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JP2002050069A - 光ピックアップ装置用対物レンズ及び光ピックアップ装置 - Google Patents

光ピックアップ装置用対物レンズ及び光ピックアップ装置

Info

Publication number
JP2002050069A
JP2002050069A JP2001153887A JP2001153887A JP2002050069A JP 2002050069 A JP2002050069 A JP 2002050069A JP 2001153887 A JP2001153887 A JP 2001153887A JP 2001153887 A JP2001153887 A JP 2001153887A JP 2002050069 A JP2002050069 A JP 2002050069A
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JP
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region
optical
pickup device
objective lens
optical pickup
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Application number
JP2001153887A
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JP4678462B2 (ja
Inventor
Kohei Ota
耕平 大田
Norikazu Arai
則一 荒井
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光源からの光量を十分に利用することがで
き、製造コストの上昇を抑えることができる光ピックア
ップ装置用対物レンズ及びその対物レンズを備える光ピ
ックアップ装置を提供する。 【解決手段】 この対物レンズ20は、回折構造を備え
ない領域21の外周側に回折構造を備えた領域22をそ
の最外周にまで設けたレンズ面を有し、回折構造の少な
くとも一部の領域は、最大の回折光量を発生する回折光
の次数が互いに異なる少なくとも2つの波長(λ1,λ
2)の光束に対して同一次数(但し、0次を除く)とな
る形状である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ピックアップ装
置において情報記録媒体に対して情報の記録または再生
を行うために用いられる対物レンズ及び光ピックアップ
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】CDやDVD等の記録密度や透明基板の
厚さの異なる複数の情報記録媒体(例えば光ディスク)
に対して、情報の記録及び/又は再生が可能な光ピック
アップ装置として、少なくとも対物レンズを共通に使用
することにより装置の小型化や低価格化を実現すること
が望まれており、そのための対物レンズや光ピックアッ
プ装置が種々提案されている。
【0003】例えば、対物レンズに特殊輪帯として切り
欠きをリング状に設けて、対物レンズの一面を複数の分
割面(例えば3つの分割面)に構成し、複数の分割面の
うちの一部(例えば光軸側の第1分割面)を記録密度や
透明基板の厚さの異なる2つの情報記録媒体に対する情
報の記録及び/又は再生にともに利用可能なようにし、
残りの分割面のうちの一部(例えば第1分割面に隣接す
る第2分割面)を一方の情報記録媒体(例えば必要開口
数の小さい方の情報記録媒体)に対する情報の記録及び
/又は再生に主に利用可能なようにし、その残り(例え
ば第2分割面に隣接する第3分割面)を他方の情報記録
媒体(例えば必要開口数の大きい方の情報記録媒体)に
対する情報の記録及び/又は再生に主に利用可能なよう
にすることが知られている。その一例として、特開平1
1−96585号公報に記載のものが挙げられる。しか
し、このようにリング状の切り欠きを設けた対物レンズ
では、フォーカス信号に誤検出が生じる場合があった。
例えば、対物レンズの一面に設けられた3つの分割面の
うちCD用に球面収差が補正された第2分割面により、
DVDの記録または再生時にその第2分割面を通過した
光束がセンサ上にデフォーカスして集光し、フォーカス
信号として誤検出してしまう場合があった。
【0004】また、特開平2000−8156号公報に
は、レンズ面に光軸を中心とした輪帯状のパターンとし
て回折構造が形成され、その回折構造は、少なくとも2
つの異なる波長の光束による同一次数の回折光が、保護
層の厚さの異なる少なくとも2種類の光ディスクに対
し、それぞれ良好な波面を形成するよう波長依存性を有
するようにした対物レンズが記載されている。
【0005】しかし、上記公報のように、回折構造をレ
ンズ面の全面に備えた対物レンズでは、少なくとも2つ
の波長の光束に対して適した同一次数の回折光を得るよ
うに、その回折構造を形成するため、回折構造を備えな
い屈折面からなる対物レンズよりも、光源からの光量の
利用効率が低下するという問題があった。また、回折輪
対数も多いため、レンズを成形するための金型の生産性
が低下し、金型の製造コストが高くなるという問題もあ
った。
【0006】しかし、上記各公開公報のように、対物レ
ンズに分割面を設けた構成においては、特に、一方の波
長では0次光を利用し、他方の波長では1次光を利用す
るために、回折効率が低くなって光源からの光量を十分
に利用することができず、フォーカス信号に誤検出が生
じることが場合によっては発生し得る。
【0007】また、対物レンズの全面に回折面を設ける
のは、その金型製作のコストが高く製造コストの上昇の
点で好ましくない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述のよう
な従来技術の問題に鑑み、光源からの光量を十分に利用
することができ、製造コストの上昇を抑えることができ
る光ピックアップ装置用対物レンズ及びその対物レンズ
を備える光ピックアップ装置を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明による光ピックアップ装置用対物レンズは、
