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JP2003142708A - 単結晶半導体薄膜の製造方法および薄膜半導体素子の製造方法 - Google Patents

単結晶半導体薄膜の製造方法および薄膜半導体素子の製造方法

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Publication number
JP2003142708A
JP2003142708A JP2001334964A JP2001334964A JP2003142708A JP 2003142708 A JP2003142708 A JP 2003142708A JP 2001334964 A JP2001334964 A JP 2001334964A JP 2001334964 A JP2001334964 A JP 2001334964A JP 2003142708 A JP2003142708 A JP 2003142708A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thin film
crystal semiconductor
single crystal
porous layer
semiconductor thin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001334964A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazushi Yamauchi
一志 山内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
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Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP2001334964A priority Critical patent/JP2003142708A/ja
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な工程で凹凸の表面を有する単結晶半導
体薄膜を形成することができる単結晶半導体薄膜の製造
方法を提供する。 【解決手段】 (100)面方位の単結晶シリコンから
なる単結晶半導体基板に多孔質層を形成し、この多孔質
層を例えば水素雰囲気中で熱処理する。熱処理の温度お
よび時間は、熱処理後の多孔質層の表面がほぼ平坦にな
るよう調整する。例えば1050℃で30分間、また
は、1150℃で7.5分間とする。その後、多孔質層
の上に単結晶半導体薄膜20を成長させると、その表面
に、単結晶半導体基板と同一の(100)面方位を有す
るとともに、表面に現れた結晶晶癖により形成された多
数の微小な凸構造21が形成される。この単結晶半導体
薄膜20に薄膜太陽電池素子10を作製し、微小な凸構
造21を光閉じ込め構造として用いて、変換効率を向上
させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、凹凸の表面を有す
る単結晶半導体薄膜の製造方法、およびこれを用いた高
効率の薄膜太陽電池素子を製造するのに好適な薄膜半導
体素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、単結晶バルクシリコン太陽電池
の高効率化技術として、受光面にミクロなピラミッド構
造を形成したテクスチャ構造がある(「結晶系太陽電池
の高効率化」シャープ技報、第79号・2001年4
月、49頁〜52頁)。テクスチャ構造は、入射光を基
板内に閉じ込めることができ、表面の反射を20%程度
低減できることが知られている。テクスチャ構造を形成
する方法としては、結晶方位による化学的エッチングレ
ートの差を利用する方法が用いられている。例えば薬品
としてヒドラジンを用いる場合の処理条件は、60%の
水溶液、110℃、10分間である。また、1%程度の
水酸化ナトリウム水溶液をほぼ沸騰状態に保ち、約5分
程度エッチング処理を行うことによってもテクスチャ構
造を得ることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年開発が進められて
きた薄膜太陽電池においては、薄膜化と高効率化とが求
められているが、特に厚さが50μm以下のシリコン結
晶は光を完全に吸収していない。そこで、入射した光を
薄膜内部で多重反射させる光閉じ込め構造を形成し、見
かけ上のシリコン膜厚を厚くし、変換効率を高めてい
る。
【0004】薄膜太陽電池の光閉じ込め構造としては、
以下のような例が知られている。例えば、アモルファス
シリコン膜や微結晶シリコン膜においては、下地膜を凹
凸にして入射光を乱反射させるようにした光閉じ込め構
造が採用されている。また、太陽電池の表面を人工的に
