JP2003165886A - 酸−エポキシ架橋エマルション組成物 - Google Patents
酸−エポキシ架橋エマルション組成物Info
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Abstract
でき、しかも、ノンホルマリンの用途も含めて様々な用
途に対応することができるエマルション組成物を提供す
る。 【解決手段】ガラス転移温度が−20〜10℃であるエ
マルションと沸点300℃以上の可塑剤とを含有する酸
−エポキシ架橋エマルション組成物であって、該酸−エ
ポキシ架橋エマルション組成物の硬化塗膜物性は、該エ
マルションが硬化した後に、伸びが1000〜1500
%であり、強度が2.0×105 〜4.9×105 N/
m2 であり、100%モジュラスが0.98×104 〜
2.0×104 N/m2 となる酸−エポキシ架橋エマル
ション組成物。
Description
物に関する。更に詳しくは、酸−エポキシ架橋エマルシ
ョンを含有するエマルション組成物に関する。
ット、カーテン等の繊維処理剤等として用いることがで
きるが、架橋性モノマーを使用して成膜した塗膜の強度
等の物性が優れるていることから、これらの製品に強度
等の物性を付与するために用いることができる。このよ
うなエマルション組成物としては、酸−エポキシ架橋エ
マルションや、単量体成分としてN−メチロールアクリ
ルアミドを用いて乳化重合してなる架橋エマルションを
含む組成物が挙げられる。
ョンを用いる場合、硬化塗膜の強度は発現するものの、
繊維処理剤の用途で要求されるような風合いが発現しな
かった。この場合、環境対応を考慮したノンホルマリン
の用途で有望であることから、硬化塗膜の強度と共に風
合いも発現することができるように研究する余地があっ
た。一方、N−メチロールアクリルアミドによる架橋エ
マルションを用いる場合、硬化塗膜の強度と共に風合い
も発現することができるが、ホルマリンを発生するた
め、ノンホルマリンの用途には適用できないという問題
があった。
燃剤を含有する場合には、難燃性を付与する繊維処理剤
等として用いることが可能となるが、このようなエマル
ション組成物としては、燃焼時の酸化反応を抑制する効
果が高いハロゲン化合物を難燃剤として含有するものが
広く用いられている。
て含有するエマルション組成物に関する技術として、特
開平2−265973号公報には、不飽和単量体100
重量部に対し難燃剤の有機ハロゲン化物を0.3〜10
0重量部添加して乳化重合させて得られた樹脂水性エマ
ルジョンが開示されている。また、特開平5−2544
7号公報にも、難燃化成分としてハロゲン原子を含有す
る樹脂水性エマルジョンが開示されている。更に、特開
平8−34893号公報には、特定組成の樹脂水性エマ
ルジョン混合液に、難燃剤を該混合液の全樹脂固形分量
100重量部に対し1〜20重量部の割合で配合してな
る難燃性樹脂水性エマルジョン組成物に関し、難燃剤と
して、ハロゲン化合物や三酸化アンチモン、五酸化アン
チモンを用いた実施例が開示されている。
を含有するエマルション組成物では、優れた難燃性は獲
得できるものの、環境を汚染してしまうおそれがあるた
め、昨今の環境問題への意識の高まりから、ハロゲン化
合物を実質的に含有しないものが求められている。一
方、非ハロゲン化合物を難燃剤とする場合、通常ではハ
ロゲン化合物を含有する場合と同等の難燃性を付与する
ことができない。従って、エマルション組成物において
は、非ハロゲン化合物を難燃剤とし、しかもハロゲン化
合物を含有する場合と同等の難燃性を付与することがで
きるように研究する余地もあった。
鑑みてなされたものであり、硬化塗膜の強度と共に風合
いも発現することができ、しかも、ノンホルマリンの用
途も含めて様々な用途に対応することができるエマルシ
ョン組成物を提供することを目的とする。また、本発明
の第2の目的は、更に、難燃性があるエマルション組成
物を提供することである。具体的には、非ハロゲン系の
難燃性エマルション組成物を提供することである。具体
的には、エマルション組成物の形成時に酸基とエポキシ
基が反応して架橋する形態の酸−エポキシ架橋エマルシ
ョン組成物である。
の強度と共に風合いも発現することができるエマルショ
ン組成物について種々検討するうちに、ガラス転移温度
−20〜10℃を示す酸−エポキシ架橋エマルションを
用いると、通常では繊維処理剤等とする場合に硬化塗膜
の強度は充分であるが風合いが発現しないことになる
が、沸点300℃以上の可塑剤を含有させることによ
り、風合いも発現することに着目し、酸−エポキシ架橋
エマルション組成物の硬化塗膜物性を適切な範囲に調整
することにより、繊維処理剤等として適切に使用するこ
とが可能となり、上記課題をみごとに解決することがで
きることに想到した。また、可塑剤としてリン系可塑剤
を用い、リン系可塑剤の存在下で乳化重合してなる酸−
エポキシ架橋エマルションを用いると、難燃性を付与す
ることができるうえに、リン系可塑剤が均一に分散しや
すくなって難燃剤に起因するベタツキや難燃性のムラを
解消することができることも見いだした。更に、酸−エ
ポキシ架橋エマルション組成物の硬化塗膜物性のうち、
タック値を適切な範囲に調整することにより、沸点30
0℃以上の可塑剤を含有させることに起因する硬化塗膜
のベタツキが繊維処理剤等としてより適切に使用するこ
