオロエチルビニルエー
テルとTFEとの共重合体等があげられる。
ビニルエーテル(パーフルオロアルキル基は1〜6個の
炭素を有している)を、0.5〜8モル%共重合させた
テトラフルオロエチレン(TFE)熱可塑性共重合体。
例としては、パーフルオロプロピルビニルエーテルとT
FEとの共重合体、パーフルオロメチルビニルエーテル
とTFEとの共重合体、パーフルオロエチルビニルエー
テルとTFEとの共重合体等があげられる。
【0024】3〜8個の炭素を有するパーフルオロオ
レフィンを2〜20モル%共重合させたTFE熱可塑性
共重合体。例としては、ヘキサフルオロプロペンとTF
Eとの共重合体等があげられる。なお、この共重合体に
は、5モル%未満であれば、パーフルオロビニルエーテ
ル構造を有する他のコモノマーを共重合体させてもよ
い。
レフィンを2〜20モル%共重合させたTFE熱可塑性
共重合体。例としては、ヘキサフルオロプロペンとTF
Eとの共重合体等があげられる。なお、この共重合体に
は、5モル%未満であれば、パーフルオロビニルエーテ
ル構造を有する他のコモノマーを共重合体させてもよ
い。
【0025】パーフルオロメチルビニルエーテル
(0.5〜13モル%)と、下記の式(II)〜式(IV)
のフッ素化合物モノマーのうち1種以上(0.05〜5
モル%)と、を共重合体させたTFE熱可塑性共重合
体。
(0.5〜13モル%)と、下記の式(II)〜式(IV)
のフッ素化合物モノマーのうち1種以上(0.05〜5
モル%)と、を共重合体させたTFE熱可塑性共重合
体。
【0026】
【化2】
【0027】
【化3】
【0028】
【化4】
【0029】ただし、式(IV)中のR3 は、1〜5個の
炭素を有するパーフルオロアルキル基で、CF3 が好ま
しい。また、X1 及びX2 は相互に独立して、1〜3個
の炭素を有するパーフルオロアルキル基又はFで、CF
3 が好ましい。また、式(II)及び式(III ) 中のRF
は、下記の(i)〜(iii )のうちの少なくとも1つで
ある。
炭素を有するパーフルオロアルキル基で、CF3 が好ま
しい。また、X1 及びX2 は相互に独立して、1〜3個
の炭素を有するパーフルオロアルキル基又はFで、CF
3 が好ましい。また、式(II)及び式(III ) 中のRF
は、下記の(i)〜(iii )のうちの少なくとも1つで
ある。
【0030】(i)2〜12個の炭素を有するパーフル
オロアルキル基 (ii)下記式(V)のような化学構造を有するもの。た
だし、式(V)中のrは1〜4の整数であり、r’は0
〜3の整数である。
オロアルキル基 (ii)下記式(V)のような化学構造を有するもの。た
だし、式(V)中のrは1〜4の整数であり、r’は0
〜3の整数である。
【0031】
【化5】
【0032】(iii )下記式(VI)のような化学構造を
有するもの。ただし、式(VI)中の構造単位(OCF
X)と(OCF2 CFY)は連鎖に沿って統計的に分布
している。また、Tは1〜3個の炭素を有するパーフル
オロアルキル基で、任意に1個のH又はClを有する。
さらに、X及びYはF又はCF3 である。さらに、Zは
−CFX−又は−CF2 CFY−であり、q及びq’は
0〜10の整数で相互に同じか又は異なる数値である。
有するもの。ただし、式(VI)中の構造単位(OCF
X)と(OCF2 CFY)は連鎖に沿って統計的に分布
している。また、Tは1〜3個の炭素を有するパーフル
オロアルキル基で、任意に1個のH又はClを有する。
さらに、X及びYはF又はCF3 である。さらに、Zは
−CFX−又は−CF2 CFY−であり、q及びq’は
0〜10の整数で相互に同じか又は異なる数値である。
【0033】
【化6】
【0034】さらに、式(II)及び式(III ) のフッ素
化合物モノマーの数平均分子量は200〜2000であ
る。なお、〜には、分子式中の数値,共重合比,及
び平均分子量について好適な数値範囲が規定されている
が、これらの数値が前記範囲の下限値未満であると、グ
リース状とするのに十分な増ちょう性がテトラフルオロ
エチレン共重合体に付与されない。また、前記範囲の上
限値超過であると、グリース組成物が硬化して十分な潤
滑性を発揮することが困難となる。
化合物モノマーの数平均分子量は200〜2000であ
る。なお、〜には、分子式中の数値,共重合比,及
び平均分子量について好適な数値範囲が規定されている
が、これらの数値が前記範囲の下限値未満であると、グ
リース状とするのに十分な増ちょう性がテトラフルオロ
エチレン共重合体に付与されない。また、前記範囲の上
限値超過であると、グリース組成物が硬化して十分な潤
滑性を発揮することが困難となる。
【0035】〔基油について〕このグリース組成物の基
油には、鉱油及び合成油の少なくとも一方とパーフルオ
ロポリエーテル油との両方を使用する必要がある。ただ
し、本発明の目的を損なわない程度の量であれば、他種
