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JP3999470B2 - 放射線固体検出器、並びにそれを用いた放射線画像記録/読取方法および装置 - Google Patents

放射線固体検出器、並びにそれを用いた放射線画像記録/読取方法および装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、照射された放射線の線量に応じた量の電荷を潜像電荷として蓄積する蓄電部を有する放射線固体検出器、並びに該検出器を使用して放射線画像情報を静電潜像として記録したり、記録された静電潜像を読み取る方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、医療用放射線撮影等において、被験者の受ける被爆線量の減少、診断性能の向上等のために、X線等の放射線に感応するセレン板等の光導電体を有する放射線固体検出器(静電記録体)を感光体として用い、該検出器にX線を照射し、照射された放射線の線量に応じた量の電荷を検出器内の蓄電部に蓄積せしめることにより、放射線画像情報を静電潜像として記録すると共に、レーザビーム或いはライン光源で放射線画像情報が記録された検出器を走査することにより、前記検出器から放射線画像情報を読み取る方法が知られている(例えば、米国特許第4535468号等)。
【0003】
上記米国特許第4535468号による方法は、X線光導電層、X線光導電層で発生した電荷を蓄積する電荷蓄積層(中間層或いはトラップ層ともいう)、および読取用光導電層をこの順に有する3層構成からなる検出器を使用するものであって、記録時に3層の両側に設けられた電極間に高圧を印加してX線を照射して潜像電荷を電荷蓄積層に蓄積せしめた後、電極をショートして潜像電荷を読み出すものである。この方法では、検出器の読取用光導電層をX線光導電層に比べて薄くすることで読取速度を速くして応答性を改善している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記米国特許第4535468号による方法では、読取用光導電層をX線光導電層に比べ薄くしているので、外部に検出される信号電荷量が小さいという問題がある。さらに、電荷蓄積層は、電子およびホールともに電荷移動度が小さいため、厚くすることができない。これは、膜厚を厚くすると応答が遅くなったり、残像になるからである。一方、膜厚が薄いと蓄積できる電荷の量が減少する。すなわち、読出しの高速応答性と効率的な信号電荷の取り出しの両立は困難である。
【0005】
一方、本願出願人は、特願平10−232824号や同10−271374号において、読出しの高速応答性と効率的な信号電荷の取り出しを両立させることを可能ならしめる放射線固体検出器、並びに、この検出器に放射線画像情報を記録する記録装置および放射線画像情報が静電潜像として記録された前記検出器から放射線画像情報を読み取る読取方法および装置を提案している。
【0006】
この特願平10−232824号等に記載の方法は、記録用の放射線またはこの放射線の励起により発せられる光の照射を受けることにより導電性を呈する記録用光導電層、潜像電荷に対しては略絶縁体として作用し、且つ潜像電荷と逆極性の輸送電荷に対しては略導電体として作用する電荷輸送層、および読取用の電磁波の照射を受けることにより導電性を呈する読取用光導電層をこの順に有して成る放射線固体検出器を使用し、検出器の記録用光導電層側に記録用の放射線を照射し、照射された放射線の線量に応じた量の電荷を記録用光導電層と電荷輸送層との略界面に形成される蓄電部に蓄積せしめることにより、放射線画像情報を静電潜像として記録し、記録された静電潜像を読み出して放射線画像情報を得るものである。
【0007】
本発明は、本願出願による上記特願平10−232824号等において提案した検出器、並びに記録装置および読取装置と同様に、読出しの高速応答性と効率的な信号電荷の取り出しの両立を図ることを目的とするものであって、前記特願平10−232824号記載のものよりも一層その性能を高めることを可能ならしめる放射線固体検出器、この検出器に放射線画像情報を記録する方法および装置、並びに放射線画像情報が記録された検出器から放射線画像情報を読み取る方法および装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明による第1の放射線固体検出器は、上記特願平10−232824号や同10−271374号に記載されている検出器等をさらに改善するもの、すなわち、放射線の照射により放射線画像情報を静電潜像として記録する放射線固体検出器において、記録用の放射線または放射線の励起により発せられる光に対して透過性を有する第1の電極層、記録用の放射線または前記光の照射を受けることにより導電性を呈する記録用光導電層、照射された放射線の線量に応じた量の電荷を潜像電荷として蓄積する蓄電部、読取用の電磁波の照射を受けることにより導電性を呈する読取用光導電層、読取用の電磁波が照射される第2の電極層を、この順に有して成り、第2の電極層が、読取用の電磁波の照射に対して光電荷対発生用の多数の線状電極からなる第1ストライプ電極と、読取用の電磁波に対