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JP2002053757A - 導電性樹脂組成物及びその成形品 - Google Patents

導電性樹脂組成物及びその成形品

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JP2002053757A
JP2002053757A JP2000242643A JP2000242643A JP2002053757A JP 2002053757 A JP2002053757 A JP 2002053757A JP 2000242643 A JP2000242643 A JP 2000242643A JP 2000242643 A JP2000242643 A JP 2000242643A JP 2002053757 A JP2002053757 A JP 2002053757A
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JP
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resin composition
metal
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molded article
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Tatsuya Hayashi
林  達也
Shinji Hijiya
慎司 泥谷
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Mitsubishi Plastics Inc
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Mitsubishi Plastics Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 極めて良好な導電性、成形性及び機械的強度
を有する導電性樹脂組成物及びシート並びに成形品を提
供する。 【解決手段】 (a)熱可塑性樹脂あるいは熱可塑性エ
ラストマーを基質とし、(b)融点が300℃以下の低
融点金属、及び(c)金属粉末、(d)溶融張力向上剤
を混合してなる導電性樹脂組成物及びシート並びに成形
品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、極めて高度の導電
性、及び優れた成形性や機械的強度を有する導電性樹脂
組成物及びそれを用いたシート並びに成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、各種樹脂からなる成形品に導電性
を付与した導電性樹脂成形品として、合成樹脂に導電性
フィラーを分散、混合した複合材料を用い成形した成形
品が知られている。導電性フィラーとして金属系、カー
ボン系などが使用されているが、高度の導電性を付与す
るには導電性フィラーの添加量を大幅に増加せざるを得
なく、その結果、成形性の悪化や、脆弱となり機械的強
度が低下するため添加量は制限され、得られる成形品の
導電性も体積固有抵抗値で10−1Ω・cmが限界であ
った。また、近年では特開平10−237331のよう
にハンダを樹脂中に高度に分散させた系により体積固有
抵抗値10−3Ω・cm以下を実現しているが、溶融物
は脆弱であり射出成形は可能であるが、押出成形やカレ
ンダー成形は不可能であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、極めて高度の
導電性を有するとともに、押出加工やカレンダー加工が
可能で機械的強度も優れた導電性樹脂組成物が求められ
ていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解
決すべく鋭意検討した結果、本発明を完成するに至っっ
た。即ち本発明の要旨は、(a)熱可塑性樹脂あるいは
熱可塑性エラストマーを基質とし、(b)融点が300
℃以下の低融点金属、及び(c)金属粉末、(d)溶融
張力向上剤を混合してなる樹脂組成物及びそれによって
得られた導電性樹脂シート並びに導電性樹脂成形品にあ
る。
【0005】本発明の好ましい実施態様としては、下記
が挙げられる。(a)熱可塑性樹脂あるいは熱可塑性エ
ラストマーが成形品の20〜80容量%、また(b)及
び(c)を合わせた金属成分中の(c)金属粉末の割合
が10〜30容量%、(d)溶融張力向上剤が0.1〜
5容量%の範囲であることを特徴とする樹脂組成物及び
導電性樹脂シート及び成形品であり、(b)成分の低融
点金属が、Pb/Sn、Pb/Sn/Bi、Pb/Sn
/Ag、 Pb/Ag、 Sn/Ag、 Sn/Bi、Sn/
Cu、Sn/Zn系から選ばれた低融点合金からなるこ
とを特徴とし、(c)成分の金属粉末がCu、Ni、A
l、Cr及びそれらの合金粉末からなり、その平均粒径
が1〜50μmの範囲であることを特徴とする。また、
(d)成分の溶融張力向上剤がポリテトラフルオロエチ
レン及び炭素数5〜30のアルキル(メタ)アクリレー
ト系ポリマーからなることを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
本発明の導電性樹脂組成物及びシート、並びに成形品
は、その材料が(a)熱可塑性樹脂あるいは熱可塑性エ
ラストマー、(b)融点が300℃以下の低融点金属、
及び(c)金属粉末(d)溶融張力向上剤の混合物(以
下、「混合材」という)からなることに特徴がある。こ
のように熱可塑性樹脂あるいは熱可塑性エラストマーと
導電性を付与するための金属成分を特定の組合せとする
ことにより、極めて高度の導電性と他の特性をバランス
良く付与できることを見出し、さらに溶融張力向上剤の
添加により優れた押出成形性をも発現させたものであ
る。混合材においては、(a)熱可塑性樹脂あるいは熱
可塑性エラストマーを組成物全体の20〜80容量%、
好ましくは40〜60容量%の範囲で含有することが好
ましい。樹脂成分が80容量%を越えると導電性が発現
し難い傾向にあり、20容量%未満では、流動性が低下
して成形性に劣り易い。また、熱可塑性樹脂あるいは熱
可塑性エラストマーと低融点金属との接着強度を向上さ
せるために酸変成ポリオレフィンなどの界面接着剤を添
加することも好適である。(c)の金属粉末は低融点金
属の分散助剤として作用し、金属成分中の(c)金属粉
末の割合を10〜30容量%、好ましくは15〜25容
量%の範囲とすることが好ましい。10容量%未満で
は、分散状態が悪くなり、また30容量%を越えると流
動性が低下するとともに脆化しやすく、さらに導電性も
低下する傾向が見られる。(d)溶融張力向上剤は0.
