JP2002226204A - 水素精製装置 - Google Patents
水素精製装置Info
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/30—Hydrogen technology
- Y02E60/50—Fuel cells
Landscapes
- Fuel Cell (AREA)
- Hydrogen, Water And Hydrids (AREA)
- Catalysts (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 従来の水素精製装置は、起動に時間を要した
り、取り扱いが煩雑なため、頻繁に起動停止を繰り返す
用途には充分に適用できなかった。 【解決手段】 水素、一酸化炭素および水蒸気を含む改
質ガスから一酸化炭素を除去する触媒体1を少なくとも
備えた水素精製装置であって、触媒体1が、Mo、W、
Reのうちの少なくとも1つとZrとが複合化した複合
酸化物で構成された、またはMo、W、Re、Zrのう
ちの1つの酸化物で構成された担体と、その担体の表面
に担持されたPt、Pd、Rh、Ruのうちの少なくと
も一つとで構成されている。
り、取り扱いが煩雑なため、頻繁に起動停止を繰り返す
用途には充分に適用できなかった。 【解決手段】 水素、一酸化炭素および水蒸気を含む改
質ガスから一酸化炭素を除去する触媒体1を少なくとも
備えた水素精製装置であって、触媒体1が、Mo、W、
Reのうちの少なくとも1つとZrとが複合化した複合
酸化物で構成された、またはMo、W、Re、Zrのう
ちの1つの酸化物で構成された担体と、その担体の表面
に担持されたPt、Pd、Rh、Ruのうちの少なくと
も一つとで構成されている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水素を主成分とし
一酸化炭素(以下COと記す)を含有する改質ガスを精
製し、高純度の水素ガスを提供する水素精製装置に関す
る。
一酸化炭素(以下COと記す)を含有する改質ガスを精
製し、高純度の水素ガスを提供する水素精製装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】燃料電池などの水素源として、炭化水素
もしくはアルコール、エーテルなどの改質によって得ら
れる改質ガスを用いるが、100℃以下の低温で動作す
る固体高分子型燃料電池の場合には、燃料電池の電極に
用いるPt触媒が改質ガスに含まれるCOによって被毒
される恐れがある。Pt触媒の被毒が起こると、水素の
反応が阻害され、燃料電池の発電効率が著しく低下す
る。そのため、水素精製装置を利用して、COを100
ppm以下、好ましくは10ppm以下に除去する必要
がある。
もしくはアルコール、エーテルなどの改質によって得ら
れる改質ガスを用いるが、100℃以下の低温で動作す
る固体高分子型燃料電池の場合には、燃料電池の電極に
用いるPt触媒が改質ガスに含まれるCOによって被毒
される恐れがある。Pt触媒の被毒が起こると、水素の
反応が阻害され、燃料電池の発電効率が著しく低下す
る。そのため、水素精製装置を利用して、COを100
ppm以下、好ましくは10ppm以下に除去する必要
がある。
【0003】通常、COを除去するためには、水素精製
装置における、CO変成触媒体を設置したCO変成部で
COと水蒸気とをシフト反応させ、二酸化炭素と水素と
に転換し、数千ppm〜1%程度の濃度までCO濃度を
低減させる。
装置における、CO変成触媒体を設置したCO変成部で
COと水蒸気とをシフト反応させ、二酸化炭素と水素と
に転換し、数千ppm〜1%程度の濃度までCO濃度を
低減させる。
【0004】その後、微量の空気を利用して酸素を加
え、CO選択酸化触媒体によって、燃料電池に悪影響を
およぼさない数ppmレベルまでCOを除去する。ここ
で、充分にCOを除去するためには、CO濃度の1〜3
倍程度の酸素を加える必要があるが、このとき、水素も
酸素量に対応して消費される。そして、CO濃度が高い
場合には、加えるべき酸素量も増加し、消費される水素
が増大するため、装置全体の効率が大きく低下する。
え、CO選択酸化触媒体によって、燃料電池に悪影響を
およぼさない数ppmレベルまでCOを除去する。ここ
で、充分にCOを除去するためには、CO濃度の1〜3
倍程度の酸素を加える必要があるが、このとき、水素も
酸素量に対応して消費される。そして、CO濃度が高い
場合には、加えるべき酸素量も増加し、消費される水素
が増大するため、装置全体の効率が大きく低下する。
【0005】したがって、CO変成触媒体を設置したC
O変成部において、COを充分に低減させておくことが
必要となる。
O変成部において、COを充分に低減させておくことが
必要となる。
【0006】従来から、CO変成触媒には、低温用CO
変成触媒としては、150〜300℃で使用可能な銅−
亜鉛系触媒、銅−クロム系触媒などが用いられ、高温用
CO変成触媒としては、300℃以上で機能する鉄−ク
ロム系触媒などが用いられている。これらのCO変成触
媒は、化学プラントや燃料電池用水素発生器などの用途
に応じて、低温用CO変成触媒のみで使用したり、高温
用CO変成触媒と低温用CO変成触媒とを組み合わせて
使用されていた。
変成触媒としては、150〜300℃で使用可能な銅−
亜鉛系触媒、銅−クロム系触媒などが用いられ、高温用
CO変成触媒としては、300℃以上で機能する鉄−ク
ロム系触媒などが用いられている。これらのCO変成触
媒は、化学プラントや燃料電池用水素発生器などの用途
に応じて、低温用CO変成触媒のみで使用したり、高温
用CO変成触媒と低温用CO変成触媒とを組み合わせて
使用されていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
