JP2003051643A - 半導体レーザ装置 - Google Patents
半導体レーザ装置Info
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- JP2003051643A JP2003051643A JP2001236880A JP2001236880A JP2003051643A JP 2003051643 A JP2003051643 A JP 2003051643A JP 2001236880 A JP2001236880 A JP 2001236880A JP 2001236880 A JP2001236880 A JP 2001236880A JP 2003051643 A JP2003051643 A JP 2003051643A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 シリコン酸化膜などの誘電体からなる電流ブ
ロック層を備え、信頼性が高い半導体レーザ装置を提供
する。 【解決手段】 活性層105と、活性層105を挟むよ
うに配置された第1の導電型の第1のクラッド層103
および第2の導電型の第2のクラッド層107と、第2
のクラッド層107に対して活性層105とは反対側に
配置された電流ブロック層111とを備える。電流ブロ
ック層111は、第2のクラッド層107よりも屈折率
が小さい誘電体からなる。活性層105に平行な面に対
する装置の投影面積に占める、活性層105に平行な面
に対する電流ブロック層111の投影面積の割合が50
%以下である。
ロック層を備え、信頼性が高い半導体レーザ装置を提供
する。 【解決手段】 活性層105と、活性層105を挟むよ
うに配置された第1の導電型の第1のクラッド層103
および第2の導電型の第2のクラッド層107と、第2
のクラッド層107に対して活性層105とは反対側に
配置された電流ブロック層111とを備える。電流ブロ
ック層111は、第2のクラッド層107よりも屈折率
が小さい誘電体からなる。活性層105に平行な面に対
する装置の投影面積に占める、活性層105に平行な面
に対する電流ブロック層111の投影面積の割合が50
%以下である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスクシステ
ムの光源などに用いられるリッジ型誘電体膜ストライプ
構造を有する半導体レーザ装置に関する。
ムの光源などに用いられるリッジ型誘電体膜ストライプ
構造を有する半導体レーザ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体レーザは、さまざまな分野で用い
られており、現在、コストの低減が求められている。製
造コストの約半分はMOCVDプロセスで占められてお
り、製造コストの低減には、MOCVDプロセスの回数
を低減することが特に重要である。
られており、現在、コストの低減が求められている。製
造コストの約半分はMOCVDプロセスで占められてお
り、製造コストの低減には、MOCVDプロセスの回数
を低減することが特に重要である。
【0003】一般的な従来の半導体レーザ装置の一例と
して、埋め込みリッジ型ストライプ構造の一例の断面図
を図7(ハッチングは省略する)に示す。図7の半導体
レーザ装置を製造する場合には、まず、第1の導電型の
基板701上に、バッファ層702、第1の導電型のク
ラッド層703、ガイド層704、活性層705、ガイ
ド層706、第2の導電型のクラッド層707、ヘテロ
バッファ層708、およびキャップ層709をMOCV
D法を用いてエピタキシャル成長させる。次に、クラッ
ド層707をエッチングすることによってリッジを形成
し、MOCVD法を用いて、第1の導電型の電流ブロッ
ク層710と第2の導電型のコンタクト層711を成長
させる。最後に、電極712および713を形成する。
この構造の半導体レーザを製造する際には、MOCVD
プロセスを3回用いるため、コストの低減が困難であ
る。
して、埋め込みリッジ型ストライプ構造の一例の断面図
を図7(ハッチングは省略する)に示す。図7の半導体
レーザ装置を製造する場合には、まず、第1の導電型の
基板701上に、バッファ層702、第1の導電型のク
ラッド層703、ガイド層704、活性層705、ガイ
ド層706、第2の導電型のクラッド層707、ヘテロ
バッファ層708、およびキャップ層709をMOCV
D法を用いてエピタキシャル成長させる。次に、クラッ
ド層707をエッチングすることによってリッジを形成