の基油を併用してもよい。前記グリース組成物に使用さ
れる鉱油の種類は特に限定されるものではないが、パラ
フィン系鉱物油,ナフテン系鉱物油,及びこれらの混合
油等が好ましく使用される。また、合成油の種類も特に
限定されるものではなく、合成炭化水素油,エーテル
油,エステル油,及びフッ素油等が好ましく使用され
る。
油には、鉱油及び合成油の少なくとも一方とパーフルオ
ロポリエーテル油との両方を使用する必要がある。ただ
し、本発明の目的を損なわない程度の量であれば、他種
の基油を併用してもよい。前記グリース組成物に使用さ
れる鉱油の種類は特に限定されるものではないが、パラ
フィン系鉱物油,ナフテン系鉱物油,及びこれらの混合
油等が好ましく使用される。また、合成油の種類も特に
限定されるものではなく、合成炭化水素油,エーテル
油,エステル油,及びフッ素油等が好ましく使用され
る。
【0036】さらに具体的に基油の例を示す。合成炭化
水素油としてはポリα−オレフィン油等を、エーテル油
としてはジアルキルジフェニルエーテル油,アルキルト
リフェニルエーテル油,アルキルテトラフェニルエーテ
ル油等を、エステル油としてはジエステル油,ネオペン
チル型ポリオールエステル油,又はこれらのコンプレッ
クスエステル油,芳香族エステル油,炭酸エステル油等
を、フッ素油としてはパーフルオロエーテル油,フルオ
ロシリコーン油,クロロトリフルオロエチレン油,フル
オロフォスファゼン油等を、それぞれ使用することがで
きる。なお、これらは単独又は2種以上を混合して用い
ることができる。
水素油としてはポリα−オレフィン油等を、エーテル油
としてはジアルキルジフェニルエーテル油,アルキルト
リフェニルエーテル油,アルキルテトラフェニルエーテ
ル油等を、エステル油としてはジエステル油,ネオペン
チル型ポリオールエステル油,又はこれらのコンプレッ
クスエステル油,芳香族エステル油,炭酸エステル油等
を、フッ素油としてはパーフルオロエーテル油,フルオ
ロシリコーン油,クロロトリフルオロエチレン油,フル
オロフォスファゼン油等を、それぞれ使用することがで
きる。なお、これらは単独又は2種以上を混合して用い
ることができる。
【0037】これらの中でも、高温高速条件下での潤滑
性能及び寿命を考えると、基油には少なくとも合成油が
含有されていることが好ましく、特に、エステル油,エ
ーテル油,フッ素油が好ましい。一方、前記グリース組
成物に使用されるパーフルオロポリエーテル油の種類も
特に限定されるものではなく、以下に示すようなフルオ
ロオキシアルキレン構造単位から選択される少なくとも
1種から構成されるものが好ましい。なお、式中のX3
はCF3 (CF2 )n −であり、nは0〜4の整数であ
る。
性能及び寿命を考えると、基油には少なくとも合成油が
含有されていることが好ましく、特に、エステル油,エ
ーテル油,フッ素油が好ましい。一方、前記グリース組
成物に使用されるパーフルオロポリエーテル油の種類も
特に限定されるものではなく、以下に示すようなフルオ
ロオキシアルキレン構造単位から選択される少なくとも
1種から構成されるものが好ましい。なお、式中のX3
はCF3 (CF2 )n −であり、nは0〜4の整数であ
る。
【0038】
【化7】
【0039】パーフルオロポリエーテル油が上記フルオ
ロオキシアルキレン構造単位の2種以上から構成されて
いる場合は、各構造単位は連鎖に沿って統計的に分布し
ている。そしてその末端基は、CF3 −,C2 F5 −,
C3 F7 −,CF2 Cl(CF3 )CF−,CF3 CF
ClCF2 −,CF2 ClCF2 −,CF2 Cl−,C
HF2 −,CF3 CHF−等のような、1個のH及び/
又はClを任意に有するフルオロアルキル基である。
ロオキシアルキレン構造単位の2種以上から構成されて
いる場合は、各構造単位は連鎖に沿って統計的に分布し
ている。そしてその末端基は、CF3 −,C2 F5 −,
C3 F7 −,CF2 Cl(CF3 )CF−,CF3 CF
ClCF2 −,CF2 ClCF2 −,CF2 Cl−,C
HF2 −,CF3 CHF−等のような、1個のH及び/
又はClを任意に有するフルオロアルキル基である。
【0040】〔添加剤について〕前記グリース組成物に
は、各種性能をさらに向上させるために、所望により種
々の添加剤を添加してもよい。使用される添加剤として
は、例えば、酸化防止剤,防錆剤,極圧剤,油性剤,及
び金属不活性化剤等があげられ、これらは単独又は2種
以上を混合して用いることができる。
は、各種性能をさらに向上させるために、所望により種
々の添加剤を添加してもよい。使用される添加剤として
は、例えば、酸化防止剤,防錆剤,極圧剤,油性剤,及
び金属不活性化剤等があげられ、これらは単独又は2種
以上を混合して用いることができる。
【0041】酸化防止剤としては、従来のグリースに慣
用される公知のものを問題なく使用することができる。
