JP2003255222A - コンパクトな撮影レンズ - Google Patents
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Abstract
撮影レンズを提供する。 【解決手段】大きな正の屈折力を有する第1レンズ群
(L1,L2)と、それに続く小さな屈折力を有する第
2レンズ群(L3)及び小さな屈折力を有する第3レン
ズ群(L4)とから構成することにより、レンズ全長の
小型化を図っている。さらに、第1レンズ群(L1,L
2)を正の屈折力を有する第1レンズL1、負の屈折力
を有する第2レンズL2で構成することにより、主に軸
上付近の球面収差、コマ収差、色収差を補正し、第2レ
ンズ群(L3)を少なくとも1つの屈折面を非球面形状
とし物体側に凹面を向けたメニスカスレンズとすること
により、主にコマ収差、非点収差を良好に補正し、第3
レンズ群の非球面によ主に歪曲収差を良好に補正してい
る。
Description
し、主にデジタルスチルカメラをはじめ監視カメラ、P
Cカメラ(パーソナルコンピュータに付属の撮像装置)
のようなCCD(charge coupled device)等の撮像素子を
使用した小型の撮像装置に用いられると好適な、高性能
でコンパクトな撮影レンズに関する。
ルカメラなどの撮像装置が急速に普及している。このよ
うなデジタルスチルカメラは、撮影レンズによって結像
された静止画像を、CCD他の撮像素子(以下、CCD
等ともいう)により画像データとして電気的に取り込
み、内蔵メモリやメモリカードなどに記録するものであ
る。デジタルスチルカメラは、液晶モニターを撮影の際
のファインダーとして、また撮影した画像の再生用モニ
ターとして使用出来るため、普及の当初は、銀塩カメラ
に比べて画像の即時再生性、利便性等をアピールしてい
たが、低画素数のCCD等を採用していたものが多く、
銀塩カメラに較べて一般的には撮影画像の解像度が低い
等の問題点が指摘されていた。しかしながら、近年の技
術の発達により、高画素数のCCD等が安価に供給され
るようになり、そのようなCCD等を搭載したデジタル
スチルカメラにより得られた画像は、例えば一般的に普
及しているサイズにプリントされた状態での比較におい
て、銀塩カメラにより撮影された画像に対し、解像力に
関してはほぼ同等とされるまでになっている。
ルスチルカメラ用の撮影レンズを考察するに、画像の取
り込みを高画素数のCCD等を用いているという点か
ら、一般的にはビデオカメラ用撮影レンズの構成に類似
しているといえる。しかし、求められる解像力や画質の
要求が高いため、デジタルスチルカメラ用の撮影レンズ
の方が、構成的にはより複雑化している場合が多く、そ
の大きさについても、CCD等の画面サイズを同じ状況
で比較すると、ビデオカメラ用撮影レンズより大型化し
てしまうことが多い。以下に、従来のデジタルスチルカ
メラ用の撮影レンズについて、必要な特性の概略を列挙
する。
400万画素のものが、一般向けのデジタルスチルカメ
ラでも搭載されるようになった。ビデオカメラ用として
一般的に使用されている35万画素クラスの撮像素子と
は、画面寸法が違うため、直接比較することはできない
が、画面寸法を無視すれば、約10倍の画素数の差があ
る事になる。すなわち、撮影レンズに要求される、収差
補正の精度(補正難易度)も、この差程度の違いがある
と考えられる。
的には、画面寸法をなるべく大きくせずに、画素ピッチ
を小さくする方法で画素数を上げる手法がとられてお
り、例えば、デジタルスチルカメラ用として最近発表さ
れている有効画素数が130万画素クラスのCCD等で
は、画素ピッチは4.2μm程度となっている。従っ
て、最小錯乱円径を画素ピッチの2倍と仮定しても8.