して光電荷対非発生用の多数の線状電極からなる第2ストライプ電極とを有し、第1ストライプ電極と第2ストライプ電極とが交互に略平行に配列されてなることを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明による第2の放射線固体検出器は、放射線の照射により放射線画像情報を静電潜像として記録する放射線固体検出器において、記録用の放射線または放射線の励起により発せられる光に対して透過性を有する第1の電極層、記録用の放射線または前記光の照射を受けることにより導電性を呈する記録用光導電層、照射された放射線の線量に応じた量の電荷を潜像電荷として蓄積する蓄電部、読取用の電磁波の照射を受けることにより導電性を呈する読取用光導電層、読取用の電磁波が照射される第2の電極層を、この順に有して成り、第2の電極層が、読取用の電磁波の照射に対して透過性を有する多数の線状電極からなる第1ストライプ電極と、読取用の電磁波に対して遮光性を有する第2ストライプ電極とを有し、第1ストライプ電極と第2ストライプ電極とが交互に略平行に配列されてなることを特徴とするものである。
【0010】
ここで、上記「線状電極」とは、全体として細長い形状の電極を意味し、細長い形状を有している限り、円柱状のものや角柱状のもの等どのようなものであってもよいが、特に、平板電極とするのが好ましい。
【0011】
また、上記放射線固体検出器では、第2ストライプ電極をAlまたはCrの金属でコーティングされているものとすることができる。
【0012】
また、上記放射線固体検出器の1画素ラインを、1本の第1ストライプ電極と該1本の第1ストライプ電極に隣接する第2ストライプ電極とから構成することができる。
【0013】
また、上記放射線固体検出器の1画素ラインを、複数の第1ストライプ電極と該複数の第1ストライプ電極の各々に隣接する第2ストライプ電極とから構成することができる。
【0014】
また、蓄電部が、第1ストライプ電極および第2ストライプ電極上に延在して放射線固体検出器の画素毎に、各別に設けられた導電部材を有し、その導電部材により蓄積された潜像電荷を同電位に保持するようにすることができる。
【0015】
ここで、上記「画素毎に設けられている」とは、潜像電荷を同電位化させ、読出時に画素周辺部の電荷を画素中央部に移動させることができるように、各画素に、好ましくは1つの導電部材が設けられることを意味し、1画素に対して多数の導電部材がランダムに配設され、読出時に画素周辺部の電荷を画素中央部に移動させることができない態様のものは含まない。
【0016】
また、上記「各別に」とは、各導電部材が、他の画素との間では、離散した状態、つまり、接続されないフローティング状態で配設されることを意味する。なお、1画素に対して複数の導電部材を設ける場合には、1画素分の部材間を電気的に接続しておくのが好ましい。
【0017】
また、この導電部材のサイズは、画素ピッチと略同一に設定するのが好ましい。或いは、画素ピッチに対して小さく設定する、例えば1/2以下にすると共に、画素中央部に配置することにより、潜像電荷を画素中央部に集中させるようにしてもよい。導電部材のサイズとは、例えば、円形状の導電部材の場合には直径であり、方形状の導電部材の場合には各辺の長さである。なお、導電部材の形状は、円形、方形等どのような形状であってもよい。
【0018】
また、潜像電荷に対しては略絶縁体として作用し、かつ、潜像電荷と逆極性の電荷に対しては略導電体として作用する電荷輸送層を、記録用光導電層と読取用光導電層との間に有するものとすることができ、電荷輸送層と読取用光導電層との界面に蓄電部が形成されるものとすることができる。
【0019】
また、潜像電荷を補足するトラップ層を、記録用光導電層と読取用光導電層との間に有するものとすることができ、トラップ層内またはトラップ層と記録用光導電層との界面に蓄電部が形成されるものとすることがきでる。
【0020】
また、第2ストライプ電極の幅が、第1ストライプ電極の幅よりも広いものとすることができる。
【0021】
また、本発明による第1の放射線画像記録方法は、上記放射線固体検出器に放射線を照射して、照射した放射線の線量に応じた量の電荷を放射線固体検出器の蓄電部に潜像電荷として蓄積せしめることにより、放射線画像情報を蓄電部に静電潜像として記録する放射線画像記録方法において、第1ストライプ電極と第2ストライプ電極とを略同電位とすると共に、第1の電極層と第2の電極層との間に直流電圧を印加して記録を行なうことを特徴とする。
【0022】
また、本発明による第2の放射線画像記録方法は、上記放射線固体検出器に放射線を照射して、照射した放射線の線量に応じた量の電荷を放射線固体検出器の蓄電部に潜像電荷として蓄積せしめることにより、放射線画像情報を蓄電部に静電潜像として記録する放射線画像記録方法において、第2ストライプ電極をオープンとすると共に、第1ストライプ電極と第1の電極層との間に直流電圧を印加して記録を行なうことを特徴とする。
【0023】
