JP2002178415A - タイヤ及びタイヤ製造方法 - Google Patents
タイヤ及びタイヤ製造方法Info
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Abstract
タイヤ製造方法を提供すること。 【解決手段】 複数のタイヤ用ゴム部材から構成される
タイヤであって、複数のゴム部材のうちの少なくとも1
つのゴム部材は、ゴムストリップ6をタイヤ周方向に沿
って螺旋状に重ねて巻き付けることにより形成され、ゴ
ムストリップ6の巻き付け開始位置TS と巻き付け終了
位置TE の位置ずれ△が、タイヤ周方向にて0〜5mm
の範囲になるように形成されている。
Description
ム部材から構成されるタイヤ及びこのタイヤの製造方法
に関するものである。
断面形状を示している。タイヤ1は、複数のタイヤ用ゴ
ム部材から構成されており、代表的には、トレッド部
2、サイドウォール部3、リムストリップ部4、インナ
ーライナー部5はゴム部材により形成されている。これ
ら各部を構成するゴム部材を成形するために、それぞれ
のゴム部材の断面形状に見合った口金を介してゴム押出
機から連続して押し出し成形し、その後、定寸にカット
することにより目的とするゴム部材を得ていた。
に対する精度要求が厳しくなると共に、連続して押出機
により押し出して定寸にカットすることによる部材の歪
みや収縮といった問題から、新たなタイヤ製造方法が考
えられるようになってきた。この製造方法は、ゴムスト
リップをタイヤ周方向に沿って螺旋状に重ねて巻きつけ
ることにより、ゴム部材を形成するものであり、例え
ば、特開2000−202921号公報や特開平9−2
9858号公報に開示されているタイヤの製造方法があ
る。
公知技術のうち、前者の方はゴムストリップの巻き付け
開始位置と終了位置に関する開示はなく、後者の方は公
報第1図に開始位置と終了位置について開示されてい
る。
報においては巻き付け開始位置と終了位置が、タイヤ周
方向(図9の矢印Aで示される方向)で見て大きくずれ
ている。このような巻き付け位置のずれは、タイヤの重
量バランス・均一性を損ねてしまい、ひいてはタイヤの
走行性能に好ましくない影響を与える。
あり、その課題は、重量バランス・均一性を改善したタ
イヤ及びタイヤ製造方法を提供することである。
手段>上記課題を解決するため本発明に係るタイヤは、
複数のタイヤ用ゴム部材から構成されるタイヤであっ
て、前記複数のゴム部材のうちの少なくとも1つの前記
ゴム部材は、ゴムストリップをタイヤ周方向に沿って螺
旋状に重ねて巻き付けることにより形成され、前記ゴム
ストリップの巻き付け開始位置と巻き付け終了位置の位
置ずれが、前記タイヤ周方向にて0〜5mmの範囲にな
るように形成されていることを特徴とするものである。
のゴム部材が、ゴムストリップをタイヤ周方向に沿って
螺旋状に重ねて巻き付けることにより形成されている。
そして、ゴムストリップの巻き付け開始位置と終了位置
の位置ずれが、タイヤ周方向にて0〜5mmの範囲にな
るように巻き付けられている。つまり、巻き付け開始位
置と終了位置は、タイヤ周方向で見ると、ほぼ一致した
範囲内に収まっている。これにより、かかるゴム部材に
ついて重量ばらつきを少なくすることができ、重量バラ
ンス・均一性を改善したタイヤを提供することができ
る。
のゴム部材のうちの少なくとも2つの前記ゴム部材は、
前記ゴムストリップを巻き付けることにより形成されて
おり、前記各ゴム部材の前記巻き付け開始位置の位相ず
れが、前記タイヤ周方向にて10度以上になるように構
成されているものがあげられる。
イドウォール部、リムストリップ部、インナーライナー
部の4つをゴムストリップを巻き付けたゴム部材で形成
したとする。この場合、各ゴム部材に巻き付け開始位置
(4箇所)があるが、この巻き付け開始位置がタイヤ周
方向から見て、同じような位置に集中していると、重量
バランス等がくずれる可能性がある。そこで、上記好適
実施形態のように巻き付け開始位置の位相ずれ(図9に
θで示される)が10度以上になるように構成する。こ
れにより、所望の重量バランス等のタイヤ性能を維持す
ることができる。
ゴムストリップの巻き付け開始の少なくとも1周と巻き
付け終了の少なくとも1周は、タイヤ幅方向と直交する
方向に巻き付けられているものがあげられる。
る場合に、ゴムストリップをタイヤ幅方向に沿ってずら
しながら巻き付けていくことになる。この場合、ゴムス
