JP2001337171A - 画像記録媒体およびその製造方法 - Google Patents
画像記録媒体およびその製造方法Info
- Publication number
- JP2001337171A JP2001337171A JP2001051597A JP2001051597A JP2001337171A JP 2001337171 A JP2001337171 A JP 2001337171A JP 2001051597 A JP2001051597 A JP 2001051597A JP 2001051597 A JP2001051597 A JP 2001051597A JP 2001337171 A JP2001337171 A JP 2001337171A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- reading
- layer
- electrode
- recording medium
- charge
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Measurement Of Radiation (AREA)
- Solid State Image Pick-Up Elements (AREA)
Abstract
上にブロッキング層が製膜されてなる静電記録体におい
て、ブロッキング性能の悪化を防止する。 【解決手段】 支持体8上に電極層5を製膜した後
(A)、エッチングを行なってストライプ電極6を形成
する(B)。ストライプ電極6が形成された部材11
を、ブロッキング層7用の材料液70が充填された容器
40内に、エレメント6aの長手方向に沿って、液70
中に浸し引き上げるというディップ法を用いてブロッキ
ング層7を製膜する(C)。これにより、各エレメント
6aの上面および側面に亘って連続的にブロッキング層
7が形成され、ストライプ電極6からの暗電流注入を確
実に阻止できる。
Description
像として記録することのできる画像記録媒体に関するも
のである。
いて、被験者の受ける被爆線量の減少、診断性能の向上
などのために、X線に感応する光導電体(例えばセレン
Seを用いたものなど)を用いた画像記録媒体を使用し
て、X線により該画像記録媒体に静電潜像を記録し、そ
の後、該静電潜像を読み取るシステムが開示されている
(例えば、米国特許第4176275号,同第5268569号,同第
5354982号,同第4535468号、"23027 Method and devisc
e for recording and transducing an electromagnetic
energy pattern";Reserch Disclosure June 1983、特
開平9-5906号、米国特許第4961209号、"X-ray imaging
using amorphous selenium";Med Phys.22(12)など)。
8号には、比較的厚い2mm厚のAlなどからなり、記録
用の電磁波(以下記録光ともいう)としての放射線に対
して透過性を有する導電性基板としての記録光側電極層
上に、a−Se(アモルファスセレン)を主成分とする
100〜500μm厚の記録用光導電層と、0.01〜
10.0μm厚のAsS4,As2S3,As2Se3
などからなり記録用光導電層内で発生した潜像極性電荷
がトラップとして蓄積される中間層(トラップ層)と、
a−Seを主成分とする0.5〜100μm厚の読取用
光導電層と、100nm厚のAuやITO(Indium Tin
Oxide)からなり読取用の電磁波(以下読取光ともい
う)に対して透過性を有する読取光側電極層とを、この
順に積層してなる画像記録媒体が開示されている。ま
た、特に、読取光側電極層を正極として用いることが良
好なa−Seの正孔の移動度を利用することができる点
で好適であることや、電極からの電荷の直接注入による
S/N劣化を防止するために、読取光側電極層と読取用
光導電層との間に有機物からなるブロッキング層を設け
ることが開示されている。つまり、この画像記録媒体
は、高い暗抵抗を有する読取りの応答速度が優れた多層
記録媒体であり、全体としてはa−Seを主成分とする
層から構成されている。
は並列読取り(主に主走査方向)を行なって読出時間の
短縮を図るために、読取光側電極層の電極を、多数のエ
レメント(線状電極)が画素ピッチで配列してなるスト
ライプ電極とすることがある(例えば、本願出願人によ
る特願平10-232824号)。しかしながら、上記米国特許
第4535468号に記載の画像記録媒体の積層構成では、製
造の最終工程において、読取用光導電層を成膜した後に
読取光側電極層を形成しなければならず、前記ストライ
プ電極を形成することは困難である。これは、ストライ
プ電極の形成のために電極の微細加工を行なうには、半
導体製造で用いられるフォトエッチングを行なう必要が
あるが、この工程中には、フォトレジストのべーキング
工程などの高温(例えば200℃)プロセスを通常必要
とし、既に製膜された光導電層をなすa−Seはこのよ
うな高温に耐えられず、その特性が悪化するからであ
る。
られるアルカリ現像液とa−Seとは接触して有害なガ
スを出すので、その除害のために工程が複雑化、高コス
ト化する問題も生じる。
において、Sn02(ネサ被膜)からなり、記録光とし
ての放射線に対して透過性を有する記録光側電極層と、
a−Seを主成分とする50〜1000μm厚の記録用
光導電層と、有機物あるいは塩素(Cl)を10〜20
0ppmドープしたa−Seなどからなり記録用光導電
層で発生した潜像極性電荷を蓄積する蓄電部を前記記録
用光導電層との界面に形成するための電荷輸送層と、a
−Seを主成分とする読取用光導電層と、読取光に対し
て透過性を有する読取光側電極層とを、この順に配して
なる画像記録媒体(静電記録体)を提案している。
記録光側電極層から順に製膜するのか、逆に読取光側電
極層から順に製膜するのかは、特に明言しておらず、い
ずれの順に製膜してもよかった。ただし、読取光側電極
層としては、支持体としての透明ガラス基板にネサ被膜
などの導電性物質を設けたものを提案し、該読取光側電
極層を正極として使用すると共に高精細な「画素ピッチ
に対応するクシ歯のピッチ」で「半導体形成技術によっ
てクシ歯を十分に狭い間隔でもって形成する」こと、す
なわち読取光側電極層の電極を画素ピッチで分割された
ストライプ電極とすることを提案しており、この場合に
は、最初に透明ガラス基板上にストライプ電極をフォト
エッチングなどにより形成した後、読取用光導電層〜記
録光側電極層を順次製膜することになる。なお、画素ピ
ッチの具体的数値は直接には示していないが、医療用X
線撮影において高い鮮鋭度を維持しつつ高S/Nを可能
ならしめるものであることから、該画素ピッチとして5
0〜200μmが用いられることは当業者には想到可能
である。
は、上記米国特許第4535468号に記載のものと同様に、
読取光側電極層と読取用光導電層との間にCe02など
の無機物からなる500Å程度のブロッキング層を設け
ることにより、読取光側電極層に帯電した正電荷の直接
注入によるS/N劣化を防止することも提案している。
824号に提案した画像記録媒体についてのその後の検討
により、さらに以下の点を見い出した。 1)製造の際には、読取光側電極層として、透明ガラス
基板上に、比較的薄い、50〜200nm厚のITO膜
を成膜した後、フォトエッチングによりストライプ電極
を形成する方法が、安価に高精細なストライプパターン
を形成することができるため適している。 2)記録用光導電層を50〜1000μm厚のa−Se
とすることが、高い暗抵抗の点で優れている。 3)電荷輸送層としては、電子を帯電して蓄電部を形成
する薄い有機物からなる0.1〜1μm厚の第1正孔輸
送層と、正孔を高速に輸送しかつ正孔トラップの少ない
「Clを10〜200ppmドープしたa−Se」から
なる5〜30μm厚の第2正孔輸送層との、2つの層を
積層した積層型正孔輸送層が、残像および読取りの応答
速度の点で優れている。 4)読取用光導電層を0.05〜0.5μm厚のa−S
eとすることが、高い暗抵抗の点で優れている。 5)電荷輸送層を、PVKやTPDからなる0.1〜1
μm厚の第1電荷輸送層と、Clを10〜200ppm
ドープした5〜30μm厚のa−Seを主成分とする第
2電荷輸送層とからなる積層型正孔輸送層とすると、第
1電荷輸送層に潜像極性電荷に対して強い絶縁性を、第
2電荷輸送層に輸送極性電荷の高速輸送性をそれぞれ受
け持たせることができるので、残像および読取りの応答
速度の点で優れた、電荷輸送層として理想的なものにす
ることができるが、前記第2正孔輪送層を、5〜30μ
m厚のa−Seで置き換えて、読取用光導電層を兼ねる
構成としても比較的良好な結果が得られ、製造が簡便と
なる。
に記載の画像記録媒体は、高い暗抵抗を有し読取りの応
答速度が優れた多層記録媒体であり、全体としてはa−
Seを主成分とする層から構成されていることが望まし
い。
32824号に記載の画像記録媒体よりもより一層その性能
を高めることを可能ならしめる画像記録媒体を特開2000
-284056にて提案している。特開2000-284056に記載の画
像記録媒体は記録用光導電層と読取用光導電層との間に