例えば、2,6−ジ−t−ブチルフェノール等のフェノ
ール系酸化防止剤、フェニル−1−ナフチルアミン等の
アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、ジチオリン酸
亜鉛などである。また、防錆剤としては、アルカリ金属
やアルカリ土類金属の有機スルホン酸塩、アルキルコハ
ク酸エステル,アルケニルコハク酸エステル等のコハク
酸誘導体、ソルビタンモノオレエート等の多価アルコー
ルの部分エステルなどがあげられる。
用される公知のものを問題なく使用することができる。
例えば、2,6−ジ−t−ブチルフェノール等のフェノ
ール系酸化防止剤、フェニル−1−ナフチルアミン等の
アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、ジチオリン酸
亜鉛などである。また、防錆剤としては、アルカリ金属
やアルカリ土類金属の有機スルホン酸塩、アルキルコハ
ク酸エステル,アルケニルコハク酸エステル等のコハク
酸誘導体、ソルビタンモノオレエート等の多価アルコー
ルの部分エステルなどがあげられる。
【0042】さらに、極圧剤としては、リン系極圧剤,
ジチオリン酸亜鉛,有機モリブデン等があげられる。さ
らに、油性剤としては、脂肪酸,動植物油等の油性向上
剤があげられる。さらに、金属不活性化剤としては、ベ
ンゾトリアゾール等があげられる。このような添加剤の
含有量は、グリース組成物全体の20質量%以下とする
ことが好ましい。20質量%を超えて添加しても添加効
果の向上が望めない上、基油の量が相対的に少なくなる
ため潤滑性が低下するおそれがあるので好ましくない。
ジチオリン酸亜鉛,有機モリブデン等があげられる。さ
らに、油性剤としては、脂肪酸,動植物油等の油性向上
剤があげられる。さらに、金属不活性化剤としては、ベ
ンゾトリアゾール等があげられる。このような添加剤の
含有量は、グリース組成物全体の20質量%以下とする
ことが好ましい。20質量%を超えて添加しても添加効
果の向上が望めない上、基油の量が相対的に少なくなる
ため潤滑性が低下するおそれがあるので好ましくない。
【0043】なお、グリース組成物の製造方法は、特に
限定されるものではない。例えば、鉱油及び合成油の少
なくとも一方を基油とし、N−置換テレフタルアミド酸
金属塩を増ちょう剤とするN−置換テレフタルアミド酸
金属塩グリースと、パーフルオロポリエーテル油を基油
とし、フッ素樹脂を増ちょう剤とするフッ素グリースと
を別々に製造し、これらを混合することにより製造して
もよい。あるいは、鉱油及び合成油の少なくとも一方と
パーフルオロポリエーテル油とを混合した基油に、N−
置換テレフタルアミド酸金属塩及びフッ素樹脂を増ちょ
う剤として添加することにより製造してもよい。
限定されるものではない。例えば、鉱油及び合成油の少
なくとも一方を基油とし、N−置換テレフタルアミド酸
金属塩を増ちょう剤とするN−置換テレフタルアミド酸
金属塩グリースと、パーフルオロポリエーテル油を基油
とし、フッ素樹脂を増ちょう剤とするフッ素グリースと
を別々に製造し、これらを混合することにより製造して
もよい。あるいは、鉱油及び合成油の少なくとも一方と
パーフルオロポリエーテル油とを混合した基油に、N−
置換テレフタルアミド酸金属塩及びフッ素樹脂を増ちょ
う剤として添加することにより製造してもよい。
【0044】このようなグリース組成物を備えた転動装
置は、優れた潤滑性を有し高温下においても長寿命であ
るので、オルタネータ,電磁クラッチ等の自動車電装部
品、アイドラプーリ等の自動車エンジン補機、複写機,
プリンタ等の事務機器のように、高温高速条件下で使用
される機器の回転部分や摺動部分に好適に使用可能であ
る。
置は、優れた潤滑性を有し高温下においても長寿命であ
るので、オルタネータ,電磁クラッチ等の自動車電装部
品、アイドラプーリ等の自動車エンジン補機、複写機,
プリンタ等の事務機器のように、高温高速条件下で使用
される機器の回転部分や摺動部分に好適に使用可能であ
る。
【0045】なお、本発明は、種々の転動装置に適用す
ることができ、例えば、転がり軸受,ボールねじ,リニ
アガイド装置,直動ベアリング等があげられる。本発明
における前記内方部材とは、転動装置が転がり軸受の場
合には内輪、同じくボールねじの場合にはねじ軸、同じ
くリニアガイド装置の場合には案内レール、同じく直動
ベアリングの場合には軸をそれぞれ意味する。また、前
記外方部材とは、転動装置が転がり軸受の場合には外
輪、同じくボールねじの場合にはナット、同じくリニア
ガイド装置の場合にはスライダ、同じく直動ベアリング
の場合には外筒をそれぞれ意味する。
ることができ、例えば、転がり軸受,ボールねじ,リニ
アガイド装置,直動ベアリング等があげられる。本発明
における前記内方部材とは、転動装置が転がり軸受の場
合には内輪、同じくボールねじの場合にはねじ軸、同じ
