JP2002028939A - ポリビニルアルコール系重合体フィルムとその製造法および偏光フィルム - Google Patents
ポリビニルアルコール系重合体フィルムとその製造法および偏光フィルムInfo
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Abstract
示画面の大型化に対応可能な幅広の偏光フィルムの製造
原料として有用なポリビニルアルコール系重合体フィル
ムを得る。 【解決手段】 ポリビニルアルコール系重合体フィルム
を、フィルム幅が2m以上であって、幅方向に1cm離
れた二点間のレタデーション差が5nm以下で、かつ幅
方向に1m離れた二点間のレタデーション差が50nm
以下とする。
Description
フィルムの製造原料として有用で、均一な延伸を行いや
すいポリビニルアルコール系重合体フィルムとその製造
法および偏光フィルムに関するものである。
は、光のスイッチング機能を有する液晶とともに、液晶
ディスプレイ(LCD)の基本的な構成要素である。こ
のLCDの適用分野も、開発初期の頃の電卓および腕時
計などの小型機器から、近年では、ラップトップパソコ
ン、ワープロ、液晶カラープロジェクター、車載用ナビ
ゲーションシステム、液晶テレビ、パーソナルホンおよ
び屋内外の計測機器などの広範囲に広がり、従来品以上
に色斑が少なくて大面積の偏光板が求められている。
重合体フィルム(以下、ポリビニルアルコール系重合体
を「PVA」、ポリビニルアルコール系重合体フィルム
を「PVAフィルム」と略記することがある)を一軸延
伸させて染色するか、染色した後一軸延伸してから、ホ
ウ素化合物で固定処理を行った(染色と固定処理が同時
の場合もある)偏光フィルムに、三酢酸セルロース(T
AC)フィルムや酢酸・酪酸セルロース(CAB)フィ
ルムなどの保護膜を貼り合わせた構成となっている。
均一に見えるPVAフィルムであっても、これより得ら
れる偏光フィルムには色斑が存在していることがある。
この色斑は保護膜などを積層した最終製品(偏光板)で
ないと検査しにくい。この最終製品で色斑が発見される
と、良品である保護膜などの副資材も不良品として廃棄
されるので、大きなコストロスとなる。
の偏光フィルムを得るには、幅広のPVAフィルムを確
保する必要がある。しかし、従来のPVAフィルムでは
均一な延伸をしにくいことが多く、大面積の偏光フィル
ムが得られにくい。
均一な延伸が容易で、液晶表示画面の大型化に対応可能
な幅広の偏光フィルムの製造原料として有用なPVAフ
ィルムを得られるようにする点にある。
め、本発明にかかるPVAフィルムは、フィルム幅が2
m以上であって、幅方向に1cm離れた二点間のレタデ
ーション差が5nm以下で、かつ幅方向に1m離れた二
点間のレタデーション差が50nm以下としている。こ
こで、レタデーションとは、偏光フィルム用PVAフィ
ルムの複屈折率×膜厚で示される。この複屈折率は、延
伸処理等で付与された前記フィルムの分子配向の度合い
によって決まる。
伸が容易で、幅広の良品が高い収率で得られ、液晶表示
画面の大型化に対応可能となる。
の一方の面を第一金属ロールで、他方の面を第二金属ロ
ールで乾燥するか、または二個以上の乾燥用金属ロール
で乾燥するドラム製膜により、両面を乾燥してPVAフ
ィルムを製造する際に、PVAフィルムを第一金属ロー
ルに接触させる時の水分率をA重量%、第一金属ロール
から剥離する時のPVAフィルムの水分率をB重量%、
第二金属ロールまたは乾燥用金属ロールから剥離する時
のPVAフィルムの水分率をC重量%とした時に、10
≦B≦50、(A−B)×0.01≦B−C≦(A−
B)×1の式を満足するものである。
の製造原料として有用なPVAフィルムが確実に得られ
る。
に基づいて説明する。図1は、本発明の偏光フィルム用
PVAフィルムの製造例として、含水PVA(有機溶剤
などを含んでいても良い)を溶融して押し出す溶融押出
