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JP2003049158A - 研磨粒子および研磨体 - Google Patents

研磨粒子および研磨体

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Publication number
JP2003049158A
JP2003049158A JP2001242263A JP2001242263A JP2003049158A JP 2003049158 A JP2003049158 A JP 2003049158A JP 2001242263 A JP2001242263 A JP 2001242263A JP 2001242263 A JP2001242263 A JP 2001242263A JP 2003049158 A JP2003049158 A JP 2003049158A
Authority
JP
Japan
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particles
polishing
abrasive
plate
particle
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP2001242263A
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English (en)
Inventor
Hiroko Sawaki
裕子 澤木
Mikio Kishimoto
幹雄 岸本
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Maxell Ltd
Original Assignee
Hitachi Maxell Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Maxell Ltd filed Critical Hitachi Maxell Ltd
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Priority to PCT/JP2002/008171 priority patent/WO2003014251A1/ja
Priority to US10/490,630 priority patent/US20040244675A1/en
Priority to GB0408299A priority patent/GB2396157B/en
Publication of JP2003049158A publication Critical patent/JP2003049158A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光コネクタなどの研磨用として、従来のダイ
ヤモンド粒子に代わる、安価でかつすぐれた研磨能を有
する研磨粒子を提供する。 【解決手段】 粒子の形状が板状で、粒子板面方向の平
均粒子径が10nmから1,000nmの範囲にあり、
かつ50%以上の粒子が板厚方向に孔を有する金属酸化
物粒子からなることを特徴とする研磨粒子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として、光コネ
クタの端面研磨、とくに仕上げ研磨前の粗研磨に使用さ
れる研磨粒子および研磨シートなどの研磨体に関する。
【0002】
【従来の技術】光コネクタは、光ファイバを用いた通信
において、光ファイバ同士または光ファイバと光/電気
変換器などの機器をつなぐときに用いられている。この
光コネクタは、ジルコニアなどのセラミックスからでき
たフェルールの軸中心にガラスファイバが固定されてお
り、このようなセラミックス/ガラス複合構造の状態で
その端面が高精度に研磨されるものである。
【0003】光コネクタの端面は、粗研磨、仕上げ研磨
などの複数の研磨工程を経て仕上げられており、とくに
仕上げ研磨が光反射減衰率や接続損失などの性能に大き
く影響する。仕上げ研磨は、光コネクタの高精度化の観
点から、検討され、たとえば特開平10−277957
