JP2003248930A - 光記録媒体及び光記録媒体への記録方法 - Google Patents
光記録媒体及び光記録媒体への記録方法Info
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Abstract
検出しながら情報信号を1回だけ追記録できる光記録媒
体を提供する。 【解決手段】 透明樹脂基板11上に、グルーブ(溝)
12及び隣り合う前記グルーブ12,12間のランド1
3を予め形成した光記録媒体10Aにおいて、情報信号
への記録位置を示す記録位置情報を前記グルーブ12及
び/又は前記ランド13に予め記録し、且つ、前記グル
ーブ12上及び前記ランド13上に金属反射膜14と保
護膜15とを順に成膜したことを特徴とする光記録媒体
10Aを提供する。
Description
クや、矩形状の光カードなどの光記録媒体に情報信号を
レーザービームの熱により1回だけ追記録できる光記録
媒体及び光記録媒体への記録方法に関するものである。
ドなどの光記録媒体では、映像情報,音声情報,コンピ
ュターデータなど各種の情報を大容量に収録でき、且
つ、所望の情報を高速にアクセスできることから多用さ
れている。
追記録可能タイプとに大別できる。
射出成型機などを用いて記録すべき情報信号を透明樹脂
基板上で複数のピットからなるピット列に変換して、こ
のピット列を例えば螺旋状のトラックとして刻んだ面側
に、反射膜,保護膜を順に成膜して形成されている。そ
して、光記録媒体ドライブ内に移動自在に設けた光ピッ
クアップからの再生用のレーザービームを透明樹脂基板
側に照射して、ピット列による反射膜からのレーザービ
ームの戻り光で情報信号を再生している。
射出成型機などを用いて透明樹脂基板上に記録トラック
として例えば所定の深さを持つグルーブ(溝)を螺旋状
に形成した面側に、記録膜,反射膜,保護膜を順に成膜
して形成されている。そして、光記録媒体ドライブ内に
移動自在に設けた光ピックアップからの記録用のレーザ
ービームを透明樹脂基板側に照射して、記録したい情報
信号をグルーブ上の記録膜に記録し、記録後には再生専
用タイプと同様に再生用のレーザービームを透明樹脂基
板側から照射して、光反射率変化による反射膜からのレ
ーザービームの戻り光で情報信号を再生している。
イプの光記録媒体は量産により安価に入手可能であるも
のの、媒体1枚ごとに異なる情報、例えば固有のID情
報などを記録したい場合には再生専用タイプでは製造上
の面から困難である。より具体的な例において、再生専
用タイプとして周知のCD−ROM(Compact
Disc−Read Only Memory)に記録
されている情報(ソフト)に対してID情報などの個別
情報をCD−ROM1枚ごとに記録したいなどの要求が
ある。
[第1の方法]〜[第3の方法]が適用可能である。
できる追記録可能タイプの光記録媒体として、例えば情
報信号を1回だけ書き込み可能なCD−R(Compa
ct Disc−Recordable)とか、複数回
書き込み可能なCD−RW(CompactDisc−
ReWritable)などを用いて媒体1枚ごとの固
有のID情報などを記録する方法である。
光記録媒体として周知のCD−Rを説明するための外観
斜視図,部分拡大平面図,縦断面図である。図6(a)
〜(c)に示した如く、一般的なCD−R100では、
ポリカーボネートなどの透明樹脂材を用いて、外径12
0mm,中心孔径15mm,厚み1.2mmの円盤状の
透明樹脂基板101を成形する際に、一方の面101a
側にウォブルさせたグルーブ(溝)102を内周から外
周に向かって略所定の深さで且つ略所定のピッチで螺旋
状に予め形成し、且つ、隣り合うグルーブ102,10
2との間にランド103を予め形成している。
追記録用のガイドトラックとして略22KHzを中心周
波数としたウォブル信号により溝の左右を正弦波状にウ
ォブリング(蛇行)させ、且つ、このウォブル信号に情
報信号への記録位置を示す記録位置情報としてATIP
(Absolute time in pregroo
ve)信号を重畳することで、記録位置情報をグルーブ
