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JP2003037307A - 積層型圧電体素子及びその製造方法、並びに、圧電アクチュエータ - Google Patents

積層型圧電体素子及びその製造方法、並びに、圧電アクチュエータ

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Publication number
JP2003037307A
JP2003037307A JP2001223399A JP2001223399A JP2003037307A JP 2003037307 A JP2003037307 A JP 2003037307A JP 2001223399 A JP2001223399 A JP 2001223399A JP 2001223399 A JP2001223399 A JP 2001223399A JP 2003037307 A JP2003037307 A JP 2003037307A
Authority
JP
Japan
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electrode
piezoelectric
laminated
piezoelectric element
driving
Prior art date
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Application number
JP2001223399A
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English (en)
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JP3852309B2 (ja
Inventor
Hiroshi Nakatani
宏 中谷
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Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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Priority to US10/179,238 priority patent/US6724129B2/en
Priority to GB0216764A priority patent/GB2379794B/en
Publication of JP2003037307A publication Critical patent/JP2003037307A/ja
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Publication of JP3852309B2 publication Critical patent/JP3852309B2/ja
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    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
    • H04R17/00Piezoelectric transducers; Electrostrictive transducers
    • HELECTRICITY
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    • H10N30/01Manufacture or treatment
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    • Y10T29/49124On flat or curved insulated base, e.g., printed circuit, etc.
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】共通外部電極の導通経路部分が狭くても導通抵
抗の増大が発生せず、圧電アクチュエータにおける導通
性の向上を実現することが可能な構成とされた積層型圧
電体素子及びその製造方法、並びに、圧電アクチュエー
タを提供する。 【解決手段】本発明にかかる積層型圧電体素子1は、ス
リット47の下端縁47aよりも下側に位置する圧電積
層体37の下端部内に共通外部電極41と導通する第2
の接続用内部電極3を形成しており、かつ、第2の接続
用内部電極3が第1及び第2の駆動用内部電極32,3
3と離間したうえで平行に配置されている。また、本発
明にかかる積層型圧電体素子21は、駆動用外部電極3
8及び接続用外部電極39が形成される圧電積層体37
の側面37aに対して切り欠き部23を形成しており、
第2の接続用内部電極3の端縁部が露出する切り欠き部
23の側面に対して導通用外部電極24を形成している
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は積層型圧電体素子及
びその製造方法にかかり、特には、独立駆動可能なアク
チュエータユニットを有してなる圧電アクチュエータを
作製するために用いられる積層型圧電体素子と、その製
造方法とに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、インクジェット方式のプリン
タが備えているプリンタヘッドは、圧電アクチュエータ
を利用して駆動されるのが一般的となっている。そし
て、このような圧電アクチュエータの一例としては、特
開平11−320881号公報で開示され、かつ、図1
2で外観形状を示すような構成とされた積層型圧電体素
子31を用いて作製されるものがある。
【0003】この積層型圧電体素子31は、第1及び第
2の駆動用内部電極32,33それぞれが圧電体層を介
して交互に積層された駆動部34と、接続用内部電極3
5の各々が圧電体層を介して積層された接続部36とを
有してなる直方体形状のセラミック焼結体である圧電積
層体37を具備している。なお、圧電積層体37の駆動
部34の圧電体層は分極されており、交流電圧が印加さ