号公報では、シリカを研磨剤とした研磨液や研磨シート
を用いるのが好ましいとしている。
【0004】ところで、光コネクタは、同時に複数本研
磨されるが、同じ研磨工程を経ているにもかかわらず、
微妙に光反射減衰率に差が生じることがある。この原因
を調べたところ、仕上げ研磨前のフェルールの研磨状態
が影響し、粗研磨の段階でフェルール研磨面に深い傷が
入ると、研磨性の低いシリカを研磨剤とした仕上げ研磨
後に微小な傷が残存し、光反射減衰率が低くなることが
わかった。
【0005】このように光反射減衰率が低くなったもの
は、仕上げ研磨を繰り返し行うことで上記微小な傷を除
去でき、光反射減衰率を規定値まで高めることができ
る。しかしながら、このような再研磨を行うことは研磨
時間を長びかせる結果となり,光コネクタの生産性に支
障をきたしやすい。よって、粗研磨の段階でフェルール
研磨面に深い傷が入らないようにすることが望まれる。
【0006】従来、粗研磨では、研磨剤として高硬度の
ダイヤモンド粒子をこれ単独で使用した研磨シートまた
は研磨液が用いられてきた。ダイヤモンド粒子単独を研
磨剤とした場合、セラミックスフェルールの研磨性は向
上するが、軸中心にあるガラスファイバ部分を過度に研
磨してファイバの引き込み段差が大きくなったり、フェ
ルール端面に欠けや傷つきを生じやすい。
【0007】その対策として、粒子サイズが小さくかつ
粒子サイズの揃ったダイヤモンド粒子を使用することが
考えられる。ダイヤモンド粒子は、一般に、比較的大き
な粒子サイズの結晶を粉砕することにより、特定の大き
さに調整しているが、粒子サイズを揃えるためには、選
別する必要があり、歩留りが悪く、かつ工程が複雑にな
るため、コストが高くなるという欠点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の事情
に照らし、光コネクタなどの研磨用として、従来のダイ
ヤモンド粒子に代わる、安価でかつすぐれた研磨能を有
する研磨粒子と、これを使用した研磨シートなどの研磨
体を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的に対し、鋭意検討した結果、粒子の形状が板状で、か
つ板厚方向に孔を有する特定粒子径の金属酸化物粒子を
使用することにより、安価でかつすぐれた研磨能を有す
る研磨粒子とこれを使用した研磨シートなどの研磨体が
得られることを知り、本発明を完成した。
【0010】すなわち、本発明は、粒子の形状が板状
で、粒子板面方向の平均粒子径が10nmから1,00
0nmの範囲にあり、かつ50%以上の粒子が板厚方向
に孔を有する金属酸化物粒子からなることを特徴とする
研磨粒子、とくに、上記の孔の大きさが平均で1nmか
ら100nmの範囲にある上記構成の研磨粒子、また、
上記の金属酸化物粒子が、鉄または鉄を主体として含有
し、さらにアルミニウム、シリコン、希土類元素および
ジルコニウムの中から選ばれる少なくとも1種の元素を
含有する上記構成の研磨粒子に係るものである。
【0011】また、本発明は、結合剤中に研磨剤を分散
した研磨層を可撓性支持体上に設けてなる研磨体におい
て、上記の研磨剤が、前記構成の研磨粒子からなること
を特徴とする研磨体に係るものである。この研磨体に
は、研磨シートのほか、テープ状、ディスク状、カード
状などの種々の形態のものが含まれる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明においては、研磨粒子とし
て、粒子の形状が板状で、粒子板面方向の平均粒子径が
10nmから1,000nmの範囲にあり、かつ50%
以上の粒子が板厚方向に孔を有する金属酸化物粒子を使
用したことを特徴としている。このような研磨粒子によ
れば、セラミックス/ガラス複合構造である光コネクタ
の端面研磨などに対し、すぐれた研磨能を発揮させるこ
とができる。
【0013】すなわち、本発明の上記研磨粒子では、そ
の硬度がダイヤモンド粒子に比べて本質的に低い金属酸
化物粒子からなるため、低硬度部材を過度に研磨しすぎ
るということがなく、低硬度部材に対して十分に対応で
きる一方、形状が板状でかつ板厚方向に孔を有している
