JP2003063842A - 多成分を有するガラス基板用の微細加工表面処理液 - Google Patents
多成分を有するガラス基板用の微細加工表面処理液Info
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Abstract
フラットパネルディスプレイ用のガラス基板自体を結晶
の析出及び表面あれを生じさせることなく加工する事が
出来る多成分を有するガラス基板用の均一組成を有する
微細加工表面処理液を提供すること。 【解決手段】フッ化水素酸およびフッ化アンモニウムを
含有するとともに、フッ化水素酸よりも酸解離定数が大
きい酸を少なくとも一種以上含有することを特徴とす
る。フッ化水素酸およびフッ化アンモニウムを含有する
とともに、フッ化水素酸よりも酸解離定数が大きい酸を
少なくとも一種以上含有する薬液であり、該フッ化水素
酸よりも酸解離定数が大きい酸の含有量をxとし、ガラ
ス基板をエッチングする液温における該薬液の熱シリコ
ン酸化膜に対するエッチレートをf(x)[A/mi
n]としたとき、該薬液は、x=x1おいて極大値f
(x1)、x=x2(ただしx1<x2)において極小
値f(x2)を有し、x>x1の範囲で該フッ化水素酸
よりも酸解離定数が大きい酸を含有することを特徴とす
る。
Description
ラス基板用の微細加工表面処理液に係り、更に詳しくは
半導体素子製造時に、種々のカチオンおよびそれらのカ
チオン酸化物を有するガラス基板を微細加工するため湿
式でエッチング・洗浄する目的、及び微細加工された半
導体素子を有するガラス基板表面をエッチング・洗浄す
る目的に対して、極めて有効である多成分を有するガラ
ス基板用の微細加工表面処理液に関する。
式プロセスにおいて、種々のカチオンおよびそれらのカ
チオン酸化物を有するガラス基板表面及びその微細加工
済み表面のエッチング・洗浄及びパターニングの清浄化
・精密化は、ディスプレイの高精細化の進展と共に益々
必要性が高まっている。フッ化水素酸(HF)及びフッ
化水素酸(HF)とフッ化アンモニウム(NH4F)の
混合溶液(バッファードフッ酸(BHF))は共にこの
プロセスの重要かつ必要不可欠の微細加工表面処理剤と
して、エッチング・洗浄の目的に使用されているが、更
なる高精細化のため、その高性能化と高機能化が必要と
なってきた。
スプレイ用のガラス基板に関しては、ディスプレィの軽
量化・省電力化等の要求により薄型化が進んでいる。と
ころが、製造プロセスにおいて、いわゆるマザーガラス
としては生産効率・コスト低減の面から、大型化してい
る。この大型の基板を薄くして製造を行う場合、どうし
てもプロセス上で必要とされる機械強度等の面から、薄
型化に限界が生じる。そこで、更なる薄型化をおこなう
ためには、基板自体を微細加工処理する必要がある。
酸化物を有する基板、特に多成分を有するガラス基板等
を用いる製造プロセスにおいて、それらの基板を従来の
フッ化水素酸およびバッファードフッ酸でエッチング・
洗浄を行うと結晶が析出して基板表面に付着する。処理
後の基板表面が大きくあれる。等により、不均一なエッ
チング及び洗浄が進行する問題が生じている。
基板中に含まれるカチオン由来のフッ化物であることが
分かった。これらのカチオンフッ化物は、水溶性が低
く、フッ化水素酸およびバッファードフッ酸に対する溶
解度も非常に低いため結晶として析出し、基板表面に付
着することが分かった。このことは本発明者が初めて知
見したものである。
の付着によりエッチングが阻害されるため、および/ま
たは、基板中に含まれるカチオンおよびそれらの酸化物
のエッチング反応速度がそれぞれ異なり、結果としてエ
ッチレートおよびエッチング量にばらつきが生じるため
である。なお、このことは本発明者らが初めて知見した
ものである。
いて最も重要となるのは、基板自体に表面あれを生じさ
