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JP2003113226A - 分岐状ポリアリーレン系共重合体の製法、スルホン化分岐状ポリアリーレン系共重合体の製法およびスルホン化分岐状ポリアリーレン系共重合体からなるプロトン伝導膜 - Google Patents

分岐状ポリアリーレン系共重合体の製法、スルホン化分岐状ポリアリーレン系共重合体の製法およびスルホン化分岐状ポリアリーレン系共重合体からなるプロトン伝導膜

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Publication number
JP2003113226A
JP2003113226A JP2001307430A JP2001307430A JP2003113226A JP 2003113226 A JP2003113226 A JP 2003113226A JP 2001307430 A JP2001307430 A JP 2001307430A JP 2001307430 A JP2001307430 A JP 2001307430A JP 2003113226 A JP2003113226 A JP 2003113226A
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JP
Japan
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atom
group
formula
bis
independently
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Application number
JP2001307430A
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JP3840942B2 (ja
Inventor
Masayuki Takahashi
昌之 高橋
Yoshitaka Yamakawa
芳孝 山川
Satoshi Futami
聡 二見
Kohei Goto
幸平 後藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSR Corp
Original Assignee
JSR Corp
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Publication date
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  • Fuel Cell (AREA)
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  • Conductive Materials (AREA)
  • Primary Cells (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ポリマー溶液をキャスティング法により成膜し
てプロトン伝導膜を得る成膜工程において、泡抜けや乾
燥時間の問題が解消され、スジムラのないフィルムを得
ることができるスルホン化分岐状ポリアリーレン共重合
体を提供すること。 【解決手段】2種以上の特定のジハロゲン化芳香族系化
合物をカップリング反応により共重合させる際に、ハロ
ゲンを3個以上有する芳香族系低分子量化合物を分岐構
造形成剤として共存させて得られた、分岐構造を有する
芳香族系共重合体、これをスルホン化したスルホン化共
重合体、および該スルホン化共重合体からなるプロトン
伝導膜。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な分岐状ポリ
アリーレン系共重合体の製造方法およびスルホン化分岐
状ポリアリーレン系共重合体の製造方法および得られた
スルホン化分岐状ポリアリーレン系共重合体からなるプ
ロトン伝導膜に関する。プロトン伝導膜は、一次電池用
電解質、二次電池用電解質、燃料電池用高分子固体電解
質、表示素子、各種センサー、信号伝達媒体、固体コン
デンサー、イオン交換膜などに有用であることが知られ
ている。
【0002】
【従来の技術】電解質は、通常、(水)溶液で用いられ
ることが多い。しかし、近年、これを固体系に置き替え
ていく傾向が高まってきている。その第1の理由として
は、例えば、上記の電気・電子材料に応用する場合のプ
ロセッシングの容易さであり、第2の理由としては、軽
薄短小・省電力化への移行である。従来、プロトン伝導
性材料としては、無機物からなるもの、有機物からなる
ものの両方が知られている。無機物の例としては、例え
ば水和化合物であるリン酸ウラニルが挙げられるが、こ
れら無機化合物は界面での接触が十分でなく、伝導層を
基板あるいは電極上に形成するには問題が多い。
【0003】一方、有機化合物の例としては、いわゆる
陽イオン交換樹脂に属するポリマー、例えばポリスチレ
ンスルホン酸などのビニル系ポリマーのスルホン化物、
ナフィオン(デュポン社製)を代表とするパーフルオロ
アルキルスルホン酸ポリマー、パーフルオロアルキルカ
ルボン酸ポリマーや、ポリベンズイミダゾールやポリエ
ーテルエーテルケトンなどの耐熱性高分子にスルホン酸
基やリン酸基を導入したポリマー〔Polymer Preprints,
Japan,Vol.42,No.7,p.2490〜2492(1993)、Polymer Prep
rints,Japan,Vol.43,No.3,p735〜736(1994)、Polymer P
reprints,Japan,Vol.42,No.3,p730(1993)〕などの有機
系ポリマーが挙げられる。
【0004】これら有機系ポリマーは、通常、フィルム
状で用いられるが、溶媒に可溶性であること、または熱
可塑性であることを利用し、電極上に伝導膜を接合加工
できる。しかしながら、これら有機系ポリマーの多く
は、プロトン伝導性がまだ十分でないことに加え、耐久
性や高温(100℃以上)でプロトン伝導性が低下してし
まうこと、スルホン化により脆化し、機械的強度が低下
すること、湿度条件下の依存性が大きいこと、あるいは
電極との密着性が十分満足のいくものとはいえなかった
り、含水ポリマー構造に起因する稼働中の過度の膨潤に
よる強度の低下や形状の崩壊に至るという問題がある。
したがって、これらの有機ポリマーは、上記の電気・電
子材料などに応用するには種々問題がある。
【0005】米国特許第5,403,675号明細書では、スル
ホン化された剛直ポリフェニレンからなる固体高分子電
解質が提案されている。このポリマーは、フェニレン連
鎖からなる芳香族化合物を重合して得られるポリマー
(同明細書カラム9記載の構造)を主成分とし、これを
スルホン化剤と反応させてスルホン酸基を導入してい
る。しかしながら、スルホン酸基の導入量の増加によっ
て、プロトン伝導度が向上するものの、同時に得られる
スルホン化ポリマーの機械的性質、例えば破断伸び、耐
折り曲げ性等の靭性や耐熱水性は著しく損なわれる。
【0006】また、スルホン化ポリアリーレン系重合体
からプロトン伝導膜を得る際には、通常、前記重合体を
溶剤に溶解して得られた溶液を基体上にキャスティング
して成膜加工を行うが、機械的性質を向上させようとし
て、より分子量の高い重合体を用いると溶液粘度が上昇
する結果、溶液の脱泡処理が困難になったり、また、乾
燥工程に時間がかかったり、成膜して得られたフィルム
表面に筋状のむらが入りやすくなるなど成膜加工上の問
題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の課題
は、主鎖中に屈曲性構造を有するために靭性が高く、ス
ルホン化しても靭性および耐熱水性が低下しにくい重合
体、該重合体をスルホン化して得られるスルホン酸基含
有重合体を提供することにあり、特に、主としてプロト
ン伝導膜を得る際に上述した成膜加工上の問題がないス
ルホン化分岐状ポリアリーレン系共重合体を提供するこ
とを目的としたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、第一に、
(I)下記一般式(1a)で表される化合物、下記一般
式(2a)で表される化合物および下記一般式(3a)
で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1
種の、フッ素以外のハロゲン原子を2個有するモノマー
(A)と、(II)下記一般式(1b)で表される化合
物、下記一般式(2b)で表される化合物、下記一般式
(3b)で表される化合物および下記一般式(4b)で
表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種
の、フッ素以外のハロゲン原子を2個有するモノマー
(B)とを、カップリング反応により共重合させるに際
して、(III)下記一般式(1a’)で表される化合
物、下記一般式(2a’)で表される化合物、下記一般
式(3a’)で表される化合物、下記一般式(1b’)
で表される化合物および下記一般式(2b’)で表され
る化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の、フ
ッ素以外のハロゲン原子を3個以上有する分岐構造形成
剤(C)を共存させて、上記共重合を行うことを特徴と
する分岐状ポリアリーレン系共重合体の製造方法を提供
する。
【0009】
【化14】 …(1a) (式中、Xは独立に塩素原子、臭素原子またはヨウ素原
