JP2003252010A - スパイク用芯棒、スパイク、タイヤ及び履物 - Google Patents
スパイク用芯棒、スパイク、タイヤ及び履物Info
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Abstract
安全性の高いスパイク用芯棒、スパイク、タイヤ及び履
物を提供する。 【解決手段】 温度応答性を有する第1の高分子材料で
含浸された、複数本の線状の芯材11と、複数本の線状
の芯材11を包んで束ねるカバー材12とを備え、前記
温度応答性は0℃近傍の転移温度より低温で硬化し前記
転移温度より高温で軟化する性質であるスパイク用芯
棒。例えば0℃より低温の凍結路面ではスパイク効果が
発現し、0℃より高い高温の非凍結路面では軟化するの
で、路面を傷つけることがない。
Description
スパイク、タイヤ及び履物に関し、特に氷雪上でのすべ
り止めに適し、また粉塵発生を抑制するいわゆるエコ・
スパイク用芯棒、スパイク、タイヤ及び履物に関するも
のである。
ヤとしては、金属スパイクを埋め込んだスパイクタイヤ
が普及しており、冬季凍結路面の安全を確保してきた。
しかし、車社会の発達と共に、金属スパイクが舗装道路
を削り「粉塵公害」や「路面補修費」の増大を招いた。
この代替としてスタッドレスタイヤが出現し、粉塵公害
は解消できた。また、スパイクを埋め込んだ靴底も床材
の合成タイルや大理石を傷め、列車内等における人的安
全面でも金属は問題となっており、多くの自治体におい
て禁止されるに到った。
タッドレスタイヤは、路面を削らない代りに、凍結路面
の安全性に課題を残した。わが国においては、金属スパ
イク禁止条令が施行されたが、大型車輌や山岳地帯など
下り坂や登坂の性能確保に課題を残している。
い、また凍結路面における安全性の高いスパイク用芯
棒、スパイク、タイヤ及び履物を提供することを目的と
している。
に、請求項1に係る発明によるスパイク用芯棒10は、
例えば図1に示すように、温度応答性を有する第1の高
分子材料で含浸された、複数本の線状の芯材11と;複
数本の線状の芯材11を包んで束ねるカバー材12とを
備え;前記温度応答性は0℃近傍の転移温度より低温で
硬化し、前記転移温度より高温で軟化する性質(例えば
図13に示す)である。含浸材は典型的にはプラスチッ
クであり、特にエポキシ樹脂が適している。
る第1の高分子材料で含浸された、複数本の線状の芯材
11と、複数本の線状の芯材11を包んで束ねるカバー
材12とを備え、前記温度応答性は0℃近傍の転移温度
より低温で硬化し、前記転移温度より高温で軟化する性
質であるので、本スパイク用芯棒は例えば0℃より低温
の凍結路面ではスパイク効果が発現し、0℃より高い高
温の非凍結路面では軟化するので、路面を傷つけること
がない。
る発明によるスパイクは、例えば図2に示すように、請
求項1に記載のスパイク用芯棒10と;芯棒10を保持
する円筒形の保持穴が中心部に形成された、温度応答性
を有する第2の高分子材料で作られた保持構造23とを
備え;前記温度応答性は0℃近傍の転移温度より低温で
硬化し、前記転移温度より高温で軟化する性質である。
ここで、第2の高分子材料は例えばプラスチック、ゴム
等である。
る発明によるスパイクは、例えば図1(c)、図2に示
すように、温度応答性を有する第2の高分子材料で作ら
れ、中心部に円筒形の保持穴の形成された保持構造23
と;前記保持穴に保持された芯棒20であって、線状の
芯材21と、芯材21の周囲を包むカバー材22とを含
んで構成された芯棒20とを備え;前記温度応答性は転
移温度より低温で硬化し、前記転移温度より高温で軟化
し、前記転移温度が0℃近傍の温度である。第2の高分
子材料は例えばプラスチック、ゴム等である。
る発明によるスパイクは、例えば図1(c)、図2に示
すように、温度応答性を有する第2の高分子材料で作ら
れ、中心部に円筒形の保持穴の形成された保持構造23
と;前記保持穴に保持された、中心部に中空穴が形成さ
れた線状の芯棒22とを備え;前記温度応答性は転移温
度より低温で硬化し、前記転移温度より高温で軟化し、
前記転移温度が0℃近傍の温度である。
る発明によるタイヤ35は、例えば図2(a)に示すよ
うに、スパイクを埋め込む複数の穴36の形成されたゴ
ム製のトレッドと;前記トレッドに埋め込まれた請求項
1に記載のスパイク用芯棒又は請求項2乃至請求項4の
いずれか1項に記載のスパイクとを備える。
る発明による履物は、例えば図9に示すように、スパイ
クを埋め込む複数の穴41の形成された履物底40と;
履物底40に埋め込まれた請求項1に記載のスパイク用
芯棒又は請求項2乃至請求項4のいずれか1項に記載の
スパイクとを備える。履物底は典型的には、ゴム製であ
る。
て、図面を参照して説明する。なお、各図において互い
に同一あるいは相当する部材には同一符号または類似符
号を付し、重複した説明は省略する。図1は、本発明に
よる実施の形態であるスパイク用芯棒の斜視図である。
保と延命手段の確保のため、基本的に、下記の項目を満
たすものである。 (1)タイヤトレッドゴム及び外周を構成する高分子組
成物より、芯棒の方が耐磨耗性(テーバ式磨耗試験機に
