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JP2002211155A - 孔版印刷用原紙ならびにその製造方法および製版方法 - Google Patents

孔版印刷用原紙ならびにその製造方法および製版方法

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Publication number
JP2002211155A
JP2002211155A JP2001012088A JP2001012088A JP2002211155A JP 2002211155 A JP2002211155 A JP 2002211155A JP 2001012088 A JP2001012088 A JP 2001012088A JP 2001012088 A JP2001012088 A JP 2001012088A JP 2002211155 A JP2002211155 A JP 2002211155A
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JP
Japan
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stencil
sheet
filler
printing paper
stencil printing
Prior art date
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Application number
JP2001012088A
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English (en)
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Inventor
Koichi Uchiyama
耕一 内山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Riso Kagaku Corp
Original Assignee
Riso Kagaku Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
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Publication date
Application filed by Riso Kagaku Corp filed Critical Riso Kagaku Corp
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Priority to KR10-2002-0002660A priority patent/KR100436103B1/ko
Priority to US10/051,786 priority patent/US20020098314A1/en
Priority to CNB021017816A priority patent/CN1171738C/zh
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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    • Y10T428/20Patched hole or depression

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  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Printing Plates And Materials Therefor (AREA)
  • Manufacture Or Reproduction Of Printing Formes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】必要な強度を有しながら、低エネルギーで製版
でき、穿孔性に優れ、インク転移量の調整が容易で裏移
りが少なく、印刷性と画像鮮明性に優れ、原紙の搬送性
も良好な孔版印刷用原紙、その製造方法および製版方法
を提供する。 【解決手段】(1)多数の微細孔を有するシートであっ
て、前記微細孔に(A) 前記シートの融点より低い融点を
有する樹脂、(B) 溶剤可溶性樹脂または(C) 加熱粘着性
樹脂の充填材が充填されている孔版印刷用原紙。(2)
前記シートが合成樹脂フィルムである孔版印刷用原紙。
(3)表面に錐状の突起が形成されたローラを合成樹脂
フィルムに圧接させて微細孔を形成させ、次いで該微細
孔に充填材を充填する孔版印刷用原紙の製造方法。