回折構造を備えない領域の外周側に回折構造を備えた領
域をその最外周にまで設けたレンズ面を有し、前記回折
構造の少なくとも一部の領域は、最大の回折光量を発生
する回折光の次数が互いに異なる少なくとも2つの波長
(λ1,λ2)の光束に対して同一次数(但し、0次を
除く)となる形状であることを特徴とする。なお、「同
一次数」とは、正負の符号を含めてその次数が同一であ
ることをいう。また、「最外周」とは、レンズ面の有効
光学径を指す。但し、実際に対物レンズが搭載された光
ピックアップ装置においては、光源からの光束が全く入
射されることがない外周側の領域には、勿論、必ずしも
回折構造を備える必要はないので、「最外周」とは、光
源からの光束が入射される実効的な有効光学径を意味す
るものである。
【0010】上記回折構造を備えた領域を設ける位置
は、前記対物レンズを使用する光ピックアップ装置にお
いて使用される光源の波長、情報記録媒体の透明基板の
厚さ、及び前記情報記録媒体の情報の記録密度等によっ
て決定され、前記情報記録媒体毎に定められた対物レン
ズの必要開口数に応じて定められる。
【0011】例えば、前記光ピックアップ装置において
2つの情報記録媒体について再生または記録を行う際の
前記対物レンズに必要な開口数が異なり、その開口数の
小さい方の開口数近傍に前記回折構造を備えた領域を設
定することが望ましい。これにより、必要な開口数の小
さい方の情報記録媒体に対して回折限界性能を備えた適
切なスポット径の集光が行い得るようにできるととも
に、それによって、逆に、必要な開口数の大きい方の情
報記録媒体に対して、通常は使用されずまたデフォーカ
スにより集光してフォーカス信号の誤検出を生じる虞の
あった領域を結像に寄与し得るようにできる。これによ
り、情報の記録又は再生に寄与する光源からの光量の利
用効率が増加でき、更にフォーカス信号の誤検出を防止
し得て、光ピックアップ装置の性能向上を図ることがで
きる。
【0012】また、上述のように、回折構造を備えた領
域の内周側に回折構造を備えない領域を設けたことによ
り、全面にわたって回折構造を備えた場合よりも光量の
利用効率が向上すると共に、回折輪帯数が少ないのでレ
ンズを成形するための金型の加工工数が短縮でき、金型
の製作コストを低減できる。
【0013】また、前記レンズ面において光軸を含む領
域に前記回折構造を備えない領域が屈折面として形成さ
れることが可能であるので、光量の利用効率がより向上
する。
【0014】また、前記同一次数が1次であることが好
ましい。また、前記回折構造を備えた領域を内側領域と
外側領域に分割し、前記内側領域は前記同一次数が1次
となる形状にし、前記外側領域は前記同一次数が2次以
上の次数となる形状とすることが好ましい。
【0015】また、前記回折構造を備えた領域と前記回
折構造を備えない領域との境界において光軸方向に段差
部が設けられ、この段差部が、その段差部により屈折面
との境界で生じる光路差がλ1及びλ2のほぼ整数倍と
なるように設定されていることが好ましく、これによ
り、λ1及びλ2のそれぞれの波長で段差部による位相
ずれをほぼ0にできる。
【0016】具体的には、前記回折構造を備えた領域と
前記回折構造を備えない領域との境界において光軸方向
に設けられた段差部が1μm以上10μm以下の光軸方
向の段差であるように回折構造が光軸側の回折構造を備
えない領域に対して陥没した形状または突き出た形状に
できる。段差部が1μm以上であると、第2の光情報記
録媒体(例えば、CD)側のストレール比を高めること
ができ、10μm以下であると、波面収差に関する温度
特性が劣化しない。
【0017】また、前記回折構造を備えた領域を内側領
域と外側領域に分割し、前記内側領域と前記外側領域と
の境界において光軸方向に段差部が設けられ、この段差
部が1μm以上10μm以下の光軸方向の段差を有する
ことが好ましい。この段差部が1μm以上であると、第
2の光情報記録媒体(例えば、CD)側のストレール比
を高めることができ、10μm以下であると、波面収差
に関する温度特性が劣化しない。
【0018】なお、上述の回折構造を備えた領域と備え
ない領域との境界及び回折構造を備えた領域の内側領域
と外側領域との境界において光軸方向に設けられた段差
部は、光軸方向に対して傾斜を持って設けられてもよ
く、この場合でも光軸方向の段差が1μm以上10μm
以下であればよい。特に、段差部は光軸方向に平行な段
差であることが好ましい。
【0019】また、本発明による光ピックアップ装置用
対物レンズは、光ピックアップ装置が、波長λ1の第1
の光源と、波長λ2(λ1<λ2)の第2の光源とを有
し、第1の光源は透明基板の厚さがt1の第1の光情報
記録媒体に対する情報の再生または記録のために第1の
光束を射出し、第2の光源は透明基板の厚さがt2の第
2の光情報記録媒体に対する情報の再生または記録のた
めに第2の光束を射出し、前記第1の光情報記録媒体を
前記第1の光源で記録及び/または再生するために必要
な前記対物レンズの光情報記録媒体側の必要開口数をN
A1とし、前記第2の光情報記録媒体を前記第2の光源
で記録及び/または再生するために必要な前記対物レン
ズの光情報記録媒体側の必要開口数をNA2(NA2<
NA1)とし、前記対物レンズは少なくとも1つの面
に、光軸に対して回転対称な回折構造を備えた領域を回
折構造を備えない領域の外周側からその最外周まで備
え、前記第1の光情報記録媒体を前記第1の光源で記録
及び/または再生するときに前記回折構造を備えた少な
くとも一部の領域からのN次回折光(Nは0でない整
数)を利用し、前記第2の光情報記録媒体を前記第2の
光源で記録及び/または再生するときに前記回折構造を
備えた少なくとも一部の領域からのM次回折光(M=
N)を利用し、前記第1の光源からの光束の、前記回折
構造を備えた領域の最も光軸から離れた円周からの最大
の回折光量を発生する次数の回折光は、光情報記録媒体
側の開口数がNAH1の光束に変換され、前記第1の光
源からの光束の、前記前記回折構造を備えた領域の最も
光軸側の円周からの最大の回折光量を発生する次数の回
折光は、光情報記録媒体側の開口数がNAL1の光束に
変換される場合に、 NA1≦NAH1 (1/3)NA2<NAL1<NA2 を満たすことを特徴とする。
【0020】また、特にDVD/CD互換可能な光ピッ