くリニアガイド装置の場合には案内レール、同じく直動
ベアリングの場合には軸をそれぞれ意味する。また、前
記外方部材とは、転動装置が転がり軸受の場合には外
輪、同じくボールねじの場合にはナット、同じくリニア
ガイド装置の場合にはスライダ、同じく直動ベアリング
の場合には外筒をそれぞれ意味する。
【0046】
【発明の実施の形態】本発明に係る転動装置の実施の形
態を、図面を参照しながら説明する。図1は本発明に係
る転動装置の一実施形態である玉軸受1の構造を示す縦
断面図である。この玉軸受1は、内輪10と、外輪11
と、内輪10と外輪11との間に転動自在に配設された
複数の玉13と、複数の玉13を保持する保持器12
と、外輪11に取り付けられた接触形のシール14,1
4と、で構成されている。また、内輪10と外輪11と
シール14,14とで囲まれた軸受空間にはグリース組
成物Gが充填され、シール14により玉軸受1内に密封
されている。そして、このようなグリース組成物Gによ
り、前記両輪10,11の軌道面と玉13との接触面が
潤滑されている。
態を、図面を参照しながら説明する。図1は本発明に係
る転動装置の一実施形態である玉軸受1の構造を示す縦
断面図である。この玉軸受1は、内輪10と、外輪11
と、内輪10と外輪11との間に転動自在に配設された
複数の玉13と、複数の玉13を保持する保持器12
と、外輪11に取り付けられた接触形のシール14,1
4と、で構成されている。また、内輪10と外輪11と
シール14,14とで囲まれた軸受空間にはグリース組
成物Gが充填され、シール14により玉軸受1内に密封
されている。そして、このようなグリース組成物Gによ
り、前記両輪10,11の軌道面と玉13との接触面が
潤滑されている。
【0047】このグリース組成物Gは、20質量%の増
ちょう剤と80質量%の基油とで構成されている。そし
て、増ちょう剤は、50質量%のN−置換テレフタルア
ミド酸金属塩と50質量%のPTFEとで構成されてお
り、基油は50質量%のポリオールエステル油と50質
量%のパーフルオロポリエーテル油(PFPE油)とで
構成されている。このグリース組成物GはPTFEとP
FPE油とを含有しているので、耐熱性が優れている。
ちょう剤と80質量%の基油とで構成されている。そし
て、増ちょう剤は、50質量%のN−置換テレフタルア
ミド酸金属塩と50質量%のPTFEとで構成されてお
り、基油は50質量%のポリオールエステル油と50質
量%のパーフルオロポリエーテル油(PFPE油)とで
構成されている。このグリース組成物GはPTFEとP
FPE油とを含有しているので、耐熱性が優れている。
【0048】なお、本実施形態は本発明の一例を示した
ものであって、本発明は本実施形態に限定されるもので
はない。例えば、基油及び増ちょう剤の種類は上記のも
のに限定されるものではなく、また、グリース組成物G
には各種添加剤を添加してもよい。また、本実施形態に
おいては転動装置の例として深みぞ玉軸受をあげて説明
したが、本発明は、他の種類の様々な転がり軸受に対し
て適用することができる。例えば、アンギュラ玉軸受,
自動調心玉軸受,円筒ころ軸受,円すいころ軸受,針状
ころ軸受,自動調心ころ軸受等のラジアル形の転がり軸
受や、スラスト玉軸受,スラストころ軸受等のスラスト
形の転がり軸受である。
ものであって、本発明は本実施形態に限定されるもので
はない。例えば、基油及び増ちょう剤の種類は上記のも
のに限定されるものではなく、また、グリース組成物G
には各種添加剤を添加してもよい。また、本実施形態に
おいては転動装置の例として深みぞ玉軸受をあげて説明
したが、本発明は、他の種類の様々な転がり軸受に対し
て適用することができる。例えば、アンギュラ玉軸受,
自動調心玉軸受,円筒ころ軸受,円すいころ軸受,針状
ころ軸受,自動調心ころ軸受等のラジアル形の転がり軸
受や、スラスト玉軸受,スラストころ軸受等のスラスト
形の転がり軸受である。
【0049】また、本発明は、転がり軸受に限らず、他
の種類の様々な転動装置に対して適用することができ
る。例えば、ボールねじ,リニアガイド装置,直動ベア
リング等である。次に、上記のグリース組成物Gとほぼ
同様な構成の18種(実施例1〜12及び比較例1〜
6)のグリース組成物について、ちょう度測定,防錆性
試験,銅板腐食試験,焼付き性試験,グリース漏れ性試
験を行った。
の種類の様々な転動装置に対して適用することができ
る。例えば、ボールねじ,リニアガイド装置,直動ベア
リング等である。次に、上記のグリース組成物Gとほぼ
同様な構成の18種(実施例1〜12及び比較例1〜
6)のグリース組成物について、ちょう度測定,防錆性
試験,銅板腐食試験,焼付き性試験,グリース漏れ性試
験を行った。
【0050】実施例1〜12及び比較例1〜6のグリー
ス組成物の構成は表1〜3に示す通りであり、N−オク
タデシルテレフタルアミド酸金属塩(ナトリウム塩又は