また、本発明による第3の放射線画像記録方法は、上記放射線固体検出器に放射線を照射して、照射した放射線の線量に応じた量の電荷を放射線固体検出器の蓄電部に潜像電荷として蓄積せしめることにより、放射線画像情報を蓄電部に静電潜像として記録する放射線画像記録方法において、第1ストライプ電極と第1の電極層との間に直流電圧を印加すると共に、直流電圧の印加により第1ストライプ電極と第1の電極層との間に形成される電界分布を調節するための制御電圧を第2ストライプ電極に印加して記録を行なうことを特徴とする。
【0024】
ここで、上記第1から第3の放射線画像記録方法において、上記「放射線固体検出器に放射線を照射する」とは、被写体の放射線画像情報を担持する記録用の放射線を検出器に直接または間接的に照射することを意味し、記録用の放射線を直接的に検出器に照射することに限らず、例えば放射線をシンチレータ(蛍光体)に照射することにより、シンチレータ内で発せられる蛍光等、記録用の放射線の励起により発せられる光を検出器に照射することも含むものとする。
【0025】
また、上記第3の放射線画像記録方法において、上記「制御電圧」とは、第2ストライプ電極が記録時における潜像電荷の蓄積プロセスに所定の影響を与える大きさの電圧であって、例えば、第2ストライプ電極が設けられていない場合において形成されるべき電界分布と略同じになるような大きさのとすることができる。
【0026】
また、積極的に、第2の電極層の電位へ近づける、または遠ざける、或いは同じとすることで、潜像電荷が形成される領域に変化を与えることができる。これによって、信号の取出効率や信号の読出応答速度を改善することが可能となる。
【0027】
この制御電圧は直流電圧であってもよし、交流電圧であってもよい。交流電圧は、正弦波電圧に限定されるものではなく、前述のように信号の取出効率や信号の読出応答速度を改善することができるものであればどのような波形であってもよい。
【0028】
また、本発明による放射線画像読取方法は、上記放射線固体検出器から放射線画像情報を読み取る放射線画像読取方法において、第1ストライプ電極と第2ストライプ電極を略同電位にせしめ、読取用の電磁波を第2の電極層に照射することによって蓄電部に蓄積された潜像電荷の量に応じたレベルの電気信号を得ることを特徴とする。
【0029】
ここで、上記「読取用の電磁波」としては、連続的に発せられる連続波であってもよいし、パルス状に発せられるパルス波であってもよいが、パルス波の方がより大きな電流を検出することができ、潜像電荷量が少ない画素であっても十分に大きな電流として検出することができるようになるので、画像のS/Nを飛躍的に改善することができ、有利である。
【0030】
また、上記「導電部材」が設けられた検出器を使用する場合には、該導電部材に集中されて潜像電荷が蓄積されるので、少なくとも、この導電部材が設けられている位置に対応する読取用光導電層に読取用の電磁波を照射するのが好ましい。なお、この読取に際しては、導電部材はオープンとしたままでよい。
【0031】
また、本発明による放射線画像記録装置は、上記第1または第3の放射線画像記録方法を実現する装置であって、第1の電極層と第1ストライプ電極との間に直流電圧を印加する電圧印加手段と、電圧印加手段により印加される直流電圧によって両電極層間に形成される電界分布を調整するための制御電圧を第2ストライプ電極に印加する制御電圧印加手段とを備えたものであることを特徴とするものである。
【0032】
また、本発明による放射線画像記録装置は、上記第2の放射線画像記録方法を実現する装置であって、第1の電極層と第1ストライプ電極との間に直流電圧を印加する電圧印加手段と、電圧印加手段により印加される直流電圧によって両電極層間に形成される電界分布を調整するため第2ストライプ電極をオープンにする切替手段とを備えたものであることを特徴とするものである。
【0033】
また、本発明による放射線画像読取装置は、上記放射線画像読取方法を実現する装置であって、第1ストライプ電極と第2ストライプ電極とを略同電位にせしめ、読取用の電磁波を第2の電極層に照射することによって、蓄電部に蓄積された潜像電荷の量に応じたレベルの電気信号を得る画像信号取得手段を備えたことを特徴とするものである。
【0034】
また、上記放射線画像読取装置は、画像信号取得手段が、第1ストライプ電極に接続されているものとすることができる。
【0035】
【発明の効果】
本発明による放射線固体検出器によれば、第2の電極層が、読取用の電磁波の照射に対して光電荷対発生用の多数の線状電極からなる第1ストライプ電極と、読取用の電磁波に対して光電荷対非発生用の多数の線状電極からなる第2ストライプ電極とを有し、第1ストライプ電極と第2ストライプ電極とが交互に略平行に配列されてなるものとしたので、記録用光導電層と読取用光導電層との間に形成される蓄電部と第2ストライプ電極との間に新たなコンデンサを形成させることができ、記録によって蓄電部に蓄積せしめられた潜像電荷と逆極性の輸送電荷を、読取りの際の電荷再配列によって第2ストライプ電極にも帯電させることが可能となり、読取用光導電層を介して第2の電極層の第1ストライプ電極と蓄電部との間で形成されるコンデンサに配分される前記輸送電荷の量を、この第2ストライプ電極を設けない場合よりも相対的に少なくすることができ、検出器から外部に取り出し得る信号電荷の量を多くして読取効率を向上させることが可能となる。
【0036】
