JP2002324541A - 密閉型電池 - Google Patents
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- Y02E60/10—Energy storage using batteries
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Abstract
要素のリードの溶接ならびに外部接続端子板への電気的
接続を確実、且つ容易に行えるとともに、安定した封止
性および電気抵抗を得ることができる密閉型電池を提供
する。 【解決手段】有底筒状の金属製外装缶17と、外装缶1
7に収納した発電要素20と、外装缶17の開口部に接
合され、発電要素20の接続リード31が溶接により接
続された金属製蓋体23と、鍔部24bの中央部に対し
一方寄りに偏芯した位置に一体形成された軸部24aが
蓋体23の取付孔23aに挿入され、鍔部24bの他方
寄りの部位に発電要素20の接続リード30が溶接によ
り接続された偏芯中実リベット24と、偏芯中実リベッ
ト24と蓋体23とを電気絶縁する下部ガスケット27
と、軸部24aの先端部に電気的接続状態に固着された
外部接続端子板29と、外部接続端子板29と蓋体23
とを電気絶縁する上部ガスケット28とを備える。
Description
る外部接続端子の封止構造に関するものである。
携帯型通信機器などの電気機器のポータブル化やコード
レス化が急速に進んでいる。これらの電気機器の駆動電
源としては、従来においてニッケルカドミウム蓄電池や
ニッケル水素蓄電池が主に用いられていたが、近年で
は、特に、急速充電が可能でエネルギ密度が高く、高い
安全性を有するリチウム二次電池に代表される非水電解
液(有機溶媒電解液)電池が主流になりつつある。この
非水電解液電池の中でも、高いエネルギ密度や負荷特性
に優れ、機器の薄型化に適し、スペース効率が高い角形
密閉型電池の使用割合が高まっている。さらに、電気機
器の高性能化および高機能化が進むのに伴って、より高
電圧および高容量の電池が要望されている。
プ封口が主流であったが、近年ではレーザ封口が主流に
なってきている。例えば、アルミニウム製の外装缶と蓋
体とをレーザ溶接して封口する場合には、蓋体に外部負
極端子を設けて発電要素に取り付けられた負極リードを
溶接し、蓋体と正極リードを溶接する。つぎに、発電要
素を外装缶に挿入し、蓋体を有底筒状の外装缶の開口部
に嵌合したのちに、その蓋体と外装缶との突き合わせ部
分をレーザ溶接して封口している。最後に、蓋体および
外装缶の何れかに設けられた注液孔から電解液を注入し
たのち、注液孔に栓をして密閉構造としている。この構
造において、体積エネルギー密度を向上させるには、主
に蓋体に設けられた外部接続端子板の封止構造の薄型化
が必要となる。
の封止構造としては、図4(a)〜(e)に示すような
ものが一般に知られている。なお、図4(a)〜(e)
において、同一若しくは同等のものには同一の符号を付
してある。図4(a)に示す第1の外部接続端子板の封
止構造は、蓋体1に穿設された取付孔1aに、中空リベ
ット3をこれの周囲に上部ガスケット2を配した状態で
上方から挿通させ、その中空リベット3の下部に、下部
ガスケット4および内部端子板7を挿入させて取り付け
た状態で、中空リベット3の下端部がかしめ加工され
て、外部接続端子板となる中空リベット3が上部ガスケ
ット2および下部ガスケット4により封止されている。
封止構造(例えば、特許第2703249号公報参照)
は、蓋体1に穿設された取付孔1aに、筒状中空リベッ
ト8をこれの周囲に上部ガスケット2を配した状態で上
方から挿通させ、前記筒状中空リベット8の下部に、下
部ガスケット4および内部端子板7を挿入させて取り付
けた状態で、筒状中空リベット8の下端部がかしめ加工
されている。筒状中空リベット8は注液孔の機能を合わ
せ持ち、電解液が筒状中空リベット8の筒孔を通じて注
入される。そののちに、前記筒状中空リベット8の上端
部と外部接続端子板9とは、これらの間にEPDM等の
ゴム10を介在した状態で溶接されることにより、筒状
中空リベット8の注液孔として用いた筒孔が、外部接続
端子板9と筒状中空リベット8との間で圧縮されたゴム