クアップ装置において、DVDに対しては655±30
nmの何れかの波長の光源を使用し、CDに対しては7
85±30nmの何れかの波長の光源を使用する系で
は、0.60≦NAH1、かつ、0.3≦NAL1<
0.45であることが好ましい。
【0021】また、前記必要開口数NA2よりも大きな
範囲では前記第2の情報記録媒体に対する球面収差をフ
レア化させることが好ましい。これにより、第2の情報
記録媒体側に対して適切なスポット径を得ることができ
る。
【0022】また、前記必要開口数NA2よりも大きな
範囲では高次回折光を利用することが好ましい。
【0023】また、前記回折構造を備えた領域と前記回
折構造を備えない領域との境界において、前記第1の光
源と前記第1の光情報記録媒体を用いて、前記波長λ1
の光が前記厚さt1の透明基板を透過した波面の位相ず
れがλ1/10以下であることが好ましく、λ1/20
以下であることが更に好ましい。
【0024】具体的な設計としては、例えば、DVD/
CD互換可能な光ピックアップ装置においては、CDに
対する必要開口数よりも小さい開口数以上に回折構造を
備える領域を設け、その小さい開口数以下の領域を回折
構造を備えない屈折面とする。その小さい開口数からC
Dに対する必要開口数までの範囲では、DVD及びCD
共に球面収差を補正し、CDに対する必要開口数以上で
はDVDの球面収差を補正するとともに、CDに対して
はスポットが絞られすぎないようにフレアとするように
する。また、CDに対して必要な開口数近傍の領域をD
VDに対して球面収差の良く補正された非球面形状とは
異なる非球面形状の母非球面として、この母非球面のみ
ではDVDに対する球面収差が劣化するところを、この
領域に回折構造を設け、DVDに対してその領域による
1次回折光が結像に寄与して球面収差が良く補正され、
CDに対してその領域による1次回折光が結像に寄与す
るよう回折構造を設計することによって作成し得る。勿
論、このような設計に限らず、種々の応用により本発明
の対物レンズを設計することができる。なお、DVD/
CD互換可能な光ピックアップ装置とは、少なくとも1
種類のDVDに対して、情報の記録または再生の少なく
とも一方が可能であって、かつ、少なくとも1種類のC
Dに対して、情報の記録または再生の少なくとも一方が
可能である光ピックアップ装置である。各種のCDとし
ては、例えば、CD-R, CD-RW, CD-Video, CD-ROM等、D
VDとしては、例えば、DVD-ROM, DVD-RAM, DVD-R, DVD
-RW等が挙げられる。
【0025】また、前記回折構造を備えた領域が回折輪
帯をもつ回折面であり、前記回折面の光路差関数をφ
(h)とするとき(hは光軸からの距離)、所定距離h
の箇所でdφ(h)/dhが不連続または実質的に不連
続な関数であるようにできる。上述のように回折輪帯を
設けた対物レンズにより、透明基板の厚さの異なる第1
及び第2の光情報記録媒体に対して、情報の記録再生を
行う光ピックアップ装置において、開口数が小さい側の
使用状態で所定開口数の外側の光束をフレアとすれば、
小さい開口数のための開口制限を用いずとも、ビーム径
が絞られ過ぎることがなく、比較的大きなスポット径を
得ることができる。
【0026】この場合、前記回折面の、光軸から周辺方
向に数えて、あるi番目の回折輪帯が次式を満たすこと
が好ましい。 1.2≦pi+1/pi≦10(但し、pi:光軸から周辺
方向に数えてi番目の回折輪帯の、光軸に垂直な方向の
幅)
【0027】また、本発明による光ピックアップ装置
は、透明基板の厚さがt1の第1の光情報記録媒体に対
する情報の再生または記録のために波長λ1の第1の光
束を射出する第1の光源と、透明基板の厚さがt2の第
2の光情報記録媒体に対する情報の再生または記録のた
めに波長λ2(λ1<λ2)の第2の光束を射出する第
2の光源と、前記第1及び第2の情報記録媒体からの光
を検出する光検出器と、回折構造を備えない領域の外周
側に回折構造を備えた領域をその最外周にまで設けたレ
ンズ面を有し、前記回折構造の少なくとも一部の領域
は、最大の回折光量を発生する回折光の次数が互いに異
なる少なくとも2つの波長(λ1,λ2)の光束に対し
て同一次数(但し、0次を除く)となる形状である対物
レンズとを、具備することを特徴とする。
【0028】また、本発明による別の光ピックアップ装
置は、透明基板の厚さがt1の第1の光情報記録媒体に
対する情報の再生または記録のために波長λ1の第1の
光束を射出する第1の光源と、透明基板の厚さがt2の
第2の光情報記録媒体に対する情報の再生または記録の
ために波長λ2(λ1<λ2)の第2の光束を射出する
第2の光源と、前記第1及び第2の情報記録媒体からの
光を検出する光検出器と、少なくとも1つの面に、光軸
に対して回転対称な回折構造を備えた領域を回折構造を
備えない領域の外周側からその最外周まで備える対物レ
ンズとを具備し、前記第1の光情報記録媒体を前記第1
の光源で記録及び/または再生するために必要な前記対
物レンズの光情報記録媒体側の必要開口数をNA1と
し、前記第2の光情報記録媒体を前記第2の光源で記録
及び/または再生するために必要な前記対物レンズの光
情報記録媒体側の必要開口数をNA2(NA2<NA
1)とし、前記第1の光情報記録媒体を前記第1の光源
で記録及び/または再生するときに前記回折構造を備え
た少なくとも一部の領域からのN次回折光(Nは0でな
い整数)を利用し、前記第2の光情報記録媒体を前記第
2の光源で記録及び/または再生するときに前記回折構
造を備えた少なくとも一部の領域からのM次回折光(M
=N)を利用し、前記第1の光源からの光束の、前記回
折構造を備えた領域の最も光軸から離れた円周からの最
大の回折光量を発生する次数の回折光は、光情報記録媒
体側の開口数がNAH1の光束に変換され、前記第1の
光源からの光束の、前記前記回折構造を備えた領域の最
も光軸側の円周からの最大の回折光量を発生する次数の
回折光は、光情報記録媒体側の開口数がNAL1の光束
に変換される場合に、 NA1<NAH1 (1/3)NA2<NAL1<NA2 を満たすことを特徴とする。
【0029】なお、本発明では、第1及び第2の光情報
記録媒体として、例えば、CD, CD-R, CD-RW, CD-Video,