ピラミッド構造にしたり、逆ピラミッド構造にしたり、
多孔質層を形成したりして表面の反射を低減させる光閉
じ込め構造もある。
【0005】一方、裏面に光閉じ込め構造を形成するこ
ともできる。すなわち、剥離した太陽電池の裏面を異方
性アルカリエッチングによりエッチングして微小な凹凸
ピットを形成することにより光閉じ込め構造を形成し、
さらに反射膜をコーティングする。この反射膜は、アル
ミニウム等の蒸着またはスパッタリングにより成膜さ
れ、裏面電極としても使用される。反射膜には裏面保持
基板が接着される。さらに、裏面に光閉じ込め構造を有
する反射板を接着する試みもある。
【0006】また、バルクと同様にアルカリ液を用いた
エッチング処理を行ってテクスチャ構造を形成する例も
あるが、薄膜をエッチング処理すると、せっかく成膜し
た薄膜が溶解してしまい、膜厚が薄くなってしまうとい
う問題がある。
【0007】化学的エッチングを用いずに表面を凹凸化
させる方法としては、単結晶または多結晶基板の上に、
この基板とは異なる結晶方位を有する凹凸状の半導体層
を形成する方法が提案されている(特開2001−68
708公報)。すなわち、(111)面方位の多結晶シ
リコン基板上に、この基板の表面の結晶粒界に起因する
微小な凹凸の(110)面方位の斜面を核として、(1
10)面方位の凹凸状の半導体層を形成する。または、
(111)面方位の単結晶シリコン基板をアルゴン(A
r),キセノン(Xe)等の希ガスプラズマに晒すこと
により(110)面方位の微小な凹凸を形成し、この凹
凸を核として凹凸状の半導体層を形成する。
【0008】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、簡単な工程で凹凸の表面を有する単
結晶半導体薄膜を形成することができる単結晶半導体薄
膜の製造方法およびこれを用いた高効率の薄膜太陽電池
素子を製造するのに好適な薄膜半導体素子の製造方法を
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明による単結晶半導
体薄膜の製造方法は、単結晶半導体基板に多孔質層を形
成する工程と、多孔質層を、所定の温度で所定の時間、
熱処理する工程と、熱処理された多孔質層の上に、単結
晶半導体基板の結晶面方位と同一の結晶面方位を有する
とともに、表面に現れた結晶晶癖により形成された多数
の微小な凸構造を有する単結晶半導体薄膜を成長させる
工程とを含むものである。このような微小な凸構造は、
多孔質層を熱処理する工程において、熱処理後の多孔質
層の表面がほぼ平坦な状態となるように熱処理の温度と
時間とを適切に調整することにより形成することができ
る。具体的には、多孔質層を熱処理する工程を、105
0℃の水素雰囲気中で30分間、または、1150℃の
水素雰囲気中で7.5分間行うことが好ましい。なお、
本明細書において「結晶晶癖」とは、表面には晶癖が出
ているが、内部は連続した単結晶であって、晶癖が重な
った下の連続膜中に結晶粒界(グレインバウンダリー)
がない状態をいう。
【0010】本発明による薄膜半導体素子の製造方法
は、単結晶半導体基板に多孔質層を形成する工程と、多
孔質層を、所定の温度で所定の時間、熱処理する工程
と、熱処理された多孔質層の上に、単結晶半導体基板の
結晶面方位と同一の結晶面方位を有するとともに、表面
に現れた結晶晶癖により形成された多数の微小な凸構造
を有する単結晶半導体薄膜を形成する工程と、単結晶半
導体薄膜に薄膜半導体素子を形成する工程と、薄膜半導
体素子を多孔質層を用いて単結晶半導体基板から剥離す
る工程とを含むものである。
【0011】本発明による単結晶半導体薄膜の製造方法
または薄膜半導体素子の製造方法では、単結晶半導体基
板に多孔質層を形成し、この多孔質層を、所定の温度で
所定の時間、熱処理する。次いで、熱処理された多孔質
層の上に、単結晶半導体薄膜を成長させる。こうして形
成された単結晶半導体薄膜は、単結晶半導体基板の結晶
面方位と同一の結晶面方位を有するとともに、表面に現
れた結晶晶癖により形成された多数の微小な凸構造を有
する。この単結晶半導体薄膜に薄膜半導体素子、例え
ば、微小な凸構造が形成された側の表面を光入射面とし
て用いる太陽電池素子を形成し、多数の微小な凸構造を
光閉じ込め構造として用いることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0013】図1は本発明の一実施の形態に係る薄膜半
導体素子の構成の一例を表すものである。図1に示した
薄膜半導体素子は、具体的には、薄膜単結晶シリコン太
陽電池素子である。この薄膜太陽電池素子10は、厚さ
が例えば10μm程度の単結晶シリコンからなり、結晶
面方位が(100)である単結晶半導体薄膜20に形成
されている。単結晶半導体薄膜20の一方の表面には、
多数の微小な凸構造21が形成されている。
【0014】これらの微小な凸構造21は、単結晶半導
体薄膜20のエピタキシャル成長時に単結晶半導体薄膜
20の表面に現れたシリコンの結晶晶癖により形成され