10の復元力で封止されている。なお、上記ゴム10
は、電池内部のガス圧が上昇した際に、電池の破裂を防
ぐための安全機構としての機能をも合わせ持っている。
封止構造は、蓋体1に穿設された取付孔1aに下方から
下部ガスケット4を挿入し、その下部ガスケット4の下
面に内部端子板7を当てがうとともに、取付孔1aに連
通して蓋体1の上部に形成された座グリ部1b内に上部
ガスケット11を挿入し、その上部ガスケット11上に
外部接続端子板12を配した状態で、中実リベット13
を内部端子板7、下部ガスケット4、上部ガスケット1
1および外部接続端子板12の各々の挿通孔に挿入した
のち、中実リベット13の上端部をかしめ加工して封止
した構造になっている。
封止構造は、蓋体1に穿設された取付孔1aに下部ガス
ケット4を下方から挿入し、取付孔1aに連通して蓋体
1の上部に形成された座グリ部1b内に上部ガスケット
11を挿入し、上部ガスケット11上に外部接続端子板
12を配し、中実リベット13を、下部ガスケット4、
上部ガスケット11および外部接続端子板12の各々の
挿通孔に挿入したのち、中実リベット13をかしめ加工
して封止した構造になっている。
封止構造(例えば、特開2000-113865号公報
参照)は、蓋体1に穿設された取付孔1aおよび座ぐり
部1bに、上部ガスケット2および段付き中実リベット
14をそれぞれ上方から挿入し、段付き中実リベット1
4の下部に、下部ガスケット4および内部端子板7を挿
入させたのち、段付き中実リベット14の下端部をかし
め加工して封止した構造である。
は、電池の高エネルギ密度化および機器の薄型化が進展
したのに伴って、厚みを4mm未満に設定した角形電池
が開発されており、このような超薄型の角形電池では、
外装缶とこれの開口部に嵌合する金属製蓋体とをレーザ
溶接により接合する場合、リベットの径を1mm以下に
設定しなければ構成できなくなってしまう。そのため、
(a)の中空リベット3、(b)の筒状中空リベット8
および(e)の段付き中実リベット14は、上記のよう
な角形電池に適用することを目的として、何れも1mm
以下の小さな径に設定すると、中空部分や細い径の部分
の肉厚が小さくなり過ぎることに起因して、形状や寸法
を安定して製造することが困難であるとともに、小さな
肉厚部分や細い径となった部分が存在することによって
締結力が極端に落ちるから、安定した封止性および電気
抵抗を得ることができなくなる。また、(b)の封止構
造は、上下方向に多くの部材を配置するので、体積ロス
が大きくなるというデメリットもある。
は、内部端子板7および下部ガスケット4を挿入させた
状態でかしめ加工するので、体積ロスが大きくなるとと
もに、落下試験によって電気抵抗が著しく増大する欠点
がある。さらに、(d)に示す構造では、中実リベット
13が内部端子を兼ねることから、体積ロスが小さくな
る利点があるが、発電要素から伸びる接続リードを中実
リベット13における内部端子となるかしめ部分に直接
的に溶接するので、その溶接時の熱影響によって下部ガ
スケット4に変形が生じる結果、封止性の低下を招いて
電解液の漏液を引き起こすおそれがある。
てなされたもので、超薄型化に対応でき、体積ロスが少
なく、発電要素の接続リードの溶接ならびに外部接続端
子板への電気的接続を確実、且つ容易に行えるととも
に、安定した封止性および電気抵抗を得ることができる
密閉型電池を提供することを目的とするものである。
に、本発明の密閉型電池は、上端部が開口した有底の金
属製外装缶と、正極板と負極板とがセパレータを介在し
て絶縁された状態で前記外装缶内に収納された発電要素
と、前記外装缶の開口部に嵌合して接合され、前記発電
要素から導出した一方の電極の接続リードが溶接により
接続された金属製蓋体と、鍔部の中央部に対し一方寄り
に偏芯した位置に一体形成された軸部が前記蓋体の取付
孔に前記外装缶の内部側から挿入され、前記鍔部の他方
寄りの部位に前記発電要素から導出した他方の電極の接
続リードが溶接により接続された偏芯中実リベットと、
前記偏芯中実リベットと前記蓋体とをこれらの間に介在
して電気絶縁する下部ガスケットと、前記軸部の先端部
に電気的接続状態に固着された外部接続端子板と、前記
外部接続端子板と前記蓋体とをこれらの間に介在して電
気絶縁する上部ガスケットとを備えていることを特徴と