子であり、Aは電子吸引性の基であり、R1〜R8は、同
一または異なり、水素原子、フッ素原子、アルキル基ま
たはフルオロアルキル基である。)
【0010】
【化15】 …(2a) (式中、X、R1〜R8は、式(1a)に関して定義した
とおりであり、Aは独立に式(1a)に関して定義した
とおりであり、R1'〜R8'は、同一または異なり、水素
原子、フッ素原子、アルキル基またはフルオロアルキル
基である。)
【0011】
【化16】 …(3a) (式中、X、A、R1〜R8は独立に式(1a)に関して
定義したとおりであり、Bは独立に電子供与性の原子ま
たは2価の基であり、nは2以上の整数である。)
【0012】
【化17】 …(1b) (式中、X、Aは式(1a)に関して定義したとおりで
あり、Bは式(3a)に関して定義したとおりであり、
9〜R15は、同一または異なり、水素原子、フッ素原
子、アルキル基またはフルオロアルキル基であり、Zは
アリール基であり、mは0、1または2の整数であ
る。)
【0013】
【化18】 …(2b)
【0014】
【化19】 …(3b)
【0015】
【化20】 …(4b) (上記一般式(2b)、(3b)および(4b)中、X
は独立に塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子であり、
17〜R24は、同一または異なり、水素原子、フッ素原
子、アルキル基またはフルオロアルキル基である。)
【0016】
【化21】 …(1a’) (式中、Aは電子吸引性の基であり、Rは独立に水素原
子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、フッ素原子、ア
ルキル基、フルオロアルキル基である。ただし、全Rの
うち少なくとも3個は、同一または異なり、塩素原子、
臭素原子またはヨウ素原子である。)
【0017】
【化22】 …(2a’) (式中、Aは独立に式(1a’)に関して定義したとお
りであり、Rは独立に水素原子、塩素原子、臭素原子、
ヨウ素原子、フッ素原子、アルキル基またはフルオロア
ルキル基である。ただし、全Rのうち少なくとも3個
は、同一または異なり、塩素原子、臭素原子またはヨウ
素原子である。)
【0018】
【化23】 …(3a’) (式中、Aは独立に式(1a’)に関して定義したとお
りであり、Bは独立に電子供与性の原子または2価の基
であり、Rは独立に水素原子、塩素原子、臭素原子、ヨ
ウ素原子、フッ素原子、アルキル基またはフルオロアル
キル基である。ただし、全Rのうち少なくとも3個は、
同一または異なり、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原
子である。nは2以上の整数である。)
【0019】
【化24】 …(1b’) (式中、Rは独立に水素原子、塩素原子、臭素原子、ヨ
ウ素原子、フッ素原子、アルキル基またはフルオロアル
キル基である。ただし、全Rのうち少なくとも3個は、
同一または異なり、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原
子である。)
【0020】
【化25】 …(2b’) (式中、Rは独立に水素原子、塩素原子、臭素原子、ヨ
ウ素原子、フッ素原子、アルキル基またはフルオロアル
キル基である。ただし、全Rのうち少なくとも3個は、
同一または異なり、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原
子である。)
【0021】該方法は、電子吸引性基を有し、独立に2
個の塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子(以下、単に
「ハロゲン」という)を有するモノマー(A)(このモ
ノマー(A)は、本件共重合体の主鎖に屈曲性を付与
し、靭性の向上に寄与するものである)と、共重合体主
鎖において主としてスルホン化される部位となる2個の
ハロゲンを有するモノマー(B)とをカップリング反応
により共重合させるに際して、ハロゲンを3個以上有す
る分岐構造形成剤(C)を共存させることを特徴とする
ものである。
【0022】該分岐構造形成剤(C)を共重合反応系に
共存させると、例えば、モノマー(A)およびモノマー
(B)からなる主として直鎖状構造共重合体鎖が、分岐
構造形成剤を中心に3方向以上に形成されるようにな
る。こうして得られた分岐状ポリアリーレン系共重合体
は、その後、スルホン化されるのであるが、得られたス
ルホン化分岐状ポリアリーレン共重合体を溶剤に溶解し
てキャスティング法により成膜してプロトン伝導膜を得
る際に、たとえ高分子量体であっても、分子量が同等で
ある直鎖状共重合体と比較して溶液粘度が低いポリマー
溶液を得ることができるため、共重合体の高分子量化に
伴う成膜工程における泡抜けや乾燥時間の問題が解消さ
れ、良好なスジムラのないフィルムを得ることができる
ようになる。
【0023】本発明は、第二に、上記方法で製造された
分岐状ポリアリーレン系共重合体をスルホン化剤を用い
てスルホン化することを特徴とする分岐状スルホン化ポ
リアリーレン系共重合体の製造方法を提供する。そこ
で、本発明は、第三に、上記方法で製造された分岐状ポ
リアリーレン系共重合体をスルホン化剤を用いてスルホ
ン化することを特徴とする分岐状スルホン化ポリアリー
レン系共重合体の製造方法で得られた分岐状スルホン化
ポリアリーレン系共重合体を提供する。そして、本発明
は、第四に、上記分岐状スルホン化ポリアリーレン系共
重合体からなるプロトン伝導膜を提供する。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。 [分岐状ポリアリーレン共重合体の製造] (1)モノマー(A) ハロゲンを2有するモノマー(A)としては、例えば、
下記一般式(1a)、下記一般式(2a)および下記一
般式(3a)で表される化合物(以下、順に、「モノマ
ー(1a)」、「モノマー(2a)」、「モノマー(3
a)」という)からなる群から選ばれる少なくとも1種
のモノマーを用いることができる。(なお、モノマー
(1a)〜モノマー(3a)において、ハロゲン(X)
にかえて下記式(d)で表される基を有するものを用い
てもよい。 −OSO2Y …(d) (式中、Yはアルキル基、ハロゲン化アルキル基または
アリール基である)
【0025】
【化26】 …(1a) (式中、Xは独立に塩素原子、臭素原子またはヨウ素原
子であり、Aは電子吸引性の基であり、R1〜R8は、同
一または異なり、水素原子、フッ素原子、アルキル基ま
たはフルオロアルキル基である)
【0026】Aは、電子吸引性の基であり、>CO、−
CONH−、−(CF2p−(ここでここで、pは1〜
10の整数である)、−C(CF32−、−COO−、
−SO−、−SO2−などが挙げられる。なお、電子吸
引性の基とは、ハメット(Hammett)置換基常数
がフェニル基のm位の場合、0.06以上、p位の場
合、0.01以上の値となる基をいう。以下、一般式
(1a)等において、アルキル基としてはメチル基、エ
チル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基などが挙げ
られる。フルオロアルキル基としてはトリフルオロメチ
ル基、ペンタフルオルエチル基などが挙げられる。
【0027】
【化27】 …(2a) (式中、X、R1〜R8は、式(1a)に関して定義した
とおりであり、Aは独立に式(1a)に関して定義した
とおりであり、R1'〜R8'は、同一または異なり、水素
原子、フッ素原子、アルキル基またはフルオロアルキル
基である。)
【0028】
【化28】 …(3a) (式中、X、A、R1〜R8は独立に式(1a)で定義し
たとおりであり、Bは独立に電子供与性の原子または2
価の基であり、nは2以上、好ましくは2〜100、特
に好ましくは2〜80の整数である。) Bは、電子供与性の基又は原子であり、例えば、−O
−、−S−、−CH=CH−、−C≡C−、
【0029】
【化29】
【0030】
【化30】 などが挙げられる。
【0031】ここで、モノマー(1a)として、例え
ば、次のものを挙げることができる。 (A1-1) 4,4'-ジクロロベンゾフェノン、2,4'-ジクロロ
ベンゾフェノン、3,3'-ジクロロベンゾフェノン、4,4'-
ジブロモベンゾフェノン、2,4'-ジブロモベンゾフェノ
ン、3,3'-ジブロモベンゾフェノン、4,4'-ジヨードベン
ゾフェノン、2,4'-ジヨードベンゾフェノン、3,3'-ジヨ
ードベンゾフェノン (A1-2) 4,4'-ジクロロベンズアニリド、3,3'-ジクロロ
ベンズアニリド、3,4'-ジクロロベンズアニリド、4,4'-
ジブロモベンズアニリド、3,3'-ジブロモベンズアニリ
ド、3,4'-ジブロモベンズアニリド、4,4'-ジヨードベン
ズアニリド、3,3'-ジヨードベンズアニリド、3,4'-ジヨ
ードベンズアニリド
【0032】(A1-3) ビス(クロロフェニル)ジフルオロ
メタン、ビス(クロロフェニル)テトラフルオロエタン、
ビス(クロロフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス
(クロロフェニル)オクタフルオロブタン、ビス(クロロ
フェニル)デカフルオロペンタン、ビス(クロロフェニ
ル)ドデカフルオロヘキサン、ビス(クロロフェニル)テ
トラデカフルオロヘプタン、ビス(クロロフェニル)ヘキ
サデカフルオロオクタン、ビス(クロロフェニル)オクタ
デカフルオロノナン、ビス(クロロフェニル)エイコサフ