102に予め記録している。具体的には、ウォブル信号
の中心周波数 略22KHzを中心に±1KHz程度F
M変調をかけてATIP信号を重畳している。
1a上にグルーブ102及びランド103を形成した後
に、グルーブ102上及びランド103上に有機色素の
記録膜104をスピンコート法で塗布し、この記録膜1
04上にアルミニウム又は銀もしくは金などの金属反射
膜105と、紫外線硬化樹脂による保護膜106とを順
に成膜している。
R100を用いた場合に、図示しないCD−Rドライブ
内に移動自在に設けた光ピックアップからの記録用のレ
ーザービームを透明樹脂基板101の他方の面101b
側からウォブルさせたグルーブ102に照射して、グル
ーブ102によるウォブル信号からATIP信号を抽出
しながら、グルーブ102上のATIP信号に応じた記
録位置に、EFM信号に変換した記録すべき情報をレー
ザービームによる有機色素の熱溶融時の反射率変化とし
て記録することで、グルーブ102上の記録膜104に
情報信号を1回だけ追記録できる。この場合、1回だけ
の追記録により、改竄による書換えを許してはならない
重要な媒体固有のID情報などを記録できるものの、例
えば10万枚を越える大量のCD−R100をCD−R
ドライブで記録することは記録時間と記録装置の設備か
らも問題となる。
124219号公報に開示されている光記録媒体の技術
的思想を用いて、再生専用タイプの光記録媒体に強いレ
ーザービームを照射して透明樹脂基板を一部変形させる
ことで個別識別情報を追記録する方法である。
を照射して透明樹脂基板を一部変形させることができる
再生専用タイプの光記録媒体を示した縦断面図である。
録媒体(CD−ROM)200では、スタンパによる射
出成形により透明樹脂基板201上に複数のピット20
2が凹状に刻まれ、このピット202上にアルミニウ
ム,金などの金属反射膜203と、紫外線硬化樹脂によ
る保護膜204とが順に成膜されている。
た後に、20mW/μm2程度の強いレーザービームを
金属反射膜203に照射すると、金属反射膜203に吸
収された熱エネルギーでピット202がピット205の
ように変形してこのピット205の周辺にリム206が
形成されることで、変形しないピット202と変形した
ピット205との混在で個別のキー情報などを追記録で
きるものである。
2によるピット列の一部を強いレーザービームの熱で破
壊することで、その破壊箇所を個別のキー情報として追
記録する方法も開示されている。
構成するピット列の一部に、ピット202のない箇所1
mm程度設け、この箇所を強いレーザービームで照射
し、熱エネルギーで透明樹脂基板201を熱変形させて
個別のキー情報を追記録する方法も開示されている。
00には偏芯、面ぶれ等あるため、記録済みのピット情
報より得られる記録位置情報からサーボをかけてレーザ
ー記録しない限り、透明樹脂基板201上の特定箇所を
物理的に変形させることは不可能であり、同号公報では
透明樹脂基板201上に個別のキー情報を追記録する際
に、特定箇所を特定する手法、追記録する際のサーボを
どのような方法で行うかは全く開示されていない。
93810号公報に開示されている光ディスクの技術的
思想を用いて、追記録可能タイプの光ディスクに強いレ
ーザービームを照射して反射膜に孔をあける方法であ
る。
を照射して反射膜に孔をあけることができる追記録可能
タイプの光ディスクを示した縦断面図である。
ディスク300では、ガラス,プラスチックなどよりな
る基板301上に、As−S−Te,Ge−Sb−Te
などよりなる非晶質薄膜302と、Ag,Alなどより
なる金属薄膜303と、SiO,ZnSなどよりなる緩
衝膜304と、Agよりなる反射膜305と、プラスチ
ックよりなる保護膜306とが順に成膜されている。
照射した場合は、非晶質薄膜302の温度がT1°Cま
で上昇するが、金属が非晶質薄膜302中に急速に拡散
することは起きず、基板301側から見たときの反射率
も変化しないと開示されている。
射した場合は、非晶質薄膜302の温度がT2°Cまで
上昇し、金属が非晶質薄膜302中に急速に拡散するの
で、金属が拡散した部分では元の積層膜よりも反射率が
