JP2003013037A - 熱板融着用樹脂組成物および車両用灯具のランプハウジング成形品 - Google Patents
熱板融着用樹脂組成物および車両用灯具のランプハウジング成形品Info
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Abstract
および車両用灯具のランプハウジング成形品の提供。 【解決手段】 熱可塑性樹脂100重量部に対して、水
溶性ポリマーを0.1〜20重量部配合してなる熱板融
着用樹脂組成物。該熱可塑性樹脂としてはゴム強化スチ
レン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、飽和ポリエステル
樹脂、ポリアミド樹脂およびポリフェニレンオキサイド
樹脂から選ばれた1種または2種以上の樹脂、また水溶
性ポリマーは非イオン型の水溶性ポリマーである。
Description
料を加熱された熱板を用いて溶融した後、溶融部分を圧
着することにより結合させるいわゆる熱板融着に使用さ
れる熱板融着樹脂組成物に関するものである。
により溶融後圧着する(いわゆる熱板融着)が、溶剤を
全く使用しないことより環境問題の観点から採用される
ことが増えてきた。しかしながら、このような熱板融着
法では、熱可塑性樹脂が熱板より溶融された後、熱板を
引き離す際に樹脂が糸状に引き伸ばされ(以下糸引き性
と呼ぶ)、これが成形品の表面に付着することにより外
観不良となる不具合を生じることがある。
熱板融着における樹脂の糸引き性を解決すべくなされた
ものであり、熱板融着に供される熱可塑性樹脂に対し、
少量の水溶性ポリマーを添加することにより、糸引き性
が大幅に改良されることを見出し本発明にいたったもの
である。
可塑性樹脂100重量部に対して、水溶性ポリマーを
0.1〜20重量部配合してなる糸引き性の改良された
熱板融着用樹脂組成物を提供するものである。
する。本発明において使用される熱可塑性樹脂(ただ
し、ポリビニルピロリドン樹脂等の水溶性ポリマーは除
く)は、ナイロン−6、ナイロン−66、ナイロン−1
2、ナイロン−46等のポリアミド樹脂、ポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリア
リレート等の飽和ポリエステル樹脂、ポリカーボネート
樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、メタクリル樹
脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポ
リエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルイミド樹
脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエチレン、
ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂およびゴム強化
スチレン系樹脂等が挙げられ、それぞれ単独または2種
以上混合したものから選ばれる。
ド樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹
脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、メタクリル樹脂お
よびゴム強化スチレン系樹脂を単独あるいは2種以上混
合して用いることが好ましく、特に、ゴム強化スチレン
系樹脂単独またはゴム強化スチレン系樹脂と他の熱可塑
性樹脂との混合物であることが好ましい。
2種以上混合している場合、その比率には特に制限はな
く目的に応じたものを使用することができるが、特にゴ
ム強化スチレン系樹脂5〜95重量%および他の熱可塑
性樹脂95〜5重量%からなる混合物であることが好ま
しい。
(A)とは、ゴム質重合体の存在下にスチレン系単量体
単独またはスチレン系単量体と他の共重合可能な単量体
とを重合してなるグラフト共重合体または該グラフト共
重合体と上記単量体を重合してなる共重合体の混合物で
ある。
できるゴム質重合体としては、特に制限はないが、ポリ
ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SB
R)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、
ブチルアクリレート−ブタジエン等のジエン系ゴム、ア
クリル酸ブチルゴム、ブタジエン−アクリル酸ブチルゴ
ム、アクリル酸2−エチルヘキシル−アクリル酸ブチル
ゴム、メタクリル酸2−エチルヘキシル−アクリル酸ブ
チルゴム、アクリル酸ステアリル−アクリル酸ブチルゴ
ム、ポリオルガノシロキサン−アクリル酸ブチル複合ゴ
ム等のアクリル系ゴム、エチレン−プロピレンゴム、エ
チレン−プロピレン−ジエンゴム等のポリオレフィン系
ゴム重合体、ポリオルガノシロキサン系ゴム等のシリコ
ン系ゴム重合体が挙げられ、これらは、一種または二種
以上用いることができる。
−メチルスチレン、パラメチルスチレン、ブロムスチレ
ン等が挙げられ、一種または二種以上用いることができ
る。特にスチレン、α−メチルスチレンが好ましい。
る他の共重合可能な単量体としては、アクリロニトリ
ル、メタアクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物、
メタクリル酸メチル、アクリル酸メチル等の(メタ)ア
クリル酸エステル化合物、N−フェニルマレイミド、N
−シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド化合物、ア
クリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸等の不
飽和カルボン酸化合物が挙げられ、それらはそれぞれ一
種または二種以上用いることができる。
は、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアマイド、ポ
リエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン等の非イ
オン型や、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリビ
ニルスルホン酸等のアニオン型や、ポリエチレンイミ
ン、ポリビニルピリジン、ポリビニルイミダゾール等の
カチオン型や、ポリイミドイミダゾールイタコン酸共重
合体等の両性型等が挙げられる。これらの中でも、ポリ
ビニルアルコール、ポリアクリルアマイド、ポリエチレ
ンオキサイド、ポリビニルピロリドン等の非イオン型の
水溶性ポリマーが特に好ましい。
率は、熱可塑性樹脂100重量部に対して水溶性ポリマ
ーを0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜10重量
部である。0.1重量部以下では十分な糸引き性の改良
効果が得られず、また20重量部を超えると物性の低下
および成形時の外観不良のため好ましくない。
法には特に制限はなく、パウダーおよびまたはペレット
状態で混合した後、通常使用されるロール、バンバリー
ミキサー、単軸あるいは2軸押出し機等を使用してペレ
ットを得る方法が採用できる。
物には、従来公知の安定剤、酸化防止剤、滑剤、顔料、
染料、充填剤等を目的に合わせて添加しても良い。
例えばヘッドランプ、ウィンカー、ストップランプ等の
車両用灯具の用途に好適に使用することができるがこれ
らに限定されるものではない。
挙げて詳細に説明する。尚、本発明はこれにより何ら制
限を受けるものではない。また、部および%は何れも重
量基準で示した。
合法により、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス
(固形分)50重量部にアクリロニトリル15部および
スチレン35部をグラフト重合して得られたグラフト重
合体40重量部とアクリロニトリル30重量部およびス
チレン70重量部からなる共重合体60重量部とを混合
してなるABS樹脂。
公知の乳化重合法により、スチレン−ブタジエン共重合
体ラテックス(固形分)50重量部にアクリロニトリル
15部およびスチレン35部をグラフト重合して得られ
たグラフト重合体40重量部とアクリロニトリル30重
量部およびα−メチルスチレン70重量部からなる共重
合体60重量部とを混合してなるABS樹脂。
の溶液重合法により、エチレン−プロピレン−エチリデ
ンノルボルネン共重合体50重量部にアクリロニトリル
15重量部およびスチレン35重量部をグラフト重合し
て得られたグラフト重合体40重量部とアクリロニトリ
ル30重量部、N−フェニルマレイミド10重量部およ
びスチレン60重量部からなる共重合体60重量部とを
混合してなるAES樹脂。
の乳化重合法により、アクリル系ゴムラテックス(固形
分)50重量部にアクリロニトリル15部およびスチレ
ン35部をグラフト重合して得られたグラフト重合体4
0重量部とアクリロニトリル30重量部およびスチレン
70重量部からなる共重合体60重量部とを混合してな
るAAS樹脂。
O):日本GE(株)社製 PX−2623
混合物(PA/ABS):6−ナイロン50重量部と上
記のゴム強化スチレン系樹脂(ABS−1)50重量部
の混合物。
系樹脂混合物(PBT/ABS):ポリブチレンテレフ
タレート(PBT)50重量部と上記のゴム強化スチレ
ン系樹脂(ABS−1)50重量部の混合物。
ノールAとホスゲンとを縮合重合して得られた粘度平均
分子量13,000のポリカーボネート樹脂。
脂混合物(PC/ABS):上記のポリカーボネート樹
脂50重量部と上記のゴム強化スチレン系樹脂(ABS
−1)50重量部の混合物。
PX−K30P
成化学(株)社製 GH−17
精化(株)社製 PEO−8
その混合物と水溶性ポリマーとを2軸押出し機を用い、
シリンダー温度240℃で溶融混練し、ペレット化し
た。得られたペレットを射出成形機を用い、シリンダー
温度250℃、金型温度50℃の条件で射出成形して各
試験片を作成した。得られた各試験片に付き次の評価を
行なった。評価結果を表1に示す。
方法で測定した。 (1)耐衝撃性:ASTM D−256に準拠。23
℃、1/4インチ。 (2)糸引き性:320℃に加熱したアルミ製の平板
に、射出成形にて得られたASTM1号ダンベルを10
kgf/cm2の圧力で30秒間押しつけた後、このダ
ンベルを500mm/minの速度で引き上げた時に融
着面に発生した糸の重量を測定した。 (3)外観:90mm×150mm×3mmの平板を成
形し、その時の外観を目視にて判定した。○:良好、
×:不良(シルバー発生)
組成物は、従来の樹脂に比べて著しく糸引き性に優れる
ものであり、熱板融着用途、特に車両用灯具のランプハ
ウジング用として好適に使用できる。
Claims (6)
- 【請求項1】 熱可塑性樹脂100重量部に対して、水
溶性ポリマーを0.1〜20重量部配合することを特徴
する熱板融着用樹脂組成物。 - 【請求項2】 熱可塑性樹脂がゴム強化スチレン系樹
脂、ポリカーボネート樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポ
リアミド樹脂およびポリフェニレンオキサイド樹脂から
選ばれた1種または2種以上の樹脂である請求項1記載
の熱板融着用樹脂組成物。 - 【請求項3】 熱可塑性樹脂がゴム強化スチレン系樹脂
単独またはゴム強化スチレン系樹脂と他の熱可塑性樹脂
との混合物である請求項1または2何れかに記載の熱板
融着用樹脂組成物。 - 【請求項4】 水溶性ポリマーが非イオン型の水溶性ポ
リマーである請求項1〜3何れかに記載の熱板融着用樹
脂組成物。 - 【請求項5】 非イオン型の水溶性ポリマーがポリビニ
ルアルコール、ポリアクリルアマイド、ポリエチレンオ
キサイド、ポリビニルピロリドンである請求項1〜4何
れかに記載の熱板融着用樹脂組成物。 - 【請求項6】 請求項1〜5何れかに記載の熱板融着用
樹脂組成物を成形してなる車両用灯具のランプハウジン
グ成形品。
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