ルオロデカン;ビス(ブロモフェニル)ジフルオロメタ
ン、ビス(ブロモフェニル)テトラフルオロエタン、ビス
(ブロモフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(ブロ
モフェニル)オクタフルオロブタン、ビス(ブロモフェニ
ル)デカフルオロペンタン、ビス(ブロモフェニル)ドデ
カフルオロヘキサン、ビス(ブロモフェニル)テトラデカ
フルオロヘプタン、ビス(ブロモフェニル)ヘキサデカフ
ルオロオクタン、ビス(ブロモフェニル)オクタデカフル
オロノナン、ビス(ブロモフェニル)エイコサフルオロデ
カン;ビス(ヨードフェニル)ジフルオロメタン、ビス
(ヨードフェニル)テトラフルオロエタン、ビス(ヨード
フェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(ヨードフェニ
ル)オクタフルオロブタン、ビス(ヨードフェニル)デカ
フルオロペンタン、ビス(ヨードフェニル)ドデカフルオ
ロヘキサン、ビス(ヨードフェニル)テトラデカフルオロ
ヘプタン、ビス(ヨードフェニル)ヘキサデカフルオロオ
クタン、ビス(ヨードフェニル)オクタデカフルオロノナ
ン、ビス(ヨードフェニル)エイコサフルオロデカン
【0033】(A1-4) 2,2-ビス(4-クロロフェニル)ヘキ
サフルオロプロパン、2,2-ビス(3-クロロフェニル)ヘキ
サフルオロプロパン、2,2-ビス(4-ブロモフェニル)ヘキ
サフルオロプロパン、2,2-ビス(3-ブロモフェニル)ヘキ
サフルオロプロパン、2,2-ビス(4-ヨードフェニル)ヘキ
サフルオロプロパン、2,2-ビス(3-ヨードフェニル)ヘキ
サフルオロプロパン (A1-5) 4-クロロ安息香酸4-クロロフェニル、4-クロロ
安息香酸3-クロロフェニル、3-クロロ安息香酸3-クロロ
フェニル、3-クロロ安息香酸4-クロロフェニル、4-ブロ
モ安息香酸4-ブロモフェニル、4-ブロモ安息香酸3-ブロ
モフェニル、3-ブロモ安息香酸3-ブロモフェニル、3-ブ
ロモ安息香酸4-ブロモフェニル
【0034】(A1-6) ビス(4-クロロフェニル)スルホキ
シド、ビス(3-クロロフェニル)スルホキシド、ビス(4-
ブロモフェニル)スルホキシド、ビス(3-ブロモフェニ
ル)スルホキシド、ビス(4-ヨードフェニル)スルホキシ
ド、ビス(3-ヨードフェニル)スルホキシド (A1-7) ビス(4-クロロフェニル)スルホン、ビス(3-クロ
ロフェニル)スルホン、ビス(4-ブロモフェニル)スルホ
ン、ビス(3-ブロモフェニル)スルホン、ビス(4-ヨード
フェニル)スルホン、ビス(3-ヨードフェニル)スルホン
【0035】ここで、モノマー(2a)として、例え
ば、次のものを挙げることができる。 (A2-1) 4,4'-ビス(4-クロロベンゾイル)ジフェニルエー
テル、4,4'-ビス(3-クロロベンゾイル)ジフェニルエー
テル、4,4'-ビス(4-ブロモベンゾイル)ジフェニルエー
テル、4,4'-ビス(3-ブロモベンゾイル)ジフェニルエー
テル、4,4'-ビス(4-ヨードベンゾイル)ジフェニルエー
テル、4,4'-ビス(3-ヨードベンゾイル)ジフェニルエー
テル
【0036】(A2-2) 4,4'−ビス(4-クロロベンゾイルア
ミノ)ジフェニルエーテル、3,4'-ビス(4-クロロベンゾ
イルアミ)ジフェニルエーテル、4,4'-ビス(3-クロロベ
ンゾイルアミノ)ジフェニルエーテル、3,4'-ビス(3-ク
ロロベンゾイル)ジフェニルエーテル、4,4'-ビス(4-ブ
ロモベンゾイルアミノ)ジフェニルエーテル、3,4'-ビス
(4-ブロモベンゾイルアミノ)ジフェニルエーテル、4,4'
-ビス(3-ブロモベンゾイルアミノ)ジフェニルエーテ
ル、3,4'-ビス(3-ブロモベンゾイルアミノ)ジフェニル
エーテル、4,4'-ビス(4-ヨードベンゾイルアミノ)ジフ
ェニルエーテル、3,4'-ビス(4-ヨードベンゾイルアミ
ノ)ジフェニルエーテル、4,4'-ビス(3-ヨードベンゾイ
ルアミノ)ジフェニルエーテル、3,4'-ビス(3-ヨードベ
ンゾイルアミノ)ジフェニルエーテル
【0037】(A2-3) 4,4'-ビス(4-クロロフェニルスル
ホニル)ジフェニルエーテル、3,4'−ビス(4-クロロフェ
ニルスルホニル)ジフェニルエーテル、4,4'-ビス(3-ク
ロロフェニルスルホニル)ジフェニルエーテル、3,4'-ビ
ス(3-クロロフェニルスルホニル)ジフェニルエーテル、
4,4'-ビス(4-ブロモフェニルスルホニル)ジフェニルエ
ーテル、3,4'−ビス(4-ブロモフェニルスルホニル)ジフ
ェニルエーテル、4,4'-ビス(3-ブロモフェニルスルホニ
ル)ジフェニルエーテル、3,4'-ビス(3-ブロモフェニル
スルホニル)ジフェニルエーテル、4,4-ビス(4-ヨードフ
ェニルスルホニル)ジフェニルエーテル、3,4'−ビス(4-
ヨードフェニルスルホニル)ジフェニルエーテル、4,4'-
ビス(3-ヨードフェニルスルホニル)ジフェニルエーテ
ル、3,4'-ビス(3-ヨードフェニルスルホニル)ジフェニ
ルエーテル
【0038】(A2-4) 4,4'-ビス(4-クロロフェニル)ジフ
ェニルエーテルジカルボキシレート、3,4'-ビス(4-クロ
ロフェニル)ジフェニルエーテルジカルボキシレート、
4,4'-ビス(3-クロロフェニル)ジフェニルエーテルジカ
ルボキシレート、3,4'-ビス(3-クロロフェニル)ジフェ
ニルエーテルジカルボキシレート、4,4'-ビス(4-ブロモ
フェニル)ジフェニルエーテルジカルボキシレート、3,
4'-ビス(4-ブロモフェニル)ジフェニルエーテルジカル
ボキシレート、4,4'-ビス(3-ブロモフェニル)ジフェニ
ルエーテルジカルボキシレート、3,4'-ビス(3-ブロモフ
ェニル)ジフェニルエーテルジカルボキシレート、4,4'-
ビス(4-ヨードフェニル)ジフェニルエーテルジカルボキ
シレート、3,4'-ビス(4-ヨードフェニル)ジフェニルエ
ーテルジカルボキシレート、4,4'-ビス(3-ヨードフェニ
ル)ジフェニルエーテルジカルボキシレート、3,4'-ビス
(3-ヨードフェニル)ジフェニルエーテルジカルボキシレ
ート
【0039】(A2-5) 4,4'-ビス〔(4-クロロフェニル)-
1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロピル〕ジフェニルエー
テル、3,4'-ビス〔(4-クロロフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘ
キサフルオロプロピル〕ジフェニルエーテル、4,4'-ビ
ス〔(3-クロロフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ
プロピル〕ジフェニルエーテル、3,4'-ビス〔(3-クロロ
フェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロピル〕ジフ
ェニルエーテル、4,4'-ビス[(4-ブロモフェニル)-1,1,
1,3,3,3-ヘキサフルオロプロピル〕ジフェニルエーテ
ル、3,4'-ビス〔(4-ブロモフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキ
サフルオロプロピル〕ジフェニルエーテル、4,4'-ビス
〔(3-ブロモフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプ
ロピル〕ジフェニルエーテル、3,4'-ビス〔(3-ブロモフ
ェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロピル〕ジフェ
ニルエーテル、4,4'-ビス〔(4-ヨードフェニル)-1,1,1,
3,3,3-ヘキサフルオロプロピル〕ジフェニルエーテル、
3,4'-ビス〔(4-ヨードフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフ
ルオロプロピル〕ジフェニルエーテル、4,4'-ビス〔(3-
ヨードフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロピ
ル〕ジフェニルエーテル、3,4'-ビス〔(3-ヨードフェニ
ル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロピル〕ジフェニル
エーテル
【0040】(A2-6) 4,4'-ビス〔(4-クロロフェニル)テ
トラフルオロエチル〕ジフェニルエーテル、4,4'ビス
〔(3-クロロフェニル)テトラフルオロエチル〕ジフェニ
ルエーテル、4,4'-ビス〔(4-クロロフェニル)ヘキサフ
ルオロプロピル〕ジフェニルエーテル、4,4'-ビス〔(3-
クロロフェニル)ヘキサフルオロプロピル〕ジフェニル
エーテル、4,4'ビス〔(4-クロロフェニル)オクタフルオ
ロブチル〕ジフェニルエーテル、4,4'-ビス〔(3-クロロ
フェニル)オクタフルオロブチル〕ジフェニルエーテ
ル、4,4'-ビス〔(4-クロロフェニル)デカフルオロペン
チル〕ジフェニルエーテル、4,4'-ビス〔(3-クロロフェ
ニル)デカフルオロペンチル〕ジフェニルエーテル、4,
4'-ビス〔(4-ブロモフェニル)テトラフルオロエチル〕
ジフェニルエーテル、4,4'-ビス〔(3-ブロモフェニル)
テトラフルオロエチル〕ジフェニルエーテル、4,4'-ビ
ス〔(4-ブロモフェニル)ヘキサフルオロプロピル〕ジフ
ェニルエーテル、4,4'-ビス〔(3-ブロモフェニル)ヘキ
サフルオロプロピル〕ジフェニルエーテル、4,4'-ビス
