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JP2001316557A - 積層用アクリル樹脂フィルム及びこれを用いたアクリル積層成形品 - Google Patents

積層用アクリル樹脂フィルム及びこれを用いたアクリル積層成形品

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Publication number
JP2001316557A
JP2001316557A JP2000137239A JP2000137239A JP2001316557A JP 2001316557 A JP2001316557 A JP 2001316557A JP 2000137239 A JP2000137239 A JP 2000137239A JP 2000137239 A JP2000137239 A JP 2000137239A JP 2001316557 A JP2001316557 A JP 2001316557A
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JP
Japan
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polymer
mass
rubber
parts
film
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Application number
JP2000137239A
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Yukio Kitaike
幸雄 北池
Hideyuki Fujii
秀幸 藤井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Publication date
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  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的高温下で使用しても耐可塑剤白化性
に優れた積層用アクリル樹脂フィルムの提供。 【解決手段】 メタクリル酸アルキルエステルを主成
分とし、還元粘度が0.1L/g以下である熱可塑性重
合体(I)20〜94.5質量部、および最内層がメタ
クリル酸アルキルエステルを主成分とする硬質重合体
(II−A)、中間層がアクリル酸アルキルエステルを主
成分とするゴム重合体(II−B)および最外層がメタク
リル酸アルキルエステルを主成分とする最外層重合体
(II−C)からなる3層構造を有し、かつ〔(II−B)
の直径−(II−A)の直径〕が0.1μm以下である重
合体ゴム含有重合体(II)5.5〜80質量部からな
り、ゴム重合体(II−B)の割合が(I)と(II)の合
計の5〜72質量%である積層用アクリル樹脂フィル
ム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定のアクリル樹
脂フィルムを積層接着したアクリル積層成形品およびそ
のような成形品の製造に用いる積層用アクリル樹脂フィ
ルムに関する。
【0002】
【従来の技術】プラスティック製品の表面に装飾を施す
方法として、大きく分ければ、直刷り法と転写法があ
る。直刷り法は、成形品に直接印刷する方法で、パッド
印刷法、曲面シルク印刷法、静電印刷法などがあるが、
複雑な形状を有する成形品の製造には不適であり、高度
な意匠性を付与することも困難である。転写法には、熱
転写法や水転写法があるが、比較的コストが高いという
問題がある。
【0003】上記以外の方法としては、低コストで成形
品に意匠性を付与する方法として、インモールド成形法
がある。この方法は、印刷したポリエステル樹脂、ポリ
カーボネート樹脂、アクリル樹脂などのシートもしくは
フィルムを、あらかじめ真空成形などによって三次元の
形状に成形した後、あるいは成形せずに、射出成形金型
内にインサートし、基材となる樹脂を射出成形するもの
であり、樹脂シートもしくはフィルムと基材樹脂を一体
化させる場合と印刷のみ基材樹脂の表面に転写させる場
合がある。
【0004】インモールド成形に適したアクリル樹脂フ
ィルムは、例えば特開平8−323934号公報、特開
平11−147237号公報に開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年、このようなイン
モールド成形法により成形された表層にアクリル樹脂フ
ィルム層を有する成形品が自動車内装用等に用いられて
いる。特開平8−323934号公報では、特定粒子径
のゴムを従来より少量使用することで、表面硬度、耐熱
性、成形性に優れたアクリル樹脂フィルムが得られてい
る。