たもので、図1における寸法Dが例えば0.2〜6μm
程度の凸形状を有している。微小な凸構造21は、薄膜
太陽電池素子10において、入射光を単結晶半導体薄膜
20内で多重反射させるための光閉じ込め構造として機
能する。微小な凸構造21の形成については、後述の製
造方法において詳細に説明する。
【0015】単結晶半導体薄膜20の内部には、例え
ば、ホウ素(B)などのp型不純物を1×1015〜1×
1018atoms /cm3 含むp型層20Aが形成されてい
る。p型層20Aの一方の表面には、例えば、厚さが
0.05〜1μm程度であり、リン(P)などのn型不
純物を高濃度(1×1019atoms /cm3 程度)に含む
n型層20Bが設けられており、これによりpn接合が
形成されている。p型層20Aの他方の表面には、例え
ば、ホウ素などのp型不純物を1×1019atoms /cm
3 含むp+ 型層20Cが形成されている。p+ 型層20
Cは、光によりp型層20Aで発生した電子を反射し、
+ 型層20Cでの電子と正孔との再結合を減少させて
変換効率を向上させるためのものである。
【0016】単結晶半導体薄膜20のn型層20Bの側
には反射防止膜11が設けられている。反射防止膜11
は、例えば、厚さ60nm程度の酸化チタン(Ti
2 )により構成されており、単結晶半導体薄膜20の
表面(特にn型層20Bの表面)において光が反射され
ることを防止するようになっている。反射防止膜11に
は、n型層20Bに対応して開口が形成されている。n
型層20Bには、この開口を介して例えば銀(Ag)よ
りなる表面電極(陰極)12が電気的に接続されてい
る。反射防止膜11および表面電極12は、接着剤14
Aにより貼付されたプラスチックフィルム14により保
護されている。この接着剤14Aとしては、エチレンビ
ニルアセテート(EVA)、紫外線硬化樹脂あるいはフ
ロロプラスチック(THV)などが用いられている。
【0017】また、単結晶半導体薄膜20のp+ 型層2
0Cの表面には、例えばアルミニウムからなる裏面電極
(陽極)13が形成されている。裏面電極13は、裏打
ち反射板としての機能も有しており、単結晶半導体薄膜
20の表面の微小な凸構造21における入射光の多重反
射による光閉じ込め効果と相俟って変換効率を向上させ
る。裏面電極13には、例えば炭素(C)を含む導電性
接着剤13Aを介して、銅箔13Bが接着されている。
この銅箔13Bは、他の膜との接着が困難なアルミニウ
ム膜からなる裏面電極13に対して、図示しない引出し
電極を電気的に接続しやすくするためのものである。
【0018】この集積型太陽電池では、光が照射される
と、光が反射防止膜11を透過して太陽電池素子10に
入り、吸収される。また、太陽電池素子10を透過した
光の一部は、裏面電極13により反射され、再び太陽電
池素子10に入り、吸収される。光が吸収されたn型層
20Bおよびp型層20Aでは、電子−正孔対が発生す
る。p+ 型層20Cおよびp型層20Aにおいて発生し
た電子は電界に引かれてn型層20Bに入り、n型層2
0Bにおいて発生した正孔は電界に引かれてp型層20
Aに入る。これにより、入射光量に比例する電流が発生
し、図示しない引出電極から取り出される。
【0019】次に、図2ないし図4および先に説明した
図1を参照して、この薄膜太陽電池素子10の製造方法
について説明する。なお、以下の説明は、本実施の形態
に係る単結晶半導体薄膜20の製造方法の説明を含んで
いる。
【0020】まず、図2(A)に示したように、例えば
(100)結晶面を有する単結晶シリコンよりなる単結
晶半導体基板31を使用する。陽極化成のため、この単
結晶半導体基板31としては、例えばホウ素などのp型
不純物が1019atms/cm3程度添加され、例えば0.
01Ω・cm程度の比抵抗を有するものが好ましい。
【0021】この単結晶半導体基板31の表面に、図2
(B)に示したように、陽極化成法によって、多孔質層
32を形成する。陽極化成法は、例えば伊東等による
「表面技術Vol.46.No.5.p8〜13,1995 [多孔質シリコン
の陽極化成] 」に示された2重セル法により行うことが
できる。すなわち、2つの電解溶液槽の間に多孔質層3
2を形成すべき単結晶半導体基板31を設置し、両方の
電解溶液槽には直流電源と接続された白金(Pt)電極
を設置する。そして、両電解溶液槽に電解溶液を入れ、
両白金電極間に直流電圧を印加する。これにより単結晶
半導体基板31の一方の面が浸食されて多孔質化する。
【0022】具体的には、例えば、電解溶液(陽極化成
溶液)として例えばHF(フッ化水素):C2 5 OH
(エタノール)=1:1の電解溶液を用い、例えば1m
A/cm2 程度の小電流密度で8分間、第1段階の陽極
化成を行い、例えば厚さが1.7μm程度で多孔率が小
さい(例えば16%程度)低多孔率多孔質層32Aを形
成する。続いて、例えば7mA/cm2 の中電流密度で
8分間、第2段階の陽極化成を行い、例えば厚さが6.