低くなり、透過率は約90%と高くなると開示されてい
る。
射した場合は、非晶質薄膜302の温度がT3°Cまで
上昇し、非晶質薄膜302と金属薄膜303と緩衝膜3
04と反射膜305は溶解し、表面張力によって周辺に
引っ張られることによって各膜に孔があき、基板301
側から見たときの反射率は約5%と低くなると開示され
ている。
え可能なメディアにおいて、一旦記録したデータを消去
したり、改竄させないために、反射膜305の反射率を
ピット部と非ピット部で変える手法を示している。
くない未記録部への記録方法は開示されていない。
置情報を検出しながら、記録位置情報に対応した記録位
置に情報信号を1回だけ追記録できる簡単な構造の光記
録媒体及び光記録媒体への記録方法が望まれている。
てなされたものであり、第1の発明は、透明樹脂基板上
に、グルーブ(溝)及び隣り合う前記グルーブ間のラン
ドを予め形成した光記録媒体において、情報信号への記
録位置を示す記録位置情報を前記グルーブ及び/又は前
記ランドに予め記録し、且つ、前記グルーブ上及び前記
ランド上に金属反射膜と保護膜とを順に成膜したことを
特徴とする光記録媒体である。
複数のピットからなるピット列及びグルーブ(溝)並び
に隣り合う前記グルーブ間のランドを予め形成した光記
録媒体において、情報信号への記録位置を示す記録位置
情報を前記グルーブ及び/又は前記ランドに予め記録
し、且つ、前記ピット列上及び前記グルーブ上並びに前
記ランド上に金属反射膜と保護膜とを順に成膜したこと
を特徴とする光記録媒体である。
2の発明の光記録媒体に情報信号を追記する光記録媒体
への記録方法であって、前記光記録媒体から前記記録位
置情報に対応した記録位置情報信号を検出しながら、レ
ーザービームの熱により、前記グルーブ上に成膜した前
記金属反射膜及び/又は前記ランド上に成膜した前記金
属反射膜を溶融させるか、又は、前記金属反射膜の反射
率を変化させるか、もしくは、前記グルーブ及び/又は
前記ランドの形状を変化させることで、前記記録位置情
報信号に対応した記録位置に前記情報信号を追記録する
ことを特徴とする光記録媒体への記録方法である。
び光記録媒体への記録方法の一実施例を図1乃至図5を
参照して、<第1実施例>,<第2実施例>の順に詳細
に説明する。
光記録媒体及び光記録媒体への記録方法は、透明樹脂基
板上にウォブルさせたグルーブ(溝)及び隣り合うグル
ーブ間のランドを予め形成した光記録媒体において、情
報信号への記録位置を示す記録位置情報をグルーブ及び
/又はランドに予め記録し、且つ、グルーブ上及びラン
ド上に金属反射膜と保護膜とを順に成膜した状態で、レ
ーザービームの熱によりグルーブ上の金属反射膜及び/
又はランド上の金属反射膜を溶融させたり、又は、反射
膜の反射率を変化させたり、もしくは、グルーブ及び/
又はランドの形状を変化させることで、情報信号を1回
だけ集熱記録できることを特徴とするものである。
施例の光記録媒体を説明するための外観斜視図、部分拡
大平面図、断面図である。図1(a)〜(c)に示した
如く、本発明に係る第1実施例の光記録媒体10Aで
は、ポリカーボネートなどの透明樹脂材を用いて、外径
120mm,中心孔径15mm,厚み1.2mmの円盤
状の透明樹脂基板11を成形する際に、一方の面11a
側にウォブルさせたグルーブ(溝)12を内周から外周
に向かって略所定の深さで且つ略所定のピッチで螺旋状
に予め形成し、且つ、隣り合うグルーブ12,12との
間にランド13を予め形成している。
端を開いた逆台形状であり、即ち、グルーブ12の溝上
端部は溝下端部より幅が広くなっており、記録後の再生
信号がCD規格を満足する値に設定されている。一方、
隣り合うグルーブ12,12間に形成したランド13の
形状は、グルーブ12の形状を反転させた台形状であ
る。
を用いて説明したCD−R100の場合と同様に、情報
追記録用のガイドトラックとして略22KHzを中心周
波数としたウォブル信号により溝の左右を正弦波状にウ
ォブリング(蛇行)させ、且つ、このウォブル信号に情
報信号への記録位置を示す記録位置情報としてATIP
(Absolute time in pregroo