よる)に優れている材料を選択する。 (2)露出路面が常温であれば、芯棒が屈曲し摩擦抵抗
を緩和する作用を発現させる。 (3)連続長繊維と高分子マトリックスを複合する一軸
方向または直交二軸方向繊維の強化構造を採用し、延命
手段を確保する。 (4)温度応答性は高分子マトリックスが支配し、繊維
は補強性を支配する知的応答機構を付加させる。
るスパイク用芯棒の構造を説明する。(a)は、実施の
形態の芯棒10の構造を示す斜視図である。なお芯材の
様子が分かりやすいようにカバー材の一部を切りとって
示してある。図中スパイク用芯棒10は、複数の線状の
芯材11を束ね、芯材11の束の外周をカバー材12で
覆ってある。家庭用電気機器の電線でいえば、芯材11
が細い銅線に該当し、カバー材12が電線の外皮に該当
する。即ち、従来の電線の銅線に相当する部分を繊維状
の芯材11に代替したものである。
チックを含浸させてある。含浸させるプラスチックは図
15に示す配合のものである。
うな高分子材料である。表中で最もカバー材として適し
た材料は、ポリエーテル・エーテルケトン樹脂(いわゆ
るPEEK樹脂)である。表の高分子材料の名称/メー
カ名/商品名は次の通りである。 ナイロン66/旭化成(株)/レオナ1300S ポリエーテル・エーテルケトン/住友化学化(株)/
PEEK#459CA30 アイモノマー樹脂(エチレン・メタアクリル酸共重体
+Zn)/三井デュポンポリケミカル株式会社/HIM
ILAN#1706 超高分子量ポリエチレン(分子量340万)/三井化
学(株)/ハイゼックスミリオン 3弗化塩化エチレン/東邦化成株式会社/TOHO−
PCTFE
て必要な物理的強度、特に耐座屈強度を有しているか
は、図16に示す試験装置を用いて判定した。即ち、鋼
鈑に対する20%変形における*印の座屈変形出力を測
定し、6MPa(60kgf/cm2)を超えた材料を
本発明の実施材料とし選択した。
のである。
の表の材料の芯材11に図15の表の液状高分子を含浸
させ、図3の表の高分子材料のカバー材12と共に、電
線押出機を用いて2mmφに押出した。図1(a)は、
「電線型芯棒」の長尺形態を示す斜視図である。本図で
は、芯材11の様子が分かるように、カバー材12の一
部を剥ぎ取って示してある。ここで液状高分子とは、高
分子材料を溶剤で溶かして液状にしてもよいし、昇温し
て溶融させ液状にしてもよい。(b)は、(a)の芯棒
を長さ6.5mmに切断した「エコ・スパイク用の芯
棒」の実施例である。この長さの芯棒は、スパイクタイ
ヤや凍結路面用履物に適している。
示す配合表に記載された高分子材料を芯材11に含浸さ
せてある。なお含浸させた後、芯棒10を熱風乾燥炉中
で125℃に8時間維持し、該高分子材料を架橋させ
た。その結果、いわゆる知的応答機構として芯棒10が
形成され、該芯棒10の特性を振れ自由減衰型粘弾性測
定機で測定し、ガラス転移温度(Tg)が0℃近辺であ
ることを確認した。
態の芯棒20を説明する。図中、22はカバー材(外側
の高分子材料)であり、ゴム系及び樹脂系の高分子材料
が使われている。一実施例では、図14の配合表に示す
ゴム系組成物を用いた。やはり知的応答機能として、シ
ョアA(ShoreA)硬度が0℃で90以上、−7℃
で100以上となつた。カバー材22は、中空の円筒状
に形成されている。該中空は、芯材21を装填する装填
穴である。
料の単一材料で作られた中実の円筒状芯材である。この
芯材21を、カバー材22の前記装填穴に装填し、合体
してスパイク用芯棒20を形成する。一実施例では、芯
材21はカバー材22の端面から突出量1.5mmをも
って突出させた。この複合構造のスパイク用芯棒20
も、スパイクタイヤや凍結路面用履物に用いるのに適し
ている。
空穴を形成した構造の中空芯材21’を前記実施の形態
の中実芯材21の代わりに用いて芯棒20’としてもよ
い。
して好ましい無機質繊維材料は以下のようなものであ
る。 (1)シリカ繊維、炭素繊維、ステンレス鋼、タングス
テン鋼及びそれら合金の直径500μ以下の極細繊維で
ある。 (2)これら極細繊維は剛性を有せず、有機繊維に酷似
した屈曲性を有するものである。 (3)本発明の実施の形態では、従来概念の金属と極細
繊維は有機繊維とは区別し、これらを無機質繊維とし
た。 (4)一実施例では、ステンレス鋼の直径40μの極細
繊維を用いた。 (5)有機繊維として、ポリアラミド繊維(通称:ケブ
ラー(KEVLAR)(米)デュポン社)を用いた。 (6)これらの繊維は軟化点を有せず、摩擦断面は熱溶
融しないので、繊維束に含浸されたは高分子材は、先端
部では熱溶融、冷却が繰り返されるが、熱摩擦で発現す
るプラスチックス特有の綿菓子現象が抑制された。
芯材単体及び外周のカバー材を構成する材料の例を示
す。該表に示すのは、ナイロン66樹脂、3弗化塩化エ
チレン樹脂、超高分子量ポリエチレン(分子量450
万)樹脂、アイモノマー(エチレンメタアクリル酸+亜
鉛)樹脂、ポリエーテル・エーテルケトン(通称PEE
K)樹脂である。これらを選択して、本発明の実施例の
芯棒のカバー材として用いた。物理的性質はメーカのカ
タログ開示値を示す。
ある。名称等は、名称/メーカ名/商品名の順で示す。 ナイロン66/旭化成(株)/レオナ1300S ポリエーテル・エーテルケトン/住友化学化(株)/
