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JP2002078482A - 分化誘導剤 - Google Patents

分化誘導剤

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Publication number
JP2002078482A
JP2002078482A JP2000268156A JP2000268156A JP2002078482A JP 2002078482 A JP2002078482 A JP 2002078482A JP 2000268156 A JP2000268156 A JP 2000268156A JP 2000268156 A JP2000268156 A JP 2000268156A JP 2002078482 A JP2002078482 A JP 2002078482A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cells
bone marrow
tcf
hepatocytes
marrow cells
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000268156A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahiro Miyazaki
正博 宮崎
Nobuyuki Shima
伸行 島
Kanji Too
侃二 東尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Snow Brand Milk Products Co Ltd
Original Assignee
Snow Brand Milk Products Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Snow Brand Milk Products Co Ltd filed Critical Snow Brand Milk Products Co Ltd
Priority to JP2000268156A priority Critical patent/JP2002078482A/ja
Publication of JP2002078482A publication Critical patent/JP2002078482A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Peptides Or Proteins (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 新規な分化誘導剤の提供。 【解決手段】 TCF−IIあるいはHGF等の肝細胞増
殖因子を有効成分とする、骨髄細胞から肝実質細胞への
分化誘導剤。骨髄細胞を該分化誘導剤存在下で培養する
ことを特徴とする、肝実質細胞の生産方法。 【効果】 人工肝臓あるいは肝細胞移植などの再生医療
の分野で有用。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、肝細胞増殖因子を
有効成分とする、骨髄細胞から肝実質細胞への分化誘導
剤に関する。又、骨髄細胞を該分化誘導剤存在下で培養
することを特徴とする、肝実質細胞の生産方法に関す
る。本発明は、人工肝臓あるいは肝細胞移植などの再生
医療の分野で有用である。
【0002】
【従来の技術】近年、肝実質細胞(肝臓の実質細胞)を
人工的に培養することによる人工肝臓の開発が活発に検
討されている。これまでに提案された人工肝臓の多く
は、ブタなどの異種動物から単離した細胞や、ヒト肝癌
細胞などの株化した細胞が用いられてきた。しかしなが
ら、これらの細胞で作った人工臓器を肝疾患患者に利用
するときには、異種動物由来蛋白質の抗原性による免疫
反応が起きたり、癌細胞由来のメタロプロテアーゼ等が
生体に悪影響を及ぼすなどの問題があった。一方、ヒト
肝臓から肝実質細胞を採取しそれを培養する方法も考案
されたが、分化したヒト肝実質細胞は分裂回数が有限で
ある等の問題があり、未だヒト肝実質細胞を大量に培養
する技術は確立されておらず、実質的には人工肝臓より
も生体肝移植技術の方が先行している。生体肝移植は今
般様々な医療機関でなされるようになってきているが、
移植を受けた患者は、組織適合抗原の不一致により生ず
る移植片拒絶反応を抑制するために、一生の間、強い免
疫抑制剤の投与を余儀なくされている。それゆえ、原理