方式を採用したドラム型製膜機を示している。この製膜
機は、例えばフラットダイ1から定量の溶融PVA2
を、回転するキャスト用の第一金属ロール3上に押し出
し、この円周面を通過させてPVAフィルム6の一方の
面(第1乾燥面)を乾燥する。この後、第二金属ロール
4の円周面を通過させてPVAフィルム6の第1乾燥面
と反対側の面(第2乾燥面)を乾燥し、最終的に剥がし
ロール5により剥がして偏光フィルム用PVAフィルム
6とする。このPVAフィルム6は、図示しない調湿機
および検査機などを通過してワインダに巻き取られる。
この時、第一金属ロール3と第二金属ロール4でPVA
フィルム6の表裏面を交互に乾燥することが重要であ
る。これにより、得られるPVAフィルム6のカール角
度が小さくなり、均一な延伸が可能となる。第一金属ロ
ール3と第二金属ロール4でPVAフィルム6の同一面
を乾燥した場合には、均一な延伸を行うことが難しくな
る。
第一金属ロール3に接触させる時の位置(接触点)Aで
の溶融PVA2の水分率をA重量%、また第一金属ロー
ル3から剥離する時の位置(剥離点)BでのPVAフィ
ルム6の水分率をB重量%、そして第二金属ロール4か
ら剥離する時の位置(剥離点)CでのPVAフィルム6
の水分率をC重量%とする。このとき、同図のように、
第n,第n+1金属ロール7,8の複数個を配置し、二
段以上の多段にわたってPVAフィルム6の表裏面を交
互に乾燥することが好ましい。このようにすれば、PV
Aフィルム6の表裏両面がともに均一に乾燥されて、カ
ールや色斑が発生することなく、均一な延伸が容易とな
り、良好な偏光フィルム用PVAフィルム6が得られ
る。乾燥のための金属ロールの数は、合計で5本〜30
本が好ましい。単一の金属ロールのみで乾燥した場合
や、PVAフィルム6の一方の面のみを乾燥した場合に
は、均一な延伸が困難で、良好な偏光フィルムを得るこ
とが難しい。
PVAの水分率のA重量%は、40重量%〜90重量%
が好適であり、特に45重量%〜85重量%が最も好適
である。水分率が、90重量%を超える場合は、得られ
る偏光フィルムに色斑が発生しやすく、40重量%未満
の場合には、均一な厚みのPVAフィルムを得ることが
難しくなる傾向がある。
PVAフィルム6の水分率のB重量%は、10重量%〜
50重量%にすることが重要で、特に20重量%〜45
重量%が好ましい。水分率が、50重量%を超える場合
は、偏光フィルムとした時に色斑が発生しやすい。ま
た、10重量%未満の場合は、均一な延伸を行うことが
難しい。
VAフィルム6の水分率の減少量(B−C)は、第一金
属ロール3を通過する時のPVAフィルム6の水分率の
減少量(A−B)の0.01倍〜1倍であることが重要
であり、特に0.1倍〜0.6倍が最も好ましい。減少
量の比率が0.01倍未満では均一な延伸が困難で、1
倍を超える場合には得られる偏光フィルムに色斑が発生
しやすい。
率(重量%)は、剥離点Bと剥離点Cに関しては、ファ
イバー式赤外水分計(IM−3SCV MODEL−1
900(L)、株式会社フジワーク製)を用いて測定し
た。また、接触点Aは仕込み原料組成とした。
は2m〜8mであることが望ましく、特に2.5m〜6
mである。第一金属ロール3の直径が2m未満では得ら
れる偏光フィルムに色斑が発生しやすく、8mを超える
金属ロールは工業的に得ることが難しい。
3の直径の0.02倍〜1.0倍であることが好まし
く、特に0.15倍〜0.7倍が最も好ましい。第二金
属ロール4の直径が第一金属ロール3の直径の0.02
倍未満でも1.0倍を超えても均一な延伸が困難とな
り、得られる偏光フィルムの幅収率が悪化し、色斑も発
生しやすくなる場合がある。
ム・熱媒・温水・電気ヒーターなどにより加熱する。ま
た、温風や冷風などをPVAフィルムに吹き付けたり、
PVAフィルム周囲の空気や蒸気などを吸引するなどの
手段を、補助的に用いても良い。また、以上の実施形態
では複数のロールを用いたが、第二金属ロール4以降の