PEEK#459CA30 アイモノマー樹脂(エチレン・メタアクリル酸共重体
+Zn)/三井デュポンポリケミカル株式会社/HIM
ILAN#1706 超高分子量ポリエチレン(分子量340万)/三井化
学(株)/ハイゼックスミリオン 3弗化塩化エチレン/東邦化成株式会社/TOHO−
PCTFE 上記の〜の材料の物理的強度、特に耐座屈強度が、
本発明の芯棒に適用できるかは、図16に示す試験装置
を用いて判定する。即ち、例えば鋼鈑に対する20%変
形における*印の座屈変形出力を測定し、6MPa(6
0kgf/cm 2)を超えた材料を本発明の実施材料と
し選択した。
合スパイク温度と突出量の関係を示す。該表に記載の数
値は、図10に示す形状の「複合スパイク」に関するも
のである。下記符号は、図10の符号に対応する。 32:芯棒の外径は1.9mmφ h0:長さ6.5mm&8.5mm h1:突出量は1.5mm 32a:繊維芯の直径は0.8mmφ 33:外側ゴムの直径は5mmφ×内径1.8mmφ 高さ(h0+h2−h1)=10.5mm 鍔部:外径7mmφ×厚み1.2mm バネ効果を有する部分の高さh2は6mm及び4mmと
し、突出量h1は1.5mmに設定した。各温度におけ
る荷重1000N(100kgf)の圧縮実験結果よ
り、バネ変形量(6mm/4mm)における芯棒の突出
量を求めた。 h4:保持構造33の圧縮量
す。−7℃以下の低温氷における氷砕能力を確保するた
めには、例えば、1300ccクラスの車輌重量の場
合、求めるピンの直径は、2mmφとすると良いことが
分かった。本発明の実施の形態の芯棒は、下記の計算に
基づいて設計した。 求める芯棒の直径:d 芯棒の貫入面圧:ρ ピン/トレッド荷重負担率:ν 車の総重量:Wc 限界速度:Vcr さらに、車にタイヤは4本備わっており、その1本のタ
イヤの接地面積内に埋め込まれたピンの数をηとすれ
ば、力のつりあいから次式がえられる。 νWc=πd2ρη …式1 これから d=(νWc/πρη)1/2 …式2 ここで、Wc=1300kg、ν=0.5、ρ=52M
Pa(5.2kgf/mm2)、η=10 とすれば、式2より、 d=(0.5×1300×9.81/π×10×52×
106)1/2 ≒0.002m=2mm と求められる。
芯材として用いられる繊維の材料を説明する。本表は、
本発明の実施の形態で用いた種々の材料を組み合わせた
芯棒に関する試験結果であり、項目の最大出力が鋼鈑上
で200N(20kgf)以上、氷砕200±10N
(20±1kgf)の値を示したものが記載されてい
る。試験は、図16に示す試験装置で行った。
a(500kgf/cm2) 座屈有/無の判定:鋼板試験で座屈した最大出力を示
す。氷の試料:120mm×120mm×30mmのア
ルミ製皿を用い、水道水を20mmの高さに注水し、温
度を−20℃に設定した冷凍庫で24時間冷却した製氷
を皿と共に取出し、5分以内で測定した。芯棒は、図1
6に示す加圧測定軸に取付た後、冷凍庫で10分間冷却
した。芯棒の材質に記載したステンレス鋼繊維のモノフ
イラメントの直径は10μと微細形態であり、本発明で
は無機質繊維に属する。商品名、ナスロン/日本精線
(株)の繊維を用いた。
説明する。氷に対する突入速度と車輌速度の関係は、次
の式3で示される。本発明の実施の形態では、大型車用
のスパイクを想定している。その場合、式2を用いた計
算結果より、5mmφ芯棒では、突入量1mmの車輌速
度は36km/hrであり、突入量1.5mmは24k
m/hrと導かれる。制動開始速度は最低36km/h
r以下で発揮される。
転を停止した時の、それぞれの制動メカニズムの違いは
次の通りである。スタッドレスタイヤは、接地面積によ
る摩擦エネルギーの損失が制動距離を定める。一方、ス
パイクタイヤは、タイヤの接地面積による摩擦損失に加
えて、ピンが氷を破壊するエネルギーが制動距離を定め
る。氷上でブレーキを踏んだ時の車輌速度(V’s)
は、慣性速度(Vs)と同じであり、突入速度(Vip
)=限界速度(Vcr)=車輌速度(V’s)とな
る。ここで、 Vcrでの突入量:(L)1mm 氷の温度:―7℃以下(−7℃より低温側) Vip :100mm/s(実験結果による) とすれば、車輌速度Vsがピンが氷を突刺すVip を
上回る場合、スパイク効果が発揮されないことになる。
記の式になる。 Vcr/s=π・Dt・N/s≦Vip/s すなわち、実験結果Vipは、重量(Wc)が2080
kg(=2000kg+人員80kg)の大型車輌であ
り、Ppはタイヤ4本の1本分の52520MPaに相
当する。すなわち、Vs≦0.0036=Vipであ
り、芯棒のd(5mmφ)、L(1mm)に換算すると
Vs及びVcrは36km/hrと導かれる。
φ)に換算すると、d(5mmφ)芯棒の2.5倍速く
なり、これをVs及びVipに換算すると、Vcrは9
0km/hr近辺となる。更にLを1.5mmと深くす
れば、V’sは遅くしなければならない。すなわち、反
比例となる。したがって、L=1.5mmの場合は、V
crは 60km/hrと導かれる。さらに、1200
ccクラスの車輌の重量が大型車輌の45%に等しいと
おき、またVcrは40km/h近辺であり、L=1.
