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JP2002093684A - X線露光装置、x線露光方法、半導体製造装置および微細構造体 - Google Patents

X線露光装置、x線露光方法、半導体製造装置および微細構造体

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Publication number
JP2002093684A
JP2002093684A JP2000281862A JP2000281862A JP2002093684A JP 2002093684 A JP2002093684 A JP 2002093684A JP 2000281862 A JP2000281862 A JP 2000281862A JP 2000281862 A JP2000281862 A JP 2000281862A JP 2002093684 A JP2002093684 A JP 2002093684A
Authority
JP
Japan
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ray
mirror
wavelength
rays
exposure
Prior art date
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Pending
Application number
JP2000281862A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Itoga
賢二 糸賀
Toyoki Kitayama
豊樹 北山
Yutaka Watanabe
豊 渡辺
Shunichi Uzawa
俊一 鵜澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Canon Inc
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
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Publication date
Application filed by Canon Inc, Mitsubishi Electric Corp filed Critical Canon Inc
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Priority to US09/951,456 priority patent/US6947519B2/en
Priority to KR10-2001-0057337A priority patent/KR100493860B1/ko
Priority to EP01307880A priority patent/EP1189242A3/en
Priority to TW090123420A priority patent/TW517294B/zh
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 0.45nm〜0.7nmの範囲内のX線を
用いて高解像度のパターンが得られるX線露光装置やX
線露光方法を得ること 【解決手段】 0.45nm未満の波長領域および0.
7nm超えの波長領域の少なくともいずれか一方におい
て吸収端を有する材料を含む、X線ミラーを利用してX
線で基板を露光するX線露光装置において、前記X線ミ
ラーは、鉄、コバルト、ニッケル、銅、マンガン、クロ
ム、これらの合金、窒化物、炭化物および硼化物からな
る群から選択される1種以上の材料を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、短波長領域のX線
を露光光として用いたX線露光装置、X線露光方法、半
導体製造装置および微細構造体に関する。
【0002】特にX線を露光光として用いたX線近接露
光技術により、例えばICやLSI等の半導体デバイス
やCCD等の撮像デバイスや液晶パネル等の表示デバイ
スや磁気ヘッド等の各種の高精細のデバイスを製造する
際に好適なものである。
【0003】
【従来の技術】近年、各種のデバイスの高集積化、微細
化に対する要求はますます強くなってきている。
【0004】このため、従来よりも微細な半導体集積回
路のパターンを形成する必要性が高まっている。そこ
で、写真製版加工工程において、従来用いられていた露
光光よりも短波長であるX線を露光光として用いるX線
近接露光技術が注目されている。
【0005】従来よりシンクロトロン放射装置である電
子蓄積リング(以下SR)から出る波長7〜10Å
(0.7nm〜1nm)のX線を光源として、マスクの
パターンを近接して配置されたウエハーへ等倍で露光転
写するリソグラフィ(Proximity X-ray Lithography
:)が知られている。
【0006】図9は例えば刊行物(株)NTT R&D
Vol.43 No.6 P501(1994)に開
示されている。
【0007】X線露光装置の構成図である。図9のX線
露光装置はシンクロトロン放射源101とX線ミラー1
03と熱除去フィルタ104とベリリウム窓105と窒
化珪素膜からなる窓122とX線マスク106と半導体
ウエハ109を設置する縦型XYステージ123とから
構成されている。シンクロトロン放射源101において
発生した放射光102は、X線ミラー103、熱除去フ
ィルタ104、ベリリウム窓105、窒化珪素膜からな
る窓122を通り、X線マスク106に到達する。そし
て、X線マスク106においては、X線吸収体により半
導体ウエハ109に転写すべき回路パターンが形成され
ている。そして、放射光102がX線マスク106を通
過することにより、この回路パターンが半導体ウエハ1
09上に塗布されたレジストに転写される。
【0008】ここで放射光102は、X線領域から赤外