乾燥の最終段階では、テンター方式やフリー方式などの
フローティングドライヤーなどの金属ロール以外の乾燥
方法を用いることも可能である。
化クロム、亜鉛、錫などをメッキしてあることが好まし
い。また、金属ロールの金属表面またはメッキ表面の平
滑性は、3S以下が好ましく、特に0.5S以下が最も
好ましい。平滑性が3Sを超える場合には、得られるP
VAフィルムの厚さを均一にすることが困難であり、さ
らにフィルム表面の平滑性が悪化し、レタデーション差
が大きくなる傾向がある。
m以上であり、2.5m以上であることが好ましく、特
に3m以上であることが最も好ましい。フィルム幅が2
m未満の場合には、フィルム中央部付近まで一軸延伸時
のネックイン(幅方向の収縮)の影響を受けやすく、幅
広で光学性能が均一な偏光フィルムが得ることが難し
い。
方向に継ぎ目のない金属ベルトは、工業的に生産されて
いない。長さ方向に継ぎ目がある金属ベルトでPVAフ
ィルムを製膜した場合、長さ方向の金属ベルトの継ぎ目
部分に相当する部分が偏光斑となり、偏光斑の小さの偏
光フィルムが得られない。また、金属ベルトを用いて乾
燥した場合、水中に浸漬させた時のカールが大きくなり
やすく、均一な延伸が難しい。
m離れた二点間のレタデーション差が5nm以下である
ことが重要であり、好ましくは4nm以下、特に3nm
以下が最も好ましい。レタデーション差が、5nmを超
える場合には、得られる偏光フィルムに色斑が発生しや
すい。さらに、幅方向に1m離れた二点間のレタデーシ
ョン差が50nm以下であることが重要であり、好まし
くは45nm以下、特に30nm以下が最も好ましい。
レタデーション差が、50nmを超える場合には、やは
り、得られる偏光フィルムに色斑が発生しやすい。
μm〜150μmであり、最も好ましくは35μm〜8
0μmである。
重合して得られたポリビニルエステルをけん化すること
により製造される。また該PVAを不飽和カルボン酸ま
たはその誘導体、不飽和スルホン酸またはその誘導体、
炭素数2〜30のα−オレフィンなどを15モル%未満
の割合でグラフト共重合した変性PVAや、ビニルエス
テルと不飽和カルボン酸またはその誘導体、不飽和スル
ホン酸またはその誘導体、炭素数2〜30のα−オレフ
ィンなどを15モル%未満の割合で共重合した変性ポリ
ビニルエステルをけん化することにより製造される変性
PVAや、未変性または変性PVAをホルマリン、ブチ
ルアルデヒド、ベンツアルデヒドなどのアルデヒド類で
水酸基の一部を架橋したいわゆるポリビニルアセタール
樹脂などを挙げることができる。
ル、ギ酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピ
バリン酸ビニル、バーサティック酸ビニル、ラウリン酸
ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニルなどが例
示される。
は、主として変性を目的に共重合させるもので、本発明
の趣旨を損なわない範囲で使用される。このようなコモ
ノマーとして、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブ
テン、イソブテンなどのオレフィン類;アクリル酸およ
びその塩;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アク
リル酸n−プロピル、アクリル酸i−プロピル、アクリ
ル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、アクリル酸t
−ブチル、アクリル酸2−エチルへキシル、アクリル酸
ドデシル、アクリル酸オクタデシルなどのアクリル酸エ
ステル類;メタクリル酸およびその塩;メタクリル酸メ
チル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピ
ル、メタクリル酸i−プロピル、メタクリル酸n−ブチ
