JP2002193389A - フレキシブルコンテナ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 導電性糸状体を織布に打ち込む本数を減らす
とともに、静電気の帯電状態を効率的に緩和するフレキ
シブルコンテナを提供する。 【解決手段】 胴部２１のコンテナ基布３８を構成する
織布４２には周方向に所定間隔で上下方向のみに導電性
糸状体４４が打ち込まれている。そして胴部２１の下方
端部は下面２３を構成するコンテナ基布３８の外周端部
に重ね合わされ、これらの重ね合わした部分を囲うよう
に断面コの字状の導電性帯状体３５が周方向全域に取付
けられている。そして導電性帯状体３５にはアース線が
接続されるアース取付具３６が固定されている。これに
よって胴部２１に発生した静電気の電荷は、導電性糸状
体４４を介して導電性帯状体３５に伝達され、アース取
付具３６から外部に放出される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明はフレキシブルコン
テナに関し、特に紛粒体の輸送などに用いる合成繊維で
作られた織布からなるフレキシブルコンテナに関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】図１６は従来のフレキシブルコンテナの
概略構造を示した斜視図である。

【０００３】図を参照して、フレキシブルコンテナ６１
は後述するコンテナ基布によって形成された胴部６２と
上面６３と下面６４とからなる円筒形状を有している。
上面６３には投入口３１が形成され、下面６４には排出
口３２が形成されている。又、胴部６２には当て布６６
を介して吊りベルト６７が取付けられ、この吊りベルト
６７に、吊り金具６８を介して吊りロープ６９が取付け
られている。尚、胴部６２の下方にはフレキシブルコン
テナ６１の使用時において発生する静電気を除去するた
めのアース線を接続するためのアース取付具７１が取付
けられている。

【０００４】このようなフレキシブルコンテナは、従来
合成繊維で作られた織布からなるコンテナ基布が用いら
れている。そこでこのようなコンテナ基布に導電性を持
たせるためには、金属線やポリプロピレンなどの合成繊
維中に金属や炭素粒子等の導電性材料を分散させたり、
又は合成繊維の表面を導電性材料により被覆した導電性
糸状体を、合成繊維で作られた織布の縦糸及び横糸に打
ち込むことにより、アース取付具７１の箇所までフレキ
シブルコンテナに発生した静電気を導くように構成され
ている。

【０００５】図１７はこのコンテナ基布の構成を概略的
に示した図であって、図１６の“Ｚ”部分の拡大図であ
る。

【０００６】図を参照して、コンテナ基布７３は合成繊
維よりなる経糸４０と緯糸４１とから織製されてなる織
布４２によって構成されており、その内面には防湿性等
を高めるために合成樹脂のコーティングがなされてい
る。又、上下方向に伸びる経糸４０に対しては一定間隔
で縦導電性糸状体７５が打ち込まれている。一方、横方
向に伸びる緯糸４１に対しては同様に一定間隔で横導電
性糸状体７６が打ち込まれている。このようにして縦導
電性糸状体７５と横導電性糸状体７６とは、織布４２に
対して格子状に配置されることになる。

【０００７】そして、縦導電性糸状体７５及び横導電性
糸状体７６は、その交互点で相互に導通状態となってい
るため、フレキシブルコンテナ６１の一部に静電気が発
生したとしても、縦導電性糸状体７５及び横導電性糸状
体７６を介してアース取付具７１まで導かれ、その帯電
状態が除去されることになる。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】上記のような従来のコ
ンテナ基布７３のように導電性糸状体を、合成樹脂で作
られた織布に格子状に打ち込むことは多大な労力を要す
る。しかし、この打ち込み本数を減らすことは、導電性
の低下の虞れがあるため避けなければならず、結果的に
その基布の生産性を向上させることは困難であった。

【０００９】又、単に縦糸方向あるいは横糸方向にだけ
導電性糸状体を打ち込む場合には、その導電性糸状体か
らアースまでフレキシブルコンテナに発生した静電気を
導くために、導電性糸状体一本ずつにアースを設ける
か、又はコンテナの上面又は底面で１ヵ所にこれらを束
ねるなどしなければならず、結局これらの方法では基布
の生産性の向上は困難であった。

【００１０】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、導電性糸状体を織布に打ち込む本
数を減らすとともに、静電気の帯電状態を効率的に緩和
するフレキシブルコンテナを提供することを目的とす
る。

