JP2003104581A - 電子写真装置部材用コーティング剤 - Google Patents
電子写真装置部材用コーティング剤Info
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Abstract
に塗布して難燃性を付与するコーティング剤を提供す
る。 【解決手段】 リン含有ポリオールとジイソシアネート
及び下記の化学式で表されるグリコールより得られるイ
ソシアネート末端ポリウレタンプレポリマーを鎖延長す
ると同時に、水中に分散させることにより得られるポリ
ウレタンエマルジョンを主成分とし、ポリウレタン中の
リンの含有量が1.0重量%〜4.5重量%、該ポリウ
レタン中のカルボキシル基濃度が0.3mmol/g〜
1.0mmol/g以下である。 【化1】
Description
ー等の電子写真装置や静電記録装置等に使用されるロー
ル、ベルト等の表面に塗布されるコーティング剤に関
し、詳しくは、ブリード現象を防止しつつ、難燃性をロ
ール、ベルト等に付与できるウレタンエマルジョン系の
コーティング剤に関するものである。
使用される部材には、難燃性が要求されているが、上記
ロール、ベルト等の基材となるエラストマーを他の特性
を維持したまま難燃化することは難しい。そのため、上
記ロール、ベルト等の表面に難燃性のコーティング剤を
塗布することで難燃性を付与することが望まれている。
また、基材のロール、ベルトが難燃性であっても、コー
ティング層が非難燃性である場合には、コーティング層
が延焼することで難燃性を失することもある。
エラストマーを難燃化する方法としては、ハロゲン含有
化合物を用いる方法がある。例えば、特開2001−7
2733号においては、難燃性付与剤としてテトラブロ
モビスフェノールAもしくはその誘導体を含有するポリ
ウレタン発泡組成物が開示されている。また、特開平9
−176268号においては、難燃性付与剤として臭素
化芳香族トリアジン化合物を含有するウレタンフォーム
が開示されている。さらに、水酸化マグネシウム、水酸
化アルミニウム等の無機充填剤を用いる方法がある。そ
の他に、リン化合物を用いる方法があり、リン化合物と
して種々のリン酸エステルをポリマーに配合することに
より、ポリマーを難燃化することができ、これは難燃性
のコーティング剤にも適応できる。
含有化合物を用いる方法は、近年は環境問題から好まし
くない、また、水酸化マグネシウム等の無機充填剤を用
いる方法は、大量に配合する必要があるため、物性の維
持が難しいという問題がある。上記リン化合物を用いる
方法は、リン酸エステルは低分子量もしくはオリゴマー
(縮合型)であるため、ブリード現象により、電子写真
装置特有の感光体汚染及びトナーの固着の問題を生じる
ことがある。
ので、環境汚染の原因となるハロゲン含有化合物を使用
せず、さらにはロール、ベルト等の基材となるエラスト
マーの物性維持が困難となる問題がないコーティング剤
によって、難燃性をロール、ベルト等に付与でき、ブリ
ード現象をも防止することを課題としている。
め、本発明は、電子写真装置に用いられるロールやベル
トの表面に塗布して難燃性を付与するコーティング剤で
あって、リン含有ポリオールとジイソシアネート及び下
記の化学式で表されるグリコールより得られるイソシア
ネート末端ポリウレタンプレポリマーを鎖延長すると同
時に、水中に分散させることにより得られるポリウレタ
ンエマルジョンを主成分とし、上記ポリウレタン中のリ
ンの含有量が、1.0重量%〜4.5重量%であり、か
つ、該ポリウレタン中のカルボキシル基濃度が0.3m
mol/g〜1.0mmol/g以下であることを特徴
とする電子写真装置部材用コーティング剤を提供してい
る。
てリン含有ポリオールを用い、ジイソシアネートと反応
させてポリウレタン中にリンを固定して、難燃性を付与
すると共に感光体汚染を防止している。このコーティン
グ剤を電子写真装置のロール、ベルトの表面に塗布する
ことにより、ロール、ベルトに難燃性を付与している。
ルは、水酸基価が50KOH mg/g〜1000KO
H mg/gであるのが好ましく、さらに好ましくは1
00KOH mg/g〜500KOH mg/gであ
る。リン含有量は5重量%〜20重量%であるのが好ま
しく、さらに好ましくは、8重量%〜15重量%であ
る。1分子内の水酸基の数は1.0個〜5個が好まし