4μmとなるが、35mm判銀塩カメラの最小錯乱円径
は約33μmと考えられるので、この比較においても、
デジタルスチルカメラ用の撮影レンズに要求される解像
力は、銀塩カメラの約4倍必要であるということがいえ
る。又、CCD等の高画素化が進むにつれ、かかる要求
はより高まる。
ること 像側のテレセントリック性とは、各像点に対する光束の
主光線が、光学系の最終面を射出した後、光軸とほぼ平
行になる、すなわち像面とほぼ垂直に交わることをい
う。これは、光学系の射出瞳位置が像面から十分離れる
ことと言い換えることができる。像側のテレセントリッ
ク性が必要である理由は、CCD等の撮像面から物体側
に位置する色フィルターが、撮像面からやや離れた位置
にあるために、光線が斜めから入射した場合、その一部
が遮光されて、実質的な開口効率が減少する(シェーデ
ィングという)という不具合を解消もしくは緩和するた
めである。特に、最近の高感度型のCCD等において
は、撮像面の直前にマイクロレンズアレーを配している
ものが多いが、この場合も同様に、射出瞳が十分離れて
いないと、撮像面の周辺領域では開口効率が低下してし
まうという不具合があるので、像側のテレセントリック
性を良好とすることは、大きな意義を持つといえる。
であること CCD等においては、本来的にその構造に起因する保護
用のガラス板を撮像面の前に配置する必要がある。それ
以外にも、撮影レンズの光学系とCCD等との間には、
一般的には幾つかの光学素子を挿入する空間が必要とさ
れる。このような光学素子としては、CCD等の周期構
造に起因して発生するモアレ現象等を防止する目的で挿
入されるオプチカルローパスフィルターや、CCD等の
赤外波長域での感度を低下させて人の目の比視感度に近
づける目的で、やはり光学系とCCD等の間に挿入され
る赤外吸収フィルターなどがある。従って、デジタルス
チルカメラ用の撮影レンズには、かかるガラス板や光学
素子等を収容すべく、ある程度のバックフォーカスが必
要となる。
レンズには、銀塩カメラ用のレンズ等と比べて、満たす
べき3つの特性(条件)があるが、最近になって「像側
のテレセントリック性」の要求については、CCD等の
色フィルターやマイクロレンズアレーの配列の見直しに
よって、また、「バックフォーカス」の要求について
は、オプチカルローパスフィルター他の材質の見直しと
共に、CCD等の構造を根本的な所から見直すことで改
善の兆しが見えてきているという実情がある。これらの
改善によって条件的に緩和された分について、よりコン
パクト性や経済性を意識することによって、デジタルス
チルカメラ用としての特性を生かした撮影レンズの開発
を行うための環境が出来つつある状況となっている。
つ構成枚数が少なく、コンパクトな撮影レンズを提供す
ることにある。
ンズにおいては、最も物体側に開口絞りを配し、以降物
体側より順に、第1レンズ群、第2レンズ群、及び第3
レンズ群から構成され、前記第1レンズ群は物体側より
順に、正の屈折力を有する第1レンズ、及び前記第1レ
ンズと接合して配置され、負の屈折力を有する第2レン
ズを配して構成され、かつ、該第2レンズは、物体側に
凹面を向けたメニスカスレンズであり、前記第2レンズ
群は、少なくとも1つの屈折面を非球面形状とし物体側
に凹面を向けたメニスカスレンズである第3レンズのみ
で構成され、前記第3レンズ群は、少なくとも1つの屈
折面を非球面形状とし、物体側に凸面を向けたメニスカ
スレンズである第4レンズのみで構成され、以下の条件
式を満足することを特徴とする。 0.80<f/f1,2<1.00 (1) −0.10<f/f4<0.45 (2) 0.2<|f/r2−2|<1.6 (3) 2.9<|f/r3−1|<4.4 (4) 2.0<f/d1<2.9 (5) ただし、 f:全系の焦点距離 f1,2:第1レンズと第2レンズの合成焦点距離 f4:第4レンズの焦点距離 r2−2:第2レンズの像側の面の曲率半径 r3−1:第3レンズの物体側の面の曲率半径 d1:第1レンズの中心厚 このような構成にすることにより、画面全域にわたって
良好な収差補正がなされたコンパクトな撮影レンズが実
現できる。その理由を以下に説明する。
な正の屈折力を有する第1レンズ群と、それに続く小さ
な屈折力を有する第2レンズ群及び小さな屈折力を有す
る第3レンズ群とから構成し、つまり、第1レンズ群に
レンズ全系の主な屈折力を持たせることにより、レンズ
全長の小型化を図っていることである。