ve)信号を重畳することで、記録位置情報をグルーブ
12に予め記録している。具体的には、ウォブル信号の
中心周波数 略22KHzを中心に±1KHz程度FM
変調をかけてATIP信号を重畳している。
光記録媒体において、円盤状の透明樹脂基板を成形する
際に、ウォブルさせたグルーブ及びグルーブ間のランド
を所定のピッチで同心円状に形成しても良い。
の光記録媒体を矩形状に形成した場合には、ウォブルさ
せたグルーブ及びグルーブ間のランドを所定のピッチで
直線状に形成したり、又は、矩形内で螺旋状とか同心円
状に形成することも可能である。
おいて、CD−R100(図6)と異なる点は、記録膜
を成膜することなく、ウォブルさせたグルーブ12上及
び隣り合うグルーブ12,12間のランド13上に、ア
ルミニウム又は銀もしくは金などの金属反射膜14と、
紫外線硬化樹脂による保護膜15とが順に成膜されてい
る。
射膜14をレーザービームの熱を利用して溶融させるこ
とにより情報信号を1回だけ追記録することが可能とな
るものであり、ここでは透明樹脂基板11の全面に亘っ
てグルーブ12及びランド13が形成されているため、
透明樹脂基板11の全面が追記録可能領域となってい
る。
5は、金属反射膜14をスパッタした直後に紫外線硬化
樹脂をスピンコート法で塗布するか、もしくは、後述す
るようにレーザービームの熱により金属反射膜14を溶
融することで情報信号を追記録した後に紫外線硬化樹脂
をスピンコート法で塗布するかのいずれでも良い。
光記録媒体10Aに情報信号を追記録する動作を説明す
る前に、この光記録媒体10Aを適用できる光記録媒体
ドライブについて図2を用いて説明する。
体を適用できる光記録媒体ドライブを説明するためのブ
ロック図である。図2に示した如く、本発明に係る第1
実施例の光記録媒体10Aを適用できる光記録媒体ドラ
イブ50では、スピンドルモータ駆動回路51によって
光記録媒体10Aを線速度一定(CLV)で回転させる
ためのスピンドルモータ52が設けられている。このス
ピンドルモータ52の軸にターンテーブル53が固着さ
れ、且つ、ターンテーブル53上に第1実施例の光記録
媒体10Aがターンテーブル53と一体に回転可能に装
着されている。
1の他方の面11b側には光ピックアップ54が不図示
のピックアップ支持台上に取り付けられた状態で光記録
媒体10Aの径方向に移動自在に設けられている。
光を出射する半導体レーザー54aと、半導体レーザー
54aから出射したレーザー光を不図示のコリメータレ
ンズ,ビームスプリッタなどを経た後に絞り込んだレー
ザービームを透明樹脂基板11の他方の面11b側に照
射する対物レンズ54bと、対物レンズ54bをフォー
カス制御するフォーカスコイル54cと、対物レンズ5
4bをトラッキング制御するトラッキングコイル54d
と、透明樹脂基板11上に成膜した金属反射膜14(図
1)で反射されたレーザービームの戻り光を検出する4
分割型ホトセンサ54eとが内部に設けられている。
アップ54内の半導体レーザー54aに接続されてお
り、不図示のコントローラからの指令により光記録媒体
10Aへの記録時と、光記録媒体10Aへの再生時とで
半導体レーザー54aに印加するレーザーパワーを選択
的に切り換えている。
記録する時に、レーザー駆動回路55は金属反射膜14
を溶融できる程度の強いレーザーパワーを半導体レーザ
ー54a側に出力する一方、光記録媒体10Aに追記録
した情報信号を再生する場合にはCD−ROM再生時,
CD−R再生時と同様の弱いレーザーパワーを半導体レ
ーザー54a側に出力している。
トセンサ54eは、光記録媒体10Aへの記録時及び再
生時に、透明樹脂基板11上に成膜した金属反射膜14
(図1)で反射されたレーザービームの戻り光を検出し
て、検出したホトセンサ検出信号をホトセンサ検出信号
処理回路56に送っている。
は、光ピックアップ54内の4分割型ホトセンサ54e
からの4つのホトセンサ検出信号を周知のラジアルプッ
シュプル法などを用いて適宜加減算処理し、フォーカス
エラー信号と、ウォブルさせたグルーブ12(図1)に
よるウォブル信号から検出したトラッキングエラー信号
