JP2003102594A - 吸湿/吸水発熱性寝具 - Google Patents
吸湿/吸水発熱性寝具Info
- Publication number
- JP2003102594A JP2003102594A JP2001302933A JP2001302933A JP2003102594A JP 2003102594 A JP2003102594 A JP 2003102594A JP 2001302933 A JP2001302933 A JP 2001302933A JP 2001302933 A JP2001302933 A JP 2001302933A JP 2003102594 A JP2003102594 A JP 2003102594A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- water
- absorption
- absorbing
- fine particles
- hygroscopic
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
- Mattresses And Other Support Structures For Chairs And Beds (AREA)
- Bedding Items (AREA)
- Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】寝具に優れた吸湿もしくは吸水性を付与し、吸
湿もしくは吸水時の発熱速度、発熱温度、発熱保持性、
結露防止性に優れる寝具を提供するものである。 【解決手段】高吸湿性微粒子が付着されてなる中綿及び
/又は側地を用いた寝具であり、吸湿及び/又は吸水時
の最大温度上昇が3℃以上であることを特徴とする吸湿
/吸水発熱性寝具であり、好ましくは吸湿時の発熱が3
0分以上、及び/又は吸水時の発熱が1分以上保持され
ることを特徴とする前記の吸湿/吸水発熱性寝具であ
り、さらには、吸水時の最大温度上昇が8℃以上である
吸湿/吸水発熱性寝具である。
湿もしくは吸水時の発熱速度、発熱温度、発熱保持性、
結露防止性に優れる寝具を提供するものである。 【解決手段】高吸湿性微粒子が付着されてなる中綿及び
/又は側地を用いた寝具であり、吸湿及び/又は吸水時
の最大温度上昇が3℃以上であることを特徴とする吸湿
/吸水発熱性寝具であり、好ましくは吸湿時の発熱が3
0分以上、及び/又は吸水時の発熱が1分以上保持され
ることを特徴とする前記の吸湿/吸水発熱性寝具であ
り、さらには、吸水時の最大温度上昇が8℃以上である
吸湿/吸水発熱性寝具である。
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、寝具類に関し、特
に冬季などの冷温環境下で効果的な蓄熱保温性が達成で
きる吸湿/吸水発熱性能を有するふとん、クッション材
などの寝具類に関する。
に冬季などの冷温環境下で効果的な蓄熱保温性が達成で
きる吸湿/吸水発熱性能を有するふとん、クッション材
などの寝具類に関する。
【0002】
【従来の技術】保温性に着目した一般衣料、防寒衣料、
スポーツ衣料や低温倉庫用ユニホームなどが種々実用化
されている。従来の保温性改善手段としては、熱伝導度
の小さい空気層を増やすための中空断面繊維や極細繊維
を活用する方法、体熱を反射するアルミ蒸着、コーティ
ングもしくは金属スパッタリングの活用する方法、金属
酸化物やセラミックス練り込みによる遠赤外線効果を期
待する方法(特開昭63−105107号、特開昭7−
331584号など)、吸湿発熱性繊維を紡績、混繊等
により布帛、中綿に混用する方法(特開平6−2940
06号、特開平8−197661号ほか)やアクリル
酸、メタクリル酸などのビニル系モノマーのグラフト重
合法でカルボン酸末端を繊維表面もしくは内部に導入
し、ナトリウム塩化など金属塩化することで吸湿発熱性
を付与する方法などが種々提案されている。しかしなが
らこれらの方法はいずれも、発熱加温性が不十分であ
り、加えて、かかる吸湿/吸水発熱性を切り口とした効
果的な蓄熱保温性、結露防止性を発現する寝具は提案さ
れていない。
スポーツ衣料や低温倉庫用ユニホームなどが種々実用化
されている。従来の保温性改善手段としては、熱伝導度
の小さい空気層を増やすための中空断面繊維や極細繊維
を活用する方法、体熱を反射するアルミ蒸着、コーティ
ングもしくは金属スパッタリングの活用する方法、金属
酸化物やセラミックス練り込みによる遠赤外線効果を期
待する方法(特開昭63−105107号、特開昭7−
331584号など)、吸湿発熱性繊維を紡績、混繊等
により布帛、中綿に混用する方法(特開平6−2940
06号、特開平8−197661号ほか)やアクリル
酸、メタクリル酸などのビニル系モノマーのグラフト重
合法でカルボン酸末端を繊維表面もしくは内部に導入
し、ナトリウム塩化など金属塩化することで吸湿発熱性
を付与する方法などが種々提案されている。しかしなが
らこれらの方法はいずれも、発熱加温性が不十分であ
り、加えて、かかる吸湿/吸水発熱性を切り口とした効
果的な蓄熱保温性、結露防止性を発現する寝具は提案さ
れていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、優れた吸湿
もしくは吸水性を付与し、吸湿もしくは吸水時の発熱速
度、発熱温度、発熱保持性、結露防止性に優れる吸湿/
吸水発熱性寝具を提供するものである。
もしくは吸水性を付与し、吸湿もしくは吸水時の発熱速
度、発熱温度、発熱保持性、結露防止性に優れる吸湿/