的には拒絶反応が起きないはずである患者自身に由来す
る細胞の使用が望ましいとされている。そこで、無限増
殖能と多分化能を共に有するいわゆる幹細胞からの肝実
質細胞の生産法を確立することが待ち望まれている。
【0003】骨髄細胞は、様々な細胞へと分化する能力
を有する一種の幹細胞であることが知られている。それ
ゆえ、組織や臓器の移植あるいは人工臓器などの新規医
療分野においては、骨髄細胞から様々な細胞への分化誘
導、あるいは組織や臓器を再構築する試みがなされてき
た。具体的には、骨髄細胞から様々な血球細胞や骨芽細
胞、筋細胞、脂肪細胞、軟骨細胞等をin vitroで分化さ
せる技術が確立されてきている。肝実質細胞について
も、骨髄細胞から分化しうると考えられている。即ち、
骨髄細胞の移植試験の結果、移植した骨髄細胞に由来す
る肝実質細胞が存在することが報告されている(Peters
en B.E. et al., Science, 284, p1168-1170 (199
9))。これより、骨髄細胞中には肝細胞の前駆細胞が存
在すると考えられていた。しかしながら、その分化のメ
カニズムについては不明な点が多く、今日までin vitro
において骨髄細胞から効率よく肝細胞に分化させる方法
を見出したという報告はなされていない。
【0004】TCF−II(WO90/10651号)
は、ヒト由来の線維芽細胞の培養液から見出された糖タ
ンパク質で、SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動法
による分子量測定で、非還元下では78,000±2,000又は7
4,000±2,000、また還元下では52,000±2,000、30,000
±2,000、及び26,000±2,000のバンドを示す。TCF−
IIは抗腫瘍活性、血管内皮細胞や肝細胞の増殖促進活性
など多様な生物活性を示すことが知られている。cDNA解
析により、TCF−IIは肝細胞増殖因子HGF(Miyaza
wa K. et al., Biochem.Biophys.Res.Commun., 163, 96
7-973 (1989))の内部アミノ酸配列のうち5アミノ酸配
列が欠失したタンパク質であることが明らかとなってい
る。TCF−IIとHGFは5つのアミノ酸の違いによ
り、物理化学的性質、生物活性、三次元構造等に差異が
認められる(Shima N. et al., Biochem.Biophys.Res.C
ommun., 200, p808-815(1994))。TCF−II及びHG
Fは、共に肝実質細胞の増殖を強力に促進することが知
られているが、これまでにTCF−IIあるいはHGFに
よって骨髄細胞等の幹細胞から肝実質細胞への分化に成
功したという報告はなされていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述の状況に鑑み、本
発明者らは鋭意研究の結果、骨髄細胞をTCF−IIある
いはHGF等の肝細胞増殖因子とともに培養することに
より、効率良く肝実質細胞が生産可能であることを見出
した。従って本発明は、肝細胞増殖因子を有効成分とす
る、骨髄細胞から肝実質細胞への分化誘導剤、及び骨髄
細胞を該分化誘導剤存在下で培養することを特徴とす
る、肝実質細胞の生産方法を提供することを課題とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、肝細胞増殖因
子を有効成分とする、骨髄細胞から肝実質細胞への分化
誘導剤に関する。又、骨髄細胞を該分化誘導剤存在下で
培養することを特徴とする、肝実質細胞の生産方法に関
する。本発明は、人工肝臓あるいは肝細胞移植などの再
生医療の分野に有用である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明分化誘導剤の有効成分であ
る肝細胞増殖因子としては、好ましくはTCF−IIが挙
げられる。TCF−IIはヒト線維芽細胞IMR−90由
来のものを用いることが可能であり、又、WO90/1
0651号公報に記載された遺伝子配列に基づいて、微
生物や他の細胞により遺伝子工学的手法により生産され
たものでもよい。又、WO92/01053号公報に開
示された遺伝子工学的手法により得られたものを用いて
もよい。この時、宿主細胞又は微生物の違いによる糖鎖
の異なったものや、糖鎖の結合していないものであって
も使用可能であるが、好ましくは糖鎖の結合しているも
のを用いる。これらの方法により得られたTCF−II
は、通常の単離精製法によってさらに濃縮、精製するこ
とができる。例えば、有機溶媒による沈殿法、塩析、ゲ