(4)前記孔版印刷用原紙の微細孔に充填された充填材
を溶融、溶解または熱接着させて製版する孔版印刷用原
紙の製版方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は孔版印刷用原紙なら
びにその製造方法および製版方法に関し、さらに詳しく
は高強度および高感度を維持しつつ低エネルギーで製版
することができ、製版装置の簡素化等を図ることができ
る孔版印刷用原紙ならびにその製造方法および製版方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より孔版印刷用原紙としては、ポリ
エステル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン等の結晶性熱可塑性樹脂フィルムに、天然繊
維、化学繊維、合成繊維またはこれらを混抄した薄葉
紙、不織布、紗等の多孔性支持体を接着剤で貼り合わせ
た構造のものが知られている(例えば、特開昭51−2
512号公報、特開昭57−182495号公報等)。
このような孔版印刷用原紙では、熱可塑性樹脂フィルム
の画像に対応した部分に熱エネルギーを付与し、該部分
を溶融し、穿孔させることにより製版が行われる。従っ
て、製版に必要なエネルギーは、同材質フィルムの場合
は熱可塑性樹脂フィルムの厚さで決定されるが、該フィ
ルムの耐久性を保持するためにはある程度の厚さが必要
となる。一方、製版感度を向上させるためには熱可塑性
樹脂フィルムの厚さを薄くする必要がある。このよう
に、熱可塑性樹脂フィルムの厚さに関して強度と感度に
は相反する要求特性があり、これらの双方を同時に満足
させることは困難であった。また、孔版印刷用原紙の製
版には熱可塑性樹脂フィルムを溶融穿孔するための一定
以上の熱エネルギーの付与が必要であり、製版エネルギ
ーの低減が困難であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
従来技術の問題点を解決し、必要な強度を有しながら、
低エネルギーで製版でき、穿孔性に優れ、かつインク転
移量の調整が容易で裏移りが少なく、印刷性と画像鮮明
性に優れ、さらに原紙の搬送性も良好な孔版印刷用原紙
ならびにその製造方法および製版方法を提供することに
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
について、鋭意検討した結果、多数のインク通過が可能
な微細孔を有するシートの微細孔に、該シートとは別の
所定の特性を有する素材を充填材として充填させ、製版
時に原稿に対応した部分の充填材のみを取り除いて貫通
孔とすることにより、上記課題を達成できることを見い
だし、本発明に到達したものである。上記課題を達成す
るために本願で特許請求される発明は以下の通りであ
る。
【0005】(1)多数の微細孔を有するシートであっ
て、前記微細孔に下記(A) 、(B) または(C) の充填材が
充填されていることを特徴とする孔版印刷用原紙。 (A) 前記シートの融点より低い融点を有する樹脂 (B) 溶剤可溶性樹脂 (C) 加熱粘着性樹脂 (2)前記シートが合成樹脂フィルムであることを特徴
とする(1)に記載の孔版印刷用原紙。 (3)前記微細孔の開孔部の面積分率が20〜70%の
範囲にあり、開孔部を円とみなした場合の等価円直径が
5〜200μmの範囲にあることを特徴とする(1)ま
たは(2)に記載の孔版印刷用原紙。 (4)前記シートの微細孔の断面が台形状であることを
特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の孔版印刷
用原紙。 (5)前記シートの厚さが1.5〜20μmの範囲であ
ることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の
孔版印刷用原紙。 (6)前記シートの片面に多孔性支持体が積層されてい
ることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の
孔版印刷用原紙。
【0006】(7)表面に錐状の突起が形成されたロー
ラを合成樹脂フィルムに圧接させて微細孔を形成させ、
次いで該微細孔に充填材を充填することを特徴とする
(1)〜(5)のいずれかに記載の孔版印刷用原紙の製
造方法。 (8)表面に錐状の突起が形成されたローラを合成樹脂
フィルムに圧接させて微細孔を形成し、該微細孔に充填
材を充填させた後、該シートの片面に多孔性支持体を積
層させることを特徴とする(6)に記載の孔版印刷用原
紙の製造方法。 (9)(1)〜(6)のいずれかに記載の孔版印刷用原
紙を製版するするに際し、該孔版印刷用原紙の微細孔に
充填された充填材の種類に応じて下記(a) 、(b) または
(c) の方法により製版することを特徴とする孔版印刷用