せることなく均一に加工処理することである。
する例えば液晶や有機ELなどのフラットパネルディス
プレイ用のガラス基板自体を結晶の析出及び表面あれを
生じさせることなく均一に加工する事が出来る多成分を
有するガラス基板用の微細加工表面処理液を提供するこ
とである。
を解決するべく鋭意検討を重ねた結果、フッ化水素酸お
よびフッ化アンモニウムを含有するとともに、フッ化水
素酸よりも酸解離定数が大きい酸を少なくとも一種以上
含有することを特徴とする多成分を有するガラス基板用
の微細加工表面処理液を提供することにより、上記の課
題が解決することを見いだし、本発明を完成するに至っ
た。
素酸およびフッ化アンモニウムを含有するとともに、フ
ッ化水素酸よりも酸解離定数が大きい酸を少なくとも一
種以上含有することを特徴とする多成分を有するガラス
基板用の均一組成を有する微細加工表面処理液である。
よびフッ化アンモニウムを含有するとともに、フッ化水
素酸よりも酸解離定数が大きい酸を少なくとも一種以上
含有する溶液であり、該フッ化水素酸よりも酸解離定数
が大きい酸の含有量をx[mol/kg]、熱シリコン
酸化膜に対するエッチレートをf(x)[Å/min]
とした場合に、該溶液は、x=x1おいて極大値f(x
1)を有し、x>x1の範囲で該フッ化水素酸よりも酸
解離定数が大きい酸の含有することを特徴とする多成分
を有するガラス基板用の均一組成を有する微細加工表面
処理液である。
およびフッ化アンモニウムを含有するとともに、フッ化
水素酸よりも酸解離定数が大きい酸を少なくとも一種以
上含有する溶液であり、該フッ化水素酸よりも酸解離定
数が大きい酸の含有量をx[mol/kg]、熱シリコ
ン酸化膜に対するエッチレートをf(x)[Å/mi
n]とした場合に、該溶液は、x=x1において極大値
f(x1)、x=x2(ただしx1<x2)において極
小値f(x2)を有し、x2−(x2−x1)/2<x
<x2+(x2−x1)/2の範囲で該フッ化水素酸よ
りも酸解離定数が大きい酸の含有することを特徴とする
多成分を有するガラス基板用の均一組成を有する微細加
工表面処理液である。
よりも酸解離定数が大きい酸が無機酸であり、一価ある
いは多価の酸であることを特徴とする前項10ないし1
2のいずれか1項記載の多成分を有するガラス基板用の
均一組成を有する微細加工表面処理液である。
よりも酸解離定数が大きい酸が、HCl、HBr、HN
O3、H2SO4のいずれか1種以上であることを特徴
とする前項10ないし13のいずれか1項記載の多成分
を有するガラス基板用の均一組成を有する微細加工表面
処理液である。
量%で0.0001〜1%含むことを特徴とする前項1
0ないし14のいずれか1項記載の多成分を有するガラ
ス基板用の均一組成を有する微細加工表面処理液であ
る。
ガラス基板は、珪酸を主成分とし、さらに、Al、B
a、Ca、Mg、Sb、Sr、Zrのいずれか1種以上
を含有することを特徴とする前項10ないし15のいず
れか1項記載の多成分を有するガラス基板用の均一組成
を有する微細加工表面処理液である。
は、フラットパネルディスプレイ用のガラス基板である
ことを特徴とする前項10ないし16のいずれか1項記
載の多成分を有するガラス基板用の均一組成を有する微
細加工表面処理液である。
含有量は、25mol/kg以下であることを特徴とす
る前項10ないし17のいずれか1項記載の多成分を有
するガラス基板用の均一組成を有する微細加工表面処理
液である。
ニウムの含有量は0.001〜11mol/kgである
ことを特徴とする前項10ないし18のいずれか1項記
載の多成分を有するガラス基板用の均一組成を有する微
細加工表面処理液である。
よりも酸解離定数が大きい酸の添加量xが、ガラス基板
のエッチングを行う液温で結晶が析出しない最大添加量
x3を有し、x<x3[mol/kg]の範囲であるこ