れることによって積層方向X、いわゆるd33方向に沿
って伸び縮み動作することになっている。
【0004】そして、第1の駆動用内部電極32は、積
層型圧電体素子31を一方側から見た状態を示す図12
(a)のように、圧電積層体37の互いに対向しあう側
面37a,37bのうちの一方、つまり、第1の側面3
7aからのみ端縁部が露出しており、その他方である第
2の側面37bからは端縁部が露出しないものとなって
いる。また、第2の駆動用内部電極33は、積層型圧電
体素子31を他方側から見た状態を示す図12(b)の
ように、圧電積層体37の第2の側面37bからは端縁
部が露出しているものの、その第1の側面37aからは
端縁部が露出していないものであり、接続用内部電極3
5は第1及び第2の側面37a,37bいずれからも端
縁部が露出している。
【0005】圧電積層体37の第1の側面37aには駆
動用外部電極38及び接続用外部電極39のそれぞれが
所定幅の空隙部分40を介したうえで並列して形成され
ており、これらの外部電極38,39それぞれに対して
は、第1の駆動用内部電極32と接続用内部電極35と
が各別に導通している。また、圧電積層体37の第2の
側面37bには共通外部電極41がほぼ全面にわたって
形成されており、この共通外部電極41には第2の駆動
用内部電極33及び接続用内部電極35の双方ともが導
通している。
【0006】さらに、この際における共通外部電極41
は第2の側面37bのほぼ全面にわたって形成されたも
のであるのに対し、駆動用外部電極38及び接続用外部
電極39のそれぞれは、第1の側面37aの下端側に所
定幅の空隙部分42を設けたうえ、つまり、圧電積層体
37の下面から空隙部分42を介して離間する状態とし
たうえで形成されている。そこで、積層型圧電体素子3
1の駆動部34は、図13で示すような断面構造を有し
ている。
【0007】ところで、積層型圧電体素子31を用いる
ことによっては、図14で外観形状を示すような構成と
された圧電アクチュエータ45が作製される。すなわ
ち、積層型圧電体素子31は接着剤などを利用したうえ
で支持基板46上に固定されることになっており、支持
基板46上に固定された積層型圧電体素子31が具備す
る圧電積層体37の駆動部34に対しては、その積層方
向Xに沿う上面側から下面側へと向かう複数のスリット
47が切り込み形成される。
【0008】そして、圧電アクチュエータ45を一方側
から見た状態を示す図14(a)のように、スリット4
7が第1及び第2の駆動用内部電極32,33を分断し
ており、かつ、駆動用外部電極38を分断している結
果、圧電積層体37の駆動部34は複数に分割されてお
り、この分割された駆動部34によっては、独立駆動可
能な複数のアクチュエータユニット48が構成されてい
る。
【0009】また、この際においては、駆動用外部電極
38が分断されたことによって複数のユニット外部電極
49が構成されており、これらユニット外部電極49の
各々はアクチュエータユニット48のそれぞれと対応し
ている。なお、圧電アクチュエータ45が有する駆動部
34と接続部36との間をスリット47で分割してもよ
く、図14(b)は圧電アクチュエータ45を他方側か
ら見た状態を示している。
【0010】さらに、アクチュエータユニット48が構
成された圧電アクチュエータ45に対しては、図示省略
しているが、外部に設置された駆動信号源から引き出さ
れたフレキシブル配線基板が接続されることになる。そ
して、ユニット外部電極49のそれぞれと共通外部電極
41、実際的には、接続用内部電極35を介して共通外
部電極41と接続されている接続用外部電極39との間
に異なった極性の電圧を印加すると、アクチュエータユ
ニット48のそれぞれは互いに独立して駆動されること
となる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、積層型圧電
体素子31から圧電アクチュエータ45を作製するに際
しては、圧電積層体37の積層方向Xに沿う上面側から
下面側へと向かう複数のスリット47を駆動部34に対
して切り込み形成することとし、これらのスリット47
でもって第1及び第2の駆動用内部電極32,33を分
断すると同時に、駆動用外部電極38を分断することが
行われる。そして、この場合には、第1及び第2の駆動
用内部電極32,33と駆動用外部電極38とを確実に
分断する必要がある都合上、スリット47を圧電積層体
37の下面近傍まで深く切り込み形成しておくのが一般
的である。
【0012】一方、圧電積層体37の積層方向Xに沿う
上端部及び下端部、つまり、第1及び第2の駆動用内部
電極32,33の上側及び下側それぞれに位置している
上端部及び下端部は圧電的に不活性であるため、積層型
圧電体素子31の小型化を促進するうえからは、これら
上端部及び下端部の有する厚みができる限り薄いことが
望ましい。従って、スリット47を深く切り込み形成し
た際には、圧電積層体37の第2の側面37bに形成さ
れた共通外部電極41における導通経路部分41a、つ
まり、スリット47の下端縁と圧電積層体37の下面と
スリット47の下端縁とで挟まれた領域である導通経路
部分41aが、例えば、0.1〜0.2mm程度と狭く
なってしまう。
【0013】そして、共通外部電極41の導通経路部分
41aが狭い場合には、アクチュエータユニット48同
士間の導通抵抗が増すこととなり、その結果として圧電
アクチュエータ45全体における導通性の低下が避けら
れなくなる。また、共通外部電極41の導通経路部分4
1aが狭くなっていると、駆動信号源からの駆動電流が
導通経路部分41aに集中して流れるため、これらの導
通経路部分41aが断線してしまうというような不都合
も生じる。
【0014】本発明はこのような不都合に鑑みて創案さ
れたものであり、共通外部電極の導通経路部分が狭くて
も導通抵抗の増大が発生せず、圧電アクチュエータにお
ける導通性の向上を実現することが可能な構成とされた
積層型圧電体素子と、その製造方法との提供を目的とし
ている。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1にかか
る積層型圧電体素子は、第1及び第2の駆動用内部電極