吸水発熱性寝具を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するための技術構成は次のとおりである。すなわち、 1.高吸湿性微粒子が付着されてなる中綿及び/又は側
地を用いた寝具であり、吸湿及び/又は吸水時の最大温
度上昇が3℃以上であることを特徴とする吸湿/吸水発
熱性寝具。
するための技術構成は次のとおりである。すなわち、 1.高吸湿性微粒子が付着されてなる中綿及び/又は側
地を用いた寝具であり、吸湿及び/又は吸水時の最大温
度上昇が3℃以上であることを特徴とする吸湿/吸水発
熱性寝具。
【0005】2.吸湿時の発熱が30分以上、及び/又
は吸水時の発熱が1分以上保持されることを特徴とする
第1に記載の吸湿/吸水発熱性寝具。
は吸水時の発熱が1分以上保持されることを特徴とする
第1に記載の吸湿/吸水発熱性寝具。
【0006】3.吸水時の最大温度上昇が8℃以上であ
ることを特徴とする第1又は2に記載の吸湿/吸水発熱
性寝具。
ることを特徴とする第1又は2に記載の吸湿/吸水発熱
性寝具。
【0007】4.高吸湿性微粒子が有機微粒子であるこ
とを特徴とする第1〜3のいずれかに記載の吸湿/吸水
発熱性寝具。
とを特徴とする第1〜3のいずれかに記載の吸湿/吸水
発熱性寝具。
【0008】5.高吸湿性有機微粒子がポリスチレン
系、ポリアクリロニトリル系、ポリアクリル酸エステル
系、ポリメタクリル酸エステル系のいずれかのビニル系
重合体で、スルホン酸基、カルボン酸基、リン酸基ある
いは、それらの金属塩の少なくとも1種の親水基を有
し、かつジビニルベンゼン、トリアリルイソシアネート
またはヒドラジンのいずれかで架橋された架橋重合体で
ある第4に記載の吸湿/吸水発熱性寝具。
系、ポリアクリロニトリル系、ポリアクリル酸エステル
系、ポリメタクリル酸エステル系のいずれかのビニル系
重合体で、スルホン酸基、カルボン酸基、リン酸基ある
いは、それらの金属塩の少なくとも1種の親水基を有
し、かつジビニルベンゼン、トリアリルイソシアネート
またはヒドラジンのいずれかで架橋された架橋重合体で
ある第4に記載の吸湿/吸水発熱性寝具。
【0009】6.高吸湿性微粒子の平均粒子径が2μm
未満であることを特徴とする第1〜5のいずれかに記載
の吸湿/吸水発熱性寝具。
未満であることを特徴とする第1〜5のいずれかに記載
の吸湿/吸水発熱性寝具。
【0010】7.高吸湿性微粒子が親水性樹脂を介して
中綿あるいは側地に固定化されていることを特徴とする
第1〜6のいずれかに記載の吸湿/吸水発熱性寝具。
中綿あるいは側地に固定化されていることを特徴とする
第1〜6のいずれかに記載の吸湿/吸水発熱性寝具。
【0011】8.高吸湿性微粒子と親水性樹脂の質量比
が1/1〜19/1であることを特徴とする第1〜7の
いずれかに記載の吸湿/吸水発熱性寝具。
が1/1〜19/1であることを特徴とする第1〜7の
いずれかに記載の吸湿/吸水発熱性寝具。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する.本発明における寝具とは、掛けふと
ん、肌掛けふとん、硬綿式敷きふとん、ベッドパッド、
敷きパッド、ベビー敷きふとん、マットレス、枕、クッ
ション材などである。
て詳細に説明する.本発明における寝具とは、掛けふと
ん、肌掛けふとん、硬綿式敷きふとん、ベッドパッド、
敷きパッド、ベビー敷きふとん、マットレス、枕、クッ
ション材などである。
【0013】本発明において吸湿/吸水加工を施す対象
は、短繊維及び編物、織物、不織布などの繊維構造体で
あり、その素材は、ポリエステル系、ポリアミド系、ポ
リアクリルニトリル系、ポリエチレン系、ポリプロピレ
ン系、ポリブチレンテレフタレート系、ポリテトラメチ
レンテレフタレート系、ポリウレタン系、ポリフェニレ
ンサルファイド系等の合成繊維、レーヨン、アセテート
等の化学繊維、木綿、麻、シルク、ウール、羽毛などの
天然繊維もしくはこれらの混用素材である。これらの繊
維及び繊維構造体は、寝具類の側地および中綿として用
いられる。
は、短繊維及び編物、織物、不織布などの繊維構造体で
あり、その素材は、ポリエステル系、ポリアミド系、ポ
リアクリルニトリル系、ポリエチレン系、ポリプロピレ
ン系、ポリブチレンテレフタレート系、ポリテトラメチ
レンテレフタレート系、ポリウレタン系、ポリフェニレ
ンサルファイド系等の合成繊維、レーヨン、アセテート
等の化学繊維、木綿、麻、シルク、ウール、羽毛などの
天然繊維もしくはこれらの混用素材である。これらの繊
維及び繊維構造体は、寝具類の側地および中綿として用
いられる。
【0014】本発明の高吸湿性微粒子(高吸湿/吸水発
熱性微粒子とも表記する。)とは、吸湿又は吸水時に発
熱性を示す微粒子であれば、特に化学構造的に限定され
るものではない。例えば、吸湿性シリカなどの無機系、
もしくは吸湿性ポリウレタン系、ポリアミド系、ポリエ
ステル系およびポリアクリレート系などの種々の有機系
微粒子の適用が可能であるが、特に、高吸湿/吸水発熱
性有機微粒子が好ましく、例えば、ポリスチレン系、ポ
リアクリロニトリル系、ポリアクリル酸エステル系、ポ
リメタクリル酸エステル系のいずれかのビニル系重合体
で、スルホン酸基、カルボン酸基、リン酸基あるいは、
それらの金属塩の少なくとも1種の親水基を有し、かつ
ジビニルベンゼン、トリアリルイソシアネートまたはヒ
ドラジンのいずれかで架橋された架橋重合体微粒子であ
る。
熱性微粒子とも表記する。)とは、吸湿又は吸水時に発
熱性を示す微粒子であれば、特に化学構造的に限定され