とを特徴とする前項10ないし19のいずれか1項記載
の多成分を有するガラス基板用の均一組成を有する微細
加工表面処理液である。
る。まず、結晶が析出と、基板表面の荒れの原因の探求
を行った。
れる金属成分が薬液中へ溶解して生じたガラス基板に由
来するカチオンが、薬液中に含有されるアニオン種、例
えばフッ素イオン(F−イオン)と反応して使用薬液に
対して極めて溶解性の低い金属塩(例えばフッ化塩)を
生じ、これらがガラス基板表面に析出・付着して、エッ
チングを阻害するために被エッチング面が凹凸となりそ
の結果ガラス基板が不透明になる。
等の多成分を含有するガラス基板表面をエッチングする
と、それらのエッチレートが大きく異なるため不均一な
エッチチングが進行することにより、被エッチング面が
荒れ、被エッチング面に凹凸が発生する。
に含まれる各成分のエッチレートを均一にすることおよ
びそれらが溶解してイオン化したカチオンから、溶解性
の極めて低いそれらのフッ化物を生成させないことが必
要である。そのためには、カチオンおよびそれらの酸化
物が高い溶解性を有し、薬液中へ溶解後、薬液中でイオ
ンとして安定に存在できることが最も望ましい。
は、薬液中のF−イオン濃度を下げることが効果的であ
る。
シリコン酸化物であるため、ガラス基板をエッチングす
るためにはフッ化水素酸あるいはバッファードフッ酸の
様に、シリコン酸化物を溶解する能力を有した薬液に限
られてくる。
おけるドミナントイオンはHF2−イオンである。
にエッチングするためには、薬液中のF−イオンを減少
させる一方で、HF2−イオンを効率よく生成する必要
がある。このためには、HFよりも酸解離定数が大きい
酸を最適量添加することで、フッ化水素酸あるいはフッ
化アンモニウムのうち少なくともいずれかを含有する溶
液中のHFの解離を制御したエッチングおよび洗浄液が
必要である。酸解離定数がHF以下である酸では、HF
2−イオンを効率よく生成することは困難である。
よびフッ化アンモニウムを含有するとともに、フッ化水
素酸よりも酸解離定数が大きい酸を少なくとも一種以上
含有することが必要である。
ッチング液は、フッ化水素酸よりも酸解離定数が大きい
酸の含有量をx[mol/kg]とした場合に、ガラス
基板のエッチングを行う液温で結晶が析出しない最大添
加量x3を有し、x≦x3の範囲内で該フッ化水素酸よ
りも酸解離定数が大きいさんを含有することが、薬液組
成が均一になり、被エッチング面の荒れが抑制される点
で好ましい。x>x3の場合は、薬液中に存在する析出
結晶が被エッチング面の界面荒れに作用したり、該析出
結晶が運搬中等に容器との接触により生じる微粒子が被
エッチング面の界面荒れに作用する等の問題が生じる可
能性がある。また、熱シリコン酸化膜に対するエッチレ
ートをf(x)[Å/min]とした場合に、該溶液
は、x=x1において極大値f(x1)(ただしx1<
x3)を有することがガラス基板由来成分の溶解性に優
れる点で好ましく、x=x2(ただしx1<x2)にお
いて極小値f(x2)を有することがガラス基板由来成
分の溶解性に特に優れる点で好ましい。
た理由について述べる。
では、HFやNH4Fがイオンに解離することにより、
F−イオンが存在する。F−イオンが存在すると、薬液
中のH+イオンと解離平衡反応を生じて、未解離のHF
やHF2−イオンが生成する。これらの薬液に、フッ化
水素よりも酸解離定数の大きな酸を添加すると、薬液中
のF−イオンと添加されたH+イオンとが新たに解離平
衡反応を生じて、未解離のHFやHF2−イオンが生成
することで、液中のF−イオンが消費され減少してゆ
く。その結果、エッチング反応のドミナントイオンがH
F2−イオンである熱シリコン酸化膜のエッチレートf
(x)は、酸の添加量xと共に増加し、ある点(x=x
1)で極大値f(x1)を示す。
してゆくと、HFの酸解離平衡状態を保つためにHF