ル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチ
ル、メタクリル酸2−エチルへキシル、メタクリル酸ド
デシル、メタクリル酸オクタデシルなどのメタクリル酸
エステル類;アクリルアミド、N−メチルアクリルアミ
ド、N−エチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアク
リルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アクリルアミ
ドプロパンスルホン酸およびその塩、アクリルアミドプ
ロピルジメチルアミンおよびその塩、N−メチロールア
クリルアミドおよびその誘導体などのアクリルアミド誘
導体;メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミ
ド、N−エチルメタクリルアミド、メタクリルアミドプ
ロパンスルホン酸およびその塩、メタクリルアミドプロ
ピルジメチルアミンおよびその塩、N−メチロールメタ
クリルアミドおよびその誘導体などのメタクリルアミド
誘導体;N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトア
ミド、N−ビニルピロリドンなどのN−ビニルアミド
類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n
−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテ
ル、n−ブチルビニルエーテル、i−ブチルビニルエー
テル、t−ブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエー
テル、ステアリルビニルエーテルなどのビニルエーテル
類;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのニト
リル類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、
フッ化ビニリデンなどのハロゲン化ビニル類;酢酸アリ
ル、塩化アリルなどのアリル化合物;マレイン酸および
その塩またはそのエステル;イタコン酸およびその塩ま
たはそのエステル;ビニルトリメトキシシランなどのビ
ニルシリル化合物;酢酸イソプロペニルなどを挙げるこ
とができる。
モル%以下が好ましく、5モル%以下がより好ましい。
またコモノマーとしては、α−オレフィンが好ましく、
特にエチレンが好ましい。
点から95モル%以上が好ましく、特に99.5モル%
以上が最も好ましい。
ルコール単位に変換され得る単位の中で、実際にビニル
アルコール単位にけん化されている単位の割合を示した
ものである。なお、PVAのけん化度は、JIS記載の
方法により測定を行った。
から1000以上が好ましく、特に2500以上が最も
好ましい。PVA重合度の上限は8000以下が好まし
く、6000以下がより好ましい。
26に準じて測定される。すなわちPVAを再けん化
し、精製した後、30℃の水中で測定した極限粘度から
求められる。
製造する方法として、図1の実施形態で示した溶融押出
方式による製膜法の他に、例えばPVAを溶剤に溶解し
たPVA溶液を使用して、流延製膜法、湿式製膜法(貧
溶媒中への吐出)、ゲル製膜法(PVA水溶液を一旦冷
却ゲル化した後、溶媒を抽出除去し、PVAフィルムを
得る方法)、およびこれらの組み合わせによる方法など
を採用することができる。これらのなかでも流延製膜法
および溶融押出製膜法が、良好な偏光フィルムが得られ
ることから好ましい。
PVAを溶解する溶剤としては、例えば、ジメチルスル
ホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ド、N−メチルピロリドン、エチレングリコール、グリ
セリン、プロピレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコー
ル、トリメチロールプロパン、エチレンジアミン、ジエ
チレントリアミン、グリセリン、水などを挙げることが
でき、これらのうち1種または2種以上を使用すること
ができる。これらのなかでも、ジメチルスルホキシド、
水、またはグリセリンと水の混合溶媒が好適に使用され
る。
応じて可塑剤、界面活性剤、二色性染料などを含有させ
ても良い。
て、多価アルコールを添加することが好ましい。多価ア
ルコールとしては、例えば、エチレングリコール、グリ
セリン、プロピレングリコール、ジエチレングリコー
ル、ジグリセリン、トリエチレングリコール、テトラエ
チレングリコール、トリメチロールプロパンなどを挙げ
ることができ、これらのうち1種または2種以上を使用
することができる。これらのなかでも延伸性向上効果か
ら、ジグリセリンやエチレングリコールやグリセリンが
好適に使用される。
00重量部に対し1重量部〜30重量部が好ましく、特
に5重量部〜20重量部が最も好ましい。1重量部未満
では、染色性や延伸性が低下する場合があり、30重量
部を超えると、PVAフィルムが柔軟になりすぎて、取
り扱い性が低下する場合がある。
性剤を添加することが好ましい。界面活性剤の種類とし
ては特に限定はないが、アニオン性またはノニオン性の
界面活性剤が好ましい。アニオン性界面活性剤として
は、例えば、ラウリン酸カリウムなどのカルボン酸型、
オクチルサルフェートなどの硫酸エステル型、ドデシル
ベンゼンスルホネートなどのスルホン酸型のアニオン性
界面活性剤が好適である。ノニオン性界面活性剤として
は、例えば、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなど
のアルキルエーテル型、ポリオキシエチレンオクチルフ
ェニルエーテルなどのアルキルフェニルエーテル型、ポ
リオキシエチレンラウレートなどのアルキルエステル
型、ポリオキシエチレンラウリルアミノエーテルなどの
アルキルアミン型、ポリオキシエチレンラウリン酸アミ
ドなどのアルキルアミド型、ポリオキシエチレンポリオ
キシプロピレンエーテルなどのポリプロピレングリコー
ルエーテル型、オレイン酸ジエタノールアミドなどのア
ルカノールアミド型、ポリオキシアルキレンアリルフェ
ニルエーテルなどのアリルフェニルエーテル型などのノ
ニオン性界面活性剤が好適である。これらの界面活性剤
の1種または2種以上の組み合わせで使用することがで
きる。
0重量部に対して0.01重量部〜1重量部が好まし
く、0.05重量部〜0.3重量部が最も好ましい。
0.01重量部未満では延伸性向上や染色性向上の効果
が現れにくく、1重量部を超えると、PVAフィルム表
面に溶出し、ブロッキングの原因になり取り扱い性が低
下する場合がある。
光フィルムを製造するには、例えばPVAフィルム6を
染色、一軸延伸、固定処理、乾燥処理、さらに必要に応
じて熱処理を行えば良く、染色、一軸延伸、固定処理の
操作順に特に制限はない。また、各操作を二回またはそ
れ以上行っても良い。
伸後のいずれでも可能である。染色に用いる染料として
は、ヨウ素−ヨウ化カリウム;ダイレクトブラック 1
7、19、154;ダイレクトブラウン 44、10
6、195、210、223;ダイレクトレッド 2、
23、28、31、37、39、79、81、240、
242、247;ダイレクトブルー 1、15、22、
78、90、98、151、168、202、236、
249、270;ダイレクトバイオレット 9、12、
51、98;ダイレクトグリーン 1、85;ダイレク
トイエロー 8、12、44、86、87;ダイレクト
オレンジ 26、39、106、107などの二色性染
料などが、1種または2種以上の混合物で使用できる。
通常、染色は、PVAフィルムを上記染料を含有する溶
液中に浸漬させることにより行うことが一般的である
が、PVAフィルムに塗工したり、PVAフィルムに混
ぜて製膜するなど、その処理条件や処理方法は特に制限