5mmのVcrは27km/hrとなる。市販の普通
車、軽四輪の場合を計算すると、1.1200ccクラ
スの車輌の重量は1300kgであり、この補正率は、
(1300kg+80kg)/2080kg×100≒
66%となる。よって、2000cc クラスの車輌の
重量Wcで、直径d’2mm・L=1mmの場合は、1
35km/h×66%≒90km/h(Vcr)と補正
され、直径d’=2mm・L=1.5mmは、90km
/h×66%≒60km/h と、それぞれ補正され
る。2.車輌重量Wcが680kg(≒600kg+8
0kg)の軽車輌の場合の補正率は、 680kg/2080kg×100≒33% 直径d’2mm(L=1mm)の場合のVcrは、 135km/h×33%≒45km/h 直径d’=2mm・L=1.5mmの場合のVcrは、
90km/h×33%≒30km/h となる。よっ
て、実施の形態の芯棒2mmφは、氷温、氷の形態及び
制動開始速度に影響を受けずに、時速40km/hr以
下でスパイク効果が発現されるものとなった。
芯棒を埋め込んだ製品の実施例を説明する。(a)はス
パイクタイヤの実施例を示す一部断面図である。スパイ
ク30は、先端4mmφ底部5mmφの円錐台の底部に
7mmφ円盤状の鍔の形成された保持構造23の、円錐
台部分の中心に芯棒20が挿入されて合体した、芯棒合
体スパイクである。図では一部を断面して示されてい
る。なお芯棒20の代わりに芯棒10を用いてもよい。
配合表に示される組成物(高分子材料)で構成されてい
る。芯棒20は、図3に示されるポリエーテル・エーテ
ルケトン樹脂である。図1(c)を参照して説明したカ
バー材と同じものである。
パイク30を装填し合体した様子を示す。さらに、タイ
ヤトレッド部分の部分拡大図を示す。タイヤには、金属
スパイク用のタイヤ本体に予め設置した穴36が形成さ
れている。穴36の最奥部、タイヤの内部には、金属ス
パイクの鍔状の底部を固定する直径3.5mmφの円盤
状断面の空洞が形成され、該空洞とタイヤの表面との間
には、直径2mmφ、長さ10mmの円筒状の穴が形成
されている。この穴36に、スパイク30を埋め込む
と、穴36は、スパイク30より小さいので穴36は拡
大され、スパイク30はタイヤ35にしっかりと保持さ
れる。
芯棒10を履物の底に適用した場合である。履物底40
には、芯棒10より直径が小さく、深さは芯棒10の全
長よりも浅い穴41が形成されている。穴41に約6.
5mmの芯棒10を埋め込む。埋め込む際に穴41と芯
棒10との間に接着剤を用いてもよい。また芯棒10の
代わりに、図1(c)の芯棒20又は芯棒20’を用い
てもよい。
明する。図示するのは、金属スパイク固有の固定方法で
あるが、この方法を利用して本発明の実施の形態である
スパイク又はスパイク用芯棒をタイヤ等に埋め込むこと
ができる。
(a)で説明したスパイク30と類似のスパイクであ
る。スパイク30との相違点は、保持構造23が円錐台
ではなく、円筒形状をしていることである。芯棒を装填
するタイヤには、大きな溝であるグルーブ37、小さな
溝であるサイプ38、スパイクの装填穴36’が形成さ
れている。
穴36’には、スパイク30’が装填される。即ち、装
填穴36’はスパイク30’より小さく形成されてお
り、スパイク30’の胴体及びツバの部分に対応する装
填穴36’が押し広げられてトレッドに固定される。本
発明の実施の形態の合体スパイクは、金属スパイク用の
穴に適応でき、また、装填用の打込み冶具(不図示)
も、従来通り使用できる利点がある。その他ツバのない
形態及び穴の寸法がスパイクより大きい場合は接着剤で
固定する。鍔付きスパイクに接着剤を用いてもよい。
態である、種々の形態の芯棒を説明する。なお図中、断
面図の上に描かれているのは芯棒の平面図(芯棒の中心
軸方向に見た図)である。
たもので中実円筒形状をしている。(b)の芯棒52は
中空型に形成されたもので中心部に穴があいている。
(c)の芯棒53は2重構造に形成されたもので、芯棒
52と同様な芯材53bの中心部の穴に別の中実の芯材
53a(芯棒51と同様でそれより細い)が装填されて
形成されている。(d)の芯棒54は3重構造に形成さ
れたもので、芯材53bと同様な芯材54cの中心部の
穴に別の中空の芯材54bが装填され、芯材54bの中
空穴に中実の芯材54a(芯材53aと同様でそれより
細い)が装填されて形成されている。
るインサート穴に装填される。
棒51の直径aは、0.5mmφ乃至5mmφである。
2mmφ以下のものは、主に靴用に用いられる。2mm
φ以上のものは、小型車輌から大型車輌に使用される。
芯棒51の長さbは、5mm乃至20mmである。乗用
車クラスは5mm乃至10mmのものが使用され、大型
車輌用としては、20mmまでのものが使用される。寸
法は、タイヤサイズに応じて適宜選択される。
用される各種スパイク用保持構造の形態とその胴体断面
図の具体例を説明する。図には、各保持構造の正面図
と、平面図、底面図がそれぞれ示されている。
り、円錐台の底部に円板状の鍔が形成されその下部には
高さの低い逆円錐の出っ張り(突出部)が取りついた形
状に形成されている。円錐台の中心には芯棒を装填する