CD-ROM等の各種CD、DVD, DVD-ROM, DVD-RAM, DVD-R,
DVD-RW等の各種DVD、或いはMD等のディスク状の
情報記録媒体が挙げられるが、更に記録密度を高めた新
規の高密度情報記録媒体をも含む。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明による実施の形態に
ついて図面を用いて説明する。図1は本発明の実施の形
態を示す光ピックアップ装置用対物レンズの模式的な上
半分の断面図である。図1のように、対物レンズ20
は、第1面20aに、光軸pに近い屈折面21と、屈折
面21の光軸pから離れた外周領域に最外周まで回転対
称に設けられた回折輪帯22とを備えている。
【0031】回折輪帯22は開口数NAL1以上の範囲
に設け、対物レンズ20の周辺に回折輪帯22が位置
し、透明基板の厚さの異なる2種の情報記録媒体に対し
て、光源の波長差を利用して、球面収差を補正するもの
である。
【0032】例として、波長660nmでの必要開口数
が0.65のDVDと、波長785nmでの必要開口数
が0.5のCDとに対応する場合には、対物レンズ20
の第1面20aのNA0.37以上の範囲に回折輪帯1
3を設ける。
【0033】このNA0.37以下の屈折面21では回
折効率による損失がなく、光量を100%利用できる。
NAが0.37以下のように小さい範囲では、球面収差
を完全に補正しなくても結像性能に必要なスポット径や
波面収差への影響は小さく、また、光量が大きいことに
より記録/再生の精度が高くなり、フォーカス信号の誤
検出を防止できる。
【0034】また、金型成形により対物レンズを大量生
産する場合、生産量が多いと金型自体も多数必要となり
その加工工数が増え、特に回折レンズではその回折輪帯
に対応した金型加工に時間がかかるのであるが、周辺回
折輪帯の構造は、全面回折構造よりも輪帯数が少なく加
工工数が短縮できるので、金型コストを低減でき、製造
コストを削減できる。
【0035】また、図1の回折輪帯22と屈折面21と
の境界において、波長λ1の光源とDVD(透明基板厚
さt1)を用いて、波長λ1の光が厚さt1の透明基板
を透過した波面の位相ずれがλ1/10以下であること
が好ましく、λ1/20以下であることが更に好まし
い。具体的には、後述の実施例のようなレンズデータを
もとに対物レンズに回折輪帯を形成する際に、DVDに
おいて回折輪帯22と屈折面21との位相差をほぼ0と
なるように回折輪帯22の光軸p方向の位置を微妙に調
整して定めることによって、実現できる。即ち、図8の
ように、ブレーズ化波長と使用波長(λ1)との違いに
よって回折輪帯22では波面収差が生じるが、回折輪帯
22の平均波面が屈折面21の波面と位相ずれを生じな
いように回折輪帯22の光軸p方向の位置を定めればよ
い。図8のように、屈折部(屈折面)の波面収差に対し
て回折輪帯の平均波面収差がλ1/10以下になるよう
に調整する。
【0036】次に、図5により本発明の実施の形態によ
る別の光ピックアップ装置用対物レンズについて説明す
る。図5は本実施の形態を示す光ピックアップ装置用対
物レンズの模式的な上半分の断面図である。
【0037】図5のように、対物レンズ30は、第1面
30aに、光軸pに近い屈折面31と、屈折面31の光
軸pから離れた外周領域に最外周まで回転対称に設けら
れた輪帯状の回折輪帯32とを備えている。回折構造を
有する回折輪帯32と回折構造を有しない屈折面31と
の境界には回折輪帯32の非球面形状に対し光軸pの方
向にほぼ平行に段差部33が設けられている。
【0038】また、回折輪帯32は、回折構造を有する
内側領域32aと同じく回折構造を有する外側領域33
aに分割されており、輪帯状の内側領域32aと外側領
域33aとの境界には回折輪帯32の非球面形状に対し
光軸pの方向にほぼ平行に段差部34が設けられてい
る。
【0039】図5の対物レンズ30は、図1と同様に回
折輪帯32は開口数NAL1以上の範囲に設け、対物レ
ンズ30の周辺に回折輪帯22が位置し、透明基板の厚
さの異なる2種の情報記録媒体に対して、光源の波長差
を利用して、球面収差を補正する。
【0040】図6により図5の対物レンズ30の段差部
33について説明する。段差部33の寸法(深さ)a
は、その段差部33により屈折面31との境界で生じる
光路差がλ1及びλ2のほぼ整数倍となるように設定す
る。即ち、いま、波長λ1が655nmである光束が対
物レンズ30の第1面30aから入射したとき、図6の
ように、6λ1の光路差を生じるように段差部33の深
さを定めれば、波長λ2が785nmのとき、λ1:λ
2がほぼ5:6なので、波長λ2に対しほぼ5λ2の光
路差を生じ、λ1、λ2ともに位相差を生じない。ま
た、段差部33の寸法(深さ)等を適宜設定することに
より温度変化時に波面収差の劣化を小さくすることがで
き、段差部33の光軸方向に平行な深さaは1μm〜1
0μmが好ましい。
【0041】また、図5の回折輪帯32の内側領域32
aと外側領域33aとの境界の段差部34は、その寸法
(深さ)等を適宜設定することにより温度変化時に波面
収差の劣化を小さくすることができ、段差部34の光軸
方向に平行な深さbは1μm〜10μmが好ましい。
【0042】なお、図5では、段差部33,34は回折
輪帯が屈折面31に対して陥没するように位置している
が、突き出るように位置してもよく、段差部33,34
の上述の好ましい寸法(深さ)は、絶対値として考えて
陥没形状にも突き出し形状にも適用できる。
【0043】次に、図2により、上述のような対物レン
ズを備えた本実施の形態にかかる光ピックアップ装置を
具体的に説明する。
【0044】図2に示す光ピックアップ装置は、第1の
光ディスクの再生用の第1の光源である第1の半導体レ
ーザ111と、第2の光ディスク再生用の第2の光源で
ある第2の半導体レーザ112とを有している。
【0045】まず第1の光ディスクを再生する場合、第
1の半導体レーザ111からビームを出射し、出射され
た光束は、両半導体レーザ111、112からの出射光
の合成手段であるビームスプリッタ190を透過し、偏
光ビームスプリッタ120、コリメータ13、1/4波
長板14を透過して円偏光の平行光束となる。この光束
は絞り17によって絞られ、対物レンズ20により第1
の光ディスク200の透明基板210を介して情報記録
面220に集光される。