〔(4-ブロモフェニル)オクタフルオロブチル〕ジフェニ
ルエーテル、4,4'-ビス〔(3-ブロモフェニル)オクタフ
ルオロブチル〕ジフェニルエーテル、4,4'-ビス〔(4-ブ
ロモフェニル)デカフルオロペンチル〕ジフェニルエー
テル、4,4'-ビス〔(3-ブロモフェニル)デカフルオロペ
ンチル〕ジフェニルエーテル、4,4'-ビス〔(4-ヨードフ
ェニル)テトラフルオロエチル〕ジフェニルエーテル、
4,4'-ビス〔(3-ヨードフェニル)テトラフルオロエチ
ル〕ジフェニルエーテル、4,4'-ビス〔(4-ヨードフェニ
ル)ヘキサフルオロプロピル〕ジフェニルエーテル、4,
4'-ビス〔(3-ヨードフェニル)ヘキサフルオロプロピ
ル〕ジフェニルエーテル、4,4'-ビス〔(4-ヨードフェニ
ル)オクタフルオロブチル〕ジフェニルエーテル、4,4'-
ビス〔(3-ヨードフェニル)オクタフルオロブチル〕ジフ
ェニルエーテル、4,4'ビス〔(4-ヨードフェニル)デカフ
ルオロペンチル〕ジフェニルエーテル、4,4'-ビス〔(3-
ヨードフェニル)デカフルオロペンチル〕ジフェニルエ
ーテル
【0041】ここで、モノマー(3a)として、例え
ば、2,2-ビス[4-{4-(4-クロロベンゾイル)フェノキシ}
フェニル]-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、ビス
[4-{4-(4-クロロベンゾイル)フェノキシ}フェニル]スル
ホン、及び下記の化学式で示される化合物が挙げられ
る。
【0042】
【化31】 〔上記式中、Xは一般式(3a)に関して定義したとお
りである。〕
【0043】モノマー(3a)は、例えば、次のような
反応により、合成することができる。まず電子吸引性基
で連結されたビスフェノールを対応するビスフェノール
のアルカリ金属塩とするために、N-メチル-2-ピロリド
ン、N,N-ジメチルアセトアミド、スルホラン、ジフェ
ニルスルホン、ジメチルスルホキサイドのような誘電率
の高い極性溶媒中でリチウム、ナトリウム、カリウムな
どのアルカリ金属、水素化アルカリ金属、水酸化アルカ
リ金属、アルカリ金属炭酸塩などを加える。
【0044】通常、アルカリ金属はフェノールの水酸基
に対し、過剰気味で反応させ、通常、1.1ないしは2倍
当量を使用する。好ましくは、1.2〜1.5倍当量の使用で
ある。この際、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサ
ン、シクロヘキサン、オクタン、クロロベンゼン、ジオ
キサン、テトラヒドロフラン、アニソール、フェネトー
ルなどの水と共沸する溶媒を共存させて、電子吸引性基
で活性化されたフッ素、塩素等のハロゲン原子で置換さ
れた芳香族ジハライド化合物、例えば、4,4'-ジフルオ
ロベンゾフェノン、4,4'-ジクロロベンゾフェノン、4,
4'-クロロフルオロベンゾフェノン、ビス(4-クロロフェ
ニル)スルホン、ビス(4-フルオロフェニル)スルホン、4
-フルオロフェニル-4'-クロロフェニルスルホン、ビス
(3-ニトロ-4-クロロフェニル)スルホン、2,6-ジクロロ
ベンゾニトリル、2,6-ジフルオロベンゾニトリル、ヘキ
サフルオロベンゼン、デカフルオロビフェニル、2,5-ジ
フルオロベンゾフェノン、1,3-ビス(4-クロロベンゾイ
ル)ベンゼンなどを反応させる。反応性から言えば、フ
ッ素化合物が好ましいが、次の芳香族カップリング反応
を考慮した場合、末端が塩素原子となるように芳香族求
核置換反応を組み立てる必要がある。活性芳香族ジハラ
イドはビスフェノールに対し、2から4倍モル、好まし
くは2.2から2.8倍モルの使用である。芳香族求核置換反
応の前に予め、ビスフェノールのアルカリ金属塩として
いてももよい。反応温度は60℃から300℃で、好ましく
は80℃〜250℃の範囲である。反応時間は15分から100時
間、好ましくは1時間から24時間の範囲である。最も好
ましい方法としては、式(I):
【0045】
【化32】 …(I) [式中、Aは一般式(1a)に関して定義したとおりであ
る。]で示される活性芳香族ジハライドとして反応性の
異なるハロゲン原子を一個づつ有するクロロフルオロ体
を用いることであり、フッ素原子が優先してフェノキシ
ドと求核置換反応が起きるので、目的の活性化された末
端クロロ体を得るのに好都合である。
【0046】または特開平2-159号公報に記載のように
求核置換反応と親電子置換反応を組み合わせ、目的の電
子吸引性基、電子供与性基からなる屈曲性化合物の合成
方法がある。具体的には電子吸引性基で活性化された芳
香族ビスハライド、例えば、ビス(4-クロロフェニル)ス
ルホンをフェノールとで求核置換反応させてビスフェノ
キシ置換体とする。次いで、この置換体を例えば、4-ク
ロロ安息香酸クロリドとのフリーデルクラフト反応から
目的の化合物を得る。ここで用いる電子吸引性基で活性
化された芳香族ビスハライドは上記で例示した化合物が
適用できる。フェノール化合物は置換されていても良い
が、耐熱性や屈曲性の観点から、無置換化合物が好まし
い。なお、フェノールの置換反応にはアルカリ金属塩と
するのが、好ましく、使用可能なアルカリ金属化合物は
上記に例示した化合物を使用できる。使用量はフェノー
ル1モルに対し、1.2〜2倍モルである。
【0047】反応に際し、上述した極性溶媒や水との共
沸溶媒を用いることができる。ビスフェノキシ化合物を
塩化アルミニウム、三フッ化ホウ素、塩化亜鉛などのル
イス酸のフリーデルクラフト反応の活性化剤存在下に、
アシル化剤として、クロロ安息香酸クロライドを反応さ
せる。クロロ安息香酸クロライドはビスフェノキシ化合
物に対し、2−4倍モル、好ましくは2.2〜3倍モルの
使用である。フリーデルクラフト活性化剤は、アシル化
剤のクロロ安息香酸などの活性ハライド化合物1モルに
対し、1.1から2倍当量使用する。反応時間は15分から1
0時間の範囲で、反応温度は−20℃から80℃の範囲であ
る。使用溶媒は、フリ−デルクラフト反応に不活性な、
クロロベンゼンやニトロベンゼンなどを用いることが出
来る。このようにして得られるモノマー(3a)は、I
R、NMR、元素分析などにより、その構造を確認する
ことができる。
【0048】本発明で使用できる一般式(3a)で示さ
れるハロゲン化合物はn=2で示される単量体の他、n
が2よりも大きなオリゴマーないしポリマーも使用でき
る。これらのオリゴマーないしポリマーは、例えば、一
般式(3a)において電子供与性基Bであるエーテル性
酸素の供給源となるビスフェノールと、電子吸引性基A
である、>C=O、−SO−、および/または>C
(CFとを組み合わした、具体的には 2,2-ビス
(4-ヒドロキシフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ
プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ケトン、2,
2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホンなどのビスフェ
ノールのアルカリ金属塩と過剰の4,4'-ジクロロベンゾ
フェノン、ビス(4-クロロフェニル)スルホンなどの活性
芳香族ハロゲン化合物との置換反応をN-メチル-2-ピロ
リドン、N,N-ジメチルアセトアミド、スルホランな
どの極性溶媒存在下で前記単量体の合成手法に順次重合
して得られる。得られたオリゴマーないしポリマーはポ
リマーの一般的な精製方法、例えば、溶解−沈殿の操作
によって行うことができる。分子量の調整は、過剰の芳
香族ジクロライドとビスフェノールとの反応モル比によ
って行う。芳香族ジクロライドが過剰にあるため、得ら
れるオリゴマー、ポリマーの分子末端は芳香族クロライ
ドになっている。得られたオリゴマー、ポリマーの分子
量はGPC、また、オリゴマーであれば、NMRからは
数平均分子量を求めることができる。
【0049】具体的な分子末端に芳香族クロライドを有
したオリゴマー、またはポリマーの構造として以下のも
のを挙げることができる。
【0050】
【化33】
【0051】
【化34】
【0052】
【化35】
【0053】(2)モノマー(B) ハロゲンを2有するモノマー(B)としては、例えば、
下記一般式(1b)、下記一般式(2b)下記一般式
(3b)、および下記一般式(4b)で表される化合物
(以下、順に、「モノマー(1b)」、「モノマー(2
b)」、「モノマー(3b)」、「モノマー(4b)」
という)からなる群から選ばれる少なくとも1種のモノ
マーを用いることができる。
【0054】
【化36】 …(1b) (式中、X、Aは式(1a)に関して定義したとおりで
あり、Bは式(3a)で定義したとおりであり、R9
15は、同一または異なり、水素原子、フッ素原子、ア
ルキル基またはフルオロアルキル基であり、Zはアリー
ル基であり、mは0、1または2の整数である。)以
下、一般式(1b)等において、アルキル基としてはメ
チル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基
などが挙げられる。フルオロアルキル基としてはトリフ
ルオロメチル基、ペンタフルオルエチル基などが挙げら
れる。
【0055】また、Zにより表されるアリール基として
は、例えば、フェニル基、ナフチル基、式:
【0056】
【化37】 [式中、R25〜R33は同一又は異なり水素原子、フッ素
原子又はアルキル基であり、アルキル基としては一般式
(1b)において例示したものが挙げられる。]で表さ
れるビフェニリル基が挙げられる。