原紙の製版方法。 (a) 充填材が(A) である場合は該孔版印刷用原紙のシー
ト面に熱エネルギーを付与し、該充填材を加熱溶融させ
て除去する (b) 充填材が(B) である場合は該孔版印刷用原紙のシー
ト面に該充填材を溶解する液体を付与し、該充填材を溶
解させて除去する (c) 充填材が(c) である場合は該孔版印刷用原紙のシー
ト面に原稿を熱圧着させ、該充填材を熱接着させて除去
する
【0007】
【作用】本発明の孔版印刷用原紙では、インクの通過が
可能な多数の微細孔を有するシートの前記微細孔に、該
シートの融点より低い融点を有する樹脂、溶剤可溶性樹
脂または加熱粘着性樹脂が充填材として充填され、原稿
の文字や画像に対応した部分の充填材を、その充填材の
特性に応じて溶融、溶解または熱接着により除去して製
版することができるため、従来のように熱可塑性樹脂フ
ィルム自体を溶融、穿孔して製版する場合に比べ、低エ
ネルギーで製版を行うことができる。また孔版印刷用原
紙の強度と感度がシートの厚さに依存しないため、強度
と感度の双方を同時に満足させることが可能となる。ま
た印刷時には、充填材の除去により生じた微細な貫通孔
によってインクの過剰な通過が抑えられ、裏移りのない
良好な印刷画像を得ることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明における孔版印刷用原紙
は、多数の微細孔を有するシートで構成され、該微細孔
には(1) 上記シートの融点より低い融点を有する樹脂、
(2) 溶剤可溶性樹脂または(3) 加熱粘着性樹脂が充填材
として充填されている。本発明に用いられる多数の微細
孔を有するシートとしては、シートの一方の面から他方
の面に通じるインクの通過が可能な微細な連通孔を有す
るか、または該連通孔を形成させることができるシート
であれば特に制限はなく、例えば、微細孔が形成された
合成樹脂フィルム、スポンジゴムシート、合成樹脂発泡
体シートなどを用いることができる。
【0009】前記合成樹脂フィルムにはフィルム形成性
能のある合成樹脂が用いられ、例えば、従来公知の結晶
性熱可塑性樹脂、例えば、ポリエステル、ポリ塩化ビニ
リデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン
等の合成樹脂を用いることができる。生産性等の点から
はポリエステルフィルム、特にポリエチレンテレフタレ
ート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレ
ンテレフタレートおよびこれらと他の成分との共重合体
が好ましく用いられる。またスポンジゴムとしては、天
然ゴムシート、各種合成ゴムなどを用いることができ
る。また合成樹脂発泡体としてはポリウレタンフォー
ム、ポリエチレンフォームなどを用いることができる。
【0010】上記シートの厚さは、孔版印刷用原紙とし
ての強度、微細孔の形成の容易性、コスト等の点から、
1.5〜20μmとするのが好ましく、2〜15μmの
範囲がより好ましい。前記シートに形成される多数の微
細孔は、画像再現性等の点からシート全面に均一に形成
されていることが好ましく、また微細孔の開孔部の面積
分率は20〜70%の範囲とするのが好ましく、より好
ましくは25〜65%の範囲、さらに好ましくは30〜
60%の範囲である。開孔部の面積分率が70%を超え
るとインクが通過し易くなり、印刷物に裏移りが生じ易
く、また印刷画像が滲みやすくなる。一方、開孔部の面
積分率が20%未満ではインクの透過性が劣り、印刷画
像がかすれて鮮明性が低下する場合がある。なお、本発
明でいう開孔部の面積分率は、シートの一定面積を平面
的に観察した場合に開孔部の占める面積を百分率で表し
たものをいう。
【0011】微細孔の大きさは、微細孔の開孔部を円と
みなした場合の等価円直径が5〜200μmの範囲であ
るのが好ましく、より好ましくは10〜100μm、さ
らに好ましくは15〜50μmの範囲である。等価円直
径が200μmを超えるとインクが通過し易くなり、印
刷物に裏移りが生じ易くなり、印刷画像が滲む場合があ
る。一方、等価円直径が5μm未満ではインクの透過性
が劣り、印刷画像がかすれて鮮明性が低下する場合があ
る。
【0012】微細孔は、合成樹脂フィルムの場合には、
表面に突起が形成されたローラを該フィルム面に熱圧接
することにより形成することができる。突起の形状や大
きさにより微細孔の形状や大きさを任意に設定すること
ができるが、形成される微細孔の断面が台形状となるよ
うに錐状の突起を用いるのが好ましい。微細孔の断面を
台形状として開孔径の小さい方の面を被印刷体と接する
面とすることにより、インクの被印刷体への転移量の調
節が容易となり、裏移りを効果的に防止することができ
る。またスポンジゴムシートおよび合成樹脂発泡体シー