線領域までの広い波長範囲にわたる波長を有する連続ス
ペクトル光である。一方、半導体ウエハ109に転写パ
ターンを転写するX線露光工程において必要とされるX
線は、ある適当な波長領域のX線のみが必要とされる。
このため、従来のX線露光装置においては、まず、X線
ミラー103の反射特性を利用して、波長が約0.7n
m以下のX線成分を吸収カットする。次に、放射光10
2がベリリウムからなる熱除去フィルタ104を透過す
る際に、ベリリウム材の特性から1.5nmより長いX
線成分は、ほとんどすべて熱除去フィルタ4により吸収
カットされる。
【0009】このようにして、放射光102は、その波
長が0.7〜1.5nm程度の範囲となるように調整さ
れる。そして、放射光102は。ベリリウム窓105お
よび窒化珪素膜からなる窓122を順次透過していく。
この際、ベリリウム窓105や窒化珪素膜からなる窓1
22での発熱はほとんどない。
【0010】そして、ベリリウム窓105と窒化珪素膜
からなる窓122との間は大気圧のヘリウムにより満た
されている。このため、ベリリウム窓105はベリリウ
ム窓105よりも上流側の真空領域と下流側の大気圧領
域との隔壁として作用している。そして、熱除去フィル
タ104において不要なX線成分をカットしていること
により、ベリリウム窓105の発熱を抑制している。こ
の結果、ベリリウム窓105の機会的強度を保つことが
可能となる。
【0011】また窒化珪素膜からなる窓122はヘリウ
ム層と大気の隔壁の役割を果たしている。なお、縦型X
Yステージ123をヘリウム雰囲気中に設置するような
装置構成にした場合には、窒化珪素膜からなる窓122
は不要である。
【0012】そして、X線マスク106には上述のよう
に半導体ウエハに転写するための回路パターンが形成さ
れている。そして、半導体ウエハ109に塗布されたレ
ジストの所定領域に放射光102をX線マスク106を
介して照射することにより、この回路パターンを転写す
る。
【0013】従来、斜入射ミラー用の材料として、金や
白金などの重金属表面が用いられてきた。これは、放射
光102の斜入射角を2度程度と大きくしても、露光波
長の0.7nmの波長に於て60%程度の反射率が得ら
れるためである。そして、このような金や白金などの材
料を用いて集光角の大きなX線ミラーを作製することに
より、より多くのX線を集光することが検討されてい
る。
【0014】このようにより多くのX線を集光すること
で、露光に用いるX線の強度を大きくすることができ
る。この結果、露光工程において高いスループットを得
ることが可能となる。
【0015】また、X線ミラー103の材料として、炭
化珪素や溶融石英などを用いることも提案されている。
この炭化珪素は、斜入射角1度と比較的浅く設定するこ
とにより、波長0.7nm以上のX線の反射率を90%
程度という大変高い値にすることができる。
【0016】また、長波長(波長1.5nm以上)のX
線を吸収カットする熱除去フィルタ104の材料として
は、ベリリウム薄膜が提案されているが、この他にも、
窒化珪素やダイヤモンド薄膜を補助的に用いるという提
案もなされている。これは、熱吸収の効率を上げる目
的、およびベリリウム薄膜の酸化防止を図るといった目
的のためである。
【0017】また、X線マスク106は、通常、炭化珪
素などからなるメンブレンと、このメンブレン上に形成
されたX線吸収体とを備える。ここで、炭化珪素が用い
られているのは、露光に用いるX線である、波長が0.
7nmから1.5nm程度のX線の吸収率が比較的小さ
いからである。
【0018】このように、X線ミラーにおけるX線を反
射する面の材料としては金、白金、炭化珪素、溶融石英
などが提案されている。また、窓材としては、ベリリウ
ム、窒化珪素、ダイヤモンドなどが提案されている。こ
こで、これらのいずれにおいても、従来から最も適して
いると言われているピーク波長が0.75nm程度のX
線を露光光として用いることを前提としている。ここ
で、最適な露光光としてピーク波長が0.75nm程度
のX線が適しているといわれていた理由は以下のような
ものである。
【0019】つまり、原理的には、波長の短いX線を用
いるほど得られる光学象の解像度は向上し、微細なパタ
ーンを形成することが可能である。しかし、X線の波長
が短くなるにつれて、X線エネルギーは大きくなる。そ
の結果、露光工程において半導体ウエハ109上に塗布
されたレジストにX線が照射された場合、このレジスト
中において光電子が発生する。この光電子の運動エネル
ギーは、レジストに入射するエネルギーが大きいほど大
きくなる。
【0020】そして、この光電子によりレジストは感光
される。その結果、短波長のX線を用いるほど、レジス
ト内で発生した光電子により感光されるレジストの領域
が大きくなってしまうことになる。この結果、この光電
子の影響により、レジストに形成されるパターンがぼけ
てしまうことになる。つまり、この光電子の飛程がその
まま解像限界を決定するとされていた。
【0021】このため、この光電子の飛程を考慮して、
従来露光に用いるX線の最適ピーク波長は、0.75n
m程度であると言われていた。
【0022】このように、光電子の飛程が解像限界を決
定すると考えられていたため、従来は、上記のような
0.75nm程度のピーク波長を有するX線を用いた露
光工程によっては、100nm(0.1μm)以下の線
幅または線間間隔を有するパターンは形成できないと言
われていた。
【0023】このような状況で、X線を用いた露光工程
における解像度を向上させるため、従来、低コントラス
トマスクや、吸収体パターンに縦方向のテーパをつける
などの位相シフトマスク、光近接効果補正を施したマス
クなどを用いることにより、高解像度化を図るという提
案がなされている。しかし、いずれも、解像度を大幅に
向上させることは困難であった。
【0024】そして、上記のような光電子の飛程の問題
が存在するため、露光に用いるX線の波長をより短波長
領域にシフトして、回路パターンの転写を行い、高解像