【0057】
【化38】 …(2b)
【0058】
【化39】 …(3b)
【0059】
【化40】 …(4b) (上記一般式(2b)、(3b)および(4b)中、X
は独立に塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子であり、
17〜R24は、同一または異なり、水素原子、フッ素原
子、アルキル基またはフルオロアルキル基である。)
【0060】ここで、モノマー(1b)として、例え
ば、次のものを挙げることができる。
【0061】
【化41】 [式中、X及びZは式(1b)に関して定義したとおり
である。]
【0062】さらに具体的には、モノマー(1b)の例
としては、2,4-ジクロロ-4'-フェノキシベンゾフェノ
ン、4'-フェノキシフェニル2,5-ジクロロベンゾエー
ト、4'-フェノキシフェニル2,4-ジクロロベンゾエー
ト、また、下記式で表されるものが挙げられる。
【0063】
【化42】
【0064】
【化43】
【0065】
【化44】
【0066】
【化45】
【0067】モノマー(1b)は、例えば、2,5-ジクロ
ロ-4'-[(4-フェノキシ)フェノキシ]ベンゾフェノンを例
にとると、2,5-ジクロロ-4'-フルオロベンゾフェノンと
p -フェノキシフェノールとを出発反応原料とし、これ
に炭酸カリウムを加えて反応性の高いフェノキシドに変
え、また反応溶媒として、ジメチルアセトアミド、トル
エン、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシドな
どの非プロトン系双極子極性溶媒などを用い、反応温度
80〜200 ℃で1〜30時間反応させることにより、合成す
ることができる。モノマー(1b)としては、溶解性、
高分子量化の面から、ジクロロ安息香酸誘導体、例えば
2,5-ジクロロ-4'フェノキシベンゾフェノン、2,4-ジク
ロロ-4'-フェノキシベンゾフェノン、4'-フェノキシフ
ェニル2,5-ジクロロベンゾエート、4'-フェノキシフェ
ニル2,4-ジクロロベンゾエートを使用することが好まし
い。
【0068】ここでモノマー(2b)としては、例えば
次のものが挙げられる。p-ジクロロベンゼン、p-ジブ
ロモベンゼン、p-ジヨードベンゼン、2,5-ジクロロト
ルエン、2,5-ジブロモトルエン、2,5-ジヨードトルエ
ン、2,5-ジクロロ-p-キシレン、2,5-ジブロモ-p-キシレ
ン、2,5-ジヨード-p-キシレン、2,5-ジクロロベンゾト
リフルオライド、2,5-ジブロモベンゾトリフルオライ
ド、2,5-ジヨードベンゾトリフルオライド、1,4-ジクロ
ロ-2,3,5,6-テトラフルオロベンゼン、1,4-ジブロモ-2,
3,5,6-テトラフルオロベンゼン、1,4-ジヨード-2,3,5.6
-テトラフルオロベンゼン中でも、p-ジクロロベンゼ
ン、2.5-ジクロロトルエン、2,5-ジクロロベンゾトリフ
ルオライドが好ましい。
【0069】ここでモノマー(3b)としては、次のも
のが挙げられる。4,4’-ジクロロビフェニル、4,4'-ジ
クロロ-3,3'-ジプロペニルビフェニル、4,4'-ジブロモ
ビフェニル、4,4'-ジヨードビフェニル、4,4'-ジクロロ
-3,3'-ジメチルビフェニル、4,4'-ジクロロ-3,3'-ジフ
ルオロビフェニル、4,4'-ジクロロ-3,3',5,5'-テトラフ
ルオロビフェニル、4,4'-ジブロモオクタフルオロビフ
ェニル、4,4'-ジクロロオクタフルオロビフェニル中で
も、4,4’-ジクロロビフェニル、4,4'-ジブロモビフェ
ニル、4,4'-ジクロロ-3,3'-ジプロペニルビフェニルが
好ましい。
【0070】ここでモノマー(4b)としては、次のも
のが挙げられる。m-ジクロロベンゼン、m-ジブロモベ
ンゼン、m-ジヨードベンゼン、2,4-ジクロロトルエ
ン、2,4-ジブロモトルエン、2,4-ジヨードトルエン、3,
5-ジクロロトルエン、3,5-ジブロモトルエン、3,5-ジヨ
ードトルエン、2,6-ジクロロトルエン、2,6-ジブロモト
ルエン、2,6-ジヨードトルエン、2,4-ジクロロベンゾト
リフルオライド、2,4-ジブロモベンゾトリフルオライ
ド、2,4-ジヨードベンゾトリフルオライド、3,5-ジクロ
ロベンゾトリフルオライド、3,5-ジブロモトリフルオラ
イド、3,5-ジヨードベンゾトリフルオライド、1,3-ジブ
ロモ-2,4,5.6-テトラフルオロベンゼン中でも、m-ジク
ロロベンゼン、2,4-ジクロロトルエン、3,5-ジクロロト
ルエン、2,4-ジクロロベンゾトリフルオライドが好まし
い。
【0071】(3)分岐構造形成剤(C) 分岐構造形成剤(C)としては、例えば、下記一般式
(1a’)、下記一般式(2a’)、下記一般式(3
a’)、下記一般式(1b’)および下記一般式(2
b’)で表される化合物(以下、順に、「分岐構造形成
剤(1a’)」、「分岐構造形成剤(2a’)」、「分
岐構造形成剤(3a’)」、「分岐構造形成剤(1
b’)」、「分岐構造形成剤(2b’)」という)から
なる群から選ばれる少なくとも1種の分岐構造形成剤を
用いることができる。
【0072】
【化46】 …(1a’) (式中、Aは式(1a)に関して定義したとおりであ
り、Rは独立に水素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素
原子、フッ素原子、アルキル基、フルオロアルキル基で
ある。ただし、全Rのうち少なくとも3個は、同一また
は異なり、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子であ
る。) 以下、一般式(1a’)等において、アルキル基として
はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシ
ル基などが挙げられる。フルオロアルキル基としてはト
リフルオロメチル基、ペンタフルオルエチル基などが挙
げられる。
【0073】
【化47】 …(2a’) (式中、Aは独立に式(1a)に関して定義したとおり
であり、Rは独立に式(1a’)に関して定義したとお
りである。)
【0074】
【化48】 …(3a’) (式中、Aは独立に式(1a)に関して定義したとおり
であり、Bは独立に式(3a)に関して定義したとおり
であり、Rは独立に式(1a’)に関して定義したとお
りである。nは2以上、好ましくは2〜100、特に好
ましくは2〜80の整数である。)
【0075】
【化49】 …(1b’) (式中、Rは独立に水素原子、塩素原子、臭素原子、ヨ
ウ素原子、フッ素原子、アルキル基、フルオロアルキル
基である。ただし、全Rのうち少なくとも3個は、同一
または異なり、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子で
ある。)
【0076】
【化50】 …(2b’) (式中、Rは独立に式(1b’)に関して定義したとお
りである。) 以下、一般式(1b’)等において、アルキル基として
はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシ
ル基などが挙げられる。フルオロアルキル基としてはト
リフルオロメチル基、ペンタフルオルエチル基などが挙
げられる。
【0077】「分岐構造形成剤(1a’)」としては、
例えば、次のものを挙げることができる。
【0078】
【化51】
【0079】「分岐構造形成剤(2a’)」としては、
例えば、次のものを挙げることができる。
【0080】
【化52】
【0081】「分岐構造形成剤(3a’)」としては、
例えば、次のものを挙げることができる。
【0082】
【化53】
【0083】「分岐構造形成剤(1b’)」としては、
例えば、1,3,5-トリクロロベンゼン、1,3,5-トリブロモ
ベンゼンを挙げることができる。「分岐構造形成剤(2
b’)」としては、例えば、3,5,4'-トリクロロビフェ
ニル、3,5,4'-トリブロモビフェニル、3,5,3',5'-テト
ラクロロビフェニル、3,5,3',5'-テトラブロモビフェニ
ルを挙げることができる。
【0084】これら分岐構造形成剤(C)の配合量は、
採用するモノマー(A),モノマー(B)の種類等によ
ってことなるが、共重合させるモノマー(A)およびモ
ノマー(B)の合計量に対して、0.01〜5モル%、好ま
しくは0.1〜5モル%、より好ましくは0.1〜3モル%用
いる。5モル%以上では、分岐構造が密になって架橋構
造体となり、溶剤に不溶な共重合体部が生じてしまった
り、分岐鎖が短すぎて共重合体溶液の低粘度化効果が得
られなかったりする。一方、0.01モル%以下では、分岐
が少なすぎて共重合体溶液の低粘度化効果が得られな
い。また、分岐構造形成剤(C)が有するハロゲンの数
については、上記分岐構造形成剤(1a’)〜(2
b’)の構造にもよるが、3〜6個、好ましくは、3〜
4個、特に好ましくは3個である。前記ハロゲン数が3
個より多いと、場合により、分岐構造が密になって架橋
構造体となってしまい、溶剤に不溶な共重合体部が生じ
てしまう可能性が高くなる。
【0085】(4)分子量調節剤(D) 上記モノマー(A)、モノマー(B)および分岐構造形
成剤(C)のほかに、必要に応じ、分子量調節剤(D)
を共重合反応系に少量共存させることができる。この分
子量調節剤(D)は、特に、上記モノマー(A)および
モノマー(B)により形成される分岐状ポリアリーレン
系共重合体の分子量が高くなりすぎて、結果として、溶
剤不溶部が生じるような場合に、その高分子量化を抑制
して分子量を適切に調節(低減化)する目的で用いられ