とができる範囲となることや、この場合に通常では後添
加することのない界面活性剤を用いると好適であること
も見いだし、本発明に到達したものである。
0〜10℃であるエマルションと沸点300℃以上の可
塑剤とを含有する酸−エポキシ架橋エマルション組成物
であって、上記酸−エポキシ架橋エマルション組成物の
硬化塗膜物性は、上記エマルションが硬化した後に、伸
びが1000〜1500%であり、強度が2.0×10
5 〜4.9×105 N/m2 であり、100%モジュラ
スが0.98×104 〜2.0×104 N/m2 となる
酸−エポキシ架橋エマルション組成物である。以下に、
本発明を詳述する。
移温度が−20〜10℃であるエマルションと沸点30
0℃以上の可塑剤とを含有する酸−エポキシ架橋エマル
ション組成物である。本発明においては、エマルション
が示すガラス転移温度を特定範囲に設定することで硬化
塗膜に強度をもたせ、更に高い沸点の可塑剤を配合する
ことで硬化塗膜に柔軟性を付与する。これらの作用が相
まって硬化塗膜が適度な伸び、強度及びヤング率を示
し、これらの物性値を特定の範囲とすることにより硬化
塗膜の強度と風合いとを両立することが可能となる。こ
のように硬化塗膜の強度と風合いとを両立することは、
ノンホルマリンを実現することができる酸−エポキシ架
橋エマルション組成物では従来できないことであった。
本発明の作用効果をより発揮させるためには、エマルシ
ョンが示すガラス転移温度は、−15〜10℃とするこ
とが好ましい。より好ましくは、−10〜10℃であ
る。また、可塑剤の沸点は、300〜400℃とするこ
とが好ましい。より好ましくは、310〜380℃であ
る。なお、エマルションが示すガラス転移温度とは、乳
化重合することによってエマルションを形成する単量体
成分に含まれる単量体の種類や使用量から算出すること
ができる。具体的には、上記の、本発明の酸−エポキシ
架橋エマルション組成物が示すガラス転移温度である
が、本発明の酸−エポキシ架橋エマルション組成物を形
成する単量体成分が有する物性である、単量体成分のホ
モポリマーとしてのガラス転移温度と、各単量体成分の
使用量から計算して求めることもできるし、また可塑剤
等が含まれないエマルション組成物の重合体固形分を分
離し、示唆熱分析(DTAやDSC)等により算出する
こともできる。本発明における、ガラス転移温度が−2
0〜10℃であるエマルションとは、具体的には、エマ
ルション形成用各単量体成分から、Foxの式に従って
算出したエマルションに含まれる重合体成分の計算上の
ガラス転移温度が−20〜10℃であるエマルションで
ある。Foxの式とは以下に示す式である。 Foxの式:1/(Tg+273)=Σ〔Wi/Tgi
+273)〕 Tg(℃):ガラス転移点 Wi:各モノマー成分の重量分率 Tgi:各モノマー成分の単独重合体のガラス転移点
ン組成物がハロゲン化合物を実質的に含有しない形態と
することが、すなわち、ハロゲン化合物を意図的に含有
しないようにすることが好ましい。このような形態のエ
マルション組成物では、例えば、ハロゲン化合物の含有
量を1000ppm以下とすることが好ましい。より好
ましくは、800ppm以下であり、更に好ましくは、
600ppm以下であり、特に好ましくは、400pp
m以下であり、最も好ましくは、200ppm以下であ
る。
に限定されず、1種又は2種以上を用いることができる
が、例えば、難燃剤としても作用することから、リン系
可塑剤等が好適である。また、リン系可塑剤としては、
リン酸エステル類や有機フォスフィン類等の非ハロゲン
リン系可塑剤が好適であり、このような化合物を用いる
ことによりハロゲン化合物を配合しなくても酸−エポキ
シ架橋エマルション組成物に難燃性を付与することが可
能となる。本発明では、可塑剤としてリン系可塑剤を用
いる場合、酸−エポキシ架橋エマルション組成物が水酸
基を有することが好ましい。これにより、リン系可塑剤
と水酸基とが存在することによる相乗作用によって優れ
た難燃性を付与することができる。このような形態は、
本発明の好ましい実施形態の1つである。なお、酸−エ
ポキシ架橋エマルション組成物が水酸基を有するために
は、水酸基を有する重合体や水酸基を有する化合物を含
有すればよい。
例えば、トリアリールフォスフェート、トリクレンジル
フォスフェート、トリキシレニルフォスフェート、トリ
エチルフォスフェート、キシレニルジフェニルフォスフ
ェート、クレンジルビス(ジ−2,6−キシレニル)フ
ォスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルフォスフ
ェート、ジメチルメチルフォスフェート等の非ハロゲン
リン酸エステル単量体;レゾルシノールビス(ジフェニ
ル)フォスフェート、ビスフェノールAビス(ジフェニ
ル)フォスフェート、ビスフェノールAビス(ジクレジ
ル)フォスフェート、レゾルシノールビス(ジ−2,6
−キシレニル)フォスフェート等の非ハロゲンリン酸エ
ステル縮合体;ジエチル−N,N−ビス(2−ヒドロキ
シエチル)アミノメチルフォスフェート等のフォスフォ
ネード;トリフェニルフォスフィン、トリブチルフォス
フィン等の有機フォスフィン類等が挙げられる。これら
の中でも、トリアリールフォスフェートを用いることが
好ましい。
成物中の沸点300℃以上の可塑剤の存在量としては特
