JP3629871B2 - 着臭防止性材料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、タバコ臭や体臭、トイレ臭などのいやな臭気を消臭するとともに、衣服などの基材表面自体に臭気が付着しないように防止する機能をもたせた着臭防止材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、体臭、トイレ臭および冷蔵庫の臭気などを除去するために、活性炭などの多孔質無機物質が用いられていた。また、近年、タバコの臭気を消臭する技術が見直されており、既に各種の無機系化合物や有機系化合物の消臭機能を有する物質が用いられており、たとえば繊維布帛にこれらの物質を処理して付与することにより、かかるタバコによる臭気を物理的、化学的に吸着し、消臭する試みがなされている。
【0003】
しかし、これらの技術は雰囲気の臭気を確かに取り除く効果はあるが物理的、化学的に付着した臭気は繊維布帛上で完全に消臭されず臭気が付着残存するのが実情である。そこで業界から、雰囲気の悪臭を取り除くとともに、悪臭が付着残存しないものが強く要望されていたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、雰囲気の悪臭を取り除くとともに繊維布帛に該悪臭が残存しない優れた機能を有する着臭防止材料を提供せんとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、かかる課題を達成するために、次のような手段をとる。すなわち,本発明の着臭防止材料は、基材表面に、下記一般式に示されるポリアミン化合物およびヒドラジド化合物から選ばれた少なくとも1種と無機系化合物とを少なくとも含む消臭剤が合成樹脂バインダーを介して付着しており、かつ、その表面に撥水剤が付着していることを特徴とするものである。
【化1】
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明は、かかる従来技術からの課題である、雰囲気の悪臭を取り除くこと、繊維布帛に該悪臭を残存させないことについて、鋭意検討したところ、特定の2種以上の消臭剤を併用して、これらを合成樹脂バインダーで基材表面に付着させて消臭性材料に、さらに撥水剤を該消臭剤および/または該バインダーに付着させてみたところ、かかる課題を一挙に解決することを究明したものである。
【0007】
本発明でいう基材とは、シート状物であれば何でもよいが、好ましくは繊維構造物およびフィルム状物およびこれらの複合材料のいずれかである。かかる繊維構造物としては、編織物、不織布、紙状物および網状物から選ばれた少なくとも1種のシート状物であるか、さらには綿状のものや立毛構造体を使用することができる。
【0008】
本発明では、かかる基材の表面に消臭剤を付着させるが、該基材表面とは、繊維表面およびシート表裏面の少なくとも1つの面である。すなわち、単糸または糸条の表面でもよいし、シートの表裏面のいずれでもよい。
【0009】
本発明にいう繊維構造物としては、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリアクリルニトリル系などの合成繊維や、木綿、絹、麻、羊毛などの天然繊維ならびに、レーヨンなどの半合成繊維からなるものであって、これらの繊維単独使いでも、また混紡、混繊、交編織などの形態をとるものであってもよい。
【0010】
次に本発明にいう消臭剤とは、
下記一般式に示されるポリアミン化合物およびヒドラジド化合物から選ばれた少なくとも1種と無機系化合物とを少なくとも含む消臭剤が使用される。これらのものは、使用する基材の風合い変化および洗濯耐久性、さらに色相変化、消臭効果などの面から、併用して使用するものである。
【0011】
すなわち、本発明に用いる消臭剤としては、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウムなどからなる多孔質物質や、ゼオライト、シリカゲル、活性炭などの多孔質物質あるいは銅、亜鉛、銀、鉛、鉄、アルミニウム、マグネシウム、マンガン、ニッケル、コバルトなどの金属酸化物、水酸化物、塩化物や、さらに硫酸塩、硝酸塩などの無機酸塩などの無機系化合物を使用することができる。かかる消臭剤の粒径としては、好ましくは100μm以下、さらに好ましくは10μm以下のものを使用する。すなわち粒径が100μmより大きい場合には、繊維材料表面のザラツキ感が大きくなり、風合いも粗硬になる傾向がある。