るが、上記モノマー(A)、モノマー(B)および分岐
構造形成剤(C)の配合比や重合添加率などの共重合条
件等によっては、使用する必要がない場合もあるので、
あくまでも任意に用いられるものである。
【0086】この分子量調節剤としては、特に限定され
ないが、ハロゲン(フッ素を除く)を1個有する単官能
低分子量化合物が用いられる。好ましくは、反応性の観
点からモノハロゲン化芳香族系化合物が望ましい。該モ
ノハロゲン化芳香族系化合物としては、例えば、4-クロ
ロベンゾフェノン、4-クロロベンズアニリド、クロロベ
ンゼン、ブロモベンゼン、4-ブロモベンゾフェノン、4-
ブロモベンズアニリド、4-クロロ安息香酸フェニル、4-
ブロモ安息香酸フェニル、安息香酸4-クロロフェニル、
安息香酸4-ブロモフェニル、[1-(4-クロロフェニル)-3-
フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4-クロロジフェニ
ルスルホン、4-ブロモジフェニルスルホン、(4-クロロ
フェニル)ジフェニルフルオロメタンなどを挙げること
ができるが、中でも、4-クロロベンゾフェノンが望まし
い。分子量調節剤(D)を用いる場合、その使用量は、
モノマー(A)、モノマー(B)、分岐構造形成剤
(C)および分子量調節剤(D)のハロゲン(フッ素を
除く)官能度の加重平均が1.7〜2.0、好ましくは1.9〜
2.0になる量である。
【0087】[分岐状ポリアリーレン共重合体の製造]
本発明の分岐状ポリアリーレン系共重合体は、分岐構造
形成剤(C)(および、必要により上記分子量調節剤
(D))の存在下で、上記モノマー(A)および上記モ
ノマー(B)のカップリング反応により共重合させて合
成することができる。
【0088】本発明の分岐状ポリアリーレン系共重合体
を製造する際に使用される触媒は、遷移金属化合物を含
む触媒系であり、この触媒系としては、(1)遷移金属塩
および配位子となる化合物(以下、配位子成分とい
う)、または配位子が配位された遷移金属錯体(銅塩を
含む)、ならびに(2)還元剤を必須成分とし、さらに、
重合速度を上げるために、「塩」を添加してもよい。こ
こで、遷移金属塩としては、塩化ニッケル、臭化ニッケ
ル、ヨウ化ニッケル、ニッケルアセチルアセトナートな
どのニッケル化合物、塩化パラジウム、臭化パラジウ
ム、ヨウ化パラジウムなどのパラジウム化合物、塩化
鉄、臭化鉄、ヨウ化鉄などの鉄化合物、塩化コバルト、
臭化コバルト、ヨウ化コバルトなどのコバルト化合物な
どが挙げられる。これらのうち特に、塩化ニッケル、臭
化ニッケルなどが好ましい。また、配位子成分として
は、トリフェニルホスフィン、2,2'-ビピリジン、1,5-
シクロオクタジエン、1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)
プロパンなどが挙げられるが、トリフェニルホスフィ
ン、2,2'-ビピリジンが好ましい。上記配位子成分であ
る化合物は、1種単独で、あるいは2種以上を併用する
ことができる。
【0089】さらに、あらかじめ配位子が配位された遷
移金属錯体としては、例えば、塩化ニッケルビス(トリ
フェニルホスフィン)、臭化ニッケルビス(トリフェニル
ホスフィン)、ヨウ化ニッケルビス(トリフェニルホスフ
ィン)、硝酸ニッケルビス(トリフェニルホスフィン)、
塩化ニッケル(2,2'-ビピリジン)、臭化ニッケル(2,2'-
ビピリジン)、ヨウ化ニッケル(2,2'-ビピリジン)、硝酸
ニッケル(2,2'-ビピリジン)、ビス(1,5-シクロオクタジ
エン)ニッケル、テトラキス(トリフェニルホスフィン)
ニッケル、テトラキス(トリフェニルホスファイト)ニッ
ケル、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム
などが挙げられるが、塩化ニッケルビス(トリフェニル
ホスフィン)、塩化ニッケル(2,2'-ビピリジン)が好ま
しい。上記触媒系に使用することができる上記還元剤と
しては、例えば、鉄、亜鉛、マンガン、アルミニウム、
マグネシウム、ナトリウム、カルシウムなどを挙げるこ
とできるが、亜鉛、マグネシウム、マンガンが好まし
い。これらの還元剤は、有機酸などの酸に接触させるこ
とにより、より活性化して用いることができる。
【0090】また、触媒系において使用することのでき
る「塩」としては、フッ化ナトリウム、塩化ナトリウ
ム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、硫酸ナトリウ
ムなどのナトリウム化合物、フッ化カリウム、塩化カリ
ウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、硫酸カリウムな
どのカリウム化合物、フッ化テトラエチルアンモニウ
ム、塩化テトラエチルアンモニウム、臭化テトラエチル
アンモニウム、ヨウ化テトラエチルアンモニウム、硫酸
テトラエチルアンモニウムなどのアンモニウム化合物な
どが挙げられるが、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウ
ム、臭化カリウム、臭化テトラエチルアンモニウム、ヨ
ウ化テトラエチルアンモニウムが好ましい。
【0091】触媒系における各成分の使用割合は、遷移
金属塩または遷移金属錯体が、上記各成分の総計1モル
に対し、通常、0.0001〜10モル、好ましくは0.01〜0.5
モルである。0.0001モル未満では、重合反応が十分に進
行せず、一方、10モルを超えると、分子量が低下すると
いう問題がある。触媒系において、遷移金属塩および配
位子成分を用いる場合、この配位子成分の使用割合は、
遷移金属塩1モルに対し、通常、0.1〜100モル、好まし
くは1〜10モルである。0.1モル未満では、触媒活性が
不十分となり、一方、100モルを超えると、分子量が低
下するという問題がある。
【0092】また、触媒系における還元剤の使用割合
は、上記各成分の総計1モルに対し、通常、0.1〜100モ
ル、好ましくは1〜10モルである。0.1モル未満では、
重合が十分進行せず、一方、100モルを超えると、得ら
れる重合体の精製が困難になるという問題がある。さら
に、触媒系に「塩」を使用する場合、その使用割合は、
上記各成分の総計1モルに対し、通常、0.001〜100モ
ル、好ましくは0.01〜1モルである。0.001モル未満で
は、重合速度を上げる効果が不十分であり、一方、100
モルを超えると、得られる重合体の精製が困難となると
いう問題がある。
【0093】分岐状ポリアリーレン系共重合体の合成の
ため使用することのできる重合溶媒としては、例えば、
テトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジメチルスル
ホキシド、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチ
ルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、γ-ブチロ
ラクトン、γ-ブチロラクタムなどが挙げられ、テトラ
ヒドロフラン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジ
メチルアセトアミド、1-メチル-2-ピロリドンが好まし
い。これらの重合溶媒は、十分に乾燥してから用いるこ
とが好ましい。重合溶媒中における上記各成分の総計の
濃度は、通常、1〜90重量%、好ましくは5〜40重量%
である。また、分岐状ポリアリーレン系共重合体を重合
する際の重合温度は、通常、0〜200℃、好ましくは50
〜120℃である。また、重合時間は、通常、0.5〜100時
間、好ましくは1〜40時間である。
【0094】また、このようにして得られるスルホン化
分岐状ポリアリーレン系共重合体の分子量は、ポリスチ
レン換算重量平均分子量で、10×103〜2,000×103、好
ましくは20×103〜1,500×103である。10×103未満で
は、成形フィルムにクラックが発生するなど、成膜性が
不十分であり、また強度的性質にも問題がある。一方、
2,000×103を超えると、溶解性が不十分となり、加工性
が不良になるなどの問題がある。
【0095】[スルホン化分岐状ポリアリーレン共重合
体の製造]上述した製法により得られた分岐状ポリアリ
ーレン共重合体に、スルホン化剤を用い、常法によりス
ルホン酸基を導入することによりスルホン化分岐状ポリ
アリーレン共重合体とすることができる。スルホン酸基
を導入するには、例えば、上記分岐状共重合体を、無水
硫酸、発煙硫酸、クロルスルホン酸、硫酸、亜硫酸水素
ナトリウムなどの公知のスルホン化剤を用いて、無溶剤
下、あるいは溶剤存在下で、公知の条件でスルホン化す
ることができる。
【0096】溶剤としては、例えばn-ヘキサンなどの
炭化水素溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの
エーテル系溶剤、ジメチルアセトアミド、ジメチルホル
ムアミド、ジメチルスルホキシドのような非プロトン系
極性溶剤のほか、テトラクロロエタン、ジクロロエタ
ン、クロロホルム、塩化メチレンなどのハロゲン化炭化
水素などが挙げられる。反応温度は特に制限はないが、
通常、-50〜200℃、好ましくは-10〜100℃である。ま
た、反応時間は、通常、0.5〜1,000時間、好ましくは1
〜200時間である。
【0097】このようにして得られる、本発明のスルホ
ン酸基含有分岐状共重合体中の、スルホン酸基量は、0.