している。
鍔部が内部端子板としての機能を果たすので、体積ロス
が少なく、偏芯中実リベットの軸部が単なる軸状である
から、薄型化が容易である。また、軸部が鍔部の中央部
に対し一方寄りに偏心した部位に設けられてて、鍔部の
他方寄りの箇所に発電要素の接続リードの溶接を行うの
で、その溶接を行う際の熱影響によってガスケットに変
形が生じることがなく、電解液の漏液を確実に防止する
ことができる。
芯中実リベットの軸部の径よりも大きな孔径に形成され
た挿通孔に前記軸部の先端部分が挿入されたのち、前記
軸部と共にかしめ加工されて前記軸部に固着され、上部
ガスケットが、蓋体の取付孔に連通して前記外装缶の外
方側に形成された座ぐり部内に挿入された配置で前記外
部接続端子板と前記蓋体との間に介在されている構成と
することが好ましい。これにより、外部接続端子板と軸
部とを外装缶の外方側でかしめ加工して固着するので、
確実な電気的接続を容易に得ることができるとともに、
かしめ部が電解液に接しないので、落下試験時の電気抵
抗の上昇が少なく、安定した電気抵抗および封止性をも
つ密閉型電池を得ることができる。
が、SUSまたは表面にニッケルメッキを施した鉄であ
ることが好ましい。これにより、外装缶および蓋体の材
質をアルミニウムまたはアルミニウム合金とした場合、
外装缶の極性は、電気化学的溶解の問題から正極とする
必要があり、したがって、外部接続端子板が負極となる
から、この外部接続端子板に電気的接続される偏芯中実
リベットの材質をSUSまたは表面にニッケルメッキを
施した鉄とすることにより、電気的接続が容易となる。
の材質が、銅もしくは銅合金であってもよい。これによ
り、偏芯中実リベットの材質がSUSまたは表面にニッ
ケルメッキを施した鉄である場合と同様に電気的接続が
容易となる効果を得ることができ、それに加えて、偏芯
中実リベットの成型性が向上する効果を得られる。
トの材質が、アルミニウムもしくはアルミニウム合金で
あってもよい。これにより、外装缶および蓋体の材質を
鉄若しくはSUSとした場合、外装缶の極性は、電気化
学的溶解の問題から負極とする必要があり、したがっ
て、外部接続端子板が正極となるから、この外部接続端
子板に電気的接続される偏芯中実リベットの材質をアル
ミニウムもしくはアルミニウム合金とすることにより、
電気化学的溶解の問題から好ましい。
態について図面を参照しながら説明する。 図1は本発明
の一実施の形態に係る密閉型電池を示す切断正面図、図
2はその密閉型電池を示す切断右側面図であり、この実
施の形態では角形リチウム二次電池を例示してある。こ
れらの図において、金属製の外装缶17は、上端開口し
た有底角筒状の形状を有し、正極端子を兼ねている。
ウム合金(JIS合金番号3003)または表面にニッ
ケルめっきを施した鉄を用いることが好ましいが、この
実施の形態では、外装缶17の材質としてアルミニウム
合金を用いた場合を例示してある。それ伴って、角形の
外装缶17の長側面17aには防爆用の切削溝18が設
けられているとともに、外装缶17の底部には、アルミ
ニウムとニッケルのクラッド板19が、アルミニウムの
層を外装缶17に対面させた配置でレーザ溶接、超音波
溶接もしくは抵抗溶接などにより接合されている。この
クラッド板19は正極側外部接続端子板(図示せず)と
の接続を図るためのものである。なお外装缶17の材質
が表面にニッケルめっきを施してなる鉄の場合には、長
側面17aに防爆用の刻印を設けることが好ましい。こ
の刻印および上記切削溝18は、いずれも電池内圧が所
定値まで上昇したときに、薄肉部が破断してガスを外部
に排出するものである。
部絶縁板21によって底面に対し電気的絶縁状態に仕切
った状態で収納されており、発電要素20の上端部には
これの上方の構成部材と電気的に絶縁するための上部絶
縁板22が取り付けられている。上記発電要素20は、
図示を省略しているが、正極板と負極板とをセパレータ
を介在して絶縁した状態で非真円形の渦巻形状に巻回し
た後、プレス成型にて角形の外装缶17に対応する扁平
状に変形して作製したものである。
の箔、ラス加工またはエッチング処理された箔からなる
集電体の片側または両面に、正極活物質と結着剤、さら
に必要に応じて導電剤または可塑剤を溶剤に混練分散さ