るものではない。例えば、吸湿性シリカなどの無機系、
もしくは吸湿性ポリウレタン系、ポリアミド系、ポリエ
ステル系およびポリアクリレート系などの種々の有機系
微粒子の適用が可能であるが、特に、高吸湿/吸水発熱
性有機微粒子が好ましく、例えば、ポリスチレン系、ポ
リアクリロニトリル系、ポリアクリル酸エステル系、ポ
リメタクリル酸エステル系のいずれかのビニル系重合体
で、スルホン酸基、カルボン酸基、リン酸基あるいは、
それらの金属塩の少なくとも1種の親水基を有し、かつ
ジビニルベンゼン、トリアリルイソシアネートまたはヒ
ドラジンのいずれかで架橋された架橋重合体微粒子であ
る。
【0015】高吸湿性微粒子の粒度は、吸湿/吸水発熱
速度/発熱効率、均一付着性、風合い及び耐磨耗性の点
から細かいほど望ましく、平均粒子径2μm未満がより
好ましい。
速度/発熱効率、均一付着性、風合い及び耐磨耗性の点
から細かいほど望ましく、平均粒子径2μm未満がより
好ましい。
【0016】本発明の高吸湿性微粒子の付与方法は、繊
維に直接練り込む方法や編物、織物、不織布などの表層
にバインダー樹脂を介して付着させる方法が挙げられる
が、吸湿/吸水発熱速度/発熱効率の点から後者のバイ
ンダー樹脂を介する付着方法が好ましい。
維に直接練り込む方法や編物、織物、不織布などの表層
にバインダー樹脂を介して付着させる方法が挙げられる
が、吸湿/吸水発熱速度/発熱効率の点から後者のバイ
ンダー樹脂を介する付着方法が好ましい。
【0017】バインダー樹脂としては、通常の含浸法、
パディング法、コーティング法、スプレー法に適用でき
るシリコン系、ウレタン系、アクリル系、ポリエステル
系などの樹脂が挙げられ、特に限定されないが、親水
性、透湿性に優れ、高吸湿/吸水発熱性微粒子の吸湿性
を阻害しないものが好ましい。また、これら高吸湿/吸
水発熱性微粒子と親水性樹脂バインダーの系に耐久性向
上のため各種架橋剤を併用しても良い。
パディング法、コーティング法、スプレー法に適用でき
るシリコン系、ウレタン系、アクリル系、ポリエステル
系などの樹脂が挙げられ、特に限定されないが、親水
性、透湿性に優れ、高吸湿/吸水発熱性微粒子の吸湿性
を阻害しないものが好ましい。また、これら高吸湿/吸
水発熱性微粒子と親水性樹脂バインダーの系に耐久性向
上のため各種架橋剤を併用しても良い。
【0018】本発明における高吸湿/吸水発熱性微粒子
と親水性樹脂の配合比及びこれらの付着量は、吸湿/吸
水発熱性に大きく影響する。親水性樹脂の親水レベルに
より高吸湿/吸水発熱性微粒子と親水性樹脂の配合比は
多少異なるが、1/1〜19/1の配合使用が望まし
く、特に、親水性樹脂の配合比率の小さいものほど、優
れた吸湿/吸水発熱性を発現させることができる。但
し、親水性樹脂が極端に少ない場合、もしくは併用しな
い場合は構造物表面に付着した高吸湿/吸水発熱性微粒
子の磨耗耐久性が低下し、脱落し易くなる。
と親水性樹脂の配合比及びこれらの付着量は、吸湿/吸
水発熱性に大きく影響する。親水性樹脂の親水レベルに
より高吸湿/吸水発熱性微粒子と親水性樹脂の配合比は
多少異なるが、1/1〜19/1の配合使用が望まし
く、特に、親水性樹脂の配合比率の小さいものほど、優
れた吸湿/吸水発熱性を発現させることができる。但
し、親水性樹脂が極端に少ない場合、もしくは併用しな
い場合は構造物表面に付着した高吸湿/吸水発熱性微粒
子の磨耗耐久性が低下し、脱落し易くなる。
【0019】本発明の吸湿/吸水発熱性繊維構造体の発
熱性は、物質の吸湿もしくは吸水時に産出する吸着反応
熱に基づくもので、繊維構造体に含まれる高吸湿/吸水
性微粒子の吸湿性能力及び又は吸水性能力及び付着量に
依存する。すなわち、高吸湿/吸水性微粒子で、しかも
細かいほど吸着水分による産熱は大きく、発熱速度も早
くなる。もちろん、かかる吸湿/吸水性は構造体基材単
独でも保有するため、より効果的な吸湿/吸水発熱性を
実現させるためには適用吸湿/吸水発熱性微粒子の吸湿
性は25%以上が望ましく、さらに好ましくは40%以
上である。したがって、効果的な吸湿/吸水発熱性を得
るためには、本発明の吸湿/吸水発熱性繊維構造体を出
来るだけ低吸湿率、更に好ましくは完全乾燥(絶乾)状
態に近い状態で保管することが肝要である。逆に、飽和
吸湿率以上に水分を吸着し、発熱が完了した繊維構造体
は、放熱冷却され当初の温度まで低下するが、再度、乾
燥して吸着水を取り除けば、元来の優れた吸湿/吸水発
熱性が再発現する。
熱性は、物質の吸湿もしくは吸水時に産出する吸着反応
熱に基づくもので、繊維構造体に含まれる高吸湿/吸水
性微粒子の吸湿性能力及び又は吸水性能力及び付着量に
依存する。すなわち、高吸湿/吸水性微粒子で、しかも
細かいほど吸着水分による産熱は大きく、発熱速度も早
くなる。もちろん、かかる吸湿/吸水性は構造体基材単
独でも保有するため、より効果的な吸湿/吸水発熱性を
実現させるためには適用吸湿/吸水発熱性微粒子の吸湿
性は25%以上が望ましく、さらに好ましくは40%以
上である。したがって、効果的な吸湿/吸水発熱性を得
るためには、本発明の吸湿/吸水発熱性繊維構造体を出
来るだけ低吸湿率、更に好ましくは完全乾燥(絶乾)状
態に近い状態で保管することが肝要である。逆に、飽和
吸湿率以上に水分を吸着し、発熱が完了した繊維構造体
は、放熱冷却され当初の温度まで低下するが、再度、乾
燥して吸着水を取り除けば、元来の優れた吸湿/吸水発
熱性が再発現する。
【0020】気相状態の吸湿発熱性が適度な速度で発熱
し、比較的長く発熱性を維持するのに対して、液相の吸
水発熱性は急速な発熱性が得られる反面、付着水の量が