【0046】そして情報記録面220で情報ビットによ
り変調されて反射した光束は、再び対物レンズ20、絞
り17、1/4波長板14、コリメータ13を透過し
て、偏光ビームスプリッタ120に入射し、ここで反射
してシリンドリカルレンズ18により非点収差が与えら
れ、光検出器300上へ入射し、その出力信号を用い
て、第1の光ディスク200に記録された情報の読み取
り信号が得られる。
【0047】また、光検出器300上でのスポットの形
状変化、位置変化による光量変化を検出して、合焦検出
やトラック検出を行う。この検出に基づいて2次元アク
チュエータ150が第1の半導体レーザ111からの光
束を第1の光ディスク200の記録面220上に結像す
るように対物レンズ20を移動させると共に、半導体レ
ーザ111からの光束を所定のトラックに結像するよう
に対物レンズ20を移動させる。
【0048】第2の光ディスクを再生する場合、第2の
半導体レーザ112からビームを出射し、出射された光
束は、光合成手段であるビームスプリッタ190で反射
され、上記第1半導体111からの光束と同様、偏光ビ
ームスプリッタ120、コリメータ13、1/4波長板
14、絞り17、対物レンズ20を介して第2の光ディ
スク200の透明基板210を介して情報記録面220
に集光される。
【0049】そして、情報記録面220で情報ピットに
より変調されて反射した光束は、再び対物レンズ20、
絞り17、1/4波長板14、コリメータ13、偏光ビ
ームスプリッタ120、シリンドリカルレンズ180を
介して、光検出器300上へ入射し、その出力信号を用
いて、第2の光ディスク200に記録された情報の読み
取り信号が得られる。
【0050】また、第1の光ディスクの場合と同様、光
検出器300上でのスポットの形状変化、位置変化によ
る光量変化を検出して、合焦検出やトラック検出を行
い、2次元アクチュエータ150により、合焦、トラッ
キングのために対物レンズ20を移動させる。
【0051】なお、半導体レーザ111,半導体レーザ
112をユニット化した2波長半導体レーザを使った光
学系や、半導体レーザ111,半導体レーザ112,光
検出器をユニット化した光源−検出器モジュールを使用
した光ピックアップ装置にも本対物レンズは適する。そ
の他当業者に知られた複数の光源を持ったピックアップ
光学系に適用することも可能である。
【0052】
【実施例】次に、DVDとCDとの互換可能な対物レン
ズの実施例1,2,3を説明する。実施例1,2が、図
1に相当するDVDとCDとの互換可能な対物レンズで
あり、実施例3が図5に相当するDVDとCDとの互換
可能な対物レンズであり、図5の段差部33,34が設
けられている。
【0053】〈実施例1〉
【0054】図1の対物レンズ20の第1面20aは、
開口数NAL1以下に相当する中央の領域(21)が屈
折非球面であり、開口数NAL1以上NAH1以下に相
当する周辺の領域(22)が回折面である。
【0055】回折面は開口数NAL1以上NA2以下に
相当する領域と、開口数NA2以上NAH1以下に相当
する領域とで、光路差関数および母非球面の係数が異な
る。前者の領域ではDVD,CD両方での球面収差をほ
ぼ無収差に補正し、後者の領域ではDVDでの球面収差
をほぼ無収差に補正しCDでの球面収差をフレア化して
いる。第2面は屈折非球面である。
【0056】回折面は回折レリーフをはずしたマクロ的
な形状を示す母非球面と、光路差函数とで表す。光路差
関数は基準波長の回折光に対し回折面によって付加され
る光路差をあらわすものとし、光路差関数の値がmλ
(mは回折次数)変わるごとに回折輪帯を設ける。
【0057】光路差関数Φ(h)は次式で表す。 Φ(h)=b0+b2*h2+b4*h4+b6*h6+・・・(mm) 但し、h:光軸からの距離、b0、b2、b4、b6、
・・・:光路差関数の係数である。
【0058】また、非球面は次式で表す。 x=(h2/r)/(1+√(1−(1+k)h2/r2))+A
0+A2h2+A4h4+A6h6+・・・ 但し、A0、A2,A4,A6,・・・:非球面係数、
k:円錐係数、r:近軸曲率半径であり、r、d、n、
はレンズの曲率半径、面間隔、屈折率を表す。
【0059】光源波長λ1=660nmのとき、焦点距
離f=3.20、像側開口数=0.65(必要開口数N
A1=0.65)である。
【0060】光源波長λ2=785nmのとき、焦点距
離f=3.22、像側開口数=0.65(必要開口数N
A2=0.50)である。
【0061】レンズデータは次の表1の通りである。
【0062】
【表1】 (DTM00364の表1と同じ)
【0063】また、この対物レンズの断面図を図3に示
し、その球面収差図をDVDの場合を図4(a)に、C
Dの場合を図4(b)に示す。
【0064】また、金型の回折輪帯に対応する金型面を
刃先半径4μmのバイトで加工し、1次回折光を用いた
ときの第1面における回折効率を次の表2に示す。
【0065】
【表2】 (DTM00364の表2と同じ)
【0066】比較例として、第1面を同様の仕様で全面
を回折面とした場合の回折効率は、DVD88%、CD
89%であり、この比較例の全面回折レンズと比較する
と、本実施例は回折効率が高く、光量をより利用可能で
あることが分かる。特に、DVDでは、ストレール比が
100%であり、レーザ利用効率が優れていることが分
かる。
【0067】また、9番目(i=)の回折輪帯のピッチ
piについて、pi=28μm、pi+1=41μm、pi+
1/pi=1.5であり、上述の式を満たす。
【0068】なお、0.50≦NA≦0.65の領域に
おいて2次回折光を用いると、表2の結果よりも更にD
VDの回折効率が高くなる。
【0069】〈実施例2〉
【0070】実施例2の対物レンズに関するレンズデー
タは次の表3の通りである。
【0071】
【表3】
【0072】実施例2の対物レンズの断面図は図3と同
様であり、DVDの場合の球面収差図は図4(a)と、
CDの場合は図4(b)と同様である。
【0073】〈実施例3〉
【0074】実施例3の対物レンズに関するレンズデー
タは次の表4の通りである。
【0075】
【表4】
【0076】実施例3の対物レンズの球面収差図をDV
Dの場合を図7(a)に、CDの場合を図7(b)に示
し、対物レンズの断面図は図3とほぼ同様である。
【0077】また、実施例3の対物レンズにおいて、図