と、ウォブルさせたグルーブ12(図1)によるウォブ
ル信号からフィルタリングして抽出したATIP信号
と、記録情報信号とを検出処理している。
検出処理したフォーカスエラー信号はフォーカスサーボ
回路57に送られている。そして、フォーカスサーボ回
路57内では、フォーカスエラー信号に基づいて生成し
たフォーカス制御信号を光ピックアップ54内のフォー
カスコイル54cに印加して対物レンズ54bをフォー
カス制御している。
検出処理したトラッキングエラー信号はトラッキングサ
ーボ回路58に送られている。そして、トラッキングサ
ーボ回路58内では、トラッキングエラー信号に基づい
て生成したトラッキング制御信号を光ピックアップ54
内のトラッキングコイル54dに印加して対物レンズ5
4bをトラッキング制御している。
検出処理したATIP信号は記録系のメインデータエン
コーダ59に送られている。そして、メインデータエン
コーダ59内では、グルーブ12(図1)上での記録位
置情報を示すATIP信号を見ながら、ATIP信号と
対応して入力されたメインデータに対して記録に適する
ようにEFM変調して、EFM変調したメインデータを
レーザー駆動回路55に供給することで、レーザー駆動
回路55は記録時のレーザーパワーに基づいてレーザー
駆動電流を光ピックアップ54内の半導体レーザー54
aに印加している。
検出処理した記録情報信号は再生系のメインデータデコ
ーダ60に送られている。そして、メインデータデコー
ダ60内では、記録情報信号を復調してメインデータを
外部に出力している。
体10Aに情報信号を追記録する記録方法について、図
3及び図4を用いて詳述する。
体に情報信号を追記録する場合を説明するための縦断面
図、図4(a),(b)は本発明に係る第1実施例の光
記録媒体に情報信号を追記録した後の状態を示した平面
図,X−X縦断面図である。
Aに情報信号を追記録する記録方法は、レーザービーム
の熱による金属反射膜14(図1)の熱変形記録であ
る。
用いるアルミニウムの金属反射膜の反射率は、再生専用
のレーザービームの波長780nmにおいて、入射光量
を100%とした時に、ディスク規格70%以上を満足
する80%程度である。この際、再生専用のレーザービ
ームの入射光の残り20%は透過光と吸収光となり、そ
れぞれ10%程度となる。通常、再生専用のレーザービ
ームのレーザーパワーは0.7mW程度であり、アルミ
ニウムの金属反射膜に吸収される光量は0.07mWと
なり、なんらアルミニウムの金属反射膜に変化を起こさ
ない。
光記録媒体10Aへの記録時に、レーザービームのレー
ザーパワーを例えば90mW程度にすると、その吸収さ
れる光量9mWは熱エネルギーに変換され、金属反射膜
14(図1)として例えばアルミニウムを成膜した場
合、アルミニウム融点の660°Cを超え、およそ10
00°Cになることがシミュレーションで明らかになっ
た(但し、記録条件は、対物レンズのNA=0.6、レ
ーザー記録光は0.5T巾をもつパルス記録)。この結
果、アルミニウムの金属反射膜14(図1)を溶融し、
金属反射膜14に孔をあけることが可能であることがわ
かった。
記録媒体10Aに情報信号を追記録する場合には、透明
樹脂基板11の他方の面11bに光ピックアップ54
(図2)内の対物レンズ54bを対向させている。そし
て、光ピックアップ54(図2)内の半導体レーザー5
4a(図2)から記録時のレーザーパワーとして例えば
90mWのレーザー光を対物レンズ54b側に出射し、
この対物レンズ54bで絞り込んだ90mWのレーザー
ビームを透明樹脂基板11に形成した未記録状態の一つ
のグルーブ(溝)12に向けて照射している。ここで、
対物レンズ54bで90mWのレーザービームを未記録
状態の一つのグルーブ12にスポット状に集光させる
と、未記録状態の一つのグルーブ12上に成膜したアル
ミニウムの金属反射膜14が90mWのレーザービーム
の熱エネルギーを吸収してアルミニウムの融点660℃
を超えるので溶融し、溶融時にアルミニウムの金属反射
膜14が薄膜であるために表面張力でスポット部分の周
辺に凝縮し、その後、レーザービームが通過後に凝固す