銅系の低温用CO変成触媒を中心に用いた場合、非常に
高い触媒活性が得られるが、使用前に還元処理を施して
活性化させる必要がある。そして、活性化処理中に発熱
するため、触媒が耐熱温度以上にならないように、例え
ば還元ガスの供給量を調節しながら、長時間かけて処理
する必要があった。また、一度活性化させたCO変成触
媒は、装置の停止時などに酸素が混入した場合には再酸
化されて劣化する可能性があるため、酸化を防止するな
どの対策が必要であった。さらに、低温用CO変成触媒
は、耐熱性が低く、装置の始動時に触媒を急激に加熱す
ることができないため、徐々に温度を上昇させるなどの
対策が必要であった。
銅系の低温用CO変成触媒を中心に用いた場合、非常に
高い触媒活性が得られるが、使用前に還元処理を施して
活性化させる必要がある。そして、活性化処理中に発熱
するため、触媒が耐熱温度以上にならないように、例え
ば還元ガスの供給量を調節しながら、長時間かけて処理
する必要があった。また、一度活性化させたCO変成触
媒は、装置の停止時などに酸素が混入した場合には再酸
化されて劣化する可能性があるため、酸化を防止するな
どの対策が必要であった。さらに、低温用CO変成触媒
は、耐熱性が低く、装置の始動時に触媒を急激に加熱す
ることができないため、徐々に温度を上昇させるなどの
対策が必要であった。
【0008】一方、高温用CO変成触媒のみを用いた場
合には、耐熱性が高く温度が多少上昇しすぎても問題は
ないため、始動時の加熱などが容易になる。
合には、耐熱性が高く温度が多少上昇しすぎても問題は
ないため、始動時の加熱などが容易になる。
【0009】しかしながら、CO変成反応は、高温領域
においてCO濃度を低減させる方向には進行しにくい平
衡反応であり、高温でしか機能しない高温用CO変成触
媒を用いた場合には、CO濃度を1%以下にすることが
困難であった。そのため、後に接続するCO浄化部での
浄化効率が低下してしまうことがあった。
においてCO濃度を低減させる方向には進行しにくい平
衡反応であり、高温でしか機能しない高温用CO変成触
媒を用いた場合には、CO濃度を1%以下にすることが
困難であった。そのため、後に接続するCO浄化部での
浄化効率が低下してしまうことがあった。
【0010】このように、従来の技術においては、たと
えば、水素精製装置の起動に時間を要したり、取り扱い
が煩雑なため、頻繁に起動停止を繰り返す用途には、充
分には適用できないという課題があった。
えば、水素精製装置の起動に時間を要したり、取り扱い
が煩雑なため、頻繁に起動停止を繰り返す用途には、充
分には適用できないという課題があった。
【0011】本発明は、上記従来のこのような課題を考
慮し、たとえば、始動時の加熱などが容易であり、高い
CO浄化効率を有する水素精製装置を提供することを目
的とする。
慮し、たとえば、始動時の加熱などが容易であり、高い
CO浄化効率を有する水素精製装置を提供することを目
的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】第1の本発明(請求項1
に対応)は、水素、一酸化炭素および水蒸気を含む改質
ガスから一酸化炭素を除去する一酸化炭素変成触媒体を
少なくとも備え、その一酸化炭素変成触媒体は、Mo、
W、Reのうちの少なくとも1つとZrとが複合化した
複合酸化物で構成された、またはMo、W、Re、Zr
のうちの1つの酸化物で構成された担体と、その担体の
表面に担持されたPt、Pd、Rh、Ruのうちの少な
くとも一つとで構成されている水素精製装置である。
に対応)は、水素、一酸化炭素および水蒸気を含む改質
ガスから一酸化炭素を除去する一酸化炭素変成触媒体を
少なくとも備え、その一酸化炭素変成触媒体は、Mo、
W、Reのうちの少なくとも1つとZrとが複合化した
複合酸化物で構成された、またはMo、W、Re、Zr
のうちの1つの酸化物で構成された担体と、その担体の
表面に担持されたPt、Pd、Rh、Ruのうちの少な
くとも一つとで構成されている水素精製装置である。
【0013】第2の本発明(請求項2に対応)は、前記
担体の表面に担持された物質がPtである第1の本発明
に記載の水素精製装置である。
担体の表面に担持された物質がPtである第1の本発明
に記載の水素精製装置である。
【0014】第3の本発明(請求項3に対応)は、前記
担体がMo、W、Reのうちの少なくとも1つとZrと
が複合化した複合酸化物で構成されており、その複合酸
化物における酸素を除いた元素の組成比率が前記複合酸
化物全体に対して1〜90原子パーセントである第1ま
たは第2の本発明に記載の水素精製装置である。
担体がMo、W、Reのうちの少なくとも1つとZrと
が複合化した複合酸化物で構成されており、その複合酸
化物における酸素を除いた元素の組成比率が前記複合酸
化物全体に対して1〜90原子パーセントである第1ま
たは第2の本発明に記載の水素精製装置である。
【0015】第4の本発明(請求項4に対応)は、前記
担体がMo、W、Reのうちの少なくとも1つとZrと
が複合化した複合酸化物で構成されており、Mo、W、
Reが、前記担体に担持されたPt、Pd、Rhまたは
Ruよりも高い原子パーセント比率で含有されている第
1から第3のいずれかの本発明に記載の水素精製装置で
ある。
担体がMo、W、Reのうちの少なくとも1つとZrと
が複合化した複合酸化物で構成されており、Mo、W、
Reが、前記担体に担持されたPt、Pd、Rhまたは
Ruよりも高い原子パーセント比率で含有されている第
1から第3のいずれかの本発明に記載の水素精製装置で
ある。
【0016】第5の本発明(請求項5に対応)は、前記
一酸化炭素変成触媒体が複数段に分割されているととも
に、前記分割された一酸化炭素変成触媒体それぞれが前