せたペーストを塗布、乾燥、圧延して作製することがで
きる。
ムイオンをゲストとして受け入れ得るリチウム含有遷移
金属化合物が使用される。例えば、正極活物質として
は、コバルト、マンガン、ニッケル、クロム、鉄および
バナジウムから選ばれる少なくとも一種類の金属とリチ
ウムとの複合金属酸化物、LiCoO2 、LiMn
O2、LiNiO2 、LiCox Ni(1-x) O2 (0<
x<1)、LiCrO2 、αLiFeO2 、LiVO2
等を用いるのが好ましい。
保つフッ素樹脂材料、ポリアルキレンオキサイド骨格を
持つ高分子材料、またはスチレン−ブタジエン共重合体
などがある。上記フッ素系樹脂材料としては、ポリフッ
化ビニリデン(PVDF)、フッ化ビニリデン(VD
F)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)の共重合体
P(VDF−HFP)を用いるのが好ましい。
チレンブラック、グラファイト、炭素繊維等の炭素系導
電材が好ましく、可塑剤としては、フタル酸ジイソブチ
ル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジ
プロピル、フタル酸ジヘキシルなどのフタル酸エステル
が好ましい。
剤が適切であり、有機系結着材の場合は、アセトン、シ
クロヘキサノン、N −メチル−2−ピロリドン(NM
P)、メチルエチルケトン(MEK)等の有機溶剤を単
独またはこれらを混合した混合溶剤が好ましく、水系結
着材の場合は水が好ましい。
エッチングされた箔からなる集電体の片側または両面
に、負極活物質と結着剤、さらに必要に応じて導電剤、
可塑剤を溶剤に混練分散させたペーストを、塗布、乾
燥、圧延して作製することができる。負極活物質として
は、例えば、リチウムイオンを吸蔵、脱離し得る黒鉛型
結晶構造を有するグラファイトを含む材料、例えば天然
黒鉛や人造黒鉛が使用される。特に、格子面(002)
の面間隔(d002 )が3.350〜3.400Åである
黒鉛型結晶構造を有する炭素材料を使用することが好ま
しい。結着剤、溶剤および必要に応じて加えることがで
きる導電剤並びに可塑剤は、上述した正極板と同様のも
のを使用することができる。
ポリプロピレン樹脂などの微多孔性ポリオレフィン系樹
脂が好ましい。上述した渦巻形状に巻回後の発電要素2
0に対するプレス成型の方法としては、発電要素20に
常温だけでなく、40℃から発電要素20中の結着剤の
軟化点以下の温度に加温した状態で1.0MPa〜7.
0MPaの圧力にてプレスすることが好ましい。
体23が嵌め込まれたのちに、外装缶17と蓋体23と
の突き合わせ部分をレーザ溶接することにより、封口さ
れている。蓋体23には、取付孔23aと、この取付孔
23aに対し電池外方側に位置して連通する座グリ部2
3bとが形成されている。上記取付孔23aには、偏芯
中実リベット24の軸部24aが、下部ガスケット27
により前記金属製蓋体23と電気的に絶縁された状態で
下方から挿入されている。
を示す図3のように、軸部24aが鍔部24bに対し中
央部から一方寄りに偏芯した位置で直交方向の配置で一
体形成された形状を有している。この偏芯中実リベット
24の軸部24aの上部には、上部ガスケット28を介
在して外部接続端子板29が嵌め込まれている。このと
き、上部ガスケット28は、蓋体23の座ぐり部23b
内に嵌まり込んで、偏芯中実リベット24の軸部24a
と外部接続端子板29とを電気的に絶縁している。外部
接続端子板29における偏芯中実リベット24の軸部2
4aを挿通させる挿通孔29aは、軸部24aよりも大
きな径に形成されており、偏芯中実リベット24の軸部
24aと外部接続端子板29とををかしめ加工すること
により、偏芯中実リベット24と外部接続端子板29と
が確実に電気的接続された状態で封止密閉されている。
配設位置は、蓋体23の取付孔23aの孔径にもよる
が、偏芯中実リベット24の鍔部24bの中央部に対し
1/4〜5/6偏芯した位置に設定するのが好ましく、
さらに好ましくは1/3〜4/5だけ偏芯した位置であ
り、これによる効果については後述する。軸部24a
は、単なる軸状であることから、直径を0.50mm〜
1.00mm程度に小さく設定しても、安定に製造する