るので、スポット部分のアルミニウムの金属反射膜14
が図示のように無くなった状態となる。
1により光記録媒体10Aを線速度一定(CLV)で回
転させながら、光ピックアップ54内の4分割型ホトセ
ンサ54eからの4つのホトセンサ検出信号をホトセン
サ検出信号処理回路56で検出し、このホトセンサ検出
信号処理回路56でウォブルされた未記録状態の一つの
グルーブ12によるウォブル信号からトラッキングエラ
ー信号とATIP信号とを検出して、ATIP信号によ
る記録位置情報に応じて90mWのレーザービームをグ
ルーブ12上に成膜した金属反射膜14にEFM信号の
形態で照射し、グルーブ12上でATIP信号に対応し
た記録位置に情報信号を1回だけ追記録できる。
素の記録膜104に対して、第1実施例の光記録媒体1
0A中のアルミニウムの金属反射膜14は熱伝導等が異
なるため、記録するレーザービームのライトストラテジ
ー(Write Strategy:記録条件)を最適
化する必要があることは言うまでもない。
方法により情報信号を追記録された後の光記録媒体10
Aは図4(a),(b)に示したようになる。
ーブ12を拡大して直線的に示したものである。
ブルされて未記録状態の一つのグルーブ(溝)12に追
記録された記録ピットは、記録する情報信号に応じて円
状,楕円状にアルミニウムの金属反射膜14が溶融して
おり、記録ピットの巾、長さを図示したが、記録するレ
ーザービームの熱エネルギーは集光の中心ほど強く、周
辺に広がるほど減衰する性質がある。このため、図4
(a)は模式的な表現でしかない。実際には、再生用の
レーザービームによる再生信号として所定のレベルと時
間間隔を生じるよう熱記録すれば良い。また、未記録部
はグルーブ間(トラック間)のランド13と同様にアル
ミニウムの金属反射膜14がそのまま残ることは言うま
でもない。
1の全面のグルーブ12に亘って、映像情報,音声情
報,コンピュータデータなどの各種の情報を1回だけ追
記録でき、勿論、媒体ごとの固有のID情報も1回だけ
追記録することができるので、改竄による書換えを許し
てはならない重要なデータを記録する用途に必須の光記
録媒体10Aとなる。
OM,CD−Rの場合における5ミクロン程度だと、記
録時のレーザービームの熱により、保護膜15に孔があ
き、保護膜15の役割を果たさないことが発生した。こ
のため、保護膜15の厚さtをランド13の面から20
ミクロン以上に成膜すると、記録時のレーザービームの
熱に耐えて保護膜15に孔があかないことが実験で判明
した。これにより、アルミニウムの金属反射膜14が酸
化することもなく、外観的にも良好な保護膜15が得ら
れる。
規格を満足することになり周知のCD−ROMドライブ
でも再生可能となる。
持たせるためにウォブルさせたグルーブ12に情報信号
を追記録する場合を説明したが、グルーブ12,12間
のランド13にも上記と同じ記録方法により情報信号を
追記録することも可能である。この際、ランド13に情
報信号を追記録する場合には、情報信号への記録位置を
示す記録位置情報として、ランド13上にランドプリピ
ットを所定の間隔ごとに予め形成(=記録)しておき、
このランドプリピットによるランドプリピット信号(記
録位置情報信号)をホトセンサ検出信号処理回路56
(図2)で検出してメインデータエンコーダに知らせれ
ば可能である。
位置を示すATIP信号を重畳せずに、グルーブ12上
での情報信号への記録位置情報をランド13上に所定の
間隔ごとに予め形成したランドプリピットを用いる方法
も可能であり、この場合には上記したと同様に、ランド
プリピットによるランドプリピット信号(記録位置情報
信号)をホトセンサ検出信号処理回路56(図2)で検
出してメインデータエンコーダに知らせれば可能であ
る。
位置情報をグルーブ12及び/又はランド13に予め記
録した状態で、グルーブ12及び/又はランド13に情
報信号を追記録することができる。
を満足する所定の信号を得る方法を中心に述べた。しか
しながら、CDの規格は光ディスクの再生信号のレベル
を決めているだけで、その物理的構造について規定して
いない。このためCD規格を満足する信号が得られれ