ため、この孔により端面の部分か増加して、そのぶん研
磨能が向上し、セラミックスフェルールなどの高硬度部
材の研磨性にすぐれたものとなり、高硬度部材に対して
も十分に対応させることができる。そのうえ、研磨時に
発生する粉塵が上記の孔内に捕捉されることになり、研
磨面の傷つきの原因となる研磨残渣が発生しにくいとい
う効果も奏される。
【0014】これに対し、従来のダイヤモンド粒子で
は、セラミックスフェルールなどの高硬度部材の研磨性
にはすぐれるが、セラミックスよりも低硬度なガラスな
どの柔らかい部材が共存する被研磨物には、低硬度部材
を研磨しすぎ、所望の形状または表面性が得られない。
本発明は、このダイヤモンド粒子の欠点を克服し、セラ
ミックス/ガラス複合構造である光コネクタの端面研磨
などに対して、すぐれた研磨能を発揮し、同時に研磨傷
の発生を防止でき、さらにダイヤモンド粒子のような高
価な粒子を用いないため、低コスト化もはかれるもので
ある。
【0015】ところで、粒子の中央付近に孔のあいた環
状の酸化鉄粒子は、特開昭61−266311号、特開
昭61−266313号などの公報で、すでに公知であ
り、盤状ゲーサイト粒子を加熱、脱水、還元して、環状
マグネタイト粒子とし、これをコバルトで変性して、磁
気記録用の磁性粉末としての用途が提案されている。ま
た、特公平3−21489号公報には、水酸化ナトリウ
ムとアルキルアミンを加えた水溶液に塩化鉄水溶液を滴
下して水酸化鉄を沈殿させ、熟成、洗浄、pHの調整
後、水熱処理を施して盤状のゲーサイト粒子を得、これ
を加熱脱水して、中央に孔のあいた環状のヘマタイト粒
子、マグネタイト粒子、ガンマ酸化鉄粒子などを得、塗
料補強用などの顔料、複合材料用などの補強剤、医療材
料、磁性粉末として電子材料などへの利用が提案されて
いる。
【0016】本発明者らは、このような孔のあいた酸化
鉄粒子のうち、ヘマタイト粒子の研磨剤としての用途に
着目した。すなわち、粒子内に存在する孔により粒子端
面が増加して高い研磨能が得られ、また研磨残渣が上記
孔に捕捉されて、研磨残渣が生じにくくなるものと考
え、これに基づいて、板状ヘマタイト粒子の粒子サイズ
や、孔の大きさ、孔数の分布などについて、広範囲に検
討した。その結果、中央に孔のあいた板状ヘマタイト粒
子のほか、粒子内に多くの孔が存在する板状ヘマタイト
粒子も得られ、これら粒子がいずれも研磨剤としてすぐ
れた性能を発揮することがわかった。また、ヘマタイト
粒子中の鉄の一部をアルミニウムやジルコニウムなど、
他の金属元素で置換すると、酸化鉄粒子の硬度を制御で
き、これにより一段とすぐれた研磨能を発現できること
もわかった。
【0017】以下、本発明の研磨粒子の製造方法の一例
として、ヘマタイト粒子を製造する方法について、説明
する。最初に、アルカリ水溶液、たとえば水酸化ナトリ
ウムとアルキルアミンを加えた水溶液に、塩化鉄水溶液
を滴下し、撹拌処理して、水酸化鉄を沈殿させる。その
際、液温は、粒子形状、粒子サイズ、孔のサイズや数な
どを左右するため、適宜の温度を選択する。通常、液温
が高いほど、粒子サイズが大きくなり、孔数が増大し、
逆に低くなるほど、粒子サイズが小さくなり、孔数も減
少していき、中央に1個の孔のあいた形状をとるように
なる。液温は、通常0〜40℃の範囲とするのが好まし
い。0℃より低くしても、粒子サイズの変化は少なく、
冷却コストが高くなるという不利があり、また40℃よ
り高くすると、板状以外の不定形の物質が混在しやすく
なる。
【0018】つぎに、このように沈殿させた水酸化鉄を
熟成し、洗浄し、水酸化ナトリウムなどを加えてpHを
調整したのち、オートクレーブ中で水熱処理を施して、
板状のゲーサイト粒子を得る。ここで、水熱処理の温度
としては、通常は、120〜250℃の範囲とするのが
好ましい。120℃より低い温度となると、板状形状に
結晶成長させにくく、また250℃より高い温度となる
と、高い水蒸気圧が発生するため、装置への負荷が大き
くなり、好ましくない。
【0019】ついで、上記板状のゲーサイト粒子に対
し、加熱脱水処理を施すことにより、粒子内に孔を有す
る板状のヘマタイト粒子(α−Fe2 3 粒子)を生成
する。加熱脱水処理を施す前に、加熱脱水時の粒子間焼