度化を図ることは、半導体製造装置の技術分野において
は従来から検討されていなかった。また、短波長領域の
X線を用いる場合には、X線のエネルギーが従来より大
きいため、X線がX線マスクの吸収体を容易に透過して
しまう。
【0025】そのため、必要なコントラストを得るため
には、X線吸収体の膜厚を厚くする必要があると考えら
れていた。そして、このような場合には、X線が厚い膜
厚を有するX線吸収体により形成された転写用パターン
を通過する際に、導波管効果によりX線の透過特性が劣
化するので、転写される回路パターンの解像度が低下す
るという問題があった。このため、X線の波長を短くし
て転写パターンの微細化を図ることは困難であるとされ
ていた。
【0026】なお短波長のX線による露光技術は、マイ
クロマシン技術の分野において、露光波長を0.3nm
程度にした例がある。ただし、このように短波長のX線
を用いたのは、レジスト中へのX線の透過能を高くする
ことにより、数ミクロンのパターンを数百ミクロン程度
の高さで形成するという、高アスペクトパターン加工を
行うという目的のためである。また、このマイクロマシ
ン技術の分野において要求されているパターン寸法は、
上記の半導体装置の分野で求められている要求パターン
寸法は、上記の半導体製造装置の分野で求められている
要求パターン寸法に対して1桁から2桁以上大きい。
【0027】また、X線マスクのX線吸収体の厚さも半
導体製造装置の分野で用いられているものより厚い。ま
た、X線マスクの基板もチタンなどの金属を用いてい
る。つまり、上記技術は本発明の技術分野とは全く異な
る技術分野に属するものである。さらに、パラジウムタ
ーゲットを用いた電子励起型の点光源を用いた露光装置
では0.415nmから0.44nmという波長領域の
X線を用いて露光を行うために、窒化硼素からなる基盤
上に金めっきにより吸収体を形成したマスクを用いた実
験例が報告されている。しかし、この技術もシンクロト
ロン放射源を用いる本発明とは、基本的に異なる技術分
野に属するものである。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】従来よりX線近接露光
技術を用いてパターンを形成するX線露光装置やX線露
光方法等においては、パターンの適用限界をより微細領
域に広げ、高解像度の微細なパターンを高速に基板上に
転写することが要望されている。このときX線近接露光
技術に於ける短波長露光の問題点として、露光光による
レジスト中や基板での光電子やオージェ電子等により、
レジストにカブリが生じ、この結果、パターン解像力が
低下するとされ、パターンの微細化が妨げられていた。
【0029】即ち、露光光によりレジスト中で発生する
光電子の飛程によって解像限界が決まり、これを基に最
適化した構成のシステムが採用されてきた。
【0030】一方、近年、溶解速度比が大きなレジスト
が開発されるようになってきたこと、及び0.05ミク
ロンに迫る領域の微細パターンの必要性が明確になって
きている。
【0031】発明者らは、実験的に非化学増幅型のレジ
ストを用いて、50nmのラインパターンを形成できる
ことを発見した。この場合、光電子は光学像を鈍らせる
作用を有するが、解像限界を決定する決定的な要因とは
なっていなかった。
【0032】つまり、光電子により影響を受けたレジス
ト部分と、X線を直接照射されたレジスト部分との溶解
速度比の大きなレジストを用いれば、光電子の飛程は、解
像限界を決定する支配要因とならないことを発見者らは
発見した。この結果、本発明によるX線露光装置のよう
に、従来よりも短波長領域のX線を露光光として用いる
ことができることを発見者らは見出した。
【0033】本発明はこれらに対応して露光光として従
来より短波長領域のX線を適切なる部材を使用すること
により、パターンの高解像化が可能なX線露光装置、X
線露光方法及びそれらを利用したデバイスの製造方法の
提供を目的とする。
【0034】この他本発明は、パターンのより高解像化
を図るため従来より使用された波長より短波長のX線を
使用可能とし、照射強度を大きくし、高スループット化
賀容易なX線露光システムの提供を目的とする。
【0035】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明のX線露
光装置は0.45nm未満の波長領域および0.7nm
超えの波長領域の少なくともいずれか一方において吸収
端を有する材料を含む、X線ミラーを利用してX線で基
板を露光するX線露光装置において、前記X線ミラー
は、鉄、コバルト、ニッケル、銅、マンガン、クロム、
これらの合金、窒化物、炭化物および硼化物からなる群
から選択される1種以上の材料を含むことを特徴として
いる。
【0036】請求項2の発明は請求項1の発明において
前記X線はシンクロトロン放射源から出射した放射光よ
り、得ていることを特徴としている。
【0037】請求項3の発明は請求項1または2の発明
において前記X線ミラーは、0.3nm未満の波長領域
のX線を90%以上吸収する、短波長カット用X線ミラ
ーを含むことを特徴としている。
【0038】請求項4の発明は請求項1から3のいずれ
か1項の発明において前記基板はX線マスクを介して露
光しており、前記X線マスクは、メンブレンと、そのメ
ンブレン上に形成されたX線吸収体とを含み、前記メン
ブレンは、ダイヤモンド、ダイヤモンドライクカーボ
ン、窒化硼素、ベリリウムからなる群から選択される1
種以上の材料を含むことを特徴としている。
【0039】請求項5の発明は請求項1から3のいずれ
か1項の発明において前記基板はX線マスクを介して露
光しており前記X線マスクは、メンブレンと、そのメン
ブレン上に形成されたX線吸収体とを含み、前記メンブ
レンは、0.45nm未満の波長領域および0.7nm
超えの波長領域の少なくともいずれか一方において吸収
端を有する材料を含み、前記X線吸収体は、0.6nm
以上0.85nm未満の波長領域において吸収端を有す