ば、その信号発生のメカニズムはなんでも良いことは自
明である。
アルミニウムの金属反射膜14を化学変化させて反射率
を変化させたり、レーザービームの熱による透明樹脂基
板11の変形でグルーブ(溝)12及び/又はランド1
3の形状を変化させたり、またこれらの複合要因でCD
規格を満足する信号が得られることは容易に類推できる
ものである。
施例の光記録媒体を説明するための図であり、(a)は
外観斜視図,(b)はピット列と未記録のグルーブとが
接続する部位を拡大して示した図である。
記録媒体10Bは、先に説明した第1実施例の光記録媒
体10Aの構造と一部を除いて同様の構成であり、ここ
では説明の便宜上、先に示した構造と同じ形状の部位に
対しては同一の符号を付し、且つ、異なる形状の部位に
新たな符号を付して説明する。
2実施例の光記録媒体10Bでは、透明樹脂基板11の
一方の面11a上で内周側から中周側に亘って複数のピ
ットからなるピット列16が螺旋状に予め刻まれてい
る。
上で中周側から外周側に亘ってウォブルさせたグルーブ
(溝)12が螺旋状に予め形成され、且つ、隣り合うグ
ルーブ12,12との間にランド13が予め形成されて
いる。この際、ウォブルさせたグルーブ12は、第1実
施例と同様に、ウォブル信号にATIP信号(記録位置
情報信号)がFM変調されて重畳している。
を追記録する場合には、情報信号への記録位置を示す記
録位置情報として、ランド13上にランドプリピットを
所定の間隔ごとに予め形成(=記録)しておけば良い。
ピット列16からグルーブ12に接続する部位では、接
続する部位のピット列16を少なくともウォブルさせて
おけば、グルーブ12へのトラッキングが乱れない。
尚、全てのピット列16をウォブルさせればグルーブ1
2と同様にトラッキング制御がし易くなる。
板11の一方の面11a上に形成したピット列16上及
びウォブルさせたグルーブ12上並びに隣り合うグルー
ブ12,12間のランド13上に、アルミニウム又は銀
もしくは金などの金属反射膜14と、紫外線硬化樹脂に
よる保護膜15とが順に成膜されている。
ピット列16は情報信号を複数のピットに変換したもの
であるのでROM領域となるものである。一方、金属反
射膜14を成膜した状態でのグルーブ12及び/又はラ
ンド13は未記録状態であるので追記録可能領域となる
ものである。
例の光記録媒体10Bは、内周側にピット列16による
ROM領域を設定し、外周側にグルーブ12及び/又は
ランド13による追記録可能領域を設定したが、これに
限ることなく、ほとんど全面をROM領域とし、その一
部に追記録可能領域を設けることは容易なことであり、
この追記録可能領域に例えば媒体1枚ごとに識別できる
連続シリアル番号などのID情報を追記録することが可
能である。
るROM領域を通常のCD−ROMと同様に、スタンパ
ーからの射出成形で製作し、あとから、たとえばCD−
Rライタで媒体ごとに個別のID情報などをグルーブ1
2及び/又はランド13による追記録可能領域に追記録
することで、本発明の目的である大量生産性と個別情報
記録とが両立できる第2実施例の光記録媒体10Bを提
供することが可能となる。
による追記録可能領域に追記録するシリアル番号等を、
通常の方法では読取れないセキュリティ信号とすること
で、新たなセキュリティID付きディスクの提供も可能
である。
するときは、先述のATIP信号(又はランドプリピッ
ト信号)を検出し、これによるトラッキング信号、位置
を示す時間情報を得なければ追記録はできないことは先
述した。
列16によるROM領域と、グルーブ12及び/又はラ
ンド13による追記録可能領域とが混在する場合の、追
記録可能領域への追記録を考えてみる。
るためには、追記録可能領域に入る前のROM領域か
ら、追記録可能領域に記録してあるATIP情報(又は
ランドプリピット信号)を得たほうがよいことは自明で
ある。このため、ROM領域からATIP信号(又はラ
ンドプリピット信号)を得るために、少なくとも追記録
可能領域と接続する部位のROM領域をウォブリングし
て記録しておくことは必須である。
は、厚みが1.2mmの透明樹脂基板を採用したCD規