3μm程度で多孔率が中程度(例えば26%程度)の中
多孔率多孔質層32Bを形成する。更に、例えば200
mA/cm2 の大電流密度で数秒間、第3段階の陽極化
成を行うことにより例えば厚さが0.05μm程度で多
孔率が大きな(例えば60%〜70%程度)高多孔率多
孔質層32Cを形成する。これにより、約8μmの厚さ
で多孔率の異なる3層の多孔質層32A〜32Cからな
る多孔質層32が形成される。
【0023】多孔質層32の熱処理は、熱処理後の多孔
質層32の表面の穴が塞がれるとともに、多孔質層32
の表面がほぼ平坦な状態となるように行うことが好まし
い。より具体的には、例えば1050℃の水素雰囲気中
で30分間、または、1150℃の水素雰囲気中で7.
5分間行うことが好ましい。ここで、上述の熱処理を行
っている間に、多孔質層32の多孔率が大きかった部
分、すなわち図2(B)における高多孔率多孔質層32
Cがさらに高多孔化し、引張り強度が最も弱い層すなわ
ち分離層33となる。ただし、この分離層33は、単結
晶半導体薄膜20が単結晶半導体基板31から離れない
程度の引張り強度は有している。
【0024】所定の温度で、所定の時間、例えば水素雰
囲気中で熱処理を行い、多孔質層32の表面に存在する
穴を塞いだ後、例えばシラン(SiH4 )ガスを用いて
900℃の温度条件で多孔質層32の上に単結晶シリコ
ンをエピタキシャル成長させ、膜厚10μm程度の単結
晶半導体薄膜20を形成する。より詳細には、多孔質層
32の上の単結晶シリコンに例えば1019atms/cm3
程度のホウ素を添加してp+ 型層20Cとし、このp+
型層20C上に再びホウ素を添加し(ただし、添加量は
減らす)、単結晶シリコンをエピタキシャル成長させて
p型層20Aとする。これにより、多孔質層32の上に
成長する単結晶半導体薄膜20の表面に、シリコンの結
晶晶癖が多数現れ、図3(A)に示すように、多数の微
小な凸構造21が形成される。単結晶半導体薄膜20お
よびその表面の微小な凸構造21は、単結晶半導体基板
31と同一の(100)面方位を有している。
【0025】続いて、図3(B)に示したように、p型
層20A内にリンなどのn型不純物を拡散により添加
し、n型層20Bを形成する。このn型層20B上に、
例えば酸化チタンからなる反射防止膜11を形成する。
さらに、反射防止膜11に開口部11Aを形成して、こ
の開口部11Aに選択的に例えば銀により構成された表
面電極12を形成する。
【0026】表面電極12を形成した後、図4に示した
ように、プラスチックフィルム14を接着剤14Aによ
り接着し、多孔質層32の分離層33を破壊して、単結
晶半導体薄膜20から単結晶半導体基板31を剥離す
る。剥離の際には、例えば、プラスチックフィルム14
と単結晶半導体基板31との間に引張り応力を加える方
法、水あるいはエタノールなどの溶液中に単結晶半導体
基板31を浸し、超音波を照射して分離層33の強度を
弱めて剥離する方法、遠心力を加え分離層33の強度を
弱めて剥離する方法を用いる。また、これらの方法のう
ちの複数を併せて用いてもよい。
【0027】続いて、単結晶半導体薄膜20のp+ 層2
0Cの側についている多孔質層32Dをエッチングまた
は研磨等により除去した後に、図1に示したように、単
結晶半導体薄膜20のp+ 層20Cの表面に例えばスパ
ッタ法により、例えばアルミニウムよりなる裏面電極1
3を形成する。さらに、この裏面電極13に、導電性接
着剤13Aを用いて銅箔13Bを接着する。こうして、
図1に示した薄膜太陽電池素子10が完成する。この薄
膜太陽電池素子10においては、単結晶半導体薄膜20
の微小な凸構造21が形成された側の表面を光入射面と
し、微小な凸構造21を光閉じ込め構造として用いるこ
とができる。
【0028】以上説明したように、本実施の形態によれ
ば、単結晶半導体基板31に多孔質層32を形成し、こ
の多孔質層32を所定の温度で所定の時間熱処理し、熱
処理された多孔質層32の上に、半導体基板31と同一
の(100)面方位を有するとともに、表面に多数の微
小な凸構造21が形成された単結晶半導体薄膜20を形
成するようにしたので、エッチング等の化学的処理を行
わずに凸構造21を形成することができる。凸構造21
の形成は多孔質層32の熱処理工程の条件設定のみによ
って可能であり、従来のように平滑な薄膜表面に対して
人工的にピラミッド構造ないし逆ピラミッド構造を形成
したり、あるいは多孔質化したりする必要はない。した