る材料を含むことを特徴としている。
【0040】請求項6の発明のX線露光方法は0.45
nm未満の波長領域および0.7nm超えの波長領域の
少なくともいずれか一方において吸収端を有する材料を
含むX線ミラーにX線を入射させるX線入射工程と、前
記X線ミラーから出射するX線を用いて基板の露光を行
う露光工程とを備える、X線露光方法において、前記X
線ミラーは、鉄、コバルト、ニッケル、銅、マンガン、
クロム、およびこれらの合金、窒化物、炭化物、硼化物
からなる群から選択される1種以上の材料を含むことを
特徴としている。
【0041】請求項7の発明は請求項6の発明において
前記X線をシンクロトロン放射源から出射した放射光よ
り、得るX線出射工程を備えることを特徴としている。
【0042】請求項8の発明は請求項6または7の発明
において前記X線ミラーは、0.3nm未満の波長領域
のX線を90%以上吸収する、短波長カット用X線ミラ
ーを含むことを特徴としている。
【0043】請求項9の発明は請求項6から8のいずれ
か1項の発明において前記露光工程では前記基板をX線
マスクを介して露光しており、前記X線マスクは、メン
ブレンと、そのメンブレン上に形成されたX線吸収体と
を含み、前記メンブレンは、ダイヤモンド、ダイヤモン
ドライクカーボン、窒化硼素、ベリリウムからなる群か
ら選択される1種以上の材料を含むことを特徴としてい
る。
【0044】請求項10の発明は請求項6から8のいず
れか1項の発明において前記露光工程では前記基板をX
線マスクを介して露光しており、前記X線マスクは、メ
ンブレンと、そのメンブレン上に形成されたX線吸収体
とを含み、前記メンブレンは、0.45nm未満の波長
領域および0.7nm超えの波長領域の少なくともいず
れか一方においてのみ吸収端を有する材料を含み、前記
X線吸収体は、0.6nm以上0.85nm未満の波長
領域において吸収端を有する材料を含むことを特徴とし
ている。
【0045】請求項11の発明の半導体製造装置は請求
項6から10のいずれか1項のX線露光方法を利用し
て、半導体デバイスを製造していることを特徴としてい
る。
【0046】請求項12の発明の微細構造体は請求項6
から10のいずれか1項のX線露光方法を利用して製造
されたことを特徴としている。
【0047】請求項13の発明のデバイス製造方法は請
求項1から5のいずれか1項のX線露光方法を用いてデ
バイスを製造することを特徴としている。
【0048】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)本発明は、基本
的にはシンクロトロン放射源から露光光としてに最適な
従来より短波長領域のX線を取り出して、X線マスクを
照射し、基板にパターンを形成するX線露光装置および
X線露光方法と、取り出されたX線を露光光として照射
するためのX線マスクとを含んでいる。図1は、本発明
のX線露光装置の実施の形態1を示す模式図である。図
1のX線露光装置は、X線を放射するシンクロトロン放
射源1、X線を反射させるX線ミラー3、熱除去フィル
タ4、ベリリウム窓5、パターンを形成したX線マスク
6等を備えている。ここで、熱除去フィルタ4の材質は
ベリリウムからなり、長波長領域(波長1.5)nm以
上のX線をカットする機能を有する。また、ベリリウム
窓5は、真空領域と大気との隔壁として作用する。
【0049】X線マスク6には、半導体ウエハ9に転写
されるべき回路パターンがX線吸収体により形成されて
いる。
【0050】図8はX線マスクの要部断面図である。図
8において6はX線マスク、21は基板であるSiウエ
ハーである。22はメンブレンであり、0.45nm未
満の波長領域および0.7nm超えの波長領域の少なく
ともいずれか一方において吸収端を有する材料を有して
いる。
【0051】具体的にはメンブレン22はダイヤモン
ド、ダイヤモンドライクカーボン、窒化硼素、ベリリウ
ム等のうちの1種以上の材料を含んでいる。
【0052】23はITO膜又はSiO2膜、等のX線
透過膜である。
【0053】24はX線吸収体であり、前記X線吸収体
は、0.6nm以上0.85nm未満の波長領域におい
て吸収端を有する材料を有している。例えばタングステ
ンやタンタル系材料より成っている。
【0054】25は開口部、26はマスクフレーム(フ
レーム)である。
【0055】X線ミラー3は0.45nm未満の波長領
域および0.7nm超えの波長領域の少なくともいずれ
か一方において吸収端を有する材料を含んでいる。
【0056】具体的にはX線ミラー3は鉄、コバルト、
ニッケル、銅、マンガン、クロム、これらの合金、窒化
物、炭化物および硼化物からなる群から選択される1種
以上の材料を含んでいる。
【0057】ここで吸収端とは物質の吸収係数が急激に
変化する波長を言い、その吸収端より短波長側では吸収
係数が大きく、長波長側では吸収係数は小さくなる。吸
収端は物質により異なる。
【0058】又、本実施形態においては前記X線ミラー
は、0.3nm未満の波長領域のX線を90%以上吸収
する、短波長カット用X線ミラーを含んでいる。
【0059】シンクロトロン放射源1から出射した放射
光2は、X線ミラー3にまず入射する。このときの放射
光2の光軸(中心となる軸、中心軸)とX線ミラー3の
X線を反射する面とのなす角を斜入射角7としている。
また、X線ミラー3において放射光2を集光する角度を
集光角8として示している。そして、X線ミラー3にお
いて反射された放射光2は、熱除去フィルタ4、ベリリ
ウム窓5、X線マスク6を介して、半導体ウエハ9に到
達する。このような放射光2を利用して、X線マスク6
のパターンを半導体ウエハ9に形成している。そして露
光した半導体ウエハ9を公知の現像処理工程を介して半
導体デバイスを製造している。
【0060】本発明のX線露光方法としては0.45n
m未満の波長領域および0.7nm超えの波長領域の少
なくともいずれか一方において吸収端を有する材料を含
むX線ミラーにX線を入射させるX線入射工程と、前記