し、MOCVD法を用いて、第1の導電型の電流ブロッ
ク層710と第2の導電型のコンタクト層711を成長
させる。最後に、電極712および713を形成する。
この構造の半導体レーザを製造する際には、MOCVD
プロセスを3回用いるため、コストの低減が困難であ
る。
【0004】次に、一般的なリッジ型酸化膜ストライプ
構造の半導体レーザ装置について、一例の断面図を図8
(ハッチングは省略する)に示す。この半導体レーザ装
置を製造する場合には、まず、第1の導電型の基板上8
01に、バッファ層802、第1の導電型のクラッド層
803、ガイド層804、活性層805、ガイド層80
6、第2の導電型のクラッド層807、ヘテロバッファ
層808、およびキャップ層809を、MOCVD法を
用いてエピタキシャル成長させる。次に、クラッド層8
07をエッチングすることによってリッジを形成し、そ
の両サイドに酸化シリコンからなる電流ブロック層81
0を設ける。最後に、電極812および813を形成す
る。このように、リッジ型酸化膜ストライプ構造は1回
のMOCVDプロセスで形成できるため、さらなるコス
トの低減が可能である。
構造の半導体レーザ装置について、一例の断面図を図8
(ハッチングは省略する)に示す。この半導体レーザ装
置を製造する場合には、まず、第1の導電型の基板上8
01に、バッファ層802、第1の導電型のクラッド層
803、ガイド層804、活性層805、ガイド層80
6、第2の導電型のクラッド層807、ヘテロバッファ
層808、およびキャップ層809を、MOCVD法を
用いてエピタキシャル成長させる。次に、クラッド層8
07をエッチングすることによってリッジを形成し、そ
の両サイドに酸化シリコンからなる電流ブロック層81
0を設ける。最後に、電極812および813を形成す
る。このように、リッジ型酸化膜ストライプ構造は1回
のMOCVDプロセスで形成できるため、さらなるコス
トの低減が可能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、リッジ
型酸化膜ストライプ構造では、電流ブロック層に熱伝導
率が低いSiO2(熱伝導率が1.4(W/m・K))
を用いている。これは、埋め込みリッジ型ストライプ構
造で電流ブロック層に一般的に用いられる材料であるA
l0.7Ga0.3Asまたは(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5
P(熱伝導率がそれぞれ11.1(W/m・K)、6.
7(W/m・K))と比較すると熱伝導率がかなり低
い。このため、クラッド層と活性層との間で発生する熱
をヒートシンクである電極813へ効率よく逃がすこと
ができない。半導体レーザ素子の放熱性が低いと、高温
での信頼性が著しく低下する。
型酸化膜ストライプ構造では、電流ブロック層に熱伝導
率が低いSiO2(熱伝導率が1.4(W/m・K))
を用いている。これは、埋め込みリッジ型ストライプ構
造で電流ブロック層に一般的に用いられる材料であるA
l0.7Ga0.3Asまたは(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5
P(熱伝導率がそれぞれ11.1(W/m・K)、6.
7(W/m・K))と比較すると熱伝導率がかなり低
い。このため、クラッド層と活性層との間で発生する熱
をヒートシンクである電極813へ効率よく逃がすこと
ができない。半導体レーザ素子の放熱性が低いと、高温
での信頼性が著しく低下する。
【0006】上記問題を解決するため、本発明は、シリ
コン酸化膜などの誘電体からなる電流ブロック層を備
え、信頼性が高い半導体レーザ装置を提供することを目
的とする。
コン酸化膜などの誘電体からなる電流ブロック層を備
え、信頼性が高い半導体レーザ装置を提供することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決する手段】上記目的を達成するため、本発
明の半導体レーザ装置は、活性層と、前記活性層を挟む
ように配置された第1の導電型の第1のクラッド層およ
び第2の導電型の第2のクラッド層と、前記第2のクラ
ッド層に対して前記活性層とは反対側に配置された電流
ブロック層とを備える半導体レーザ装置であって、前記
電流ブロック層が、前記第2のクラッド層よりも屈折率
が小さい誘電体からなり、前記活性層に平行な面に対す
る前記電流ブロック層の投影面積が前記活性層に平行な
面に対する装置の投影面積に占める割合が50%以下で