5の間の段差部33の深さaに相当する段差の光軸方向
の寸法は、−1.38μmであり、段差部34の深さb
に相当する段差の光軸方向の寸法は、6.86μmであ
った。
【0078】なお、段差部の寸法(深さ)の符号は、そ
の境界部において外側の部分が内側の部分よりも像側
(光情報記録媒体側)に変位しているときを正とする。
また、各表では10のべき乗の表現にE(またはe)を
用いて、例えば、E−02(=10−2)のように表し
ている場合がある。
【0079】以上の実施例においては、対物レンズの1
つの面を3つの分割面(領域)に構成し、中間領域と外
側領域に回折構造を備えた分割面としたが、分割面数は
これに限定されることなく、更に3以上の分割面を設け
た構成としてもよく、例えば、回折構造を備えた中間領
域及び/または外側領域が更に複数の分割面に構成され
てもよく、また中心領域等の回折構造を備えていない屈
折面の領域が更に分割面に構成されていてもよい。
【0080】
【発明の効果】本発明の光ピックアップ装置用対物レン
ズ及びその対物レンズを備える光ピックアップ装置によ
れば、光源からの光量を十分に利用することができ、情
報記録媒体からの光の誤検出も生ぜず、製造コストの上
昇を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態の対物レンズの模式的な上半分の
断面図である。
【図2】図1の対物レンズを備える本実施の形態の光ピ
ックアップ装置の概略図である。
【図3】実施例1の対物レンズの断面図である。
【図4】実施例1の対物レンズに関するDVDの場合の
球面収差図(a)、及びCDの場合の球面収差図(b)
である。
【図5】本実施の形態の別の対物レンズの模式的な上半
分の断面図である。
【図6】図5の対物レンズに設けた段差部を拡大して示
す断面図である。
【図7】実施例3の対物レンズに関するDVDの場合の
球面収差図(a)、及びCDの場合の球面収差図(b)
である。
【図8】図1の対物レンズに関するDVDの場合の球面
収差を模式的に示す図である。
【符号の説明】
20、30 対物レンズ 20a、30a 第1面 21、31 屈折面 22、32 回折輪帯 32a 回折輪帯32の内側領域 32b 回折輪帯32の外側領域 33 屈折面31と回折輪帯32との境界
の段差部 34 内側領域32aと外側領域32bと
の境界の段差部 a 段差部33の光軸方向に平行な深さ b 段差部34の光軸方向に平行な深さ p 対物レンズ20,30の光軸 111 第1の半導体レーザ 112 第2の半導体レーザ 200 光ディスク(情報記録媒体) 300 光検出器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H087 KA13 LA01 PA01 PA17 PB01 QA02 QA07 QA14 QA34 RA05 RA12 RA13 RA47 5D119 AA40 AA43 JA44 JA46

Claims (33)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回折構造を備えない領域の外周側に回折
    構造を備えた領域をその最外周にまで設けたレンズ面を
    有し、 前記回折構造の少なくとも一部の領域は、最大の回折光
    量を発生する回折光の次数が互いに異なる少なくとも2
    つの波長(λ1,λ2)の光束に対して同一次数(但
    し、0次を除く)となる形状であることを特徴とする光
    ピックアップ装置用対物レンズ。
  2. 【請求項2】 前記レンズ面において光軸を含む領域に
    前記回折構造を備えない領域が形成されていることを特
    徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置用対物レ
    ンズ。
  3. 【請求項3】 前記同一次数が1次であることを特徴と
    する請求項1または2に記載の光ピックアップ装置用対
    物レンズ。
  4. 【請求項4】 前記回折構造を備えた領域と前記回折構
    造を備えない領域との境界において光軸方向に段差部が
    設けられ、前記段差部は、その段差部により前記境界で
    生じる光路差がλ1及びλ2のほぼ整数倍となるように
    設定された段差を有することを特徴とする請求項1,2
    または3に記載の光ピックアップ装置用対物レンズ。
  5. 【請求項5】 前記回折構造を備えた領域と前記回折構
    造を備えない領域との境界において光軸方向に段差部が
    設けられ、前記段差部が1μm以上10μm以下の光軸
    方向の段差を有することを特徴とする請求項1,2また
    は3に記載の光ピックアップ装置用対物レンズ。
  6. 【請求項6】 前記回折構造を備えた領域と前記回折構
    造を備えない領域との境界において光軸方向に段差部が
    設けられ、前記段差部は、その段差部により前記境界で
    生じる光路差がλ1及びλ2のほぼ整数倍となるように
    設定された段差を有し、前記段差が光軸方向に1μm以
    上10μm以下の寸法を有することを特徴とする請求項
    1,2または3に記載の光ピックアップ装置用対物レン
    ズ。
  7. 【請求項7】 前記回折構造を備えた領域を内側領域と
    外側領域に分割し、前記内側領域は前記同一次数が1次
    となる形状にし、前記外側領域は前記同一次数が2次以
    上の次数となる形状としたことを特徴とする請求項1乃
    至6のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置用対物
    レンズ。
  8. 【請求項8】 前記回折構造を備えた領域を内側領域と
    外側領域に分割し、前記内側領域と前記外側領域との境
    界において光軸方向に段差部が設けられ、前記段差部が
    1μm以上10μm以下の光軸方向の段差を有すること
    を特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の光
    ピックアップ装置用対物レンズ。
  9. 【請求項9】 前記回折構造を備えた領域を内側領域と
    外側領域に分割し、 前記内側領域は前記同一次数が1次となる形状にし、前