X線ミラーから出射するX線を用いて基板の露光を行う
露光工程の工程を用いている。
【0061】又、前記X線をシンクロトロン放射源から
出射した放射光より、得るX線出射工程を備えている。
【0062】なお、X線ミラー3は、放射光2を集光す
る集光ミラーとしての機能や、X線ミラー3から出射す
る放射光2がX線マスク6を一度に照射できる領域の面
積(照射面積)を拡大する拡大ミラーとしての機能を兼
ね備えるようにしてもよい。また、本発明によるX線露
光装置は、X線ミラー3とは別に、光路中に集光ミラー
や拡大ミラーを備えていてもよい。
【0063】本実施形態によるX線露光装置で用いてい
るX線ミラー3は、コバルトを機械的な切削加工と研磨
加工により、表面粗度が0.4nm(rms)程度とし
ている。そして、このような構造を有するX線ミラー3
に対して、斜入射角1度程度で放射光2を入射し、X線
ミラー3のX線反射特性(短波長領域のX線をカットす
る特性)を評価した。その結果を図2、図3に示す。図
2、図3は、後述するX線ミラー用の材料についての、
X線の波長とX線の反射率XRとの関係を示すグラフで
ある。
【0064】図2、図3に示すように本発明に係る材料
を用いると0.4nm以上の波長域において良好なる反
射率が得られる。
【0065】本発明者らは、X線ミラーに用いる材料を
適切に選択することにより従来よりも短波長領域のX線
をX線露光工程において用いることができることを確認
した。そして、このような短波長領域のX線を用いたX
線露光装置を実現するために、さまざまな検討を行っ
た。そして、この検討の1つとして、短波長領域の露光
に最適なX線をシンクロトロン放射源から取り出すため
のビームラインに用いる短波長カット用のX線ミラー材
料について検討を行った。
【0066】発明者らは、まず、各種材料表面でのX線
の反射特性を検討した。この結果、従来からX線ミラー
として検討されている白金などの重元素を用いたミラー
においても、斜入射角を小さくすることにより、カット
されるX線の波長領域を従来よりも短波長領域へと移動
させることがある程度できることがわかった。しかし、
従来の白金などを用いた場合には、斜入射角1゜として
も波長0.3〜0.55nmでの反射率が50%程度と
低い。
【0067】そこで、発明者らは、周期律表の第4周期
の材料であるコバルト、ニッケル、鉄、銅、クロム、マ
ンガンおよびそれらの合金について、斜入射角1゜とし
て検討した。この結果0.4nm程度までの短波長領域
まで、X線を高い反射率で反射することがわかった。ま
た、これらの合金についても同等の反射率が得られる例
として、銅とニッケルの合金であるコンスタンタン、コ
バルト、ニッケル、鉄の合金であるコバール、ニッケル
とクロムの合金であるニクロムの3種類がある。これら
について反射率を図2に示す。
【0068】以下、本発明に係るミラー材を用いると、
従来のX線露光装置に比べて、露光光が短波長化でき、
且つ大出力化できることを説明する。
【0069】従来のX線露光装置の系として、臨界波長
が1.8nmというシンクロトロンの放射源と、2枚の
白金でできたX線ミラーと、熱除去フィルタとベリリウ
ム窓と窒化珪素膜からなる窓とを備える系を考える。
【0070】白金でできた2枚のX線ミラーへの斜入射
角は各々1.75゜と1.45゜である。また熱除去フ
ィルタとして厚さ1μmの炭化珪素を用い、ベリリウム
窓の厚さは15μm、窒化珪素膜の厚さは1.5μmであ
る。このようなX線ミラーを用いて構成されたX線露光
装置に対し、厚さ2μmの炭化珪素からなるX線マスク
メンブレンを透過するX線スペクトル、即ちX線照射ス
ペクトル(相対強度)を図4に従来例として示す。
【0071】次に、発明者らが検討したX線ミラーの実
施形態について説明する。図2、図3で示したミラー材
料を用い、従来例と同様の集光角を持つX線ミラーを備
え、厚さ1μm厚のダイヤモンドからなる熱除去フィル
タと厚さ20μmのベリリウム窓とを備えるX線露光装
置を考える。
【0072】このように構成されたX線露光装置に対
し、厚さ4μmのダイヤモンドからなるX線マスクメン
ブレンを透過するX線スペクトル、即ちX線照射スペク
トルを図4、図5に示す。
【0073】図4、図5に示すように本発明によれば従
来例に比べて4.6〜4.9倍の照射強度が得られる。
【0074】尚、X線マスクメンブレンが従来の材料で
ある炭化珪素からダイヤモンドへ変えた理由は次の通り
である。珪素の吸収端が0.65nm近辺にあり、この
付近の波長のX線透過強度を大きく減衰させてしまう。
そのため、露光波長域外である4.4nmに吸収端を持
つダイヤモンドをX線マスクメンブレンとして用い、露
光強度の極端な減衰を防いでいる。
【0075】またダイヤモンドからなるX線マスクメン
ブレンの厚さを4μmとしているのは、微細パターンの
位置精度を保つために、メンブレンの厚さを厚くする必
要があることを考慮してのことである。
【0076】図4、図5に示すように本発明のX線露光
装置では、全く同じシンクロトロン放射源に対し、従来
のX線露光装置で得られていた強度の4.6〜4.9倍
の照射強度を得ることができる。 (実施の形態2)実施形態1のX線露光装置では1枚の
ミラーを用いているが2枚のミラーで照射光の形状を形
成するようなミラー構成も適用可能である。本発明のX
線露光装置において、2枚のX線ミラーに置き換えた場
合と従来のミラーを用いた場合の照射X線スペクトルを
図6、図7に示す。ここで2枚のX線ミラーは斜入射角
1゜で保持されている。この場合も、本発明のX線露光
装置は、従来のミラーを用いた場合に比べて3.1〜
3.6倍の照射強度を得ることができる。
【0077】次に本発明の前述した実施形態以外の特徴
について説明する。
【0078】本発明では、基本的には、放射光装置から
短波長露光に最適なX線を取り出し、パターンを露光す
るX線露光装置とX線を用いたX線露光方法に関する発
明と、放射光装置から取り出された短波長の光を露光光
として使用するためのマスク材料に関する発明を含んで