く、さらに好ましくは2.0個〜4個である。
価が50KOH mg/g〜1000KOH mg/g
としているのは、50KOH mg/g未満であると、
塗膜の物性が低くなる問題があり、1000KOH m
g/gを越えると合成時にゲル化したり、塗膜が硬くな
りすぎる問題が生じることに因る。また、リン含有量が
5重量%未満であると、塗膜の物性が低くなる問題があ
り、20重量%を越えると合成時の反応性が悪くなる問
題が生じることに因る。さらに、1分子内の水酸基の数
が1.0個未満であると、塗膜の物性が悪くなる問題が
あり、5個を越えると合成時のゲル化の問題が生じるこ
とに因る。
ジエチル−N,N−ビス(2ヒドロキシエチル)メチル
フォスフォネート、n−ブチルービス(3−ヒドロキシ
プロビル)オスフォノキシド等が用いられ、特に、n−
ブチル−ビス(3−ヒドロキシプロビル)ホスフィノキ
シドが好適に用いられる。
トリレンジイソシアネート、2,6―トリレンジイソシ
アネート、4,4’―ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、m―フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイ
ソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキ
サメチレンジイソシアネート、1,4―シクロヘキシレ
ンジイソシアネート、4,4’―ジシクロヘキシルメタ
ンジイソシアネート、3,3’―ジメチル―4,4’―
ビフェニレンジイソシアネート、3,3’―ジメトキシ
―4,4’―ビフェニレンジイソシアネート、3,3’
―ジクロロ―4,4’―ビフェニレンジイソシアネー
ト、1,5―ナフタレンジイソシアネート、1,5―テ
トラヒドロナフタレンジイソシアネート、イソホロンジ
イソシアネートなどが挙げられ、イソホロンジイソシア
ネートが好適に用いられる。
等の必要に応じて、その他のポリオールを併用すること
ができる。例えば、トリメチロールプロパン、ポリテト
ラメチレンエーテルグリコール、ポリオキシプロピレ
ン、ポリオキシエチレン、ひまし油、ポリエステルポリ
オール、ポリカーボネートポリオール、シリコン系ポリ
オール、フッ素化ポリオール、ポリオレフィン系ポリオ
ール等が用いられる。
は、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン
酸、ジメチロールヘキサン酸等が挙げられ、そのうち、
ジメチロールプロピオン酸が好適に用いられる。
ート、各種金属のカルボン酸塩等が配合され、中和剤と
しては塩基性化合物が配合される。この塩基性化合物と
しては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−
n−プロピルアミン、トリブチルアミン、トリエタノー
ルアミン等の第3級アミン、及び水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム等の塩
基が挙げられ、トリエチルアミンが好ましく用いられ
る。
ポリマーの鎖延長は、水(イオン交換水)、ジアミンで
行い、ジアミンとしては、エチレンジアミン、ジフェニ
ルジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノシク
ロヘキシルメタン、ピペラジン、2―メチルピペラジ
ン、イソホロンジアミン等が挙げられ、エチレンジアミ
ンが好適に用いられる。
ト、グリコールより得られるイソシアネート末端ポリウ
レタンプレポリマーを鎖延長すると同時に、水中に分散
させることにより得られるポリウレタンエマルジョンに
おいて、ポリウレタン中のリンの含有量が、1.0重量
%〜4.5重量%としているのは、1.0重量%より小
さいと難燃性が生じないためであり、4.5重量%より
多いとコーティング剤の製膜性が悪くなるためである。
基濃度を0.3mmol/g〜1.0mmol/gとし
ているのは、0.3mmol/gより小さいと、エマル
ジョンの安定性が悪くなり、1.0mmol/gより大
きいとコーティング剤の製膜性が悪くなるためである。
剤として、摩擦係数低減剤、レベリング剤、消泡剤、補
強剤等が添加され、これら添加剤は必要に応じた配合量
としている。上記摩擦係数低減剤としては、フッ素樹脂
パウダー等が好ましく用いられる。レベリング剤として