記改質ガスの経路の上流側から下流側に順に配置されて
おり、前記各一酸化炭素変成触媒体間には、前記改質ガ
スが熱を放出するための放熱部、および/または前記改
質ガスを冷却する冷却部が設けられている第1から第4
のいずれかの本発明に記載の水素精製装置である。
一酸化炭素変成触媒体が複数段に分割されているととも
に、前記分割された一酸化炭素変成触媒体それぞれが前
記改質ガスの経路の上流側から下流側に順に配置されて
おり、前記各一酸化炭素変成触媒体間には、前記改質ガ
スが熱を放出するための放熱部、および/または前記改
質ガスを冷却する冷却部が設けられている第1から第4
のいずれかの本発明に記載の水素精製装置である。
【0017】
【発明の実施の形態】以下では、本発明にかかる実施の
形態について、図面を参照しつつ説明を行う。
形態について、図面を参照しつつ説明を行う。
【0018】(実施の形態1)はじめに、図1を参照し
ながら、本実施の形態における水素精製装置の構成につ
いて説明する。なお、図1は、本実施の形態における水
素精製装置の構成を示す概略縦断面図である。
ながら、本実施の形態における水素精製装置の構成につ
いて説明する。なお、図1は、本実施の形態における水
素精製装置の構成を示す概略縦断面図である。
【0019】図1において、1は、CO変成触媒体(以
下では、単に触媒体ともいう)であり、反応室2の内部
に設置した。3は、改質ガス入口であり、ここから改質
ガスを導入する。CO変成触媒体1で反応した改質ガス
は、改質ガス出口4より排出される。
下では、単に触媒体ともいう)であり、反応室2の内部
に設置した。3は、改質ガス入口であり、ここから改質
ガスを導入する。CO変成触媒体1で反応した改質ガス
は、改質ガス出口4より排出される。
【0020】なお、触媒体1の上流側には、改質ガスが
均一に流れるように拡散板5を設置してある。また、反
応室2を一定温度に保つために、必要箇所は、外周をセ
ラミックウールからなる断熱材6で覆った。
均一に流れるように拡散板5を設置してある。また、反
応室2を一定温度に保つために、必要箇所は、外周をセ
ラミックウールからなる断熱材6で覆った。
【0021】ここで、触媒体1には、ジルコニウム(以
下Zrと記す)とモリブデン(以下Moと記す)との複
合酸化物にPtを担持した触媒を、コージェライトハニ
カムにコーティングしたものを用いた。
下Zrと記す)とモリブデン(以下Moと記す)との複
合酸化物にPtを担持した触媒を、コージェライトハニ
カムにコーティングしたものを用いた。
【0022】つぎに、本実施の形態における水素精製装
置の動作について説明する。
置の動作について説明する。
【0023】水素精製装置に供給する改質ガスを発生さ
せるために用いる燃料としては、天然ガス、メタノー
ル、ガソリンなどがあり、改質方法も、水蒸気を加える
水蒸気改質、空気を加えておこなう部分改質などがある
が、ここでは、天然ガスを水蒸気改質して改質ガスを得
る場合について述べる。
せるために用いる燃料としては、天然ガス、メタノー
ル、ガソリンなどがあり、改質方法も、水蒸気を加える
水蒸気改質、空気を加えておこなう部分改質などがある
が、ここでは、天然ガスを水蒸気改質して改質ガスを得
る場合について述べる。
【0024】天然ガスを水蒸気改質した場合の改質ガス
の組成は、改質触媒体の温度によって多少変化するが、
水蒸気を除いた平均的な値として、水素が約80%、二
酸化炭素、一酸化炭素がそれぞれ約10%含まれる。
の組成は、改質触媒体の温度によって多少変化するが、
水蒸気を除いた平均的な値として、水素が約80%、二
酸化炭素、一酸化炭素がそれぞれ約10%含まれる。
【0025】天然ガスの改質反応は、500〜800℃
程度でおこなうのに対し、COと水蒸気が反応する変成
反応は、150〜350℃程度で進行するため、改質ガ
スは、改質ガス入口3の手前で冷却してから供給する。
CO変成触媒体1通過後のCO濃度は、約0.5%まで
低減され、改質ガス出口4より排出される。
程度でおこなうのに対し、COと水蒸気が反応する変成
反応は、150〜350℃程度で進行するため、改質ガ
スは、改質ガス入口3の手前で冷却してから供給する。
CO変成触媒体1通過後のCO濃度は、約0.5%まで
低減され、改質ガス出口4より排出される。
【0026】次に、本実施の形態の水素精製装置の動作
原理について説明する。
原理について説明する。
【0027】CO変成反応は、温度に依存する平衡反応
であり、低温で反応させるほど、CO濃度を低減させる
ことができる。一方、低温になると触媒上での反応速度
が低下する。したがって、CO濃度が極小値をとる温度
が存在する。
であり、低温で反応させるほど、CO濃度を低減させる
ことができる。一方、低温になると触媒上での反応速度
が低下する。したがって、CO濃度が極小値をとる温度
が存在する。
【0028】従来の水素精製装置においてCO変成触媒
として用いられる銅−亜鉛触媒、銅−クロム触媒などの
銅系の変成触媒は、150〜250℃の低温でCO変成
反応を行うことができ、条件によっては、CO濃度を数
百〜千ppm前後にまで低減させることができる。
として用いられる銅−亜鉛触媒、銅−クロム触媒などの
銅系の変成触媒は、150〜250℃の低温でCO変成
反応を行うことができ、条件によっては、CO濃度を数
百〜千ppm前後にまで低減させることができる。
【0029】しかし、銅系の触媒は、反応器に充填した
後、装置の起動時に水素や改質ガスなどの還元ガスを流
通させて活性化させる必要があるとともに、耐熱性は3
00℃前後と低い。したがって、活性化時の反応熱で耐
熱温度を超えないように、還元ガスを不活性ガスなどで
希釈して供給するか、または少流量で徐々に反応させる
必要があり、反応に長時間を要する。また、装置の起動