トの場合には、これらのシート自身が有する連通孔が微
細孔となるが、均一な貫通孔を得るために上記合成樹脂
フィルムの場合と同様の方法を施してもよい。
【0013】本発明に用いられる充填材は、上記シート
の融点より低い融点を有する樹脂、溶剤可溶性樹脂また
は加熱粘着性樹脂であるが、これらの充填材には、本発
明の目的を害さない範囲で染料や顔料等の他の成分が含
まれていてもよい。充填材として使用するシートの融点
より低い融点を有する樹脂を用いることにより、低エネ
ルギーでの熱製版が可能になる。例えば、シートとして
ポリエチレンテレフタレートフィルムを使用する場合に
は、低融点樹脂として、例えば、ポリ酢酸ビニルや、ポ
リエチレンテレフタレートの重合時に他のモノマーや反
応成分を共重合させた共重合ポリエステルなどを用いる
ことができる。他のモノマーまたは反応成分としては、
イソフタル酸、アジピン酸、ダイマ酸などのジカルボン
酸、ジエチレングリコール、ブタンジオール等の低分子
量グリコール、ポリエチレングルコール、ポリテトラメ
チレングリコール、ポリテトラメチレングルコールなど
のポリアルキレングリコール等を用いることができる。
【0014】微細孔に充填された上記樹脂は、例えばハ
ロゲンランプ、キセノンランプ、フラッシュランプ等に
よる閃光照射、赤外線照射、レーザー光線等のパスル的
照射、またはサーマルヘッド等による熱エネルギーの付
与により、熱溶融し、これにより原稿の文字や画像に対
応した微細な貫通孔、すなわちインクの通過孔を形成す
る。この場合に付与される熱エネルギーの量は、合成樹
脂フィルムをなどのシートを溶融しないエネルギー量と
される。
【0015】また充填材として溶剤可溶性樹脂を用いる
場合には、製版時に熱エネルギーを付与することなく、
該溶剤可溶性樹脂を溶解する溶液をシートに付与するこ
とにより製版することができるため、製版エネルギーの
大幅な低減を図ることができる。このような溶剤可溶性
樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、メチル
セルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシ
ルエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリエチ
レン−ポリビニルアルコール共重合体、ポリエチレンオ
キサイド、ポリビニルエーテル、ポリビニルアセター
ル、ポリアクリルアミド、澱粉、デキストリン、アルギ
ン酸、アスコルビン酸、水溶性ポリウレタン等の水溶性
樹脂が用いられる。またポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリイソブチレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリ酢酸
ビニル、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリ
エステル、ポリカーボネート、ポリウレタン等の有機溶
剤可溶性樹脂を用いることもできる。これらの樹脂は単
独で用いてもよいし、複数混合して用いても、共重合体
として用いてもよい。
【0016】上記溶剤可溶性樹脂を溶解する製版溶液と
しては、水、メチルアルコール、エチルアルコール、イ
ソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、エチ
レングルコール、ジエチレングルコール、プロピレング
リコール、グリセリン、アセトン、メチルエチルケト
ン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、蟻酸、
酢酸、プロピオン酸、ホルムアルデヒド、アセトアルデ
ヒド、メチルアミン、エチレンジアミン、ピリジンなど
の他、ヘキサン、ペプタン、オクタン、ベンゼン、トル
エン、キシレン等の溶剤を単独でまたは混合して用いる
ことができる。また製版溶液には、必要に応じて染料、
顔料、防腐剤、湿潤剤等を含有させることができる。
【0017】微細孔に充填された上記溶剤可溶性樹脂を
上記製版溶液で製版する際には、例えば、スポイト、注
射器、刷毛、スタンプ等の部材、万年筆、ボールペン、
サインペン等の筆記具、インクジェットプリンター等の
装置などを使用することができる。この場合の合成樹脂
フィルムなどのシートの素材としては、充填材を溶解す
るために使用する溶剤に対して耐性の良好な素材を選択
することが好ましく、例えば、高密度ポリエチレン、ポ
リ塩化ビニリデンなどが好ましく用いられる。
【0018】さらに充填材として加熱粘着性樹脂を用い
る場合は、例えば、PPCトナー等により文字や画像が
形成された原稿をシート表面に重ね合わせ、熱ローラや
アイロン等の加熱手段を用いて熱圧着し、該原稿の文字