に限定されず、エマルション組成物の硬化塗膜物性が後
述する範囲となるように可塑剤の種類等に応じて適宜設
定すればよい。例えば、リン系可塑剤を用いる場合であ
れば、エマルションを形成することになる単量体成分及
びリン系可塑剤の合計重量100重量%に対して、3〜
30重量%とすることが好ましい。より好ましくは、5
〜20重量%であり、更に好ましくは、5〜10重量%
である。
有する単量体及びエポキシ基を有する単量体から形成さ
れるエマルションである。つまり、エマルション形成時
に酸基とエポキシ基が反応して架橋するような重合形態
をとるエマルションであれば特に限定されない。例え
ば、カルボキシル基を有する重合性単量体、及びグリシ
ジル基を有する不飽和単量体を必須とする単量体成分
を、界面活性剤の存在下で乳化重合する方法等により製
造することができる。本発明の酸−エポキシ架橋エマル
ション組成物は、より具体的には上述の重合形態をとる
ことによって得られたエマルション粒子が有する酸基と
エポキシ基とが、重合中に部分的に架橋反応を起こし、
結果として架橋構造をもつエマルション粒子を含んでい
る形態になる。また、エマルションを形成することにな
る単量体成分中の単量体の種類や使用量等は、使用する
可塑剤の種類等やエマルション組成物の硬化塗膜物性等
を考慮して適宜設定することになる。例えば、リン系可
塑剤を用いる場合では、単量体成分及び可塑剤の合計1
00重量%に対して、カルボキシル基を有する重合性単
量体を0.3〜3.0重量%及びグリシジル基を有する
不飽和単量体を0.5〜5.0重量%とすることが好ま
しい。より好ましくは、カルボキシル基を有する重合性
単量体を0.5〜2.0重量%及びグリシジル基を有す
る不飽和単量体を0.7〜3.0重量%とすることであ
る。また、カルボキシル基とグリシジル基との存在割合
を、グリシジル基1モルに対して、カルボキシル基のモ
ル比率が0.5〜1.5モルとなるようにすることが好
ましい。より好ましくは、カルボキシル基のモル比率が
0.7〜1.2モルとなるようにすることである。
マルションの好ましい製造形態としては、上記のうち、
カルボキシル基を有する重合性単量体及びグリシジル基
を有する重合性単量体を必須とする単量体成分を使用し
て乳化重合して得る方法である。この製造方法を採用す
ることによって、乳化重合中に、酸基とエポキシ基の間
で架橋反応が一部進行し、エマルションが形成されると
共にそのエマルションがもつ酸基とエポキシ基との間
で、部分架橋構造が形成され、物性が良好な架橋エマル
ションが形成される。その結果より物性を向上させるこ
とができる。具体的には、本発明のエマルションの好ま
しい形態は、酸−エポキシ架橋エマルションであって、
エマルションがもつ酸基とエポキシ基との間で部分架橋
構造を有するエマルションである。
する単量体成分において、カルボキシル基を有する重合
性単量体としては特に限定されず、例えば、(メタ)ア
クリル酸、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、マレイ
ン酸、モノメチルフマレート、モノエチルフマレート、
モノメチルマイエート及びモノエチルマイエート等の不
飽和カルボン酸類又はその誘導体等が挙げられる。グリ
シジル基を有する不飽和単量体としては特に限定され
ず、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート等の不飽
和脂肪族グリシジルエステル、アクリルグリシジルエー
テル等が挙げられ、不飽和脂肪族グリシジルエステルを
用いることが好ましい。これらの単量体は、それぞれ単
独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
その他の重合性単量体としては特に限定されず、1種又
は2種以上を用いることができ、例えば、ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート等の水酸基を有する重合性単量体;メ
チル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレー
ト、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル
(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリ
レート等の(メタ)アクリル酸エステル類;スチレン等
の芳香族不飽和単量体;ジビニルベンゼン、エチレング
リコールジ(メタ)アクリレート等の多官能性不飽和単
量体類が挙げられる。これらの中でも、可塑剤としてリ
ン系可塑剤を用いる場合には、上述したようにエマルシ
ョン組成物の難燃性をより向上することができることか
ら、水酸基を有する重合性単量体を用いることが好まし
い。本発明のエマルション組成物において、アクリルア
ミド系モノマーの使用量は、特に限定されないが、ノン
ホルマリン形態と硬化塗膜物性の両立を考慮した場合、
使用する単量体成分を100%として、アクリルアミド
系モノマーの使用量は0〜15%の範囲、より好ましく
は、0〜10%、更に好ましくは0〜5%の範囲、更に
好ましくは、0〜3%の範囲である。
造する際には、例えば、先ず、水、界面活性剤及び単量
体成分等を含むプレエマルション(単量体乳化物)を調
製し、次いで、プレエマルションを重合槽中に滴下して