格に準じて説明したが、これに限ることなく、厚みが
0.6mmの透明樹脂基板を2枚貼り合わせたDVD規
格とか、今後実用化が期待される超高密度な次世代光デ
ィスクにも本発明の技術的思想を適用できるものであ
る。
び光記録媒体への記録方法において、請求項1記載の光
記録媒体よると、情報信号への記録位置を示す記録位置
情報に対応した記録位置情報信号を光記録媒体から検出
しながら、記録位置情報信号に応じた記録位置で且つグ
ルーブ上に成膜した金属反射膜及び/又はランド上に成
膜した金属反射膜に情報信号を追記録できると共に、追
記録可能な光記録媒体は構造が簡単であり、生産性が良
い。
透明樹脂基板上でピット列によるROM領域と、グルー
ブ及び/又はランドによる追記録可能領域とを混在させ
ているので、大量生産性と個別情報記録とが両立できる
光記録媒体を提供することができる更に、請求項3記載
の光記録媒体への記録方法よると、上記した請求項1又
は請求項2記載の光記録媒体に情報信号を追記録する際
に、光記録媒体から記録位置情報に対応した記録位置情
報信号を検出しながら、レーザービームの熱により、グ
ルーブ上に成膜した金属反射膜及び/又はランド上に成
膜した金属反射膜を溶融させるか、又は、金属反射膜の
反射率を変化させるか、もしくは、グルーブ及び/又は
ランドの形状を変化させることで、記録位置情報信号に
対応した記録位置に情報信号を追記録しているため、上
記した請求項1又は請求項2に記載の効果が得られると
共に、記録位置がずれることなく情報信号を光記録媒体
に追記録することができる。
記録媒体を説明するための外観斜視図、部分拡大平面
図、断面図である。
きる光記録媒体ドライブを説明するためのブロック図で
ある。
号を追記録する場合を説明するための縦断面図である。
記録媒体に情報信号を追記録した後の状態を示した平面
図,X−X縦断面図である。
るための図であり、(a)は外観斜視図,(b)はピッ
ト列と未記録のグルーブとが接続する部位を拡大して示
した図である。
体として周知のCD−Rを説明するための外観斜視図,
部分拡大平面図,縦断面図である。
透明樹脂基板を一部変形させることができる再生専用タ
イプの光記録媒体を示した縦断面図である。
反射膜に孔をあけることができる追記録可能タイプの光
ディスクを示した縦断面図である。
の光記録媒体、11…透明樹脂基板、11a…一方の
面、11b…他方の面、12…ウォブルさせたグルーブ
(溝)、13…ランド、14…金属反射膜、15…保護
膜、16…ピット列。
Claims (3)
- 【請求項1】 透明樹脂基板上に、グルーブ(溝)及び
隣り合う前記グルーブ間のランドを予め形成した光記録
媒体において、 情報信号への記録位置を示す記録位置情報を前記グルー
ブ及び/又は前記ランドに予め記録し、且つ、前記グル
ーブ上及び前記ランド上に金属反射膜と保護膜とを順に
成膜したことを特徴とする光記録媒体。 - 【請求項2】 透明樹脂基板上に、複数のピットからな
るピット列及びグルーブ(溝)並びに隣り合う前記グル
ーブ間のランドを予め形成した光記録媒体において、 情報信号への記録位置を示す記録位置情報を前記グルー
ブ及び/又は前記ランドに予め記録し、且つ、前記ピッ
ト列上及び前記グルーブ上並びに前記ランド上に金属反
射膜と保護膜とを順に成膜したことを特徴とする光記録
媒体。 - 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の光記録媒体
に情報信号を追記録する光記録媒体への記録方法であっ
て、 前記光記録媒体から前記記録位置情報に対応した記録位
置情報信号を検出しながら、レーザービームの熱によ
り、前記グルーブ上に成膜した前記金属反射膜及び/又
は前記ランド上に成膜した前記金属反射膜を溶融させる
か、又は、前記金属反射膜の反射率を変化させるか、も
しくは、前記グルーブ及び/又は前記ランドの形状を変
化させることで、前記記録位置情報信号に対応した記録
位置に前記情報信号を追記録することを特徴とする光記
録媒体への記録方法。
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