1〜5容量%好ましくは0.2〜3容量%の範囲が好適
である。0.1容量%未満では十分な溶融張力を得るこ
とができず成形性が向上せず、5容量%以上では溶融張
力向上剤の分散性が低下するほか、樹脂の物性を損ない
易い。また、溶融張力向上剤中のポリフルオロエチレン
と炭素数5〜30のアルキル(メタ)アクリレート系ポ
リマーの重量比は0.2以上が好ましい。0.2未満で
はポリフルオロエチレンの分散性が低下する恐れがあ
る。
【0007】混合材に用いられる(a)熱可塑性樹脂あ
るいは熱可塑性エラストマーとしては、オレフィン系、
スチレン系、塩ビ系、ウレタン系、エステル系、アミド
系など種々のタイプのものが使用可能である。押出シー
ト化やカレンダー成形においては軟質系のものが好適で
ある。
【0008】(b)の融点が300℃以下の低融点金属
には各種のものが使用できる。融点の測定方法は示差走
査熱量測定法(DSC)に示差走査熱量測定法(DS
C)ににより測定すればよく、融点が300℃を越える
金属では成形性が劣るという問題がある。具体的にはP
b/Sn、Pb/Sn/Bi、Pb/Sn/Ag、 Pb
/Ag、Sn/Ag、 Sn/Bi、Sn/Cu、Sn/
Zn系から選ばれたはんだ合金が好適に使用できる。
(c)成分の金属粉末は上記低融点金属の分散助剤とな
るものであり、Cu、Ni、Al、Cr及びそれらの合
金粉末が好適に使用でき、その平均粒径が1〜50μm
の範囲のものが好ましい。平均粒径は試料を透過型電子
顕微鏡により撮影し、写真から求めた数平均粒子径であ
る。平均粒径が1μm未満では混合の際のハンドリング
が困難であり、また50μmを越えるものでは分散性が
低下し易い傾向がある。(d)成分の溶融張力向上剤
は、ポリテトラフルオロエチレン及び炭素数5〜30の
アルキル(メタ)アクリレート系ポリマーからなる組成
物であり、混合剤の溶融時の張力を向上させ、押出やカ
レンダー加工時の引き取り性を改良する。市販のものと
しては三菱レイヨンのメタブレンA−3000などが知
られている。
【0010】本発明の導電性樹脂組成物の製造方法は、
上記混合材の各成分を用い、混合したものを所定の温度
でニーダや二軸押出機等の混練機により混練後、造粒し
たものである。混練においては(c)低融点金属が半溶
融状態となる温度が好ましく、マトリックスとなる熱可
塑性樹脂や熱可塑性エラストマーの溶融温度に応じて適
切な金属組成を選択し、低融点金属と分散助剤となる銅
粉、ニッケル粉末等の添加比率を適宜選択する必要があ
る。以上の方法で得られた造粒物は、十分な溶融張力を
有する事からTダイ押出成形機やカレンダーによりシー
ト化が可能である。また、使用目的に対応する形状の金
型を用いて射出成形法、トランスファー成形法、プレス
成形法等の通常の成形法により賦形し、成形品とするこ
ともできる。
【0011】以上述べたように、本発明の導電性シート
や成形品は、熱可塑性樹脂あるいは熱可塑性エラストマ
ーに低融点金属が含有されていることから、極めて高度
の導電性を有する一方で、溶融張力が大きいため、溶融
物が脆弱にならず、成形性及び機械的強度に優れてお
り、導電性隔壁、導電性部材、帯電防止材、電磁波シー
ルド材、電極、コネクター、センサー、発熱体等の幅広
い分野への適用が可能である。
【0012】
【実施例】以下、実施例について説明するが、本発明は
これに限定されるものではない。 (実施例)熱可塑性エラストマーとして「サントプレン
203−40」AESジャパン製、界面接着改質剤とし
て酸変成ポリオレフィン(「アドテックスER320
P」日本ポリオレフィン(株)製)を用い、低融点金属
として鉛フリーハンダ(Sn−4Cu−2Ni 融点
固相線225℃−液相線480℃)、金属粉末として平
均粒径10μmの銅粉を用いた。また溶融張力向上剤と
して「メタブレンA−3000」(三菱レイヨン(株)
製)を用いた。あらかじめ各原料粉末を物理混合し(熱
可塑性エラストマー40容量%、酸変成ポリオレフィン
9容量%、低融点金属45容量%、金属粉末5容量%、
溶融張力向上剤1容量%)、混練機(森山製作所製、2
軸加圧タイプ)を用いて溶融混練後、プランジャー押出
造粒機を用いて低融点金属含有樹脂ペレットを作成し
た。
【0013】混練条件は以下の通りである。 混練温度 : 200℃ 回転数 : 35r.p.m. その後、150mm幅コートハンガーダイを具備した2
軸押出機φ25(東洋精機 2D25WS)を用いて肉
厚0.5mmの押出シート化を行った。押出条件は下記