や画像部分に、該部分に相当する微細孔内に充填された
加熱粘着性樹脂を熱接着させ、該原稿をシートから剥離
すると同時に文字や画像部分の充填材を剥離して微細な
貫通孔を形成する。この場合の加熱粘着性樹脂として
は、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポ
キシ系樹脂、ポリアミド系樹脂、スチレン−アクリル共
重合体系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂、
ブチラール樹脂等が用いられる。
【0019】シートの微細孔への充填材の充填は、例え
ば、図1に示す(A) 、(B) および(C) の工程により行う
ことができる。まず(A) に示すように、微細孔2が設け
られた合成樹脂フィルム1を、ポリプロピレンシート3
の上に載置し、充填材4の溶液またはエマルジョン等を
合成樹脂フィルム1の表面に流し、その後、(B) に示す
ようにスキージ5でスキージングして充填材4を微細孔
2に押し込み、次いで、(C) に示すように充填材4を固
化させ、合成樹脂フィルム1をポリプロピレンシート3
から剥がして本発明の孔版印刷用原紙6を得る。
【0020】本発明において、上記充填材が充填された
微細孔を有するシートはそれ自体で孔版印刷用原紙とし
て用いることができるが、該シートの一方の面に従来公
知の薄葉紙、不織布、スクリーン紗等の多孔性支持体を
積層して孔版印刷用原紙として用いてもよい。該シート
と多孔性支持体との積層は接着剤を介して接着するか熱
圧着するなどの方法等により行うことができる。また多
孔性支持体として、鞘部に融点の低い合成樹脂成分を用
いた鞘芯構造の複合繊維からなるスクリーン紗を使用し
てもよい。
【0021】図2は、本発明の他の実施例を示す孔版印
刷用原紙の断面説明図である。図2において、孔版印刷
用原紙10は、合成樹脂フィルム7と、該合成樹脂フィ
ルム7の片面に積層された多孔性支持体8で構成され、
前記合成樹脂フィルム7は、断面が台形状である微細孔
2をフィルム全面に均一に多数有し、該微細孔には充填
材4が充填されている。なお、9は、図示しないサーマ
ルヘッドの熱素子により熱エネルギーが付与されて熱溶
融して形成された貫通孔(インク通過孔)である。この
ような孔版印刷用原紙では、印刷時には多孔性支持体側
から印刷用インクが供給され、該印刷用インクは合成樹
脂フィルム1の貫通孔9を経て図示しない被印刷体に転
写されるため、被印刷体へのインク供給が過剰になるの
を容易に防止でき、ひいては印刷物の裏移りを防止する
ことができる。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳しく説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、
例中の開孔部の面積分率は、微細孔を有するシートを直
接、光学顕微鏡の明視野透過法で観察し、ピアス社製の
ハイビジョン対応画像装置を用いてモニター倍率240
倍で面積分率を求め、任意の測定点10箇所についての
平均値で示した。また開孔部の等価円直径は、前記画像
を白黒反転処理して開孔部の等価直径を求めて算術平均
し、かつ任意の測定点10箇所についての平均値で示し
た。
【0023】実施例1 厚さ3μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フ
ィルムに、先端に向かうにつれ先細りとなり、その最も
細い部分の直径が40μmである錐状の突起を有する熱
ローラ(温度150℃)を圧接し、該フィルムに微細孔
を形成した。得られた微細孔の断面は台形状であり、開
孔径が小さい方の面の面積分率は35%、等価円直径は
42μmであった。また開孔径が大きい方の面の面積分
率は45%、等価円直径は48μmであった。該フィル
ムに形成された微細孔に、図1の方法で酢酸ビニル樹脂
を充填し、本発明の孔版印刷用原紙を得た。この孔版印
刷用原紙をサーマルヘッドにより製版した後、理想科学
工業社製の孔版印刷機リソグラフGR375(商品名)
に開孔径の小さい方の面が印刷用紙に接するように装着
し、印刷を行ったところ、良好な印刷物を得ることがで
きた。
【0024】実施例2 実施例1において、充填材として加熱粘着性樹脂(スチ
レン−アクリル共重合体)を使用した以外は実施例1と
同様の方法で孔版印刷用原紙を得た。この孔版印刷用原
紙の開孔径の大きい方の面にPPCトナー原稿を重ね合
わせて100℃に加熱した加熱ローラで熱圧着し、その
後、該PPC原稿を原紙から剥離して製版を行った。該
製版済の原紙を理想科学工業社製の孔版印刷機リソグラ
フGR375に開孔部の小さい方の面が印刷用紙に接す
るように装着し、印刷を行ったところ、良好は印刷物を
得ることができた。
【0025】実施例3 実施例1において、充填剤として溶剤可溶性樹脂(ポリ