多すぎると顕著な発熱効果が得られない場合もあるの
で、付着水量の管理が重要となる。
し、比較的長く発熱性を維持するのに対して、液相の吸
水発熱性は急速な発熱性が得られる反面、付着水の量が
多すぎると顕著な発熱効果が得られない場合もあるの
で、付着水量の管理が重要となる。
【0021】本発明によれば、高吸湿/吸水発熱性微粒
子の種類及び付着量を最適化し、適正な親水性樹脂バイ
ンダーを介して付着させた繊維構造体は、吸湿及び又は
吸水時の最大温度上昇が3℃以上、好ましくは4℃以
上、より好ましくは5℃以上であり、さらには吸水時の
最大温度上昇が8℃以上であり、しかも吸湿時の発熱が
30分以上、吸水時の発熱が30秒以上、より好ましく
は1分以上保持される優れた吸湿/吸水発熱性が得られ
る。
子の種類及び付着量を最適化し、適正な親水性樹脂バイ
ンダーを介して付着させた繊維構造体は、吸湿及び又は
吸水時の最大温度上昇が3℃以上、好ましくは4℃以
上、より好ましくは5℃以上であり、さらには吸水時の
最大温度上昇が8℃以上であり、しかも吸湿時の発熱が
30分以上、吸水時の発熱が30秒以上、より好ましく
は1分以上保持される優れた吸湿/吸水発熱性が得られ
る。
【0022】本発明の繊維構造体は、これらの優れた高
吸湿/吸水発熱性に加えて、抗菌防臭性、制菌性、消臭
性、ノネナール消臭性、pH緩衝性、制電性、SR防汚
性、耐酸性雨性の多機能性を発現させることもできる。
吸湿/吸水発熱性に加えて、抗菌防臭性、制菌性、消臭
性、ノネナール消臭性、pH緩衝性、制電性、SR防汚
性、耐酸性雨性の多機能性を発現させることもできる。
【0023】以上により得られる側地及び/又は中綿を
寝具の少なくとも一部に用いることによりムレ感を低減
できる寝具が得られる。側地としては肌側にのみ使用す
ることも可能であり、中綿(敷きふとんの場合には巻き
綿)としては、上記加工を施していない中綿との混綿あ
るいは積層をして用いる事も出来る。掛けふとんの場合
には肌側に、敷きふとんの場合には寝床内の環境を良く
することを目的として肌側に、また結露防止のために用
いる場合にはフローリング側に用いると良い。
寝具の少なくとも一部に用いることによりムレ感を低減
できる寝具が得られる。側地としては肌側にのみ使用す
ることも可能であり、中綿(敷きふとんの場合には巻き
綿)としては、上記加工を施していない中綿との混綿あ
るいは積層をして用いる事も出来る。掛けふとんの場合
には肌側に、敷きふとんの場合には寝床内の環境を良く
することを目的として肌側に、また結露防止のために用
いる場合にはフローリング側に用いると良い。
【0024】
【実施例】以下に実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明は、何らこれらに限定されるものではない。
以下で、単に部、%と記載したものは、質量基準を意味
する。また、本実施例における繊維構造体の測定、評価
は次の方法で行った。
が、本発明は、何らこれらに限定されるものではない。
以下で、単に部、%と記載したものは、質量基準を意味
する。また、本実施例における繊維構造体の測定、評価
は次の方法で行った。
【0025】<絶乾質量>サンプルを110℃×6時間
乾燥後、シリカゲル入りデシケーターに入れ、20℃、
65%RH環境下で調温後、質量測定を行った。 <吸湿性>20℃、65%RH環境下で24時間調温調
湿後の質量測定を行い、下記式から算出した。 吸湿率(%)={(吸湿質量−絶乾質量)/絶乾質量}
×100
乾燥後、シリカゲル入りデシケーターに入れ、20℃、
65%RH環境下で調温後、質量測定を行った。 <吸湿性>20℃、65%RH環境下で24時間調温調
湿後の質量測定を行い、下記式から算出した。 吸湿率(%)={(吸湿質量−絶乾質量)/絶乾質量}
×100
【0026】<吸湿発熱性>110℃×6時間乾燥後、
シリカゲル入りデシケーターに入れ、絶乾状態とした5
cm×5cmの測定サンプルに温度センサー(例えば安
立計器(株)製;540K MD−5型)を装着後、2
0℃、95%RH環境下(例えば硫酸カリウム飽和水溶
液入りデシケータ)での吸湿発熱性を温度記録計(例え
ば安立計器(株)製;DATA COLLECTOR
AM−7052型)で計測した。 <吸水発熱性>前記絶乾状態の5cm×5cmの測定サ
ンプルに温度センサーを装着後、20℃、65%RH環
境下で、サンプル質量の50%相当量のイオン交換水を
3〜5秒の間に均一に噴霧後、吸水発熱性を温度記録計
にて計測した。最大吸水発熱温度及び吸水前サンプル温
度以上の吸水発熱保持時間(分)で評価した。
シリカゲル入りデシケーターに入れ、絶乾状態とした5
cm×5cmの測定サンプルに温度センサー(例えば安
立計器(株)製;540K MD−5型)を装着後、2
0℃、95%RH環境下(例えば硫酸カリウム飽和水溶
液入りデシケータ)での吸湿発熱性を温度記録計(例え
ば安立計器(株)製;DATA COLLECTOR
AM−7052型)で計測した。 <吸水発熱性>前記絶乾状態の5cm×5cmの測定サ
ンプルに温度センサーを装着後、20℃、65%RH環
境下で、サンプル質量の50%相当量のイオン交換水を
3〜5秒の間に均一に噴霧後、吸水発熱性を温度記録計
にて計測した。最大吸水発熱温度及び吸水前サンプル温
度以上の吸水発熱保持時間(分)で評価した。
【0027】<結露性>10〜15リットルの内体積を
有するデシケーターに5cm×5cmのサンプルを投入
し、ふたを開けた状態で20℃、80%の室内に放置
し、調温・調湿した。24時間後、デシケーターのふた
を閉めて10℃に保たれた環境下に5分以内に移動させ