が交互に積層して形成された駆動部と、第1の接続用内
部電極が積層して形成された接続部とを有し、対向しあ
う側面の一方には少なくとも前記第1の駆動用内部電極
及び第1の接続用内部電極の各々と導通する駆動用外部
電極及び接続用外部電極が並列して形成され、かつ、そ
の側面の他方には少なくとも前記第2の駆動用内部電極
及び第1の接続用内部電極の双方と導通する共通外部電
極が形成された直方体形状の圧電積層体からなり、該圧
電積層体の積層方向に沿う上面側から下面側へと向かっ
て切り込み形成されるスリットで前記駆動用内部電極及
び駆動用外部電極が分断されるのに伴って独立駆動可能
な複数個のアクチュエータユニットが構成されるものと
なっている。そして、この積層型圧電体素子は、前記ス
リットの下端縁よりも下側に位置する前記圧電積層体の
下端部内には前記共通外部電極と導通する第2の接続用
内部電極が形成されており、かつ、該第2の接続用内部
電極は前記駆動用内部電極と離間したうえで平行に配置
されていることを特徴とする。なお、第2の接続用内部
電極は、少なくとも1層以上形成されていることが好ま
しい。
【0016】この構成においては、圧電積層体の下端部
内に共通外部電極と導通する第2の接続用内部電極を形
成しているが、この第2の接続用内部電極がスリットで
もって分断されることは起こらない。そこで、スリット
の切り込み形成に伴って共通外部電極の導通経路部分が
狭くなったとしても、アクチュエータユニット同士の導
通は第2の接続用内部電極を介したうえで確保される。
そのため、アクチュエータユニット同士間の導通抵抗が
増大する結果として圧電アクチュエータ全体の導通性が
低下することはなくなり、共通外部電極の導通経路部分
が断線することも起こり得ない。
【0017】本発明の請求項2にかかる積層型圧電体素
子は請求項1に記載したものであって、第1及び第2の
駆動用内部電極は同一の平面形状を有する印刷パターン
から形成されたものであり、第2の接続用内部電極も前
記駆動用内部電極と同一の平面形状を有する印刷パター
ンから形成されたものであることを特徴としている。そ
して、請求項3にかかる積層型圧電体素子は請求項1ま
たは請求項2に記載したものであり、第2の接続用内部
電極は第2の駆動用内部電極とほぼ同一の平面形状を有
していることを特徴とする。すなわち、このような構成
であれば、第2の接続用内部電極が十分な断面積を有し
ているため、圧電アクチュエータにおける導通性を十分
かつ確実に確保し得ることとなる。
【0018】本発明の請求項4にかかる積層型圧電体素
子は請求項1〜請求項3のいずれかに記載したものであ
り、駆動用外部電極及び接続用外部電極が形成される圧
電積層体の側面には、該圧電積層体の下面からスリット
の下端縁より上側にまで至りながらも第1及び第2の駆
動用内部電極までは至らない深さとされ、その側面には
第2の接続用内部電極の端縁部が露出する切り欠き部が
前記駆動用内部電極及び第1の接続用内部電極と平行に
形成されており、かつ、該切り欠き部の側面には前記第
2の接続用内部電極と導通する導通用外部電極が形成さ
れていることを特徴とする。
【0019】この構成においては、駆動用外部電極及び
接続用外部電極が形成される圧電積層体の側面における
下端縁に沿って切り欠き部を形成するとともに、この切
り欠き部の側面に対して第2の接続用内部電極と導通す
る導通用外部電極を形成している。そのため、スリット
の切り込み形成に伴って構成されたアクチュエータユニ
ット同士の導通は、第2の接続用内部電極のみならず、
導通用外部電極をも介したうえで確保されることにな
る。
【0020】本発明の請求項5にかかる積層型圧電体素
子の製造方法は請求項4に記載した積層型圧電体素子の
製造方法であり、切り欠き部が形成済みの圧電積層体を
蒸着源またはスパッタリング源に対する傾斜状態として
支持したうえ、駆動用外部電極と接続用外部電極と導通
用外部電極とのそれぞれを一括して形成する工程とを含
んでいることを特徴とする。この方法であれば、圧電積
層体に形成された切り欠き部の側面に対する導通用外部
電極を極めて容易に形成し得ることとなり、この導通用
外部電極を駆動用外部電極及び接続用外部電極と同時的
に形成することが可能となるため、これら外部電極の形
成時に要する手間が増えることがないという利点が確保
される。
【0021】本発明の請求項6にかかる圧電アクチュエ
ータは、請求項1〜請求項4のいずれかに記載した積層
型圧電体素子を用いて作製される圧電体アクチュエータ
であり、 圧電体素子の駆動部はその積層方向に沿う上
面側から下面側へと向かって切り込み形成されたスリッ
トで分割されており、該スリットで前記駆動部内に積層
された第1及び第2の駆動用内部電極が分断されたのに
伴って独立駆動可能な複数個のアクチュエータユニット
が構成されていることを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0023】(第1の実施形態)図1は第1の実施形態
にかかる積層型圧電体素子の外観形状を示す斜視図であ
り、図2はその駆動部の断面構造を示す横断面図であ
る。また、図3は本実施形態にかかる積層型圧電体素子
を用いて作製される圧電アクチュエータの外観形状を示
す斜視図であり、これらの図中の符号1は積層型圧電体
素子、2は圧電アクチュエータ、3は第2の接続用内部
電極を示している。なお、本実施形態にかかる積層型圧
電体素子の全体構造は、第2の接続用内部電極が形成さ
れている点を除くと、従来形態のものと基本的に異なら
ないので、図1〜図3において、図12〜図14と同一
もしくは相当する部品、部分には同一符号を付してい
る。
【0024】第1の実施形態にかかる積層型圧電体素子
1は圧電アクチュエータ2を作製するためのものであ
り、図1で示すように、第1及び第2の駆動用内部電極
32,33が圧電体層を介して交互に積層された駆動部
34と、第1の接続用内部電極35が圧電体層を介して
積層された接続部36とを有する直方体形状のセラミッ
ク焼結体である圧電積層体37を具備している。そし
て、この圧電積層体37が有する駆動部34内に積層さ
れた第1の駆動用内部電極32は、積層型圧電体素子1
を一方側から見た状態を示す図1(a)のように、圧電