【００１１】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項１記載の発明は、合成繊維から織製された
織布に対してストライプ状に導電性糸状体を打ち込んで
なるコンテナ基布によって形成されたフレキシブルコン
テナにおいて、導電性糸状体を相互に導通状態とするた
めの導通手段を備えたことを特徴とするものである。

【００１２】このように構成すると、導電性糸状体の一
部に帯電した静電気は他の導電性糸状体にその電荷が分
散される。

【００１３】請求項２記載の発明は、請求項１記載の発
明の構成において、導電性糸状体の各々はフレキシブル
コンテナの胴部の長手方向に形成され、導通手段は、胴
部の上下端部のうち少なくとも一方端部に取付けられた
周方向に連続する導電性帯状体を含むものである。

【００１４】このように構成すると、胴部の一部に発生
した静電気は導電性帯状体を介して他の導電性糸状体へ
その電荷が分散される。

【００１５】請求項３記載の発明は、請求項１記載の発
明の構成において、導電性糸状体の各々はフレキシブル
コンテナの胴部の周方向に形成され、導通手段は、胴部
の長手方向に連続するように取付けられた導電性帯状体
を含むものである。

【００１６】このように構成すると、胴部の一部に発生
した静電気は導電性帯状体を介して他の導電性糸状体へ
その電荷が分散される。

【００１７】請求項４記載の発明は、請求項２又は請求
項３に記載の発明の構成において、導電性帯状体に取付
けられたアース取付具を更に備えたものである。

【００１８】このように構成すると、発生した静電気は
導電性帯状体を介してアース取付具から除去されるもの
である。

【００１９】請求項５記載の発明は、請求項１記載の発
明の構成において、導通手段は導電性糸状体の打ち込み
方向に直交する方向に打ち込まれた一本の第２の導電性
糸状体よりなるものである。

【００２０】このように構成すると、胴部の一部に発生
した静電気は第２の導電性糸状体を介して他の導電性糸
状体へその電荷が分散される。

【００２１】請求項６記載の発明は、請求項１から請求
項５のいずれかに記載の発明の構成において、フレキシ
ブルコンテナの本体に取付けられ、少なくとも一部に導
電性を有する当て布と、当て布に取付けられ、導電性を
有する吊り金具等を更に備え、当て布は導電性糸状体の
少なくとも一本と吊り金具等を導通状態とするものであ
る。

【００２２】このように構成すると、発生した静電気の
一部は吊り金具にも分散される。

【００２３】請求項７記載の発明は、請求項６記載の発
明の構成において、当て布はコンテナ基布と同一構成の
布により形成されるものである。

【００２４】請求項８記載の発明は、請求項６記載の発
明の構成において、当て布は一方面の全面が導電性を有
する布により形成されるものである。

【００２５】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１記載の発
明は、導電性糸状体の一部に帯電した静電気は他の導電
性糸状体に分散されるので、導電性糸状体の打ち込みの
労力を少なくしているものにも関わらず静電気の蓄積が
効率的に防止される。

【００２６】請求項２記載の発明は、請求項１記載の発
明の効果に加えて、胴部の一部に発生した静電気は導電
性糸状体全体へその電荷が分散されるので、導電性糸状
体を多く設けることなく効率的な帯電防止効果が発揮さ
れる。

【００２７】請求項３記載の発明は、請求項１記載の発
明の効果に加えて、胴部の一部に発生した静電気は導電
性糸状体全体にその電荷が分散されるので、導電性糸状
体を多く設けることなく効率的な帯電防止効果が発揮さ
れる。

【００２８】請求項４記載の発明は、請求項２又は請求
項３に記載の発明の効果に加えて、発生した静電気はア
ース取付具から除去されるので、帯電防止の信頼性がよ
り向上する。

【００２９】請求項５記載の発明は、請求項１記載の発
明の効果に加えて、第２の導電性糸状体を一本打ち込む
だけで効果的に帯電防止効果が発揮される。

【００３０】請求項６記載の発明は、請求項１から請求
項５のいずれかに記載の発明の効果に加えて、発生した
静電気が吊り金具に対しても分散されるので、帯電防止
の信頼性が向上する。

【００３１】請求項７記載の発明は、請求項６記載の発
明の効果に加えて、当て布をコンテナ基布を用いて形成
できるためコスト的に効率の良い構造となる。

【００３２】請求項８記載の発明は、請求項６記載の発
明の効果に加えて、発生した静電気が安定して吊り金具
にも分散されるため信頼性が向上する。

【００３３】

【発明の実施の形態】図１はこの発明の第１の実施の形
態によるフレキシブルコンテナの概略構造を示した斜視
図である。

【００３４】図を参照して、フレキシブルコンテナ２０
は後述するコンテナ基布によって形成され、胴部２１
と、胴部２１の上方に接続する上面２２と、胴部２１の
下方に接続する下面２３とによる円筒型形状を有してい
る。上面２２には内部に紛粒体等を投入するために用い
られる投入口３１が形成され、下面２３には内部に収納
された紛粒体等を外部に排出するための排出口３２が形
成されている。