ことができるとともに、かしめ加工した場合にも外部接
続端子板29に対し十分な締結力を有するものとなるか
ら、上述した超薄型の角形電池にも十分に適応すること
ができる。
内部端子板としての機能を果たすものであり、この鍔部
24bには、発電要素20から導出された負極リード3
0が溶接により接続されている。鍔部24bにおける負
極リード30が溶接される部位は、図1に明示するよう
に軸部24aから離間する方向の端部であり、軸部24
aの配設位置は、上述したように、鍔部24bにおける
1/4〜5/6偏芯した位置に設定されている。したが
って、上部ガスケット28における軸部24aのかしめ
部に対面する箇所は、鍔部24bの負極リード30が溶
接される部位から比較的大きく離間しているから、負極
リード30が溶接される際に生じる熱の影響を殆ど受け
ない。また、この密閉型電池では、偏芯中実リベット2
4の鍔部24bが内部端子板としての機能を果たしてい
るので、体積ロスが少なくなっている。また、鍔部24
bが延出する側とは反対側の箇所では、発電要素20か
ら導出された正極リード31が蓋体23に溶接により接
続されている。
は、電気的接続を容易にする為に、SUSや表面にニッ
ケルメッキを施した鉄、あるいは成型性のよい銅または
銅合金を用いることが好ましい。上部ガスケット28
は、厚みが4mm未満となる角形電池の超薄型化に伴
い、外装缶17と蓋体23とを嵌合してレーザ溶接する
際の熱影響による電解液の漏液を防ぐため、耐熱温度の
高いフッ素樹脂を主に用いることが好ましい。一方、下
部ガスケット27は、上記と同じ理由により、耐熱温度
の高いフッ素樹脂や電池幅のサイズおよび形状によりポ
リプロピレンおよびポリフェニレンサルファイドなどの
樹脂を使い分けて用いるのが好ましい。
の注液孔32が設けられており、外装缶17内には非水
電解液(図示せず)が上記注液孔32を通じて注液され
る。この非水電解液としては、非水溶媒と電解質からな
り、非水溶媒としては、主成分として環状カーボネート
および鎖状カーボネートが含有される。前記環状カーボ
ネートとしては、エチレンカーボネート(EC)、プロ
ピレンカーボネート(PC)、およびブチレンカーボネ
ート (BC)から選ばれる少なくとも一種であること
が好ましい。また、前記鎖状カーボネートとしては、ジ
メチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート
(DEC)、およびエチルメチルカーボネート(EM
C)等から選ばれる少なくとも一種であることが好まし
い。
いリチウム塩を使用し、例えば、LiPF6 、LiBF
4 、LiClO4 、LiAsF6 、LiCF3 SO3 、
LiN(SO2 CF3 )2 、LiN(SO2 C2 F5 )
2 、LiC(SO2 CF3 ) 3 等が挙げられる。これら
の電解質は、一種類で使用しても良く、二種類以上組み
合わせて使用しても良い。これらの電解質は、前記非水
溶媒に対して0.5〜1.5Mの濃度で溶解させること
が好ましい。
は、アルミニウム箔33aとEPDMなどからなるゴム
33bとを一体成型した栓体33で密閉封止される。こ
のとき、上記アルミニウム箔33aは蓋体23にレーザ
溶接されて、確実な密閉封止が行われる。
製の有底角形外装缶17にアルミニウム製の蓋体23を
溶接する場合について説明したが、本発明はこれに限定
されるものではなく、例えば、鉄製等の有底角筒状の外
装缶17に鉄製等の蓋体23を溶着する場合にも適用可
能である。この際、偏芯中実リベット24の極性は正極
となり、電気化学的溶解の問題から偏芯中実リベット2
4の材質は、アルミニウムもしくはアルミニウム合金を
用いることが好ましい。また、上記実施の形態では、蓋
体23に注液孔32を形成した場合について説明した
が、この注液孔32は、有底角筒状の外装缶17の何れ
かの箇所に開設されていてもよい。さらに、上記実施の
形態では、非水電解液二次電池について説明したが、本
発明は電池の種類に必ずしも限定されるものではない。
また、上記実施の形態では、外装缶17を角筒状とした
が、本発明の外装缶17は円筒形、長円筒形等であって
もよく、外装缶17の形状に限定されるものではない。
の密閉型電池を詳細に説明する。
底角筒状の外装缶17は、上端開口している肉厚が0.