積層体37の対向しあう側面37a,37bのうちの一
方、つまり、第1の側面37aのみからは端縁部が露出
しているものの、第2の側面37bからは端縁部が露出
しないものとなっている。
【0025】また、この際における第2の駆動用内部電
極33は、積層型圧電体素子1を他方側から見た状態を
示す図1(b)のように、圧電積層体37の第2の側面
37bのみから端縁部が露出し、第1の側面37aから
は端縁部が露出しないものとなっている。さらに、圧電
積層体37が有する接続部36内に積層された第1の接
続用内部電極35は、圧電積層体37における第1及び
第2の側面37a,37bのいずれからも端縁部が露出
するものとなっている。
【0026】一方、圧電積層体37の駆動部34におけ
る積層方向Xに沿った下端部、つまり、第1及び第2の
駆動用内部電極32,33よりも下側に位置する下端部
内には、第2の接続用内部電極3が形成されている。す
なわち、第2の接続用内部電極3は、圧電アクチュエー
タ2の作製時に切り込み形成されるスリット47の下端
縁47aとなるべき位置よりも下側に位置する圧電積層
体37の下端部内に形成されたものであり、第1及び第
2の駆動用内部電極32,33とは互いに離間したうえ
で平行となるようにして配置されている。
【0027】なお、この際における第2の接続用内部電
極3は、第1及び第2の駆動用内部電極32,33と同
様、数mm程度の幅寸法を有しているのが一般的となっ
ている。また、図1〜図3では、第2の接続用内部電極
3が1層だけ形成されているが、1層だけではなく、第
2の接続用内部電極3を複数層にわたって形成しておい
てもよく、少なくとも1層以上形成しておく方が好まし
いことは勿論である。
【0028】そして、この際における第2の接続用内部
電極3は、第2の駆動用内部電極33とほぼ同一の平面
形状を有しており、圧電積層体37の第2の側面37b
からは端縁部が露出するものの、第1の側面37aから
は端縁部が露出しないものとなっている。なお、図1
(b)で示すように、第2の接続用内部電極3と同一の
平面上に対し、第1の接続用内部電極35が並列して配
置されていてもよい。
【0029】また、圧電積層体37における第1の側面
37aには駆動用外部電極38及び接続用外部電極39
が所定幅の空隙部分40を介したうえで並列して形成さ
れており、これらの外部電極38,39それぞれに対し
ては第1の駆動用内部電極32及び第1の接続用内部電
極35が各別として電気的に導通している。さらに、こ
の際における第2の側面37bには共通外部電極41が
ほぼ全面にわたって形成されており、この共通外部電極
41に対しては、第2の駆動用内部電極33のみなら
ず、第1及び第2の接続用内部電極35,3までもが共
通して電気的に導通している。
【0030】そこで、共通外部電極41は、圧電積層体
37の接続部36内に積層されている第1の接続用内部
電極35を介したうえ、圧電積層体37における第1の
側面37aに形成された接続用外部電極39と互いに接
続されている。その結果、第1の実施形態にかかる積層
型圧電体素子1の駆動部34は、図2で示すような断面
構造を有することになる。なお、図2中の仮想線は、圧
電アクチュエータ2の作製時に切り込み形成されるスリ
ット47の下端縁47aとなるべき位置を示している。
【0031】さらに、積層型圧電体素子1を用いては、
従来形態と同様の手順に従うことにより、図3で外観形
状を示すような圧電アクチュエータ2が作製される。す
なわち、この圧電アクチュエータ2は、接着剤などを利
用して支持基板46上に固定された積層型圧電体素子1
の駆動部34がその積層方向Xに沿う上面側から下面側
へと向かって切り込み形成されるスリット47で分断さ
れたものである。そして、これらのスリット47でもっ
て第1及び第2の駆動用内部電極32,33が分断され
ているため、圧電積層体37の駆動部34は独立駆動が
可能な複数個のアクチュエータユニット48となってい
る。
【0032】また、スリット47によっては、圧電アク
チュエータ2をその一方側から見た状態を示す図3
(a)のように、駆動用外部電極38も分断されてお
り、駆動用外部電極38が分断されることに伴っては、
個別化されたアクチュエータユニット48のそれぞれと
対応する複数のユニット外部電極49が構成されてい
る。なお、圧電アクチュエータ2が有する駆動部34及
び接続部36間をスリット47でもって分割してもよい
ことは勿論であり、図3(b)はこのような構成とされ
た圧電アクチュエータ2をその他方側から見た状態を示
している。
【0033】さらにまた、アクチュエータユニット48
を有する圧電アクチュエータ2に対しては、図示省略し
ているが、外部に設置された駆動信号源からのフレキシ
ブル配線基板が接続される。そして、ユニット外部電極
49の各々と共通外部電極41、実際的には、接続用内
部電極35を介して共通外部電極41と接続された接続
用外部電極39との間に対しては交流電圧が印加され
る。その結果、圧電アクチュエータ2を構成しているア
クチュエータユニット48のそれぞれは、各別として駆
動されることとなる。
【0034】すなわち、積層型圧電体素子1からなる圧
電アクチュエータ2では、圧電積層体37の下端部内に
形成されて共通外部電極41と導通している第2の接続
用内部電極3がスリット47でもって分断されてしまう
ことが起こらない。従って、スリット47の切り込み形
成に伴って共通外部電極41の導通経路部分41aが狭
くなったとしても、アクチュエータユニット48同士の
導通は第2の接続用内部電極3によって確保される。そ
の結果、アクチュエータユニット48同士間における導
通抵抗が増大することは起こらず、圧電アクチュエータ
2全体の導通性が低下することも起こり得ないこととな
る。
【0035】なお、本実施形態における説明では、第2
の接続用内部電極3が第2の駆動用内部電極33とほぼ
同一の平面形状を有するもの、つまり、数mm程度の幅
寸法とされたものであるとしているが、このような構成
に限定されることはなく、共通外部電極41と導通して
いる限りは、第2の接続用内部電極3が第2の駆動用内
部電極33よりも幅寸法の狭いものであってもよいこと
は勿論である。但し、ほぼ同一の幅寸法である場合に
は、第2の接続用内部電極3が十分な断面積を有するこ