群を正の屈折力を有する第1レンズ、負の屈折力を有す
る第2レンズ、の2枚で構成することにより、主に軸上
付近の球面収差、コマ収差、色収差を補正し、第2レン
ズ群(第3レンズ)を少なくとも1つの屈折面を非球面
形状とし物体側に凹面を向けたメニスカスレンズとする
ことにより、主にコマ収差、非点収差を良好に補正し、
第3レンズ群(第4レンズ)に少なくとも1つの非球面を
持たせることにより、主に歪曲収差を良好に補正してい
る。さらに、第1レンズ群中の第2レンズを物体側に凹
面を向けたメニスカスレンズとすることにより、第1レ
ンズとの接合面で色収差、球面収差を良好に補正できる
とともに、第2レンズの像側の面が凸面となるので、物
体側の面が凹面である第3レンズとのぶつかり高さ(対
向する光学面同士が光軸から離れた位置で当接し合うこ
と)を確保し、軸上空気間隔を小さくすることが可能と
なり、レンズ全長の小型化に有利となる。また、第3レ
ンズ群(第4レンズ)は、物体側に凸面を向けたメニス
カスレンズであることが好ましく、特に周辺部にて、歪
曲収差やテレセントリック性を良好に補正することが可
能となる。
効果について説明する。(1)式は、第1レンズ群の屈
折力を規定するもので、値f/f1,2が、その上限値
以上であれば、第1レンズ群の屈折力が大きくなるの
で、球面収差、コマ収差が大きくなってしまい、また第
1レンズ群を構成しているレンズの球面の曲率半径が小
さくなるため、加工が困難となる。一方、下限値以下で
あれば、単レンズで構成されている第2レンズ群及び第
3レンズ群の屈折力を大きくせざるをえなくなり、それ
により色収差が大きくなってしまう。
レンズの屈折力に関するものである。値f/f4が、そ
の上限値以上であれば、第3レンズ群の屈折力が大きく
なり、レンズ全系としての望遠比(焦点距離に対する全
長)が大きくなり、小型化が困難となる。一方、下限値
以下であれば小型化に有利であるが、周辺部のテレセン
トリック性が劣化し、歪曲収差の補正も困難となる。
の形状に関するものである。値|f/r2−2|が、上
限値以上であれば、第2レンズの像側の面の曲率半径が
小さくなり、主に軸上色収差を良好に補正するために第
2レンズの物体側の面の曲率半径を特に小さくする必要
が生じ、加工性が悪化し、又、球面収差の補正も困難と
なる。一方、下限値以下であれば、第3レンズの物体側
の面とのレンズ面同士でのぶつかり高さを確保するため
に、第3レンズとの軸上空気間隔を大きくとる必要が生
じ、小型化が困難となる。
レンズの形状に関するものである。値|f/r3−1|
が、上限値以上であれば、第3レンズの物体側の面の曲
率半径が小さくなり、軸外コマフレアが増大し、結像性
能が劣化する。一方、下限値以下であれば、第3レンズ
出射後の軸外主光線角度が大きくなり、テレセントリッ
ク性が劣化する。
の形状に関するものである。値f/d1が、下限値以下
であれば、第1レンズが厚くなりすぎて、十分なバック
フォーカスを確保できなくなる。一方、上限値以上であ
れば、バックフォーカスは確保しやすいが、第1レンズ
の加工性が悪化する。
前記第3レンズおよび第4レンズはいずれも、樹脂素材
により形成され、以下の条件式を満足することを特徴と
する。 |f/f3,4|<0.35 (6) ただし、 f3,4:第3レンズと第4レンズの合成焦点距離
群、すなわち、第3レンズと第4レンズの合成屈折力に
関するものである。第2レンズ群,第3レンズ群をとも
に樹脂素材、すなわちプラスチックで形成すると、非球
面の適用が容易になるとともに、コスト低減の効果が期
待できる。但し、プラスチックレンズの特徴として、温
度変化時の影響を受けやすくなるが、第2レンズ群,第
3レンズ群の合成屈折力を示す値|f/f3,4|を、
(6)式の範囲内にすることで、温度変化時の焦点位置
移動を十分小さくすることが可能となる。
件式を満足することを特徴とする。 27<ν1−ν2 (7) ただし、 ν1:第1レンズのアッベ数 ν2:第2レンズのアッベ数
のための条件であり、値ν1−ν2を下限値より大きく
することで、特に軸上色収差の補正を容易にできる。
撮影レンズを用いることで、コンパクトでありながら高
画質な画像を撮影できる撮像装置を提供できる。
実施例で用いる符号として、rはレンズ各面の曲率半
径、dはレンズ厚、またはレンズ間隔、ndは屈折率、
νdはアッベ数を示すものとする。又、これより示すレ
ンズデータ内において、10のべき乗数(例えば、2.