時にも、過昇温によって耐熱温度を超えないように、ゆ
っくりと長時間かけて加熱する必要があり、頻繁に起動
停止を繰り返すような用途には、問題点が多い。
後、装置の起動時に水素や改質ガスなどの還元ガスを流
通させて活性化させる必要があるとともに、耐熱性は3
00℃前後と低い。したがって、活性化時の反応熱で耐
熱温度を超えないように、還元ガスを不活性ガスなどで
希釈して供給するか、または少流量で徐々に反応させる
必要があり、反応に長時間を要する。また、装置の起動
時にも、過昇温によって耐熱温度を超えないように、ゆ
っくりと長時間かけて加熱する必要があり、頻繁に起動
停止を繰り返すような用途には、問題点が多い。
【0030】一方、本実施の形態の水素精製装置では、
触媒体1の一部に貴金属触媒Ptを用いており、銅系の
触媒と比較して非常に高い耐熱性を持つため、装置の起
動時に500℃程度の高温になった場合でも、触媒の大
きな劣化は無い。また、銅系触媒のように、長時間の還
元処理を行う必要もない。また、装置を停止させた場合
に空気が混入しても銅系触媒よりも触媒劣化は少ない。
触媒体1の一部に貴金属触媒Ptを用いており、銅系の
触媒と比較して非常に高い耐熱性を持つため、装置の起
動時に500℃程度の高温になった場合でも、触媒の大
きな劣化は無い。また、銅系触媒のように、長時間の還
元処理を行う必要もない。また、装置を停止させた場合
に空気が混入しても銅系触媒よりも触媒劣化は少ない。
【0031】なお、Pt、Pd、Rh、およびRuなど
を活性成分とする貴金属触媒は、活性が高いために、反
応の選択性が比較的低い。そのため、条件によっては、
CO変成反応の副反応として、COまたは二酸化炭素の
メタン化反応も進行することがあり、メタン化反応の進
行による水素の消費が、装置全体の効率を低下させるこ
とが懸念される。
を活性成分とする貴金属触媒は、活性が高いために、反
応の選択性が比較的低い。そのため、条件によっては、
CO変成反応の副反応として、COまたは二酸化炭素の
メタン化反応も進行することがあり、メタン化反応の進
行による水素の消費が、装置全体の効率を低下させるこ
とが懸念される。
【0032】ただし、通常、CO変成反応を行う150
〜450℃の温度領域では、高温になるほどメタン化反
応が顕著となるが、貴金属の種類によっても、メタン生
成率は異なる。これは、貴金属の種類によってCOの吸
着機構が異なるためであり、メタン化反応が進行しやす
いCOの吸着機構をもつPd、RhおよびRuは、比較
的低温でメタンを発生させ、CO変成反応を行うことが
できる温度領域が狭くなる。これに対して、本実施の形
態で用いるPt触媒は、メタン化反応を起こしにくく、
広い温度範囲でCO変成反応を行うことができる。した
がって、メタン化反応の進行によって大量の水素が消費
されることはなく、本実施の形態の水素精製装置は、効
率よく稼働することができる。
〜450℃の温度領域では、高温になるほどメタン化反
応が顕著となるが、貴金属の種類によっても、メタン生
成率は異なる。これは、貴金属の種類によってCOの吸
着機構が異なるためであり、メタン化反応が進行しやす
いCOの吸着機構をもつPd、RhおよびRuは、比較
的低温でメタンを発生させ、CO変成反応を行うことが
できる温度領域が狭くなる。これに対して、本実施の形
態で用いるPt触媒は、メタン化反応を起こしにくく、
広い温度範囲でCO変成反応を行うことができる。した
がって、メタン化反応の進行によって大量の水素が消費
されることはなく、本実施の形態の水素精製装置は、効
率よく稼働することができる。
【0033】また、Moを助触媒として添加することに
よって、Pt触媒のCO変成反応に対する活性が向上す
るとともに、メタン化反応を抑制することができる。こ
れはPt触媒の酸化状態を変成反応の進行しやすい状態
にする効果によるものである。
よって、Pt触媒のCO変成反応に対する活性が向上す
るとともに、メタン化反応を抑制することができる。こ
れはPt触媒の酸化状態を変成反応の進行しやすい状態
にする効果によるものである。
【0034】また、Ptの担持量に対してMoの添加量
は同量以上が好ましい。Ptの担持量が多いほど触媒活
性は向上するが、Ptに対して、Moが同量以上存在し
ないとPt量を増加させただけの効果が得られない。
は同量以上が好ましい。Ptの担持量が多いほど触媒活
性は向上するが、Ptに対して、Moが同量以上存在し
ないとPt量を増加させただけの効果が得られない。
【0035】ただし、酸化モリブデンは、耐熱性がジル
コニアなどの担体と比較して低く、600℃を越える温
度になるような条件で使用した場合には、比表面積が低
下し触媒活性が低下する可能性がある。また、わずかに
水溶性であるため、長期間使用することによってMoが
流出する可能性もある。
コニアなどの担体と比較して低く、600℃を越える温
度になるような条件で使用した場合には、比表面積が低
下し触媒活性が低下する可能性がある。また、わずかに
水溶性であるため、長期間使用することによってMoが
流出する可能性もある。
【0036】本発明の水素精製装置では、触媒担体とし
て、例えばMoにZrを複合化させた複合酸化物を用い
ており、触媒担体の安定性が向上し、触媒の活性低下が
生じにくい。MoとZrの比率は、Moが少ない(すな
わち、Zrが多い)ほど耐熱性も上がり安定であるが、
Moの含有量の減少とともに、高温域でのメタン化反応
が進行しやすくなる。そのため、Moの含有量は、1原
子%以上であることが好ましい。ただし、Moの含有量
が90原子%よりも高いと、酸化モリブデンとほぼ同じ
性能しか得られない。
て、例えばMoにZrを複合化させた複合酸化物を用い
ており、触媒担体の安定性が向上し、触媒の活性低下が
生じにくい。MoとZrの比率は、Moが少ない(すな