る。その1時間後にふたを開けサンプルの結露状態を確
認した。
有するデシケーターに5cm×5cmのサンプルを投入
し、ふたを開けた状態で20℃、80%の室内に放置
し、調温・調湿した。24時間後、デシケーターのふた
を閉めて10℃に保たれた環境下に5分以内に移動させ
る。その1時間後にふたを開けサンプルの結露状態を確
認した。
【0028】[実施例1]ポリエチレンテレフタレート
系ポリエステル長繊維加工糸(165dtex/48
f)を経120本、横80本の平織り生地を通常リラッ
クス精練、分散染色、乾燥後、本発明の高吸湿/吸水発
熱性側地用の基布として用いた。
系ポリエステル長繊維加工糸(165dtex/48
f)を経120本、横80本の平織り生地を通常リラッ
クス精練、分散染色、乾燥後、本発明の高吸湿/吸水発
熱性側地用の基布として用いた。
【0029】次に高吸湿/吸水発熱性有機微粒子の製造
を次の方法で行った。メタクリル酸/p−スチレンスル
ホン酸ソーダ=70/30の水溶性重合体350部及び
硫酸ナトリウム35部を6500部の水に溶解し、櫂型
攪拌機付きの重合槽に仕込んだ。次に、アクリル酸メチ
ル2750部及びジビニルベンゼン330部に2,2'
−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)15
部を溶解して重合槽に仕込み、400rpmの攪拌下、
60℃で2時間重合し、重合率88%の共重合体を得
た。該重合体100部を水900部中に分散し、これに
110部の苛性ソーダを添加し、90℃、2.5時間反
応を行い、アクリル酸メチルのメチルエステル部を加水
分解することによりカルボキシル基4.6ミリ当量/g
を有した架橋重合体を得た。得られた重合体を水中に分
散し、洗浄、脱水後、粉砕、分級し、高吸湿/吸水発熱
性微粒子を得た。得られた高吸湿/吸水発熱性有機微粒
子の20℃、65%RH下での吸湿性は50%、平均粒
子径は0.8μmであった。
を次の方法で行った。メタクリル酸/p−スチレンスル
ホン酸ソーダ=70/30の水溶性重合体350部及び
硫酸ナトリウム35部を6500部の水に溶解し、櫂型
攪拌機付きの重合槽に仕込んだ。次に、アクリル酸メチ
ル2750部及びジビニルベンゼン330部に2,2'
−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)15
部を溶解して重合槽に仕込み、400rpmの攪拌下、
60℃で2時間重合し、重合率88%の共重合体を得
た。該重合体100部を水900部中に分散し、これに
110部の苛性ソーダを添加し、90℃、2.5時間反
応を行い、アクリル酸メチルのメチルエステル部を加水
分解することによりカルボキシル基4.6ミリ当量/g
を有した架橋重合体を得た。得られた重合体を水中に分
散し、洗浄、脱水後、粉砕、分級し、高吸湿/吸水発熱
性微粒子を得た。得られた高吸湿/吸水発熱性有機微粒
子の20℃、65%RH下での吸湿性は50%、平均粒
子径は0.8μmであった。
【0030】かかる高吸湿/吸水発熱性微粒子20%を
含む水分散体95部に親水性樹脂バインダーとして、T
F−3500(花王社製親水性シリコン系バインダー;
固形分40%)4部およびアクアプレンWS105(明
成化学工業社製親水性ウレタン系バインダー;固形分4
0%)1部を加えた加工パディング液に前記基布を浸漬
し、マングルにて加工液ウエットピックアップ率100
%になるよう絞った後、120℃で乾燥後、180℃で
1分間乾熱セットして繊維構造体を得た。得られた繊維
構造体の吸湿/吸水発熱性の特性を表1に示す。未加工
品に比べ優れた吸湿発熱性/吸水発熱性が得られた。こ
の繊維構造体を側地として用いた掛けふとん(中綿:繊
度6.6dtex、繊維長64mm、中実丸断面ポリエ
ステル1.5kg、横1.5m、縦2m)を得た。この
掛けふとんは未加工品の繊維構造体を配置した掛けふと
んに比べ発熱速度、発熱温度、発熱保持時間の優れた吸
湿発熱性/吸水発熱性が得られ、保温性に優れるもので
あった。
含む水分散体95部に親水性樹脂バインダーとして、T
F−3500(花王社製親水性シリコン系バインダー;
固形分40%)4部およびアクアプレンWS105(明
成化学工業社製親水性ウレタン系バインダー;固形分4
0%)1部を加えた加工パディング液に前記基布を浸漬
し、マングルにて加工液ウエットピックアップ率100
%になるよう絞った後、120℃で乾燥後、180℃で
1分間乾熱セットして繊維構造体を得た。得られた繊維
構造体の吸湿/吸水発熱性の特性を表1に示す。未加工
品に比べ優れた吸湿発熱性/吸水発熱性が得られた。こ
の繊維構造体を側地として用いた掛けふとん(中綿:繊
度6.6dtex、繊維長64mm、中実丸断面ポリエ
ステル1.5kg、横1.5m、縦2m)を得た。この
掛けふとんは未加工品の繊維構造体を配置した掛けふと
んに比べ発熱速度、発熱温度、発熱保持時間の優れた吸
湿発熱性/吸水発熱性が得られ、保温性に優れるもので
あった。
【0031】[実施例2]実施例2の基布は、前記実施
例1と同じものを用いた。
例1と同じものを用いた。
【0032】実施例2で用いる高吸湿/吸水発熱性有機
微粒子の製造を次の方法で行った。アクリロニトリル4
50部、アクリル酸メチル40部、p−スチレンスルホ
ン酸ソーダ16部及び水118部をオートクレーブに仕
込み、重合開始剤としてジ−tert−ブチルパーオキ
サイドを単量体全体に対して0.5%添加した後、密閉
し、次いで攪拌下において150℃で20分間重合反応
後、攪拌しながら約90℃まで冷却し、平均粒子径1.