結防止を目的として、シリカまたはアルミナによる被着
処理を行うのが望ましい。加熱脱水処理は、空気中で、
通常、200〜800℃の温度範囲で行うのがよい。2
00℃より低い温度となると、粒子内に孔が形成されに
くく、800℃を超える温度となると、粒子間の焼結が
生じやすくくなり、板状の形状が崩れやすくなる。
【0020】このような方法により製造されるヘマタイ
ト粒子は、粒子形状が板状で、その平均粒子径が10n
mから1,000nmの範囲にある。平均粒子径が10
nm未満では研磨能が小さく、1,000nmを超える
と研磨面が粗くなりやすい。粒子形状が板状であるか否
かは、シャドウィング法(斜め方向から金属を蒸着した
ときの影の長さから板厚さを計測し、粒子径と比較して
板状か否かを判別する方法)で確認できる。また、この
ヘマタイト粒子を研磨層中に分散させた研磨体にあって
は、断面観察法(断面観察から板厚さを計測し、表面観
察から得られた粒子径と比較して板状か否かを判別する
方法)で確認できる。板状比(板厚さ/粒子径)は、通
常、2〜20の範囲にあるのが望ましい。
【0021】また、このヘマタイト粒子は、ほぼすべて
の粒子が板厚方向に孔を有するが、この孔は1個の粒子
内に1個または複数個存在する。孔の大きさ(つまり直
径)は平均で1nmから100nmの範囲にあるのがよ
い。1nm未満では研磨残渣の捕捉効果が小さくなり、
100nmを超えると研磨能の向上効果が小さくなる。
また、板厚方向の孔の大きさは、粒子板面方向の粒子径
の5〜90%の範囲にあるのが望ましい。なお、上記の
孔は、貫通孔または凹みを意味し、このような孔は、透
過型電子顕微鏡写真で観察したとき、白または粒子自体
より白っぽく見える部分である。孔の部分は、粒子のな
い部分の黒化度を0、孔のない粒子部分の黒化度を10
としたとき、黒化度が8以下の部分である。透過型電子
顕微鏡写真の倍率は、観察する板状粒子の粒子径、孔径
によって異なるが、通常は、孔が1mmから10mmに見え
る倍率の1〜100万倍である。
【0022】さらに、上記のヘマタイト粒子は、鉄また
は鉄を主体として含有してなるものであるが、上記の製
造方法において、水酸化鉄を沈殿させる際に、塩化鉄水
溶液中に塩化アルミウニウムや塩化ジルコニウムなどの
他の金属塩を添加させると、最終的にこれらの金属元素
を含有するヘマタイト粒子、つまり、ヘマタイト粒子中
の鉄の一部が上記他の金属元素で置換した構造の金属酸
化物粒子を生成できる。上記他の金属元素には、アルミ
ニウムやジルコニウムのほか、シリコン、希土類元素な
どがあり、これらの元素で置換することにより、酸化鉄
粒子の硬度を制御でき、これにより研磨能をさらに高め
ることができる。
【0023】また、上記の例は、鉄または鉄を主体とし
た酸化鉄系粒子に関するが、本発明の研磨粒子は、これ
に限定されず、上記同様の方法で製造される粒子の形状
が板状で、粒子板面方向の平均粒子径が10nmから
1,000nmの範囲にあり、板厚方向に孔を有するも
のであれば、各種の金属酸化物粒子を含むものである。
また、その際、金属酸化物粒子のすべて、つまり100
%が上記孔を有している必要はなく、50%以上の粒子
が上記孔を有しておればよい。
【0024】本発明において,このようなヘマタイト粒
子を代表例とする板状の金属酸化物粒子は、研磨粒子と
して前記すぐれた研磨能を発揮するため、研磨液や、研
磨シートなどの研磨体用の研磨剤として最適であり、光
コネクタなどの研磨用として安価でかつすぐれた研磨能
を有する研磨液や研磨体を提供できる。以下、とくに本
発明の研磨体について、さらに詳しく説明する。
【0025】本発明の研磨体は、結合剤中に研磨剤を分
散した研磨層を可撓性支持体上に設けて、シート状、テ
ープ状、ディスク状、カード状などの種々の形態とした
ものであって、上記の研磨剤として、本発明の研磨粒
子、すなわち、粒子の形状が板状で、粒子板面方向の平
均粒子径が10nmから1,000nmの範囲にあり、
かつ50%以上の粒子が板厚方向に孔を有する金属酸化
物粒子を使用したことを大きな特徴としたものである。
【0026】研磨剤を分散する結合剤には、塩化ビニル
樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニル
−ビニルアルコール共重合樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル−無水マレイン酸共重合樹脂、塩化ビニル−水酸基含
有アルキルアクリレート共重合樹脂、ニトロセルロー
ス、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂などがあり、
これらの中から、1種または2種以上が組み合わせて用
いられる。とくに、塩化ビニル系樹脂とポリウレタン樹
脂とを併用するか、あるいはポリエステル樹脂を使用す
るのが好ましい。上記のポリウレタン樹脂としては、ポ
リエステルポリウレタン、ポリエーテルポリウレタン、
ポリエーテルポリエステルポリウレタン、ポリカーボネ
ートポリウレタン、ポリエステルポリカーボネートポリ
ウレタンなどがある。これらの結合剤は、研磨粒子10
0重量部あたり、通常5〜45重量部、好ましくは10
〜40重量部の割合で用いられる。
【0027】上記の結合剤とともに、結合剤中に含まれ
る官能基などと結合させて架橋する熱硬化性の架橋剤を
併用してもよい。このような架橋剤としては、トリレン
ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、
イソホロンジイソシアネートなどや、これらのイソシア
ネート類とトリメチロールプロパンなどの水酸基を複数
個有するものとの反応生成物、上記イソシアネート類の
縮合生成物などの各種のポリイソシアネートが用いられ
る。これらの架橋剤は、結合剤100重量部あたり、通
常5〜30重量部の割合で用いられる。
【0028】研磨層には、上記の研磨剤および結合剤の
ほか、研磨剤の分散性を向上するための分散剤や、潤滑
性を付与するための潤滑剤を添加できる。また、帯電防
止のために、カーボンブラックを添加することができ
る。上記の分散剤としては、従来から公知のものをいず
れも使用できる。また、潤滑剤としては、グラファイ
ト、二硫化モリブデンなどの固形潤滑剤や、従来公知の
液体潤滑剤を、単独でまたは2種以上混合して使用する
ことができる。これらの潤滑剤の中でも、とくに炭素数
12〜24の脂肪酸が好ましく用いられる。
【0029】なお、潤滑剤を使用する場合、生産性の点
から、別工程を設ける必要のない、研磨層形成用の塗布
液中に潤滑剤を直接添加する方法を採用するのがよい。
この場合、研磨剤100重量部あたり、脂肪酸などの潤
滑剤が0.2〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量
部となる割合とするのがよい。また、帯電防止のための
カーボンブラックは、研磨剤100重量部あたり、通常
0.1〜50重量部となる割合とするのが望ましい。
【0030】可撓性支持体としては、従来から使用され
ている非磁性支持体をすべて使用することができる。具
体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン
ナフタレートなどのポリエステル類、ポリオレフィン
類、セルローストリアセテート、ポリカーボネート、ポ
リアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリスルフ
ォン、アラミド、芳香族ポリアミドなどからなる、厚さ
が通常3〜300μmのフィルムまたはシートが用いら
れる。
【0031】本発明の上記構成の研磨体は、たとえば、
有機溶剤中に研磨剤、その結合剤、必要により分散剤、
潤滑剤、カーボンブラックなどを混合分散させてなる研
磨層形成用の塗布液を調製し、この塗布液を上記の可撓
性支持体上に塗布し、乾燥することにより、作製するこ
とができる。
【0032】塗布液の調製に用いる有機溶剤としては、
ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶剤、ア
セトン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤、酢酸エチル、
酢酸ブチルなどの酢酸エステル系溶剤、ジメチルカーボ
ネート、ジエチルカーボネートなどの炭酸エステル系溶