されるものではない。
が使用でき、温水中(前記染料を含有する溶液中や後記
固定処理浴中でも良い)または吸水後のPVAフィルム
を用いて空気中で行うことができる。延伸温度は特に限
定されないが、PVAフィルムを温水中で延伸(湿式延
伸)する場合は30℃〜90℃が、また乾熱延伸する場
合は50℃〜180℃が好適である。また一軸延伸の延
伸倍率(多段の一軸延伸の場合には合計の延伸倍率)
は、偏光性能の点から4倍以上が好ましく、特に5倍以
上が最も好ましい。延伸倍率の上限は特に制限はない
が、8倍以下であると均一な延伸が得られやすいので好
ましい。延伸後のフィルムの厚みは、3μm〜75μm
が好ましく、5μm〜50μmがより好ましい。
することを目的に、固定処理を行うことが多い。固定処
理に使用する処理浴には、通常、ホウ酸および/または
ホウ素化合物が添加される。また、必要に応じて処理浴
中にヨウ素化合物を添加しても良い。
30℃〜150℃で行うのが好ましく、50℃〜150
℃で行うのがより好ましい。
は、通常、その両面または片面に、光学的に透明で、か
つ機械的強度を有した保護膜を貼り合わせて偏光板とし
て使用される。保護膜としては、三酢酸セルロース(T
AC)フィルム、酢酸・酪酸セルロース(CAB)フィ
ルム、アクリル系フィルム、ポリエステル系フィルムな
どが使用される。また、貼り合わせのための接着剤とし
ては、PVA系の接着剤やウレタン系の接着剤などを挙
げることができるが、PVA系の接着剤が好適である。
するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものでは
ない。なお、実施例中の二色性比は以下の方法により評
価した。
RA21SDH、王子計測機器株式会社製)を用いて、
PVAフィルムの任意の点のレタデーションを測定し
た。別途幅方向に1cm離れた位置のレタデーションを
測定して、両測定値の差を求めた。また、前記計器で、
フィルムの中央部と幅方向に両側に1m離れた位置のレ
タデーションを測定して、両測定値の差を求めた。
能を評価する指標として二色性比を使用した。この二色
性比は、日本電子機械工業会規格(EIAJ)LD−2
01−1983に準拠し、分光光度計を用いて、C光
源、2度視野にて測定・計算して得た透過率Ts(%)
と偏光度P(%)を使用して下記の式から求めた。 二色性比=log(Ts/100−Ts/100×P/
100)/log(Ts/100+Ts/100×P/
100)
0重量部に対し、グリセリン10重量部を含有する、P
VA濃度が15重量%の水溶液を、直径3.4m、表面
の平滑性が0.3Sの第一金属ロールに流延製膜した。
PVAフィルムの水分率が40重量%で剥離し、次いで
PVAフィルムの非ロール面を直径1mの第二金属ロー
ルで乾燥させ、PVAフィルムの水分率が30重量%
(この場合、0.435≦(40−30)≦43.5で
前記(1)、(2)式の範囲内)で剥離し、その後にP
VAフィルムの両面を交互に7個の金属ロールで乾燥
し、厚さ75μm、幅2.7mの偏光フィルム用PVA
フィルムを得た。当該フィルムの1cm離れた二点間の
レタデーション差は2nm、1m離れた二点間のレタデ
ーション差は25nmであった。
軸延伸、固定処理、乾燥、熱処理の順に処理して偏光フ
ィルムを作成した。すなわち、前記PVAフィルムを3
0℃の水中に5分間浸漬させて予備膨潤し、ヨウ素濃度
0.4g/リットル、ヨウ化カリウム濃度40g/リッ
トルの35℃の水溶液中に3分間浸漬させた。続いて、
ホウ酸濃度4%の40℃の水溶液中で5.5倍に一軸延
伸を行い、ヨウ化カリウム濃度40g/リットル、ホウ
酸濃度40g/リットル、塩化亜鉛濃度10g/リット
ルの30℃の水溶液中に5分間浸漬させて固定処理を行
った。この後延伸フィルムを取り出し、定長下、40℃
で熱風乾燥し、さらに100℃で5分間熱処理を行っ
た。
あり、色斑も無く良品であった。また、透過度は43.