わち、Zrが多い)ほど耐熱性も上がり安定であるが、
Moの含有量の減少とともに、高温域でのメタン化反応
が進行しやすくなる。そのため、Moの含有量は、1原
子%以上であることが好ましい。ただし、Moの含有量
が90原子%よりも高いと、酸化モリブデンとほぼ同じ
性能しか得られない。
【0037】なお、Moに対してZrを複合化させる方
法は、特に限定はなく、例えば共沈法、ゾルゲル法、ア
ルコキシド法などを用いることができる。また、ジルコ
ニアにMo塩の溶液を含浸させても良い。
法は、特に限定はなく、例えば共沈法、ゾルゲル法、ア
ルコキシド法などを用いることができる。また、ジルコ
ニアにMo塩の溶液を含浸させても良い。
【0038】また、酸化モリブデンとジルコニアとが、
固溶体を形成して均一に複合化されている場合には、担
体の安定性が高くなるとともに、メタン化反応の進行も
抑制される。これは、酸化モリブデンやジルコニアが固
溶せずに存在していた場合に、それぞれ材料単独の低耐
熱性、メタン化反応性の特性が現れるためである。固溶
体の形成は、粉末X線回折測定で確認でき、酸化モリブ
デンやジルコニアの単相の回折線強度が小さいほど、均
一に固溶体が形成されていることが分かる。
固溶体を形成して均一に複合化されている場合には、担
体の安定性が高くなるとともに、メタン化反応の進行も
抑制される。これは、酸化モリブデンやジルコニアが固
溶せずに存在していた場合に、それぞれ材料単独の低耐
熱性、メタン化反応性の特性が現れるためである。固溶
体の形成は、粉末X線回折測定で確認でき、酸化モリブ
デンやジルコニアの単相の回折線強度が小さいほど、均
一に固溶体が形成されていることが分かる。
【0039】充分な触媒活性を得るためにはPt粒子を
小さくし、多くの活性点を持つことが必要であるが、こ
のためには、BET比表面積が1当たり10平方メート
ル以上ある金属酸化物にPtを担持させるのが、好まし
い。ここで、BET比表面積とは、粉末に窒素を吸着さ
せておこなう公知の測定法で求められる比表面積のこと
である。
小さくし、多くの活性点を持つことが必要であるが、こ
のためには、BET比表面積が1当たり10平方メート
ル以上ある金属酸化物にPtを担持させるのが、好まし
い。ここで、BET比表面積とは、粉末に窒素を吸着さ
せておこなう公知の測定法で求められる比表面積のこと
である。
【0040】BET比表面積の上限は、特に限定はな
く、1g当たり100〜200平方メートルであって
も、同様に高い活性が得られるが、1g当たり100平
方メートル以上になると、比表面積増加による効果は小
さくなる。金属酸化物および複合金属酸化物のBET比
表面積が、1g辺り10平方メートル未満であった場合
には、Ptが充分吸着せずにPtの分散度が低下し、充
分な触媒活性が得られない。なお、Ptの粒径を小さく
するため、Pt担持量を少なくした場合、活性点の数が
減少し、充分な活性は得られない。
く、1g当たり100〜200平方メートルであって
も、同様に高い活性が得られるが、1g当たり100平
方メートル以上になると、比表面積増加による効果は小
さくなる。金属酸化物および複合金属酸化物のBET比
表面積が、1g辺り10平方メートル未満であった場合
には、Ptが充分吸着せずにPtの分散度が低下し、充
分な触媒活性が得られない。なお、Ptの粒径を小さく
するため、Pt担持量を少なくした場合、活性点の数が
減少し、充分な活性は得られない。
【0041】また、本実施の形態では、Zrに対してM
oを複合化させた複合酸化物を用いたが、Moの代わり
に、タングステン(W)やレニウム(Re)を複合化さ
せても同様の効果がえられる。これらの元素はMoと類
似した化学的性質をもつため、添加による効果もMoと
同じである。また、これらの添加元素を複合的に用いて
も同様の効果が得られる。
oを複合化させた複合酸化物を用いたが、Moの代わり
に、タングステン(W)やレニウム(Re)を複合化さ
せても同様の効果がえられる。これらの元素はMoと類
似した化学的性質をもつため、添加による効果もMoと
同じである。また、これらの添加元素を複合的に用いて
も同様の効果が得られる。
【0042】また、本実施の形態では、触媒体の形状は
コージェライトハニカムであるとしたが、担体の形状を
ペレット形状とし、Pt塩を含浸させてCO変成触媒体
を作製しても、同様の性能を有する変成触媒体が得られ
る。
コージェライトハニカムであるとしたが、担体の形状を
ペレット形状とし、Pt塩を含浸させてCO変成触媒体
を作製しても、同様の性能を有する変成触媒体が得られ
る。
【0043】(実施の形態2)次に本発明の実施の形態
2について述べる。本実施の形態では図2に示すよう
に、触媒体を2段に分割して触媒体の中間に冷却部を設
けており、作用効果の大部分は実施の形態1と類似であ
る。したがって、異なる点を中心に本実施の形態を説明
する。
2について述べる。本実施の形態では図2に示すよう
に、触媒体を2段に分割して触媒体の中間に冷却部を設
けており、作用効果の大部分は実施の形態1と類似であ
る。したがって、異なる点を中心に本実施の形態を説明
する。
【0044】図2は本実施の形態に係る水素精製装置の
構成を示す概略縦断面図である。触媒体を第1触媒体1
1と第2触媒体13に分割し、中間に冷却部を設け、冷
却ファン19で改質ガスを冷却することにより、少ない
触媒量でCO濃度を低減することができる。CO変成反
応は発熱反応であるため、触媒体の上流部で発生した反
応熱は、改質ガスによって下流部に伝達される。このた
め、触媒体の温度は下流部の方が高温になりやすく、上
流部でCO濃度を充分に低減しても、高温の下流部で再
び逆反応によりCO濃度が増加する。したがって、下流
側の第2触媒体13を第1触媒体11よりも低温にする
ことによって、逆反応を抑制できる。