2−イオンの分解によるHFおよびF−の生成とこの生
成したF−と添加されたH+とがHFを生成する新たな
解離平衡状態が生じると思われる。その結果、HF2−
イオンの濃度が減少し熱シリコン酸化膜のエッチレート
は低下してゆくと考えられる。そして、ある点(x=x
2)で極小値f(x2)を示す。
増加すると、再び熱シリコン酸化膜に対するエッチレー
トf(x)が増加する。
大きな酸を添加することで、液中の解離状態を制御して
液中のF−イオン濃度を低減することが出来る。
くフッ化水素よりも酸解離定数の大きな酸を添加し、F
−イオン濃度を制御することにより、ガラス基板中の各
成分が薬液中に溶解して生じたカチオンが溶解性の極め
て低いそれらのフッ化物を生成することを制御できる。
添加量xをx2−(x2−x1)/2<x<x2+(x
2−x1)/2の範囲内に設定することが、ガラス面に
結晶物の付着や凹凸を生じることなく均一で初期と同等
の透明度を維持したエッチングが可能となる点で好まし
く、x2−(x2−x1)/3<x<x2+(x2−x
1)/3の範囲内に設定することがより好ましく、x2
−(x2−x1)/4<x<x2+(x2−x1)/4
の範囲内に設定することが特に好ましい。
x2[mol/kg]がx2+(x 2−x1)/2≧
x3の場合には、フッ化水素よりも酸解離定数の大きな
酸の添加量xはx2−(x2−x1)/2<x<x3の
範囲内であることが好ましく、極小値f(x2)を与え
る酸添加量x2[mol/kg]が均一組成の薬液にお
いて存在しない場合には、x1−(x3−x1)/2<
x<x3の範囲内であることが好ましい。
はなく、塩酸、硝酸、硫酸、臭化水素酸等の無機酸でも
蓚酸、酒石酸、ヨウド酢酸、フマル酸、マレイン酸等の
有機酸でも良い。薬液組成が均一になる点で親水性の酸
が好ましい。また、被エッチング面の有機物汚染を抑制
できる点で無機酸が好ましく、その中でも酸解離定数が
大きい点で塩酸、硝酸、硫酸、臭化水素酸がより好まし
い。添加する酸としては、一価の酸あるいは多価の酸を
用いることができる。多価の酸の場合、少ない添加量で
多くのH+を得ることができる利点がある。本発明の効
果が最もバランス良い点でHClが特に好ましいが、ガ
ラス基板中のカチオンおよびそれらのカチオン酸化物の
存在率を考慮して添加する酸の種類を選定する必要があ
る。添加する酸は、1種のみでも良く、複数の酸を併用
しても良い。
レジストなどに対する濡れ性の向上あるいは粒子付着等
の抑制効果のために界面活性剤を含有することも被エッ
チング面の荒れを抑制できる点で好ましく、その含量は
本発明のエッチング剤に対して0.0001〜1重量%
であることが好ましい。
実験的に求めておけば、極大値、極小値を与えるフッ化
水素よりも酸解離定数の大きな酸の添加量xを容易に得
ることができる。
が薬液中に溶解して生じたカチオンの溶解性は、フッ化
水素よりも酸解離定数の大きな酸の添加量xがx>x1
の範囲内であることが好ましく、x2−(x2−x1)
/2<xの範囲内であることがより好ましい。
じることなく、初期と同等の透明度を維持した均一エッ
チングを可能とせしめるには、フッ化水素よりも酸解離
定数の大きな酸の添加量xは、x2−(x2−x1)/
2<x<x2+(x2−x1)/2の範囲内であること
が好ましい。
ッチング液は、フッ化水素酸、フッ化アンモニウム、フ
ッ化水素酸よりも酸解離定数が大きい酸を必須成分と
し、界面活性剤を任意に含有することができるが、その
他の化合物も本発明を阻害しない範囲内において含有す
ることが可能である。
用のエッチング液中に含まられる金属成分は、特に限定
されるものではないが、ガラス基板由来成分の溶解性の
向上並びに被エッチング面を荒さない等の点において、
その濃度が1[ppb]以下であることが好ましく、
0.5[ppb]以下であることがより好ましく、0.