    記外側領域は前記同一次数が2次以上の次数となる形状
    とし、 前記内側領域と前記外側領域との境界において光軸方向
    に段差部が設けられ、前記段差部が1μm以上10μm
    以下の光軸方向の段差を有することを特徴とする請求項
    1乃至6のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置用
    対物レンズ。
  10. 【請求項10】 光ピックアップ装置用の対物レンズで
    あって、前記光ピックアップ装置が、波長λ1の第1の
    光源と、波長λ2(λ1<λ2)の第2の光源とを有
    し、 第1の光源は透明基板の厚さがt1の第1の光情報記録
    媒体に対する情報の再生または記録のために第1の光束
    を射出し、 第2の光源は透明基板の厚さがt2の第2の光情報記録
    媒体に対する情報の再生または記録のために第2の光束
    を射出し、 前記第1の光情報記録媒体を前記第1の光源で記録及び
    /または再生するために必要な前記対物レンズの光情報
    記録媒体側の必要開口数をNA1とし、 前記第2の光情報記録媒体を前記第2の光源で記録及び
    /または再生するために必要な前記対物レンズの光情報
    記録媒体側の必要開口数をNA2(NA2<NA1)と
    し、 前記対物レンズは少なくとも1つの面に、光軸に対して
    回転対称な回折構造を備えた領域を回折構造を備えない
    領域の外周側からその最外周まで備え、 前記第1の光情報記録媒体を前記第1の光源で記録及び
    /または再生するときに前記回折構造を備えた少なくと
    も1部の領域からのN次回折光(Nは0でない整数)を
    利用し、 前記第2の光情報記録媒体を前記第2の光源で記録及び
    /または再生するときに前記回折構造を備えた少なくと
    も1部の領域からのM次回折光(M=N)を利用し、 前記第1の光源からの光束の、前記回折構造を備えた領
    域の最も光軸から離れた円周からの最大の回折光量を発
    生する次数の回折光は、光情報記録媒体側の開口数がN
    AH1の光束に変換され、 前記第1の光源からの光束の、前記前記回折構造を備え
    た領域の最も光軸側の円周からの最大の回折光量を発生
    する次数の回折光は、光情報記録媒体側の開口数がNA
    L1の光束に変換される場合に、 NA1≦NAH1 (1/3)NA2<NAL1<NA2 を満たすことを特徴とする光ピックアップ装置用対物レ
    ンズ。
  11. 【請求項11】 前記NAH1及び前記NAL1が次の
    式を満たすことを特徴とする請求項10に記載の光ピッ
    クアップ装置用対物レンズ。 0.60≦NAH1 0.3≦NAL1<0.45
  12. 【請求項12】 前記必要開口数NA2よりも大きな範
    囲では前記第2の情報記録媒体に対する球面収差をフレ
    ア化させることを特徴とする請求項10または11に記
    載の光ピックアップ装置用対物レンズ。
  13. 【請求項13】 前記必要開口数NA2よりも大きな範
    囲では高次回折光を利用することを特徴とする請求項1
    0,11または12に記載の光ピックアップ装置用対物
    レンズ。
  14. 【請求項14】 前記回折構造を備えた領域と前記回折
    構造を備えない領域との境界において、前記第1の光源
    と前記第1の光情報記録媒体を用いて、前記波長λ1の
    光が前記厚さt1の透明基板を透過した波面の位相ずれ
    がλ1/10以下であることを特徴とする請求項10乃
    至13のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置用対
    物レンズ。
  15. 【請求項15】 前記回折構造を備えた領域が回折輪帯
    をもつ回折面であり、 前記回折面の光路差関数をφ(h)とするとき(hは光
    軸からの距離)、所定距離hの箇所でdφ(h)/dh
    が不連続または実質的に不連続な関数であることを特徴
    とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の光ピック
    アップ装置用対物レンズ。
  16. 【請求項16】 前記回折面の、光軸から周辺方向に数
    えて、あるi番目の回折輪帯が次式を満たすことを特徴
    とする請求項15に記載の光ピックアップ装置用対物レ
    ンズ。 1.2≦pi+1/pi≦10 ただし、 pi:光軸から周辺方向に数えてi番目の回折輪帯の、
    光軸に垂直な方向の幅
  17. 【請求項17】 透明基板の厚さがt1の第1の光情報
    記録媒体に対する情報の再生または記録のために波長λ
    1の第1の光束を射出する第1の光源と、 透明基板の厚さがt2の第2の光情報記録媒体に対する
    情報の再生または記録のために波長λ2(λ1<λ2)
    の第2の光束を射出する第2の光源と、 前記第1及び第2の情報記録媒体からの光を検出する光
    検出器と、 回折構造を備えない領域の外周側に回折構造を備えた領
    域をその最外周にまで設けたレンズ面を有し、前記回折
    構造の少なくとも一部の領域は、最大の回折光量を発生
    する回折光の次数が互いに異なる少なくとも2つの波長
    (λ1,λ2)の光束に対して同一次数(但し、0次を
    除く)となる形状である対物レンズと、を具備すること
    を特徴とする光ピックアップ装置。
  18. 【請求項18】 前記レンズ面において光軸を含む領域
    に前記回折構造を備えない領域が形成されていることを
    特徴とする請求項17に記載の光ピックアップ装置。
  19. 【請求項19】 前記同一次数が1次であることを特徴
    とする請求項17または18に記載の光ピックアップ装
    置。
  20. 【請求項20】 前記回折構造を備えた領域と前記回折
    構造を備えない領域との境界において光軸方向に段差部
    が設けられ、前記段差部は、その段差部により前記境界
    で生じる光路差がλ1及びλ2のほぼ整数倍となるよう
    に設定された段差を有することを特徴とする請求項1
    7,18または19に記載の光ピックアップ装置。