形成される蓄電部に蓄積された潜像電荷の量に応じたレ
ベルの電気信号を出力させるための導電部材が読取光側
電極層内ないし記録光側電極層と読取光側電極層との間
に設けられているものである。
てもよいが、記録時における潜像形成(潜像電荷の移動
・蓄積)プロセス、或いは読取時における潜像電荷と、
該潜像電荷と逆極性の電荷すなわち輸送電荷との電荷再
結合プロセスに影響を与えない形状とするのが望まし
い。例えば、導電部材を記録用光導電層内や、記録用光
電層の、読取用光導電層側の面に設ける場合には、記録
用光導電層内で発生した潜像電荷が蓄電部まで移動する
のに邪魔にならない形状であることが望まれる。また、
読取用光導電層内や、電荷輸送層若しくはトラップ層内
に設ける場合には、読取用光導電層内で発生した輸送電
荷が蓄電部まで移動するのに邪魔にならない形状である
ことが望まれる。このためには、例えば、丸や角等任意
の形状の穴を画素に対応させて設けたり、画素の並び方
向に連続する長穴を設ける等するとよい。
用光導電層内に配設する場合には、記録用の放射線また
は該放射線の励起により発せられる光に対して透過性を
有するものとし、放射線等が記録用光導電層内に十分に
入射することができるようにして、光導電層内における
電荷発生プロセスに影響を与えないようにするのが望ま
しい。
ら成るストライプ電極であり、上記導電部材を読取光側
電極層内に設けるものとしては、この導電部材を多数の
線状電極からなるストライプ状のサブ電極とし、読取光
側電極層内において上記ストライプ電極と上記サブ電極
とが略平行に交互に配置されるように構成する画像記録
媒体が提案されている。さらに、1画素ラインを構成す
る線状電極を1または複数の上記ストライプ電極および
サブ電極からなる画像記録媒体や、複数の上記ストライ
プ電極およびサブ電極からなるものとした場合には、上
記特願平 10-232824号に記載の画像記録媒体におけるス
トライプ電極よりも幅の狭いストライプ電極から構成さ
れる画像記録媒体が提案されている。
層の電極をストライプ電極としつつブロッキング層を設
ける場合、通常、透明酸化被膜(例えば薄膜ITO)を
形成した後に、エッチングにより画素ピッチで配列され
た各エレメントを形成し、さらにCeO2を抵抗加熱真
空蒸着により積層してブロッキング層を製膜することに
なる。
で面段差が生じるため、ブロッキング膜がエレメントの
長手方向の側面をカバーしきれず、エレメントの側面か
らの暗電流注入によってブロッキング性能が悪化し、S
/Nが低下するという問題を生じる。
長手方向の抵抗(線抵抗)を小さくするために比較的厚
くする(例えば2000Å程度)ことがあるが、該エレ
メントが厚ければ厚いほど、上記面段差が大きくなるた
め前記ブロッキング性能の悪化が顕著になる。
極と上記ストライプ状のサブ電極を略平行に交互に配置
する構成とする場合には、ストライプ状のサブ電極から
も暗電流ノイズが生じ、この暗電流ノイズが蓄電部に蓄
積されオフセットノイズとなりS/Nの劣化の原因とな
るため、上記サブ電極にもブロックキング層を設ける必
要がある。さらに、この場合においても上記同様電極と
透明ガラス基板との面段差によるブロッキング性能の悪
化が生じるが、ストライプ電極およびサブ電極の幅が狭
くなりファインピッチとなるため、その悪化は顕著なも
のとなる。また、サブ電極には読取光に対して遮光性を
もたせる必要があるため、その製造上ある程度の厚みを
持つ場合があり、その厚さがストライプ電極よりも厚く
なる場合(例えば、ストライプ電極が0.1μm、サブ
電極が1μm程度になる場合)には上記段差によるブロ
ッキング性能の悪化はさらに顕著なものとなる。
あり、支持体上にストライプ電極を形成してその上にブ
ロッキング層を製膜する場合においても上記段差による
ブロッキング性能の悪化が生じることなく、また、上記
ストライプ電極およびサブ電極を略平行に交互に形成し
てその上にブロッキング層を製膜する場合においても、
サブ電極からの暗電流ノイズの発生によるS/Nの劣化
を防止し且つ上記段差によるブロッキング性能の悪化が
生じることのない画像記録媒体およびその製造方法を提
供することを目的とするものである。
媒体は、読取用の電磁波に対して透過性を有する支持体
上に、多数の線状電極を、その長手方向と直交する方向
に配列してなるストライプ電極が形成された、読取用の
電磁波に対して透過性を有する第1電極層(読取光側電
極層)と、読取用の電磁波の照射を受けることにより導
電性を呈する読取用光導電層と、潜像極性電荷を蓄積す
る蓄電部と、記録用の電磁波の照射を受けることにより
潜像極性電荷を発生して導電性を呈する記録用光導電層
と、記録用の電磁波に対し透過性を有する第2電極層
(記録光側電極層)とがこの順に積層されてなる画像記
録媒体において、読取用光導電層と第1電極層との間
に、読取用の電磁波に対して透過性を有し且つ各線状電
極からの電荷注入に対しブロッキング性能を有するブロ
ッキング層が、各線状電極の上面および側面に亘って連
続的に設けられていることを特徴とするものである。
味する。また「側面」とは、線状電極の長手方向に延び
る2つの側面を意味する。これにより、各線状電極の表
面全てがブロッキング層で覆われることとなる。
述のように、各線状電極の表面全てをブロッキング層で
覆えば足りるが、製造上の観点からは、各線状電極間の
支持体の上面にもブロッキング層が形成されていてもよ
く、この場合、線状電極の上面および側面と支持体の上
面に亘って連続的にブロッキング層が設けられることと
なる。
上記の順番で積層されていればよく、例えば、後述する
電荷輸送層などの他の層が上記各層の間に積層されてい
てもよい。
電磁波に対して透過性を有する支持体に、読取用の電磁
波の照射に対して読取用光導電層における光電荷対発生
用の多数の線状電極からなる第1ストライプ電極と前記
電磁波の照射に対して読取用光導電層における光電荷対
非発生用の多数の線状電極からなる第2ストライプ電極
とを略平行に交互に配列してなる第1電極層と、読取用
の電磁波の照射を受けることにより導電性を呈する読取
用光導電層と、潜像極性電荷を蓄積する蓄電部と、記録
用の電磁波の照射を受けることにより潜像極性電荷を発
生する記録用光導電層と、記録用の電磁波に対し透過性
を有する第2電極層とがこの順に積層されてなる画像記
録媒体において、読取用光導電層と第1電極層との間
に、読取用の電磁波に対して透過性を有し且つ各線状電
極からの電荷注入に対しブロッキング性能を有するブロ
ッキング層が設けられていることを特徴とするものであ
る。
電極からなる第1ストライプ電極」とは読取用の電磁波
を透過させ読取用光導電層に電荷対を発生せしめる電極
であり、上記「電荷対非発生用の多数の線状電極からな
る第2ストライプ電極」とは読取用の電磁波を遮断して
読取用光導電層に電荷対を発生させない電極であるが、
完全に遮断して全く電荷対を発生させないものに限ら
ず、その電磁波に対する多少の透過性は有していてもそ
れにより発生する電荷対が実質的に問題とならない程度
の電極も含むものとする。従って、読取用光導電層に発
生する電荷対は全て第1ストライプ電極を透過した電磁
波のみによるものとは限らず、第2ストライプ電極を僅
かに透過した電磁波によっても読取用光導電層において
電荷対が発生しうるものとする。
キング層」は、各線状電極の上面を覆うものであっても
よいし、あるいは上記第1の画像記録媒体と同様に各線
状電極の表面(上面および側面)全てを覆うものであっ
てもよい。また、各線状電極間の支持体の上面にもブロ
ッキング層が形成されていてもよい。また、各線状電極
の上面のブロッキング層と側面のブロッキング層の材質
は特に同じものである必要はなくブロッキング性能を有
するものであれば如何なるものでもよい。従って、例え
ば、各線状電極の上面を所定の材料でブロッキングし、
各線状電極の側面をこれとは異なる材料でブロッキング
するようにしてもよい。なお、第1の画像記録媒体にお
いても同様に各線状電極の上面のブロッキング層と側面
のブロッキング層の材質が異なるものであってもよい。
上記の順番で積層されていればよく、例えば、後述する
電荷輸送層などの他の層が上記各層の間に積層されてい
てもよい。
媒体におけるブロッキング層は、ブロッキング性能を有
することに加えて、第1電極層と読取用光導電層の熱膨
張率差による熱ストレスを和らげる緩衝性や、第1電極
層と読取用光導電層と間での界面結晶化を抑制する機能
を有すると共に、第1電極層と読取用光導電層を密着強
化する層であることが好ましい。
媒体におけるブロッキング層を形成するブロッキング層
形成材料としては、具体的には、ポリアミド、ポリイミ
ド、ポリエステル、ポリビニルブチラール、ポリビニル
ピロリドン、ポリウレタン、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリカーボネートなどの絶縁性有機ポリマー材料、
あるいは有機バインダーと低分子有機材料からなる混合
膜などの透明且つブロッキング性能が良好で弾力性を有
する有機薄膜材料とするのが望ましい。
5μm程度にするとよいが、熱ストレス緩衝の点では
0.1〜5μmの範囲が好ましい一方、残像のない良好
なブロッキング性能のためには0.05〜0.5μmの
範囲が好ましく、両者のバランスの上では0.1〜0.