01[ppb]以下であることがさらに好ましい。
分としていれば含有される金属成分は特に限定されるも
のではないが、Al、Ba、Ca、Mg、Sb、Sr、
Zrのいずれか1種以上を含有するものに対し本発明は
特に効果的である。
プレィ用のガラス基板が対象として好適である。
g以下であることが好ましい。
〜11mol/kgであることが好ましい。
の含有量xとしては、ガラス基板のエッチングを行う液
温で結晶が析出しない最大添加量x3を有し、x<x3
[mol/kg]の範囲であることが好ましい。また、
該薬液の結晶析出温度は20℃以下であることが調液段
階での析出を防止する上から好ましい。
体的に説明するが、本発明はこれらにより制限されるも
のではない。
塩酸混酸BHFを調整した。調液した塩酸混酸BHFの
組成と特徴は下表1の通りである。
LCD(液晶ディスプレイ)用ガラス基板をEDX(エ
ネルギ−分散型X線分析装置)にて成分分析した結果を
表2に示します。
/kg]−HF/3[mol/kg]−NH4F組成の
BHFについて塩酸添加量x[mol/kg]としたと
き(以下、1/3/x系と記す場合がある。)、薬液温
度が23℃での熱シリコン酸化膜に対するエッチレート
f(x)の塩酸添加量x[mol/kg]への依存性を
図1に示す。
ぞれ熱シリコン酸化膜に対するエッチレートf(x)が
極大値を示す酸添加量、極小値を示す酸添加量、結晶析
出がない酸添加最大量をそれぞれ表しています。
量に対して、薬液量を大過剰とすることで基板中のカチ
オンが薬液中で完全に溶解した均一組成の薬液につい
て、エッチング量とガラス基板由来のカチオンの溶出量
との関係を調べた。薬液中のガラス基板由来のカチオン
の溶出量は、ICP―MS(誘導結合高周波数プラズマ
質量分析装置:横河ヒュウレットパッカード社製HP−
4500)を用いて行った。
分について測定した結果を図2にしめす。
して薬液中のAl成分の量が増加していることからAl
成分がガラス基板中で均一に存在していることが分かり
ます。また、このガラス基板を種種の組成の薬液でエッ
チングした場合、エッチング量に対して、薬液中へ溶出
したAl成分の量がこの一次直線の値より小さくなる場
合は、ガラス基板中からAl成分がエッチングされなか
った、あるいはエッチングにより溶出した後、用いた薬
液に対する溶解性が低いAl成分の塩(例えばフッ化
物)の結晶を生成し、析出したことを示している。すな
わち、種々の組成の薬液を用いて、ガラス基板中の各カ
チオンについて同様の測定を行うことで、該カチオンの
該薬液に対する溶解性を評価できる。
3.0[mol/kg]−NH4F組成のBHFについ
て塩酸添加量xに対して、ガラス基板をエッチングした
場合のエッチング量と薬液中に溶出したガラス基板由来
のカチオン成分の量との関係を調べた結果をガラス基板
中に含まれる主なカチオン成分として、図3にBa、図
4にCa、図5にSr、について示します。
0[mol/kg]−HF/3.0[mol/kg]−
NH4F組成のBHFについて塩酸添加量xに対して、
x1でガラス基板中に含まれる主なカチオン成分として
Al、Ba、Ca、Srの該薬液中への溶解性が増加す
ることがわかります。さらに、1[mol/kg]−H
F/3[mol/kg]−NH4F組成のBHFにおい
て、HClの添加量xとし、熱シリコン酸化膜に対する
液温23℃でのエッチレートf(x)が極大値を示すx
=x1[mol/kg]はx1=2[mol/kg]、
エッチレートf(x)が極小値を示すx=x2[mol
/kg]はx2=4(mol/kg)となり、x≧x2
−(x2−x1)/2={4−(4−2)/2}すなわ
ちx≧3より添加量xの薬液ではガラス基板中に含まれ
る主なカチオン成分の薬液中への溶解性がより優れるこ
とがわかります。なお、ガラス基板の主成分である珪素
(Si)・珪酸(SiO2)の溶解性については、該薬
液は極めて良好である。
に関して、フッ化物としての水に対する溶解度は塩化物
等の他のハロゲン化塩と比較して溶解度が低いことが知
られている。つまり、F以外のハロゲン種を導入するこ
とによりフッ化塩の―部でも他のハロゲン塩に置換でき
ればガラス基板洗浄液の基板中に存在するカチオンに起
因した難溶性の結晶(フッ化塩)の析出が減少すること
が期待できる。
Cl−イオンが添加されることになる。このH+イオン
の添加により薬液中の解離平衡反応が制御されることに
よる薬液中のF−イオン濃度の低下とCl−イオンの添
加により、ガラス基板に含有されるカチオン成分が溶出