あることを特徴とする。この半導体レーザ装置では、ク
ラッド層と活性層との間で発生した熱が速やかに放熱さ
れるため、信頼性が高い半導体レーザ装置が得られる。
なお、この明細書において、第1の導電型および第2の
導電型は、それぞれ異なる導電型を意味する。具体的に
は、第1の導電型/第2の導電型の組み合わせとして、
p型/n型またはn型/p型が挙げられる。
明の半導体レーザ装置は、活性層と、前記活性層を挟む
ように配置された第1の導電型の第1のクラッド層およ
び第2の導電型の第2のクラッド層と、前記第2のクラ
ッド層に対して前記活性層とは反対側に配置された電流
ブロック層とを備える半導体レーザ装置であって、前記
電流ブロック層が、前記第2のクラッド層よりも屈折率
が小さい誘電体からなり、前記活性層に平行な面に対す
る前記電流ブロック層の投影面積が前記活性層に平行な
面に対する装置の投影面積に占める割合が50%以下で
あることを特徴とする。この半導体レーザ装置では、ク
ラッド層と活性層との間で発生した熱が速やかに放熱さ
れるため、信頼性が高い半導体レーザ装置が得られる。
なお、この明細書において、第1の導電型および第2の
導電型は、それぞれ異なる導電型を意味する。具体的に
は、第1の導電型/第2の導電型の組み合わせとして、
p型/n型またはn型/p型が挙げられる。
【0008】上記本発明の半導体レーザ装置では、前記
電流ブロック層が、SiO2またはSiNからなるもの
でもよい。
電流ブロック層が、SiO2またはSiNからなるもの
でもよい。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
て説明する。
【0010】本発明の半導体レーザ装置は、活性層と、
前記活性層を挟むように配置された第1の導電型の第1
のクラッド層および第2の導電型の第2のクラッド層
と、第2のクラッド層に対して活性層とは反対側に配置
された電流ブロック層とを備える。なお、第1のクラッ
ド層と活性層との間、および第2のクラッド層と活性層
との間には、ガイド層などが配置されていてもよい。
前記活性層を挟むように配置された第1の導電型の第1
のクラッド層および第2の導電型の第2のクラッド層
と、第2のクラッド層に対して活性層とは反対側に配置
された電流ブロック層とを備える。なお、第1のクラッ
ド層と活性層との間、および第2のクラッド層と活性層
との間には、ガイド層などが配置されていてもよい。
【0011】上記電流ブロック層は、第2のクラッド層
よりも屈折率が小さい誘電体からなる。これによって、
レーザの横モードの制御を行うことができる。
よりも屈折率が小さい誘電体からなる。これによって、
レーザの横モードの制御を行うことができる。
【0012】本発明の半導体レーザ装置では、活性層に
平行な面に対する電流ブロック層の投影面積が活性層に
平行な面に対する装置の投影面積に占める割合が、50
%以下(好ましくは、40%以下)である。
平行な面に対する電流ブロック層の投影面積が活性層に
平行な面に対する装置の投影面積に占める割合が、50
%以下(好ましくは、40%以下)である。
【0013】上記電流ブロック層は、誘電体からなり、
たとえばSiO2やSiNからなる。
たとえばSiO2やSiNからなる。
【0014】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に
説明する。この実施例ではAlGaInP系赤色レーザ
装置について説明する。なお、本発明はこの実施例で説
明する半導体レーザ装置に限定されず、他の半導体レー
ザ装置、たとえばAlGaAs系赤外レーザやAlGa
N系青色レーザにも適用できる。
説明する。この実施例ではAlGaInP系赤色レーザ
装置について説明する。なお、本発明はこの実施例で説
明する半導体レーザ装置に限定されず、他の半導体レー
ザ装置、たとえばAlGaAs系赤外レーザやAlGa
N系青色レーザにも適用できる。
【0015】本実施例のAlGaInP系の半導体レー
ザ装置100について、断面図を図1に示す(一部のハ
ッチングを省略する。以下の図面においても同様であ
る。)。図1を参照して、半導体レーザ装置100は、
Siドープのn型GaAsからなる基板101と、基板
101上に順に積層されたSiドープのn型GaAsか
らなるバッファ層102(Si濃度:n=2×1018c
m-3、膜厚:t=0.5μm)、Siドープのn型(A
l0.7Ga0.3)0.5In0.5Pからなる第1のクラッド層
103(n=1×1018cm-3、t=1.5μm)、ノ