5μmの範囲とするのが望ましい。
び第2の画像記録媒体を製造する方法であり、ブロッキ
ング層を、線状電極の長手方向にブロッキング層形成材
料を塗布することにより形成することを特徴とするもの
である。
際しては、ガラスや有機ポリマーなどの支持体上にスト
ライプ電極を形成した後に、例えばディップ法、スプレ
ー法、バーコーティング法、スクリーンコーティング法
などを用いて前記ブロッキング層形成材料の塗布を行な
うとよい。特に、ディップ法は、溶剤中にストライプ電
極が形成された支持体を含浸し引き上げるという操作を
繰り返すだけでよく、大サイズものを比較的簡単に製造
できる。
ロッキング層が線状電極の上面および側面に亘って連続
的に形成されているので、各線状電極の読取用光導電層
側をブロッキング層で完全に覆うことができ、読取光入
射側の第1電極層からの暗電流注入を確実に阻止でき
る。
用光導電層と第1電極層との間にブロッキング層を設け
るようにしたので、第1ストライプ電極だけでなく第2
ストライプ電極(サブ電極)から読取光用光導電層への
暗電流注入をも防止することができる。
いて、ブロッキング層を、絶縁性有機ポリマー材料、あ
るいは有機バインダーと低分子有機材料からなる混合膜
などの有機薄膜で形成することとすれば、前記有機ポリ
マー材料などを線状電極の長手方向に塗布するという簡
単な製膜方法を用いて、各線状電極の表面全てを確実に
カバーする薄膜で形成することができる。
造方法によれば、ブロッキング層材料を線状電極の長手
方向に塗布してブロッキング層を形成するので、ブロッ
キング層の膜厚ムラが生じる領域が線状電極の長手方向
の両端部のみとすることができる。従って、この領域は
通常非画像領域となるためその悪影響を受けることを回
避できる。特に、第2の画像記録媒体の製造方法によれ
ば、より線状電極の幅が狭い、また、第1のストライプ
電極と第2のストライプ電極の厚さが大きく異なってそ
の段差が大きい画像記録媒体に対しても、各線状電極の
表面全てを覆うブロッキング層を容易に形成することが
できる。
施の形態について説明する。図1は本発明の画像記録媒
体の一態様である静電記録体の第1の実施の形態の概略
を示す斜視図(A)およびその一部の断面図(B)であ
る。図2は該静電記録体の製造方法の一例を、途中段階
まで示した図である。
は、記録光(例えばX線などの放射線)に対して透過性
を有する記録光側電極層1、この記録光側電極層1を透
過した記録光の照射を受けることにより導電性を呈する
記録用光導電層2、記録光側電極層1に帯電される電荷
(潜像極性電荷)に対しては略絶縁体として作用し、か
つ、該潜像極性電荷と逆極性の電荷(輸送極性電荷)に
対しては略導電体として作用する電荷輸送層3、読取光
(例えば波長550nm以下の青色域光)の照射を受け
ることにより導電性を呈する読取用光導電層4、ブロッ
キング層7、読取光に対して透過性を有する読取光側電
極層5、読取光に対して透過性を有する支持体8を、こ
の順に配列してなるものである。記録用光導電層2と電
荷輸送層3との界面に、記録用光導電層2内で発生した
潜像極性電荷を蓄積する蓄電部23が形成される。な
お、以下の各実施の形態は、記録光側電極層1に負電荷
を、読取光側電極層5に正電荷を帯電させて、記録用光
導電層2と電荷輸送層3との界面に形成される蓄電部2
3に潜像極性電荷としての負電荷を蓄積せしめると共
に、電荷輸送層3を、潜像極性電荷としての負電荷の移
動度よりも、その逆極性となる輸送極性電荷としての正
電荷の移動度の方が大きい、いわゆる正孔輸送層として
機能させる静電記録体である。
述した順序とは逆に、支持体8の上に読取光側電極層5
を製膜(積層)し、その後、順次、ブロッキング層7、
読取用光導電層4、電荷輸送層3、記録用光導電層2、
記録光側電極層1を製膜(積層)する。
積)は、例えば20×20cm以上、特に胸部X線撮影
用の場合には有効サイズ43×43cm程度とする。
あることに加えて、環境の温度変化に対して変形可能で
あり、また支持体8の熱膨張率が読取用光導電層4の物
質の熱膨張率の数分の1〜数倍以内、好ましくは両者の
熱膨張率が比較的近い物質を使用する。後述するよう
に、本実施形態では読取用光導電層4としてa−Se
(アモルファスセレン)を使用するので、Seの熱膨張
率が3.68×10−5/K(40℃)であることを考
慮して、熱膨張率が1.0〜10.0×10−5/K
(40℃)、より好ましくは1.2〜6.2×10−5
/K(40℃)、さらに好ましくは、2.2〜5.2×
10−5/K(40℃)である物質を使用する。変形可
能であり、また熱膨張率がこの範囲の物質としては、有
機ポリマー材料を使用することができる。
熱膨張率が7.0×10−5/K(40℃)のポリカー
ボネートや、熱膨張率が5.0×10−5/K(40
℃)のポリメチルメタクリレート(PMMA)などを使
用することができる。
取用光導電層4(Se膜)との熱膨張のマッチングがと
れ、特別な環境下、例えば寒冷気候条件下での船舶輸送
中などにおいて、大きな温度サイクルを受けても、支持
体8と読取用光導電層4との界面で熱ストレスが生じ、
両者が物理的に剥離する、読取用光導電層4(Se膜)
が破れる、あるいは支持体8が割れるなど、熱膨張差に
よる破壊の問題が生じることがない。さらに、ガラス基
板に比べて有機ポリマー材料は衝撃に強いというメリッ
トがある。
を緩衝層としても機能させることができるので、ガラ
ス、例えば、熱膨張率が0.378×10−5/K(4
0℃)で、1.1mm厚のコーニング1737を支持体
8として用いることもできる。
としては、それぞれ記録光あるいは読取光に対して透過
性を有するものであればよく、例えば、共に、ネサ皮膜
(SnO2)、ITO(Indium Tin Oxide)、あるいは
エッチングのし易いアモルファス状光透過性酸化膜であ
るIDIXO(Idemitsu Indium X-metal Oxide ;出光
興産(株))などを、例えば50〜200nm厚にして
用いることができる。
側電極層1側から該X線を照射して画像を記録する場
合、可視光に対する透過性が不要であるから、記録光側
電極層1は、例えば100nm厚のAlやAuなどを用
いることもできる。
エレメント(線状電極)6aを画素ピッチで配列してな
るストライプ電極6としている。この場合、各エレメン
トの間に絶縁物が配されることなく、次の層であるブロ
ッキング層7が直ちに積層されており、ストライプ電極
6のみで読取光側電極層5が構成される。
イプ電極6とする目的は、後述するように、ストラクチ
ャノイズの補正を簡便にしたり、容量を低減することに
より画像のS/Nを向上させたり、静電潜像をストライ
プ電極に対応して局在化させることにより電界強度を高
め読取りの効率を向上させS/Nを向上させたり、並列
読取り(主に主走査方向)を行なって読出時間の短縮を
図るなどである。
を受けることにより導電性を呈するものであればよく、
例えば、a−Se,PbO,PbI2などの酸化鉛(I
I)やヨウ化鉛(II),Bi12(Ge,Si)
O20,Bi2I3/有機ポリマーナノコンポジットな
どのうち少なくとも1つを主成分とする光導電性物質が
適当であり、中でも、放射線に対して比較的量子効率が
高く、また暗抵抗が高いなどの点で、a−Seが優れて
いるので、a−Seを使用する。
層2の厚さは、記録光を十分に吸収できるようにするに
は、50μm以上1000μm以下であるのが好まし
い。
に帯電される負電荷の移動度と、その逆極性となる正電
荷の移動度の差が大きい程良く(例えば102以上、望
ましくは103以上)、ポリN−ビニルカルバゾール
(PVK)、N,N'−ジフェニル−N,N'−ビス(3−メチ
ルフェニル)−〔1,1'−ビフェニル〕−4,4'−ジアミン
(TPD)やディスコティック液晶などの有機系化合
物、或いはTPDのポリマー(ポリカーボネート、ポリ
スチレン、PUK)分散物,Clを10〜200−pp
mドープしたa−Seなどの半導体物質が適当である。
特に、有機系化合物(PVK,TPD、ディスコティッ
ク液晶など)は光不感性を有するため好ましく、また、
誘電率が一般に小さいため電荷輸送層3と読取用光導電
層4の容量が小さくなり読取時の信号取り出し効率を大
きくすることができる。なお、「光不感性を有する」と
は、記録光や読取光の照射を受けても殆ど導電性を呈す
るものでないことを意味する。
動度を膜厚水平方向の電荷移動度よりも大きいものを使
用すれば、輸送極性電荷が厚み方向には高速で移動でき
横方向には移動しにくい電荷輸送層とすることができる
ので、鮮鋭度を向上させることができる。具体的な材料
としては、ディスコティック液晶,ヘキサペンチロキシ
トリフェニレン(hexapentyloxytriphenylene(Physica
l Review LETTERS 70.4,1933参照)),中心部コアがπ
共役縮合環あるいは遷移金属を含有するディスコティッ
ク液晶群(EKISHO VOL No.1 1997 P55参照)などが好適
である。
層2に帯電される電荷すなわち潜像極性電荷と同極性の
電荷に対しては略絶縁体として作用する性質を有する材
料からなる第1電荷輸送層と、潜像極性電荷と逆極性の
電荷すなわち輸送極性電荷に対して略導電体として作用
する性質を有する材料からなる第2電荷輸送層とを少な
くとも含み、第1電荷輸送層が記録用光導電層2側とな
り第2電荷輸送層が読取用光導電層4側となるように積
層した積層型正孔輸送層とすれば、第2電荷輸送層に輸
送極性電荷の高速輸送性を受け持たせ、第1電荷輸送層
に潜像極性電荷に対して強い絶縁性を受け持たせること