ビニルアルコール樹脂)を使用した以外は実施例1と同
様の方法で孔版印刷用原紙を得た。この孔版印刷用原紙
にインクジェット方式により水を付与して製版を行った
後、理想科学工業社製の簡易印刷機プリントゴッコ(商
品名)に開孔径の小さい方の面が印刷用紙に接するよう
に装着し、油性インクを供給して印刷を行ったところ、
良好は印刷物を得ることができた。
【0026】
【発明の効果】本発明の孔版印刷用原紙によれば、多数
のインキ通過が可能な微細孔を有するシートの微細孔
に、該シートとは別の所定の特性を有する充填材を充填
させることにより、原稿に対応した部分の充填材のみを
取り除いて製版することができるため、孔版印刷用原紙
の感度が従来のように合成樹脂フィルムなどのシートの
厚さに依存することがなく、必要な強度を維持しなが
ら、低エネルギーで高感度で製版することができ、かつ
インク転移量の調整が容易で裏移りが少なく、原紙の搬
送性も良好で印刷性と画像鮮明性に優れた印刷物を得る
ことができる。また低エネルギーで製版できるため製版
装置の簡素化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す孔版印刷用原紙の製造
方法の説明図。
【図2】本発明の他の実施例を示す孔版印刷用原紙の断
面説明図。
【符号の説明】
1…微細孔が形成された合成樹脂フィルム、2…微細
孔、3…ポリプロピレンシート、4…充填材、5…スキ
ージ、6…孔版印刷用原紙、7…微細孔に充填材が充填
された合成樹脂フィルム、8…多孔性支持体、9…貫通
孔、10…孔版印刷用原紙。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数の微細孔を有するシートであって、
    前記微細孔に下記(A) 、(B) または(C) の充填材が充填
    されていることを特徴とする孔版印刷用原紙。 (A) 前記シートの融点より低い融点を有する樹脂 (B) 溶剤可溶性樹脂 (C) 加熱粘着性樹脂
  2. 【請求項2】 前記シートが合成樹脂フィルムであるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の孔版印刷用原紙。
  3. 【請求項3】 前記微細孔の開孔部の面積分率が20〜
    70%の範囲にあり、開孔部を円とみなした場合の等価
    円直径が5〜200μmの範囲にあることを特徴とする
    請求項1または2に記載の孔版印刷用原紙。
  4. 【請求項4】 前記シートの微細孔の断面が台形状であ
    ることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の孔
    版印刷用原紙。
  5. 【請求項5】 前記シートの厚さが1.5〜20μmの
    範囲であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに
    記載の孔版印刷用原紙。
  6. 【請求項6】 前記シートの片面に多孔性支持体が積層
    されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに
    記載の孔版印刷用原紙。
  7. 【請求項7】 表面に錐状の突起が形成されたローラを
    合成樹脂フィルムに圧接させて微細孔を形成させ、次い
    で該微細孔に充填材を充填することを特徴とする請求項
    1〜5のいずれかに記載の孔版印刷用原紙の製造方法。
  8. 【請求項8】 表面に錐状の突起が形成されたローラを
    合成樹脂フィルムに圧接させて微細孔を形成し、該微細
    孔に充填材を充填させた後、該シートの片面に多孔性支
    持体を積層させることを特徴とする請求項6に記載の孔
    版印刷用原紙の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜6のいずれかに記載の孔版印
    刷用原紙を製版するするに際し、該孔版印刷用原紙の微
    細孔に充填された充填材の種類に応じて下記(a) 、(b)
    または(c) の方法により製版することを特徴とする孔版
    印刷用原紙の製版方法。 (a) 充填材が(A) である場合は該孔版印刷用原紙のシー
    ト面に熱エネルギーを付与し、該充填材を加熱溶融させ
    て除去する (b) 充填材が(B) である場合は該孔版印刷用原紙のシー
    ト面に該充填材を溶解する液体を付与し、該充填材を溶
    解させて除去する (c) 充填材が(c) である場合は該孔版印刷用原紙のシー
    ト面に原稿を熱圧着させ、該充填材を熱接着させて除去
    する
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