3%、偏光度は98.8%であり、二色性比は35.1
であった。
0重量部に、グリセリン10重量部および水120重量
部を、押出機中で溶融混練し、直径3.4m、表面の平
滑性が0.3Sの第一金属ロールに吐出させ、PVAフ
ィルムの水分率が27重量%で剥離した。次いでPVA
フィルムの非ロール面を直径2mの第二金属ロールで乾
燥させ、PVAフィルムの水分率が18重量%(この場
合、0.25≦(27−18)≦25で前記(1)、
(2)式の範囲内)で剥離し、その後もPVAフィルム
の両面を交互に6個の金属ロールで乾燥し、厚さ75μ
m、幅3.2mの偏光フィルム用PVAフィルムを得
た。当該フィルムの1cm離れた二点間のレタデーショ
ン差は1nm、1m離れた二点間のレタデーション差は
20nmであった。
軸延伸、固定処理、乾燥、熱処理の順に処理して偏光フ
ィルムを作成した。すなわち、PVAフィルムを30℃
の水中に5分間浸漬させて予備膨潤し、ヨウ素濃度0.
4g/リットル、ヨウ化カリウム濃度40g/リットル
の35℃の水溶液中に3分間浸漬させた。続いて、ホウ
酸濃度4%の40℃の水溶液中で5.6倍に一軸延伸を
行い、ヨウ化カリウム濃度40g/リットル、ホウ酸濃
度40g/リットル、塩化亜鉛濃度10g/リットルの
30℃の水溶液中に5分間浸漬させて固定処理を行っ
た。その後延伸フィルムを取り出し、定長下、40℃で
熱風乾燥し、さらに100℃で5分間熱処理を行った。
あり、色斑も無く良品であった。また、透過度は42.
7%、偏光度は99.8%であり、二色性比は44.5
であった。
0重量部に対し、グリセリン10重量部を含有する、P
VA濃度が15重量%の水溶液を、直径3.4m、表面
の平滑性が0.3Sの第一金属ロールに流延製膜し、P
VAフィルムの水分率が35重量%で剥離した。次いで
PVAフィルムの同じ面を直径1mの第二金属ロールで
乾燥し、PVAフィルムの水分率が5重量%(この場
合、0.485≦(35−5)≦48.5で前記
(1)、(2)式の範囲内)で剥離し、厚さ75μm、
幅2.7mのPVAフィルムを得た。1cm離れた二点
間のレタデーション差は6nmであった。当該PVAフ
ィルムを実施例1と同様に処理を行ったが、均一な延伸
が困難であり、色斑が大きく、良好な偏光フィルムは得
ることはできなかった。
Aフィルムの水分率を5.3重量%、第二金属ロールか
らの剥離時のPVAフィルムの水分率を5重量%(この
場合、0.782≦(5.3−5)≦78.2で前記
(1)、(2)式の範囲外)とした以外は、比較例1と
同様に処理を行い、厚さ75μm、幅2.7mのPVA
フィルムを得た。1cm離れた二点間のレタデーション
差は7nmであった。該PVAフィルムを実施例1と同
様に処理を行ったが、均一な延伸が困難であり、色斑が
大きく、良好な偏光フィルムは得ることはできなかっ
た。
Aフィルムの水分率を50重量%、第二金属ロールから
の剥離時のPVAフィルムの水分率を40重量%(この
場合、0.335≦(50−40)≦33.5で前記
(1)、(2)式の範囲内)とした以外は、実施例1と
同様に処理を行い、厚さ75μm、幅2.7mのPVA
フィルムを得た。当該PVAフィルムの1cm離れた二
点間のレタデーション差は10nmであった。該PVA
フィルムを実施例1と同様に処理を行ったが、色斑が激
しく、良好な偏光フィルムは得ることはできなかった。
Aフィルムの水分率を38重量%、第二金属ロールから
の剥離時のPVAフィルムの水分率を20重量%(この
場合、0.14≦(38−20)≦14で前記(2)式
の範囲外)とした以外は、実施例2と同様に処理を行
い、厚さ75μm、幅3.2mのPVAフィルムを得
た。当該PVAフィルムの1cm離れた二点間のレタデ
ーション差は6nmであり、該PVAフィルムを実施例
2と同様に処理を行ったが、色斑が激しく、良好な偏光
フィルムは得ることはできなかった。