ができるので、残像および読取りの応答速度の点で優れ
た、電荷輸送層として理想的なものにすることができ
る。具体的には、第2電荷輸送層の方が第1電荷輸送層
よりも膜厚が厚くなるように、第1電荷輸送層を有機物
であるPVKあるいはTPDのうち少なくとも一方から
なる0.1〜1μm厚の層とし、第2電荷輸送層をCl
が10〜200ppmドープされた5〜30μm厚のa
−Se層とすればよい。
層を比較すると、PVKからなる層は、潜像極性電荷
(上記例では負極性)と同極性の電荷に対しては略絶縁
体として作用する性質がTPDからなる層より強く、T
PDからなる層は、輸送極性電荷(上記例では正極性)
に対して略導電体として作用する性質がPVKからなる
層より強いので、TPDからなる層とPVKからなる層
とを、TPDからなる層が読取用光導電層側となりPV
Kからなる層が記録用光導電層側となるように積層した
電荷輸送層としてもよい。
なるものとしてもよいが、この場合に各層を積層する際
には、各層の上記各性質を夫々比較したときに、潜像極
性電荷と同極性の電荷に対しては略絶縁体として作用す
る性質が比較的強い層が記録用光導電層側となり、輸送
極性電荷に対して略導電体として作用する性質が比較的
強い層が読取用光導電層側となるように積層すればよ
い。
を受けることにより導電性を呈するものであればよく、
例えば、a−Se,Se−Te,Se−As−Te,無
金属フタロシアニン,金属フタロシアニン,MgPc
(Magnesium phtalocyanine),VoPc(phaseII of
Vanadyl phthalocyanine),CuPc(Cupper phtaloc
yanine)などのうち少なくとも1つを主成分とする光導
電性物質が好適である。
〜550nm)の電磁波に対して高い感度を有し、赤の
領域の波長(700nm以上)の電磁波に対して低い感
度を有するもの、具体的には、a−Se,PbI2 ,
Bi12(Ge,Si)O2 0,ペリレンビスイミド
(R=n−プロピル),ペリレンビスイミド(R=n−
ネオペンチル)のうち少なくとも1つを主成分とする光
導電性物質を使用すれば、バンドギャップが大きく熱に
よる暗電流の発生が小さい読取用光導電層4にすること
ができるので、読取時に、近紫外から青の領域の波長の
電磁波を走査露光するようにすれば、暗電流によるノイ
ズを小さくすることができる。
厚さの合計は記録用光導電層2の厚さの1/2以下であ
ることが望ましく、薄ければ薄いほど(例えば、1/1
0以下、さらには1/20以下など)読取時の応答性が
向上する。
とすれば、暗抵抗が非常に高くなるので好ましい。以上
のことから、本実施形態では、読取用光導電層4をa−
Seを主成分とする0.05〜0.5μm厚の層とす
る。
〜200ppmドープしたa−Se」からなる5〜30
μm厚の第2正孔輪送層を、5〜30μm厚のa−Se
で置き換え、読取用光導電層4を兼ねる構成とすること
もできる。また、この構成の場合、静電記録体10の製
造が比較的簡便となる。
用光導電層4との間には、読取光に対して透過性を有
し、且つ読取光側電極層5の電極からの電荷注入に対し
ブロッキング性能を有する(障壁電位を有する)、有機
薄膜からなるブロッキング層7が設けられている。この
ブロッキング層7が設けられていない場合には、読取光
側電極層5(の電極)に帯電した電荷(本例においては
正電荷)の一部には読取用光導電層4に直接注入される
ものが存在し、読取用光導電層4に直接注入された正電
荷が電荷輸送層3内を移動し、蓄積電荷(潜像極性電
荷)と電荷再結合して蓄積電荷を消滅せしめるようにな
る。この電荷再結合による蓄積電荷の消滅は、読取光の
照射により生ずるものではないため、いわゆるノイズ成
分となるものである。一方、ブロッキング層7が設けら
れている場合には、読取光側電極層5に帯電した正電荷
が、障壁電位のため読取用光導電層4に注入されるよう
なことがなくなり、正電荷の直接注入によるノイズの発
生を防止できるようになる。
ァス状態のセレン膜は、製膜時の蒸着過程において、他
の金属との界面において界面結晶化(interfacial crys
tallization) が進行する。本発明の静電記録体10
も、支持体8上に読取光側電極層5を製膜した後に読取
用光導電層4を製膜するので、読取用光導電層4の蒸着
およびその後に続く電荷輸送層3、記録用光導電層2な
どの蒸着過程において、電極材料とa−Seとの界面に
おいて界面結晶化が進行し、電極からの電荷注入が増え
るためにS/Nが低下するという問題が生じる。電極材
料として、透明酸化被膜、特にITOを用いた場合に
は、電極材料とa−Seの界面での界面結晶化が顕著に
進行し、S/N低下が著しくなる。ところが、本発明の
静電記録体10には、読取光側電極層5と読取用光導電
層4との間に有機薄膜からなるブロッキング層7が設け
られているので、該ブロッキング層7を、a−Seの界
面結晶化を抑制する抑制層として機能させることがで
き、読取光側電極層5の電極材料と読取用光導電層4の
a−Seとの直接接触を妨げることができ、界面におけ
るSeの化学変化を防止し、界面結晶化を防ぐ効果が得
られる。したがって、電極からの電荷注入が増えること
がなく、界面結晶化によるS/N低下の問題を解消でき
る。
グ層7として、弾力性のある材質のものを用い、該ブロ
ッキング層7を、支持体8と読取用光導電層4との間の
熱ストレスを和らげる(以下熱ストレス緩衝という)緩
衝層としても機能させることとする。なお、このブロッ
キング層7は、読取用光導電層4と読取光側電極層5と
を密着強化する層としても機能させるのが好ましい。
を持たせると、読取用光導電層4と支持体8との間の熱
膨張差による熱ストレスを該ブロッキング層7の機械的
ストレスの緩衝作用によって和らげることができるの
で、支持体8としては、読取用光導電層4の熱膨張率を
考慮することなく、その材質を選択できる。例えば、ガ
ラスなどを用いた場合でも、支持体8としてのガラス基
板と読取用光導電層4としてのSe膜との熱膨張のミス
マッチングを緩和する熱ストレス緩衝効果が生じ、特別
な環境下においても、熱膨張差による破壊の問題が生じ
ることがない。
を和らげる緩衝層としても機能させるには、例えば、弾
力性に富んだ有機薄膜の層とすることが好ましい。この
有機薄膜としては、例えば米国特許第 4,535,468号に示
されているポリアミド( polyamide)やポリイミド( p
olyimide)、あるいは、ポリエステル、ポリビニルブチ
ラール、ポリビニルピロリドン、ポリウレタン、ポリメ
チルメタクリレート、ポリカーボネートなどの、読取光
(例えば青光)に透明であり、且つ正孔ブロッキング性
能の良好な、絶縁性有機ポリマーの薄膜を使用すること
ができる。また、有機バインダーと、約0.3パーセン
ト〜3パーセント重量比(by weight)のニグロシン(n
igrosine) などの低分子有機材料からなる混合膜の薄
層を使用することもできる。
程度にするとよいが、熱ストレス緩衝の点では0.1〜
5μmの範囲が好ましい一方、残像のない良好なブロッ
キング性能のためには0.05〜0.5μmの範囲が好
ましく、両者のバランスの上では0.1〜0.5μmの
範囲とするとよい。
ず、支持体8の上に、ITO、あるいはエッチングのし
易いIDIXOなどの透明酸化被膜を所定の厚さ(例え
ば200nm程度)となるように製膜して読取光側電極
層5を形成する(図2(A)参照)。
トエッチングなどの処理を行なって、エレメント6aを
形成してストライプ電極6とする(図2(B)参照)。
この方法によれば、例えば、医療用途として好適な、画
素ピッチ50〜200μm程度の、高精細なストライプ
パターンを安価に形成することができる。
あり、エレメント6aをなす電極部材としてこのIDI
XOを用いると、エッチング処理の際に、支持体8を溶
かす虞れが少なくなり、支持体8の選択範囲も広くな
る。
グ層7をなすブロッキング層形成材料を、エレメント6
aに沿うようにエレメント6aの長手方向に塗布して所
定の厚さ(例えば200nm程度)となるように製膜す
る、つまりエレメント6aの長手方向に所定の厚さで前
記材料を塗布する。読取光側電極層5が平面状のときに
は、塗布方向を問題とすることがなく、例えばスピンコ
ーティングなどの方法を用いて塗布することもできる
が、本発明のものは、前記スピンコーティングを用いる
のは好ましくない。
機能するブロッキング層7を、エレメント6aの長手方
向にブロッキング層形成材料を塗布して製膜するに際し
ては、支持体8上にストライプ電極6を形成した後に、
例えば、ディップ法(dippinng),スプレー法(Sprayi
ng)、バーコーティング法、スクリーンコーティング法
など、部材、ノズルあるいは刷毛などを1次元的に移動
させて塗布する方法を用いるとよい。
示したものである。このディップ法は、容器40内に、
ブロッキング層7用の材料液70を充填し、支持体8上
にストライプ電極6が形成された部材11を、エレメン
ト6aの長手方向に沿って、液70中に浸し引き上げる
という方法である。この方法は、部材11、即ち、静電
記録体10のサイズが大きい場合でも、それに応じた容
器40を用いるだけで対応でき、含浸と引き上げの繰り
返しで膜厚を調整できるので、大サイズの自由な膜厚の
ものを、簡単に製造できるというメリットがある。
にブロッキング層形成材料を塗布してブロッキング層7
を製膜した状態を示した断面図である。図示するよう
に、ブロッキング層7がエレメント6aのエッジで非連
続となることなく、エレメント6aの上面6bおよび側