がって、極めて簡単な工程によって、凹凸の表面を有す
る単結晶半導体薄膜20を成長させることができる。こ
の単結晶半導体薄膜20に形成された薄膜太陽電池素子
10においては、これらの微小な凸構造21を光閉じ込
め構造として用い、変換効率を向上させることができ
る。
【0029】特に、多孔質層32の熱処理を、熱処理後
の多孔質層32の表面がほぼ平坦な状態となるように、
具体的には、例えば1050℃の水素雰囲気中で30分
間、または、1150℃の水素雰囲気中で7.5分間行
うようにしている。この多孔質層32の上に単結晶半導
体薄膜20を成長させると、その表面にシリコンの結晶
晶癖が多数現れ、単結晶半導体基板31と同一の(10
0)面方位を有する多数の微小な凸構造21を形成する
ことができる。
【0030】
【実施例】更に、本発明の具体的な実施例について図1
を参照して詳細に説明する。
【0031】(実施例1〜4)まず、比抵抗が0.01
Ωcmで、p型単結晶シリコンからなる(100)面方
位の単結晶半導体基板31を使用し、この単結晶半導体
基板31の一方の表面に、上記実施の形態と同様にして
多孔質層32を形成した。
【0032】
【表1】
【0033】次いで、多孔質層32を表1に示した条件
でそれぞれ熱処理し、さらに、熱処理された多孔質層3
2の上に、p型単結晶シリコンを表1に示した条件でそ
れぞれエピタキシャル成長させることにより、実施例1
〜4についてそれぞれ厚さ10μm程度の薄膜を得た。
【0034】得られた実施例1〜4の薄膜について、そ
の表面の状態を調べた。得られた結果を表1に示す。
【0035】本実施例に対する比較例1〜4として、多
孔質層32の熱処理条件のみを表1に示したように変化
させたことを除き、他は本実施例と同様にしてそれぞれ
p型単結晶シリコンをエピタキシャル成長させ、得られ
た単結晶半導体薄膜の表面の状態を調べた。得られた結
果を表1に示す。
【0036】実施例1〜4において成長した薄膜の断面
には、結晶粒界(グレインバウンダリー)は認められ
ず、薄膜は多結晶ではなく単結晶であることが確かめら
れた。これらの単結晶半導体薄膜の表面には、表1に示
したように、寸法数μm程度の微小な凸構造が多数形成
されているのが認められ、その面方位はいずれも半導体
基板31と同一の(100)方向であった。さらに、凸
構造の寸法は、多孔質層の熱処理温度を1050℃で行
った実施例1および4よりも、1150℃で行った実施
例2および3の方が大きくなっていた。これに対して、
比較例1〜4では、いずれも単結晶半導体薄膜の表面は
平滑で、凸構造は認められなかった。
【0037】また、比較例1および4から分かるよう
に、多孔質層の熱処理を900℃で行うと、単結晶半導
体薄膜のエピタキシャル成長条件に関わらず、単結晶半
導体薄膜の表面は平滑となった。さらに、熱処理の時間
を7.5分間としたまま、熱処理の温度を1050℃に
上げた比較例2および3においても、単結晶半導体薄膜
の表面はやはり平滑であったが、1150℃まで上昇さ
せた実施例2および3では単結晶半導体薄膜の表面に凸
構造が認められた。すなわち、凸構造を形成するために
は、多孔質層の熱処理の際にある程度の高温が必要であ
ることが分かった。
【0038】実施例1および比較例2について、多孔質
層の熱処理の温度は1050℃とやや低めであっても、
熱処理時間を7.5分間とした比較例2では単結晶半導
体薄膜の表面が平滑になったのに対して、30分間とし
た実施例1では凸構造が出現した。したがって、凸構造
が形成されるか否かには多孔質層の熱処理工程における
温度と時間とが関係することが分かった。このことは、
単結晶半導体薄膜のエピタキシャル成長を1050℃で
シランガスおよびジボランがスにより行った実施例4お
よび比較例3でも同様に当てはまった。
【0039】実施例1〜4および比較例1〜4につい
て、得られた単結晶半導体薄膜を用いて上記実施の形態
と同様にして薄膜太陽電池素子を作製した。変換効率を
調べたところ、実施例1〜4の薄膜太陽電池素子は、比
較例1〜4の薄膜太陽電池素子に比べて2〜3%程度変
換効率が向上していた。すなわち、凸構造21による表
面での光の反射の低減と光閉じ込め構造により裏面電極
13の裏打ちによる反射の効果とにより、薄膜太陽電池
素子の変換効率が高まることが分かった。
【0040】以上、実施の形態を挙げて本発明を説明し