4μm(光散乱光度計測定)の原料微粒子の水分散体を
得た。この水分散体に浴中濃度が35%になるようヒド
ラジンを加え、102℃で2時間架橋処理を行い、続い
て浴中濃度が10%になるよう苛性ソーダを加えて、1
02℃で5時間加水分解処理を行った後、流水中で透
析、脱塩、乾燥、粉砕、分級後、高吸湿/吸水発熱性有
機微粒子を得た。得られた高吸湿/吸水発熱性有機微粒
子の20℃、65%RH下での吸湿性は45%、平均粒
子径は0.9μmであった。
微粒子の製造を次の方法で行った。アクリロニトリル4
50部、アクリル酸メチル40部、p−スチレンスルホ
ン酸ソーダ16部及び水118部をオートクレーブに仕
込み、重合開始剤としてジ−tert−ブチルパーオキ
サイドを単量体全体に対して0.5%添加した後、密閉
し、次いで攪拌下において150℃で20分間重合反応
後、攪拌しながら約90℃まで冷却し、平均粒子径1.
4μm(光散乱光度計測定)の原料微粒子の水分散体を
得た。この水分散体に浴中濃度が35%になるようヒド
ラジンを加え、102℃で2時間架橋処理を行い、続い
て浴中濃度が10%になるよう苛性ソーダを加えて、1
02℃で5時間加水分解処理を行った後、流水中で透
析、脱塩、乾燥、粉砕、分級後、高吸湿/吸水発熱性有
機微粒子を得た。得られた高吸湿/吸水発熱性有機微粒
子の20℃、65%RH下での吸湿性は45%、平均粒
子径は0.9μmであった。
【0033】かかる高吸湿/吸水発熱性微粒子20%を
含む水分散体95部に親水性樹脂バインダーとして、T
F−3500(花王社製親水性シリコン系バインダー;
固形分40%)5部を加えた加工パッディング液に前記
基布を浸漬し、マングルにて加工液ウエットピックアッ
プ率120%になるよう絞った後、120℃で乾燥後、
170℃で1分間乾熱セットして繊維構造体を得た。得
られた繊維構造体の吸湿/吸水発熱性の特性を表1に示
す。未加工品に比べ優れた吸湿発熱性/吸水発熱性が得
られた。この繊維構造体を側地として用いた掛けふとん
(中綿:繊度6.6dtex、繊維長64mm、中実丸
断面ポリエステル1.5kg、横1.5m、縦2m)を
得た。この掛けふとんは未加工品の繊維構造体を配置し
た掛けふとんに比べ発熱速度、発熱温度、発熱保持時間
の優れた吸湿発熱性/吸水発熱性が得られ、保温性に優
れるものであった。
含む水分散体95部に親水性樹脂バインダーとして、T
F−3500(花王社製親水性シリコン系バインダー;
固形分40%)5部を加えた加工パッディング液に前記
基布を浸漬し、マングルにて加工液ウエットピックアッ
プ率120%になるよう絞った後、120℃で乾燥後、
170℃で1分間乾熱セットして繊維構造体を得た。得
られた繊維構造体の吸湿/吸水発熱性の特性を表1に示
す。未加工品に比べ優れた吸湿発熱性/吸水発熱性が得
られた。この繊維構造体を側地として用いた掛けふとん
(中綿:繊度6.6dtex、繊維長64mm、中実丸
断面ポリエステル1.5kg、横1.5m、縦2m)を
得た。この掛けふとんは未加工品の繊維構造体を配置し
た掛けふとんに比べ発熱速度、発熱温度、発熱保持時間
の優れた吸湿発熱性/吸水発熱性が得られ、保温性に優
れるものであった。
【0034】[実施例3]6.6デシテックス、繊維長
64mmカットの中空ポリエステル短繊維(立体捲縮
糸)を開繊、カード後、後工程に問題のないようニード
ルパンチを付与し、不織布(目付け=500g/m2)
を得た。
64mmカットの中空ポリエステル短繊維(立体捲縮
糸)を開繊、カード後、後工程に問題のないようニード
ルパンチを付与し、不織布(目付け=500g/m2)
を得た。
【0035】次いで、実施例1で得られた高吸湿/吸水
発熱性有機微粒子20%を含む水分散体95部に、親水
性バインダーとして、TF−3500(花王社製造親水
性シリコン系バインダー;固形分40%)5部を加えた
加工パディング液に前記不織布を浸漬し、マングルにて
加工液ウエットピックアップ率100%になるよう絞っ
た後、120℃で乾燥後、170℃で1分間乾熱セット
して繊維構造体を得た。得られた繊維構造体の吸湿/吸
水発熱性の特性を表1に示す。未加工品に比べ優れた吸
湿発熱性/吸水発熱性が得られた。この繊維構造体を中
綿として用いた敷きパッド(側地は比較例1を使用、横
1m、縦2m)を得た。この敷きパッドは未加工品の繊
維構造体を配置した敷きパッドに比べ発熱速度、発熱温
度、発熱保持時間の優れた吸湿発熱性/吸水発熱性が得
られ、保温性に優れるものであった。
発熱性有機微粒子20%を含む水分散体95部に、親水
性バインダーとして、TF−3500(花王社製造親水
性シリコン系バインダー;固形分40%)5部を加えた
加工パディング液に前記不織布を浸漬し、マングルにて
加工液ウエットピックアップ率100%になるよう絞っ
た後、120℃で乾燥後、170℃で1分間乾熱セット
して繊維構造体を得た。得られた繊維構造体の吸湿/吸
水発熱性の特性を表1に示す。未加工品に比べ優れた吸
湿発熱性/吸水発熱性が得られた。この繊維構造体を中
綿として用いた敷きパッド(側地は比較例1を使用、横
1m、縦2m)を得た。この敷きパッドは未加工品の繊
維構造体を配置した敷きパッドに比べ発熱速度、発熱温
度、発熱保持時間の優れた吸湿発熱性/吸水発熱性が得
られ、保温性に優れるものであった。
【0036】[実施例4]10番手綿紡績糸100%か
らなる平織りの生地を通常ののり抜き精練、過酸化水素
漂白、シルケット加工後、反応染料により染色、洗浄、
乾燥セットした織物を基布として用いた。
らなる平織りの生地を通常ののり抜き精練、過酸化水素
漂白、シルケット加工後、反応染料により染色、洗浄、
乾燥セットした織物を基布として用いた。
【0037】次いで、実施例1で得られた高吸湿/吸水
発熱性有機微粒子20%を含む水分散体90部に、親水
性バインダーとして、TF−3500(花王社製造親水
性シリコン系バインダー;固形分40%)3.5部およ
び繊維素反応型グリオキザール系樹脂(ジメチロールヒ
ドロキシエチレン尿素;固形分80%)6部、塩化マグ
ネシウム系酸性触媒0.5部を加えた加工パディング液