面6cと支持体8の上面8aに亘って連続的に良好に塗
布され、各エレメント6aの表面全てがブロッキング層
7で完全に覆われている。
aの長手方向の抵抗(線抵抗)を小さくするために透明
酸化被膜を比較的厚くし(例えば2000Å程度)、図
3(B)に示すようにエッジ段差が大きくかつ急峻とな
る場合であっても、有機ポリマーをエレメント6aの長
手方向に塗布することにより、膜厚50〜200nm
(0.05〜0.2μm)程度の連続的な薄膜が良好に
形成でき、良好なブロッキング特性が得られる。また、
塗りを繰り返すことで、さらに5μm程度の厚さにする
こともできる。
機能を持たせることができるので、読取用光導電層4と
支持体8との間の熱膨張差による熱ストレスを和らげ、
特別な環境下においても、熱膨張差による破壊の問題が
生じることがない。
ITOを形成した後に、500Å程度のCeO2を抵抗
加熱真空蒸着により積層して製膜した場合には、図3
(C)に示すように、エレメント6aと支持体8とのエ
ッジ段差が大きくかつ急峻であるために、CeO2 か
らなるブロッキング膜がエッジ全体をカバーできず、図
3(B)に示す状態の膜を形成することはできない。こ
のため、エッジ部分のブロッキング膜が形成されていな
い、図3(C)中60で示す部分からの暗電流注入を阻
止しきれずに、ブロッキング性能が悪化し、S/Nが低
下するという問題を生じる。この問題は、該エレメント
6a(読取光側電極層5)が厚ければ厚いほど、エッジ
段差が大きくなるので、全面を連続的にカバーするブロ
ッキング膜を形成しにくくなり、ブロッキング性能の悪
化が顕著になる。
電潜像として記録し、さらに記録された静電潜像を読み
出す基本的な方法について簡単に説明する。図4は上記
静電記録体10を静電潜像記録装置と静電潜像読取装置
を便宜的に一体的に表した概略図であり、記録装置と読
取装置とをあわせて記録読取システムという。なお、図
では、支持体8を省略して示している。
と、記録光照射手段90と、電源70、接続手段S3お
よび検出アンプ81からなる電流検出回路80と、読取
光走査手段93とからなり、各エレメント6aごとに検
出アンプ81を個別に接続していること、エレメント6
aの長手方向と直交する方向(主走査方向)に延びた、
読取光としてのライン光でエレメント6aの長手方向
(副走査方向)に走査して画像信号を取得する構成とし
ている。なお、静電潜像記録装置部分は静電記録体1
0、電源70、記録光照射手段90、および接続手段S
3からなり、静電潜像読取装置部分は静電記録体10、
電流検出回路80、および読取光走査手段93からな
る。
な読取光L2を読取光側電極層5のエレメント6aと略直
交させつつ、エレメント6aの長手方向(図中の矢印方
向)に走査するものである。ストライプ電極6を有する
静電記録体10を用いれば、レーザビームなどのスポッ
ト光で走査する必要がないので、走査光学系の構成を極
めて簡易で低コストなものとすることができ、また、イ
ンコヒーレントな光源が使用できるため、干渉縞ノイズ
の発生を防止することもできる。
の各エレメント6aごとに接続された検出アンプ81が
設けられており、静電記録体10の記録光側電極層1は
接続手段S3の一方の入力および電源70の負極に接続
されており、電源70の正極は接続手段S3の他方の入
力に接続されている。接続手段S3の出力は各検出アン
プ81を構成するオペアンプ81aの非反転入力端子
(+)に共通に接続されている。各エレメント6aは、
オペアンプ81aの反転入力端子(−)に個別に接続さ
れている。検出アンプ81は、オペアンプ81a、積分
コンデンサ81c、およびスイッチ81dからなるチャ
ージアンプ構成のものである。なお、検出アンプ81
は、例えば電流電圧変換回路構成としてもよい。
過程について、図5に示す静電記録体10の横断面図を
参照して説明する。なお、図では支持体8を省略して示
している。
電極としたのものと同様であるが、蓄電部23における
電荷の蓄積の仕方が若干異なる。最初に記録光側電極層
1と読取光側電極層5の各エレメント6aとの間に直流
電圧を印加し両電極層を帯電させる。これにより、記録
光側電極層1と読取光側電極層5のエレメント6aとの
間にはUの字状の電界が形成され、記録用光導電層2の
大部分の所は概略平行な電場が存在するが、該光導電層
2と電荷輸送層3との界面には電界が存在しない部分が
生じる(図5(A)のZを参照)。電荷輸送層3と読取
用光導電層4の合計厚さが記録用光導電層2の厚さに較
べて薄いほど、また、エレメント6aの幅とピッチとの
比が小さいほど(75%以下であれば良好である)、さ
らに電荷輸送層3と読取用光導電層4の厚みがエレメン
ト6aのピッチと略同等若しくはそれ以下であるほど、
このような電界の存在しない部分が明確に形成される。
写体9に向けて一様に爆射する。放射線L1は被写体9の
透過部9aを透過し、さらに記録光側電極層1を透過す
る。記録用光導電層2はこの透過した放射線L1(この被
写体9以降の放射線が記録光となる)を受け、放射線L1
の線量(光量)に応じた電子(負電荷;本例の潜像極性
電荷)とホール(正電荷;本例の輸送極性電荷)の電荷
対が生じ、導電性を呈するようになる。
のうちの正電荷は該光導電層2中を記録光側電極層1に
向かって高速に移動し、記録光側電極層1と光導電層2
との界面で記録光側電極層1に帯電している負電荷と電
荷再結合して消滅する。一方、光導電層2中に生じた負
電荷は上記U字状の電界分布に沿ってエレメント6aに
集中せしめられながら電荷転送層3に向かって移動する
(図5(B)参照)。電荷転送層3は記録光側電極層1
に帯電した電荷と同じ極性の潜像極性電荷(本例では負
電荷)に対して絶縁体として作用するものであるから、
光導電層2中を移動してきた負電荷は、光導電層2と電
荷転送層3との界面に形成される蓄電部23で停止し、
エレメント6aを中心として蓄積され静電潜像が記録さ
れる(図5(C)参照)。蓄積される電荷量は記録用光
導電層2中に生じる負電荷の量、即ち、放射線L1の被写
体9を透過した量によって定まる。また、放射線L1の量
が少ないときには、負電荷はエレメント6aの中心に引
き寄せられて各エレメント6aごとに蓄積電荷が分離さ
れるようになり、また、蓄積電荷は各エレメント6aの
並びに合わせて蓄積せしめられるから、エレメント6a
のピッチ(画素ピッチ)を狭くすることにより、高い鮮
鋭度(空間解像度)をもって静電潜像を記録することが
できる。さらに、電界の各エレメント6aへの集中化に
より読取りの効率を高めS/Nを上げることができる。
半導体形成技術の進歩した今日にあっては、エレメント
6aを十分に狭い間隔でもって形成することは容易なこ
とであるから、このような静電記録体10を容易に製造
することができる。一方、放射線L1は被写体9の遮光部
9bを透過しないから、静電記録体10の遮光部9bの
下部にあたる部分は何ら変化を生じない。
射することにより、被写体像に応じた電荷を記録用光導
電層2と電荷転送層3との界面に形成される蓄電部23
に蓄積することができるようになる。尚、この蓄積せし
められた潜像極性電荷が担持する被写体像を静電潜像と
いう。上記説明で明らかなように、本発明にかかる静電
記録体10に静電潜像を記録する装置の構成は極めて簡
単なものであり、記録作業も極めて簡単なものとなる。
る際には、接続手段S3を静電記録体10の記録光側電
極層1側に接続し、オペアンプ81aのイマジナリショ
ートを介して、静電記録体10の両電極層1,5を同電
位にして電荷の再配列を行なう。次に、読取光走査手段
93により、ライン状の読取光L2でエレメント6aの長
手方向に走査する。読取光L2は読取光側電極層5を透過
し、読取光L2が照射された読取用光導電層4は該走査に
応じて導電性を呈するようになる。これは記録用光導電
層2が放射線L1の照射を受けて正負の電荷対が生じるこ
とにより導電性を呈するのと同様に、読取光L2の照射を
受けて正負の電荷対が生じることに依存するものであ
る。
(記録用光導電層2と電荷輸送層3との界面)とエレメ
ント6aとの間には、読取用光導電層4と電荷輸送層3
の合計厚さと、潜像極性電荷の量に応じて、非常に強い
電場(強電界)が形成されている。ここで、電荷輸送層
3は輸送極性電荷(本例では正電荷)に対しては導電体
として作用するものであるから、読取用光導電層4に生
じた正電荷は蓄電部23の潜像極性電荷に引きつけられ
るように電荷輸送層3の中を急速に移動し、蓄電部23
で潜像極性電荷と電荷再結合して消滅する。一方、読取
用光導電層4に生じた負電荷は読取光側電極層5の正電
荷と電荷再結合して消滅する。光導電層4は読取光L2に
より十分な光量でもって走査されており、蓄電部23に
蓄積されている潜像極性電荷が担持する静電潜像が全て
電荷再結合により消滅せしめられる。このように、静電
記録体10に蓄積されていた電荷が消滅するということ
は、静電記録体10内に電荷の移動による電流が流れた
ことを意味する。
続されており、この電流により、各エレメント6aごと
に接続された検出アンプ81の積分コンデンサ81cが
充電され、流れる電流量に応じて積分コンデンサ81c
に電荷が蓄積され、積分コンデンサ81cの両端の電圧
が上昇する。したがって、各検出アンプ81ごとに、読
取光L2の走査中の画素と画素の間にスイッチ81dをオ
ンして積分コンデンサ81cに蓄積された電荷を放電さ
せることにより、積分コンデンサ81cの両端には次々
と画素毎の蓄積電荷に対応して電圧の変化が観測され
る。この電圧の変化は、静電記録体10に蓄積されてい
た各画素毎の電荷と対応するものであるから、電圧の変