の通りである。 シリンダー温度 : 200℃ スクリュ回転数 : 50r.p.m. 供給量 : 245g/min
【0014】引き落とし時に溶融シートが切断されるこ
となく目的とする0.5mm厚のシートを得た。得られ
た成形品の特性は以下の通りであった。 シャルピー衝撃値 :破壊せず 体積固有抵抗値 :3.34×10−4Ω・cm 衝撃試験はJIS K7111に準拠(シャルピ−フラ
ットワイズノッチなし試験片幅 10mm、支点間距離
20mm、試験速度 0.5mm/分)
【0015】(比較例)実施例1において溶融張力向上
剤を添加せず、その他は全く同様としてシート作成を実
施した。配合比は熱可塑性エラストマー40容量%、酸
変成ポリオレフィン10容量%、低融点金属45容量
%、金属粉末5容量%とした。引き落とし時に溶融シー
トが破壊し、目的とするシートが得られなかった。
【0016】実施例及び比較例から明らかなように本発
明の組成物は、成形性が大幅に改善され、得られた成形
品においても高い体積固有抵抗値及び強度を維持してい
ることが分かる。
【0017】
【発明の効果】上述したように、本発明の導電性樹脂組
成物は、熱可塑性樹脂あるいは熱可塑性エラストマーに
低融点金属が含有されていることから、極めて高度の導
電性を示し、さらに溶融張力向上剤により、優れた成形
性も得られる。そのシート及び成形品は機械的強度に優
れており、導電性隔壁、導電性部材、帯電防止材、電磁
波シールド材、電極、コネクター、センサー、発熱体な
どの幅広い分野への適用が可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01B 1/22 H01B 1/22 B //(C08L 101/00 (C08L 101/00 27:18 27:18 33:06) 33:06) Fターム(参考) 4F071 AA14 AA22 AA24 AA27 AA33 AA43 AA53 AA54 AB07 AB08 AB09 AB12 AF13 AF37 BB04 BB06 BC01 4J002 BB001 BC001 BD001 BD152 BG032 CF001 CK021 CL001 DA077 DA097 DA117 DC006 FD116 FD117 FD202 GQ00 5G301 DA02 DA04 DA06 DA10 DA42 DA47 DD08 DD10

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)熱可塑性樹脂あるいは熱可塑性エ
    ラストマーを基質とし、(b)融点が300℃以下の低
    融点金属、及び(c)金属粉末、(d)溶融張力向上剤
    を混合してなる樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (a)熱可塑性樹脂あるいは熱可塑性エ
    ラストマーを基質とし、(b)融点が300℃以下の低
    融点金属、及び(c)金属粉末、(d)溶融張力向上材
    を混合してなる導電性樹脂シート及び成形品。
  3. 【請求項3】 (a)熱可塑性樹脂あるいは熱可塑性エ
    ラストマーがシート及び成形品の20〜80容量%、
    (b)及び(c)を合わせた金属成分中の(c)金属粉
    末の割合が10〜30容量%、(d)の溶融張力向上剤
    が0.1〜5容量%の範囲であることを特徴とする請求
    項1記載の樹脂組成物及び請求項2記載の導電性樹脂シ
    ート及び成形品。
  4. 【請求項4】 (b)成分の低融点金属が、Pb/S
    n、Pb/Sn/Bi、Pb/Sn/Ag、 Pb/A
    g、 Sn/Ag、 Sn/Bi、Sn/Cu、Sn/Zn
    系から選ばれた低融点合金からなることを特徴とする請
    求項1乃至3記載の樹脂組成物及び導電性樹脂シート並
    びに成形品。
  5. 【請求項5】 (c)成分の金属粉末がCu、Ni、A
    l、Cr及びそれらの合金粉末からなり、その平均粒径
    が1〜50μmの範囲であることを特徴とする請求項1
    乃至4記載の樹脂組成物及び導電性樹脂シート並びに成
    形品。
  6. 【請求項6】 (d)成分の溶融張力向上剤がポリテト
    ラフルオロエチレン及び炭素数5〜30のアルキル(メ
    タ)アクリレート系ポリマーからなることを特徴とする
    請求項1乃至5記載の樹脂組成物及び導電性樹脂シート
    並びに成形品。
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