ル濾過、モノクローナル抗体を用いたアフィニティーク
ロマト、電気泳動法等が挙げられる。モノクローナル抗
体を用いたアフィニティークロマトによる精製は、特開
平5−97号公報に開示されているモノクローナル抗体
を用いて精製することができる。得られた精製TCF−
IIは、凍結乾燥あるいは凍結保存することができる。そ
の他、TCF−IIと同様の活性を有するものであれば、
本発明と同様の薬剤として利用可能である。例えば、T
CF−II蛋白質と5アミノ酸の違いを有する蛋白質であ
る肝細胞増殖因子(HGF;特開昭63−22526
号、Miyazawa K. et al., Biochem.Biophys.Res.Commu
n.,163,967-973(1989))、あるいは精製Scatter Factor
(SF;Gherardi E.and Stocker M., Nature, 346, 22
8 (1990))などが挙げられる。
【0008】本発明で用いる哺乳動物由来の骨髄細胞と
しては、ヒトを含むすべての哺乳動物の骨髄細胞であ
り、浮遊性のものを用いることができる。骨髄細胞を公
知の方法により採取し、通常の細胞培養液、好ましくは
10%の牛胎児血清を含むDMEM/HamF12培養液(DMEMとH
amF12を等量混ぜ合わせて作製)に懸濁した後、プラス
チックシャーレー上に播種し培養する。この操作によ
り、接着性の細胞はシャーレーに接着するため、浮遊性
の細胞のみが採取可能となる。このようにして得られた
浮遊性細胞を含む培養液を遠心分離し、浮遊細胞のみを
回収することができる。
【0009】次に、この方法により得られた浮遊性の骨
髄細胞を本発明の分化誘導剤と共に培養する。このとき
の分化誘導剤の濃度は、1ng/ml〜10μg/mlが好まし
い。本発明分化誘導剤を添加して培養する時の基礎培地
は、特に限定されないが、特に好ましくは10%の牛胎
児血清を含むDMEM/HamF12培地を用いる。又、骨髄由来
浮遊細胞を培養する時に適当なコーティング剤、好まし
くはコラーゲンを塗布した培養フラスコを、細胞の接着
性を高めるために用いても良い。このようにして培養し
た骨髄細胞は、1〜3週間培養することにより、肝実質
細胞へと分化する。このことは、アルブミン、α−フェ
トプロテイン、CK8、CK18等の肝実質細胞に特異的なマ
ーカーが発現してくることで確認できる。確認方法とし
ては、特異マーカーに対する免疫染色法等による蛋白質
発現、特異マーカー遺伝子の発現を指標とするノーザン
ブロット法又はRT-PCR法が挙げられる。
【0010】このようにして分化誘導された骨髄細胞に
由来する肝実質細胞は、人工肝臓あるいは臓器移植とし
て利用可能である。より具体的には、分化させた肝実質
細胞を、ホローファイバー等を備えたリアクター中で培
養することにより、体外循環型の人工肝臓としての利用
が可能である。あるいは、肝疾患患者自身の骨髄細胞に
由来する肝実質細胞を脾臓に注入し、脾静脈から門脈を
経由して肝臓へ移植することが可能である。さらに本発
明によれば、肝移植を必要とする患者本人の肝細胞を本
人の骨髄細胞より大量に得ることが可能となり、移植に
伴う免疫抑制剤等の投与も必要なくなる。
【0011】
【実施例】以下の実施例をもって本発明をより詳細に説
明するが、これらは単に例示するのみであり、本発明は
これらによって何ら限定されるものではない。
【製造例1】TCF−IIの精製 WO90/10651号公報に開示された方法、及び東
尾らの方法(HigashioK. et al, Biochem.Biophys.Res.
Commun., 170, 397-404 (1990))に準じて細胞を培養
し、精製TCF−IIを得た。即ち、ヒト線維芽細胞IM
R−90(ATCC CCL−186)を、5%仔牛血
清を含むDMEM 100mlを入れたローラーボトル(500ml
用、ファルマシア社)に3×106 個移植し、0.5〜2回
転/分の回転速度で回転させながら7日間培養を続け
た。総細胞数が1×107個になったところでトリプシン
により細胞を剥離し細胞をボトル底面に集め、培養液25
0mlと共に5〜9メッシュのセラミック100g(東芝セラ
ミック社)を殺菌して投入し、24時間静置して培養し
た。その後、さらに培養液を250ml加え、静置培養を継
続した。7〜10日ごとに培養液を全量(500ml)回収
し、同量の新鮮培地を補給した。このようにして2ヵ月
間生産を継続し、ローラーボトル一本当たり4Lの培養
液を回収した。このようにして得た培養液当たりの比活
性は32μg/mlあった。培養液750Lをメンブランフィルタ