化を検出することで静電潜像を読み出すことができる。
ント6aの長手方向に走査して、静電記録体10から静
電潜像を読み取ることとすれば、個別の検出アンプ81
で、主走査方向には並列的に画像信号が得られることと
なり、読出時間の短縮化を図ることができる。
の合計厚さ(両者の厚さの和)が記録用光導電層2の厚
さに較べて薄ければ薄いほど電荷の移動が急速に行なわ
れるようになるので、読取りを高速に行なうことができ
るようになる。さらに、電荷輸送層3における負電荷の
移動度が正電荷の移動度より十分小さければ(例えば1
/103以下)、蓄積電荷の蓄積性が向上し、静電潜像
の保存性が向上することとなる。
なっているから電荷輸送層3と読取用光導電層4とによ
る分布容量が小さくなり、検出アンプ81はノイズの影
響を受けにくくなると共に、画素ピクセルを少なくとも
エレメント間隔(画素ピッチ)で固定することができる
ので、エレメント6aの配置に合わせて画像データの補
正を行ない、ストラクチャーノイズの補正を正確に行な
うこともできる。
と潜像極性電荷が引き合っており、その電場にしたがっ
て読取光L2の照射により発生せしめられる輸送極性電荷
が潜像極性電荷を消去しやすくなり、読取時においても
鮮鋭度を高く維持することが可能となり、特に記録時の
低光量側(即ち、蓄積電荷量の少ないとき)においてそ
の効果が高い。エレメント6aの間を読取光L2に対して
遮光性を有するものとすれば、一層、鮮鋭度を向上させ
ることができる。
取用光導電層4の電界強度が強くなるから、この強い電
界において読取光L2による電荷対が発生せしめられるの
で、励起子のイオン解離の効率が上昇し、電荷対の発生
の量子効率を1に近づけることが可能となるので、読取
りの効率が向上しS/Nを上げることができるととも
に、光エネルギー密度を小さくできる。さらに電荷輸送
層3と読取用光導電層4の容量を小さくすることがで
き、読取時の信号取り出し効率を大きくすることができ
る。
記載の画像記録媒体の積層構成では、製膜の最終工程で
ストライプ電極を形成することは困難であるから、上記
本発明のような効果を得るのは難しく、支持体側から読
取光側電極層を製膜する、本発明を適用した静電記録体
とすることの意義は大きい。
して遮光性を有するものとするとともにエレメントの長
手方向(走査方向)にも所定間隔で遮光部と透過部とを
設けると、いわゆる簀の子の目に相当する部分が読取光
透過部として形成され、エレメント6aの長手方向に対
しても読取時において隣接する読取光透過部との光漏れ
による空間解像度の低下を避けることができるようにな
り、実質的に小さなスポットビームにより並列的に走査
露光していることとなり、読取光L2をさほど収束させな
くても極めて高い鮮鋭度の読取画像を得ることもでき
る。
実施の形態について図6を参照して説明する。図6
(A)は静電記録体20の斜視図、図6(B)はQ矢指
部のXZ断面図、図6(C)はP矢指部のXY断面図で
ある。
1,記録用光導電層22,電荷輸送層30,読取用光導
電層24、ブロッキング層31、読取光側電極層25、
読取光に対して透過性を有する支持体(図示省略)を、
この順に積層してなるものである。読取光側電極層25
以外の各層については第1の実施の形態による静電記録
体10と同様である。また、記録用光導電層22と電荷
輸送層23との界面である蓄電部29には、多数の離散
した方形のマイクロプレート28が、隣接したマイクロ
プレート28間に間隔を置いて配置されている。
(線状電極)26aをストライプ状に配列して成るスト
ライプ電極26と多数のエレメント(線状電極)27a
をストライプ状に配列してなるサブ電極27とで構成さ
れている。各エレメント26a,27aは、エレメント
26aとエレメント27aとが交互に配置されるように
配列されている。両エレメントの間はブロッキング層3
1の一部が介在しており、ストライプ電極26とサブ電
極27とは電気的に絶縁されている。サブ電極27は、
記録用光導電層22と電荷輸送層23との略界面に形成
される蓄電部29に蓄積された潜像電荷の量に応じたレ
ベルの電気信号を出力させるための導電部材である。
属でコーティングされ、読取光L2に対して遮光性を有す
るように形成されているが、エレメント27aに対応す
る読取用光導電層24内でも、エレメント27aを透過
した僅かな読取光により若干の電荷対は発生し得る。
はエレメント26aの配列ピッチと略同一、つまり解像
可能な最小の画素ピッチと略同一の寸法に設定されてお
り、ストライプ電極26のエレメント26aの真上だけ
でなく、サブ電極27のエレメント27aの真上まで延
在している。これにより、マイクロプレート28上に蓄
積されている潜像電荷は、常に同電位に保持され、マイ
クロプレート28上を自由に移動することが可能とな
り、読取時の放電が容易になるようにしている。なお、
マイクロプレート28の中心がエレメント27aの真上
に位置するように配置して、画素周辺の電荷を一層集め
易くなるようにしてもよい。
着または化学的堆積を用いて電荷輸送層30上に堆積さ
れ、金、銀、アルミニウム、銅、クロム、チタン、白金
等の単一金属や酸化インジウム等の合金で、極めて薄い
膜から作ることができる。該マイクロプレート28は、
連続層として堆積させることができ、連続層は次にエッ
チングされて解像可能な最小の画素と同一の範囲の寸法
を持つ複数の個々の離散マイクロプレートとして形成さ
れる。この離散マイクロプレートはレーザアプレーショ
ンまたはホトエッチング等光微細加工技術を利用して作
ることができる("Imaging Procesing &Materials"
Chapter 18の"Imaging for Microfabrication"(J.M.Sha
w,IBM Watson Research center)参照)。
態と同様の材料、同様の方法にて形成されるが、その機
能は第1の実施の形態と同様の機能の他に、サブ電極2
7のエッジで発生する暗電流ノイズが蓄電部29に蓄積
しオフセットノイズとなるのを防止する機能をも果た
す。
静電記録体の概略構成を示す図であり、図7(A)は斜
視図、図7(B)はQ矢指部のXZ断面図、図7(C)
はP矢指部のXY断面図である。なお、図7において
は、図6に示す第2の実施の形態による静電記録体20
の要素と同等の要素には同番号を付し、それらについて
の説明は特に必要のない限り省略する。この第3の実施
の形態による静電記録体20aは、上記静電記録体20
のマイクロプレート28を取り除くと共に、記録時に、
ストライプ電極26とサブ電極27とを接続し、サブ電
極27を電界分布の形成に積極的に利用するようにした
ものである。
び材料については第1および第2の実施の形態と同様で
ある。
静電潜像として記録し、さらに記録された静電潜像を読
み出す基本的な方法について簡単に説明する。図8は静
電記録体20aを用いた記録読取システムの概略図であ
る。
aと、記録光照射手段90(図示省略)と、画像信号取
得手段としての電流検出回路71、読取光走査手段93
(図示省略)とからなる。なお、第1の実施の形態と同
様の構成については同じ番号を付し、特に必要のない限
りその説明を省略する。
れた潜像電荷に対する電荷をサブ電極27を介して読み
出すことにより、潜像電荷の量に応じたレベルの画像信
号を得るものであり、ストライプ電極26の各エレメン
ト26a毎に接続された電流検出アンプ(図示省略)を
多数有している。
を同電位になるように制御電圧を印加すれば、記録光側
電極層21と読取光側電極層25との間で形成される電
界分布を均一にできる。本実施の形態では、ストライプ
電極26およびサブ電極27は記録時および読取時とも
に接地電位となっている。
て、静電記録体20aに画像情報を静電潜像として記録
し、さらに記録された静電潜像を読み出す方法について
説明する。最初に静電潜像記録過程について、図8
(A)に示す電荷モデルを参照しつつ説明する。なお、
記録光L1によって光導電層22内に生成される負電荷
(−)および正電荷(+)を、図面上では−または+を
○で囲んで表すものとする。
には、記録光側電極層21とストライプ電極26および
サブ電極27との間に直流電圧を印加し、両者を帯電さ
せる。次に放射線を被写体9に爆射し、被写体9の透過
部9aを通過した被写体9の放射線画像情報を担持する
記録光L1を静電記録体20aに照射する。すると、静電
記録体20aの記録用光導電層22内で正負の電荷対が
発生し、その内の負電荷が上述の電界分布に沿って蓄電
部29に移動する。このとき負電荷は、エレメント26
aおよびエレメント27aに対応する位置に蓄積され
る。
電荷は記録光側電極層21に向かって高速に移動し、記
録光側電極層21と光導電層22との界面で電源72か
ら注入された負電荷と電荷再結合し消滅する。また、記
録光L1は被写体9の遮光部9bを透過しないから、静電
記録体20aの遮光部9bの下部にあたる部分は何ら変
化を生じない。
射することにより、被写体像に応じた電荷を光導電層2
2と電荷転送層23との界面である蓄電部29に蓄積す
ることができるようになる。この蓄積される潜像電荷
(負電荷)の量は被写体9を透過し静電記録体20aに
入射した放射線の線量に略比例するので、この潜像電荷
が静電潜像を担持することとなり、該静電潜像が静電記
録体20aに記録される。
み取る際には、記録光側電極層21は接地電位とされ、
エレメント26aの長手方向に読取光照射手段を移動さ
せる、すなわち副走査することにより、ライン状の読取
光L2で静電記録体20aの全面を走査露光する。この読
取光L2の走査露光により副走査位置に対応する読取光L2