剤、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール系
溶剤のほか、ヘキサン、テトラヒドロフラン、ジメチル
ホルムアミドなどが挙げられる。
【0033】このように形成される研磨層の厚さは、厚
すぎるとフェルールと研磨シートとの接触が悪くなるた
め、30μm以下、通常は、1〜30μmとするのが好
ましく、2〜25μmとするのがより好ましい。
【0034】研磨体の作製においては、可撓性支持体上
に研磨層形成用の塗布液を塗布し、乾燥したのち、必要
により、コットンロール、プラスチックロール、金属ロ
ールを用いたカレンダによる表面処理を行ってもよい。
このカレンダ処理を行うことにより、研磨層の表面粗度
をうまく調整でき、これによりフェルールの仕上げ面の
向上と傷の発生防止にさらに好結果を得ることができ
る。
【0035】
【実施例】以下に、本発明の実施例を記載して、より具
体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例にの
み限定されるものではない。なお、以下の各例におい
て、部とあるのは重量部を意味するものとする。
【0036】実施例1 <孔を有する板状のアルファ酸化鉄粒子の製造>下記の
2種類の水溶液を調製した。 A液:塩化第二鉄(FeCl3 ・6H2 O) 20g 水 500cc B液:水酸化ナトリウム 30g モノエタノールアミン 50cc 水 1,000cc
【0037】上記のA液およびB液を12℃に保持し、
撹拌しながら、A液をB液中に約1時間かけて滴下し
た。滴下終了後、さらに1時間撹拌した。このようにし
て得られた沈殿物を、室温で約20時間放置したのち、
純水で洗浄し、水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを
11.3に調整し、オートクレーブを用いて、150℃
で1時間の水熱処理を施した。この水熱処理により、板
状のゲーサイト(α−FeOOH)粒子が得られた。
【0038】この板状のゲーサイト粒子に対して、Si
2 換算で1重量%になるように、ケイ酸ナトリウム水
溶液を攪拌しなが添加し、塩酸によりpHを7.3に調
整して、SiO2 による被覆処理を行った。ろ過・乾燥
させたのち、空気中、600℃で1時間加熱脱水した。
この加熱脱水処理により、孔を有するアルファ酸化鉄
(α−Fe2 3 )粒子を得た。この粒子は、粒子板面
方向の平均粒子径が65nmで、中央付近に直径が平均
30nmの孔を有する板状粒子であった。図1は、この
アルファ酸化鉄粒子の電子顕微鏡写真を示したものであ
る。
【0039】 <研磨層形成用の塗布液成分> 孔を有する板状アルファ酸化鉄粒子 200部 (平均粒子径:65nm、孔の平均直径:30nm) 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 30部 (UCC社製の「VAGH」) ポリウレタン樹脂 25部 (東洋紡製の「バイロンUR8300」) メチルエチルケトン 150部 トルエン 150部 シクロヘキサノン 130部
【0040】上記の塗布液成分を撹拌、混合したのち、
サンドミルで分散させ、研磨層形成用の塗布液を調製し
た。この塗布液を、厚さが75μmのポリエチレンテレ
フタレートフイルムからなる可撓性支持体の片面に、カ
レンダ処理後の厚さが10μmとなるように、塗布し、
乾燥した。カレンダで鏡面化処理したのち、所定幅に裁
断して、研磨テープを作製した。
【0041】実施例2 B液中にA液を滴下する際、両液の保持温度を12℃か
ら24℃に変更した以外は、実施例1と同様にして、粒
子板面方向の平均粒子径が210nmで、直径が10〜
30nmの孔を多数有するアルファ酸化鉄粒子を得た。
図2は、このアルファ酸化鉄粒子の電子顕微鏡写真を示
したものである。このアルファ酸化鉄粒子を用いて、実
施例1と同様にして、研磨テープを作製した。
【0042】実施例3 A液として、塩化第二鉄を20g使用する代わりに、塩
化第二鉄を16g、塩化アルミニウム(AlCl3 ・6
2 O)を3.5g使用し、かつ、B液中にA液を滴下
する際、両液の保持温度を12℃から24℃に変更し、
さらに、水熱処理を施す前のpHを11.3から10.