トリップはタイヤ周方向に対して角度を持った状態で巻
き付けることになる(特開平9−29858の図1参
照)。そうすると、巻き付け開始と終了の部分で不要な
ゴム部分が生じるので、これを削除するための処理工程
が必要となる。
け開始と終了の1周分は、タイヤ軸方向と直交する方向
(タイヤ周方向の平行な方向)に巻き付けるので、余分
なゴム部分が生じない。したがって、これを削除するた
めの処理工程も不要となるので、タイヤ製造工程を簡素
化することができる。
前記ゴムストリップは、幅が5〜30mm、幅中央の厚
みが0.5〜3.0mm、幅両側の厚みが0.05〜
0.2mmの略三日月形の断面形状を有するものがあげ
られる。
つけることにより、所望の断面形状のゴム部材を精度良
く得ることができる。三日月形とすることで、重ねた部
分が凹凸形状になりにくいので、滑らかな形状が得やす
い。また、三日月形とすることにより、ゴムストリップ
の供給速度を制御することにより、断面形状を操作しや
すくなる。これにより、所望の断面形状を得ることがで
きる。
前記ゴム部材は、1本のゴムストリップを巻き付けるこ
とにより形成されるものがあげられる。
とができる。
発明の課題を解決するため本発明に係るタイヤ製造方法
は、前記複数のゴム部材のうちの少なくとも1つの前記
ゴム部材を、ゴムストリップをタイヤ周方向に沿って螺
旋状に重ねて巻き付けることにより形成する巻き付けス
テップを有し、前記巻き付けステップにおいて、前記ゴ
ムストリップの巻き付け開始位置と巻き付け終了位置の
位置ずれが、前記タイヤ周方向にて0〜5mmの範囲に
なるように巻き付けることを特徴とするものである。
少なくとも1つのゴム部材が、ゴムストリップをタイヤ
周方向に沿って螺旋状に重ねて巻き付けることにより形
成されている。そして、ゴムストリップの巻き付け開始
位置と終了位置の位置ずれが、タイヤ周方向にて0〜5
mmの範囲になるように巻き付けられている。つまり、
巻き付け開始位置と終了位置は、タイヤ周方向で見る
と、ほぼ一致した範囲内に収まっている。これにより、
かかるゴム部材について重量ばらつきを少なくすること
ができ、重量バランス・均一性を改善したタイヤ製造方
法を提供することができる。
付けステップにおいて、前記ゴムストリップを所定の巻
き付け体に対して供給しながら前記巻き付け体を回転す
ることにより巻き付けを行い、かつ、前記供給する速度
を制御することにより、前記ゴムストリップの断面形状
を巻き付け途中で変更可能にすることで所望の形状の前
記ゴム部材を得るようにしたものがあげられる。
状はさまざまなものがある。また、タイヤの種類が異な
るとゴム部材の断面形状も異なってくる。上記構成のよ
うに、ゴムストリップの断面形状を巻き付け途中で変更
可能にすることにより、かかる断面形状の違いにも容易
に対応することができ、精度よく所望の形状を得ること
ができる。
巻き付けステップにおいて、前記ゴムストリップの巻き
付け開始の少なくとも1周と巻き付け終了の少なくとも
1周は、タイヤ幅方向と直交する方向に巻き付けられる
ものがあげられる。
によれば、巻き付け開始と終了の1周分は、タイヤ軸方
向と直交する方向(タイヤ周方向の平行な方向)に巻き
付けるので、余分なゴム部分が生じない。したがって、
これを削除するための処理工程も不要となるので、タイ
ヤ製造工程を簡素化することができる。
用いて説明する。図1は、本発明によるタイヤ(ラジア
ルタイヤ)の一部分の断面を示す図である。タイヤ1
は、複数のタイヤ用ゴム部材から構成されており、代表
的には、トレッド部2、サイドウォール部3、リムスト
リップ部4、インナーライナー部5がゴム部材により構
成されている。
プをタイヤ周方向に沿って螺旋状に重ねて巻き付けるこ
とにより形成される。このゴムストリップの形状は、図
2に示すように断面が略三日月形であり、幅寸法X=5
〜30mm、幅中央の厚み寸法H1=0.5〜3.0m
m、幅方向両側に厚み寸法H2=0.05〜0.2mm
であることが好ましい。
(a)はトレッド部2、(b)はサイドウォール部3、
(c)はリムストリップ部4、(d)はインナーライナ
ー部5を示している。この図からも分かるように、ゴム
ストリップ6が重ねて巻き付けられている。なお、この
図3は概念図として示すものであり、断面形状に対する
ゴムストリップ6の大きさは、実際にはもっと細かくな
っており、断面形状も複雑になる。
4、インナーライナー部5は、1本のゴムストリップ6