【0012】
該多孔質物質としては、二酸化ケイ素や酸化亜鉛などの非晶性物質が経済性と消臭性の面から好ましい。かかる多孔質物質としては、好ましくは10m2 /g以上、さらに好ましくは50m2 /g以上の比表面積を有するものはがよい。
【0013】
また、硫化水素やメルカプタン類の臭気に対する消臭効果を大きくするためには、銅および亜鉛の少なくともいずれかの化合物を含ませるのが好ましい。かかる化合物としては、銅あるいは亜鉛の酸化物、水酸化物、塩化物、硫酸塩、硝酸塩などの無機酸塩などを使用することができる。
【0014】
これらの無機系化合物系消臭剤の付着量は、たとえば繊維構造体でいえば、繊維材料に対して好ましくは0.05〜10%owf、さらに好ましくは0.1〜5%owfである。付着量が0.05owfより小さい場合、十分な消臭効果が得られにくくなり、10%owfより大きい場合、得られる繊維材料の風合いが粗硬でざらつき感も大きくなり、染色物では色相のダル化も大きくなってしまう。
【0015】
本発明の他の併用すべき消臭剤としては、ポリアミン化合物およびヒドラジド化合物から選ばれた少なくとも1種が使用される。
【0016】
ポリアミン化合物としては、脂肪族ポリアミン化合物と芳香族ポリアミン化合物を使用することができるが、下記一般式に示されるポリビニルアミン化合物は、アルデヒド類の消臭に効果がある。
【0017】
【化2】
かかるポリビニルアミン化合物は、たとえばN−ビニルホルムアミドまたはN−ビニルアセトアミドなどを水溶液中で重合させ、酸または塩基により加水分解させることによりつくることができる。なお該重合時にその他のビニルモノマー、たとえばアクリル酸、アクリルアミド、アクリロニトリル、エチレン、スチレンおよびビニルアセテートなどを共重合させてもよい。
【0018】
かかるポリビニルアミン化合物の分子量は、1万〜20万位の範囲が好ましい。分子量が1万よりも小さいと水溶性が大きくなり、繊維材料に付着後の洗濯耐久性が不十分となる。また、分子量が20万よりも大きいと粘度が高くなり、併用する無機系化合物との混合がしにくくなる傾向がある。
【0019】
芳香族ポリアミン化合物としては、たとえばキシレンジアミン、フェニレンジアミン等のアミン化合物をエチレングリコールやプロピレングリコールなどのアルコールと脱水反応させて得られるものを使用することができる。
【0020】
本発明のヒドラジド化合物としては、たとえばホルムヒドラジド、アセトヒドラジド、プロピオン酸ヒドラジド、ラウリン酸ヒドラジド、ステアリン酸ヒドラジド、サリチル酸ヒドラジド、安息香酸ヒドラジド、p−ヒドロキシ安息香酸ヒドラジド、メチルカルバゼード、エチルカルバゼード、セミカルバジド塩酸塩などのモノヒドラジドや、さらに、カルボジヒドラジド、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、ピメリン酸ジヒドラジド、スベリン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、酒石酸ジヒドラジド、リンゴ酸ジヒドラジド、イミノジ酢酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド、ドデカンジオヒドラジド、ヘキサデカンジオヒドラジド、2,6−ナフトエ酸ジヒドラジド、1,4−ナフトエ酸ジヒドラジド、4,4´−ビスベンゼンジヒドラジド、2,6−ピリジンジヒドラジド、1,4−シクロヘキサンジヒドラジド、N,N´−ヘキサメチレンビスセミカルバジドなどのジヒドラジドや、またさらにクエン酸トリヒドラジド、ピロメリット酸トリヒドラジド、1,2,4−ベンゼントリヒドラジド、ニトリロ酢酸トリヒドラジド、シクロヘキサントリカルボン酸トリヒドラジドなどのトリヒドラジドや、エチレンジアミン四酢酸テトラヒドラジド、1,4,5,8−ナフトエ酸テトラヒドラジドなどのテトラヒドラジドなどを使用することができる。特にヒドラジノ基を2つ以上有するヒドラジド化合物が好ましく使用される。