本発明による放射線画像読取方法および装置によれば、放射線画像情報が記録された本発明による検出器から第2ストライプ電極を介して放射線画像情報を表す信号電荷を読み出して、蓄電部に蓄積された潜像電荷の量に応じたレベルの電気信号を得るようにしている。したがって、より多くの電荷を検出器から読み出すことができるので、読取効率が大きくなり、より大きな信号を得ることが可能となり、画像のS/Nを向上させることができる。
【0037】
また、第2ストライプ電極を設けても、記録用光導電層や読取用光導電層の厚さには実質的に大きな影響を与えることがないので、読出しの応答性に悪影響を与えることがなく、例えば、特願平10−232824号や同10−271374号において記載されているように、電荷輸送層と読取用光導電層との厚さの合計を記録用光導電層の厚さよりも薄くすることで、読取時の応答性を高めることができる。つまり、本発明によれば、読取時の高速応答性を維持しつつ、従来の検出器を使用する場合よりも、読取効率を一層向上させることができる。
【0038】
また、本発明による放射線画像記録方法および装置によれば、第1の電極層と第2の電極層との間に形成される電界分布を調整するための制御電圧を第2ストライプ電極に印加するようにしたので、信号の取出効率や信号の読出応答速度を改善することが可能となる。
【0039】
また、潜像電荷を同電位化せしめる導電部材が、電気信号が表す画像の画素毎に、格別に、蓄電部に設けられた検出器とすれば、該導電部材上に蓄積された、各画素毎の潜像電荷を全て同電位にすることが可能となり、導電部材がない場合に較べて、読出効率を改善することができる。これは、導電部材の範囲内では潜像電荷の電位が一定に保たれるため、一般に読み出しにくい画素周辺部の潜像電荷を、導電部材内である限り読出しの進行に応じて、導電部材中央部、すなわち画素中央部に移動せしめることができ、潜像電荷をより十分に放電させることができるからである。
【0040】
また、画素を導電部材が配設された固定位置に形成することが可能となり、ストラクチャーノイズの補正を行うことも容易となる。
【0041】
さらに、導電部材のサイズを画素ピッチより小さく設定すると共に、画素中央部に配置すれば、記録時に形成される電界分布を該導電部材に引き寄せられた分布形状にすることができるから、潜像電荷を画素中心部に集中させて蓄積させることも可能となり、画像の鮮鋭度を向上させることもできる。
【0042】
なお、電荷輸送層やトラップ層が設けられた検出器に導電部材を設けた場合には、これら各層による電荷蓄積効果を利用することもできる。すなわち、導電部材のサイズを画素ピッチより小さく設定すると、これら各層が設けられていない場合には、導電部材に捕捉されない電荷は潜像電荷として蓄積され得ず、鮮鋭度の向上には効果があるが蓄積電荷量が少なくなるという問題を生じ得るのに対して、各層によって電荷を潜像電荷として蓄積せしめることにより、蓄積電荷量を少なくすることなく、鮮鋭度の向上を図ることができる。
【0043】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0044】
図1は本発明による第1の実施の形態の放射線固体検出器の概略構成を示す図であり、図1(A)は斜視図、図1(B)はQ矢指部のXZ断面図、図1(C)はP矢指部のXY断面図である。この検出器20は、記録用の放射線(例えば、X線等。以下記録光という。)L1に対して透過性を有する第1の電極層21、この電極層21を透過した記録光L1の照射を受けることにより導電性を呈する記録用光導電層22、潜像電荷と(例えば負電荷)に対しては略絶縁体として作用し、かつ、該潜像電荷と逆極性の輸送電荷(上述の例においては正電荷)に対しては略導電体として作用する電荷輸送層23、読取用の電磁波(以下読取光という)L2の照射を受けることにより導電性を呈する読取用光導電層24、読取光L2に対して透過性を有する第2の電極層25を、この順に積層してなるものにおいて、電極層25内にサブ電極27を設けたものである。
【0045】
電極層25の電極は多数のエレメント26aをストライプ状に配列して成るストライプ電極26であり、さらに、記録用光導電層22と電荷輸送層23との界面である蓄電部29には、画素ピッチと略同サイズのマイクロプレート28が設けられている。
【0046】
電極層25内に設けられたサブ電極27は、多数のエレメント27aをストライプ状に配列したものであって、各エレメント27aは、該エレメント27aと前記ストライプ電極26のエレメント26aとが交互に配置されるように配列されている。両エレメントの間25aは、例えば、カーボンブラック等の顔料を若干量分散させたポリエチレン等の高分子材料を充填したものとし、読取光L2に対して遮光性を有するものとされている。また、ストライプ電極26とサブ電極27とは電気的に絶縁されている。サブ電極27は、記録用光導電層22と電荷輸送層23との略界面に形成される蓄電部29に蓄積された潜像電荷の量に応じたレベルの電気信号を出力させるための導電部材である。
【0047】