いる。
【0079】短波長露光に最適なX線を取り出す方法
は、放射光装置から露光装置へ光を取り出すためのビー
ムラインに用いる短波長カット用の斜入射ミラーの材料
を適切に設定して行っている。
【0080】即ち、各種材料表面でのX線の斜入射反射
特性の検討からすると、従来から検討されている金や白
金などの重元素を用いたミラーに於いても、短波長側を
カットする領域を短波長側へ移動させることは、斜入射
角を小さくする事で実現可能であったが、この場合には
短波長側を完全にカットすることは出来ず、0.3〜
0.5nm領域のX線もかなりの割合で混入し、光電子
の発生などによりパタン形成に悪影響を及ぼす。
【0081】そこで本発明では、この問題を解決するた
めに、ダイヤモンドや窒化硼素などの高密度で軽元素の
材料の表面を斜入射ミラー面とした。ダイヤモンドや窒
化硼素の表面は斜入射角1゜と大きくしても0.6nm
程度の短波長まで高反射の特性が得られ、それ以下の短
波長領域では急激に反射率が低下するため、短波長領域
の光の混入を小さく押さえることができる。両材料とも
ほぼ同程度の高い反射率が得られ、斜入射角を1゜以下
と小さい角度にすることで、カットする波長をさらに短
波長側へ移動することができる。
【0082】これらの軽元素材料には、0.5nm以下
の短波長領域には吸収端がなく、光の反射特性が平坦で
あることによるものであり、短波長側を効果的に除去す
ることが可能である。これらの材料の研磨した平滑な表
面を用いることにより90%近くと、ベリリウム以外の
斜入射ミラー材料としては最高の反射特性を得ている。
【0083】ベリリウムは短波長領域には吸収端はな
く、この材料表面を用いることで、効果的に短波長側を
除去することが可能であり、又反射率が高いことと合わ
せて良いミラー材料である。しかし、ダイヤモンドや窒
化硼素と同様のカット波長を実現するためにはさらに小
さな斜入射角とする必要がある。このため高スループッ
ト化するためにはミラー枚数を増加するなどの方法が良
い。
【0084】露光用の斜入射ミラーは従来、平面ミラー
の他、球面ミラー、シリンドリカル面やトロイダル面な
どの曲面ミラー、エリプソイダル、パラボロイドなどの
非球面ミラー面等が、集光効率を高める目的などで用い
られている一方、ミラー表面の加工技術や評価技術さら
には設計技術の進歩により、最近では数式では容易に表
記できない非球面ミラー面も検討されるに及んでいる。
また硝子のみでなく硬度の高い高脆材料の加工技術にも
進展が見られ、自由曲面をミラー面として使用すること
もなされている。
【0085】このため、本発明者等は従来から検討され
てきた酸化硅素系の溶融石英の他、炭化硅素、グラファ
イト、窒化硼素などの材料でもミラー加工を試みた。炭
化硅素、グラファイト、窒化硼素を用いたミラーでも、
斜入射角を調節することで、0.6nm領域をカット波
長とすることに成功した。しかし、炭化硅素やグラファ
イトでは斜入射角が小さいため、ダイヤモンド面を検討
した。グラファイト、炭化硅素、窒化硼素などの材料で
もミラー加工を試みた。
【0086】炭化硅素、ダイヤモンド材料の形成技術
は、ここ1〜2年でCVD法による開発が急進展し、急速
に大型表面の材料が得られるようになっている。反射ミ
ラーの材料としてダイヤモンドミラーをバルク材料で得
られれば熱伝導性など最高の性能が得られる。しかしな
がらまだバルク状の大型ミラーを形成出来るまでには至
っていない。このため、小型の平面ミラーを用いてミラ
ー特性を検討し優れた特性を確認した。
【0087】ここでは形成が容易なCVDによる薄膜表
面を用いて検討した。即ち、既に加工したミラー表面に
CVDでダイヤモンドを形成し後加工して完成させる手
法である。基板となるミラー材料として加工が容易なグ
ラファィトなどの炭素系材料、硅素酸化物を主体とした
結晶や硝子系の材料、加工は困難になるが熱伝導性や照
射損傷がすぐれている為にその観点から選択した炭化硅
素系の材料、及び窒化硼素などの硬度が高く耐熱生に優
れた高脆材料などの表面へ、ダイヤモンド薄膜を形成す
る検討を行った。
【0088】グラファィト、硅素酸化物、炭化硅素、窒
化硼素などミラー材料を700℃程度以上に加熱し、C
VD法でダイヤモンド薄膜を形成した。グラファィト、
硅素酸化物、炭化硅素、窒化硼素のいずれの材料上でも
ダイヤモンド薄膜は形成可能であった。ダイヤモンド薄
膜の形成条件は、表面平滑性を最重点にCVD条件や、
ダイヤモンド生成の発生核密度を増加させるなどの、ミ
ラー基板処理法など各種の形成条件を検討したが、その
まま斜入射ミラーとして使用可能な薄膜の形成は容易で
はなかった。
【0089】このため、ダイヤモンド薄膜を形成した
後、研磨などの後加工を施す方法を試みた。機械加工で
の研磨を重点としたが、加工時間の短縮などを目的に、
化学研磨の要素も加味した条件を探索した。ただ、いず
れの方法を用いてもダイヤモンド面の加工は困難であ
り、グラファイトでは斜入射角が非常に小さくなるた
め、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)とも呼ばれ
ている材料の検討の行い、ダイヤモンドに近い反射特性
を得ることが出来た。この材料は、ダイヤモンドと類似
の形成条件で製造が可能であり、より広い製造条件で形
成が可能であった。
【0090】短波長光を用いた微細パターンの形成に於
いては、短波長光を得ることと同時に、マスク基板材料
の透過性能の波長依存性が課題となる。即ち、従来から
検討されてきている、窒化硅素や炭化硅素などの硅素を
含む材料は、欠陥レベルを含めた実用に向けた完成度は
高く好ましい材料ではあるが、硅素の吸収端が0.7nm近
辺にあり、この領域で急激な透過能の変化を来たすた
め、短波長露光用のマスク基板としては特性を十分発揮
させることが困難であった。
【0091】このため、本発明では、硅素を含有しない
薄膜、即ちカーボンを主原料とする材料、窒化硼素、及
びベリリウムなどの軽元素で構成された薄膜を用いた。