ミセルを形成させ、重合開始剤を作用させることにより
乳化重合を行う方法が好適である。この方法では、プレ
エマルションを滴下する重合槽には、水を仕込んでおく
ことが好ましいが、必要により水に加えて界面活性剤や
単量体成分等を仕込んでおいてもよい。重合条件は適宜
設定すればよく、特に限定されるものではないが、例え
ば、重合温度は、40〜100℃とすることが好まし
い。より好ましくは、50〜80℃である。また、本発
明のエマルションの好ましい製造形態であるが、必要な
単量体成分をプレエマルションとして1段重合で製造し
てもかまわないし、任意の単量体成分を後段で滴下する
多段重合を採用してもかまわない。多段重合の場合、例
えば、第1段目に、酸基を有する単量体成分を必須に含
む単量体成分から形成されるプレエマルションを滴下
し、第2段目に、エポキシ基を有する単量体を含む単量
体成分から形成されるプレエマルションを滴下してもよ
い。また、必要に応じて、多官能性不飽和単量体つまり
架橋性単量体を、第1段目に使用してもよいし、第2段
目以降の重合工程で使用してもかまわない。
としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム等のアニオ
ン性活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル等の
ノニオン性活性剤や;エチレン系不飽和界面活性剤等の
反応性界面活性剤が挙げられ、1種又は2種以上を用い
ることができる。これらの中でも、アニオン性活性剤を
用いることが好ましい。また、重合開始剤としては、例
えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過酸化水
素、ブチルハイドロパーオキサイド等の公知の水溶性又
は油溶性開始剤が挙げられ、1種又は2種以上を用いる
ことができる。更に、乳化重合を促進させるため、還元
剤として、亜硫酸水素ナトリウム、L−アスコルビン酸
等を用いてレドックス系開始剤として併用することがで
きる。
成物において、沸点が300℃以上の可塑剤を含有させ
る方法としては、例えば、エマルションと共に配合して
もよいが、単量体成分を重合する際に可塑剤の存在下で
重合して可塑剤が含有された形態となった酸−エポキシ
架橋エマルションを製造し、この酸−エポキシ架橋エマ
ルションをエマルション組成物に配合することにより、
可塑剤を含有させることが好ましい。すなわち本発明に
おいて用いるエマルションは、沸点が300℃以上の可
塑剤の存在下で乳化重合してなることが好ましい。ま
た、本発明では、可塑剤としてリン系可塑剤を用いるこ
とが好適であることから、上記エマルションが、リン系
可塑剤の存在下で乳化重合してなることが本発明の酸−
エポキシ架橋エマルション組成物のより好ましい実施形
態となる。この場合、エマルションを製造する際のプレ
エマルションにリン系可塑剤を含有させることが更に好
ましい。これらの好ましい形態により、可塑剤がエマル
ション中に均一に含有されてエマルション組成物中に均
一に分散されることになり、可塑剤に起因するベタツキ
を解消して本発明の作用効果を充分に発揮することが可
能となる。また、可塑剤としてリン系可塑剤を用いる場
合には、難燃性のムラも解消することができる。なお、
可塑剤をプレエマルション等に含有させるには、水溶液
の形態として添加することが好ましい。
成物には、必要に応じて種々の添加剤を含有させること
ができる。このような添加剤としては、例えば、難燃
剤、消泡剤、沈降防止剤、増粘剤、凍結防止剤、低級ア
ルコール、顔料、染料、充填剤、湿潤剤、風合調節剤、
架橋剤、帯電防止剤、撥水剤、pH調整剤等が挙げられ
る。
成物の硬化塗膜物性は、上記エマルションが硬化した後
に、伸びが1000〜1500%であり、強度が2.0
×10 5 〜4.9×105 N/m2 であり、100%モ
ジュラスが0.98×104 〜2.0×104 N/m2
となる。このように酸−エポキシ架橋エマルション組成
物の硬化塗膜物性を調整することにより、強度と共に風
合いも発現させることができ、エマルション組成物を繊
維処理剤等の様々な用途に適切に使用することが可能と
なる。このような硬化塗膜物性の好ましい形態として
は、伸びが1000〜1400%、強度が2.0×10
5 〜4.5×105 N/m2 、100%モジュラスが
1.2×104 〜1.8×104 N/m2 である。より
好ましくは、伸びが1000〜1300%、強度が2.
0×105 〜4.0×105 N/m2 、100%モジュ
ラスが1.5×104 〜1.7×104 N/m2 であ
る。
の硬化塗膜物性は、上記エマルションが硬化した後の物
性であるが、エマルションの硬化を下記の条件で行うこ
とにより酸−エポキシ架橋エマルション組成物の硬化塗
膜物性を特定することになる。すなわち上記酸−エポキ
シ架橋エマルション組成物の硬化塗膜物性は、酸−エポ
キシ架橋エマルション組成物を用いて下記の条件で作製
した塗膜が示す物性を意味するものであり、硬化塗膜の
伸び、強度及び100%モジュラスの値は、下記の方法
で引っ張り試験を行うことにより測定される値である。
上3mmの厚みでフィルムを作製する。このフィルム
を、23℃×65%RH中の標準状態で7日間乾燥した
ものを試験片として物性評価を行う。
%RHにて引っ張り試験機を用いて下記の条件で試験を