ととなり、圧電アクチュエータ2の導通性を十分かつ確
実に確保することが可能となる。
【0036】つぎに、第1の実施形態にかかる積層型圧
電体素子1の製造方法を、図4及び図5に基づいて説明
する。なお、ここでの図4は積層型圧電体素子が具備し
ている圧電積層体そのものの製造方法を示す分解斜視図
であり、図5はその変形例を示す説明図である。
【0037】積層型圧電体素子1の圧電積層体37を製
造する際には、まず最初に、図4で示しているようなグ
リーンシート4〜7を用意する。つまり、第1の駆動用
内部電極32となる導電パターン8及び第1の接続用内
部電極35となる導電パターン9が並列して形成された
グリーンシート4と、第1の接続用内部電極35となる
導電パターン9及び第2の駆動用内部電極33となる導
電パターン10が並列して形成されたグリーンシート5
と、第1の接続用内部電極35となる導電パターン9及
び第2の接続用内部電極3となる導電パターン11が並
列して形成されたグリーンシート6と、何らの導体パタ
ーンも形成されていない無地のグリーンシート7とを用
意する。
【0038】ところで、第2の接続用内部電極3が第1
の駆動用内部電極32とほぼ同一の幅寸法とされた平面
形状を有する場合には、導電パターン8と導電パターン
11とが同一となり、グリーンシート4及びグリーンシ
ート6も同一であることになる。また、このグリーンシ
ート6においては、第1の接続用内部電極35となる導
電パターン9及び第2の接続用内部電極3となる導電パ
ターン11が各別に形成されているが、図5で示すよう
に、第1の接続用内部電極35及び第2の接続用内部電
極3となる導電パターン12が一体的に形成されていて
もよい。
【0039】すなわち、このような導電パターン12を
形成しておいた場合には、第1の接続用内部電極35及
び第2の接続用内部電極3が一体化されているため、こ
れらの内部電極3,35同士を各別に形成しているより
も、導通抵抗が低くなるという利点が確保される。そし
て、ここでのグリーンシート4〜7は、PZTなどの圧
電体原料からなる平面視矩形状として作製されたもので
ある一方、導電パターン8〜11はAgなどを主成分と
する導電性ペーストのスクリーン印刷でもって形成され
た印刷パターンとなっている。
【0040】また、この際における導電パターン8,1
1の各々は、その一方側端縁部がグリーンシート4,6
の一方側長辺にまで到達しているものの、その他方側端
縁部が他方側長辺にまでは到達しない形状とされてい
る。さらに、導電パターン9はその両方側端縁部がとも
にグリーンシート4〜6の両方側長辺にまで到達した形
状を有しているものの、導電パターン10はその一方側
端縁部がグリーンシート5の一方側長辺にまで到達せ
ず、その他方側端縁部のみが他方側長辺にまで到達した
形状とされている。
【0041】なお、ここでの導電パターン8,10,1
1は、同一形状とされたパターンを微妙に位置ずれさせ
ることによっても形成可能である。すなわち、本実施の
形態にかかる積層型圧電体素子1では、第1及び第2の
駆動用内部電極32,33が同一の平面形状を有する印
刷パターンである導電パターン8,10から形成された
ものであり、第2の接続用内部電極3も駆動用内部電極
32,33と同一の平面形状を有する印刷パターンであ
る導電パターン11から形成されたものであることにな
っている。
【0042】引き続き、グリーンシート4〜7の所定枚
数ずつを図4で示すような順序で交互に繰り返して積層
し、かつ、積層されたグリーンシート4〜7を積層方向
Xに沿って一括的に圧着すると、未焼成状態の積層体ブ
ロック13が作製される。なお、この際、導電パターン
9,11が形成されたグリーンシート6は、無地のグリ
ーンシート7によって上下から挟まれたうえで積層方向
Xに沿った下側の位置に配置されている。そこで、作製
された積層体ブロック13の互いに対向しあう側面の一
方からは導電パターン8,9,11の端縁部が露出して
おり、その側面の他方からは導電パターン9,10,1
1の端縁部が露出している。その後、積層体ブロック1
3を焼成処理すると、圧電積層体37が作製される。
【0043】ところで、図4に基づいて説明した製造方
法は圧電積層体37を単一個ずつ作製する際の手順であ
るが、実際の製造工程では、以下のような手順に従って
多数個の圧電積層体37を同時的に作製することが行わ
れる。すなわち、図6で示すように、まず、多数組の導
体パターン8,9が並列して形成された大面積のグリー
ンシート14と、多数組の導体パターン9,10が並列
して形成された大面積のグリーンシート15と、多数組
の導体パターン9,11が並列して形成された大面積の
グリーンシート16とをそれぞれ用意する。引き続き、
グリーンシート14,15の所定枚数ずつを交互に積層
し、かつ、グリーンシート16を積層したうえで積層方
向に沿って圧着すると、多数個の積層体ブロック13が
並列されたのと対応した大きさを有する未焼成状態の親
基板ブロックが作製される。
【0044】その後、図示省略しているが、作製された
親基板ブロックを焼成処理すると、分割されるのに伴っ
て個別化される圧電積層体37が並列に連続している親
基板が作製される。引き続き、作製された親基板の上下
面をラップ研磨や平面研削で平坦化し、個々の圧電積層
体37と対応する領域ごとを区分けしている所定の分割
線Y,Zに沿って親基板を分割すると、分割に伴って個
別化された圧電積層体37が得られる。
【0045】ところで、図6で示したようなグリーンシ
ート14,15,16を積層し、焼成処理後に分割した
場合には、図6中に付記するように、分割線Y,Zが目
標から位置ずれしていることがあり、その結果として隣
接した導体パターン8,10それぞれの切れ端部分8
a,10a,11aからなる電極部分(図示省略)が圧
電積層体37の内部に形成されてしまうことがある。し
かしながら、このような電極部分が形成されても、実用
上、何らの不都合も生じないことは勿論である。
【0046】その後、直方体形状を有する積層体ブロッ
ク13を焼成処理し、圧電積層体37を作製することが
行われる。そして、作製された圧電積層体37の第1の
側面37aに駆動用外部電極38及び接続用外部電極3