たが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではな
く、種々変形可能である。例えば、上記実施の形態にお
いて説明した各層の材料および厚み、または成膜方法お
よび成膜条件などは限定されるものではなく、他の材料
および厚みとしてもよく、または他の成膜方法および成
膜条件としてもよい。例えば、多孔質層の熱処理工程
は、上記実施の形態では水素雰囲気中で行うものとした
が、水素の他に酸素または窒素を含む雰囲気で行っても
よく、または、真空中で行ってもよい。
【0041】また、単結晶半導体基板31の面方位は、
上記実施の形態においては(100)としたが、(11
0)面方位のものを用いてもよい。この場合には、単結
晶半導体薄膜20およびその表面に形成される凸構造2
1の面方位は、基板と同じ(110)方向となる。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように請求項1ないし請求
項6のいずれか1項に記載の単結晶半導体薄膜の製造方
法または請求項7ないし請求項13のいずれか1項に記
載の薄膜半導体素子の製造方法によれば、単結晶半導体
基板に多孔質層を形成し、この多孔質層を所定の温度で
所定の時間熱処理し、熱処理された多孔質層の上に、単
結晶半導体基板と同一の結晶面方位を有するとともに、
表面に多数の微小な凸構造が形成された単結晶半導体薄
膜を形成するようにしたので、エッチング等の化学的処
理を行わずに凸構造を形成することができる。凸構造の
形成は多孔質層の熱処理工程の条件設定のみによって可
能であり、従来のように平滑な薄膜表面に対して人工的
にピラミッド構造ないし逆ピラミッド構造を形成した
り、あるいは多孔質化したりする必要はない。したがっ
て、極めて簡単な工程によって、凹凸の表面を有する単
結晶半導体薄膜を成長させることができる。
【0043】特に、請求項3記載の単結晶半導体薄膜の
製造方法によれば、多孔質層を熱処理する工程を、熱処
理後の多孔質層の表面がほぼ平坦な状態となるように行
い、請求項4記載の単結晶半導体薄膜の製造方法によれ
ば、1050℃の水素雰囲気中で30分間、または、1
150℃の水素雰囲気中で7.5分間行うようにしたの
で、多孔質層の上に単結晶半導体薄膜を成長させると、
その表面に結晶晶癖が多数現れ、単結晶半導体基板と同
一の結晶面方位を有する多数の微小な凸構造を形成する
ことができる。
【0044】また、特に、請求項8記載の薄膜半導体素
子の製造方法によれば、この単結晶半導体薄膜に、薄膜
半導体素子として薄膜太陽電池素子を形成するので、こ
れらの微小な凸構造を光閉じ込め構造として用い、変換
効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る薄膜半導体素子と
しての薄膜太陽電池素子の構成の一例を表す断面図であ
る。
【図2】図1に示した薄膜太陽電池素子の製造方法の一
例を工程毎に説明するための断面図である。
【図3】図2に続く製造工程を表す断面図である。
【図4】図3に続く製造工程を表す断面図である。
【符号の説明】
10…薄膜太陽電池素子、11…反射防止膜、12…表
面電極、13…裏面電極、14…プラスチックフィル
ム、20…単結晶半導体薄膜、20A…p型層、20B
…n型層、20C…p+ 層、21…凸構造、31…単結
晶半導体基板、32…多孔質層、33…分離層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5F043 AA02 BB02 DD14 FF07 5F045 AA01 AB02 AC01 AD13 BB08 BB16 CA13 HA02 HA06 5F051 AA02 AA16 CB15 CB20 CB24 CB29 CB30 DA03 FA06 FA23 GA04 GA14 HA03

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単結晶半導体基板に多孔質層を形成する
    工程と、 前記多孔質層を、所定の温度で所定の時間、熱処理する
    工程と、 熱処理された前記多孔質層の上に、前記単結晶半導体基
    板の結晶面方位と同一の結晶面方位を有するとともに、
    表面に現れた結晶晶癖により形成された多数の微小な凸
    構造を有する単結晶半導体薄膜を成長させる工程とを含