ンドープの(Al 0.5Ga0.5)0.5In0.5Pからなる光
ガイド層104(t=25nm)、活性層105、ノン
ドープ(Al0.5Ga0.5)0.5In0.5Pからなる光ガイ
ド層106(t=25nm)、Znドープのp型(Al
0.7Ga0.3)0.5In0.5Pからなる第2のクラッド層1
07(Zn濃度:p=1×1018cm-3、t=0.9μ
m)、Znドープのp型Ga0.5In0.5Pからなるバッ
ファ層108(p=1×10 18cm-3、t=50n
m)、Znドープのp型GaAsからなるキャップ層1
09(p=1×1019cm-3、t=200nm)、およ
び、酸化シリコンからなる電流ブロック層111(t=
300nm)を備える。積層された各層の一部、具体的
には電流ブロック層111の外側の領域には、高抵抗領
域110(図1中ハッチングで示す)が形成されてい
る。活性層105は、ノンドープの(Al0.5Ga0.5)
0.5In0.5Pウェル(t=5nm、:3層)と、ノンド
ープGa0.5In0.5Pウェル(t=6nm:4層)とが
交互に積層された多重量子井戸構造を有する。半導体レ
ーザ装置100は、さらに、基板101の裏面側に形成
されたn側電極112と、キャップ層109、高抵抗領
域110および電流ブロック層111を覆うように形成
されたp側電極113とを備える。このように、半導体
レーザ装置100は、リッジ型酸化膜ストライプ構造を
有する。
ザ装置100について、断面図を図1に示す(一部のハ
ッチングを省略する。以下の図面においても同様であ
る。)。図1を参照して、半導体レーザ装置100は、
Siドープのn型GaAsからなる基板101と、基板
101上に順に積層されたSiドープのn型GaAsか
らなるバッファ層102(Si濃度:n=2×1018c
m-3、膜厚:t=0.5μm)、Siドープのn型(A
l0.7Ga0.3)0.5In0.5Pからなる第1のクラッド層
103(n=1×1018cm-3、t=1.5μm)、ノ
ンドープの(Al 0.5Ga0.5)0.5In0.5Pからなる光
ガイド層104(t=25nm)、活性層105、ノン
ドープ(Al0.5Ga0.5)0.5In0.5Pからなる光ガイ
ド層106(t=25nm)、Znドープのp型(Al
0.7Ga0.3)0.5In0.5Pからなる第2のクラッド層1
07(Zn濃度:p=1×1018cm-3、t=0.9μ
m)、Znドープのp型Ga0.5In0.5Pからなるバッ
ファ層108(p=1×10 18cm-3、t=50n
m)、Znドープのp型GaAsからなるキャップ層1
09(p=1×1019cm-3、t=200nm)、およ
び、酸化シリコンからなる電流ブロック層111(t=
300nm)を備える。積層された各層の一部、具体的
には電流ブロック層111の外側の領域には、高抵抗領
域110(図1中ハッチングで示す)が形成されてい
る。活性層105は、ノンドープの(Al0.5Ga0.5)
0.5In0.5Pウェル(t=5nm、:3層)と、ノンド
ープGa0.5In0.5Pウェル(t=6nm:4層)とが
交互に積層された多重量子井戸構造を有する。半導体レ
ーザ装置100は、さらに、基板101の裏面側に形成
されたn側電極112と、キャップ層109、高抵抗領
域110および電流ブロック層111を覆うように形成
されたp側電極113とを備える。このように、半導体
レーザ装置100は、リッジ型酸化膜ストライプ構造を
有する。
【0016】以上説明したように、半導体レーザ装置1
00は、活性層105と、活性層105を挟むように配
置された第1の導電型(本実施例ではn型)の第1のク
ラッド層103および第2の導電型(本実施例ではp
型)の第2のクラッド層107と、第2のクラッド層1
07に対して活性層105とは反対側に配置された電流
ブロック層111とを備える。そして、電流ブロック層
111の屈折率は、第2のクラッド層107の屈折率よ
りも小さい。
00は、活性層105と、活性層105を挟むように配
置された第1の導電型(本実施例ではn型)の第1のク
ラッド層103および第2の導電型(本実施例ではp
型)の第2のクラッド層107と、第2のクラッド層1
07に対して活性層105とは反対側に配置された電流
ブロック層111とを備える。そして、電流ブロック層
111の屈折率は、第2のクラッド層107の屈折率よ
りも小さい。
【0017】以下に、半導体レーザ装置100の製造方
法について一例を説明する。半導体レーザ装置100の
製造工程を図2および図3に示す。以下の製造工程で
は、MOCVD法を用いて結晶成長を行うことができ