9を、また、その第2の側面37bに共通外部電極41
をそれぞれ形成した後、所要の分極処理を施すと、図1
で示した積層型圧電体素子1が作製されたことになる。
なお、これら外部電極38,39,41のそれぞれは、
導電性ペーストをスクリーン印刷したうえでの焼き付け
処理や薄膜形成処理、例えば、蒸着やスパッタリングに
よって形成されるのが一般的である。
【0047】(第2の実施形態)図7は第2の実施形態
にかかる積層型圧電体素子の外観形状を示す斜視図、図
8はその駆動部の断面構造を示す横断面図であり、図9
は本実施形態にかかる積層型圧電体素子を用いて作製さ
れる圧電アクチュエータの外観形状を示す斜視図であ
る。そして、図10は積層型圧電体素子における外部電
極の形成方法の一例を示す説明図、図11はその他の例
を示す説明図であり、図7〜図9における符号21は積
層型圧電体素子、22は圧電アクチュエータ、23は切
り欠き部、24は導通用外部電極を示している。
【0048】なお、第2の実施形態にかかる積層型圧電
体素子の全体構造は、切り欠き部及び導通用外部電極が
形成されている点を除くと、第1の実施形態にかかる積
層型圧電体素子と基本的に異ならない。従って、図7〜
図11において、図1〜図5と互いに同一となり、また
は、相当することになる部品、部分については同一符号
を付し、ここでの詳しい説明は省略する。
【0049】本実施形態にかかる積層型圧電体素子21
は圧電アクチュエータ22を作製する際に用いられるも
のであり、図7及び図8で示すように、第1及び第2の
駆動用内部電極32,33と、第1及び第2の接続用内
部電極35,3とがそれぞれ内部に積層されてなる直方
体形状の圧電積層体37を具備している。そして、この
圧電積層体37における第1の側面37aには、その長
手方向の下端縁に沿って開口した切り欠き部23が形成
されている。
【0050】すなわち、この切り欠き部23は、圧電積
層体37の下面から所定の深さD、つまり、圧電アクチ
ュエータ22の作製時に切り込み形成されるスリット4
7の下端縁47aとなるべき位置より上側にまで至りつ
つも、第1及び第2の駆動用内部電極32,33までは
至らない高さ方向の深さDを有し、かつ、所定の幅Wを
有する矩形断面形状とされたものであり、圧電積層体3
7の内部に積層された第1及び第2の駆動用内部電極3
2,33と第1の接続用内部電極35とに対して平行と
なるようにして形成されている。
【0051】また、この際における第1の駆動用内部電
極32は、積層型圧電体素子21を一方側から見た状態
を示す図7(a)のように、圧電積層体37の第1の側
面37aのみから端縁部が露出し、第2の側面37bか
らは端縁部が露出しないものとなっている。さらに、第
2の駆動用内部電極33は、積層型圧電体素子21を他
方側から見た状態を示す図7(b)のように、第2の側
面37bのみから端縁部が露出しているものの、第1の
側面37aからは端縁部が露出しないものとされてお
り、第1の接続用内部電極35は、第1及び第2の側面
37a,37bのいずれにも端縁部が露出している。
【0052】さらにまた、第2の接続用内部電極3の端
縁部それぞれは、圧電積層体37の第2の側面37b
と、第1の側面37aに形成された切り欠き部23の側
面とに露出している。そして、第2の接続用内部電極3
の端縁部が露出した切り欠き部23の側面には、この第
2の接続用内部電極3が導通することになる導通用外部
電極24が形成されている。
【0053】一方、圧電積層体37における第1の側面
37aの切り欠き部23を除く領域には、駆動用外部電
極38及び接続用外部電極39が空隙部分40を介した
うえで並列に形成されているとともに、その第2の側面
37bには共通外部電極41がほぼ全面にわたって形成
されている。そこで、駆動用外部電極38及び接続用外
部電極39のそれぞれには、第1の駆動用内部電極32
と第1の接続用内部電極35とが各別に導通しており、
共通外部電極41に対しては、第2の駆動用内部電極3
3と第2の接続用内部電極3とが各別に導通している。
【0054】従って、この際における第2の接続用内部
電極3は、共通外部電極41及び導通用外部電極24の
双方と導通していることになる。その結果、第2の実施
形態にかかる積層型圧電体素子21の駆動部34は、図
8で示すような断面構造を有していることになる。な
お、図8中の仮想線は、圧電アクチュエータ22の作製
時に切り込み形成されるスリット47の下端縁47aと
なるべき位置を示している。ところで、図7〜図9で
は、第2の接続用内部電極3が1層だけ形成されること
になっているが、第2の接続用内部電極3は少なくとも
1層以上形成されていることが好ましい。
【0055】さらに、積層型圧電体素子21を用いて
は、図9で外観形状を示すような圧電アクチュエータ2
2が作製されることになり、この圧電アクチュエータ2
2は、支持基板46上に固定された積層型圧電体素子2
1の駆動部34をその積層方向Xに沿う上面側から下面
側へと向かって切り込み形成されるスリット47で分断
することによって複数のアクチュエータユニット48が
構成されたものである。そして、一方側から見た状態を
示す図9(a)のように、スリット47で分断された駆
動用外部電極38はアクチュエータユニット48の各々
と対応する複数のユニット外部電極49となっている。
なお、圧電アクチュエータ22が有する駆動部34及び
接続部36間をスリット47で分割してもよいことは勿
論であり、図9(b)はこのような構成とされた圧電ア
クチュエータ22をその他方側から見た状態を示してい
る。
【0056】すなわち、積層型圧電体素子21において
は、駆動用外部電極38及び接続用外部電極39が形成
される圧電積層体37の第1の側面37aの下端縁に沿
って切り欠き部23を形成しており、かつ、この切り欠
き部23の側面に第2の接続用内部電極3と導通する導
通用外部電極24を形成している。そして、積層型圧電
体素子21を用いて作製される圧電アクチュエータ22
では、第1の実施形態と同様、圧電積層体37の下端部
内に形成されて共通外部電極41と導通している第2の
接続用内部電極3がスリット47で分断されることが起
こらない。
【0057】従って、スリット47の切り込み形成に伴
って共通外部電極41の導通経路部分41aが狭くなる