ー(MW6000カット;アミコン社)処理によりUF濃縮
し、CMセファデックスC−50(ファルマシア社)、C
onAセファロース(ファルマシア社)、MonoSカ
ラム(ファルマシア社)、ヘパリンセファロース(ファ
ルマシア社)による4段階のクロマト精製を行い、精製
TCF−IIを得た。
【0012】
【製造例2】遺伝子組換TCF−IIの生産 WO92/01053号公報に開示された方法に従い、
TCF−II遺伝子を組み込んだ細胞を培養し、精製TC
F−IIを得た。形質転換ナマルワ(Namalwa)細
胞を培養し、培養液20Lを得た。この培養液をCM−セ
ファデックスC−50クロマト(ファルマシア社)、Co
n−AセファロースCL−6Bクロマト(ファルマシア
社)、MonoSカラム(ファルマシア社)を装着した
HPLCの順に処理を行い、約11mgの精製TCF−IIを
得た。
【0013】
【実施例1】TCF−IIによる骨髄細胞の肝細胞への分
化誘導(免疫染色による確認) 2ヶ月令のウィスター系ラットの大腿骨から骨髄細胞を
採取し、10%の牛胎児血清(ギブコ社)を含むDMEM/Ham
F12培養液(DMEM(ギブコ社)とHamF12(ギブコ社)を
等量混ぜ合わせて作製;以下、骨髄細胞用培地と表記)
に懸濁し、プラスチックのシャーレー(ファルコン社)
に播種した。細胞を5%炭酸ガス含有空気気相下、37℃
で60分培養した後、培養液を回収した。得られた培養液
を1000rpm,5分間遠心分離し、上清を除去した。10mlの
骨髄細胞用培地を加え再度遠心分離した。上清を除去し
た後、骨髄細胞用培地に製造例2で得られたTCF−II
を最終濃度が1μg/mlになるように加えた培地(以下、
TCF−II培地と表記)を加え、細胞を懸濁させた。35
mmディッシュ(コーニング社)の上にミカロポラスらの
方法(Michalopoulos G. et al., Exp.Cell Res., 94,
p70-78,(1975))に従い0.3%ラットタイプIコラーゲン
を塗布したカバースリップ(24×24mm、マツナミ社)を
入れ、1×104個/cm2の密度で細胞をまき込み、5%炭
酸ガス含有空気気相下、37℃で3週間培養した。尚、培
養期間中は3日毎に新鮮なTCF−II培地に交換した。
【0014】培養終了後、4%のパラフォルムアルデヒ
ドを含むPBSで室温にて30分処理し細胞を固定した。
固定した細胞を1%ウシアルブミン,0.1%Triton X 10
0,0.05%アジ化ナトリウムを含むPBS(以下、ブロ
ッキング溶液と表記)で4℃にて30分間処理した。この
後、以下の各種一次抗体液を加え、4℃にて一晩反応さ
せた。即ち、抗ラットアルブミン抗体(ダコ社)、抗ラ
ットαーフェトプロテイン(フナコシ社)、抗ラットCK
8(フナコシ社)、及びCK18(フナコシ社)をそれぞれ
ブロッキング溶液にて100倍希釈したものを用いた。一
次抗体反応後、PBSにて細胞を洗浄した。ブロッキン
グ溶液にて100倍希釈したTRITC標識抗ラットIgG家兎抗
体(サンタクルーズ社)溶液を細胞に加え4℃で3時間
反応させた後PBSにて洗浄し、蛍光顕微鏡にて観察し
た。この結果、TCF−IIを加えて3週間培養した骨髄
細胞は、肝実質細胞のマーカーであるアルブミン、α−
フェトプロテイン、CK8、CK18のいずれも陽性の細胞に
変化していることが免疫染色の結果確認され、肝細胞に
分化していた。一方、TCF−IIを加えずに培養した骨
髄細胞には、免疫染色の結果肝実質細胞のマーカーは発
現していなかった。以上の操作によって、大量の肝細胞
を取得することができた。従って、骨髄細胞をTCF−
II存在下で培養することにより、TCF−IIは骨髄細胞
を肝実質細胞へ分化誘導することが明らかとなった。
【0015】
【実施例2】TCF−IIによる骨髄細胞の肝細胞への分
化誘導(マーカー遺伝子発現による確認) 2ヶ月令のウィスター系ラットの大腿骨から骨髄細胞を
採取し、実施例1と同様に骨髄細胞用培地に懸濁し、プ
ラスチックのシャーレー(ファルコン社)に播種した。
細胞を5%炭酸ガス含有空気気相下、37℃で60分培養し
た後、培養液を回収した。得られた培養液を1000rpm、
5分間遠心分離し、上清を除去した。10mlの骨髄細胞用
培地を加え再度遠心分離した。上清を除去した後、骨髄
細胞用培地あるいは製造例2のTCF−II培地を加え、
細胞を浮遊させた。60mmディッシュ(コーニング社)に
それぞれ1×104個/cm2の密度で細胞をまき込み、5%
炭酸ガス含有空気気相下、37℃で培養した。3日間培養
後、新鮮な骨髄細胞用培地あるいはTCF−II培地に交
換し、さらに2日間培養した。培養後、いずれの細胞も