20mmのアルミニウム合金(JIS合金番号300
3)製で、その寸法形状は厚さ3.5mm、幅34.0
mm、高さ50.0mmであり、正極端子を兼ねてい
る。そして、外装缶17の長側面17aの中央部には防
爆用の切削溝18を設け、外装缶17の底部には、外部
接続端子板との接続用のアルミニウムとニッケルのクラ
ッド板19が、アルミニウムの層を外装缶17に対面さ
せた配置でレーザ溶接により接合した。
してフッ化ビニリデン(VDF)とヘキサフルオロプロ
ピレン(HFP)との共重合体P(VDF−HFP)、
及び導電材としてアセチレンブラックをNMP(N−メ
チル−2−ピロリドン)からなる有機溶剤に混練分散し
たペーストを用い、このペーストを厚さ15mμのアル
ミニウム箔製集電体に塗着、乾燥、圧延して、正極板を
作製した。
(VDF−HFP)の粉末をアセトンとシクロヘキサノ
ンからなる混合有機溶剤に混練分散したペーストを用
い、このペーストを厚さ12μmの銅箔製集電体に塗
着、乾燥、圧延して、負極板を作製した。
を厚さ25μmの微多孔性のポリエチレン樹脂からなる
セパレータを介して非真円形の渦巻形状に巻回した発電
要素20を6.0MPaの圧力でプレスして扁平状に作
製した。この発電要素20は、外装缶17の内部にこれ
の底面に対し絶縁板21で電気的絶縁状態に仕切った状
態で収め、発電要素20の上端部は絶縁板22で電気的
に絶縁した。
芯した位置に直径が1.00mmの軸部24aが一体形
成された偏芯中実リベット24を、下部ガスケット27
により金属製蓋体23に対し電気的に絶縁し、偏芯中実
リベット24の軸部24aの径より大なる1.05mm
の孔径の挿通孔29aを有する外部接続端子板29を、
上部ガスケット28を介在して金属製蓋体23と電気的
に絶縁した状態で軸部24aに挿通させて取り付けたの
ち、偏芯中実リベット24の軸部24aと外部接続端子
板29とをかしめ加工して確実な電気的接続を行った。
として機能する鍔部24bに、発電要素20から導出さ
れた負極リード30を抵抗溶接により接続した。偏芯中
実リベット24の材質は、電気的接続を容易にする為
に、表面にニッケルめっきを施した鉄製のものを用い
た。また、蓋体23には、発電要素20から導出した正
極リード31をレーザ溶接により接続した。上部ガスケ
ット28には、耐熱温度の高いフッ素樹脂を用い、下部
ガスケット27にも、耐熱温度の高いフッ素樹脂を用い
た。
状態で、両者の突き合わせ部分をレーザ溶接により接合
して密閉した後、エチレンカーボネート(EC)とエチ
ルメチルカーボネート(EMC)を2:1で混合した混
合溶媒にLiPF6を1.0Mの濃度で溶解させた非水
電解液を、蓋体23の注液孔32から注液した。その注
液後、注液孔32をアルミニウム箔33aとEPDM製
のゴム33bを一体成型した栓体33のゴム33bを嵌
入したのち、アルミニウム箔33aを蓋体23にレーザ
溶接して封止密閉し、密閉型電池を得た。
底角筒状の外装缶17は、上端開口している肉厚が0.