穴が形成されている。(b)に示す保持構造62は、円
筒型であり、円筒の底部に円板状の鍔が形成されその下
部にはドーム状(高さの低い半球状)の出っ張りが取り
ついた形状に形成されている。円筒の中心には芯棒を装
填する穴が形成されている。(c)に示す保持構造63
は、星型(多角形)であり、断面が星型の筒の底部に円
板状の鍔が形成されその下部は平坦に形成されている。
星型の筒の中心には芯棒を装填する穴が形成されてい
る。
3種の保持構造について、それぞれ逆円錐型、ドーム
型、無しであるとして説明したが、これらは相互に組合
せを変えてもよく、これら底部の形態で、バネ効果が自
由に微調整できる。
の斜視図(c)を参照して、靴底スパイクの実施の形態
を説明する。本発明の実施の形態の靴底40本体に予め
設ける穴41は芯棒より小さい。また本実施の形態で
は、芯棒を靴底に結合する方法は、接着剤を用いた接着
方式である。ここでは、芯棒として底部に鍔を有さない
ものを用いており、芯棒の抜け落ちを防ぐ手段として接
着剤を用いている。
は、その本体に予め芯棒装填用の円筒形の穴41が設け
られている。靴40のソール部、ヒール部に、それぞれ
穴41が設けられている。穴に装填したとき先端が靴底
の表面から突出する長さの芯棒10−1を装填した状態
と短い芯棒10−2を装填して、芯棒の先端が靴底と面
一になった状態とを示してある。それぞれ穴は同じ寸法
であり、芯棒先端が突出するか、或は面一になるかは芯
棒の長さで決定される。
底に適当な間隔で配置されている。実施例では、装填穴
の直径は1.5mmφ、芯棒10−1、10−2の外径
は1.9mmとした。
で採用した芯棒の形態を説明する。実施例で使用した芯
棒の直径は1.9mmφであった。ここに示すのは
(1)は、単一(ソリッド型)形状、(2)は、中空
(パイプ型)形状、(3)は、繊維入り(電線型)形
状、(4)は、高分子含有繊維形状(高分子材料を含浸
させたもの)である。それぞれの特性にあわせて、靴
底、タイヤ等に使い分ける。
成と材料につき説明する。(a)はスパイクの上面図、
(b)は芯棒の突出した状態の断面図であり、低温時に
対応する。(c)は芯棒が保持構造の中に押し込まれた
状態の断面図であり、高温時に対応する。
する保持構造33で構成されている。芯棒32は、中実
の棒状芯材32aとそれをカバーする中空カバー材32
bとで構成されている。保持構造33は、芯棒32を装
填するための穴が中心に形成された円筒部とその一端の
底部に形成された鍔部(固定用外輪)とで構成される。
鍔部の下方(円筒部の反対側)には、逆円錐、又は逆円
錐台の出っ張りが形成されている。
の穴の深さよりも長く形成されている。さらに言えば、
芯棒32は、保持構造33の中心部の穴に装填した状態
で、保持構造33の鍔部と反対側の端面から突出する。
繊維に高分子材料を含浸した、高分子含浸繊維で構成さ
れる。特に中実の芯材32aは、高分子含浸繊維ででき
ている。また、保持構造33は、図14の配合表の温度
応答加硫ゴム組成物でできている。
出量を示す。低温時には、芯棒32は硬直しており、ま
た保持構造33も硬直しているので、(b)に示すよう
に芯棒32は、保持構造33の端面から突出している。
したがってスパイク効果が発揮される。
構造33も軟化するので、(c)に示すように芯棒32
に力がかかると、芯棒32の先端部は保持構造33の端
面と面一となる。したがって、スパイク効果はなくな
り、道路や床材を傷つけることがないし、スパイクの摩
耗も防止できる。
部の鍔部と底部の円錐状出っ張りがバネ効果を失い硬直
し、高温時には(c)に示すように底部の鍔部と底部の
円錐状出っ張りが軟化してバネ効果を取り戻す。鍔部と
出っ張り部の高さh2は圧縮されh2’となる。
結路面に対応し、高温時とは、無雪、常温で、路面が露
出している状態に対応する。このように本発明の実施の
形態によれば、芯棒32、保持構造33の粘弾性が温度
応答性を有するので、芯棒32に力がかかったときの圧
縮変形率が変化し、高温時はバネとして又低温時は硬直
したスパイクとして応答機能する。
の温度と突出量との関係を示す。突出制御の±mmは芯
棒の突出寸法を表し、−の数値は接地面での埋没領域を
示し、+の数値は突出領域を示している。括弧で示す数
値は突出零の制御温度を示し、本実施例では、バネ領域
6mmは−1〜−5℃の積雪地域を対象とし、4mm
は、−7℃を時には超える凍結路面を想定し制御されて
いる。
たスタッドレスタイヤと本発明の実施例であるスパイク
タイヤを使った制動試験を説明する。本試験では、−7
℃の平滑な氷上で、外径5mmφのスパイク用芯棒を装
填したタイヤを使った試験を行った。
度40km/hr以上で進入中の状態を示す。は速度
40km/hrで進入し、ブレーキ制動を開始(ロック
状態)した位置を示す。はスパイクが氷に突入しない
距離を示す。は速度36km/hrに減速されスパイ
クが氷に突入を開始する位置を示す。はスタッドレス
の停止位置を示す。は、乃至乃至のエリアで、
氷砕エネルギー+トレッド部の摩擦抵抗が加重的に機能
する距離を示す。この距離をaとする。はスパイクの
停止位置を示す。からここまでの距離をbとする。