両材料とも1.5nm以下の露光に使用する波長領域に
は吸収端はなく、平滑な透過特性を示し、特にダイヤモ
ンドはヤング率も炭化硅素の2倍以上の材料も得られる
など、微細領域の基板としての特性は極めて優れてい
た。一方、ベリリウム薄膜は、X線の透過性能は極めて
優れているが、アライメント用の光の透過性がなく、熱
膨張係数も大きいためX線近接露光技術用のマスク基板
としてはほとんど検討されてこなかった。
【0092】しかし、熱膨張係数も大きい問題は、現在
開発中の、減圧ヘリウム雰囲気などの熱放散性の良い露
光環境で、フラッシュ露光の様な大面積一括露光の方式
に於いては、露光による温度上昇が極めて少なく、特
に、熱線吸収用のダイヤモンド窓やベリリウム窓を用い
た系に於いては無視しうる程度であった。
【0093】また、アライメント方式として、グローバ
ルアライメントが主流となる短波長露光法では使用可能
な材料であることが明らかとなった。窒化硼素は硬度
や、熱膨張の観点からはベリリウム膜より優れていた
が、アライメント光に透明な膜を得ることが困難であっ
た。しかしながらグローバルアライメントとステージの
高精度化でアライメントが可能なため、再度検討した結
果、この材料は短波長露光には不可欠な0.5nm領域
の露光光に吸収端の無い優れた材料であることが明らか
となった。即ち、ダイヤモンドミラーなどの短波長選択
露光の系では、極めて有用な材料であることが確認でき
た。
【0094】X線近接露光技術に於いては、マスク用の
X線の吸収体としては重金属やその化合物、合金などが
提案されている。本発明の、短波長領域の露光に於て
は、従来から用いられているタングステンやタンタル系
材料に対して、高い吸収能を持つ波長帯となっている。
さらに吸収体を多層膜とすることにより、X線の反射率
を高め、吸収体のアスペクト比を小さくすることができ
る。
【0095】本発明は短波長カット用の斜入射ミラーと
して、ダイヤモンド、ダイヤモンドライクカーボン、ま
たは窒化硼素の表面を用いている。これらの材料によ
り、従来より最適露光波長とされてきた0.7nmより
短波長領域にピーク波長を有し、それより短波長の光の
含有量の少ない、短波長X線近接露光に使用可能な照射
光を取り出し、これによってX線リソグラフィーを行っ
ている。
【0096】さらに、これらのミラー材料を基板上に形
成する方法を開発し、これによって大型ミラーを使用
し、集光効率の高い高スループットの露光システムを達
成した。この短波長X線近接露光システムの特徴を生か
すために、マスク基板材料にダイヤモンド、ダイヤモン
ドライクカーボン、窒化硼素およびベリリウム薄膜を用
いて、短波長X線近接露光用として良好なるX線マスク
を開発した。これにより、従来の穴あきのステンシルマ
スクなどを用いることなく、X線近接露光で0.6nm
以下の短波長を露光光として使用可能にしている。
【0097】
【発明の効果】本発明によれば従来より短波長領域のX
線を適切なる部材を使用することにより、パターンの高
解像化が可能なX線露光装置、X線露光方法及びそれら
を利用したデバイスの製造方法を達成することができ
る。
【0098】この他本発明によればパターンのより高解
像化を図るため従来より使用された波長より短波長のX
線を使用可能とし、照射強度を大きくし、高スループッ
ト化が容易なX線露光システムを達成することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるX線露光装置の実施の形態1を示
す模式図である。
【図2】本発明の実施の形態1におけるX線ミラー材料
と従来のX線ミラー材料についてのX線の波長とX線の
反射率との関係を示すグラフである。
【図3】本発明の実施の形態1におけるX線ミラー材料
についてのX線の波長とX線の反射率との関係を示すグ
ラフである。
【図4】本発明の実施の形態1におけるX線ミラー材料
と従来のX線ミラー材料についてのX線の波長とX線照
射強度との関係を示すグラフである。
【図5】本発明の実施の形態1におけるX線ミラー材料
についてのX線の波長とX線照射強度との関係を示すグ
ラフである。
【図6】本発明の実施の形態2におけるX線ミラー材料
と従来のX線ミラー材料についてのX線の波長とX線照
射強度との関係を示すグラフである。
【図7】本発明の実施の形態2におけるX線ミラー材料
についてのX線の波長とX線照射強度との関係を示すグ
ラフである。
【図8】本発明のX線マスクの要部断面図
【図9】従来のX線露光装置の要部概略図
【符号の説明】
1 シンクロトロン放射源 2 放射光 3 X線ミラー 4 熱除去フィルタ 5 ベリリウム窓 6 X線マスク 7 放射光のX線ミラーに対する斜入射角 8 X線ミラーの集光角 9 半導体ウエハ 101 シンクロトロン放射源 102 放射光 103 X線ミラー 104 熱除去フィルタ 105 ベリリウム窓 106 X線マスク 109 半導体ウエハ 122 窒化珪素膜からなる窓 123 縦型XYステージ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G21K 5/02 H05H 13/04 U H05H 13/04 H01L 21/30 531A (72)発明者 北山 豊樹 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 渡辺 豊 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 鵜澤 俊一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2G085 AA13 DB02 EA01 EA08 2H095 BA10 BC05 2H097 AA03 BB02 CA15 GA45 LA10 5F046 GA02 GB01 GB07 GC04 GD03

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 0.45nm未満の波長領域および0.