5×10−3)を、E(例えば、2.5×E−03)を
用いて表している。
直交する方向にY軸をとり、近軸曲率半径をr、円錐定
数をK、非球面係数をA、B、C、D、Eとしたとき、
次式で表している。 Z=(Y2/r)〔1+√{1−(1+K)(Y/r)
2}〕+A・Y4+B・Y6+C・Y8+D・Y10+
E・Y1 2‥‥
わしており、温度変化による屈折率の変化は以下の通り
である。また、Sは開口絞りを表している。 常温での屈折率 :1.492 常温+30℃での屈折率 :1.488
あり、Aが開口絞り、L1が第1のレンズ、L2が第2
のレンズ、L3が第3のレンズ、L4が第4のレンズ、
Cが撮像素子(図示せず)に一体的もしくは別体で設け
られるCCDフェースプレートやローパスフィルター等
のカバー基板である。かかる実施例1の撮影レンズの収
差図を図2に示す。尚、図2の球面収差図中、実線がd
線に関する収差であり、点線がg線に関する収差であ
る。又、図2の非点収差図中、実線がサジタル像面に関
する収差であり、点線がメリジオナル像面に関する収差
である。
あり、Aが開口絞り、L1が第1のレンズ、L2が第2
のレンズ、L3が第3のレンズ、L4が第4のレンズ、
Cが撮像素子(図示せず)に一体的もしくは別体で設け
られるCCDフェースプレートやローパスフィルター等
のカバー基板である。かかる実施例2の撮影レンズの収
差図を図4に示す。尚、図4の球面収差図中、実線がd
線に関する収差であり、点線がg線に関する収差であ
る。又、図4の非点収差図中、実線がサジタル像面に関
する収差であり、点線がメリジオナル像面に関する収差
である。
あり、Aが開口絞り、L1が第1のレンズ、L2が第2
のレンズ、L3が第3のレンズ、L4が第4のレンズ、
Cが撮像素子(図示せず)に一体的もしくは別体で設け
られるCCDフェースプレートやローパスフィルター等
のカバー基板である。かかる実施例3の撮影レンズの収
差図を図6に示す。尚、図6の球面収差図中、実線がd
線に関する収差であり、点線がg線に関する収差であ
る。又、図6の非点収差図中、実線がサジタル像面に関
する収差であり、点線がメリジオナル像面に関する収差
である。
してきたが、本発明は上記実施の形態に限定して解釈さ
れるべきではなく、適宜変更・改良が可能であることは
もちろんである。例えば、本発明の撮影レンズは、デジ
タルスチルカメラ等の撮像装置に限らず、銀塩カメラに
用いても良い。
が少なく、コンパクトな撮影レンズを提供することがで
きる。
Claims (3)
- 【請求項1】 最も物体側に開口絞りを配し、以降物体
側より順に、第1レンズ群、第2レンズ群、及び第3レ
ンズ群から構成され、前記第1レンズ群は物体側より順
に、正の屈折力を有する第1レンズ、及び前記第1レン
ズと接合して配置され、負の屈折力を有する第2レンズ
を配して構成され、かつ、該第2レンズは、物体側に凹
面を向けたメニスカスレンズであり、前記第2レンズ群
は、少なくとも1つの屈折面を非球面形状とし物体側に
凹面を向けたメニスカスレンズである第3レンズのみで
構成され、前記第3レンズ群は、少なくとも1つの屈折
面を非球面形状とし、物体側に凸面を向けたメニスカス
レンズである第4レンズのみで構成され、以下の条件式
を満足することを特徴とするコンパクトな撮影レンズ。 0.80<f/f1,2<1.00 (1) −0.10<f/f4<0.45 (2) 0.2<|f/r2−2|<1.6 (3) 2.9<|f/r3−1|<4.4 (4) 2.0<f/d1<2.9 (5) ただし、 f:全系の焦点距離 f1,2:第1レンズと第2レンズの合成焦点距離 f4:第4レンズの焦点距離 r2−2:第2レンズの像側の面の曲率半径 r3−1:第3レンズの物体側の面の曲率半径 d1:第1レンズの中心厚 - 【請求項2】 前記第3レンズおよび第4レンズはいず
れも、樹脂素材により形成され、以下の条件式を満足す
ることを特徴とする請求項1に記載のコンパクトな撮影
レンズ。 |f/f3,4|<0.35 (6) ただし、 f3,4:第3レンズと第4レンズの合成焦点距離 - 【請求項3】 以下の条件式を満足することを特徴とす
る請求項1又は2に記載のコンパクトな撮影レンズ。 27<ν1−ν2 (7) ただし、 ν1:第1レンズのアッベ数 ν2:第2レンズのアッベ数
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