る。また、MOCVD法において、AlGaInP、A
lInP、GaInP、GaAsを結晶成長させる際に
は、原料ガスとしてトリメチルガリウム(TMG)、ト
リメチルアルミニウム(TMAl)、トリメチルインジ
ウム(TMIn)、ホスフィン(PH3)、アルシン
(AsH3)を用いた。p型またはn型のドーピングを
行う際には、それぞれ、ジエチル亜鉛(DEZn)、シ
ラン(SiH4)を用いることができる。基板を加熱す
るための熱源としては、抵抗加熱式ヒータを用いること
ができる。結晶成長温度はたとえば660℃であり、成
長雰囲気の圧力はたとえば4655Pa(35Tor
r)である。また、結晶成長速度はたとえば2μm/h
である。
法について一例を説明する。半導体レーザ装置100の
製造工程を図2および図3に示す。以下の製造工程で
は、MOCVD法を用いて結晶成長を行うことができ
る。また、MOCVD法において、AlGaInP、A
lInP、GaInP、GaAsを結晶成長させる際に
は、原料ガスとしてトリメチルガリウム(TMG)、ト
リメチルアルミニウム(TMAl)、トリメチルインジ
ウム(TMIn)、ホスフィン(PH3)、アルシン
(AsH3)を用いた。p型またはn型のドーピングを
行う際には、それぞれ、ジエチル亜鉛(DEZn)、シ
ラン(SiH4)を用いることができる。基板を加熱す
るための熱源としては、抵抗加熱式ヒータを用いること
ができる。結晶成長温度はたとえば660℃であり、成
長雰囲気の圧力はたとえば4655Pa(35Tor
r)である。また、結晶成長速度はたとえば2μm/h
である。
【0018】まず、基板101をMOCVD反応炉に設
置し、バッファ層102、第1のクラッド層103、光
ガイド層104、活性層105、光ガイド層106、第
2のクラッド層107、バッファ層108、およびキャ
ップ層109を、基板101上に順次結晶成長させる
(図2(a)参照)。
置し、バッファ層102、第1のクラッド層103、光
ガイド層104、活性層105、光ガイド層106、第
2のクラッド層107、バッファ層108、およびキャ
ップ層109を、基板101上に順次結晶成長させる
(図2(a)参照)。
【0019】次に、基板をMOCVD反応炉から取り出
した後、大気圧熱CVD法(基板温度:370℃)を用
いて酸化シリコン膜を0.3μm堆積させる。次に、こ
の酸化シリコン膜の一部をフォトリソグラフィーとドラ
イエッチング技術によって除去し、幅2μmのストライ
プ状の酸化シリコン膜201を形成する(図2(a)参
照)。
した後、大気圧熱CVD法(基板温度:370℃)を用
いて酸化シリコン膜を0.3μm堆積させる。次に、こ
の酸化シリコン膜の一部をフォトリソグラフィーとドラ
イエッチング技術によって除去し、幅2μmのストライ
プ状の酸化シリコン膜201を形成する(図2(a)参
照)。
【0020】次に、酸化シリコン膜201をマスクとし
て、硫酸系エッチャントを用いてキャップ層109を選
択的にエッチングし、塩酸系エッチャントを用いてバッ
ファ層108を選択的にエッチングし、硫酸系または塩
酸系エッチング液を用いて第2のクラッド層107を選
択的にエッチングする。このようにして、図2(b)に
示すようなメサ構造を形成する。
て、硫酸系エッチャントを用いてキャップ層109を選
択的にエッチングし、塩酸系エッチャントを用いてバッ
ファ層108を選択的にエッチングし、硫酸系または塩
酸系エッチング液を用いて第2のクラッド層107を選
択的にエッチングする。このようにして、図2(b)に
示すようなメサ構造を形成する。
【0021】次に、酸化シリコン膜201を弗酸系エッ
チャントを用いて全面除去し、その後、図3(c)に示
すように、ストライプ状のキャップ層109を中心に両
側10μmをレジスト膜202で被覆する。その後、レ
ジスト膜202が形成されていない部分をイオン注入な
どによって高抵抗化し、図3(c)に示すように高抵抗
領域110(図3中ハッチングで示す)を形成する。
チャントを用いて全面除去し、その後、図3(c)に示
すように、ストライプ状のキャップ層109を中心に両
側10μmをレジスト膜202で被覆する。その後、レ
ジスト膜202が形成されていない部分をイオン注入な
どによって高抵抗化し、図3(c)に示すように高抵抗
領域110(図3中ハッチングで示す)を形成する。
【0022】次に、レジスト膜202を除去したのち、
大気圧熱CVD法を用いて酸化シリコンからなる電流ブ
ロック層111(t=300nm)を堆積させる。その