行う。 チャック間距離:50mm 引っ張りスピード:50mm/min 試験片の形状:ダンベル2号
10℃であるエマルションと沸点300℃以上の可塑剤
とを含有する酸−エポキシ架橋エマルション組成物であ
って、上記酸−エポキシ架橋エマルション組成物の硬化
塗膜物性は、上記エマルションが硬化した後の塗膜表面
の、タック値が10〜100g/直径5mmである酸−
エポキシ架橋エマルション組成物でもある。この物性を
達成することで、エマルションが示すガラス転移温度を
特定範囲に設定することで硬化塗膜に強度をもたせ、高
い沸点の可塑剤で軟らかくする場合に、高い沸点の可塑
剤を含有させることに起因する硬化塗膜のベタツキが解
消され、エマルション組成物を繊維処理剤等の様々な用
途により適切に用いることが可能となる。タック値が1
0g/直径5mm未満であると、硬化塗膜物性のバラン
スが充分でなくなり、100g/直径5mmを超える
と、硬化後の塗膜のベタツキが大きくなるため、エマル
ション組成物を繊維処理剤等として使用することが困難
となる。このようなエマルション組成物の好ましい実施
形態としては、上記タック値が15〜90g/直径5m
mである形態である。より好ましくは、20〜80g/
直径5mmである。上記指標は、本発明の酸−エポキシ
架橋エマルション組成物の硬化塗膜が示す、好ましい特
性のひとつである。
おいて、ガラス転移温度が−20〜10℃であるエマル
ションと沸点300℃以上の可塑剤、エマルションの製
造方法やその好ましい形態としては、上述したのと同様
である。例えば、上記可塑剤は、リン系可塑剤であり、
上記エマルションは、上記リン系可塑剤の存在下で乳化
重合してなることが好ましい。また、必要に応じて上述
したような添加剤1種又は2種以上を含有させることが
できる。
の硬化塗膜物性は、上述したように酸−エポキシ架橋エ
マルション組成物を用いて上記の条件で作製した硬化塗
膜が示す物性を意味するものであり、タック値は、下記
の試験方法により測定される値である。タック値の測定方法(エマルションの硬化塗膜表面のネ
バツキ性確認試験方法) 酸−エポキシ架橋エマルション組成物を、縦70mm×
横150mm×厚み3mmの型枠の中に流し込み、45
℃で3日、更に150℃で3分乾燥させたものを試料と
する。得られた試料をプローブタック試験機(商品名、
ニチバン社製)で、試料フィルムの表面ネバツキ性を評
価する。タック値のデータは、直径5mmフィルム表面
のネバツキ強さを重量で表す。
るためには、酸−エポキシ架橋エマルション組成物に界
面活性剤を含有させることが好ましい。この場合、エマ
ルションを製造する際に用いる界面活性剤とは別に含有
させることが好ましく、このような界面活性剤としては
上述したもの等が挙げられるが、アニオン性活性剤を用
いることが好ましく、例えば、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸等が好適である。このような界面活性剤の使用量と
しては、硬化塗膜の耐水性等を考慮して、酸−エポキシ
架橋エマルション組成物100重量%に対して、1〜1
0重量%とすることが好ましい。より好ましくは、2〜
6重量%である。
ン組成物の硬化塗膜物性が、エマルションが硬化した後
に、伸び、強度及び100%モジュラスが上記の範囲内
となり、かつタック値も上記の範囲内となることが特に
好ましい実施形態の1つである。これにより、硬化塗膜
の強度と共に風合いも発現することができ、かつ硬化塗
膜のベタツキが繊維処理剤等としてより適切に使用する
ことができる範囲となり、しかも、ノンホルマリンの用
途も含めて様々な用途に対応することが可能となる。よ
って、本発明のエマルションの好ましい実施形態は、ノ
ンホルマリン用エマルションである。更に具体的には、
実質的にホルマリンを含有しないエマルションである。
成物は、上記の作用効果を有すると共に、ハロゲン化合
物を実質的に含有しないで優れた難燃性を付与すること
ができることから、環境を汚染することなく、難燃性が
要求される様々な分野において用いることができる。こ
のようなエマルション組成物の適用用途や使用方法とし
ては特に限定されず、例えば、カーペット、カーテン等
の繊維処理剤等として、これらの繊維製品に塗工するこ
とにより好適に用いることができる。
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。なお、「部」は、「重量部」を示し、「%」
は、「重量%」を示す。
トを取り付けたセパラブルフラスコに脱イオン水40
9.5部を仕込んだ。その後、窒素ガス気流下で撹拌し
ながら内温を67℃まで昇温した。一方上記滴下ロート
にブチルアクリレート550部、メチルメタクリレート
380部、グリシジルメタクリレート10部、アクリル
酸10部、トリアリールフォスフェート50部、予め2
0%水溶液に調整したハイテノール18E(商品名、第
一工業製薬社製、ポリオキシエチレン硫酸アンモニウ
ム)を150部及び20%水溶液に調整したナロアクテ
ィ200(商品名、三洋化成工業社製、高級アルコール
系アルキレンオキシド付加物)を40部、脱イオン水2
00部からなる単量体乳化物を仕込んだ。次にセパラブ
ルフラスコの内温を67℃に維持しながら上記単量体乳
化物を3時間かけて均一に滴下した。このとき同時に5
%過硫酸カリウム水溶液50部、2%亜硫酸水素ナトリ