【0021】
かかるポリアミン化合物やヒドラジド化合物の付着量は、たとえば繊維構造体でいえば、繊維材料に対して好ましくは0.01〜10%owf、さらに好ましくは0.05〜5%owfである。付着量が0.01%owfより少ない場合は、アルデヒド類に対して十分な消臭効果が得られにくくなり、10%owfより多い場合は、得られる繊維材料の風合いが粗硬になる傾向がでてくる。
【0022】
かかるポリアミン化合物やヒドラジド化合物には、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチルテトラミン、テトラエチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ポリエチレンイミンなどのアミン化合物を併用してもよい。
【0023】
なお、これらの無機系化合物と、ポリアミン化合物およびヒドラジド化合物から選ばれた少なくとも1種とは、どのように組合せて使用してもよく、たとえば、それぞれの有する消臭機能を複数組合せ、さらにこれを多孔質無機化合物と組合せて使用することができる。
【0024】
これらの無機系化合物のなかでも、多孔質物質、銅および亜鉛から選ばれた少なくとも1種の無機系化合物と、ポリアミン化合物およびヒドラジド化合物の少なくとも1種との併用が、タバコ臭などの複合臭気に対して高い消臭効果を示すので好ましく使用される。
【0025】
本発明における合成樹脂バインダーは、無機系化合物とポリビニルアミン化合物を繊維材料に付着させるために用いられる。該合成樹脂としては、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、アミノプラスト樹脂、エポキシ系樹脂、グリオキザール系樹脂、エチレン尿素樹脂などが挙げられる。風合いおよび耐久性の面からは、ウレタン系樹脂やアクリル系樹脂が好ましく、特に好ましくはウレタン系樹脂が使用される。かかるウレタン系樹脂としては、ポリウレタンエマルジョンあるいは水溶性ウレタン樹脂が好ましく用いられ、たとえば、商品名として第一工業製薬(株)のエラストロン、スーパーフレックス、大日本インキ化学工業(株)のハイドランなどを使用することができる。該樹脂バインダーの付着量は、たとえば繊維構造物では、繊維材料に対して0.01〜10%owf、好ましくは0.03〜5%owfである。付着量が0.01%owfより小さいと洗濯耐久性が不十分となり、10%owfより大きいと得られる繊維材料の風合いが粗硬になる。また、消臭性を損なわない範囲内であれば、風合い加工剤、柔軟仕上剤、帯電防止剤、難燃剤、抗菌防臭加工剤、撥水剤、防汚剤などを処理液中に添加してもよい。
【0026】
本発明では、かかる消臭剤を合成樹脂バインダーを介して基材表面に付着するが、その付着形態としては、混合体の形や該バインダー上に消臭剤が貼着されている構造などの形態が採用される。前者の混合体の場合には、該合成樹脂バインダーを、発泡体とすることにより、該消臭剤をさらに機能的、かつ、消臭効果の延命化を可能にすることができる。
【0027】
かかる合成樹脂バインダーを付与する方法としては、パディング法、浸漬法、スプレー法、コーティング法、プリント法などいずれの方法でもよい。これらの中でもパディング法が、耐久性、均一性の上から特に好ましく使用される。
【0028】
かかる合成樹脂バインダーを付与した後、熱処理するが、かかる熱処理としては、乾熱処理および湿熱処理のいずれでもよい。
【0029】
次に本発明にいう撥水剤について説明する。本発明にいう撥水剤としてはフッ素系の撥水剤あるいは撥水・撥油剤であればよいが代表的なものとしては次のようなものがある。
【0030】
本発明でいうフッ素系撥水剤は、特に限定されるものではないが、例えばC3 〜C20のポリフルオロ基またはポリフルオロアルキル基を有する単量体のみの単独重合により製造されるものや、上記ビニル単量体とポリフルオロ基またはポリフルオロアルキル基を有しない他のビニル単量体との共重合により製造されるものを用いることができる。ポリフルオロ基またはポリフルオロアルキル基を有するビニル単量体としては例えば下記に示すものを用いる事ができる。