また、サブ電極27は、AL,Cr等の金属でコーティングされ、読取光L2に対して遮光性を有するように形成されており、エレメント27aに対応する読取用光導電層24内では、信号取り出しのための電荷対を発生させないようにしている。サブ電極27は、導電性を有するものであればよく、金、銀、クロム、白金等の単一金属や、酸化インジウム等の合金から作ることができる。
【0048】
サブ電極27の電圧が、ストライプ電極26と同電位になるように制御すれば、電極層21と電極層25との間で形成される電界分布を均一にできる。また、サブ電極をオープンにする、或いはストライプ電極26の電位よりも電極層21の電位に近づけるように制御すれば、潜像電荷をよりストライプ電極26の上部に集中して蓄積することが可能となる。
【0049】
マイクロプレート28は、エレメント26aの真上だけでなく、エレメント27aの真上まで延在している。これにより、マイクロプレート28上に蓄積されている潜像電荷は、常に同電位に保持され、マイクロプレート28上を自由に移動することが可能となり、読取時の放電が容易になるようにしている。なお、マイクロプレート28の中心がエレメント27aの真上に位置するように配置して、画素周辺の電荷を一層集め易くなるようにしてもよい。
【0050】
マイクロプレート28は、例えば、真空蒸着または化学的堆積を用いて誘電層上に堆積され、金、銀、アルミニウム、銅、クロム、チタン、白金等の単一金属や酸化インジウム等の合金で、極めて薄い膜から作ることができる。該マイクロプレート18は、連続層として堆積させることができ、連続層は次にエッチングされて、解像可能な最小の画素と同一の範囲の寸法を持つ複数の個々の離散マイクロプレートとして形成される。この離散マイクロプレートはレーザーアプレーションまたはホトエッチング等光微細加工技術を利用して作ることもできる(”Imaging Procesing &Materials”Chapter 18の”Imaging for Microfabrication”(J.M.Shaw,IBM Watson Research Center)参照)。
【0051】
記録用光導電層22の物質としては、アモルファスセレン(a−Se)、PbO,PbI等の酸化鉛(II)やヨウ化鉛(II)、Bi12(Ge,Si)O20,Bi/有機ポリマーナノコンポジット等のうち少なくとも1つを主成分とする光導電性物質が適当である。
【0052】
電荷輸送層23の物質としては、例えば電極層21に帯電される負電荷の移動度と、その逆極性となる正電荷の移動度の差が大きい程良く(例えば10以上、望ましくは10以上)ポリN−ビニルカルバゾール(PVK)、N,N'−ジフェニル−N,N'−ビス(3−メチルフェニル)−〔1,1'−ビフェニル〕−4,4'−ジアミン(TPD)やディスコティック液晶等の有機系化合物、或いはTPDのポリマー(ポリカーボネート、ポリスチレン、PUK)分散物,Clを10〜200ppmドープしたa−Se等の半導体物質が適当である。特に、有機系化合物(PVK,TPD、ディスコティック液晶等)は光不感性を有するため好ましく、また、誘電率が一般に小さいため電荷輸送層23と読取用光導電層24の容量が小さくなり読取時の信号取り出し効率を大きくすることができる。なお、「光不感性を有する」とは、記録光L1や読取光L2の照射を受けても殆ど導電性を呈するものでないことを意味する。
【0053】
読取用光導電層24の物質としては、a−Se,Se−Te,Se−As−Te,無金属フタロシアニン,金属フタロシアニン,MgPc(Magnesium phtalocyanine),VoPc(phaseII of Vanadyl phthalocyanine),CuPc(Cupper phtalocyanine)等のうち少なくとも1つを主成分とする光導電性物質が好適である。
【0054】
記録用光導電層12の厚さは、記録光L1を十分に吸収できるようにするには、50μm以上1000μm以下であるのが好ましく、本例においては約5500μmとしている。また電荷輸送層23と光導電層24との厚さの合計は記録用光導電層22の厚さの1/2以下であることが望ましく、また薄ければ薄いほど読取時の応答性が向上するので、例えば1/10以下、さらには1/20以下等にするのが好ましい。
【0055】
電極層21としては、例えば、透明ガラス板上に導電性物質を塗布したネサ皮膜等が適当である。
【0056】
この検出器20においては、読取用光導電層24および電荷輸送層23を介して蓄電部29とサブ電極27との間でコンデンサC*cが形成される。なお、サブ電極27を設けても、記録用光導電層22を介して電極層21と蓄電部29との間で形成されるコンデンサC*cの容量C、並びに読取用光導電層24および電荷輸送層23を介してストライプ電極26と蓄電部29との間で形成されるコンデンサC*bの容量Cには、実質的に大きな影響は現れない。
【0057】
ここで、コンデンサC*b,C*cの容量について考えてみると、容量比C*b:C*cは、各エレメント26a,27aの幅の比W:Wとなる。これにより、電荷再配列の際に、コンデンサC*bに配分される正電荷の量Q+bをサブ電極27を設けない場合よりも相対的に少なくすることができ、検出器20から外部に流れ出る電流を、サブ電極27を設けない場合よりも相対的に大きくすることができる。
【0058】