新鮮な骨髄細胞用培地に交換した後、16日間培養を継続
した。又、その間3日毎に新鮮な骨髄細胞用培地にて培
地交換を行った。
【0016】培養終了後、細胞をアイソジェン(和光純
薬社)で処理し、添付のプロトコールに従い、全RNAを
抽出した。1μgの全RNAを鋳型として、スーパースクリ
プトII(クロンテック社)を用いて、そのプロトコール
に従いcDNAを合成した。アルブミン、α−フェトプロテ
イン、及びTCF−IIの受容体であるc-Metそれぞれの
遺伝子の発現の有無を、得られたcDNAを鋳型として、P
CRにより以下のごとく検討した。即ち、436-bpからな
るアルブミン遺伝子断片増幅のために、Fプライマー
(配列表配列番号1)及びRプライマー(配列表配列番
号2)を用いた。水11.8μl、10×Ampli-Taqバッファー
(タカラ社) 2.0μl、2.5mM dNTP 2μl、20μMアルブ
ミンFプライマー 1.0μl、20μMアルブミンRプライマ
ー 1.0μl、Ampli-Taq Gold(タカラ社) 0.2μl、水で
10倍希釈したcDNA溶液2μlをPCR用の0.5mlチューブ
(タカラ社)に加え混合した後、PCR反応(94℃で4
分処理後、94℃で30秒、62℃で90秒、72℃で1分の処理
を30回繰り返した後、72℃で4分処理)を行った。次
に、686-bpからなるα−フェトプロテイン遺伝子断片増
幅のために、Fプライマー(配列表配列番号3)及びR
プライマー(配列表配列番号4)を用いた。水11.8μ
l、10×Ampli-Taqバッファー(タカラ社) 2.0μl、2.5
mM dNTP 2μl、20μM α−フェトプロテインFプライ
マー 1.0μl、20μM α−フェトプロテインRプライマ
ー 1.0μl、Ampli-Taq Gold(タカラ社) 0.2μl、水で
10倍希釈したcDNA溶液2μlをPCR用の0.5mlチューブ
(タカラ社)に加え混合した後、PCR反応(94℃で4
分処理後、94℃で30秒、55℃で45秒、72℃で1分の処理
を30回繰り返した後、72℃で4分処理)を行った。さら
にα−フェトプロテイン遺伝子断片増幅のために、PC
R反応産物を希釈して、増幅断片の内側のプライマーを
用いて再度PCR反応を以下のごとく行った。即ち、2
回目の622-bpからなるα−フェトプロテイン遺伝子断片
増幅のために、Fプライマー(配列表配列番号5)及び
Rプライマー(配列表配列番号6)を用いた。水11.8μ
l、10×Ampli-Taqバッファー(タカラ社) 2.0μl、2.5
mM dNTP 2μl、20μM α−フェトプロテイン2回目用
Fプライマー 1.0μl、20μMα−フェトプロテイン2回
目用Rプライマー 1.0μl、Ampli-Taq Gold(タカラ
社) 0.2μl、水で10倍希釈した1回目のPCR反応産
物2μlをPCR用の0.5mlチューブ(タカラ社)に加え
混合した後、PCR反応(94℃で4分処理後、94℃で30
秒、60℃で45秒、72℃で1分の処理を30回繰り返した
後、72℃で4分処理)を行った。次に、725-bpからなる
c-Met遺伝子断片増幅のために、Fプライマー(配列表
配列番号7)及びRプライマー(配列表配列番号8)を
用いた。水11.8μl、10×Ampli-Taqバッファー(タカラ
社) 2.0μl、2.5 mM dNTP 2μl、20μM Fプライマー
1.0μl、20μM Rプライマー 1.0μl、Ampli-Taq Gold
(タカラ社)0.2μl、水で10倍希釈したcDNA溶液2μl
をPCR用の0.5mlチューブ(タカラ社)に加え混合し
た後、PCR反応(94℃で4分処理後、94℃で30秒、58
℃で1分、72℃で1分の処理を30回繰り返した後、72℃
で4分処理)を行った。
【0017】次に、それぞれのPCRでの反応産物の一
部を、常法に従い1μg/mlのエチジウムブロマイドを含
む1%アガロースゲルで展開し、増幅断片の有無を検討
した。さらに、得られた増幅断片がそれぞれの遺伝子で
あることを確認することを目的として、タックダイター
ミネーターサイクルシークエンスキット(パーキンエル
マー社)を用いて、添付のプロトコールに従い塩基配列
を決定した。この結果、TCF−II培地で5日間培養し
た後、骨髄細胞用培地で16日間培養した骨髄細胞は肝実
質細胞のマーカーであるアルブミン、α−フェトプロテ
インの遺伝子が発現していることが確認された。又、T
CF−II受容体であるc-Metの遺伝子の発現も確認さ
れ、TCF−IIに反応性を示す細胞であることが明らか
となった。一方、TCF−IIを含まない骨髄細胞用培地