は接地面積が大きいスタッドレスタイヤの方が、スパイ
クより、短い距離で時速36km/hrにまで減速する
ことを示す。はスパイクが氷に突入しない距離を示
す。スパイクがタイヤと氷盤の接触を阻害する反対の力
が作用し摩擦抵抗が小さくなり、時速36km/hrと
減速されるエリアが長くなる。また、aはスタッドレス
タイヤの場合の制動距離、bはスパイクタイヤの場合の
制動距離を示す。制動性能は、時速40kmでは、スタ
ッドレスタイヤの方が良く、36kmの限界速度ではa
−b=cであり、本発明の実施の形態の芯棒の制動性能
は良くなり、その限界速度における制動距離の差cを、
図中に影を付けて示してある。なお、図中(a)は全体
図、(b)はa−b=cを分かりやすく抜き出して示し
た図である。
は36km/hr以下では停止距離は短くなることを示
している。したがって、非現実的なまでに低温かつ鏡面
に加工された人造氷以外の低速走行では、スパイクの方
が制動距離は短くなる。
や、交差点、登坂や下り坂で課題があった。本発明の実
施の形態における芯棒の最大寸法である5mmφスパイ
クでも、低速運転を原則とするこれら路面では制動効果
を発現することができる。
度、そして荷重時間との関係を示す。図中縦軸には、氷
の硬さの力学的な目安としてよく使われるブリネル硬度
をとり、横軸には、温度の逆数をとってある。ブリネル
硬度は、荷重時間をパラメータとして示してある。
する−7℃までの領域を示し、実線は荷重が短時間なほ
ど、硬質となる氷の性状を示している。すなわち、本発
明の実施の形態である芯棒は、−7℃以下の凍結路及び
高速度40km/hr≦(短時間荷重)での滑りの克服
が最大目標であり、本発明の課題の克服は「ブリネル硬
さ」(Barnes et al.1971)と加重時
間との関係を示した本図で理論的に説明される。
−3℃近辺の氷温及び荷重時間が長いほど軟質であるこ
とを示しており、本発明の太めの芯棒は、交差点や傾斜
地及び極低温では低速運転に適応し、細めの芯棒は、−
7℃以上の鏡面氷を克服し、高速運転での安全性能及び
運転性能を確保することができる。
用スパイクの作用に言及する。ここで、靴の例をあげれ
ば、人間の歩行速度は約4km/hrであり、本発明の
実施の形態の2mmφ芯棒の突入速度(Vip)を、既
に求めたVs及びVcr(L=1mm)の90km/h
rを基にして、例えば、子供の体重20kgに補正する
と、事件結果Vipの重量(520kg)の3.8%に
相当し、歩行速度及びVcrは約3.43km/hrと
なる。また、大人の体重100kgに補正すれば、実験
結果の19%に相当し、歩行速度及びVcrは約17.
1km/hrとなる。これは図16の試験装置による実
験の結果より、荷重圧200N(20kgf)以内で−
20℃の氷に突入することが実験により判明している。
本発明の実施の形態の芯棒、特に芯材の直径2mmφ乃
至0.5mmφでは、更に性能向上が高く、この範囲で
自由に設計することができる。
15の配合表の高分子材料における温度応答制御の結果
を説明する。本図は横軸に温度、縦軸に硬度(JIS
(A))をとったものである。図示のように、これら組
成物は、常温から温度が低下するにつれて0℃近辺で急
激に硬度が上昇し、−5℃以下では氷を突刺す剛性を有
するに十分な硬度となることが分かる。また常温例えば
10℃以上では、粘弾性体性状を示すものとなる。すな
わち、知的応答機構の発現ということができる。本発明
の温度応答性は、10℃で、硬度(JIS(A))75
以下、好ましくは70以下、さらに好ましくは65以
下、−5℃で、85以上、好ましくは95以上、さらに
好ましくは100以上とする。
は、保持構造に適した第2の高分子材料の例である。*
1はポリノルボーネン フランス Adケミ社製であ
り、*2は日本シリカ(株)製である。この配合−1か
ら硫黄を除いた材料を、130℃に加熱したロールミキ
サーで混合練りを行い、一旦、冷却後に再度硫黄を添加
し、ロールで圧延シート化する。この組成物を任意の金
型を用い160℃×6分の条件でプレスで成形し本発明
の実施の形態の保持構造とした。
は、本発明の第1の高分子材料(繊維含浸用高分子組成
物)の例である。本実施例は、図5の表に示すエポキシ
含浸にもこれを採用している。この高分子材料は、図示
の配合表のものを撹拌機で60℃に加温しながら溶解
し、高分子固形分を約30%とした溶液を作る。
る。 前記高分子組成物を約80℃に加温した槽に、ケブラ
ー(商品名KEVLAR)繊維を浸漬して、該繊維に前
記高分子組成物を含浸させる。このようにして作られる
含浸繊維束を引き出し、任意の直径太さの撚糸としてボ
ビンに巻き取る。 公知の電線製造の押出し装置に、電線用導線の代りに
前記の含浸繊維束を使用し、図3の表に示した材料のカ
バー材(外皮)用樹脂を該樹脂の融解温度で加熱しなが
ら、含浸繊維束の外周を被うようにして引き出すと長尺
のスパイク用芯棒が得られる。 一実施例では、その長尺芯棒を5〜10mmの任意の
長さに切断し、含浸高分子の架橋を完了するために、乾
燥炉で1次100℃×2時間、2次180℃×4時間熱
風乾燥を行った。切断された繊維両端の毛細管は、1次
では含浸溶剤の放出を行い、2次で架橋反応を完了す