【0031】
CH2 =CHCOOCH2 C7 F15
CH2 =C(CH3 )CHCOOCH2 C6 F12CF3 (CF3 )
CH2 =CHCOO(CH2 )2 N(C3 H7 )SO2 C8 F17
C6 F13CH2 CH2 OH
C8 F17SO2 (C3 H7 )CH2 CH2 OH
C8 F17SO2 (C3 H7 )CH2 OOCNH(CH2 )6 NH(CH2 CH2 O)CH3
ポリフルオロ基またはポリフルオロアルキル基を有しない他のビニル単量体としては、例えば、エチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリルアミド、スチレン、ベンジルアクリレート、ビニルアルキルケトン、無水マレイン酸、イソプレン、シロキサン、ブロックイソシアネートのビニル単量体などを含む共重合体を主成分とする弗素系撥水剤が好適である。
【0032】
弗素系撥水剤にアミノプラスト樹脂を併用することは、撥水性の洗濯耐久性を向上するために好ましい。アミノプラスト樹脂としては、公知のものを用いることができるが、具体的には、トリメチロールメラミン、ヘキサメチロールメラミンなどのメラミン樹脂、ジメチロールプロピレン尿素、ジメチロールエチレン尿素、ジメチロールヒドロキシ尿素、ジメチロールウロンなどのウロン樹脂を用いることができる。
【0033】
また、アミノプラスト樹脂と共に硬化触媒を用いてもよく、例えばリン酸、硫酸、硝酸などの無機酸のアンモニウム、アルミニウム、また亜鉛などの塩類、ギ酸、酢酸、アクリル酸、こはく酸などの有機酸の塩類を用いることができる。
【0034】
本発明でいう多官能ブロックイソシアネート含有ウレタン樹脂は、分子中に2個以上のブロックイソシアネート官能基を含むウレタン樹脂であれば特に限定されるものではない。
【0035】
例えば、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニールメタンジイソシアネート、水素添加ジフェニールメタンジイソシアネート、トリフェニールトリイソシアネート、キシレジンイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トリメチロールプロパントリレンジイソシアネートアダクト、グリセリントリレンジイソシアネートアダクトなどに7〜200℃の加熱時に解離して活性なイソシアネート基が再生できるようなブロッキング化合物としてフェノール、マロン酸ジエチル、メチルエチルケトオキシム、重亜硫酸ソーダε−カプロラクタムなどを反応させた多官能ブロックイソシアネート含有ウレタン樹脂を用いることができる。
【0036】
本発明のウレタン化合物としては、多官能ブロックイソシアネート含有ウレタン樹脂が好ましく使用される。多官能ブロックイソシアネート含有ウレタン樹脂は、少量の界面活性剤を配合して強制的に乳化した水分散液体として使用することが好ましい。上記の中でもジフェニールメタンジイソシアネートのメチルエチルケトオキシムや、トリメチロールプロパントリレンジイソシアネートアダクトのメチルエチルケトオキシムの水分散液体は好適である。
【0037】
また、ブロックイソシアネートの熱分離速度の向上と、熱解離温度の低下を促進するため解離触媒を使用しても良く例えば、ジブチルスズシオレート、ジブチルスズテアレート、ステアリル亜鉛、有機アミン化合物が好ましい。
【0038】
上記弗素系撥水剤、弗素系撥水剤とアミノプラスト樹脂または多官能ブロックイソシアネート含有ウレタン樹脂の反応物、弗素系撥水剤とアミノプラスト樹脂または多官能ブロックイソシアネート含有ウレタン樹脂の反応物を、前述した吸水性のポリエステル系繊維に接合させる方法としては、特に限定されるものではなく、弗素系撥水剤単独、弗素系撥水剤とアミノプラスト樹脂もしくは多官能ブロックイソシアネート含有ウレタン樹脂を一浴に含む処理液、または弗素系撥水剤とアミノプラスト樹脂または多官能ブロックイソシアネート含有ウレタン樹脂を一浴に含む処理液を、原糸形態のポリエステル系繊維または布帛などに加工した繊維構造物に付与し過熱処理するようにするとよい。