【００３５】又、胴部２１にはフレキシブルコンテナ２
０を移送する際に用いられる一対の吊りロープ２９が取
付けられている。具体的には胴部２１の外面に当て布２
６が固定され、これに吊りベルト２７が取付けられてい
る。そしてこの吊りベルト２７に吊り金具２８を介して
吊りロープ２９の両端部が各々接続されている。

【００３６】又、胴部２１の下方端部と下面２３との接
続部には円周方向に連続する導電性帯状体３５が取付け
られており、この導電性帯状体３５にアース線を接続す
るためのアース取付具３６が取付けられている。

【００３７】図２は図１の“Ｘ”部分の拡大図であっ
て、フレキシブルコンテナ２０を構成するコンテナ基布
の構造を示した拡大図である。

【００３８】コンテナ基布３８は横方向に伸びる経糸４
０と縦方向に伸びる緯糸４１とを織製して形成される織
布４２を元にして形成されている。尚、経糸４０及び緯
糸４１は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステ
ル、ナイロン等を単独に又はこれらを混合して用いた合
成繊維により各々形成されている。

【００３９】上下方向に伸びる緯糸４１に対して、所定
間隔でストライプ状に導電性糸状体４４が打ち込まれて
いる。この導電性糸状体４４は金属繊維、ポリプロピレ
ン、ポリエチレン、ポリエステル、ナイロン等の合成繊
維に、鉄、胴、ステンレス等の金属や、炭素粒子などの
導電性材料を分散又はその合成繊維表面をこれらの導電
性材料により被覆して形成されるものである。

【００４０】このようにコンテナ基布３８は形成されて
いるため、上下方向に対しては導電性糸状体４４を介し
て帯電した静電気を分散させることが可能となってい
る。

【００４１】図３は図１のＩＩＩ−ＩＩＩラインの断面
図であり、図４は図３のＩＶ−ＩＶラインから見た図で
ある。

【００４２】これらの図を参照して、胴部２１を構成す
るコンテナ基布３８の表面にコンテナ基布３８と同一構
成の布を水平方向に折り曲げた当て布２６が取付けら
れ、更に当て布２６の外面に吊り金具２８が係合されて
いる吊りベルト２７が取付けられ、これらは二点鎖線で
示す位置で一体となるようにミシン縫製（以下同様）さ
れている。

【００４３】尚、当て布２６における導電性糸状体４４
の方向は、図に示すように外面でかつ水平方向となるよ
うに折り畳まれている。ここで、吊りベルト２７は導電
性を有する合成樹脂よりなる織布や、少なくとも片面に
導電性を有する合成樹脂やゴム等を被覆した織布、導電
性の糸状体を打ち込んだ織布等によって形成されてい
る。そして、図に示すように、コンテナ基布３８を構成
する経糸４０の外面に打ち込まれた導電性糸状体４４
は、上下方向に配列されている。

【００４４】一方、当て布２６の導電性糸状体４４は上
述のように水平方向に配置されるとともに、その上方の
二本については吊りベルト２７に接触した状態となって
いる。したがって、コンテナ基布３８の導電性糸状体４
４は吊りベルト２７に対して、当て布２６の導電性糸状
体４４を介して導通状態となる。したがって、フレキシ
ブルコンテナ２０の胴部２１に生じた静電気の一部は、
当て布２６を介して吊りベルト２７及び吊り金具２８に
分散されることになる。

【００４５】尚、この実施の形態においては当て布２６
はコスト的な面を配慮してコンテナ基布３８と同一構成
の材料を用いたが、これに代えて当て布２６をその外面
の全面が導電性を有する材料を用いて構成しても良いこ
とは言うまでもない。

【００４６】図５はこの発明の第１の実施の形態による
フレキシブルコンテナの当て布部分の他の使用例を示す
図であって、図３に対応する図であり、図６は図５のＶ
Ｉ−ＶＩラインから見た図である。