ウム水溶液40部を3時間かけて均一に滴下した。滴下
終了後、67℃で1時間熟成後、冷却して25%のアン
モニア水を3.8部添加した。その後、乳化物を冷却後
100メッシュのステンレス金網によりろ過を行い取り
出した。これにより難燃性水性樹脂(水性樹脂エマルシ
ョン)を得た。得られた難燃性水性樹脂の不揮発分は5
5%、pHは7.1、粘度は650mPa・sであっ
た。上記単量体組成物の組成をまとめて表1に示した。
トを取り付けたセパラブルフラスコに脱イオン水40
9.5部を仕込んだ。その後、窒素ガス気流下で撹拌し
ながら内温を67℃まで昇温した。一方上記滴下ロート
にブチルアクリレート510部、メチルメタクリレート
220部、グリシジルメタクリレート10部、ヒドロキ
シメチルメタクリレート200部、アクリル酸10部、
トリアリールフォスフェート50部、予め20%水溶液
に調整したハイテノール18E(商品名、第一工業製薬
社製、ポリオキシエチレン硫酸アンモニウム)を150
部及び20%水溶液に調整したナロアクティ200(商
品名、三洋化成工業社製、高級アルコール系アルキレン
オキシド付加物)を40部、脱イオン水200部からな
る単量体乳化物を仕込んだ。次にセパラブルフラスコの
内温を67℃に維持しながら上記単量体乳化物を3時間
かけて均一に滴下した。このとき同時に5%過硫酸カリ
ウム水溶液50部、2%亜硫酸水素ナトリウム水溶液4
0部を3時間かけて均一に滴下した。滴下終了後、67
℃で1時間熟成後、冷却して25%のアンモニア水を
3.8部添加した。その後、乳化物を冷却後100メッ
シュのステンレス金網によりろ過を行い取り出した。こ
れにより難燃性水性樹脂を得た。得られた難燃性水性樹
脂の不揮発分は55%、pHは7.3、粘度は850m
Pa・sであった。上記単量体組成物の組成をまとめて
表1に示した。
トを取り付けたセパラブルフラスコに脱イオン水40
9.5gを仕込んだ。その後、窒素ガス気流下で撹拌し
ながら内温を67℃まで昇温した。一方上記滴下ロート
にブチルアクリレート590部、メチルメタクリレート
390部、グリシジルメタクリレート10部、アクリル
酸10部、予め20%水溶液に調整したハイテノール1
8E(商品名、第一工業製薬社製、ポリオキシエチレン
硫酸アンモニウム)を150部及び20%水溶液に調整
したナロアクティ200(商品名、三洋化成工業社製、
高級アルコール系アルキレンオキシド付加物)を40
部、脱イオン水200部からなる単量体乳化物を仕込ん
だ。次にセパラブルフラスコの内温を67℃に維持しな
がら上記単量体乳化物を3時間かけて均一に滴下した。
このとき同時に5%過硫酸カリウム水溶液55部、2%
亜硫酸水素ナトリウム水溶液44部を3時間かけて均一
に滴下した。滴下終了後、67℃で1時間熟成後、冷却
して25%のアンモニア水を3.8部添加した。その
後、乳化物を冷却後100メッシュのステンレス金網に
よりろ過を行い取り出した。これにより難燃性水性樹脂
を得た。得られた難燃性水性樹脂の不揮発分は55%、
pHは7.7、粘度は310mPa・sであった。上記
単量体組成物の組成をまとめて表1に示した。
トを取り付けたセパラブルフラスコに脱イオン水40
9.5部を仕込んだ。その後、窒素ガス気流下で撹拌し
ながら内温を67℃まで昇温した。一方上記滴下ロート
にブチルアクリレート550部、メチルメタクリレート
230部、グリシジルメタクリレート10部、ヒドロキ
シメチルメタクリレート200部、アクリル酸10部、
予め20%水溶液に調整したハイテノール18E(商品
名、第一工業製薬社製、ポリオキシエチレン硫酸アンモ
ニウム)を150部及び20%水溶液に調整したナロア
クティ200(商品名、三洋化成工業社製、高級アルコ
ール系アルキレンオキシド付加物)を40部、脱イオン
水200部からなる単量体乳化物を仕込んだ。次にセパ
ラブルフラスコの内温を67℃に維持しながら上記単量
体乳化物を3時間かけて均一に滴下した。このとき同時
に5%過硫酸カリウム水溶液50部、2%亜硫酸水素ナ
トリウム水溶液40部を3時間かけて均一に滴下した。
滴下終了後、67℃で1時間熟成後、冷却して25%の
アンモニア水を3.8部添加した。その後、乳化物を冷
却後100メッシュのステンレス金網によりろ過を行い
取り出した。これにより難燃性水性樹脂を得た。得られ
た難燃性水性樹脂の不揮発分は55%、pHは7.4、
粘度は640mPa・sであった。上記単量体組成物の
組成をまとめて表1に示した。
トを取り付けたセパラブルフラスコに脱イオン水40
9.5gを仕込んだ。その後、窒素ガス気流下で撹拌し
ながら内温を67℃まで昇温した。一方上記滴下ロート
にブチルアクリレート740部、メチルメタクリレート
240部、グリシジルメタクリレート10部、アクリル
酸10部、予め20%水溶液に調整したハイテノール1
8E(商品名、第一工業製薬社製、ポリオキシエチレン
硫酸アンモニウム)を150部及び20%水溶液に調整
したナロアクティ200(商品名、三洋化成工業社製、
高級アルコール系アルキレンオキシド付加物)を40
部、脱イオン水200部からなる単量体乳化物を仕込ん
だ。次にセパラブルフラスコの内温を67℃に維持しな
がら上記単量体乳化物を3時間かけて均一に滴下した。
このとき同時に5%過硫酸カリウム水溶液55部、2%
亜硫酸水素ナトリウム水溶液44部を3時間かけて均一