【0039】
洗濯耐久性のある撥水性を得るためには、繊維重量に対して、固形分で弗素系撥水剤は好ましくは0.01〜10重量%、さらに好ましくは0.03〜5重量%付与するのがよい。
【0040】
アミノプラスト樹脂については、多量に使用すると架橋効果は向上するものの、風合いの硬化を招くため、繊維重量に対し固形分で0.01〜2重量%、好ましくは0.02〜1重量%付与することが好ましい。
【0041】
また、多官能ブロックイソシアネート含有ウレタン樹脂は多量に使用すると架橋効果は向上するものの、風合いの硬化、加熱時の熱黄変や染色堅牢度を低下させるなどの問題がある。十分な架橋効果を得る一方、これらの問題を防止する観点から、繊維重量に対して固形分で0.01〜4重量%、好ましくは0.03〜1重量%付与するのが好ましい。
【0042】
これらを一浴に含む処理液をポリエステル系繊維または該繊維構造物にパッド法、スプレー法、コーティング法などの方法により均一に付与し、100℃前後で乾燥し、120〜200℃、好ましくは140〜180℃で15秒〜5分、好ましくは30秒〜2分間熱処理することにより繊維表面に反応物を接合することができる。
【0043】
本発明でいう接合とは、接着あるいは化学的に結合していることをいう。接合であろうが、接着であろうが、あるいは化学的結合であろうが本発明の効果の有無を左右するものではない。
【0044】
本発明の繊維構造物には、その繊維構造物に他の性能を付与するために一般に用いられる処理剤、例えば、ポリアミン系やグアニジン系帯電防止剤、アミノやハイドロゼンポリシロキサン系シリコン柔軟剤、弗素系防汚剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、セラミック、抗菌剤、消臭剤、色素などに弗素系撥水剤に含有し、さらにアミノプラスト樹脂および多官能ブロックイソシアネート含有ウレタン樹脂の少なくともいずれかを含む処理液に混合して処理するようにしてもよい。
【0045】
本発明では、かかる撥水剤が、少なくとも該消臭剤に付着しているのが、該消臭剤の延命化を図ることができ、好ましくは該撥水剤が、該消臭剤の付着面に少なくとも噴霧されて付与されているものがより好ましい。
【0046】
本発明の着臭防止材料としては、その基材が、衣料、建装材および衛生材料のいずれかを構成する少なくとも一部材であるものが各種の用途に好都合に応用展開できるので好ましい。
【0047】
【実施例】
以下、本発明を実施例により、さらに詳細に説明する。
【0048】
なお、実施例中の評価方法は次の方法で行なった。
【0049】
[洗濯方法]
自動反転渦巻き式電気洗濯機VH−3410(東芝(株)製)を用い、「ザブ」(花王(株)製)0.2%、温度60±2℃、浴比1:40で75分間強反転で洗濯し、その後、排液、オーバーフローさせながらすすぎを25分間行う操作を3回繰り返し、これを洗濯5回とする。
【0050】
[たばこ臭に対する消臭性の臭覚評価]
500mlのガラス製三角フラスコを入り口を下にして、入り口の直下に発煙している紙巻きたばこを5秒間置いた後、すばやく三角フラスコを横にして試料3gを投入し、ガラス栓で密閉した。1時間放置後、ガラス栓を開け、残臭を嗅いで評価した。
【0051】
○:残臭がほとんどない
△:やや残臭がある
×残臭が大きい
[たばこ臭に対する着臭防止評価]
たばこ臭に対する消臭性の臭覚評価後、試料を取り出し、1時間放置後試料の残臭を嗅いで評価した。
【0052】
○:残臭がほとんどない
△:やや残臭がある
×残臭が大きい。
【0053】
実施例中の生地は、ポリエステル織物(東レ(株)製#F1305GN、タテ糸、ヨコ糸共150D−48fil)を用いた。この織物を通常の方法で糊抜き、精練し、乾熱セット後試験に供した。
【0054】
実施例1
供試生地を下記組成の消臭加工液に浸漬後、マングルで絞り率65%まで絞り、それを120℃×3分で乾燥した後、ピンテンターで170℃×1分の条件で乾熱処理を行った。
【0055】
次いで撥水加工剤を用いて撥水加工を施した。
【0056】
フッ素系撥水加工剤として、