5に変更した以外は、実施例1と同様にして、粒子板面
方向の平均粒子径が200nmで、直径が15〜40n
mの孔を多数有するアルミニウム含有のアルファ酸化鉄
粒子を得た。図3は、このアルファ酸化鉄粒子の電子顕
微鏡写真を示したものである。このアルファ酸化鉄粒子
を用いて、実施例1と同様にして、研磨テープを作製し
た。
【0043】比較例1 孔を有する板状アルファ酸化鉄粒子に代えて、中心粒子
サイズの公称値が0.15μmの単結晶ダイヤモンド微
粒子を用いた以外は、実施例1と同様にして、塗布液を
調製し、さらに研摩テープを作製した。
【0044】比較例2 孔を有する板状アルファ酸化鉄粒子に代えて、平均粒子
径が0.13μm、モース硬度が5の球状に近い形状を
もった市販のアルファ酸化鉄粒子を用いた以外は、実施
例1と同様にして、塗布液を調製し、さらに研摩テープ
を作製した。
【0045】比較例3 孔を有する板状アルファ酸化鉄粒子に代えて、平均粒子
径が0.22μm、モース硬度が5の孔を持たない市販
の板状のアルファ酸化鉄粒子を用いた以外は、実施例1
と同様にして、塗布液を調製し、さらに研摩テープを作
製した。
【0046】上記の実施例1〜3および比較例1〜3の
各研磨テープを用いて、下記の方法により、ジルコニア
セラミツクに対する研磨試験を行い、その性能を評価し
た。結果は、表1に示されるとおりであった。
【0047】<研磨試験>研磨テープの両端をガラス板
上に固定し、表面に水を含ませた状態で、表面性測定機
(新東科学製の「HEIDON−14DR」)を用い
て、摺動速度3,000mm/分、摺動スケール20mm、
荷重20gの条件で、直径5mmのジルコニア球(ニッカ
トー製)を100回、往復摺動させ、ジルコニア球の磨
耗度合いと、ジルコニア球表面の磨耗痕を顕微鏡で観察
し、下記のように評価した。 §.磨耗度合い ×:ほとんど磨耗していない △:わずかだけ磨耗している ○:かなり磨耗している ◎:顕著に磨耗している §.磨耗痕 ×:表面に傷が5本以上ある △:表面に傷が3〜4本ある ○:表面に傷が1〜2本ある ◎:表面に傷が全くない
【0048】
【0049】上記表1の結果から明らかなように、研磨
剤としてダイアモンド粒子を用いた比較例1の研磨テー
プは、磨耗度合いが大きく、研摩能にすぐれているが、
研摩傷も多く発生している。また、球状のアルファ酸化
鉄粒子を用いた比較例2の研摩テープでは、研摩傷の発
生は少ないが、研摩能に明らかに劣っている。また、板
状のアルファ酸化鉄粒子を用いた比較例3の研摩テープ
では、上記の比較例2に比べて研磨能は若干向上する
が、なお十分とはいえない。
【0050】これに対して、本発明の実施例1〜3の研
磨テープでは、いずれも、ダイヤモンド粒子を用いた比
較例1の研摩テープに比べて、研摩能はやや小さいもの
の、満足できる範囲内であり、しかも研摩傷の発生が少
なく、研摩テープとしてバランスの取れた、実用的にす
ぐれたものであることがわかる。
【0051】
【発明の効果】以上のように、本発明は、従来のダイヤ
モンド粒子に代えて、粒子の形状が板状で、かつ板厚方
向に孔を有する特定粒子径の金属酸化物粒子を使用した
ことにより、光コネクタなどの研磨用として、安価でか
つすぐれた研磨能を有する研磨粒子とこれを使用した研
磨シートなどの研磨体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で製造した研磨粒子の粒子構造を示す
電子顕微鏡写真である。
【図2】実施例2で製造した研磨粒子の粒子構造を示す
電子顕微鏡写真である。
【図3】実施例3で製造した研磨粒子の粒子構造を示す
電子顕微鏡写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H038 CA22 3C063 AA03 AB07 BB01 BB06 BC03 BG08 BG22 EE01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒子の形状が板状で、粒子板面方向の平
    均粒子径が10nmから1,000nmの範囲にあり、
    かつ50%以上の粒子が板厚方向に孔を有する金属酸化
    物粒子からなることを特徴とする研磨粒子。
  2. 【請求項2】 孔の大きさが平均で1nmから100n
    mの範囲にある請求項1に記載の研磨粒子。
  3. 【請求項3】 金属酸化物粒子は、鉄または鉄を主体と
    して含有し、さらにアルミニウム、シリコン、希土類元
    素およびジルコニウムの中から選ばれる少なくとも1種
    の元素を含有する請求項1または2に記載の研磨粒子。
  4. 【請求項4】 結合剤中に研磨剤を分散した研磨層を可
    撓性支持体上に設けてなる研磨体において、上記の研磨
    剤が、請求項1〜3のいずれかに記載の研磨粒子からな
    ることを特徴とする研磨体。
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