構成を示す概略縦断面図である。触媒体を第1触媒体1
1と第2触媒体13に分割し、中間に冷却部を設け、冷
却ファン19で改質ガスを冷却することにより、少ない
触媒量でCO濃度を低減することができる。CO変成反
応は発熱反応であるため、触媒体の上流部で発生した反
応熱は、改質ガスによって下流部に伝達される。このた
め、触媒体の温度は下流部の方が高温になりやすく、上
流部でCO濃度を充分に低減しても、高温の下流部で再
び逆反応によりCO濃度が増加する。したがって、下流
側の第2触媒体13を第1触媒体11よりも低温にする
ことによって、逆反応を抑制できる。
【0045】本実施の形態では2段構成としたが、特に
段数に制限はなく、各段の触媒体がそれぞれ最適な温度
に制御できる構成であれば高い特性が得られる。
段数に制限はなく、各段の触媒体がそれぞれ最適な温度
に制御できる構成であれば高い特性が得られる。
【0046】また、冷却手段としては冷却ファンを用い
たが、水による冷却を用いてもかまわない。
たが、水による冷却を用いてもかまわない。
【0047】
【実施例】(実施例1)表1に示す組成の金属酸化物、
または複合酸化物1〜22にPtを1原子%担持した。
これをコージェライトハニカムにコーティングして触媒
体1として図1に示す反応室2に設置した。
または複合酸化物1〜22にPtを1原子%担持した。
これをコージェライトハニカムにコーティングして触媒
体1として図1に示す反応室2に設置した。
【0048】改質ガス入口3より、一酸化炭素8%、二
酸化炭素8%、水蒸気20%、残りが水素である改質ガ
スを、毎分10リットルの流量で導入した。改質ガス温
度を制御し、触媒体1で反応させた後に、改質ガス出口
4より排出されるガスの組成をガスクロマトグラフィで
測定した。
酸化炭素8%、水蒸気20%、残りが水素である改質ガ
スを、毎分10リットルの流量で導入した。改質ガス温
度を制御し、触媒体1で反応させた後に、改質ガス出口
4より排出されるガスの組成をガスクロマトグラフィで
測定した。
【0049】CO濃度の最低値、触媒温度が400℃に
おける反応後のガス中のメタン濃度を測定し、さらに、
装置を停止させた後、再び起動させる動作を10回繰り
返し、CO濃度を測定して触媒の活性変化を確認した。
これらの結果を、表1にまとめて示す。
おける反応後のガス中のメタン濃度を測定し、さらに、
装置を停止させた後、再び起動させる動作を10回繰り
返し、CO濃度を測定して触媒の活性変化を確認した。
これらの結果を、表1にまとめて示す。
【0050】
【表1】 表1に示された実験結果より、前述したつぎのような事
実が裏付けられる。酸化モリブデンは、変成反応に対す
る活性が極めて高く、メタン化反応も抑制できるが、ジ
ルコニアと比較して、装置の起動停止の繰り返しにより
触媒活性が低下しやすい。また、触媒担体としてMoに
Zrを複合化させた複合酸化物を用いるとき、Moの比
率が少ないほど、(1)触媒の活性低下は生じにくい
が、(2)たとえば高温域でのメタン化反応は進行しや
すくなる。
実が裏付けられる。酸化モリブデンは、変成反応に対す
る活性が極めて高く、メタン化反応も抑制できるが、ジ
ルコニアと比較して、装置の起動停止の繰り返しにより
触媒活性が低下しやすい。また、触媒担体としてMoに
Zrを複合化させた複合酸化物を用いるとき、Moの比
率が少ないほど、(1)触媒の活性低下は生じにくい
が、(2)たとえば高温域でのメタン化反応は進行しや
すくなる。
【0051】なお、W、ReはMoと同様の化学的性質
を持つ。したがって、Zrに対して、WまたはReを複
合化させた複合酸化物を用いた場合にも、Zrに対して
Moを複合化させた複合酸化物を用いた場合と同様の実
験結果が得られる。
を持つ。したがって、Zrに対して、WまたはReを複
合化させた複合酸化物を用いた場合にも、Zrに対して
Moを複合化させた複合酸化物を用いた場合と同様の実
験結果が得られる。
【0052】(実施例2)Moの比率を1原子%、2原
子%とした複合酸化物に対して、Ptを0.5原子%〜
3原子%の比率で担持した23〜32の試料について、
実施例1と同様に測定した。これらの結果を表2にまと
めて示す。
子%とした複合酸化物に対して、Ptを0.5原子%〜
3原子%の比率で担持した23〜32の試料について、
実施例1と同様に測定した。これらの結果を表2にまと
めて示す。
【0053】
【表2】 表2に示された実験結果より、前述したつぎのような事
実が裏付けられる。Pt担持量を増加させるほど、CO
濃度はより低い濃度まで低減できるが、Pt量が添加し
たMo量を上回ると活性の向上は見られなくなり、メタ
ン化活性のみが上昇する。
実が裏付けられる。Pt担持量を増加させるほど、CO
濃度はより低い濃度まで低減できるが、Pt量が添加し
たMo量を上回ると活性の向上は見られなくなり、メタ
ン化活性のみが上昇する。
【0054】(実施例3)実施例1で用いた表1中の試
料7に示したZrとMoの比率が原子数にして1対1で
ある複合酸化物にPtを1原子%担持した。このものを
コージェライトハニカムにコーティングし、第1触媒体
11と第2触媒体13の体積の合計を実施例1と同じに
して、図2に示す第1反応室12と第2反応室14にそ
れぞれ設置した。改質ガス入口15より、一酸化炭素8
%、二酸化炭素8%、水蒸気20%、残りが水素である
改質ガスを、毎分10リットルの流量で導入した。CO
濃度の最低値、第1触媒体11の温度が400℃におけ
る反応後のガス中のメタン濃度は、それぞれ0.09
%、0.06%であった。さらに、装置を停止させた
後、再び起動させる動作を10回繰り返し、CO濃度を
測定して触媒の活性変化を確認しところ、0.11%で
あった。
料7に示したZrとMoの比率が原子数にして1対1で
ある複合酸化物にPtを1原子%担持した。このものを