バリウム塩)及びフッ素樹脂(PTFE又はコポリマ
ー)からなる増ちょう剤と、合成油及びPFPE油から
なる基油と、を含有している(比較例1,2を除く)。
そして、添加剤として、グリース組成物全体の1.0質
量%のアミン系酸化防止剤と、0.5質量%のカルシウ
ムスルフォネート系防錆剤と、0.05質量%のベンゾ
トリアゾール系金属不活性化剤と、を含有している。
ス組成物の構成は表1〜3に示す通りであり、N−オク
タデシルテレフタルアミド酸金属塩(ナトリウム塩又は
バリウム塩)及びフッ素樹脂(PTFE又はコポリマ
ー)からなる増ちょう剤と、合成油及びPFPE油から
なる基油と、を含有している(比較例1,2を除く)。
そして、添加剤として、グリース組成物全体の1.0質
量%のアミン系酸化防止剤と、0.5質量%のカルシウ
ムスルフォネート系防錆剤と、0.05質量%のベンゾ
トリアゾール系金属不活性化剤と、を含有している。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】
【表3】
【0054】なお、表1〜3に記載された基油及び増ち
ょう剤の含有量は、基油と増ちょう剤の合計量を100
とした場合の値であって、上記添加剤については考慮さ
れていない。また、増ちょう剤の種類及び基油の種類の
欄に記載された数値は、増ちょう剤全体及び基油全体に
おける各成分の量比(質量%)を示している。以下に、
グリース組成物の各成分について説明する。
ょう剤の含有量は、基油と増ちょう剤の合計量を100
とした場合の値であって、上記添加剤については考慮さ
れていない。また、増ちょう剤の種類及び基油の種類の
欄に記載された数値は、増ちょう剤全体及び基油全体に
おける各成分の量比(質量%)を示している。以下に、
グリース組成物の各成分について説明する。
【0055】・コポリマー:フッ化ビニリデンとヘキサ
フルオロイソブチレンのコポリマー(モル比は1:1) ・ポリオールエステル油:40℃における動粘度70m
m2 /s ・アルキルジフェニルエーテル油:40℃における動粘
度100mm2 /s ・PFPE油:40℃における動粘度190mm2 /s 次に、各試験方法及び試験結果について説明する。
フルオロイソブチレンのコポリマー(モル比は1:1) ・ポリオールエステル油:40℃における動粘度70m
m2 /s ・アルキルジフェニルエーテル油:40℃における動粘
度100mm2 /s ・PFPE油:40℃における動粘度190mm2 /s 次に、各試験方法及び試験結果について説明する。
【0056】〔ちょう度測定について〕JIS K22
20に準拠して混和ちょう度の測定を行った。結果を表
1〜3に併せて示す。実施例1〜12のグリース組成物
は良好なちょう度であったのに対して、比較例6は増ち
ょう剤の含有量が多すぎるためちょう度が小さかった。
また、比較例3は増ちょう剤の含有量が少なすぎるた
め、グリース状とならなかった。
20に準拠して混和ちょう度の測定を行った。結果を表
1〜3に併せて示す。実施例1〜12のグリース組成物
は良好なちょう度であったのに対して、比較例6は増ち
ょう剤の含有量が多すぎるためちょう度が小さかった。
また、比較例3は増ちょう剤の含有量が少なすぎるた
め、グリース状とならなかった。
【0057】〔防錆性試験について〕内径17mm,外
径47mm,幅14mmのゴムシール付き深みぞ玉軸受
(図1と同様の構成である)に、実施例1〜12及び比
較例1〜6のグリース組成物を軸受空間容積の50%を
占めるように充填した。回転速度1800min-1で3
0秒間慣らし運転(回転)した後、軸受内部に0.5質
量%の塩水を0.5ml注入し、再び回転速度1800
min-1で30秒間慣らし運転した。次いで、80℃,
100%RHに調整された恒温恒湿槽にこの玉軸受を4
8時間静置した後、玉軸受を分解して軌道面に発生して
いる錆の状況を肉眼で観察した。そして、以下のような
ランクに評価した。
径47mm,幅14mmのゴムシール付き深みぞ玉軸受
(図1と同様の構成である)に、実施例1〜12及び比
較例1〜6のグリース組成物を軸受空間容積の50%を
占めるように充填した。回転速度1800min-1で3
0秒間慣らし運転(回転)した後、軸受内部に0.5質
量%の塩水を0.5ml注入し、再び回転速度1800
min-1で30秒間慣らし運転した。次いで、80℃,
100%RHに調整された恒温恒湿槽にこの玉軸受を4
8時間静置した後、玉軸受を分解して軌道面に発生して
いる錆の状況を肉眼で観察した。そして、以下のような
ランクに評価した。
【0058】
#7:錆の発生なし
#6:シミ状の微小な錆あり
#5:直径0.3mm以下の点状の錆あり
#4:直径1.0mm以下の錆あり
#3:直径5.0mm以下の錆あり
#2:直径10.0mm以下の錆あり
#1:軌道面のほぼ全面に錆が発生
なお、#7〜#5を防錆性良好とし、#4〜#1を防錆
性不良とした。