【００４７】これらの図を参照して、この例において
は、吊りベルト２７が胴部２１のコンテナ基布３８と当
て布２６との間に挟着された状態で取付けられている。
又、当て布２６はコンテナ基布３８と同一材料を用いて
いるが、その導電性糸状体４４は胴部２１に面する方向
になるように配置されている。これによって、吊りベル
ト２７は、直接胴部２１の導電性糸状体４４に接すると
ともに、当て布２６の導電性糸状体４４を介して胴部２
１の他の導電性糸状体４４とも導通状態となる。これに
よって吊りベルト２７はより多くの胴部２１の導電性糸
状体４４と導通状態となるため、静電除去効果がより向
上する。

【００４８】尚、この例においても当て布２６はその全
面が導電性を有する材料によって構成するようにしても
良いことは言うまでもない。

【００４９】図７は図１のＶＩＩ−ＶＩＩラインの断面
図である。

【００５０】図を参照して、胴部２１の下方端部は外方
に折り曲げられ、その端部と整列するように下面２３の
コンテナ基布３８の外方部が重ね合わされている。この
状態でこの胴部２１及び下面２３の重ね合わせ部を挟み
込むように断面コの字形状の導電性帯状体３５が取付け
られている。

【００５１】導電性帯状体３５は、上述した導電性糸状
体又は導電性糸状体と同様のものを束ねてあるいはこれ
を延伸することにより帯状にしたものや、合成繊維や金
属からなる織布の片面又は両面を導電性材料を分散させ
た合成樹脂やゴムにより被覆した引布等より構成されて
いる。そして、導電性帯状体３５の上面の一部に、アー
ス線を接続するための導電性金属等からなるアース取付
具３６が取付けられている。

【００５２】このように構成されているため、胴部２１
のコンテナ基布３８に配置されている導電性糸状体４４
は導電性帯状体３５の内面に接触し、下面２３のコンテ
ナ基布３８に配置されている導電性糸状体４４も同様に
導電性帯状体３５の内面に接触する。そして導電性帯状
体３５は周方向に連続して形成されているため、胴部２
１において上下方向に配置されている導電性糸状体４４
は、互いに導電性帯状体３５を介して電気的に導通状態
となる。

【００５３】したがって胴部２１の一部に発生した静電
気は確実に導電性帯状体３５に流れ、アース取付具３６
を介して外部に除去されることになる。尚、この実施の
形態においては、導電性帯状体３５をフレキシブルコン
テナ２０の胴部２１と下面２３との接続部に設けている
が、同様に胴部２１と上面２２との間の接続部にも設け
ても良い。

【００５４】図８はこの発明の第１の実施の形態による
フレキシブルコンテナのアース取付具部分の他の例を示
した図であって、図７に対応するものである。

【００５５】図を参照して、この例においては、図７で
示した導電性帯状体３５の取付状態から胴部２１及び下
面２３の端部を更に一回巻込み、この状態で導電性帯状
体３５と接続する形状のアース取付具３６を取付けたも
のである。このように構成すると、導電性帯状体３５が
外部に全く露出せず、更に胴部２１において配置される
導電性糸状体４４との接触面積が拡大するものである。
これによって胴部２１に帯電した静電気を導電性糸状体
４４を介してより効果的に除去しようとするものであ
る。

【００５６】図９はこの発明の第１の実施の形態による
フレキシブルコンテナのアース取付具部分の更に他の例
を示すものであって、図７に対応する図である。

【００５７】図を参照して、この例においては、導電性
帯状体３５の上部の形状を、胴部２１のコンテナ基布３
８の端部を折り返して折り返し部４６と折り返し元部４
７とにしたものの間にその端部が挟み込まれるような形
状としたものである。同様に導電性帯状体３５の下部の
形状も、下面２３のコンテナ基布３８を折り曲げてなる
折り返し部４８と折り返し元部４９との間に挟み込まれ
る形状としたものである。

【００５８】このように構成すると、胴部２１に配置さ
れる導電性糸状体４４及び下面２３に配置される導電性
糸状体４４の各々の導電性帯状体３５との接触範囲をよ
り大きく確保することが可能となる。これによって帯電
した静電気をより効果的に除去しようとするものであ
る。

【００５９】図１０はこの発明の第１の実施の形態によ
るフレキシブルコンテナのアース取付具部分の更に他の
例を示すものであって、図７に対応する図である。

【００６０】図を参照して、この例においては、胴部２
１を構成するコンテナ基布３８の端部は下面２３側に折
り返され、同様に下面２３を構成するコンテナ基布３８
の端部は胴部２１側に折り返されている。そして平板形
状の導電性帯状体３５がそれらの間に挟着された状態で
固定されている。このように構成すると導電性帯状体３
５は、単純な形状としながら胴部２１の導電性糸状体４
４及び下面２３の導電性糸状体４４の各々に接触でき、
電気的に導通状態を確保できる。