ことがあったとしても、アクチュエータユニット48同
士の導通は、共通外部電極41及び導通用外部電極24
の双方に対して導通している第2の接続用内部電極3に
よって確保されることとなる。その結果、アクチュエー
タユニット48同士間における導通抵抗が増大すること
は抑制されることになり、圧電アクチュエータ22全体
の導通性が低下してしまうことが回避される。
【0058】つぎに、第2の実施形態にかかる積層型圧
電体素子21の製造方法を、導通用外部電極の形成方法
を示す説明図である図10及び図11に基づいて説明す
る。なお、この積層型圧電体素子21が具備している圧
電積層体37そのものの作製方法は、図4に基づいて説
明した第1の実施形態と基本的に異ならないので、ここ
での詳しい説明は省略する。
【0059】すなわち、第1の実施形態と同様、積層型
圧電体素子21が具備する圧電積層体37を作製するに
際しても、導電パターン8〜11が各別に形成されたグ
リーンシート4〜7を用意しておき、これらのグリーン
シート4〜7を積層したうえで一括的に圧着することが
行われる。すると、未焼成状態の積層体ブロック13が
作製されたことになり、この積層体ブロック13を焼成
処理することによって圧電積層体37が作製される。
【0060】ところで、実際の製造工程では、図示省略
しているが、導電パターン8〜11のそれぞれが縦横に
並列して形成された大面積のグリーンシート同士を積層
して圧着することにより、多数個の積層体ブロック13
と対応する大きさを有する親基板ブロックを作製し、か
つ、この親基板ブロックを焼成処理して中間品である親
基板を作製した後、この親基板を所定の分割線に沿って
分割することに伴って個々の圧電積層体37を作製する
のが一般的である。従って、この親基板の分割に先立つ
時点において、圧電積層体37となるべき領域ごとに対
して切り欠き部3となる切り込み溝を予めダイシングな
どで形成するようにすれば、圧電積層体37の各々には
切り欠き部3が形成されていることになる。
【0061】その後、図10で示すように、個別化され
た圧電積層体37を所定の角度だけ傾斜させて支持した
うえ、外部電極となるのに適した金属材料を圧電積層体
37の第1の側面37aに対する蒸着処理によって付着
させると、駆動用外部電極38及び接続用外部電極39
と導通用外部電極24とが形成される。つまり、これら
の外部電極38,39,24を形成する際における圧電
積層体37は、切り欠き部3が蒸着源25から遠ざかる
ようにし、かつ、第1の側面37aが蒸着源25を向く
ように支持されている。
【0062】そして、このような傾斜姿勢として支持さ
れた場合には、切り欠き部3の側面も蒸着源25と対面
しているため、この側面上にも蒸着処理による導通用外
部電極24が形成される。なお、ここでは蒸着源25が
点状とされているが、点状に限定されず、平面状であっ
てもよいことは勿論である。
【0063】引き続き、駆動用外部電極38及び接続用
外部電極39と、導通用外部電極24とが形成された第
1の側面37aとは対向しあっている第2の側面37b
に共通外部電極41を形成した後、駆動用外部電極38
と接続用外部電極39との間に電圧を印加して駆動部3
4を分極すると、本実施形態にかかる積層型圧電体素子
21が完成したことになる。なお、これらの外部電極2
4,38,39,41のそれぞれを蒸着処理によって形
成する必然性があるわけではなく、スパッタリング処理
によって形成してもよいことは勿論である。
【0064】さらにまた、上記した切り欠き部23の形
成方法では、親基板の圧電積層体37となるべき領域ご
とに切り込み溝を形成しているが、このような方法に限
定されず、以下のような方法によって切り欠き部23を
形成することも可能である。すなわち、親基板を分割す
ることによって圧電積層体37を得た後、これらの個別
化された圧電積層体37を各々の積層方向に沿って重ね
合わせたうえ、重ね合わされた圧電積層体37の各々に
対して切り欠き部23となる切り込み溝を形成する方法
である。なお、ここでの切り込み溝も、ダイシングなど
によって形成される。
【0065】そして、図11で示すように、重ね合わさ
れたままの圧電積層体37を所定の角度だけ傾斜させて
支持したうえ、外部電極となるのに適した金属材料を圧
電積層体37の第1の側面37aに対する蒸着処理によ
って付着させると、上記した方法の場合と同じく、駆動
用外部電極38及び接続用外部電極39と導通用外部電
極24とが形成される。その後、引き続き、これらの外
部電極38,39,24が第1の側面37aに形成され
ている圧電積層体37の第2の側面37bに対して共通
外部電極41を形成し、駆動用外部電極38及び接続用
外部電極39間に電圧を印加して駆動部34を分極する
と、第2の実施形態にかかる積層型圧電体素子21が完
成する。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように、本発明にかかる積
層型圧電体素子においては、スリットの下端縁よりも下
側に位置する圧電積層体の下端部内に共通外部電極と導
通する第2の接続用内部電極が新たに形成されている。
従って、この第2の接続用内部電極がスリットで分断さ
れることには起こらず、スリットの切り込み形成に伴っ
て共通外部電極の導通経路部分が狭くなったとしても、
アクチュエータユニット同士の導通は第2の接続用内部
電極を介したうえで確保される。そのため、アクチュエ
ータユニット同士間の導通抵抗が増大する結果として圧
電アクチュエータ全体の導通性が低下することはなくな
り、共通外部電極の導通経路部分が断線することも起こ
り得ないという効果が得られる。
【0067】また、本発明にかかる積層型圧電体素子で
は、圧電積層体の側面に切り欠き部を形成しており、こ
の切り欠き部の側面に第2の接続用内部電極と導通する
導通用外部電極を形成することが行われている。従っ
て、圧電アクチュエータの作製時におけるスリットの切
り込み形成に伴って構成されたアクチュエータユニット
同士の導通は、第2の接続用内部電極のみならず、これ
が導通している導通用外部電極をも介したうえで確保さ
れることになる。そのため、より一層優れた圧電アクチ
ュエータの導通性が得られることになる。