が入射した光導電層24内に正負の電荷対が発生する。
る部分、すなわち両エレメント27aの上空部分の潜像
電荷が、2本のエレメント27aを介して順次読み出さ
れる。すなわち、図8(B)に図示するように、画素の
中心に位置したエレメント26aから、その両隣のエレ
メント27aに対応する(上空にある)潜像電荷に向け
て放電が生じ、それによって読出しが進行する。なお、
より多くの信号電荷を取り出すためにはエレメント27
aの幅をエレメント26aの幅よりも広くした方がよ
い。
光導電層24および電荷輸送層30を介して蓄電部29
とサブ電極27との間でコンデンサC*cが形成され
る。なお、サブ電極27を設けても、記録用光導電層2
2を介して電極層21と蓄電部29との間で形成される
コンデンサC*aの容量Ca、並びに読取用光導電層2
4および電荷輸送層23を介してストライプ電極26と
蓄電部29との間で形成されるコンデンサC*bの容量
Cbには、実質的に大きな影響は現れない。
について考えてみると、容量比C* b:C*cは、各エ
レメント26a,27aの幅の比Wb:Wcとなる。こ
れにより、読取りの際、コンデンサC*bに配分される
正電荷の量Q+bをサブ電極27を設けない場合よりも
相対的に少なくすることができ、静電記録体20aから
外部に流れ出る電流を、サブ電極27を設けない場合よ
りも相対的に大きくすることができる。
静電記録体の概略構成を示す図であり、図9(A)は斜
視図、図9(B)はQ矢指部のXZ断面図、図9(C)
はP矢指部のXY断面図である。なお、図9において
も、図6に示す第2の実施の形態による静電記録体20
の要素と同等の要素には同番号を付し、それらについて
の説明は特に必要のない限り省略する。この第4の実施
の形態による静電記録体20bは、上記静電記録体20
のマイクロプレート28を取り除くと共に、1画素の中
で、ストライプ電極26のエレメント26aとサブ電極
27のエレメント27aの両者を交互に設けた構成のも
のである。図示する静電記録体20aにおいては、1画
素内に、夫々3本のエレメント26aおよびエレメント
27aが設けられている。この静電記録体20bを使用
して、記録および読取りを行う場合には、各エレメント
26a,27aを1画素単位でひと纏めにして取り扱う
とよい。静電記録体20,20bの1画素のサイズを同
じとすれば、静電記録体20bの各エレメント26a,
27aの幅Wb ’,Wc’は、上記静電記録体20の
幅Wb,Wcよりも狭く設定される。半導体形成技術の
進歩した今日にあっては、両エレメント26a,27a
を十分に狭く形成することは容易なことであり、静電記
録体20bを容易に製造することができる。
による静電記録体20aに比べて、蓄電部29と電極層
25との間の距離D1と、両エレメント26a,27a
間の距離D2の比D1/D2を、大きくすることが容易
にできる。このことより、エレメント26aからその両
隣にあるエレメント27aに対応する潜像電荷に向けて
の放電がし易くなり、読取時間を静電記録体20aより
も短くすることができる。マイクロプレート28を設け
ないときに、特に有効である。
び材料については第1および第2の実施の形態と同様で
ある。
の静電記録体の概略構成を示す図であり、図10(A)
は斜視図、図10(B)はQ矢指部のXZ断面図、図1
0(C)はP矢指部のXY断面図である。なお、図10
においても図6に示す第2の実施の形態による静電記録
体20の要素と同等の要素には同番号を付し、それらに
ついての説明は特に必要のない限り省略する。この第5
の実施の形態による静電記録体20cは、上記静電記録
体20aの電荷輸送層23を取り除いた構成のものであ
る。
び材料については第1および第2の実施の形態と同様で
ある。
方法の好ましい実施の形態について説明したが、本発明
は必ずしも上述した実施の形態に限定されるものではな
い。
負電荷を、読取光側電極層に正電荷を帯電させて、記録
用光導電層と電荷輸送層との界面に形成される蓄電部に
負電荷を蓄積せしめるものについて説明したが、本発明
は必ずしもこのようなものに限るものではなく、それぞ
れが逆極性の電荷であっても良く、このように極性を逆
転させる際には、正孔輸送層として機能する電荷輸送層
を電子輸送層として機能する電荷輸送層に変更するなど
の若干の変更を行なうだけでよい。
ルファスセレンa−Se、酸化鉛(II)、ヨウ化鉛(I
I)などの光導電性物質が同様に使用でき、電荷輸送層
としてN−トリニトロフルオレニリデン・アニリン(TN
FA)誘電体、トリニトロフルオレノン( TNF)/ポリエ
ステル分散系、非対称ジフェノキノン誘導体が適当であ
り、読取用光導電層として上述の無金属フタロシアニ
ン、金属フタロシアニンが同様に使用できる。
用光導電層と電荷輸送層との界面に形成していたが、こ
れに限らず、例えば、上記米国特許第 4535468号に記載
のように、潜像極性電荷をトラップとして蓄積するトラ
ップ層により蓄電部を形成してもよい。
して透過性を有する支持体上にストライプ電極またはス
トライプ電極およびサブ電極を形成すると共に、該スト
ライプ電極またはストライプ電極およびサブ電極上に、
読取光に対して透過性を有し且つエレメントからの電荷
注入に対しブロッキング性能を有するブロッキング層
を、エレメントの上面および側面に亘って連続的に形成
する、つまり、少なくとも、各線状電極の表面全てをブ
ロッキング層で覆うようにすればよい。
透過性を有する支持体上に、読取光に対して透過性を有
する第1電極層(読取光側電極層)と、読取光の照射を
受けることにより導電性を呈する読取用光導電層と、記
録用光導電層で発生した潜像極性電荷を蓄積する蓄電部
と、記録光の照射を受けることにより導電性を呈する記
録用光導電層と、記録光に対し透過性を有する第2電極
層(記録光側電極層)とがこの順に積層されてなる画像
記録媒体を前提としたものであるが、必ずしも、これら
の各層の全て備えているものでなくてもよく、読取光に
対して透過性を有する支持体上に少なくとも光導電層が
1つ形成されているものに、上述した、本発明の内容を
適用することは可能である。
よびその一部の断面図(B)
図
途中段階を示した断面図(A),(B)および本発明以
外の方法による製造途中段階を示した断面図(C)
と静電潜像読取装置を一体的に表した概略図
る図
斜視図(A)、Q矢指部のXZ断面図(B)、P矢指のXY断面
図(C)
斜視図(A)、Q矢指部のXZ断面図(B)、P矢指のXY断面
図(C)
使用する場合における、静電潜像記録過程を示す電荷モ
デル(A)、静電潜像読取過程を示す電荷モデル(B)
斜視図(A)、Q矢指部のXZ断面図(B)、P矢指のXY断面
図(C)
の斜視図(A)、Q矢指部のXZ断面図(B)、P矢指のXY断
面図(C)
Claims (7)
- 【請求項1】 読取用の電磁波に対して透過性を有する
支持体上に、 多数の線状電極を配列してなるストライプ電極が形成さ
れた、前記読取用の電磁波に対して透過性を有する第1
電極層と、前記読取用の電磁波の照射を受けることによ
り導電性を呈する読取用光導電層と、潜像極性電荷を蓄
積する蓄電部と、記録用の電磁波の照射を受けることに
より前記潜像極性電荷を発生する記録用光導電層と、前
記記録用の電磁波に対し透過性を有する第2電極層とが
この順に積層されてなる画像記録媒体において、 前記読取用光導電層と前記第1電極層との間に、前記読
取用の電磁波に対して透過性を有し且つ前記各線状電極
からの電荷注入に対しブロッキング性能を有するブロッ
キング層が、前記各線状電極の上面および側面に亘って
連続的に設けられていることを特徴とする画像記録媒
体。 - 【請求項2】 読取用の電磁波に対して透過性を有する
支持体上に、 前記読取用の電磁波の照射に対して読取用光導電層にお
ける光電荷対発生用の多数の線状電極からなる第1スト
ライプ電極と前記電磁波の照射に対して読取用光導電層
における光電荷対非発生用の多数の線状電極からなる第
2ストライプ電極とを略平行に交互に配列してなる第1
電極層と、前記読取用の電磁波の照射を受けることによ
り導電性を呈する前記読取用光導電層と、潜像極性電荷
を蓄積する蓄電部と、記録用の電磁波の照射を受けるこ
とにより前記潜像極性電荷を発生する記録用光導電層
と、前記記録用の電磁波に対し透過性を有する第2電極
層とがこの順に積層されてなる画像記録媒体において、 前記読取用光導電層と前記第1電極層との間に、前記読
取用の電磁波に対して透過性を有し且つ前記各線状電極
からの電荷注入に対しブロッキング性能を有するブロッ
キング層が設けられていることを特徴とする画像記録媒
体。 - 【請求項3】 前記ブロッキング層が、有機薄膜からな
るものであることを特徴とする請求項1または2記載の
画像記録媒体。 - 【請求項4】 前記有機薄膜は、有機ポリマー材料から
なるものであることを特徴とする請求項3記載の画像記
録媒体。 - 【請求項5】 前記有機薄膜は、有機バインダーと低分
子有機材料からなる混合膜であることを特徴とする請求
項4記載の画像記録媒体。 - 【請求項6】 読取用の電磁波に対して透過性を有する
支持体上に、多数の線状電極を配列してなるストライプ
電極が形成された、前記読取用の電磁波に対して透過性
を有する第1電極層と、前記読取用の電磁波に対して透
過性を有し且つ前記各線状電極からの電荷注入に対しブ
ロッキング性能を有するブロッキング層と、前記読取用
の電磁波の照射を受けることにより導電性を呈する読取
用光導電層と、潜像極性電荷を蓄積する蓄電部と、記録
用の電磁波の照射を受けることにより前記潜像極性電荷