5〜3mg当量/g、好ましくは0.8〜2.8mg当量/g
である。0.5mg当量/gでは、プロトン伝導性が上が
らず、一方3mg当量/gを超えると、親水性が向上
し、水溶性ポリマーとなってしまうか、また水溶性に至
らずとも耐久性が低下する。上記のスルホン酸基量は、
モノマー(A)およびモノマー(B)の種類や他の成分
との組合せを変えることにより、容易に調整することが
できる。
【0098】[プロトン伝導膜の製造]また、本発明の
プロトン伝導膜は,上記分岐状スルホン化共重合体から
なるが、上記分岐状スルホン化共重合体以外に、硫酸、
リン酸などの無機酸、カルボン酸等の有機酸、適量の水
などを併用しても良い。
【0099】本発明の伝導膜を製造するには、上記スル
ホン化共重合体を溶剤に溶解したのち、キャスティング
によりフィルム状に成形するキャスティング法が採用さ
れる。ここで、キャスティング法における溶剤として
は、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N
-メチル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシドなどの非
プロトン系極性溶剤などが挙げられる。これらの溶剤に
はさらにメタノールなどのアルコール系溶剤が混合され
ていてもよい。本発明で得られる伝導膜は、例えば一次
電池用電解質、二次電池用電解質、燃料電池用高分子固
体電解質、表示素子、各種センサー、信号伝達媒体、固
体コンデンサー、イオン交換膜などに利用可能なプロト
ン伝導性の伝導膜に利用可能である。
【0100】
【実施例】[合成例1](オリゴマーの合成) 撹拌機、温度計、冷却管、Dean-Stark管、窒素導入の三
方コックをとりつけた1Lの三つ口のフラスコに、2,2-
ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフル
オロプロパン(ビスフェノールAF)67.3g(0.20モ
ル)、4,4'-ジクロロベンゾフェノン(4,4'-DCBP)
53.5g(0.213モル)、炭酸カリウム71.9g(0.52モ
ル)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)300m
L、トルエン150mLをとり、オイルバス中、窒素雰囲
気下で加熱し撹拌下130℃で反応させた。反応により生
成する水をトルエンと共沸させ、Dean-Stark管で系外に
除去しながら反応させると、約3時間で水の生成がほと
んど認められなくなった。反応温度を130℃から徐々に1
50℃まで上げた。その後、反応温度を徐々に150℃まで
上げながら大部分のトルエンを除去し、150℃で10時間
反応を続けた後、4,4-DCBP10.0g(0.040モル)を
加え、さらに5時間反応した。得られた反応液を放冷
後、副生した無機化合物の沈殿物を濾過除去し、濾液を
4Lのメタノール中に投入した。沈殿した生成物を濾
別、回収し乾燥後、テトラヒドロフラン300mLに溶解
した。これをメタノール4Lに再沈殿し、目的の化合物
95g(収率85%)を得た。
【0101】得られた重合体のGPC(THF溶媒)で
求めたポリスチレン換算の数平均分子量は11,500、重量
平均分子量は27,000であった。に示す。また、得られた
重合体はTHF、NMP、DMAc、スルホランなどに
可溶で、Tgは154℃、熱分解温度は529℃であった。 得られた重合体は式(II):
【0102】
【化54】 …(II)で表される構造を有することが推定され、該構
造と上記の数平均分子量とから、nの平均値は22.1と求
められた。
【0103】実施例1 2,5-ジクロロ-4'-(4-フェノキシ)フェノキシベンゾフェ
ノン 70.87g(163mmol)、合成例1で得られたオ
リゴマー59.80g(5.2mmol)、2,4,4'-トリクロロ
ベンゾフェノン 1.43g(5.0mmol)、4,4'-ジクロ
ロベンゾフェノン 5.27g(21mmol)、4-クロロベ
ンゾフェノン 1.30g(6.0mmol)、ヨウ化ナトリウ
ム 3.90g(26mmol)、ビストリフェニルホスフィ
ンニッケルジクロライド3.93g(6mmol)、トリフ
ェニルホスフィン 21.0g(80mmol)、亜鉛 31.4g
(480mmol)を還流冷却管、三方コックを取り付け
た三口フラスコに入れ、70℃のオイルバスにつけ、窒素
置換後、窒素雰囲気下にN-メチル-2-ピロリドン 320m
Lを加え、オイルバスの温度を80℃に上げて反応を開始
した。5時間反応後、NMP200mLで希釈し、1:10
塩酸/メタノール溶液に重合反応液を注ぎ、ポリマーを
析出させ、洗浄、濾過、真空乾燥し、白色の粉末を得
た。収量は、120.8gであった。また、GPC(THF
溶媒)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量は
122,000であった。
【0104】上記のようにして得られたポリマー 50g
に対し、濃硫酸 500mLを加え室温で24時間、攪拌しス
ルホン化反応を行った。反応後、大量の純水中に注ぎ、
スルホン化ポリマーを析出させた。中性近くになるまで
ポリマーの水洗浄を続け、濾過によりスルホン化ポリマ
ーを回収し、90℃で真空乾燥した。スルホン化ポリマー
の収量は 58.7gであった。スルホン化ポリマーのスル
ホン化当量は2.0mg当量/gであった。さらに得られ
たポリマースルホン化ポリマー 30gを用い、NMPと
メタノール混合溶媒(50/50:容積比)の15%溶液を調
製した。溶液粘度は 2,100 mPa・secであった。ポリマ
ー溶液をドクターブレードを用いてキャストし、100
℃、30分、150℃1時間で塗膜を乾燥し、乾燥膜厚60μm
の膜を調製した。塗膜表面はべとつかず乾燥しており、
表面均質な膜が得られた。
【0105】実施例2 実施例1の仕込みモノマー組成を、2,5-ジクロロ-4'-(4
-フェノキシ)フェノキシベンゾフェノン 81.84g(184
mmol)、合成例1で得たオリゴマー 80.50g(5.2
mmol)、2,4,4'-トリクロロベンゾフェノン 0.57g
(2.0mmol)、4-クロロベンゾフェノン 0.65g(3.
0mmol)、に変更し、また反応に用いるNMPの量
を360mLに変え、同様に反応を行った。得られたポリ
マーの収量は 144.9gであった。また、重量平均分子量
は、137,000であった。
【0106】実施例1と同様に得られたポリマー50gを
用いスルホン化を行い、57.7gのスルホン化ポリマーを
得た。スルホン化ポリマーのスルホン化当量は2.1mg
当量/gであった。得られたポリマースルホン化ポリマ
ー30gを用い、NMPとメタノール混合溶媒(50/50:
容積比)の15%溶液を調製した。溶液粘度は 2,400 mPa
・secであった。溶液から、ドクターブレードを用いて
キャストし、100℃、30分、150℃1時間で塗膜を乾燥し
た。塗膜表面はべとつかず乾燥しており、表面表面均質
な膜が得られた。
【0107】実施例3 実施例1の仕込みモノマー組成を、2,5-ジクロロ-4'-(4
-フェノキシ)フェノキシベンゾフェノン43.53g(100 m
mol)、2,2-ビス(4-{4-(4-クロロベンゾイル)フェノキ
シ}フェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン 7
0.43g(92 mmol)、2,4,4'-トリクロロベンゾフェノン
0.86g(3.0 mmol)、4-クロロベンゾフェノン 1.08g
(5.0 mmol)、に変更し、また反応に用いるNMPの量
を260mLに変え、同様に反応を行った。得られたポリ
マーの収量は 99.3gであった。また、重量平均分子量
は、142,000であった。
【0108】実施例1と同様にポリマー50gを用いスル
ホン化を行い、58.4gのスルホン化ポリマーを得た。ス
ルホン化ポリマーのスルホン化当量は2.0mg当量/g
であった得られたポリマースルホン化ポリマー30gを用
い、NMPとメタノール混合溶媒(50/50:容積比)の1
5%溶液を調製した。溶液粘度は 2,700 mPa・secであっ
た。溶液から、ドクターブレードを用いてキャストし、
100℃、30分、150℃1時間で塗膜を乾燥した。塗膜表面
はべとつかず乾燥しており、表面均質な膜が得られた。
【0109】実施例4 実施例1の仕込みモノマー組成を、2,5-ジクロロ-4-フ
ェノキシベンゾフェノン 61.08g(178 mmol)、2,4,4'
-トリクロロベンゾフェノン 0.57g(2.0 mmol)、4,4'
-ジクロロベンゾフェノン 4.02g(16 mmol)、4-クロ
ロベンゾフェノン 0.87g(4.0 mmol)、に代え、また
反応に用いるNMPの量を250mLに変え、同様に反応
を行った。得られたポリマーの収量は51.2gであった。
また、重量平均分子量は、146,000であった。
【0110】実施例1と同様にポリマー50gを用いスル
ホン化を行い、61.7gのスルホン化ポリマーを得た。ス
ルホン化ポリマーのスルホン化当量は2.4mg当量/g
であった。得られたポリマースルホン化ポリマー30gを
用い、NMPとメタノール混合溶媒(50/50:容積比)
の15%溶液を調製した。溶液粘度は 2,800 mPa・secで
あった。溶液から、ドクターブレードを用いてキャスト
し、100℃、30分、150℃1時間で塗膜を乾燥した。塗膜
表面はべとつかず乾燥し、表面表面が乾燥し、均質な膜
が得られた。
【0111】比較例1 実施例1で用いた2,4,4'-トリクロロベンゾフェノンを
使用せずに、同様に重合、スルホン化を行った。スルホ
ン化前のポリアリーレンの重量平均分子量は、120,000
であった。NMP/メタノール:50/50(容積比)を溶媒
に用い、スルホン化ポリマー 15%の溶液を調製した。
スルホン化ポリマーのスルホン化当量は2.0mg当量/
gであった。溶液粘度は、3,500 mPa・secであった。同
様にドクタブレードで塗膜を作成し、乾燥を行った。実
施例1と同一の乾燥条件では、塗膜表面は十分に乾燥し
ていなかった。
【0112】比較例2 実施例2で用いた2,4,4'-トリクロロベンゾフェノンを
使用せずに、同様に重合、スルホン化を行った。スルホ
ン化前のポリアリーレンの重量平均分子量は、129,000
であった。スルホン化ポリマーのスルホン化当量は2.1
mg当量/ggであったNMP/メタノール:50/50(容
積比)を溶媒に用い、スルホン化ポリマー15%の溶液を
調製した。溶液粘度は、2,800 mPa・secであった。実施
例2と同様にドクタブレードで塗膜を作成し、乾燥を行