る。 本実施例で示すケブラー繊維は、熱可塑性ポリウレタ
ンをプライマーとして予め処理をしたものであるが、そ
の他レゾルシンホルマリン樹脂及びイソシアネート併用
系も有効である。これはポリアミド系繊維の結束を補強
する目的で行われる。
て説明する。本発明の実施の形態の芯棒は凍結路面を自
動的に識別し硬質化するので、この状態で露出路面を走
行するとすれば磨耗が起こり易い状況にあるが、一方、
氷雪路面では反対に摩擦が起きない状況に作用する。す
なわちこの反面作用が知的応答作用である。このよう
に、例えば2mmφ芯棒が凍結路面で応答し、氷を突刺
す圧力は、実験結果より、200N(20kgf)/本
の荷重である。一方、露出路面での大型乗用車(300
0kg)による芯棒1本当たりの荷重を計算すると、タ
イヤは1車輛当たり4本とすればタイヤ1本の荷重負担
率は1/4であり、また同時に接地する芯棒は10本で
あるとすれば、芯棒1本当たりの荷重負担率は1/10
であるところから、750N(75kgf)/本とな
る。また小型車(1300kg)では、325N(3
2.5kgf)と導かれる。本発明の実施の形態では、
これらの露出路面における数値を上回る座屈強度を有す
る材料が採用される。
を説明する。本試験装置は、本発明のスパイク用芯棒の
突刺能力の測定装置である。本試験装置は、試験スパイ
ク(例えば2mmφ)の芯棒106を取りつけるスパイ
ク取換冶具(ネジ止め)105を備え、取換冶具105
はスパイク試料取付軸104の先端に装着されている。
本試験装置の底部には、製氷皿108が備えられ、皿1
08中の氷は例えば−20℃の温度に保たれる。本試験
装置は、さらに入力レバー101を備え、これを下方に
押すことにより、試験用スパイクを氷に突き刺す、又は
鋼板に押しつけることができる。また、入力レバー10
1の下方には、侵入量調整スケール間隔調整装置103
が備えられ、浸入量を例えば2mmに調整する。また、
製氷皿108の上方には、スパイクの鋼板押し付け試験
用の厚さ約10mmの鋼板107がほぼ水平に設置され
ている。この鋼板は、取り外し可能である。スパイクを
氷に突き刺す氷砕試験を行うときは、鋼板を取り外す。
また、出力をデジタルで表示するデジタル式出力表示器
102を備える。本試験装置を用い、各種芯棒の鋼鈑上
の座屈圧を検証し、氷砕時の出力を計測計測する。その
試験結果は図4の表に記載されている通りである。座屈
有無の判定は、鋼板試験における最大荷重で変形した状
態を有と判定した。
は、スパイクの芯棒が、1種類以上の材料で構成される
ものであり、前記芯棒の外周に1層以上の非金属製材料
の構造を備えるスパイクの中心に位置する芯棒である。
mmφの範囲の寸法のものである。このような芯棒でマ
イナス7℃の氷盤を突刺す荷重は直径2mmφで400
N(40kgf)以下であり、直径5mmφでは100
0N(100kgf)以下であり、その突入速度は10
0mm/sec以上となる車輌タイヤ及び靴底用スパイ
クの芯棒である。
であり、その中心部にある芯材としての有機または無機
質繊維に高分子材料が含浸される。芯棒の外周の非金属
材料とは、ゴム系及び樹脂系高分子で構成され、片方材
料または双方材料に知的応答機構を有するスパイク構造
である。
記のような芯棒をタイヤまたは靴底の穴に直接装填して
もよい。
が単一体形態または中空形態の構造を有するものであっ
てもよい。
クが開発されたが、路面との摩擦によるスパイク先端部
の摩り減り「耐磨耗性」が課題となり、その延命対策と
して、先端を太くし、直径3mmφ以上の設計を余儀な
くされてきた。
が標準寸法として、耐磨耗性に優れる超硬タングステン
鋼が採用され粉塵公害を発生している。それより太い
(3.3mm〜5mmφ)非金属製スパイクは、自然の
凸凹が存在する氷上や圧雪路面及び0℃〜−3℃の比較
的軟質な氷では、「すべり止め効果」を発揮し耐磨耗性
も確保できたが、スタッドレスタイヤが基準とする氷上
試験では、マイナス7℃以下の略均一な固い氷盤ではス
パイク効果を発揮できないという課題があった。
的で特殊な鏡面氷であり、また制動試験毎に氷の傷跡を
研磨し、且つ―7℃以下の極低温下で実施されている。
これは水膜の影響を完全に排除し制動距離データを安定
させるためであり、このように自然界にない特別な条件
下である。速度は、スパイクが氷に突入する限界速度
(36km/hr)を超えるものであるが、制動試験は
高速度(40km/hr)で実施されている。このよう
な条件下を克服した制動の発現が課題であった。
は、マイナス7℃以下の氷では温度に無関係で、突入速
度は、ほぼ100mm/secと一定であることが知ら
れている。これはタイヤ面圧4000N(400kg
f)で芯棒先端部が1mm氷に侵入する突入速度は36
km/hrである。
形態の材料は、温度に無関係にロウソクの芯状で屈曲自
在である。これは、常温では90(SHORE A)以
下の硬質または半硬質であり、氷点下で90以上の剛性
を示す高分子組成物を液状化し繊維に含浸すれば、氷温
を自動的に識別する知的応答機構を発現する芯棒とな
る。
及び靴底を作り、これに予め芯棒専用の装填穴を設ける