CH2 =CHCOO(CH2 )2 N(C3 H7 )SO2 C8 F17
を繊維重量に対し固形分で4.7重量%と、アミノプラスト樹脂としてトリメチロールメラミンを繊維重量に対し固形分で0.9重量%とを織物に付着させ、120℃で乾燥した後、180℃で60秒間熱処理を行った。その際、アミノプラスト樹脂の触媒として、硫酸アンモニウムを、アミノプラスト樹脂の1/3量使用して試料を作製し、評価に供した。
【0057】
実施例2
消臭加工液を下記組成とした以外は、実施例1と同じ処理を施して試料を作製し、評価に供した。
【0058】
実施例3
消臭加工液を下記組成とした以外は、実施例1と同じ処理を施して試料を作製し、評価に供した。
【0059】
比較例1
実施例1の消臭加工液を下記組成とした以外は、実施例1と同じ処理を施して試料を作製し、評価に供した。
【0060】
比較例2
実施例1の消臭加工液を下記組成とした以外は、実施例1と同じ処理を施して試料を作製し、評価に供した。
【0061】
比較例3
実施例1と同じ消臭加工液で処理し、撥水加工を施さないで試料を作製し、評価に供した。
【0062】
実施例1〜3および比較例1〜3で得られた生地について、評価した結果を表1に示す。
【0063】
【表1】
【0064】
【発明の効果】
本発明によれば、雰囲気の悪臭を取り除くと同時に基材に悪臭が付着、残存しせず、さらにその機能の耐久性に優れているので、カーテン、カーペット、マット、毛布、シーツ、ふとんカバー、まくらカバー、ふとん綿、自動車の内装材などの建寝装材料やスーツ、ユニフォーム、シャツ、ブラウス、スラックス、スカート、セーター、靴下、パンティストッキング、芯地、裏地などの衣料材料、靴の中敷、内張り地、かばん地、風呂敷、クッション、ぬいぐるみなどの材料、布おむつ、おむつカバーなどの衛生材料、さらにはフィルター類など広範な用途に好適に使用することができる。
Claims (15)
- 該基材が、繊維構造物およびフィルム状物およびこれらの複合材料のいずれかである請求項1記載の着臭防止性材料。
- 該繊維構造物が、編織物、不織布、紙状物および網状物から選ばれた少なくとも1種のシート状物である請求項2記載の着臭防止性材料。
- 該繊維構造物が、立毛構造体である請求項2又は3記載の着臭防止性材料。
- 該基材表面が、繊維表面およびシート表裏面の少なくとも1つの面である請求項1〜3のいずれかに記載の着臭防止性材料。
- 該消臭剤が合成樹脂バインダーを介して付着している形態が、両者の混合体である請求項1記載の着臭防止材料。
- 該合成樹脂バインダーが、発泡体である請求項6記載の着臭防止材料。
- 該消臭剤が合成樹脂バインダーを介して付着している形態が、該バインダー上に消臭剤が貼着されている構造である請求項1記載の着臭防止材料。
- 該無機系化合物が、多孔質物質、銅および亜鉛から選ばれた少なくとも1種である請求項1〜8のいずれかに記載の着臭防止材料。
- 該多孔質物質が、ケイ素、亜鉛およびチタンから選ばれた少なくとも1種からなる金属酸化物である請求項9記載の着臭防止材料。
- 該合成樹脂バインダーが、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、アミノプラスト樹脂、エポキシ樹脂、グリオキザール系樹脂およびエチレン尿素樹脂から選ばれた少なくとも1種である請求項1〜10のいずれかに記載の着臭防止材料。
- 該撥水剤が、炭素数3〜20のポリフルオロ基またはポリフルオロアルキル基を含有する重合性化合物、および、該重合性化合物とウレタン化合物の反応物から選ばれた少なくとも1種である請求項1〜11のいずれかに記載の着臭防止材料。
- 該撥水剤が、少なくとも該消臭剤に付着している請求項1〜12のいずれかに記載の着臭防止材料。
- 該撥水剤が、該消臭剤の付着面に少なくとも噴霧されて付与されているものである請求項1〜13のいずれかに記載の着臭防止材料。
- 該基材が、衣料、建装材および衛生材料のいずれかを構成する少なくとも一部材である請求項1〜14のいずれかに記載の着臭防止材料。
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