コージェライトハニカムにコーティングし、第1触媒体
11と第2触媒体13の体積の合計を実施例1と同じに
して、図2に示す第1反応室12と第2反応室14にそ
れぞれ設置した。改質ガス入口15より、一酸化炭素8
%、二酸化炭素8%、水蒸気20%、残りが水素である
改質ガスを、毎分10リットルの流量で導入した。CO
濃度の最低値、第1触媒体11の温度が400℃におけ
る反応後のガス中のメタン濃度は、それぞれ0.09
%、0.06%であった。さらに、装置を停止させた
後、再び起動させる動作を10回繰り返し、CO濃度を
測定して触媒の活性変化を確認しところ、0.11%で
あった。
【0055】(比較例1)上述した複合酸化物にPtを
担持させたものの代わりに、本比較例においては、触媒
体1として従来の銅亜鉛触媒を用い、実施例1と同様
に、図1に示す反応室2に設置した。改質ガス入口3よ
り、一酸化炭素8%、二酸化炭素8%、水蒸気20%、
残りが水素である改質ガスを、毎分10リットルの流量
で導入した。改質ガス温度を制御し、触媒体1で反応さ
せた後に、改質ガス出口4より排出されるガスの組成を
ガスクロマトグラフィで測定したところ、CO濃度の最
低値は0.08%であった。さらに、装置を停止させた
後、再び起動させる動作を10回繰り返し、CO濃度を
測定して触媒の活性変化を確認したところ、CO濃度の
最低値は4%であった。
担持させたものの代わりに、本比較例においては、触媒
体1として従来の銅亜鉛触媒を用い、実施例1と同様
に、図1に示す反応室2に設置した。改質ガス入口3よ
り、一酸化炭素8%、二酸化炭素8%、水蒸気20%、
残りが水素である改質ガスを、毎分10リットルの流量
で導入した。改質ガス温度を制御し、触媒体1で反応さ
せた後に、改質ガス出口4より排出されるガスの組成を
ガスクロマトグラフィで測定したところ、CO濃度の最
低値は0.08%であった。さらに、装置を停止させた
後、再び起動させる動作を10回繰り返し、CO濃度を
測定して触媒の活性変化を確認したところ、CO濃度の
最低値は4%であった。
【0056】このように、本比較例における触媒体を用
いた場合、10回起動停止後のCO濃度は、前述の実施
例における触媒体を用いた場合よりも著しく高い。した
がって、前述されたように、本発明の水素精製装置は、
運転の起動停止を繰り返した場合にも、酸素混入などに
よる影響を受けにくく、長期間にわたって安定に動作す
ることが裏付けられた。
いた場合、10回起動停止後のCO濃度は、前述の実施
例における触媒体を用いた場合よりも著しく高い。した
がって、前述されたように、本発明の水素精製装置は、
運転の起動停止を繰り返した場合にも、酸素混入などに
よる影響を受けにくく、長期間にわたって安定に動作す
ることが裏付けられた。
【0057】以上述べたところから明らかなように、本
発明は、たとえば、少なくとも水素ガス、一酸化炭素お
よび水蒸気を含む改質ガスを供給する改質ガス供給部、
および前記改質ガス供給部の下流側に位置する一酸化炭
素変成触媒体を具備した反応室を備える水素精製装置で
あって、前記一酸化炭素変成触媒体は、たとえばZrに
対して少なくともMoまたはWまたはReが複合化され
た複合酸化物に少なくともPtを担持させたものである
とする。
発明は、たとえば、少なくとも水素ガス、一酸化炭素お
よび水蒸気を含む改質ガスを供給する改質ガス供給部、
および前記改質ガス供給部の下流側に位置する一酸化炭
素変成触媒体を具備した反応室を備える水素精製装置で
あって、前記一酸化炭素変成触媒体は、たとえばZrに
対して少なくともMoまたはWまたはReが複合化され
た複合酸化物に少なくともPtを担持させたものである
とする。
【0058】このとき、複合酸化物における組成比率
は、Moが1〜90原子%、残りがZrであることが好
ましい。
は、Moが1〜90原子%、残りがZrであることが好
ましい。
【0059】なお、本発明の複合酸化物に担持されてい
るのは、上述された本実施の形態では、Ptであった
が、これに限らず、要するに、Pt、Pd、Rh、Ru
の内の少なくとも一つであればよい。ただし、Pd、R
h、Ruなどを活性成分とする貴金属触媒は、前述した
ようにメタン化反応を進行させてしまうことがあるた
め、Ptを利用することが最も好ましい。よって、P
d、Rh、Ruなどを利用する場合にも、前記複合酸化
物には少なくともPtが担持されており、これらはPt
を主体として添加されていることが望ましい。
るのは、上述された本実施の形態では、Ptであった
が、これに限らず、要するに、Pt、Pd、Rh、Ru
の内の少なくとも一つであればよい。ただし、Pd、R
h、Ruなどを活性成分とする貴金属触媒は、前述した
ようにメタン化反応を進行させてしまうことがあるた
め、Ptを利用することが最も好ましい。よって、P
d、Rh、Ruなどを利用する場合にも、前記複合酸化
物には少なくともPtが担持されており、これらはPt
を主体として添加されていることが望ましい。
【0060】このように、本発明の水素精製装置は、C
O変成触媒体の耐久性が改善されており、装置の起動停
止を繰り返した場合でも安定に動作することができる。
O変成触媒体の耐久性が改善されており、装置の起動停
止を繰り返した場合でも安定に動作することができる。
【0061】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
は、たとえば、始動時の加熱などが容易であり、高いC
O浄化効率を有する水素精製装置を提供することができ
る。
は、たとえば、始動時の加熱などが容易であり、高いC
O浄化効率を有する水素精製装置を提供することができ
る。
【図1】本発明の実施の形態1に係る水素精製装置を含
む水素発生装置の構成を示す概略縦断面図
む水素発生装置の構成を示す概略縦断面図