に前記基布を浸漬し、マングルにて加工液ピックアップ
率100%になるよう絞った後、120℃で乾燥後、1
70℃で1分間乾熱セットして繊維構造体を得た。得ら
れた繊維構造体の吸湿/吸水発熱性の特性を表1に示
す。未加工品に比べ優れた吸湿発熱性/吸水発熱性が得
られた。この繊維構造体を側地として用いた掛けふとん
(中綿:繊度6.6dtex、繊維長64mm、中実丸
断面ポリエステル1.5kg、横:1.5m、縦2m)
を得た。この掛けふとんは未加工品の繊維構造体を配置
した掛けふとんに比べ発熱速度、発熱温度、発熱保持時
間の優れた吸湿発熱性/吸水発熱性が得られ、保温性に
優れるものであった。
発熱性有機微粒子20%を含む水分散体90部に、親水
性バインダーとして、TF−3500(花王社製造親水
性シリコン系バインダー;固形分40%)3.5部およ
び繊維素反応型グリオキザール系樹脂(ジメチロールヒ
ドロキシエチレン尿素;固形分80%)6部、塩化マグ
ネシウム系酸性触媒0.5部を加えた加工パディング液
に前記基布を浸漬し、マングルにて加工液ピックアップ
率100%になるよう絞った後、120℃で乾燥後、1
70℃で1分間乾熱セットして繊維構造体を得た。得ら
れた繊維構造体の吸湿/吸水発熱性の特性を表1に示
す。未加工品に比べ優れた吸湿発熱性/吸水発熱性が得
られた。この繊維構造体を側地として用いた掛けふとん
(中綿:繊度6.6dtex、繊維長64mm、中実丸
断面ポリエステル1.5kg、横:1.5m、縦2m)
を得た。この掛けふとんは未加工品の繊維構造体を配置
した掛けふとんに比べ発熱速度、発熱温度、発熱保持時
間の優れた吸湿発熱性/吸水発熱性が得られ、保温性に
優れるものであった。
【0038】[比較例1]実施例1に記載のポリエステ
ル長繊維加工糸使い平織り生地単独での結果を表1に示
す。実施例1、2に比べ吸湿/吸水発熱効果は見られな
かった。
ル長繊維加工糸使い平織り生地単独での結果を表1に示
す。実施例1、2に比べ吸湿/吸水発熱効果は見られな
かった。
【0039】[比較例2]実施例3に記載の中空ポリエ
ステル短繊維製不織布単独での結果を表1に示す。実施
例3に比べ吸湿/吸水発熱効果は見られなかった。
ステル短繊維製不織布単独での結果を表1に示す。実施
例3に比べ吸湿/吸水発熱効果は見られなかった。
【0040】[比較例3]実施例4に記載の綿紡績糸1
00%パイル織物単独での結果を表1に示す。多少の吸
湿/吸水発熱性が見られるものの実施例4に比べ劣るも
のであった。
00%パイル織物単独での結果を表1に示す。多少の吸
湿/吸水発熱性が見られるものの実施例4に比べ劣るも
のであった。
【0041】[比較例4]実施例1の平織り生地を用
い、高吸湿/吸水発熱性微粒子20%を含む水分散体9
5部にアミノ変成シリコン樹脂バインダー(固形分40
%)5部を加えた加工液に基布を浸漬し、マングルにて
加工液ウエットピックアップ率100%になるよう絞っ
た後、120℃で乾燥後、180℃で1分間乾熱セット
して構造体を得た。得られた構造体の吸湿/吸水発熱性
の特性を表1に示す。実施例に比べ吸湿発熱性/吸水発
熱性が劣るものであった。
い、高吸湿/吸水発熱性微粒子20%を含む水分散体9
5部にアミノ変成シリコン樹脂バインダー(固形分40
%)5部を加えた加工液に基布を浸漬し、マングルにて
加工液ウエットピックアップ率100%になるよう絞っ
た後、120℃で乾燥後、180℃で1分間乾熱セット
して構造体を得た。得られた構造体の吸湿/吸水発熱性
の特性を表1に示す。実施例に比べ吸湿発熱性/吸水発
熱性が劣るものであった。
【0042】
【表1】
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、高吸湿発熱性微粒子を
少量の親水性樹脂を介して編物、織物、短繊維に付着さ
せることで、外部環境、人体もしくは人工的な湿気(水
蒸気)や水分(液体)を吸収して迅速かつ安定に発熱す
ることで、寝具に好適な吸湿/吸水発熱性構造体を簡便
に、かつ安定に得ることができる。
少量の親水性樹脂を介して編物、織物、短繊維に付着さ
せることで、外部環境、人体もしくは人工的な湿気(水
蒸気)や水分(液体)を吸収して迅速かつ安定に発熱す
ることで、寝具に好適な吸湿/吸水発熱性構造体を簡便
に、かつ安定に得ることができる。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
D06M 23/08 D06M 23/08
Fターム(参考) 3B096 AC16 AD04
3B102 BA12
4L031 AA02 AA04 AA05 AA14 AA17
AA18 AA20 AA22 AB34 BA33
DA21
4L033 AA02 AA03 AA05 AA07 AA08
AB07 AC07 AC15 CA13 CA18
Claims (8)
- 【請求項1】 高吸湿性微粒子が付着されてなる中綿及
び/又は側地を用いた寝具であり、吸湿及び/又は吸水
時の最大温度上昇が3℃以上であることを特徴とする吸
湿/吸水発熱性寝具。 - 【請求項2】 吸湿時の発熱が30分以上、及び/又は
吸水時の発熱が1分以上保持されることを特徴とする請
求項1に記載の吸湿/吸水発熱性寝具。 - 【請求項3】 吸水時の最大温度上昇が8℃以上である
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の吸湿/吸水発
熱性寝具。 - 【請求項4】 高吸湿性微粒子が有機微粒子であること
を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の吸湿/吸
水発熱性寝具。 - 【請求項5】 高吸湿性有機微粒子がポリスチレン系、
ポリアクリロニトリル系、ポリアクリル酸エステル系、
ポリメタクリル酸エステル系のいずれかのビニル系重合
体で、スルホン酸基、カルボン酸基、リン酸基あるい
は、それらの金属塩の少なくとも1種の親水基を有し、
かつジビニルベンゼン、トリアリルイソシアネートまた
はヒドラジンのいずれかで架橋された架橋重合体である