後、フォトリソグラフィーとウエットエッチング技術に
よって、電流ブロック層111のうち、キャップ層10
9の上部および高抵抗領域110の上部(ストライプ状
のキャップ層109を中心に両側15μmよりも外側)
に位置する部分を除去する。最後に、基板101の裏面
にAuとGeとNiとからなるn側電極112を形成
し、キャップ層109と高抵抗領域110と電流ブロッ
ク層111とを覆うようにCr/Au/Ptからなるp
側電極113を形成する。このようにして、図3(d)
に示すように、半導体レーザ装置100を形成できる。
大気圧熱CVD法を用いて酸化シリコンからなる電流ブ
ロック層111(t=300nm)を堆積させる。その
後、フォトリソグラフィーとウエットエッチング技術に
よって、電流ブロック層111のうち、キャップ層10
9の上部および高抵抗領域110の上部(ストライプ状
のキャップ層109を中心に両側15μmよりも外側)
に位置する部分を除去する。最後に、基板101の裏面
にAuとGeとNiとからなるn側電極112を形成
し、キャップ層109と高抵抗領域110と電流ブロッ
ク層111とを覆うようにCr/Au/Ptからなるp
側電極113を形成する。このようにして、図3(d)
に示すように、半導体レーザ装置100を形成できる。
【0023】以下に、本発明の半導体レーザ装置におい
て、活性層に平行な面に対する装置の投影面積に占め
る、活性層に平行な面に対する電流ブロック層の投影面
積の割合について説明する。
て、活性層に平行な面に対する装置の投影面積に占め
る、活性層に平行な面に対する電流ブロック層の投影面
積の割合について説明する。
【0024】半導体レーザ装置の信頼性を向上させるた
めには、クラッド層と活性層との間の発熱を効率よくヒ
ートシンクであるp側電極113に逃がすことが必要で
ある。本発明では、熱伝導率が低い電流ブロック層11
1の装置全体に占める面積を低減することで放熱性を高
めている。ストライプ近傍の電流ブロック層111は、
レーザの横モードの安定化と電流ブロックとを行ってい
るために除去することはできない。しかし、それ以外の
領域については、電流ブロック層111以外の部分で電
流をブロックできれば、電流ブロック層111を除去す
ることが可能である。たとえば、ストライプから離れた
部分の電流ブロック層111を除去し、図1に示すよう
に高抵抗領域110をイオン注入などによって作製すれ
ばよい。この構造によって、電流ブロック層111が除
去された領域(高抵抗領域110の上方)では、熱伝導
率が低い電流ブロック層111を介さずにヒートシンク
(p側電極113)に熱を逃がすことができる。
めには、クラッド層と活性層との間の発熱を効率よくヒ
ートシンクであるp側電極113に逃がすことが必要で
ある。本発明では、熱伝導率が低い電流ブロック層11
1の装置全体に占める面積を低減することで放熱性を高
めている。ストライプ近傍の電流ブロック層111は、
レーザの横モードの安定化と電流ブロックとを行ってい
るために除去することはできない。しかし、それ以外の
領域については、電流ブロック層111以外の部分で電
流をブロックできれば、電流ブロック層111を除去す
ることが可能である。たとえば、ストライプから離れた
部分の電流ブロック層111を除去し、図1に示すよう
に高抵抗領域110をイオン注入などによって作製すれ
ばよい。この構造によって、電流ブロック層111が除
去された領域(高抵抗領域110の上方)では、熱伝導
率が低い電流ブロック層111を介さずにヒートシンク
(p側電極113)に熱を逃がすことができる。
【0025】活性層に平行な面に対する電流ブロック層
の投影面積が、活性層に平行な面に対する装置の投影面
積に占める割合(以下、「装置全体に占める電流ブロッ
ク層の割合」という場合がある)について図4を参照し
て説明する。図4は、p側電極113を形成する前の半
導体レーザ装置100の上面図である。
の投影面積が、活性層に平行な面に対する装置の投影面
積に占める割合(以下、「装置全体に占める電流ブロッ
ク層の割合」という場合がある)について図4を参照し
て説明する。図4は、p側電極113を形成する前の半
導体レーザ装置100の上面図である。
【0026】図4に示す形状であれば、(活性層に平行
な面に対する電流ブロック層の投影面積が、活性層に平
行な面に対する装置の投影面積に占める割合)(%)=
(電流ブロック層111の幅)/(半導体レーザ装置の
横幅)×100となる。
な面に対する電流ブロック層の投影面積が、活性層に平
行な面に対する装置の投影面積に占める割合)(%)=