ことにより、スパイク用芯棒を保持してもよい。このよ
うにすると、保持構造が不要となり、芯棒単一のスパイ
ク効果が発現できるものとなる。
心部に中空穴を設けでもよく、そのとき芯材の材料自体
には知的応答機構を有しないものとし、カバー材である
外周部、又は保持構造を構成する材料に温度応答性を付
加することにより、硬度変化を温度変化に対して可逆的
に制御し、芯棒が常温では埋没し、氷点下では座屈しな
い知的応答機構を発現させることができる。このとき芯
棒の突出量は例えば約2mmの高さとする。
ば、スパイクの先端部が2mmφと細くても、耐磨耗性
の延命が可能となり、粉塵公害課題も同時に克服し、更
に砕氷能力を向上するエコ・スパイクの提供目的を達成
することができる。
する。2mmφ乃至5mmφの非金属製であることを前
提とし、2mmφ芯棒が耐座屈強度900N(90kg
f)以上の荷重を確保する。試験条件を下記に設定し
た。 芯棒先端接触面を舗装路面の代替えとして、10mm
厚の鋼材を用いた。 最大荷重を5000N(500kgf)とし、変形時
の荷重を測定した。 変形量は芯棒の全長10mmに対し20%変形量を加
え測定した。 これら試験で変形しないものを本発明の座屈強度を満
たすものとした。
底の他に、本発明の芯棒を埋め込んだ路面、傾斜地、ト
ンネル内路面、床材、屋外階段、キャタピラ等としても
よい。これら応用製品では、多様なすべり止め効果を発
揮させることができる。
性を有する第1の高分子材料で含浸された、複数本の線
状の芯材11と、複数本の線状の芯材11を包んで束ね
るカバー材12とを備え、前記温度応答性は0℃近傍の
転移温度より低温で硬化し、前記転移温度より高温で軟
化する性質であるので、本スパイク用芯棒は例えば0℃
より低温の凍結路面ではスパイク効果が発現し、0℃よ
り高い高温の非凍結路面では軟化するので、路面を傷つ
けることがないスパイク用芯棒を提供することが可能と
なる。
示す斜視図である。
断面側面図である。
高分子材料の例の表を示す図である。
出量との関係の表を示す図である。
の例の表を示す図である。
明する一部断面図である。
図である。
である。
面図、底面図である。
る断面図である。
の実施例であるスパイクタイヤを使った制動試験を説明
する模式図である。
を示す線図である。
材料における温度応答制御の結果を説明する線図であ
る。
(配合−1)を示す図である。
せる液状高分子材料の例の配合表(配合−2)を示す図
である。
明の芯棒に適用できるかを判定するための試験を行う試
験装置を示す模式図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 温度応答性を有する第1の高分子材料で
含浸された、複数本の線状の芯材と;前記複数本の線状
の芯材を包んで束ねるカバー材とを備え;前記温度応答
性は0℃近傍の転移温度より低温で硬化し、前記転移温
度より高温で軟化する性質である;スパイク用芯棒。 - 【請求項2】 請求項1に記載のスパイク用芯棒と;前
記芯棒を保持する円筒形の保持穴が中心部に形成され
た、温度応答性を有する第2の高分子材料で作られた保
持構造とを備え;前記温度応答性は0℃近傍の転移温度
より低温で硬化し、前記転移温度より高温で軟化する性
質である;スパイク。 - 【請求項3】 温度応答性を有する第2の高分子材料で
作られ、中心部に円筒形の保持穴の形成された保持構造
と;前記保持穴に保持された芯棒であって、線状の芯材
と、前記芯材の周囲を包むカバー材とを含んで構成され
た芯棒とを備え;前記温度応答性は転移温度より低温で
硬化し、前記転移温度より高温で軟化し、前記転移温度
が0℃近傍の温度である;スパイク。 - 【請求項4】 温度応答性を有する第2の高分子材料で
作られ、中心部に円筒形の保持穴の形成された保持構造
と;前記保持穴に保持された、中心部に中空穴が形成さ
れた線状の芯棒とを備え;前記温度応答性は転移温度よ
り低温で硬化し、前記転移温度より高温で軟化し、前記
転移温度が0℃近傍の温度である;スパイク。 - 【請求項5】 スパイクを埋め込む複数の穴の形成され
たゴム製のトレッドと;前記トレッドに埋め込まれた請
求項1に記載のスパイク用芯棒又は請求項2乃至請求項
4のいずれか1項に記載のスパイクとを備える;タイ
ヤ。 - 【請求項6】 スパイクを埋め込む複数の穴の形成され
た履物底と;前記履物底に埋め込まれた請求項1に記載
のスパイク用芯棒又は請求項2乃至請求項4のいずれか
1項に記載のスパイクとを備える;履物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002058633A JP2003252010A (ja) | 2002-03-05 | 2002-03-05 | スパイク用芯棒、スパイク、タイヤ及び履物 |
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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ID=28668551
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