    むことを特徴とする単結晶半導体薄膜の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記多孔質層を熱処理する工程を、水
    素,酸素および窒素からなる群のうちの少なくとも1種
    を含む雰囲気中、または、真空中で行うことを特徴とす
    る請求項1記載の単結晶半導体薄膜の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記多孔質層を熱処理する工程を、熱処
    理後の前記多孔質層の表面がほぼ平坦な状態となるよう
    に行うことを特徴とする請求項1記載の単結晶半導体薄
    膜の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記多孔質層を熱処理する工程を、10
    50℃の水素雰囲気中で30分間、または、1150℃
    の水素雰囲気中で7.5分間行うことを特徴とする請求
    項1記載の単結晶半導体薄膜の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記単結晶半導体を成長させる工程を、
    シランガスを用いて900℃で行う、または、シランガ
    スおよびジボランガスを用いて1050℃で行うことを
    特徴とする請求項1記載の単結晶半導体薄膜の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 前記単結晶半導体基板として(100)
    面方位または(110)面方位を有する単結晶半導体基
    板を用いることを特徴とする請求項1記載の単結晶半導
    体薄膜の製造方法。
  7. 【請求項7】 単結晶半導体基板に多孔質層を形成する
    工程と、 前記多孔質層を、所定の温度で所定の時間、熱処理する
    工程と、 熱処理された前記多孔質層の上に、前記単結晶半導体基
    板の結晶面方位と同一の結晶面方位を有するとともに、
    表面に現れた結晶晶癖により形成された多数の微小な凸
    構造を有する単結晶半導体薄膜を形成する工程と、 前記単結晶半導体薄膜に薄膜半導体素子を形成する工程
    と、 前記薄膜半導体素子を前記多孔質層を用いて前記単結晶
    半導体基板から剥離する工程とを含むことを特徴とする
    薄膜半導体素子の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記薄膜半導体素子として、前記単結晶
    半導体薄膜の前記多数の微小な凸構造が形成された側の
    表面を光入射面として用いる太陽電池素子を形成し、前
    記多数の微小な凸構造を光閉じ込め構造として用いるこ
    とを特徴とする請求項7記載の薄膜半導体素子の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 前記多孔質層を熱処理する工程を、水
    素,酸素および窒素からなる群のうちの少なくとも1種
    を含む雰囲気中、または、真空中で行うことを特徴とす
    る請求項7記載の薄膜半導体素子の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記多孔質層を熱処理する工程を、熱
    処理後の前記多孔質層の表面がほぼ平坦な状態となるよ
    うに行うことを特徴とする請求項7記載の薄膜半導体素
    子の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記多孔質層を熱処理する工程を、1
    050℃の水素雰囲気中で30分間、または、1150
    ℃の水素雰囲気中で7.5分間行うことを特徴とする請
    求項7記載の薄膜半導体素子の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記単結晶半導体薄膜を成長させる工
    程と、シランガスを用いて900℃で行う、または、シ
    ランガスおよびジボランガスを用いて1050℃で行う
    ことを特徴とする請求項7記載の薄膜半導体素子の製造
    方法。
  13. 【請求項13】 前記単結晶半導体基板として(10
    0)面方位または(110)面方位を有する単結晶半導
    体基板を用いることを特徴とする請求項7記載の薄膜半
    導体素子の製造方法。
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