また、この検出器20においては、少なくともコンデンサC*b,C*cの容量は、電極を形成する各エレメント26a,27aの幅比で規定されるので、検出器の構造がシンプルで製造が容易である。
【0059】
図2は、本発明による第2の実施の形態の放射線固体検出器の概略構成を示す図であり、図2(A)は斜視図、図2(B)はQ矢指部のXZ断面図、図2(C)はP矢指部のXY断面図である。なお、図2においては、図1に示す第2の実施の形態による検出器20の要素と同等の要素には同番号を付し、それらについての説明は特に必要のない限り省略する。この第2の実施の形態による検出器20aは、上記検出器20のマイクロプレート28を取り除くと共に、記録時に、ストライプ電極26とサブ電極27とを接続し、サブ電極27を電界分布の形成に積極的に利用するようにしたものである。
【0060】
図3(A)は、ストライプ電極26とサブ電極27とを接続して、記録を行う場合における静電潜像記録過程を示す電荷モデルであり、図3(B)は、被写体の透過部9aについての、静電潜像読取過程を示す電荷モデルである。ストライプ電極26とサブ電極27とを接続して記録を行うと、潜像電荷は、エレメント26aに対応する位置だけでなく、エレメント27aに対応する位置にも蓄積される。読取時に、光導電層24に読取光L2が照射されると、2本のエレメント27aに対応する部分、すなわち両エレメント27aの上空部分の潜像電荷が、2本のエレメント27aを介して順次読み出される。すなわち、図3(B)に図示するように、画素の中心に位置したエレメント26aから、その両隣のエレメント27aに対応する(上空にある)潜像電荷に向けて放電が生じ、それによって読出しが進行する。なお、より多くの信号電荷を取り出すためには、エレメント27aの幅を、エレメント26aの幅よりも広くした方がよい。
【0061】
図4は、本発明による第3の実施の形態の放射線固体検出器の概略構成を示す図であり、図4(A)は斜視図、図4(B)はQ矢指部のXZ断面図、図4(C)はP矢指部のXY断面図である。なお、図4においても、図1に示す第1の実施の形態による検出器20の要素と同等の要素には同番号を付し、それらについての説明は特に必要のない限り省略する。この第3の実施の形態による検出器20bは、上記検出器20のマイクロプレート28を取り除くと共に、1画素の中で、ストライプ電極26のエレメント26aとサブ電極27のエレメント27aの両者を交互に設けた構成のものである。図示する検出器20aにおいては、1画素内に、夫々3本のエレメント26aおよびエレメント27aが設けられている。この検出器20bを使用して、記録および読取りを行う場合には、各エレメント26a,27aを1画素単位でひと纏めにして取り扱うとよい。検出器20,20bの1画素のサイズを同じとすれば、検出器20bの各エレメント26a,27aの幅W’,W’は、上記検出器20の幅W,Wよりも狭く設定される。半導体形成技術の進歩した今日にあっては、両エレメント26a,27aを十分に狭く形成することは容易なことであり、検出器20bを容易に製造することができる。
【0062】
このようにすると、上記第2の実施の形態による検出器20aに比べて、蓄電部29と電極層25との間の距離D1と、両エレメント26a,27a間の距離D2の比D1/D2を、大きくすることが容易にできる。このことより、エレメント26aからその両隣にあるエレメント27aに対応する潜像電荷に向けての放電がし易くなり、読取時間を検出器20aよりも短くすることができる。マイクロプレート28を設けないときに、特に有効である。
【0063】
図5は、本発明による第4の実施の形態の放射線固体検出器の概略構成を示す図であり、図5(A)は斜視図、図5(B)はQ矢指部のXZ断面図、図5(C)はP矢指部のXY断面図である。なお、図5においても図1に示す第1の実施の形態による検出器20の要素と同等の要素には同番号を付し、それらについての説明は特に必要のない限り省略する。この第4の実施の形態による検出器20cは、上記検出器20aの電荷輸送層23を取り除いた構成のものである。
【0064】
検出器20cを使用する場合の、記録過程および読取過程における作用についての詳細な説明は省略するが、記録過程においては、記録用光導電層23内で発生した負電荷をマイクロプレート28上に蓄積することができ、また、読取過程においては、潜像電荷をより十分に放電させることができ、読残しが少なくなる。
【0065】
さらにまた、上記実施の形態による検出器は、何れも、記録用光導電層が、記録用の放射線の照射によって導電性を呈するものであるが、本発明による検出器の記録用光導電層は必ずしもこれに限定されるものではなく、記録用光導電層は、記録用の放射線の励起により発せられる光の照射によって導電性を呈するものとしてもよい(特願平10−232824号参照)。この場合、第1の電極層の表面に記録用の放射線を、例えば青色光等、他の波長領域の光に波長変換するいわゆるX線シンチレータといわれる波長変換層を積層したものとする。この波長変換層としては、例えばヨウ化セシウム(CsI)等を用いるのが好適である。また、第1の電極層は、記録用の放射線の励起により波長変換層で発せられる光に対して透過性を有するものとする。
【0066】