【0006】しかしながら、このようなフィルムが積層
された部材にDOP等の可塑剤を含むPVC製等の吸盤
を張り付けた場合、経時変化により白化する問題点があ
る。例えば、センターコンソールパネルやウィンドウス
イッチパネル等の直射日光があたりやすく温度が高くな
る場合や、夏場の気温が高い場合には特に問題となる。
【0007】特開平11−147237号公報では、ハ
ード芯構造のゴムを使用して表面硬度に優れたアクリル
樹脂フィルムを得ているものの、優れた耐可塑剤白化性
を発現するために必要な詳細なゴム構造及びフィルム組
成に関する記載は特にない。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、このよう
な問題点を解決するために鋭意検討の結果、特定の構造
を有するゴム含有重合体を使用することで、比較的温度
が高い条件下でも耐可塑剤白化性に優れた積層用アクリ
ル樹脂フィルムが得られることを見出し、本発明に到達
したものである。
【0009】すなわち、本発明は、下記に示される熱可
塑性重合体(I)20〜94.5質量部およびゴム含有
重合体(II)5.5〜80質量部からなり、(I)およ
び(II)の合計が100質量部であり、ゴム含有重合体
(II)中のゴム重合体(II−B)の割合が(I)および
(II)の合計の5〜72質量%である積層用アクリル樹
脂フィルムである。
【0010】熱可塑性重合体(I):メタクリル酸アル
キルエステル50〜100質量%と、アクリル酸アルキ
ルエステル0〜50質量%と、これと共重合可能な他の
ビニル単量体0〜49質量%とからなり、その還元粘度
(重合体0.1gをクロロホルム100mLに溶解し、
25℃で測定)が0.1L/g以下である熱可塑性重合
体。
【0011】ゴム含有重合体(II):最内層がメタクリ
ル酸アルキルエステルを主成分とするガラス転移点温度
が25℃以上である硬質重合体(II−A)、中間層がア
クリル酸アルキルエステルを主成分とするガラス転移点
温度が0℃未満であるゴム重合体(II−B)および最外
層がメタクリル酸アルキルエステルを主成分とする最外
層重合体(II−C)からなる3層構造を有し、且つゴム
含有重合体(II)中の透過型電子顕微鏡で観察した〔ゴ
ム重合体(II−B)の直径−硬質重合体(II−A)の直
径〕の値が0.1μm以下である重合体。
【0012】また、本発明は、熱可塑性重合体(I)2
0〜94.4質量部、ゴム含有重合体(II)5.5〜7
9.9質量部および下記に示される熱可塑性重合体(II
I)0.1〜10質量部からなり、(I)、(II)およ
び(III)の合計が100質量部であり、ゴム含有重合
体(II)中のゴム重合体(II−B)の割合が(I)、
(II)および(III)の合計の5〜72質量%である積
層用アクリル樹脂フィルムである。
【0013】熱可塑性重合体(III):メタクリル酸メ
チル50〜100質量%と、これと共重合可能な他のビ
ニル単量体0〜50質量%とからなり、その還元粘度
(重合体0.1gをクロロホルム100mLに溶解し、
25℃で測定)が0.1L/gを超える熱可塑性重合
体。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる熱可塑性重合
体(I)は、メタクリル酸アルキルエステル50〜10
0質量%と、アクリル酸アルキルエステル0〜50質量
%と、これと共重合可能な他のビニル単量体0〜49質
量%とからなり、その還元粘度(重合体0.1gをクロ
ロホルム100mLに溶解し、25℃で測定)が0.1
L/g以下である重合体である。
【0015】熱可塑性重合体(I)の還元粘度が0.1
L/g以下であることが、フィルム原料樹脂の溶融時に
適度の伸びが生じ、製膜性が良好となるので好ましい。
また、熱可塑性重合体(I)の還元粘度が0.05L/
g以上であることが好ましい。0.05L/gより高い
とフィルムが脆くなくなるため、フィルム製膜時および
印刷時にフィルム切れを起こし難くなる。
【0016】熱可塑性重合体(I)で使用されるメタク
リル酸アルキルエステルとしては、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル等が使用
できるが、メタクリル酸メチルが最も好ましい。これら
は単独でまたは2種以上を併用して用いることができ
る。アクリル酸アルキルエステルとしては、アクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等が使用
できる。アクリル酸アルキルエステルは0〜50質量%
の範囲、好ましくは0.1〜40質量%の範囲で使用さ
れる。これらは単独でまたは2種以上を併用して用いる
ことができる。共重合可能な他のビニル単量体として
は、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等