【図2】本発明の実施の形態2に係る水素精製装置を含
む水素発生装置の構成を示す概略縦断面図
む水素発生装置の構成を示す概略縦断面図
1 触媒体 2 反応室 3、15 改質ガス入口 4、16 改質ガス出口 5、17 拡散散板 6、18 断熱材 11 第1触媒体 12 第1反応室 13 第2触媒体 14 第2反応室 19 冷却ファン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // H01M 8/10 B01J 23/64 104M (72)発明者 藤原 誠二 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 富澤 猛 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 4G040 EA09 EB31 EB32 4G069 AA03 BA05A BA05B BA13B BB02A BB02B BB04A BB04B BB06A BB06B BC51A BC51B BC59A BC59B BC60A BC60B BC64A BC64B BC70A BC71A BC72A BC75A BC75B CC17 CC25 DA06 EA02Y EA19 EC03Y FC08 4G140 EA09 EB31 EB32 EB34 5H026 AA06 EE02 EE12 EE13 5H027 AA06 BA01 BA17
Claims (5)
- 【請求項1】 水素、一酸化炭素および水蒸気を含む改
質ガスから一酸化炭素を除去する一酸化炭素変成触媒体
を少なくとも備え、 その一酸化炭素変成触媒体は、Mo、W、Reのうちの
少なくとも1つとZrとが複合化した複合酸化物で構成
された、またはMo、W、Re、Zrのうちの1つの酸
化物で構成された担体と、その担体の表面に担持された
Pt、Pd、Rh、Ruのうちの少なくとも一つとで構
成されている水素精製装置。 - 【請求項2】 前記担体の表面に担持された物質がPt
である請求項1に記載の水素精製装置。 - 【請求項3】 前記担体がMo、W、Reのうちの少な
くとも1つとZrとが複合化した複合酸化物で構成され
ており、その複合酸化物における酸素を除いた元素の組
成比率が前記複合酸化物全体に対して1〜90原子パー
セントである請求項1または2に記載の水素精製装置。 - 【請求項4】 前記担体がMo、W、Reのうちの少な
くとも1つとZrとが複合化した複合酸化物で構成され
ており、Mo、W、Reが、前記担体に担持されたP
t、Pd、RhまたはRuよりも高い原子パーセント比
率で含有されている請求項1から3のいずれかに記載の
水素精製装置。 - 【請求項5】 前記一酸化炭素変成触媒体が複数段に分
割されているとともに、前記分割された一酸化炭素変成
触媒体それぞれが前記改質ガスの経路の上流側から下流
側に順に配置されており、 前記各一酸化炭素変成触媒体間には、前記改質ガスが熱
を放出するための放熱部、および/または前記改質ガス
を冷却する冷却部が設けられている請求項1から4のい
ずれかに記載の水素精製装置。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001018997A JP2002226204A (ja) | 2001-01-26 | 2001-01-26 | 水素精製装置 |
CN02800372A CN1457320A (zh) | 2001-01-26 | 2002-01-24 | 氢气提纯装置和燃料电池发电系统 |
EP02710339A EP1354853A4 (en) | 2001-01-26 | 2002-01-24 | HYDROGEN PURIFICATION DEVICE AND FUEL CELL POWER GENERATION SYSTEM |
US10/239,965 US7147680B2 (en) | 2001-01-26 | 2002-01-24 | Hydrogen purification apparatus and method and fuel cell power generation system and method |
PCT/JP2002/000487 WO2002059038A1 (fr) | 2001-01-26 | 2002-01-24 | Dispositif de purification d'hydrogene et systeme de generation de puissance a pile a combustible |
CN200910160449A CN101712461A (zh) | 2001-01-26 | 2002-01-24 | 氢气提纯装置和燃料电池发电系统 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001018997A JP2002226204A (ja) | 2001-01-26 | 2001-01-26 | 水素精製装置 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002226204A true JP2002226204A (ja) | 2002-08-14 |
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- 2001-01-26 JP JP2001018997A patent/JP2002226204A/ja active Pending
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Legal Events
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