【００６１】図１１はこの発明の第２の実施の形態によ
るフレキシブルコンテナの斜視図であり、図１２は図１
１の“Ｙ”部分の拡大図である。

【００６２】これらの図を参照して、この実施の形態に
よるフレキシブルコンテナの概略構成は基本的には先の
第１の実施の形態によるものと同一であるが、まずコン
テナ基布３８の構成が異なっている。すなわち、コンテ
ナ基布３８は経糸４０及び緯糸４１を織製することによ
って織布４２が形成されている点は同一であるが、導電
性糸状体４４が上下方向ではなく、水平方向の緯糸４１
に対して所定間隔で設けられている点である。このコン
テナ基布３８の構成の相違からフレキシブルコンテナ２
０における静電気の除去のための対策が種々異なってい
る。

【００６３】図１３は図１１のＸＩＩＩ−ＸＩＩＩライ
ンから見た図であり、図１４は図１３のＸＩＶ−ＸＩＶ
ラインから見た図である。

【００６４】これらの図を参照して、胴部２１のコンテ
ナ基布３８と吊りベルト２７との間に取付けられる当て
布２６は、コンテナ基布３８と同一構成の布を導電性糸
状体４４が外面側で上下方向に伸びるように重ね合わさ
れたものが使用されている。そのため、胴部２１の導電
性糸状体４４に対して当て布２６の裏側に折り返された
部分の導電性糸状体４４が接触し、その導電性糸状体４
４が当て布２６の表面まで連続して吊りベルト２７に接
触している。

【００６５】このように構成することによって、胴部２
１の一部に帯電した静電気は当て布２６を介して吊りベ
ルト２７から分散されることになる。尚、吊りベルト２
７は導電性を有する合成樹脂からなる織布や、少なくと
も片面に導電性を有する合成樹脂やゴム等を被覆した織
布、導電性の糸状体を打ち込んだ織布等によって形成さ
れている。

【００６６】尚、この実施の形態による当て布２６は、
ストライプ状に導電性糸状体４４を打ち込んで導電性を
発揮させるものを使用しているが、これに代えて、当て
布２６をその外面の全面が導電性を有するものを使用し
ても良い。

【００６７】図１５は図１１のＸＶ−ＸＶラインの断面
図である。

【００６８】図を参照して、胴部２１を構成するコンテ
ナ基布３８は筒状に巻かれ、その端部が重ね合わされて
いる。そしてこの端部を被覆するような断面コの字状の
導電性帯状体３５が、胴部２１の長手方向の全域に形成
されている。そして導電性帯状体３５の下方端にはアー
ス線が接続されるアース取付具３６が固定されている。

【００６９】このように構成することによって、織布４
２において水平方向に所定間隔で打ち込まれている導電
性糸状体４４の端部が導電性帯状体３５の内面に接触す
ることになる。導電性帯状体３５は上述のように胴部２
１の長手方向全域に連続して形成されているため、胴部
２１のいずれの部分において発生された静電気は水平方
向の導電性糸状体４４を介して導電性帯状体３５に伝達
され、アース取付具３６から取除かれることになる。

【００７０】このように図１２に示したコンテナ基布３
８の構造であっても、導通手段として導電性帯状体３５
を取付けることによって、導電性糸状体４４の打ち込み
本数を減らしつつ確実に帯電した静電気を分散させるこ
とが可能となる。

【００７１】尚、上記の各実施の形態では、当て布２６
は胴部２１に取付けられているが、胴部以外の上面等に
取付けても良い。

【００７２】又、上記の第１の実施の形態では、導通手
段として導電性帯状体３５を用いているが、これに代え
てコンテナ基布３８の構成において一本の導電性糸状体
を左右方向に別途打ち込むようにして上下方向に配置さ
れた導電性糸状体４４相互の電気的な結合を図ってこれ
を導通手段としても良い。

【００７３】更に、上記の第１の実施の形態では、導電
性帯状体３５を胴部２１と下面２３との境界位置に取付
けているが、これに代えて胴部２１と上面２２との境界
位置に取付けても良く、又、これらのいずれにも取付け
るようにしても良い。