は、アクリル系共重合体,シリコーン系化合物等が用い
られ、非イオン系界面活性剤/アニオン界面活性剤の混
合物が好適に用いられる。消泡剤としては、シリコーン
化合物、アクリル/ビニルエーテル系共重合物、アクリ
ル系共重合物、ビニル系共重合物等が使用できる。補強
剤としては、エポキシ化合物、メラミン化合物、オキサ
ゾリン化合物等が用いられるが、エポキシシラン化合物
が好ましく用いられる。さらに、必要に応じて各種顔料
を添加することができるが、あらかじめトナー化した顔
料を用いることが好ましい。
性を補助する添加剤として、水酸化マグネシウム、水酸
化アルミニウム、赤燐、ホウ酸亜鉛、メラミン化合物等
を適宜添加してもよい。
製造できる。例えば、撹拌機及び冷却器を備えた容器中
に所定量のリン含有ポリオール、其の他のポリオール、
グリコール、メチルエチルケトン(試薬)、触媒等を仕
込み、窒素置換後に所要温度に加温し、ジイソシアネー
トを滴下し、所要時間反応させる。冷却後、所定量の中
和剤を配合して撹拌後に、所定量の鎖延長用成分を配合
した水溶液中に投入し、高速撹拌混合する。得られた反
応液を減圧下、メチルエチルケトンを留去し、ポリウレ
タエマルジョンを得る。このポリウレタエマルジョンに
レベリング剤、消泡剤、水、補強剤を配合してコーティ
ング剤を製造している。
ー塗装、ディッピング、ロールコート、ナイフコート等
によりロール、ベルト等の表面に塗布される。上記コー
ティング剤が塗布されるロール、ベルトの素材はエラス
トマー、ゴム等のいずれから成形されたものでも良く、
限定されないが、特に、エラストマー製のロール、ベル
トに好適に塗布される。
る。本発明のコーティング剤は、電子写真装置部材であ
るロールやベルトの表面に塗布して難燃性を付与するも
のである。
ルとジイソシアネート及び下記の化学式で表されるグリ
コールより得られるイソシアネート末端ポリウレタンプ
レポリマーを鎖延長すると同時に、水中に分散させるこ
とにより得られるポリウレタンエマルジョンに、レベリ
ング剤、消泡剤、水、補強剤を配合したものからなる。
て、n−ブチル−ビス(3−ヒドロキシプロピル)ホス
フィンオキシド(水酸基価504.8 KOH mg/
g、リン含有量13.9%、1分子内の水酸基の数2)
を用いている。上記ジイソシアネートとしては、イソホ
ロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネー
トを用いている。上記(I)式で表されるグリコールと
しては、ジメチロールプロピオン酸を用いている。ま
た、中和剤としてトリエチルアミン、触媒としてジブチ
ルスズジラウレートを配合している。上記イソシアネー
ト末端ポリウレタンプレポリマーを鎖延長させるために
エチレンジアミンを配合している。
ポリマーを鎖延長させると共に水中に分散させて得られ
るポリウレタンエマルジョンを主成分としたコーティン
グ剤において、ポリウレタン中のリンの含有量は1.0
重量%〜4.5重量%で、該ポリウレタン中のカルボキ
シル基濃度は0.3mmol/g〜1.0mmol/g
としている。
のエマルジョンを作成し、その安定性を見ると共に、得
られたエマルジョンにレベリング剤等の所要の添加剤を
添加してコーティング剤を作成し、製膜性、難燃性につ
いて試験した。
例1〜4及び比較例1〜4の各コーティング剤に用いる
ポリウレタンエマルジョン1〜8を以下の様に作製し
た。攪拌機及び冷却機を備えた500ccのフラスコ
に、下記の表1に記載の各所定量のリン含有ポリオー
ル、その他のポリオールとしてPTMG、グリコールと
してDMPA、メチルエチルケトン及び触媒を仕込み、
窒素置換後、80℃に加温し、下記の表1に記載の各所
定量のIPDI及びHDIからなるジイソシアネートを
滴下した。2時間反応させ、冷却後、下記の表1に記載
の各所定量のトリエチルアミンを中和剤として添加し攪
拌した。撹拌後、下記の表1に記載の各所定量のイオン
交換水、10%エチレンジアミン水溶液中に投入し、高
速攪拌した。得られた反応液からエバポレーターで減圧
下、メチルエチルケトンを留去し、ポリウレタンエマル
ジョンを作成した。
チル−ビス(3−ヒドロキシプロピル)ホスフィンオキ
シド(水酸基価504.8 KOH mg/g、リン含
有量13.9%、1分子内の水酸基の数2)からなる。
上記PTMGはPoly−THF650(BASFジャ