また、検出器20,20a,20bにおいては、記録用光導電層と読取用光導電層との間に電荷輸送層を設け、記録用光導電層と電荷輸送層との界面に蓄電部を形成するようにしたものであるが、本発明においては、電荷輸送層をトラップ層に置き換えたものとしてもよい。トラップ層とした場合には、潜像電荷は、該トラップ層に捕捉され、該トラップ層内またはトラップ層と記録用光導電層の界面に潜像電荷が蓄積される。また、トラップ層と記録用光導電層の界面に、画素毎に、格別に、マイクロプレートを設けるようにしてもよい。
【0067】
また、上述の実施の形態による検出器においては、各画素毎に、方形状のマイクロプレートを夫々1つ設けたものであるが、画素を固定位置に形成したり、潜像電荷を同電位化させて、読取過程において画素周辺部の潜像電荷を十分に放電させたり、或いは記録過程において潜像電荷を画素中央部に集中させたりすることができるものである限り、多少その数が多くても構わない。例えば、各々が三角形状の導電部材を、全体として、画素毎に、方形をなすように4枚配置し、記録過程や読取過程において、方形中央部の三角形状の部材の頂点が対向する部分に潜像電荷が集まるようにしたり、扇形の導電部材を、全体として円形状に配設する等である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による放射線固体検出器の斜視図(A)、Q矢指部のXZ断面図(B)、P矢指部のXY断面図(C)
【図2】本発明の第2の実施の形態による放射線固体検出器の斜視図(A)、Q矢指部のXZ断面図(B)、P矢指部のXY断面図(C)
【図3】第2の実施の形態による放射線固体検出器を使用する場合における、静電潜像記録過程を示す電荷モデル(A)、静電潜像読取過程を示す電荷モデル(B)
【図4】本発明の第3の実施の形態による放射線固体検出器の斜視図(A)、Q矢指部のXZ断面図(B)、P矢指部のXY断面図(C)
【図5】本発明の第4の実施の形態による放射線固体検出器の斜視図(A)、Q矢指部のXZ断面図(B)、P矢指部のXY断面図(C)
【符号の説明】
20 放射線固体検出器
21 第1の電極層
22 記録用光導電層
23 電荷輸送層
24 読取用光導電層
25 第2の電極層
26 ストライプ電極
27 サブ電極(第1導電部材)
28 マイクロプレート(第2導電部材)
29 蓄電部
71 画像信号取得手段
72 電源(電圧印加手段および制御電圧印加手段として機能)
L1 記録用の放射線(記録光)
L2 読取用の電磁波(読取光)

Claims (17)

  1. 放射線の照射により放射線画像情報を静電潜像として記録する放射線固体検出器において、
    記録用の放射線または該放射線の励起により発せられる光に対して透過性を有する第1の電極層、
    前記記録用の放射線または前記光の照射を受けることにより導電性を呈する記録用光導電層、
    前記照射された放射線の線量に応じた量の電荷を潜像電荷として蓄積する蓄電部、
    読取用の電磁波の照射を受けることにより導電性を呈する読取用光導電層、
    前記読取用の電磁波が照射される第2の電極層を、この順に有して成り、
    前記第2の電極層が、前記読取用の電磁波の照射に対して光電荷対発生用の多数の線状電極からなる第1ストライプ電極と、前記読取用の電磁波に対して光電荷対非発生用の多数の線状電極からなる第2ストライプ電極とを有し、前記第1ストライプ電極と前記第2ストライプ電極とが交互に略平行に配列されてなることを特徴とする放射線固体検出器。
  2. 放射線の照射により放射線画像情報を静電潜像として記録する放射線固体検出器において、
    記録用の放射線または該放射線の励起により発せられる光に対して透過性を有する第1の電極層、
    前記記録用の放射線または前記光の照射を受けることにより導電性を呈する記録用光導電層、前記照射された放射線の線量に応じた量の電荷を潜像電荷として蓄積する蓄電部、
    読取用の電磁波の照射を受けることにより導電性を呈する読取用光導電層、
    前記読取用の電磁波が照射される第2の電極層を、この順に有して成り、
    前記第2の電極層が、前記読取用の電磁波の照射に対して透過性を有する多数の線状電極からなる第1ストライプ電極と、前記読取用の電磁波に対して遮光性を有する第2ストライプ電極とを有し、前記第1ストライプ電極と前記第2ストライプ電極とが交互に略平行に配列されてなることを特徴とする放射線固体検出器。
  3. 前記第2ストライプ電極が、AlまたはCrの金属でコーティングされていることを特徴とする請求項1または2記載の放射線固体検出器。
  4. 前記放射線固体検出器の1画素ラインが、1本の前記第1ストライプ電極と該1本の第1ストライプ電極に隣接する前記第2ストライプ電極とから構成されていることを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載の放射線固体検出器。
  5. 前記放射線固体検出器の1画素ラインが、複数の前記第1ストライプ電極と該複数の第1ストライプ電極の各々に隣接する前記第2ストライプ電極とから構成されていることを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載の放射線固体検出器。