燥長90mの金属ベルトに吐出させ、PVAフィルムの
水分率が0.5重量%で剥離して、厚さ75μm、幅
2.7mのPVAフィルムを得た以外は、実施例2と同
様に処理を行った。当該PVAフィルムの1cm離れた
二点間のレタデーション差は3nmであった。該PVA
フィルムを実施例2と同様に処理を行った。延伸時、P
VAフィルムがカールして均一な延伸が困難であった。
また、得られた偏光フィルムをクロスニコル状態の偏光
板の間に45°に挿入して透過光を目視観察すると、金
属ベルトの流れ方向の継ぎ目部分が偏光斑となった。
外は実施例2と同様に処理を行った。得られたPVAフ
ィルムの1cm離れた二点間のレタデーション差は1n
mであった。実施例2と同様に処理を行い、得られた偏
光フィルムの厚みは22μmであった。また、透過度は
42.6%、偏光度は99.7%であり、二色性比は4
1.2であった。クロスニコル状態の偏光板の間に当該
偏光フィルムを45°に挿入して透過光を目視観察する
と、大きな光学斑が観測された。
と、第一金属ロール表面の平滑性を4Sに変更した以外
は実施例2と同様に処理を行い、厚さ75μmのPVA
フィルムを得た。当該フィルムの1cm離れた二点間の
レタデーション差は6nmであり、該PVAフィルムを
比較例6と同様に処理を行った。得られた偏光フィルム
の厚みは23μmで、透過度は42.7%、偏光度は9
9.7%であり、二色性比は41.8であった。クロス
ニコル状態の偏光板の間に当該偏光フィルムを45°に
挿入して透過光を目視観察すると、大きな光学斑が観測
された。
延伸が容易な偏光フィルム用PVAフィルムが得られ
る。このPVAフィルムを用いて、色斑が少なく幅広の
大型液晶表示画面用として最適な偏光フィルムを得るこ
とができる。
系重合体フィルムを製造するときの一実施形態を示すド
ラム型製膜機の概略構成図である。
ル、4…第二金属ロール、5…剥がしロール、6…偏光
フィルム用ポリビニルアルコール系重合体フィルム(P
VAフィルム)、7…第n金属ロール、8…第n+1金
属ロール、A…第一金属ロールへの接触点、B…第一金
属ロールからの剥離点、C…第二金属ロールからの剥離
点。
Claims (5)
- 【請求項1】 フィルム幅が2m以上であって、幅方向
に1cm離れた二点間のレタデーション差が5nm以下
で、かつ幅方向に1m離れた二点間のレタデーション差
が50nm以下であるポリビニルアルコール系重合体フ
ィルム。 - 【請求項2】 偏光フィルム用である請求項1記載のポ
リビニルアルコール系重合体フィルム。 - 【請求項3】 請求項2記載の偏光フィルム用ポリビニ
ルアルコール系重合体フィルムを用いて作製した偏光フ
ィルム。 - 【請求項4】 ポリビニルアルコール系重合体フィルム
の一方の面を第一金属ロールで、他方の面を第二金属ロ
ールで乾燥するか、または二個以上の乾燥用金属ロール
を有するドラム製膜により、両面を乾燥してポリビニル
アルコール系重合体フィルムを製造する際に、ポリビニ
ルアルコール系重合体フィルムを前記第一金属ロールに
接触させる時の水分率をA重量%、前記第一金属ロール
から剥離する時のポリビニルアルコール系重合体フィル
ムの水分率をB重量%、前記第二金属ロールまたは乾燥
用金属ロールから剥離する時のポリビニルアルコール系
重合体フィルムの水分率をC重量%とした時に、下記の
(1)、(2)式を満足することを特徴とする請求項1
または2記載のポリビニルアルコール系重合体フィルム
の製造法。 10≦B≦50 …(1) (A−B)×0.01≦B−C≦(A−B)×1 …(2) - 【請求項5】 偏光フィルム用ポリビニルアルコール系
重合体フィルムの製造法である請求項4記載のポリビニ
ルアルコール系重合体フィルムの製造法。
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