パン(株)製)であり、DMPAはジメチロールプロピ
オン酸(試薬)である。上記IPDIはイソホロンジイ
ソシアネート(住化バイエルウレタン(株)製)であ
り、HDIはヘキサメチレンジイソシアネート(住化バ
イエルウレタン(株)製)である。また、触媒として
は、ジブチルスズジラウリレート(5%トルエン溶液)
の試薬を用いた。メチルエチルケトン、トリエチルアミ
ンも試薬を用いた。エチレンジアミン(10%)はエチ
レンジアミンの10%水溶液であり、試薬を用いた。
た、表1中、イオン濃度とは、ポリウレタン1g中に含
まれるカルボキシ基のmmol数であり、リン濃度と
は、ポリウレタン中のリンの重量%である。
ジョンは実施例1〜4、比較例1、2、4は乳白色から
半透明の均一なエマルジョンが得られたが、比較例3は
固形分が分離沈殿し、均一なエマルジョンが得られなか
った。
施例1〜4、比較例1、2、4のポリウレタンエマルジ
ョンに下記の表2に記載のレベリング剤、消泡剤、水、
補強剤を添加してコーティング剤を作成した。
ベリング剤として非イオン系界面活性剤/アニオン界面
活性剤の混合物を用いた。消泡剤として特殊シリコーン
系消泡剤を用い、補強剤としてはエポキシシランを用い
た。
較例1,2,4のコーティング剤について、製膜性及び
難燃性の試験を下記の仕様に行った。その結果を上記表
1の最下段に示す。
1,2,4の各コーティング剤を型枠に流し込み、室温
乾燥後、170℃で1時間加熱して、厚み0.3mmの
フィルムシートを作成した。実施例1〜4及び比較例1
のコーティング剤からは均一なフィルムが得られたが、
比較例2及び比較例4のコーティング剤からは多数のひ
び割れが発生し、均一なフィルムは得られなかった。
られた試料(フィルムシート)を用いて、UL−94
(1996)VTMグレード評価を行った。
ィング剤は、リン濃度が1.0重量より小さいために、
難燃性試験の結果は不適合であった。また、比較例2
は、リン濃度が4.5重量%より多いために製膜性が悪
かった。比較例4のコーティング剤は、カルボキシル基
濃度が1.0mmol/gより大きいため、コーティン
グ剤の製膜性が悪かった。
用したポリウレタンエマルジョンは全て安定性が良く、
実施例1〜4のコーティング剤は全て、製膜性及び難燃
性試験の結果が共に良好であった。
によれば、水酸基を2つ以上持つリン化合物を用いてジ
イソシアネートと重付加反応させることでポリウレタン
を合成し、これにより、ポリマー中にリンを固定化して
いるので、ブリード現象を防止して難燃性を付与するこ
とができるコーティング剤を得ることができる。よっ
て、本発明のコーティング剤を、複写機、プリンター等
の電子写真装置や静電記録装置等に使用されるロール、
ベルト等のオーバーコーティング剤として使用すると、
ブリード現象が防御されるので、感光体汚染及びトナー
固着等を引き起こすことなく、難燃性を付与することが
できる。
Claims (2)
- 【請求項1】 電子写真装置に用いられるロールやベル
トの表面に塗布して難燃性を付与するコーティング剤で
あって、 リン含有ポリオールとジイソシアネート及び下記の化学
式で表されるグリコールより得られるイソシアネート末
端ポリウレタンプレポリマーを鎖延長すると同時に、水
中に分散させることにより得られるポリウレタンエマル
ジョンを主成分とし、 上記ポリウレタン中のリンの含有量が、1.0重量%〜
4.5重量%であり、かつ、該ポリウレタン中のカルボ
キシル基濃度が0.3mmol/g〜1.0mmol/
g以下であることを特徴とする電子写真装置部材用コー
ティング剤。 【化1】 (化学式中、Rは1〜3個の炭素数のアルキル基) - 【請求項2】 上記リン含有ポリオールは、水酸基価が
50KOH mg/g〜1000KOH mg/g、リ
ン含有量が5重量%〜20重量%、1分子内の水酸基の
数が1.0個〜5個としている請求項1に記載の電子写
真装置部品用コーティング剤。
Priority Applications (1)
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JP2001299864A JP4870293B2 (ja) | 2001-09-28 | 2001-09-28 | 電子写真装置部材用コーティング剤 |
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