に滴下した。滴下終了後、67℃で1時間熟成後、冷却
して25%のアンモニア水を3.8部添加した。その
後、乳化物を冷却後100メッシュのステンレス金網に
よりろ過を行い取り出した。これにより難燃性水性樹脂
を得た。得られた難燃性水性樹脂の不揮発分は55%、
pHは7.6、粘度は440mPa・sであった。上記
単量体組成物の組成をまとめて表1に示した。
トを取り付けたセパラブルフラスコに脱イオン水40
9.5部を仕込んだ。その後、窒素ガス気流下で撹拌し
ながら内温を67℃まで昇温した。一方上記滴下ロート
にブチルアクリレート700部、メチルメタクリレート
80部、グリシジルメタクリレート10部、ヒドロキシ
メチルメタクリレート200部、アクリル酸10部、予
め20%水溶液に調整したハイテノール18E(商品
名、第一工業製薬社製、ポリオキシエチレン硫酸アンモ
ニウム)を150部及び20%水溶液に調整したナロア
クティ200(商品名、三洋化成工業社製、高級アルコ
ール系アルキレンオキシド付加物)を40部、脱イオン
水200部からなる単量体乳化物を仕込んだ。次にセパ
ラブルフラスコの内温を67℃に維持しながら上記単量
体乳化物を3時間かけて均一に滴下した。このとき同時
に5%過硫酸カリウム水溶液50部、2%亜硫酸水素ナ
トリウム水溶液40部を3時間かけて均一に滴下した。
滴下終了後、67℃で1時間熟成後、冷却して25%の
アンモニア水を3.8部添加した。その後、乳化物を冷
却後100メッシュのステンレス金網によりろ過を行い
取り出した。これにより難燃性水性樹脂を得た。得られ
た難燃性水性樹脂の不揮発分は55%、pHは7.8、
粘度は940mPa・sであった。上記単量体組成物の
組成をまとめて表1に示した。
トを取り付けたセパラブルフラスコに脱イオン水39
9.5部を仕込んだ。その後、窒素ガス気流下で撹拌し
ながら内温を67℃まで昇温した。一方上記滴下ロート
にブチルアクリレート540部、メチルメタクリレート
240部、グリシジルメタクリレート10部、ヒドロキ
シメチルメタクリレート200部、アクリル酸10部、
予め20%水溶液に調整したハイテノール18E(商品
名、第一工業製薬社製、ポリオキシエチレン硫酸アンモ
ニウム)を150部及び20%水溶液に調整したナロア
クティ200(商品名、三洋化成工業社製、高級アルコ
ール系アルキレンオキシド付加物)を40部、脱イオン
水200部からなる単量体乳化物を仕込んだ。次にセパ
ラブルフラスコの内温を67℃に維持しながら上記単量
体乳化物を3時間かけて均一に滴下した。このとき同時
に5%過硫酸カリウム水溶液50部、2%亜硫酸水素ナ
トリウム水溶液40部を3時間かけて均一に滴下した。
滴下終了後、67℃で1時間熟成後、冷却して25%の
アンモニア水を3.8部添加した。続いて、ブチルセロ
ソルブ(エチレングリコールモノブチルエーテル)50
部と脱イオン水20部を予め混合したものを添加した。
その後、乳化物を冷却後100メッシュのステンレス金
網によりろ過を行い取り出した。これにより難燃性水性
樹脂を得た。得られた難燃性水性樹脂の不揮発分は53
%、pHは7.3、粘度は850mPa・sであった。
上記単量体組成物の組成をまとめて表1に示した。
られたエマルション組成物の硬化塗膜について、下記の
物性評価を行った。その結果は、表1にそれぞれ示すと
おりであった。フィルム引っ張り物性 試験体作製:水性樹脂エマルションを、離型紙上3mm
の厚みでフィルムを作製し、23℃×65%RH中の標
準状態で7日間乾燥後、引っ張り試験機を用いて下記の
条件で試験を行い、伸び、強度、100%モジュラスを
算出した。 (1)チャック間距離:50mm (2)引っ張りスピード:50mm/min (3)試験片の形状:ダンベル2号
の厚みでフィルムを作製し、23℃×65%RH中の標
準状態で7日間以上乾燥したものを試験体とした。 試験方法:JIS A1322 建築用薄物材料の難燃
性試験方法 (1)試験体の形状:30×20cm (2)試験バーナー:メッケルバーナー(高さ160m
m、内径20mm) (3)加熱試験:過熱時間(10秒) (4)評価項目:残炎、残じん、炭化長 (5)評価結果:防炎1級、2級、3級 (6)難燃性の種類を表2に示した。
トを取り付けたセパラブルフラスコに脱イオン水31
8.6部を仕込んだ。その後、窒素ガス気流下で撹拌し
ながら内温を67℃まで昇温した。一方上記滴下ロート
にブチルアクリレート520部、メチルメタクリレート
210部、グリシジルメタクリレート10部、ヒドロキ
シメチルメタクリレート200部、アクリル酸10部、
トリアリールフォスフェート50部、予め20%水溶液
に調整したハイテノール18E(商品名、第一工業製薬
社製、ポリオキシエチレン硫酸アンモニウム)を150
部及び20%水溶液に調整したナロアクティ200(商
品名、三洋化成工業社製、高級アルコール系アルキレン
オキシド付加物)を40部、脱イオン水200部からな
る単量体乳化物を仕込んだ。次にセパラブルフラスコの
内温を67℃に維持しながら上記単量体乳化物を3時間
かけて均一に滴下した。このとき同時に5%過硫酸カリ
ウム水溶液50部、2%亜硫酸水素ナトリウム水溶液4
0部を3時間かけて均一に滴下した。滴下終了後、67
℃で1時間熟成後、冷却して25%のアンモニア水を
3.8部と予め30%水溶液に調整したエマールO(商
品名、花王社製、ラウリル硫酸ナトリウム)を315.