性不良とした。
【0059】結果を表1〜3に併せて示す。実施例1〜
12のグリース組成物は良好な防錆性を示した。したが
って、実施例1〜12のグリース組成物は、雨水等と接
触しやすく錆が発生しやすい過酷な環境下で使用される
軸受にも好適に用いることができる。それに対して、比
較例1は鉱油や合成油を含有していないため(すなわ
ち、通常のフッ素グリースであるため)防錆性が不良で
あった。
12のグリース組成物は良好な防錆性を示した。したが
って、実施例1〜12のグリース組成物は、雨水等と接
触しやすく錆が発生しやすい過酷な環境下で使用される
軸受にも好適に用いることができる。それに対して、比
較例1は鉱油や合成油を含有していないため(すなわ
ち、通常のフッ素グリースであるため)防錆性が不良で
あった。
【0060】〔銅板腐食試験について〕JIS K22
20のグリースの銅板腐食試験方法に準拠して行った。
試験温度は100℃とし、24時間後の銅板の変色状況
を肉眼で観察した。そして、銅板の変色標準により1〜
4の4段階で評価し、1を良好とした。結果を表1〜3
に併せて示す。実施例1〜12のグリース組成物は銅板
の変色がほとんどなかったのに対して、比較例1は鉱油
や合成油を含有していないため(すなわち、通常のフッ
素グリースであるため)銅板の変色が観察された。
20のグリースの銅板腐食試験方法に準拠して行った。
試験温度は100℃とし、24時間後の銅板の変色状況
を肉眼で観察した。そして、銅板の変色標準により1〜
4の4段階で評価し、1を良好とした。結果を表1〜3
に併せて示す。実施例1〜12のグリース組成物は銅板
の変色がほとんどなかったのに対して、比較例1は鉱油
や合成油を含有していないため(すなわち、通常のフッ
素グリースであるため)銅板の変色が観察された。
【0061】〔焼付き性試験について〕内径8mm,外
径22mm,幅7mmの鉄シールド付き深みぞ玉軸受
(図1とほぼ同様の構造である)に、実施例1〜12及
び比較例1〜6のグリース組成物を軸受空間容積の50
%を占めるように充填し、図2に示すようなASTM
D1741の軸受寿命試験機に類似の試験機に装着し
た。
径22mm,幅7mmの鉄シールド付き深みぞ玉軸受
(図1とほぼ同様の構造である)に、実施例1〜12及
び比較例1〜6のグリース組成物を軸受空間容積の50
%を占めるように充填し、図2に示すようなASTM
D1741の軸受寿命試験機に類似の試験機に装着し
た。
【0062】そして、軸受温度180℃、アキシアル荷
重59Nの条件下で3000min -1の回転速度で回転
させ(その他の条件はASTM D 1741に準拠し
た)、焼付きが生じて外輪の温度が190℃以上に上昇
するまでの時間を寿命とした。そして、1000時間回
転させても190℃以上に上昇しなかった場合は、合格
として試験を打ち切った。該回転試験は1種の軸受につ
き4個行い、その平均値を試験結果とした。
重59Nの条件下で3000min -1の回転速度で回転
させ(その他の条件はASTM D 1741に準拠し
た)、焼付きが生じて外輪の温度が190℃以上に上昇
するまでの時間を寿命とした。そして、1000時間回
転させても190℃以上に上昇しなかった場合は、合格
として試験を打ち切った。該回転試験は1種の軸受につ
き4個行い、その平均値を試験結果とした。
【0063】結果を表1〜3に併せて示す。実施例1〜
12のグリース組成物は良好な寿命を示したのに対し
て、比較例2はフッ素樹脂とPFPE油を含有していな
いため(すなわち、通常のN−置換テレフタルアミド酸
金属塩グリースであるため)、高温での耐焼付き性が劣
っていた。また、比較例4及び比較例5は、フッ素樹脂
とPFPE油の含有量が少ないため高温での耐焼付き性
が不十分であった。
12のグリース組成物は良好な寿命を示したのに対し
て、比較例2はフッ素樹脂とPFPE油を含有していな
いため(すなわち、通常のN−置換テレフタルアミド酸
金属塩グリースであるため)、高温での耐焼付き性が劣
っていた。また、比較例4及び比較例5は、フッ素樹脂
とPFPE油の含有量が少ないため高温での耐焼付き性
が不十分であった。
【0064】〔グリース漏れ性試験について〕内径17
mm,外径40mm,幅12mmのゴムシール付き深み
ぞ玉軸受(図1と同様の構成である)に、実施例1〜1
2及び比較例1〜6のグリース組成物を軸受空間容積の
35%を占めるように充填した。そして、外輪温度18
0℃、アキシアル荷重200Nの条件下で内輪を145
00min-1の回転速度で20時間回転させ、回転中に
軸受から漏洩したグリース組成物の質量を測定した。
mm,外径40mm,幅12mmのゴムシール付き深み
ぞ玉軸受(図1と同様の構成である)に、実施例1〜1
2及び比較例1〜6のグリース組成物を軸受空間容積の
35%を占めるように充填した。そして、外輪温度18
0℃、アキシアル荷重200Nの条件下で内輪を145