後、F化物よりも溶解性の高いCl化物を生成するため
基板中に存在するカチオンに起因した結晶の析出が減少
する。
場合には、HFに対する塩酸の比率(Cl/F比率)が
大きい程、溶解性に優れることが分かった。
成について調べた結果、HClの添加量xとし、薬液の
熱シリコン酸化膜に対する液温23℃でのエッチレート
f(x)が極大値を示すx=x1[mol/kg]とエ
ッチレートf(x)が極小値を示すx=x2(mol/
kg)としたとき、x≧{x2−(x2−x1)/2}
で、xの増加にともないガラス基板中に含まれるカチオ
ンの溶解性が増加することを明らかとした。
イクロラフネスの評価について開示する。
[mol/kg]−NH4F組成のBHFについて塩酸
添加量xに対して、ガラス基板を25μm、50μm、
100μmエッチングした後の基板表面のマイクロラフ
ネスを、Ra値を測定することで調べた結果を表3に示
します。マイクロラフネス(Ra値)の測定は、α−ス
テップ250(TENCOR社製)を用いて行った。
/3.0[mol/kg]−NH4F組成のBHFにつ
いては、塩酸添加量xが、3<x<5で基板表面のマイ
クロラフネスの増加が抑制されていることが分かりま
す。つまり、1[mol/kg]−HF/3[mol/
kg]−NH4F組成のBHFにおいて、HClの添加
量xとした場合、熱シリコン酸化膜に対する液温23℃
でのエッチレートf(x)が極大値を示すx=x1[m
ol/kg]はx1=2[mol/kg]、エッチレー
トf(x)が極小値を示すx=x2(mol/kg)は
x2=4(mol/kg)となり、 x>=x2−(x2−x1)/2={4−(4−2)/
2}=3(すなわちx>3)かつ、 x<=x2+(x2−x1)/2={4+(4−2)/
2}=5(すなわちx<5) すなわち、3<x<5で、ガラス基板表面のマイクロラ
フネスの増加を抑制できることがわかります。これは、
酸添加が少ないと溶解性の不足から結晶が析出し、被エ
ッチング面の表面に結晶が付着する等の原因でエッチン
グ量の増大にともない荒れやすくなるため等のためであ
る。なお、1.0[mol/kg]−HF/3.0[m
ol/kg]−NH4F/4.0[mol/kg]−H
Cl組成のHClをHNO3及びH2SO4に変えた薬
液について評価した結果は、HClの場合と同等の性能
が確認された。
成について、前項と同様にしてエッチング後のガラス基
板表面の表面マイクロラフネス(Ra値)を調べた結
果、HClの添加量xとし、薬液の熱シリコン酸化膜に
対する液温23℃でのエッチレートf(x)が極大値を
示すx=x1[mol/kg]とエッチレートf(x)
が極小値を示すx=x2(mol/kg)としたとき、
x2−(x2−x1)/2 <x< x2+(x2−x
1)/2 で基板表面のマイクロラフネスの増加が抑制
されることを明らかとした。なお、1.0[mol/k
g]−HF/3.0[mol/kg]−NH4F/4.
0[mol/kg]−HCl組成のHClをHNO3及
びH2SO4に変えた薬液について評価した結果は、H
Clの場合と同等の性能が確認された。
解性の向上およびエッチング後のガラス基板表面のマイ
クロラフネス増加の抑制の両点から、BHFにHClを
添加した薬液については、フラットパネルディスプレイ
用の多成分を有するガラス基板自体を結晶の析出及び表
面あれを生じさせることなく均一に加工する事が出来
き、HClの添加量をxとし、薬液の熱シリコン酸化膜
に対する液温23℃でのエッチレートf(x)が極大値
を示すx=x1 [mol/kg]とエッチレートf
(x)が極小値を示すx=x2 (mol/kg)とし
たとき、 x2−(x2−x1)/2 <x< x2+(x2−x
1)/2 の範囲でHClを添加することでより均一に加工する事
が出来きることが分かった。
有機ELなどのフラットパネルディスプレイ用のガラス
基板自体を結晶の析出及び表面あれを生じさせることな
く加工する事が出来る。
液としても用いることができる。すなわち、ガラスのエ
ッチングを行った後の液中にはガラス中のカチオンと反
応したフッ化反応物が含まれている。フッ化反応物を除
去し液をろ過するためにフィルタ等を通過させるが、使
用を重ねるにつれ、やがてフィルタは目詰まりを起こ
す。そこで、フィルタを本発明のエッチング液により洗
浄すれば目詰まりの原因であるフッ化反応物をフィルタ
ーから除去することができ、フィルターの再生が可能と
なる。
ては多成分を有するガラス基板表面が表面荒れを生じる