を巻き付けることにより構成される。トレッド部2は、
特性の異なる2種類のゴムストリップ6,7を巻き付け
ることにより構成される。トレッド部2において、ゴム
ストリップ6の幅方向での巻き付け方向は矢印Cで示さ
れ、ゴムストリップ7の幅方向での巻き付け方向は矢印
Dで示される。
4により説明する。図5は、ゴムストリップの巻き付け
を行う装置の構成を示す模式図である。ゴムストリップ
6は、ゴムストリップ供給装置11から順に押し出され
る。巻き付けドラム10は、軸10a回りに回転可能で
あり、巻き付けドラム10を図5のR方向に回転させな
がらゴムストリップ6を供給することにより、ゴムスト
リップ6をタイヤ周方向に沿って巻き付けることができ
る。
図であるが、矢印Aはタイヤ周方向に相当し、矢印B方
向はタイヤ幅方向(軸方向)に相当する。 ゴムストリ
ップ6をタイヤ周方向に沿って螺旋状に巻き付ける必要
がある。したがって、ゴムストリップ6を巻き付ける時
には、巻き付けドラム10を回転させるだけでなく、ゴ
ムストリップ供給装置11をタイヤ幅方向Bに沿って相
対的に移動させる必要がある。そのために、ゴムストリ
ップ供給装置11か巻き付けドラム10のいずれかをタ
イヤ幅方向に沿って移動させればよい。
ら右側へと移動しながら巻き付けられる。最初の1周目
(1巻目)はM1 、2周目はM2 、3周目はM3 ・・・
n−1周目はMn-1 、n周目(最終)はMn で示される
。 ここで1周目M1 とn周目Mn は、その巻き付け方
向がタイヤ幅方向と直交(タイヤ周方向と平行)する方
向と同じになっている。それ以外の部分は、螺旋状に巻
き付けるために、巻き付け方向はタイヤ周方向に対して
角度αだけ傾斜している。最初の1周目と最後のn周目
も角度α傾斜させると、余分な部分をカットする処理が
必要となるが、1周目とn周目をタイヤ周方向と同じ方
向とすることにより、余分な部分をカットする処理が不
要となる。
ゴムストリップ供給装置11をタイヤ幅方向に沿って相
対移動しないように制御すれば上記のような構成にする
ことができる。なお、制御装置12は、ゴムストリップ
供給装置11と巻き付けドラム10の作動制御を行う。
PS で、巻き付け終了位置がPE で示される。そして、
巻き付け開始位置PS と巻き付け終了位置PE の位置ず
れΔがタイヤ周方向から見て0〜5mmになるように巻
き付けられる。これにより、タイヤの重量バランスを維
持することができる。
a,6bの重ね方について説明する図である。隣接ずる
ゴムストリップ6a,6b同士については、ゴムストリ
ップ6の幅寸法Xの半分〜1/5程度が重なるようにす
るのが好ましい(図6(a)(b)参照)。幅寸法の半
分にすれば、重ねた場合の凹凸が目立たなくからであ
る。また、1/5以上とするのは、これ以上重なりを小
さくすると、ゴムストリップ6がばらけてしまうことが
あるからである。重なり具合の制御は、制御装置12に
よりゴムストリップ供給装置のタイヤ幅方向の相対移動
速度を制御することにより行われる。
口の幅の大きさを調整することにより、(c)の6cに
示すように幅寸法Xを最大70%まで落とすとことがで
きる。さらに、巻き付けドラム10の回転速度を調整す
ることで、(d)の6dに示すように高さ寸法を最大1
/2まで落とすことができる。つまり、巻き付けドラム
10の回転速度を速くすると、ゴムストリップ6に対し
てテンションをかけることができ、これにより高さ寸法
を変えることができる。すなわち、ゴムストリップを供
給する速度を制御することにより、ゴムストリップ6の
断面形状を変えることができる。
ップのカットについては、専用のカッターを設けてもよ
いが、ゴムストリップ6に大きなテンションをかけるこ
とによりカットすることもできる。
士の重なり具合や、断面形状を変化させたりすることに
より、ゴム部材の形状を精度良く製造することができ
る。
き付けにより形成した場合の巻き付け開始位置の好まし
い配置を示す図である。 図7において、トレッド部2
の巻き付け開始位置がT1、サイドウォール部3の巻き
付け開始位置がT2、リムストリップ部4の巻き付け開
始位置がT3、インナーライナー部5の巻き付け開始位
置がT4で示されている。これらT1,T2,T3,T
4の位置を同じ位置に集中すると、バランス特性が悪化
する可能性がある。 そこで各開始位置のタイヤ周方向
の位相ずれ(図7にθで示す)を10度以上とするのが
好ましい。図例では、各開始位置の位相ずれをθ=90