00min-1の回転速度で20時間回転させ、回転中に
軸受から漏洩したグリース組成物の質量を測定した。
【0065】グリース組成物の漏れ量が、充填したグリ
ース組成物の量の10質量%以下であった場合を合格と
した。なお、該試験は1種の軸受につき4個行い、その
平均値を試験結果とした。試験結果を表1〜3に併せて
示す。実施例1〜12のグリース組成物は漏洩した量は
少なく、すべて合格であった。
ース組成物の量の10質量%以下であった場合を合格と
した。なお、該試験は1種の軸受につき4個行い、その
平均値を試験結果とした。試験結果を表1〜3に併せて
示す。実施例1〜12のグリース組成物は漏洩した量は
少なく、すべて合格であった。
【0066】なお、実施例7〜12及び比較例1,2,
4,5のグリース組成物の防錆性試験,焼付き性試験,
及びグリース漏れ性試験の結果をグラフ化したものを、
図3及び図4に示す。各グラフの横軸は、増ちょう剤の
うちのフッ素樹脂(PTFE又はコポリマー)の割合を
示している。これらのグラフから分かるように、増ちょ
う剤のうちのフッ素樹脂の割合が40〜80質量%の場
合(すなわち、N−置換テレフタルアミド酸金属塩の割
合は60〜20質量%)には、防錆性及び焼付き寿命が
いずれも優れており、グリース漏れ量は少なかった。
4,5のグリース組成物の防錆性試験,焼付き性試験,
及びグリース漏れ性試験の結果をグラフ化したものを、
図3及び図4に示す。各グラフの横軸は、増ちょう剤の
うちのフッ素樹脂(PTFE又はコポリマー)の割合を
示している。これらのグラフから分かるように、増ちょ
う剤のうちのフッ素樹脂の割合が40〜80質量%の場
合(すなわち、N−置換テレフタルアミド酸金属塩の割
合は60〜20質量%)には、防錆性及び焼付き寿命が
いずれも優れており、グリース漏れ量は少なかった。
【0067】
【発明の効果】以上のように、本発明の転動装置は、優
れた潤滑性を有し高温下においても長寿命である。
れた潤滑性を有し高温下においても長寿命である。
【図1】本発明に係る転動装置の一実施形態である玉軸
受の構造を示す縦断面図である。
受の構造を示す縦断面図である。
【図2】グリース組成物の焼付き性を評価する軸受寿命
試験機の構成を示す断面図である。
試験機の構成を示す断面図である。
【図3】増ちょう剤のうちのフッ素樹脂の割合と、玉軸
受の焼付き寿命及びグリース組成物の防錆性と、の相関
を示すグラフである。
受の焼付き寿命及びグリース組成物の防錆性と、の相関
を示すグラフである。
【図4】増ちょう剤のうちのフッ素樹脂の割合と、玉軸
受の焼付き寿命及びグリース漏れ量との相関を示すグラ
フである。
受の焼付き寿命及びグリース漏れ量との相関を示すグラ
フである。
1 玉軸受
10 内輪
11 外輪
13 玉
G グリース組成物
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
C10M 115/08 C10M 115/08
119/22 119/22
169/02 169/02
F16C 19/02 F16C 19/02
// C10N 10:02 C10N 10:02
10:04 10:04
20:02 20:02
40:02 40:02
50:10 50:10
Fターム(参考) 3J101 AA01 AA32 AA51 AA62 CA12
CA32 EA64 FA06 FA32 GA01
GA24 GA29 GA53
4H104 BB33A BB34A BE11B CD01B
CD04A CD04B DA02A EA02A
FA01 FA02 PA01 QA18
Claims (7)
- 【請求項1】 外面に軌道面を有する内方部材と、該内
方部材の軌道面に対向する軌道面を有し前記内方部材の
外方に配置された外方部材と、前記両軌道面間に転動自
在に配設された複数の転動体と、前記内方部材と前記外
方部材との間に形成され前記転動体が配設された空隙部
内に充填されたグリース組成物と、を備える転動装置に
おいて、 前記グリース組成物は、鉱油及び合成油の少なくとも一
方とパーフルオロポリエーテル油とを基油として含有
し、N−置換テレフタルアミド酸金属塩及びフッ素樹脂
を増ちょう剤として含有することを特徴とする転動装
置。 - 【請求項2】 前記増ちょう剤を、前記N−置換テレフ
タルアミド酸金属塩20〜60質量%と、前記フッ素樹
脂80〜40質量%と、で構成したことを特徴とする請
求項1に記載の転動装置。 - 【請求項3】 前記基油を、前記鉱油及び合成油の少な
くとも一方10〜90質量%と、前記パーフルオロポリ
エーテル油90〜10質量%と、で構成したことを特徴
とする請求項1又は請求項2に記載の転動装置。 - 【請求項4】 前記増ちょう剤の含有量を前記グリース
組成物全体の5〜40質量%としたことを特徴とする請
求項1〜3のいずれかに記載の転動装置。 - 【請求項5】 前記鉱油及び合成油の少なくとも一方の