請求4に記載の吸湿/吸水発熱性寝具。 - 【請求項6】 高吸湿性微粒子の平均粒子径が2μm未
満であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記
載の吸湿/吸水発熱性寝具。 - 【請求項7】 高吸湿性微粒子が親水性樹脂を介して中
綿又は側地に固定化されていることを特徴とする請求項
1〜6のいずれかに記載の吸湿/吸水発熱性寝具。 - 【請求項8】 高吸湿性微粒子と親水性樹脂の質量比が
1/1〜19/1であることを特徴とする請求項1〜7
のいずれかに記載の吸湿/吸水発熱性寝具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001302933A JP2003102594A (ja) | 2001-09-28 | 2001-09-28 | 吸湿/吸水発熱性寝具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001302933A JP2003102594A (ja) | 2001-09-28 | 2001-09-28 | 吸湿/吸水発熱性寝具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003102594A true JP2003102594A (ja) | 2003-04-08 |
Family
ID=19123097
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001302933A Pending JP2003102594A (ja) | 2001-09-28 | 2001-09-28 | 吸湿/吸水発熱性寝具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003102594A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009135173A2 (en) * | 2008-05-02 | 2009-11-05 | Tempra Technologies, Inc. | Thermal blanket |
KR20140033417A (ko) * | 2011-06-30 | 2014-03-18 | 도요보 가부시키가이샤 | 안솜 |
CN113293619A (zh) * | 2021-05-31 | 2021-08-24 | 江苏金太阳纺织科技股份有限公司 | 一种吸湿发热整理剂、制备方法及应用 |
-
2001
- 2001-09-28 JP JP2001302933A patent/JP2003102594A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009135173A2 (en) * | 2008-05-02 | 2009-11-05 | Tempra Technologies, Inc. | Thermal blanket |
WO2009135173A3 (en) * | 2008-05-02 | 2010-02-25 | Tempra Technologies, Inc. | Thermal blanket |
KR20140033417A (ko) * | 2011-06-30 | 2014-03-18 | 도요보 가부시키가이샤 | 안솜 |
KR101647546B1 (ko) | 2011-06-30 | 2016-08-10 | 도요보 가부시키가이샤 | 안솜 |
CN113293619A (zh) * | 2021-05-31 | 2021-08-24 | 江苏金太阳纺织科技股份有限公司 | 一种吸湿发热整理剂、制备方法及应用 |
CN113293619B (zh) * | 2021-05-31 | 2023-02-17 | 江苏金太阳纺织科技股份有限公司 | 一种吸湿发热整理剂、制备方法及应用 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2003193371A (ja) | 寝具又はインテリア用繊維製品 | |
JP2004324023A (ja) | 繊維構造物 | |
CN103930611A (zh) | 吸湿除臭纤维、其制造方法及含有该纤维的纤维结构物 | |
JP4264800B2 (ja) | 吸湿/吸水発熱性構造体 | |
KR101161466B1 (ko) | 서흡방습성 가교 아크릴계 섬유 | |
JP3629871B2 (ja) | 着臭防止性材料 | |
JP2003102594A (ja) | 吸湿/吸水発熱性寝具 | |
JP3271692B2 (ja) | 酸・塩基性ガス吸収性繊維及びその構造物 | |
JP2003102784A (ja) | 吸湿/吸水発熱性おむつ | |
JP2003093529A (ja) | 吸湿/吸水発熱性マスク | |
JP3912578B2 (ja) | 吸湿/吸水発熱性芯地用構造体 | |
JP2002235278A (ja) | 接触冷感性繊維及び繊維製品並びにこれらの製造方法 | |
JP3369508B2 (ja) | 吸放湿性繊維 | |
JP4759898B2 (ja) | ダイビングスーツ | |
JP2004169240A (ja) | 繊維構造物 | |
WO2018061369A1 (ja) | 中綿 | |
JP2003129312A (ja) | スキーウェア | |
JP2003119606A (ja) | スポーツウェア | |
JP6247801B1 (ja) | 中綿 | |
JP3716984B2 (ja) | 吸放湿性繊維の製造方法 | |
JP2003155609A (ja) | 溺死防止用緊急人体加温衣料 | |
JP2003096610A (ja) | 吸湿/吸水発熱性防寒具 | |
JP3235092B2 (ja) | 塩基性ガス吸収繊維及びその製造方法 | |
JP2003116711A (ja) | カーテン | |
JP2003093427A (ja) | 医療用加熱貼付布材 |