った。塗膜表面にはスジムラが現れ、また十分に乾燥し
ていなかった。
【0113】比較例3 実施例3で用いた2,4,4'-トリクロロベンゾフェノンを
使用せずに、同様に重合、スルホン化を行った。スルホ
ン化前のポリアリーレンの重量平均分子量は、124,000
であった。スルホン化ポリマーのスルホン化当量は2.0
mg当量/gであった。スルホン化前のポリアリーレン
の重量平均分子量は、139,000であった。NMP/メタノ
ール:50/50(容積比)を溶媒に用い、スルホン化ポリ
マー15%の溶液を調製した。溶液粘度は、3,700 mPa・s
ecであった。実施例3と同様にドクタブレードで塗膜を
作成し、乾燥を行った。塗膜表面はべとついており十分
に乾燥していなかった。
【0114】比較例4 実施例4で用いた2,4,4'-トリクロロベンゾフェノンを
使用せずに、同様に重合、スルホン化を行った。スルホ
ン化前のポリアリーレンの重量平均分子量は、134,000
であった。スルホン化ポリマーのスルホン化当量は2.4
mg当量/gであったNMP/メタノール:50/50(容積
比)を溶媒に用い、スルホン化ポリマー15%の溶液を調
製した。溶液粘度は、4,200 mPa・secであった。同様に
ドクタブレードで塗膜を作成し、乾燥を行った。実施例
4と同一の乾燥条件では、塗膜表面は十分に乾燥してい
なかった。また表面にスジムラが現れていた。
【0115】
【発明の効果】本発明により得られた分岐状ポリアリー
レン系共重合体は、主鎖中に屈曲性構造を有するために
靭性が高く、スルホン化しても靭性および耐熱水性が低
下しにくいものであるが、さらに、スルホン化されたの
ち、そのスルホン化分岐状ポリアリーレン共重合体を溶
剤に溶解するに際して、キャスティング法により成膜し
てプロトン伝導膜を得る成膜工程において、泡抜けや乾
燥時間の問題が解消され、スジムラのないフィルムを得
ることができるとの特徴を有する。そして、本発明で得
られるプロトン伝導膜は、一次電池用電解質、二次電池
用電解質、燃料電池用高分子固体電解質、表示素子、各
種センサー、信号伝達媒体、固体コンデンサー、イオン
交換膜などの伝導膜として利用可能であり、その工業的
意義は極めて大である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01M 10/40 H01M 10/40 B 5H029 C08L 65:00 C08L 65:00 (72)発明者 二見 聡 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 (72)発明者 後藤 幸平 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 Fターム(参考) 4F071 AA69 AA78 AH12 AH15 BB02 BC01 4J032 CA03 CA04 CB05 CD02 CE03 CF01 CG01 5G301 CA30 CD01 5H024 FF21 5H026 AA06 CX05 EE19 5H029 AJ14 AM11 HJ02

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(I)下記一般式(1a)で表される化合
    物、下記一般式(2a)で表される化合物および下記一
    般式(3a)で表される化合物からなる群から選ばれる
    少なくとも1種の、フッ素以外のハロゲン原子を2個有
    するモノマー(A)と、(II)下記一般式(1b)で表
    される化合物、下記一般式(2b)で表される化合物、
    下記一般式(3b)で表される化合物および下記一般式
    (4b)で表される化合物からなる群から選ばれる少な
    くとも1種の、フッ素以外のハロゲン原子を2個有する
    モノマー(B)とを、カップリング反応により共重合さ
    せるに際して、(III)下記一般式(1a’)で表され
    る化合物、下記一般式(2a’)で表される化合物、下
    記一般式(3a’)で表される化合物、下記一般式(1
    b’)で表される化合物および下記一般式(2b’)で
    表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種
    の、フッ素以外のハロゲン原子を3個以上有する分岐構
    造形成剤(C)を共存させて、上記共重合を行うことを
    特徴とする分岐状ポリアリーレン系共重合体の製造方
    法。 【化1】 …(1a) (式中、Xは独立に塩素原子、臭素原子またはヨウ素原
    子であり、Aは電子吸引性の基であり、R1〜R8は、同
    一または異なり、水素原子、フッ素原子、アルキル基ま
    たはフルオロアルキル基である。) 【化2】 …(2a) (式中、X、R1〜R8は、式(1a)に関して定義した
    とおりであり、Aは独立に式(1a)に関して定義した
    とおりであり、R1'〜R8'は、同一または異なり、水素
    原子、フッ素原子、アルキル基またはフルオロアルキル
    基である。) 【化3】 …(3a) (式中、X、A、R1〜R8は独立に式(1a)に関して
    定義したとおりであり、Bは独立に電子供与性の原子ま
    たは2価の基であり、nは2以上の整数である。) 【化4】 …(1b) (式中、X、Aは式(1a)に関して定義したとおりで
    あり、Bは式(3a)に関して定義したとおりであり、
    9〜R15は、同一または異なり、水素原子、フッ素原
    子、アルキル基またはフルオロアルキル基であり、Zは
    アリール基であり、mは0、1または2の整数であ
    る。) 【化5】 …(2b) 【化6】 …(3b) 【化7】 …(4b) (上記一般式(2b)、(3b)および(4b)中、X
    は独立に塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子であり、
    17〜R24は、同一または異なり、水素原子、フッ素原
    子、アルキル基またはフルオロアルキル基である。) 【化8】 …(1a’) (式中、Aは電子吸引性の基であり、Rは独立に水素原
    子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、フッ素原子、ア
    ルキル基、フルオロアルキル基である。ただし、全Rの
    うち少なくとも3個は、同一または異なり、塩素原子、
    臭素原子またはヨウ素原子である。) 【化9】 …(2a’) (式中、Aは独立に式(1a’)に関して定義したとお
    りであり、Rは独立に水素原子、塩素原子、臭素原子、
    ヨウ素原子、フッ素原子、アルキル基またはフルオロア
    ルキル基である。ただし、全Rのうち少なくとも3個
    は、同一または異なり、塩素原子、臭素原子またはヨウ
    素原子である。) 【化10】 …(3a’) (式中、Aは独立に式(1a’)に関して定義したとお
    りであり、Bは独立に電子供与性の原子または2価の基
    であり、Rは独立に水素原子、塩素原子、臭素原子、ヨ
    ウ素原子、フッ素原子、アルキル基またはフルオロアル
    キル基である。ただし、全Rのうち少なくとも3個は、
    同一または異なり、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原
    子である。nは2以上の整数である。) 【化11】 …(1b’) (式中、Rは独立に水素原子、塩素原子、臭素原子、ヨ
    ウ素原子、フッ素原子、アルキル基またはフルオロアル
    キル基である。ただし、全Rのうち少なくとも3個は、
    同一または異なり、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原
    子である。) 【化12】 …(2b’) (式中、Rは独立に水素原子、塩素原子、臭素原子、ヨ
    ウ素原子、フッ素原子、アルキル基またはフルオロアル
    キル基である。ただし、全Rのうち少なくとも3個は、
    同一または異なり、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原
    子である。)
  2. 【請求項2】前記モノマー(A)および前記モノマー
    (B)の合計量に対して、前記分岐構造形成剤(C)を
    0.01〜5モル%用いて共重合を行うことを特徴とする請
    求項1記載の分岐状ポリアリーレン系共重合体の製造方
    法。
  3. 【請求項3】前記分岐構造形成剤(C)が下記一般式
    (1a’)で表される化合物であることを特徴とする請
    求項1記載の分岐状ポリアリーレン系共重合体の製造方
    法。 【化13】 …(1a’) (式中、Aは電子吸引性の基であり、Rは独立に水素原
    子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、フッ素原子、ア
    ルキル基、フルオロアルキル基である。ただし、全Rの
    うち少なくとも3個は、同一または異なり、塩素原子、
    臭素原子またはヨウ素原子である。)
  4. 【請求項4】前記化合物が、2,4,4'-トリクロロベンゾ
    フェノンであることを特徴とする請求項3記載の分岐状
    ポリアリーレン系共重合体の製造方法。
  5. 【請求項5】さらに、分子量調節剤(D)を共存させて
    共重合を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか
    一項記載の分岐状ポリアリーレン系共重合体の製造方
    法。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれか一項記載の方法で
    製造された分岐状ポリアリーレン系共重合体をスルホン
    化剤を用いてスルホン化することを特徴とする分岐状ス
    ルホン化ポリアリーレン系共重合体の製造方法。
  7. 【請求項7】請求項6記載の製造方法で得られた分岐状
    スルホン化ポリアリーレン系共重合体。
  8. 【請求項8】スルホン酸基を0.5〜3.0ミリグラム当量/
    g含有することを特徴とする請求項7記載の分岐状スル
    ホン化ポリアリーレン系共重合体。
  9. 【請求項9】請求項7または8記載の分岐状スルホン化
    ポリアリーレン系共重合体からなるプロトン伝導膜。
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