20mmで表面に2.0μmのニッケルめっきが施され
ている鉄製で、その寸法形状は厚さ3.5mm、幅3
4.0mm、高さ50.0mmであり、負極端子を兼ね
ている。
部から一方寄りに1/3偏芯した位置に直径が0.50
mmの軸部24aが一体形成された偏芯中実リベット2
4の軸部24aを、下部ガスケット27を介在して金属
製蓋体23に対し電気的に絶縁し、偏芯中実リベット2
4の軸部24aの径より大なる0.55mmの孔径の挿
通孔29aを有する外部接続端子板29を、上部ガスケ
ット28を介在して金属製蓋体23に対し電気的に絶縁
した状態で軸部24aに挿通させて取り付けたのち、軸
部24aと外部接続端子板29とをかしめ加工して確実
な電気的接続を行った。
として機能する鍔部24bに、発電要素20から導出し
た正極リード31をレーザ溶接により接続した。偏芯中
実リベット24の材質は、電気化学的溶解の問題から、
アルミニウム合金製を用いた。また、蓋体23には、発
電要素20から導出した負極リード30をレーザ溶接に
より接続した。これ以外は、実施例1と同様にして密閉
型電池を作製した。
体1の取付孔1aに上部ガスケット2および筒状中空リ
ベット8を挿入し、筒状中空リベット8に、下部ガスケ
ット4および内部端子板7を挿入して、かしめ加工によ
り封止した。これ以外は、実施例1と同様にして密閉型
電池を作製した。
体1の取付孔1aに、上部ガスケット2および段付き中
実リベット14を挿入し、段付き中実リベット14に、
下部ガスケット4および内部端子板7を挿入し、かしめ
加工して封止した。これ以外は、実施例1と同様にして
密閉型電池を作製した。
例1および比較例2で得られた密閉型電池を各30個を
用いて、4.20Vまで充電を行った後、190cmの
高さからコンクリート面上に5回の自由落下を行う第1
の落下衝撃試験と、75cmの高さからコンクリート面
上に3方向の面を各5回ずつ自由落下を行う第2の落下
衝撃試験を行った結果を表1、表2に示す。
2で得られた密閉型電池は、比較例1、比較例2で得ら
れた密閉型電池と比較して、落下衝撃試験による電池抵
抗の上昇変化が小さい。これは、本発明によるかしめ部
が、非水電解液と接触しない構造になっており、発電要
素から伸びるリード溶接ならびに外部接続端子板への電
気的接続が確実に行われている結果である。
れば、偏芯中実リベットに一体形成された鍔部が内部端
子板として機能するので、体積ロスが少なくなり、偏芯
中実リベットの軸部は単なる軸状であるから、薄型化が
容易であり、軸部が鍔部の中央部に対し一方寄りに偏心
した部位に設けられているので、発電要素から伸びる接
続リードの溶接を行う際の熱影響によってガスケットに
変形が生じることがなく、電解液の漏液を確実に防止す
ることができる。また、外部接続端子板と軸部とを外装
缶の外部側でかしめ加工して固着するので、確実な電気
的接続を容易に得ることができるとともに、かしめ部が
電解液に接しないので、落下試験時の電気抵抗の上昇が
少なく、安定した電気抵抗および封止性をもつ密閉型電
池を得ることができる。
切断正面図。
示す斜視図。
電池における外部接続端子板の封止構造部分の切断正面
図。
Claims (5)
- 【請求項1】 上端部が開口した有底の金属製外装缶
と、 正極板と負極板とがセパレータを介在して絶縁された状
態で前記外装缶内に収納された発電要素と、 前記外装缶の開口部に嵌合して接合され、前記発電要素
から導出した一方の電極の接続リードが溶接により接続
された金属製蓋体と、 鍔部の中央部に対し一方寄りに偏芯した位置に一体形成
された軸部が前記蓋体の取付孔に前記外装缶の内部側か
ら挿入され、前記鍔部の他方寄りの部位に前記発電要素
から導出した他方の電極の接続リードが溶接により接続
された偏芯中実リベットと、 前記偏芯中実リベットと前記蓋体とをこれらの間に介在
して電気絶縁する下部ガスケットと、 前記軸部の先端部に電気的接続状態に固着された外部接
続端子板と、 前記外部接続端子板と前記蓋体とをこれらの間に介在し
て電気絶縁する上部ガスケットとを備えていることを特
徴とする密閉型電池。 - 【請求項2】 外部接続端子板が、偏芯中実リベットの
軸部の径よりも大きな孔径に形成された挿通孔に前記軸
部の先端部分が挿入されたのち、前記軸部と共にかしめ
加工されて前記軸部に固着され、上部ガスケットが、蓋
体の取付孔に連通して前記外装缶の外方側に形成された
座ぐり部内に挿入された配置で前記外部接続端子板と前
記蓋体との間に介在されている請求項1に記載の密閉型
電池。 - 【請求項3】 偏芯中実リベットの材質が、SUSまた
は表面にニッケルメッキを施した鉄である請求項1また
は2に記載の密閉型電池。 - 【請求項4】 偏芯中実リベットの材質が、銅もしくは
銅合金である請求項1または2に記載の密閉型電池。 - 【請求項5】 偏芯中実リベットの材質が、アルミニウ
ムもしくはアルミニウム合金である請求項1または2に
記載の密閉型電池。
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