ことなく均一にエッチングされるので、エッチング後の
表面を観察することにより、凹凸が生じていればガラス
基板中のその箇所に、気泡等も含めた某かの欠陥を生じ
ていたことが分かる。従って、このガラス基板を均一に
エッチングできる薬液にてエッチングを行うことでガラ
ス基板の欠陥検出が可能となる。
量と熱酸化膜のエッチングレートとの関係を示すグラフ
である。
した図である。
した図である。
した図である。
した図である。
Claims (11)
- 【請求項1】 フッ化水素酸およびフッ化アンモニウム
を含有するとともに、フッ化水素酸よりも酸解離定数が
大きい酸を少なくとも一種以上含有することを特徴とす
る多成分を有するガラス基板用の均一組成を有する微細
加工表面処理液。 - 【請求項2】 フッ化水素酸およびフッ化アンモニウム
を含有するとともに、フッ化水素酸よりも酸解離定数が
大きい酸を少なくとも一種以上含有する溶液であり、該
フッ化水素酸よりも酸解離定数が大きい酸の含有量をx
[mol/kg]、熱シリコン酸化膜に対するエッチレ
ートをf(x) [Å/min]とした場合に、該溶液
は、x=x1おいて極大値f(x1)を有し、x>x1
の範囲で該フッ化水素酸よりも酸解離定数が大きい酸の
含有することを特徴とする多成分を有するガラス基板用
の均一組成を有する微細加工表面処理液。 - 【請求項3】 フッ化水素酸およびフッ化アンモニウム
を含有するとともに、フッ化水素酸よりも酸解離定数が
大きい酸を少なくとも一種以上含有する溶液であり、該
フッ化水素酸よりも酸解離定数が大きい酸の含有量をx
[mol/kg]、熱シリコン酸化膜に対するエッチレ
ートをf(x)[Å/min]とした場合に、該溶液
は、x=x1において極大値f(x1)、x=x2(た
だしx1<x2)において極小値f(x2)を有し、x
2−(x2−x1)/2<x<x 2+(x2−x1)/
2の範囲で該フッ化水素酸よりも酸解離定数が大きい酸
を含有することを特徴とする多成分を有するガラス基板
用の均一組成を有する微細加工表面処理液。 - 【請求項4】 フッ化水素酸よりも酸解離定数が大きい
酸が無機酸であり、一価あるいは多価の酸であることを
特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項記載の多成
分を有するガラス基板用の均一組成を有する微細加工表
面処理液。 - 【請求項5】 フッ化水素酸よりも酸解離定数が大きい
酸が、HCl、HBr、HNO3、H2SO4のいずれ
か1種以上であることを特徴とする請求項1ないし4の
いずれか1項記載の多成分を有するガラス基板用の均一
組成を有する微細加工表面処理液。 - 【請求項6】 界面活性剤を重量%で0.0001〜1
%含むことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1
項記載の多成分を有するガラス基板用の均一組成を有す
る微細加工表面処理液。 - 【請求項7】 多成分を有するガラス基板は、珪酸を主
成分とし、さらに、Al、Ba、Ca、Mg、Sb、S
r、Zrのいずれか1種以上を含有することを特徴とす
る請求項1ないし6のいずれか1項記載の多成分を有す
るガラス基板用の均一組成を有する微細加工表面処理
液。 - 【請求項8】 前記ガラス基板は、フラットパネルディ
スプレイ用のガラス基板であることを特徴とする請求項
1ないし7のいずれか1項記載の多成分を有するガラス
基板用の均一組成を有する微細加工表面処理液。 - 【請求項9】 フッ化水素酸の含有量は、25mol/
kg以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれ
か1項記載の多成分を有するガラス基板用の均一組成を
有する微細加工表面処理液。 - 【請求項10】 フッ化アンモニウムの含有量は0.0
01〜11mol/kgであることを特徴とする請求項
1ないし9のいずれか1項記載の多成分を有するガラス
基板用の均一組成を有する微細加工表面処理液。 - 【請求項11】 フッ化水素酸よりも酸解離定数が大き
い酸の添加量xが、ガラス基板のエッチングを行う液温
で結晶が析出しない最大添加量x3を有し、x<x
3[mol/kg]の範囲であることを特徴とする請求
項1ないし10のいずれか1項記載の多成分を有するガ
ラス基板用の均一組成を有する微細加工表面処理液。
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