【００７４】更に、上記の第２の実施の形態において
は、導通手段として導電性帯状体３５を用いているが、
これに代えてコンテナ基布３８の構成において一本の導
電性糸状体を上下方向に別途打ち込むようにして、水平
方向に配置された導電性糸状体４４相互の電気的な結合
を図ってこれを導通手段としても良い。

【００７５】更に、上記の第２の実施の形態では、導電
性帯状体５１は周方向に１箇所取付けられているが、周
方向の２箇所以上に同様の導電性帯状体５１を設けるよ
うにしても良い。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の第１の実施の形態によるフレキシブ
ルコンテナの概略構造を示した斜視図である。

【図２】図１の“Ｘ”部分の拡大図である。

【図３】図１のＩＩＩ−ＩＩＩラインの断面図である。

【図４】図３のＩＶ−ＩＶラインから見た図である。

【図５】図１に示したフレキシブルコンテナの当て布部
分の他の例であって、図３に対応した図である。

【図６】図５のＶＩ−ＶＩラインから見た図である。

【図７】図１のＶＩＩ−ＶＩＩラインの断面図である。

【図８】図１に示したフレキシブルコンテナのアース取
付具部分の他の例を示すものであって図７に対応する図
である。

【図９】図１のフレキシブルコンテナのアース取付具部
分の更に他の例を示すものであって、図７に対応する図
である。

【図１０】図１のフレキシブルコンテナのアース取付具
部分の更に他の例を示すものであって図７に対応する図
である。

【図１１】この発明の第２の実施の形態によるフレキシ
ブルコンテナの概略構造を示した斜視図である。

【図１２】図１１の“Ｙ”部分の拡大図である。

【図１３】図１１のＸＩＩＩ−ＸＩＩＩラインの断面図
である。

【図１４】図１３のＸＩＶ−ＸＩＶラインから見た図で
ある。

【図１５】図１１のＸＶ−ＸＶラインの断面図である。

【図１６】従来のフレキシブルコンテナの概略形状を示
した斜視図である。

【図１７】図１６の“Ｚ”部分の拡大図である。

【符号の説明】

２０…フレキシブルコンテナ ２１…胴部 ２６…当て布 ２７…吊りベルト ２８…吊り金具 ３５，５１…導電性帯状体 ３６，５２…アース取付具 ３８…コンテナ基布 ４２…織布 ４４…導電性糸状体 尚、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 3E070 AA31 AB21 BK02 DA11 WJ10 WK20 4L048 AA15 AA20 AA24 AA52 AC13 BA17 CA05 DA33

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 合成繊維から織製された織布に対してス
   トライプ状に導電性糸状体を打ち込んでなるコンテナ基
   布によって形成されたフレキシブルコンテナにおいて、 前記導電性糸状体を相互に導通状態とするための導通手
   段を備えたことを特徴とする、フレキシブルコンテナ。
2. 【請求項２】 前記導電性糸状体の各々は、フレキシブ
   ルコンテナの胴部の長手方向に形成され、 前記導通手段は、前記胴部の上下端部のうち少なくとも
   一方端部に取付けられた周方向に連続する導電性帯状体
   を含む、請求項１記載のフレキシブルコンテナ。
3. 【請求項３】 前記導電性糸状体の各々は、フレキシブ
   ルコンテナの胴部の周方向に形成され、 前記導通手段は、前記胴部の長手方向に連続するように
   取付けられた導電性帯状体を含む、請求項１記載のフレ
   キシブルコンテナ。
4. 【請求項４】 前記導電性帯状体に取付けられたアース
   取付具を更に備えた、請求項２又は請求項３に記載のフ
   レキシブルコンテナ。
5. 【請求項５】 前記導通手段は、前記導電性糸状体の打
   ち込み方向に直交する方向に打ち込まれた一本の第２の
   導電性糸状体よりなる、請求項１記載のフレキシブルコ
   ンテナ。
6. 【請求項６】 フレキシブルコンテナの本体に取付けら
   れ、少なくとも一部に導電性を有する当て布と前記当て
   布に取付けられた導電性を有する吊り金具とを更に備
   え、 前記当て布は、前記導電性糸状体の少なくとも一本と前
   記吊り金具等を導通状態とする、請求項１から請求項５
   のいずれかに記載のフレキシブルコンテナ。
7. 【請求項７】 前記当て布は、前記コンテナ基布と同一
   構成の布により形成される、請求項６記載のフレキシブ
   ルコンテナ。
8. 【請求項８】 前記当て布は、一方面の全面が導電性を
   有する布により形成される、請求項６記載のフレキシブ
   ルコンテナ。