(電流ブロック層111の幅)/(半導体レーザ装置の
横幅)×100となる。
【0027】装置全体に占める電流ブロック層の割合
と、半導体レーザ装置の熱抵抗との関係を、図5に示
す。図5の縦軸は、埋め込み型半導体レーザ装置の熱抵
抗を1としたときの比を示している。また、横軸は、装
置全体に占める電流ブロック層の割合を示す。図5に示
すように、装置全体に占める電流ブロック層の割合が小
さいほど、半導体レーザ装置の熱抵抗が小さくなった。
と、半導体レーザ装置の熱抵抗との関係を、図5に示
す。図5の縦軸は、埋め込み型半導体レーザ装置の熱抵
抗を1としたときの比を示している。また、横軸は、装
置全体に占める電流ブロック層の割合を示す。図5に示
すように、装置全体に占める電流ブロック層の割合が小
さいほど、半導体レーザ装置の熱抵抗が小さくなった。
【0028】また、装置全体に占める電流ブロック層の
割合と、半導体レーザ装置の寿命との関係を図6に示
す。図6の縦軸は、半導体レーザ装置の寿命を示す。ま
た、横軸は、装置全体に占める電流ブロック層の割合を
示す。寿命は、雰囲気温度70℃、一定光出力7mWの
条件で装置を駆動し、動作電流が初期値の±20%変化
するまでの時間である。図6から、装置全体に占める電
流ブロック層の割合を50%以下とすることによって、
寿命が10000時間に達する信頼性の高い半導体レー
ザ装置が得られることがわかる。これは、半導体レーザ
装置の熱抵抗が小さいためである。
割合と、半導体レーザ装置の寿命との関係を図6に示
す。図6の縦軸は、半導体レーザ装置の寿命を示す。ま
た、横軸は、装置全体に占める電流ブロック層の割合を
示す。寿命は、雰囲気温度70℃、一定光出力7mWの
条件で装置を駆動し、動作電流が初期値の±20%変化
するまでの時間である。図6から、装置全体に占める電
流ブロック層の割合を50%以下とすることによって、
寿命が10000時間に達する信頼性の高い半導体レー
ザ装置が得られることがわかる。これは、半導体レーザ
装置の熱抵抗が小さいためである。
【0029】以上、本発明の実施の形態について例を挙
げて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定され
ず本発明の技術的思想に基づき他の実施形態に適用する
ことができる。
げて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定され
ず本発明の技術的思想に基づき他の実施形態に適用する
ことができる。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による半導
体レーザ装置は、熱伝導率が低い電流ブロック層が装置
全体に占める割合が50%以下であるため、放熱性が高
い。このため、活性層近傍の温度が低下し、信頼性の高
いリッジ型誘電体膜ストライプ構造の半導体レーザ装置
が得られる。また、この半導体レーザ装置は、製造が容
易で歩留まりよく製造できる。
体レーザ装置は、熱伝導率が低い電流ブロック層が装置
全体に占める割合が50%以下であるため、放熱性が高
い。このため、活性層近傍の温度が低下し、信頼性の高
いリッジ型誘電体膜ストライプ構造の半導体レーザ装置
が得られる。また、この半導体レーザ装置は、製造が容
易で歩留まりよく製造できる。
【図1】 本発明の半導体レーザ装置について一例を模
式的に示す断面図である。
式的に示す断面図である。
【図2】 本発明の半導体レーザ装置の製造方法につい
て一例を示す工程断面図である。
て一例を示す工程断面図である。
【図3】 図2の続きを示す工程断面図である。
【図4】 p側電極を形成する前の半導体レーザ装置の
上面図である。
上面図である。
【図5】 装置全体に占める電流ブロック層の割合と、
半導体レーザ装置の熱抵抗との関係を示すグラフであ
る。
半導体レーザ装置の熱抵抗との関係を示すグラフであ
る。
【図6】 装置全体に占める電流ブロック層の割合と、
半導体レーザ装置の寿命との関係を示すグラフである。
半導体レーザ装置の寿命との関係を示すグラフである。
【図7】 従来の半導体装置について一例を模式的に示
す断面図である。
す断面図である。
【図8】 従来の半導体装置について他の一例を模式的
に示す断面図である。
に示す断面図である。
【符号の説明】
100 半導体レーザ装置
101 基板
102 バッファ層
103 第1のクラッド層
104、106 光ガイド層
105 活性層
107 第2のクラッド層
108 バッファ層
109 キャップ層