【0068】さらに、本発明にかかる積層型圧電体素子
の製造方法を採用すれば、導通用外部電極を圧電積層体
の切り欠き部に対して極めて容易に形成することが可能
になる。そして、この製造方法であれば、駆動用外部電
極と接続用外部電極と導通用外部電極とを複数の圧電積
層体に対して同時的に形成し得るため、生産性の向上を
図ることができるという効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態にかかる積層型圧電体素子の外
観形状を示す斜視図である。
【図2】その駆動部の断面構造を示す横断面図である。
【図3】積層型圧電体素子を用いて作製される圧電アク
チュエータの外観形状を示す斜視図である。
【図4】積層型圧電体素子が具備している圧電積層体そ
のものの製造方法を示す分解斜視図である。
【図5】その変形例を示す説明図である。
【図6】多数個の圧電積層体を同時的に製造する方法を
示す分解斜視図である。
【図7】第2の実施形態にかかる積層型圧電体素子の外
観形状を示す斜視図である。
【図8】その駆動部の断面構造を示す横断面図である。
【図9】積層型圧電体素子を用いて作製される圧電アク
チュエータの外観形状を示す斜視図である。
【図10】積層型圧電体素子における外部電極の形成方
法の一例を示す説明図である。
【図11】外部電極の形成方法の他の例を示す説明図で
ある。
【図12】従来形態にかかる積層型圧電体素子の外観形
状を示す斜視図である。
【図13】その駆動部の断面構造を示す横断面図であ
る。
【図14】積層型圧電体素子を用いて作製される圧電ア
クチュエータの外観形状を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 積層型圧電体素子 2 圧電アクチュエータ 3 第2の接続用内部電極 21 積層型圧電体素子 22 圧電アクチュエータ 23 切り欠き部 24 導通用外部電極 32 第1の駆動用内部電極 33 第2の駆動用内部電極 35 第1の接続用内部電極 37 圧電積層体 37a 第1の側面(側面の一方) 37b 第2の側面(側面の他方) 38 駆動用外部電極 39 接続用外部電極 41 共通外部電極 47 スリット

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1及び第2の駆動用内部電極が交互に
    積層して形成された駆動部と、第1の接続用内部電極が
    積層して形成された接続部とを有し、対向しあう側面の
    一方には少なくとも前記第1の駆動用内部電極及び第1
    の接続用内部電極の各々と導通する駆動用外部電極及び
    接続用外部電極が並列して形成され、かつ、その側面の
    他方には少なくとも前記第2の駆動用内部電極及び第1
    の接続用内部電極の双方と導通する共通外部電極が形成
    された直方体形状の圧電積層体からなり、該圧電積層体
    の積層方向に沿う上面側から下面側へと向かって切り込
    み形成されるスリットで前記駆動用内部電極及び駆動用
    外部電極が分断されるのに伴って独立駆動可能な複数個
    のアクチュエータユニットが構成される積層型圧電体素
    子であって、 前記スリットの下端縁よりも下側に位置する前記圧電積
    層体の下端部内には前記共通外部電極と導通する第2の
    接続用内部電極が形成されており、かつ、該第2の接続
    用内部電極は前記駆動用内部電極と離間したうえで平行
    に配置されていることを特徴とする積層型圧電体素子。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した積層型圧電体素子で
    あり、 第1及び第2の駆動用内部電極は同一の平面形状を有す
    る印刷パターンから形成されたものであり、第2の接続
    用内部電極も前記駆動用内部電極と同一の平面形状を有
    する印刷パターンから形成されたものであることを特徴
    とする積層型圧電体素子。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載した積層
    型圧電体素子であり、第2の接続用内部電極は第2の駆
    動用内部電極とほぼ同一の平面形状を有していることを
    特徴とする積層型圧電体素子。
  4. 【請求項4】 請求項1〜請求項3のいずれかに記載し
    た積層型圧電体素子であり、 駆動用外部電極及び接続用外部電極が形成される圧電積
    層体の側面には、該圧電積層体の下面からスリットの下
    端縁より上側にまで至りながらも第1及び第2の駆動用
    内部電極までは至らない深さとされ、その側面には第2
    の接続用内部電極の端縁部が露出する切り欠き部が前記
    駆動用内部電極及び第1の接続用内部電極と平行に形成
    されており、かつ、該切り欠き部の側面には前記第2の
    接続用内部電極と導通する導通用外部電極が形成されて
    いることを特徴とする積層型圧電体素子。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載した積層型圧電体素子の
    製造方法であり、 切り欠き部が形成済みの圧電積層体を蒸着源またはスパ
    ッタリング源に対する傾斜状態として支持したうえ、駆
    動用外部電極と接続用外部電極と導通用外部電極とのそ
    れぞれを一括して形成する工程とを含んでいることを特
    徴とする積層型圧電体素子の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜請求項4のいずれかに記載し
    た積層型圧電体素子を用いて作製される圧電アクチュエ
    ータであり、 圧電体素子の駆動部はその積層方向に沿う上面側から下
    面側へと向かって切り込み形成されたスリットで分割さ
    れており、該スリットで前記駆動部内に積層された第1
    及び第2の駆動用内部電極が分断されたのに伴って独立
    駆動可能な複数個のアクチュエータユニットが構成され
    ていることを特徴とする圧電アクチュエータ。
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