度と均等にしている。なお、巻き付け終了位置は巻き付
け開始位置と0〜5mmのずれであるから、巻き付け開
始位置についての位相ずれを10度以上にすれば、巻き
付け終了位置についても同様に位相ずれが10度以上と
なる。
ゴム部材を形成するもの)と、ゴムストリップを用いな
い従来タイヤ(図8に示す構成)との比較を表1に示
す。なお、本発明品では、トレッド部2、サイドウォー
ル部3、リムストリップ部4、インナーライナー部5の
すべてをゴムストリップにより構成したもので比較し
た。数値は、タイヤ200本の平均値であり、数値は指
数換算している。
る。数値が小さいということは、本発明のほうが各項目
に関して改善されていることを示している。表1におい
て、RFV(ラジアル・フォース・バリエーション)と
は、タイヤの縦(半径)方向の反力の変動のことであ
り、詳しくは、コーナリング試験機上でタイヤに荷重を
かけ、半径一定の状態に保持してタイヤを変動させた場
合の、荷重の変動量である。
ョン )とは、タイヤの横(幅)方向の反力の変動量で
ある。RRO(ラジアル・ラン・アウト)とは、タイヤ
の縦(半径)方向の振れであり、タイヤの断面形状の大
きさが部分的に異なったり、トレッドの厚さが部分的に
異なることが原因で発生する。
とは、タイヤの動的な不均一を表し、S−UB(スタテ
ィック・アンバランス)とは、タイヤの静的な不均一を
表し、 重量精度とは、タイヤ1本の総重量のばらつき
を表すものである。
は性能が著しく良くなり、自動車の操縦安定性が著しく
改善されることが良く理解できる。
示す模式図
を説明する図
を示す図
Claims (8)
- 【請求項1】 複数のタイヤ用ゴム部材から構成される
タイヤであって、 前記複数のゴム部材のうちの少なくとも1つの前記ゴム
部材は、ゴムストリップをタイヤ周方向に沿って螺旋状
に重ねて巻き付けることにより形成され、 前記ゴムストリップの巻き付け開始位置と巻き付け終了
位置の位置ずれが、前記タイヤ周方向にて0〜5mmの
範囲になるように形成されていることを特徴とするタイ
ヤ。 - 【請求項2】 前記複数のゴム部材のうちの少なくとも
2つの前記ゴム部材は、前記ゴムストリップを巻き付け
ることにより形成されており、前記各ゴム部材の前記巻
き付け開始位置の位相ずれが、前記タイヤ周方向にて1
0度以上になるように構成されていることを特徴とする
請求項1に記載のタイヤ。 - 【請求項3】 前記ゴムストリップの巻き付け開始の少
なくとも1周と巻き付け終了の少なくとも1周は、タイ
ヤ幅方向と直交する方向に巻き付けられていることを特
徴とする請求項1又は2に記載のタイヤ。 - 【請求項4】 前記ゴムストリップは、幅が5〜30m
m、幅中央の厚みが0.5〜3.0mm、幅両側の厚み
が0.05〜0.2mmの略三日月形の断面形状を有す
ることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載
のタイヤ。 - 【請求項5】 前記ゴム部材は、1本のゴムストリップ
を巻き付けることにより形成されることを特徴とする請
求項1〜4のいずれか1項に記載のタイヤ。 - 【請求項6】 複数のタイヤ用ゴム部材から構成される
タイヤを製造する方法であって、 前記複数のゴム部材のうちの少なくとも1つの前記ゴム
部材を、ゴムストリップをタイヤ周方向に沿って螺旋状
に重ねて巻き付けることにより形成する巻き付けステッ
プを有し、 前記巻き付けステップにおいて、前記ゴムストリップの
巻き付け開始位置と巻き付け終了位置の位置ずれが、前
記タイヤ周方向にて0〜5mmの範囲になるように巻き
付けることを特徴とするタイヤ製造方法。 - 【請求項7】 前記巻き付けステップにおいて、前記ゴ
ムストリップを所定の巻き付け体に対して供給しながら
前記巻き付け体を回転することにより巻き付けを行い、
かつ、前記供給する速度を制御することにより、前記ゴ
ムストリップの断面形状を巻き付け途中で変更可能にす
ることで所望の形状の前記ゴム部材を得るようにしたこ
とを特徴とする請求項6に記載のタイヤ製造方法。 - 【請求項8】 前記巻き付けステップにおいて、前記ゴ
ムストリップの巻き付け開始の少なくとも1周と巻き付
け終了の少なくとも1周は、タイヤ幅方向と直交する方
向に巻き付けられることを特徴とする請求項6又は7に
記載のタイヤ製造方法。
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