6部添加した。その後、乳化物を冷却後100メッシュ
のステンレス金網によりろ過を行い取り出した。これに
より難燃性水性樹脂(水性樹脂エマルション)を得た。
得られた難燃性水性樹脂の不揮発分は52.7%、pH
は7.0、粘度は900mPa・sであった。上記単量
体組成物の組成をまとめて表3に示した。
トを取り付けたセパラブルフラスコに脱イオン水31
8.6部を仕込んだ。その後、窒素ガス気流下で撹拌し
ながら内温を67℃まで昇温した。一方上記滴下ロート
にブチルアクリレート520部、メチルメタクリレート
210部、グリシジルメタクリレート10部、ヒドロキ
シメチルメタクリレート200部、アクリル酸10部、
トリアリールフォスフェート50部、予め20%水溶液
に調整したハイテノール18E(商品名、第一工業製薬
社製、ポリオキシエチレン硫酸アンモニウム)を150
部及び20%水溶液に調整したナロアクティ200(商
品名、三洋化成工業社製、高級アルコール系アルキレン
オキシド付加物)を40部、脱イオン水200部からな
る単量体乳化物を仕込んだ。次にセパラブルフラスコの
内温を67℃に維持しながら上記単量体乳化物を3時間
かけて均一に滴下した。このとき同時に5%過硫酸カリ
ウム水溶液50部、2%亜硫酸水素ナトリウム水溶液4
0部を3時間かけて均一に滴下した。滴下終了後、67
℃で1時間熟成後、冷却して25%のアンモニア水を
3.8部を添加した。その後、乳化物を冷却後100メ
ッシュのステンレス金網によりろ過を行い取り出した。
これにより難燃性水性樹脂を得た。得られた難燃性水性
樹脂の不揮発分は55.1%、pHは7.1、粘度は7
80mPa・sであった。上記単量体組成物の組成をま
とめて表3に示した。
性樹脂エマルションについて、下記の物性評価を行っ
た。その結果は、表3にそれぞれ示すとおりであった。表面のネバツキ性確認試験方法(タック値) 水性樹脂エマルションを、縦70mm×横150mm×
厚み3mmの型枠の中に流し込み、45℃で3日、更に
150℃で3分乾燥させたものを試料とした。得られた
試料をプローブタック試験機(商品名、ニチバン社製)
で、試料フィルムの表面ネバツキ性を評価した。タック
値のデーターは、直径5mmフィルム表面のネバツキ強
さを重量で表した。単位はg/直径5mmで表した。
ネバツキ感を、指触により評価した。 評価基準 ○:ネバツキほとんど認められない。 △:ネバツキ僅かに認められる。 ×:ネバツキかなり認められる。
Oとは、商品名であり、花王社製のラウリル硫酸ナトリ
ウムである。
組成物は、上述の構成よりなるので、硬化塗膜の強度と
共に風合いも発現することができ、しかも、ノンホルマ
リンの用途も含めて様々な用途に対応することができる
と共に、ハロゲン化合物を実質的に含有しないで優れた
難燃性を付与することができることから、カーペット、
カーテン等の繊維処理剤等として好適に適用することが
できる。
Claims (3)
- 【請求項1】 ガラス転移温度が−20〜10℃である
エマルションと沸点300℃以上の可塑剤とを含有する
酸−エポキシ架橋エマルション組成物であって、該酸−
エポキシ架橋エマルション組成物の硬化塗膜物性は、該
エマルションが硬化した後に、伸びが1000〜150
0%であり、強度が2.0×105 〜4.9×105 N
/m2 であり、100%モジュラスが0.98×104
〜2.0×104 N/m2 となることを特徴とする酸−
エポキシ架橋エマルション組成物。 - 【請求項2】 ガラス転移温度が−20〜10℃である
エマルションと沸点300℃以上の可塑剤とを含有する
酸−エポキシ架橋エマルション組成物であって、該酸−
エポキシ架橋エマルション組成物の硬化塗膜物性は、該
エマルションが硬化した後の塗膜表面の、タック値が1
0〜100g/直径5mmであることを特徴とする酸−
エポキシ架橋エマルション組成物。 - 【請求項3】 前記可塑剤は、リン系可塑剤であり、前
記エマルションは、該リン系可塑剤の存在下で乳化重合
してなることを特徴とする請求項1又は2記載の酸−エ
ポキシ架橋エマルション組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001368218A JP3875088B2 (ja) | 2001-12-03 | 2001-12-03 | 酸−エポキシ架橋エマルション組成物 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007515562A (ja) * | 2003-10-14 | 2007-06-14 | レイヨニア プロダクツ アンド ファイナンシャル サービス カンパニー | シート形態のセルロース液体拡散繊維を製造するための有用な材料 |
JP2007520607A (ja) * | 2004-02-03 | 2007-07-26 | ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト | 吸収性複合材料の製造法 |
EP2093263A1 (en) * | 2008-02-21 | 2009-08-26 | Intumescent Systems Limited | Fire protection & retardant coatings |
JP5715758B2 (ja) * | 2008-02-05 | 2015-05-13 | 電気化学工業株式会社 | 耐熱老化性に優れたアクリルゴム加硫物 |
JP2021038355A (ja) * | 2019-09-05 | 2021-03-11 | Dic株式会社 | 水性樹脂組成物、水性塗料、及び物品 |
-
2001
- 2001-12-03 JP JP2001368218A patent/JP3875088B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|---|---|---|
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EP2093263A1 (en) * | 2008-02-21 | 2009-08-26 | Intumescent Systems Limited | Fire protection & retardant coatings |
JP2021038355A (ja) * | 2019-09-05 | 2021-03-11 | Dic株式会社 | 水性樹脂組成物、水性塗料、及び物品 |
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