  21. 【請求項21】 前記回折構造を備えた領域と前記回折
    構造を備えない領域との境界において光軸方向に段差部
    が設けられ、前記段差部が1μm以上10μm以下の光
    軸方向の段差を有することを特徴とする請求項17,1
    8または19に記載の光ピックアップ装置。
  22. 【請求項22】 前記回折構造を備えた領域と前記回折
    構造を備えない領域との境界において光軸方向に段差部
    が設けられ、前記段差部は、その段差部により前記境界
    で生じる光路差がλ1及びλ2のほぼ整数倍となるよう
    に設定された段差を有し、前記段差が光軸方向に1μm
    以上10μm以下の寸法を有することを特徴とする請求
    項17,18または19に記載の光ピックアップ装置。
  23. 【請求項23】 前記前記回折構造を備えた領域を内側
    領域と外側領域に分割し、前記内側領域は前記同一次数
    が1次となる形状にし、前記外側領域は前記同一次数が
    2次以上の次数となる形状としたことを特徴とする請求
    項17乃至23のいずれか1項に記載の光ピックアップ
    装置。
  24. 【請求項24】 前記回折構造を備えた領域を内側領域
    と外側領域に分割し、前記内側領域と前記外側領域との
    境界において光軸方向に段差部が設けられ、この段差部
    が1μm以上10μm以下の光軸方向の段差を有するこ
    とを特徴とする請求項17乃至23のいずれか1項に記
    載の光ピックアップ装置。
  25. 【請求項25】 前記回折構造を備えた領域を内側領域
    と外側領域に分割し、 前記内側領域は前記同一次数が
    1次となる形状にし、前記外側領域は前記同一次数が2
    次以上の次数となる形状とし、 前記内側領域と前記外側領域との境界において光軸方向
    に段差部が設けられ、前記段差部が1μm以上10μm
    以下の光軸方向の段差を有することを特徴とする請求項
    17乃至23のいずれか1項に記載の光ピックアップ装
    置。
  26. 【請求項26】 透明基板の厚さがt1の第1の光情報
    記録媒体に対する情報の再生または記録のために波長λ
    1の第1の光束を射出する第1の光源と、 透明基板の厚さがt2の第2の光情報記録媒体に対する
    情報の再生または記録のために波長λ2(λ1<λ2)
    の第2の光束を射出する第2の光源と、 前記第1及び第2の情報記録媒体からの光を検出する光
    検出器と、 少なくとも1つの面に、光軸に対して回転対称な回折構
    造を備えた領域を回折構造を備えない領域の外周側から
    その最外周まで備える対物レンズと、を具備し、 前記第1の光情報記録媒体を前記第1の光源で記録及び
    /または再生するために必要な前記対物レンズの光情報
    記録媒体側の必要開口数をNA1とし、 前記第2の光情報記録媒体を前記第2の光源で記録及び
    /または再生するために必要な前記対物レンズの光情報
    記録媒体側の必要開口数をNA2(NA2<NA1)と
    し、 前記第1の光情報記録媒体を前記第1の光源で記録及び
    /または再生するときに前記回折構造を備えた少なくと
    も一部の領域からのN次回折光(Nは0でない整数)を
    利用し、 前記第2の光情報記録媒体を前記第2の光源で記録及び
    /または再生するときに前記回折構造を備えた少なくと
    も一部の領域からのM次回折光(M=N)を利用し、 前記第1の光源からの光束の、前記回折構造を備えた領
    域の最も光軸から離れた円周からの最大の回折光量を発
    生する次数の回折光は、光情報記録媒体側の開口数がN
    AH1の光束に変換され、 前記第1の光源からの光束の、前記前記回折構造を備え
    た領域の最も光軸側の円周からの最大の回折光量を発生
    する次数の回折光は、光情報記録媒体側の開口数がNA
    L1の光束に変換される場合に、 NA1<NAH1 (1/3)NA2<NAL1<NA2 を満たすことを特徴とする光ピックアップ装置。
  27. 【請求項27】 前記NAH1及び前記NAL1が次の
    式を満たすことを特徴とする請求項26に記載の光ピッ
    クアップ装置。 0.60≦NAH1 0.3≦NAL1<0.45
  28. 【請求項28】 前記必要開口数NA2よりも大きな範
    囲では前記第2の情報記録媒体に対する球面収差をフレ
    ア化させることを特徴とする請求項26または27に記
    載の光ピックアップ装置。
  29. 【請求項29】 前記必要開口数NA2よりも大きな範
    囲では高次回折光を利用することを特徴とする請求項2
    6,27または28に記載の光ピックアップ装置。
  30. 【請求項30】 前記回折構造を備えた領域と前記回折
    構造を備えない領域との境界において、前記第1の光源
    と前記第1の光情報記録媒体を用いて、前記波長λ1の
    光が前記厚さt1の透明基板を透過した波面の位相ずれ
    がλ1/10以下であることを特徴とする請求項26乃
    至29のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置
  31. 【請求項31】 前記回折構造を備えた領域が回折輪帯
    をもつ回折面であり、 前記回折面の光路差関数をφ(h)とするとき(hは光
    軸からの距離)、所定距離hの箇所でdφ(h)/dh
    が不連続または実質的に不連続な関数であることを特徴
    とする請求項117〜30のいずれか1項に記載の光ピ
    ックアップ装置。
  32. 【請求項32】 前記回折面の、光軸から周辺方向に数
    えて、あるi番目の回折輪帯が次式を満たすことを特徴
    とする請求項31に記載の光ピックアップ装置。 1.2≦pi+1/pi≦10 ただし、 pi:光軸から周辺方向に数えてi番目の回折輪帯の、
    光軸に垂直な方向の幅
  33. 【請求項33】 前記第1の光情報記録媒体がDVDで
    あり、前記第2の光情報記録媒体がCDであることを特
    徴とする請求項17〜32のいずれか1項に記載の光ピ
    ックアップ装置。
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