40℃における動粘度を20〜400mm2 /sとし、
前記パーフルオロポリエーテル油の40℃における動粘
度を20〜400mm2 /sとしたことを特徴とする請
求項1〜4のいずれかに記載の転動装置。 - 【請求項6】 添加剤を含有しており、前記添加剤の含
有量を前記グリース組成物全体の20質量%以下とした
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の転動
装置。 - 【請求項7】 高速環境下及び/又は高温環境下におい
て使用される自動車電装部品用,自動車エンジン補機
用,又は事務機器用の転がり軸受であることを特徴とす
る請求項1〜6のいずれかに記載の転動装置。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002062069A JP2003262228A (ja) | 2002-03-07 | 2002-03-07 | 転動装置 |
US10/378,060 US7196042B2 (en) | 2002-03-07 | 2003-03-04 | Grease composition and rolling apparatus |
US11/136,364 US20050221996A1 (en) | 2002-03-07 | 2005-05-25 | Grease composition and rolling apparatus |
US11/136,366 US20050221997A1 (en) | 2002-03-07 | 2005-05-25 | Grease composition and rolling apparatus |
US11/136,365 US20050221999A1 (en) | 2002-03-07 | 2005-05-25 | Grease composition and rolling apparatus |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002062069A JP2003262228A (ja) | 2002-03-07 | 2002-03-07 | 転動装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003262228A true JP2003262228A (ja) | 2003-09-19 |
Family
ID=29196028
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002062069A Pending JP2003262228A (ja) | 2002-03-07 | 2002-03-07 | 転動装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003262228A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009007425A (ja) * | 2007-06-27 | 2009-01-15 | Sumikou Junkatsuzai Kk | 非拡散性フッ素グリース組成物 |
JP2010013499A (ja) * | 2008-07-01 | 2010-01-21 | Nippon Koyu Ltd | 潤滑グリース組成物 |
JP2011046873A (ja) * | 2009-08-28 | 2011-03-10 | Thk Co Ltd | グリース組成物及び該グリース組成物で潤滑されている運動案内装置 |
JP2017019933A (ja) * | 2015-07-10 | 2017-01-26 | 株式会社ニッペコ | グリース組成物 |
-
2002
- 2002-03-07 JP JP2002062069A patent/JP2003262228A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009007425A (ja) * | 2007-06-27 | 2009-01-15 | Sumikou Junkatsuzai Kk | 非拡散性フッ素グリース組成物 |
JP2010013499A (ja) * | 2008-07-01 | 2010-01-21 | Nippon Koyu Ltd | 潤滑グリース組成物 |
JP2011046873A (ja) * | 2009-08-28 | 2011-03-10 | Thk Co Ltd | グリース組成物及び該グリース組成物で潤滑されている運動案内装置 |
JP2017019933A (ja) * | 2015-07-10 | 2017-01-26 | 株式会社ニッペコ | グリース組成物 |
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