を発生する記録用光導電層と、前記記録用の電磁波に対
し透過性を有する第2電極層とがこの順に積層されてな
る画像記録媒体の製造方法において、 前記ブロッキング層を、前記線状電極の長手方向にブロ
ッキング層形成材料を塗布することにより形成すること
を特徴とする画像記録媒体の製造方法。 - 【請求項7】 読取用の電磁波に対して透過性を有する
支持体上に、 前記読取用の電磁波の照射に対して読取用光導電層にお
ける光電荷対発生用の多数の線状電極からなる第1スト
ライプ電極と前記電磁波の照射に対して読取用光導電層
における光電荷対非発生用の多数の線状電極からなる第
2ストライプ電極とを略平行に交互に配列してなる第1
電極層と、前記読取用の電磁波に対して透過性を有し且
つ前記各線状電極からの電荷注入に対しブロッキング性
能を有するブロッキング層と、前記読取用の電磁波の照
射を受けることにより導電性を呈する読取用光導電層
と、潜像極性電荷を蓄積する蓄電部と、記録用の電磁波
の照射を受けることにより前記潜像極性電荷を発生する
記録用光導電層と、前記記録用の電磁波に対し透過性を
有する第2電極層とがこの順に積層されてなる画像記録
媒体の製造方法において、 前記ブロッキング層を、前記線状電極の長手方向にブロ
ッキング層形成材料を塗布することにより形成すること
を特徴とする画像記録媒体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001051597A JP2001337171A (ja) | 2000-03-22 | 2001-02-27 | 画像記録媒体およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000-80487 | 2000-03-22 | ||
JP2000080487 | 2000-03-22 | ||
JP2001051597A JP2001337171A (ja) | 2000-03-22 | 2001-02-27 | 画像記録媒体およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001337171A true JP2001337171A (ja) | 2001-12-07 |
Family
ID=26588081
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001051597A Pending JP2001337171A (ja) | 2000-03-22 | 2001-02-27 | 画像記録媒体およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001337171A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007142283A (ja) * | 2005-11-21 | 2007-06-07 | Fujifilm Corp | 放射線画像検出器および放射線画像検出器の製造方法 |
US7247872B2 (en) | 2002-03-15 | 2007-07-24 | Fujifilm Corporation | Image recording medium and method of producing the same |
JP2007273555A (ja) * | 2006-03-30 | 2007-10-18 | Fujifilm Corp | 光電変換素子及び固体撮像素子 |
JP2008210906A (ja) * | 2007-02-26 | 2008-09-11 | Fujifilm Corp | 放射線画像検出器 |
JP2009058383A (ja) * | 2007-08-31 | 2009-03-19 | Fujifilm Corp | 放射線画像検出器 |
JP2016530701A (ja) * | 2013-06-13 | 2016-09-29 | ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアBasf Se | 光学検出器及び当該光学検出器の製造方法 |
-
2001
- 2001-02-27 JP JP2001051597A patent/JP2001337171A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7247872B2 (en) | 2002-03-15 | 2007-07-24 | Fujifilm Corporation | Image recording medium and method of producing the same |
JP2007142283A (ja) * | 2005-11-21 | 2007-06-07 | Fujifilm Corp | 放射線画像検出器および放射線画像検出器の製造方法 |
JP4762692B2 (ja) * | 2005-11-21 | 2011-08-31 | 富士フイルム株式会社 | 放射線画像検出器および放射線画像検出器の製造方法 |
JP2007273555A (ja) * | 2006-03-30 | 2007-10-18 | Fujifilm Corp | 光電変換素子及び固体撮像素子 |
JP2008210906A (ja) * | 2007-02-26 | 2008-09-11 | Fujifilm Corp | 放射線画像検出器 |
JP2009058383A (ja) * | 2007-08-31 | 2009-03-19 | Fujifilm Corp | 放射線画像検出器 |
JP4739298B2 (ja) * | 2007-08-31 | 2011-08-03 | 富士フイルム株式会社 | 放射線画像検出器 |
JP2016530701A (ja) * | 2013-06-13 | 2016-09-29 | ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアBasf Se | 光学検出器及び当該光学検出器の製造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6552356B2 (en) | Image recording medium | |
JP4040201B2 (ja) | 放射線固体検出器、並びにそれを用いた放射線画像記録/読取方法および装置 | |
US6590224B2 (en) | Image storage medium and method of manufacturing the same | |
EP1136888B1 (en) | Image recording medium and method of manufacturing an image recording medium | |
JP2000105297A (ja) | 静電記録体、静電潜像記録装置および静電潜像読取装置 | |
JP4356854B2 (ja) | 画像信号読取システム及び画像検出器 | |
JP4884593B2 (ja) | 画像記録媒体 | |
JP2001337171A (ja) | 画像記録媒体およびその製造方法 | |
US6724006B2 (en) | Solid state radiation detector | |
JP2009233488A (ja) | インクジェットヘッド、塗布方法および塗布装置、ならびに放射線検出器の製造方法 | |
US6940084B2 (en) | Solid state radiation detector | |
JP2011185942A (ja) | 画像記録媒体およびその製造方法 | |
JP2003037258A (ja) | 光検出装置 | |
JP2001284565A (ja) | 画像検出器 | |
JP2001337464A (ja) | 画像記録媒体およびその製造方法 | |
JP3999470B2 (ja) | 放射線固体検出器、並びにそれを用いた放射線画像記録/読取方法および装置 | |
JP2005294751A (ja) | 放射線固体検出器 | |
JP2003218335A (ja) | 固体検出器 | |
JP2006100548A (ja) | 放射線固体検出器 | |
JP2003031836A (ja) | 放射線固体検出器 | |
JP2003209237A (ja) | 固体検出器 | |
JP2005294752A (ja) | 放射線固体検出器 | |
JP2003086781A (ja) | 放射線固体検出器 | |
JP2003035800A (ja) | 放射線固体検出器 | |
JP2004179370A (ja) | 放射線固体検出器 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060113 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20061202 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20080730 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080819 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20081020 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20090512 |