110 高抵抗領域
111 電流ブロック層
112 n側電極
113 p側電極
201 酸化シリコン膜
202 レジスト膜
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 河田 敏也
大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器
産業株式会社内
(72)発明者 牧田 幸治
大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器
産業株式会社内
(72)発明者 高森 晃
大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器
産業株式会社内
Fターム(参考) 5F073 AA13 AA74 BA06 CA17 CB02
CB06 CB10 DA05 DA22 EA29
Claims (2)
- 【請求項1】 活性層と、前記活性層を挟むように配置
された第1の導電型の第1のクラッド層および第2の導
電型の第2のクラッド層と、前記第2のクラッド層に対
して前記活性層とは反対側に配置された電流ブロック層
とを備える半導体レーザ装置であって、 前記電流ブロック層が、前記第2のクラッド層よりも屈
折率が小さい誘電体からなり、 前記活性層に平行な面に対する前記電流ブロック層の投
影面積が前記活性層に平行な面に対する装置の投影面積
に占める割合が50%以下であることを特徴とする半導
体レーザ装置。 - 【請求項2】 前記電流ブロック層が、SiO2または
SiNからなる請求項1に記載の半導体レーザ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001236880A JP2003051643A (ja) | 2001-08-03 | 2001-08-03 | 半導体レーザ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001236880A JP2003051643A (ja) | 2001-08-03 | 2001-08-03 | 半導体レーザ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003051643A true JP2003051643A (ja) | 2003-02-21 |
Family
ID=19068067
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001236880A Withdrawn JP2003051643A (ja) | 2001-08-03 | 2001-08-03 | 半導体レーザ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003051643A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006286870A (ja) * | 2005-03-31 | 2006-10-19 | Fuji Photo Film Co Ltd | 半導体レーザおよびそれを用いた光通信システム |
WO2012101686A1 (ja) * | 2011-01-26 | 2012-08-02 | パナソニック株式会社 | 半導体発光素子及び発光装置 |
WO2022049996A1 (ja) * | 2020-09-07 | 2022-03-10 | ソニーグループ株式会社 | 半導体レーザおよび半導体レーザ装置 |
-
2001
- 2001-08-03 JP JP2001236880A patent/JP2003051643A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006286870A (ja) * | 2005-03-31 | 2006-10-19 | Fuji Photo Film Co Ltd | 半導体レーザおよびそれを用いた光通信システム |
WO2012101686A1 (ja) * | 2011-01-26 | 2012-08-02 | パナソニック株式会社 | 半導体発光素子及び発光装置 |
WO2022049996A1 (ja) * | 2020-09-07 | 2022-03-10 | ソニーグループ株式会社 | 半導体レーザおよび半導体レーザ装置 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20081007 |