のみで培養した骨髄細胞は、アルブミン、α−フェトプ
ロテイン、c-Metいずれの遺伝子の発現も認められなか
った。従って、骨髄細胞をTCF−II存在下で培養する
ことにより、TCF−IIは骨髄細胞を肝実質細胞へ分化
誘導することができた。
【0018】
【発明の効果】本発明により、肝細胞増殖因子を有効成
分とする、骨髄細胞から肝実質細胞への分化誘導剤、及
び哺乳動物の骨髄から取得した骨髄細胞より浮遊細胞の
みを分取し、それらを該分化誘導剤存在下で培養するこ
とを特徴とする、肝実質細胞の生産方法が提供される。
本発明は、人工肝臓あるいは肝細胞移植などの再生医療
の分野で有用である。 SEQUENCE LISTING <110> SNOW BRAND MILK PRODUCTS CO., LTD. <120> Agent for cell differentiation <130> YTP00005 <160> 8 <170> PatentIn Ver. 2.1 <210> 1 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Synthesized DNA <400> 1 atacacccag aaagcacctc 20 <210> 2 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Synthesized DNA <400> 2 cacgaattgt gcgaatgtca c 21 <210> 3 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Synthesized DNA <400> 3 aacagcagag tgctgcaaac 20 <210> 4 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Synthesized DNA <400> 4 aggtttcgtc cctcagaaag 20 <210> 5 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Synthesized DNA <400> 5 caccatcgag ctcgcctatt 20 <210> 6 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Synthesized DNA <400> 6 tgatgcagag cctcctgttg 20 <210> 7 <211> 23 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Synthesized DNA <400> 7 cagtgatgat ctcaatgggc aat 23 <210> 8 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Synthesized DNA <400> 8 aatgccctct tcctatgact tc 22
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4B065 AA90X AA92X BA24 BB23 CA44 4H045 AA10 AA30 CA40 DA01 EA28 FA74

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 肝細胞増殖因子を有効成分とする、骨髄
    細胞から肝実質細胞への分化誘導剤。
  2. 【請求項2】 肝細胞増殖因子がTCF−IIである、請
    求項1記載の分化誘導剤。
  3. 【請求項3】 肝細胞増殖因子がHGFである、請求項
    1記載の分化誘導剤。
  4. 【請求項4】 骨髄細胞を請求項1〜3記載の分化誘導
    剤存在下で培養することを特徴とする、肝実質細胞の生
    産方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006304784A (ja) * 2005-03-31 2006-11-09 Nippon Seibutsu Seizai:Kk 骨髄細胞の分化誘導方法
US7332336B2 (en) 2003-08-19 2008-02-19 Effector Cell Institute, Inc. Methods for inducing differentiation of pluripotent cells

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