  6. 前記蓄電部が、前記第1ストライプ電極および第2ストライプ電極上に延在して前記放射線固体検出器の画素毎に、各別に設けられた導電部材を有し、該導電部材により前記蓄積された潜像電荷を同電位に保持することを特徴とする請求項1から5いずれか1項記載の放射線固体検出器。
  7. 前記潜像電荷に対しては絶縁体として作用し、かつ、前記潜像電荷と逆極性の電荷に対しては導電体として作用する電荷輸送層を、前記記録用光導電層と前記読取用光導電層との間に有し、
    該電荷輸送層と前記記録用光導電層との界面に前記蓄電部が形成されることを特徴とする請求項1から6いずれか1項記載の放射線固体検出器。
  8. 前記潜像電荷を捕捉するトラップ層を、前記記録用光導電層と前記読取用光導電層との間に有し、
    該トラップ層内または該トラップ層と前記記録用光導電層との界面に前記蓄電部が形成されることを特徴とする請求項1から6いずれか1項記載の放射線固体検出器。
  9. 前記第2ストライプ電極の幅が、前記第1ストライプ電極の幅よりも広いことを特徴とする請求項1から8いずれか1項記載の放射線固体検出器。
  10. 請求項1から9いずれか1項記載の放射線固体検出器に放射線を照射して、該照射した放射線の線量に応じた量の電荷を前記放射線固体検出器の蓄電部に潜像電荷として蓄積せしめることにより、放射線画像情報を前記蓄電部に静電潜像として記録する放射線画像記録方法において、
    前記第1ストライプ電極と前記第2ストライプ電極とを略同電位とすると共に、前記第1の電極層と第2の電極層との間に直流電圧を印加して前記記録を行なうことを特徴とする放射線画像記録方法。
  11. 請求項1から9いずれか1項記載の放射線固体検出器に放射線を照射して、該照射した放射線の線量に応じた量の電荷を前記放射線固体検出器の蓄電部に潜像電荷として蓄積せしめることにより、放射線画像情報を前記蓄電部に静電潜像として記録する放射線画像記録方法において、
    前記第2ストライプ電極をオープンとすると共に、前記第1ストライプ電極と前記第1の電極層との間に直流電圧を印加して前記記録を行なうことを特徴とする放射線画像記録方法。
  12. 請求項1から9いずれか1項記載の放射線固体検出器に放射線を照射して、該照射した放射線の線量に応じた量の電荷を前記放射線固体検出器の蓄電部に潜像電荷として蓄積せしめることにより、放射線画像情報を前記蓄電部に静電潜像として記録する放射線画像記録方法において、
    前記第1ストライプ電極と前記第1の電極層との間に直流電圧を印加すると共に、該直流電圧の印加により前記第1ストライプ電極と前記第1の電極層との間に形成される電界分布を調節するための制御電圧を第2ストライプ電極に印加して前記記録を行なうことを特徴とする放射線画像記録方法。
  13. 放射線画像情報が静電潜像として記録された請求項1から9いずれか1項記載の放射線固体検出器から前記放射線画像情報を読み取る放射線画像読取方法において、前記第1ストライプ電極と前記第2ストライプ電極を略同電位にせしめ、前記読取用の電磁波を前記第2の電極層に照射することによって前記蓄電部に蓄積された潜像電荷の量に応じたレベルの電気信号を得ることを特徴とする放射線画像読取方法。
  14. 請求項1から9いずれか1項記載の放射線固体検出器に放射線を照射して、該照射した放射線の線量に応じた量の電荷を前記放射線固体検出器の蓄電部に潜像電荷として蓄積せしめることにより、放射線画像情報を前記蓄電部に静電潜像として記録する放射線画像記録装置において、
    前記第1の電極層と前記第1ストライプ電極との間に直流電圧を印加する電圧印加手段と、
    該電圧印加手段により印加される直流電圧によって両電極層間に形成される電界分布を調整するための制御電圧を前記第2ストライプ電極に印加する制御電圧印加手段とを備えたことを特徴とする放射線画像記録装置。
  15. 請求項1から9いずれか1項記載の放射線固体検出器に放射線を照射して、該照射した放射線の線量に応じた量の電荷を前記放射線固体検出器の蓄電部に潜像電荷として蓄積せしめることにより、放射線画像情報を前記蓄電部に静電潜像として記録する放射線画像記録装置において、
    前記第1の電極層と前記第1ストライプ電極との間に直流電圧を印加する電圧印加手段と、
    該電圧印加手段により印加される直流電圧によって両電極層間に形成される電界分布を調整するため前記第2ストライプ電極をオープンにする切替手段とを備えたことを特徴とする放射線画像記録装置。
  16. 放射線画像情報が静電潜像として記録された請求項1から9いずれか1項記載の放射線固体検出器から前記放射線画像情報を読み取る放射線画像読取装置において、
    前記第1ストライプ電極と前記第2ストライプ電極とを略同電位にせしめ、前記読取用の電磁波を前記第2の電極層に照射することによって、前記蓄電部に蓄積された潜像電荷の量に応じたレベルの電気信号を得る画像信号取得手段を備えたことを特徴とする放射線画像読取装置。
  17. 前記画像信号取得手段が、第1ストライプ電極に接続されていることを特徴とする請求項16記載の放射線画像読取装置。
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