    7nm超えの波長領域の少なくともいずれか一方におい
    て吸収端を有する材料を含む、X線ミラーを利用してX
    線で基板を露光するX線露光装置において、 前記X線ミラーは、鉄、コバルト、ニッケル、銅、マン
    ガン、クロム、これらの合金、窒化物、炭化物および硼
    化物からなる群から選択される1種以上の材料を含むこ
    とを特徴とするX線露光装置。
  2. 【請求項2】 前記X線はシンクロトロン放射源から出
    射した放射光より、得ていることを特徴とする請求項1
    に記載のX線露光装置。
  3. 【請求項3】 前記X線ミラーは、0.3nm未満の波
    長領域のX線を90%以上吸収する、短波長カット用X
    線ミラーを含むことを特徴とする請求項1または2に記
    載のX線露光装置。
  4. 【請求項4】 前記基板はX線マスクを介して露光して
    おり、前記X線マスクは、メンブレンと、そのメンブレ
    ン上に形成されたX線吸収体とを含み、前記メンブレン
    は、ダイヤモンド、ダイヤモンドライクカーボン、窒化
    硼素、ベリリウムからなる群から選択される1種以上の
    材料を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1
    項に記載のX線露光装置。
  5. 【請求項5】 前記基板はX線マスクを介して露光して
    おり前記X線マスクは、メンブレンと、そのメンブレン
    上に形成されたX線吸収体とを含み、 前記メンブレンは、0.45nm未満の波長領域および
    0.7nm超えの波長領域の少なくともいずれか一方に
    おいて吸収端を有する材料を含み、 前記X線吸収体は、0.6nm以上0.85nm未満の
    波長領域において吸収端を有する材料を含むことを特徴
    とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のX線露光装
    置。
  6. 【請求項6】 0.45nm未満の波長領域および0.
    7nm超えの波長領域の少なくともいずれか一方におい
    て吸収端を有する材料を含むX線ミラーにX線を入射さ
    せるX線入射工程と、 前記X線ミラーから出射するX線を用いて基板の露光を
    行う露光工程とを備える、X線露光方法において、 前記X線ミラーは、鉄、コバルト、ニッケル、銅、マン
    ガン、クロム、およびこれらの合金、窒化物、炭化物、
    硼化物からなる群から選択される1種以上の材料を含む
    ことを特徴とするX線露光方法。
  7. 【請求項7】 前記X線をシンクロトロン放射源から出
    射した放射光より、得るX線出射工程を備えることを特
    徴とする請求項6に記載のX線露光方法。
  8. 【請求項8】 前記X線ミラーは、0.3nm未満の波
    長領域のX線を90%以上吸収する、短波長カット用X
    線ミラーを含むことを特徴とする請求項6または7に記
    載のX線露光方法。前記X線マスクは、
  9. 【請求項9】 前記露光工程では前記基板をX線マスク
    を介して露光しており、前記X線マスクは、メンブレン
    と、そのメンブレン上に形成されたX線吸収体とを含
    み、 前記メンブレンは、ダイヤモンド、ダイヤモンドライク
    カーボン、窒化硼素、ベリリウムからなる群から選択さ
    れる1種以上の材料を含むことを特徴とする請求項6〜
    8のいずれか1項に記載のX線露光方法。
  10. 【請求項10】 前記露光工程では前記基板をX線マス
    クを介して露光しており、前記X線マスクは、メンブレ
    ンと、そのメンブレン上に形成されたX線吸収体とを含
    み、 前記メンブレンは、0.45nm未満の波長領域および
    0.7nm超えの波長領域の少なくともいずれか一方に
    おいて吸収端を有する材料を含み、 前記X線吸収体は、0.6nm以上0.85nm未満の
    波長領域において吸収端を有する材料を含むことを特徴
    とする請求項6〜8のいずれか1項に記載のX線露光方
    法。
  11. 【請求項11】 請求項6から10のいずれか1項のX
    線露光方法を利用して、半導体デバイスを製造している
    ことを特徴とする半導体製造装置。
  12. 【請求項12】 請求項6から10のいずれか1項のX
    線露光方法を利用して製造されたことを特徴とする微細
    構造体。
  13. 【請求項13】 請求項1から5のいずれか1項のX線
    露光装置を用いてデバイスを製造することを特徴とする
    デバイスの製造方法。
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