の芳香族アルケニル化合物;アクリロニトリル、メタク
リロニトリル等のシアン化ビニル化合物等の各種のビニ
ル系単量体が例示でき、これらは単独でまたは2種以上
を併用して用いることができる。
【0017】熱可塑性重合体(I)の重合方法は、特に
限定されないが、通常の懸濁重合、乳化重合、塊状重合
等の方法で行うことができる。なお、還元粘度を本発明
で限定する範囲とするため、連鎖移動剤を使用する必要
がある。連鎖移動剤としては各種のものが使用できる
が、メルカプタン類が好ましい。連鎖移動剤の量は、単
量体の種類および組成により適宜決める必要がある。
【0018】熱可塑性重合体(I)のガラス転移温度は
重要であり、ガラス転移温度が90℃以上であることが
好ましい。90℃以上では可塑剤の含浸速度が遅くなる
ために耐可塑剤白化性が良好となる。更に好ましくは1
00℃以上である。
【0019】本発明に用いられるゴム含有重合体(II)
は、耐可塑剤白化性と成形性を両立させるために重要な
成分であり、アクリル酸アルキルエステルをゴムの主成
分として含む多層構造を有するグラフト共重合体であ
る。
【0020】ゴム含有重合体(II)は、最内層がメタク
リル酸アルキルエステルを主成分とするガラス転移点温
度が25℃以上である硬質重合体(II−A)であり、中
間層がアクリル酸アルキルエステルを主成分とするガラ
ス転移点温度が0℃未満であるゴム重合体(II−B)で
あり、硬質重合体(II−A)とゴム重合体(II−B)か
らなる重合体(II−A+B)に、最外層としてメタクリ
ル酸アルキルエステルを主成分とする最外層重合体(II
−C)をグラフトした3層構造を有する重合体である。
【0021】ここで用いられるアクリル酸アルキルエス
テルとしては、各種のものが単独でまたは2種以上を併
用して使用できるが、それらのうちではアクリル酸ブチ
ル、アクリル酸−2−エチルヘキシルが好ましい。ま
た、メタクリル酸アルキルエステルについても各種のも
のが単独でまたは2種以上を併用して使用できるが、メ
タクリル酸メチル、メタクリル酸ブチルが好ましい。
【0022】硬質重合体(II−A)とゴム重合体(II−
B)を得るに際しては、各種の共重合可能な他のビニル
単量体の1種または2以上を共重合させることができ
る。ここで用いるビニル単量体としては、スチレン、ア
クリロニトリルなどが好ましい。さらに、本発明におい
ては、共重合性の架橋性単量体を使用することができ
る。用いる架橋性単量体としては、特に限定する必要は
ないが、好ましくはエチレングリコールジメタクリレー
ト、ブタンジオールジメタクリレート、アクリル酸アリ
ル、メタクリル酸アリル、フタル酸ジアリル、トリアリ
ルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジビニ
ルベンゼン、マレイン酸ジアリル、トリメチロールプロ
パントリアクリレート、アリルシンナメート等が挙げら
れ、これらを単独でまたは2種以上の組み合わせで用い
ることができる。共重合性の架橋性単量体を使用するこ
とは、フィルムに接触する樹脂に含まれる可塑剤による
ゴムの膨潤に起因する白化を軽減できるので好ましい。
【0023】重合体(II−A+B)中、硬質重合体(II
−A)は20〜80質量%、ゴム重合体(II−B)は8
0〜20質量%の範囲にあることが、耐可塑剤白化性と
成形性の観点から好ましい。硬質重合体(II−A)は重
合体(II−A+B)中、40質量%以上存在することが
耐可塑剤白化性の点からより好ましく、ゴム重合体(II
−B)は重合体(II−A+B)中、40質量%以上存在
することが成形性の点からより好ましい。
【0024】硬質重合体(II−A)は、そのガラス転移
温度が25℃以上の範囲にあることが、耐可塑剤白化性
の観点から必要であり、90℃以上の範囲であることが
好ましい。
【0025】重合体(II−A+B)にグラフトさせる最
外層重合体(II−C)の単量体としては、メタクリル酸
アルキルエステルを主成分とするもの、すなわちメタク
リル酸アルキルエステルを50質量%以上含むものが使
用され、メタクリル酸アルキルエステルとしては、具体
的にはメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メ
タクリル酸シクロヘキシル等が挙げられ、これらは単独
でまたは2以上を併用して用いることができる。さら
に、共重合可能なビニル系単量体が50質量%以下の範
囲で使用でき、これらは特に限定されるものではない
が、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、アク
リル酸シクロヘキシル等のアクリル酸アルキルエステ
ル、スチレン、アクリロニトリルなどが挙げられ、これ
らは単独でまたは2以上を併用して用いることができ
る。グラフトさせる単量体混合物は、重合体(II−A+
B)100質量部に対し、10〜400質量部、好まし
くは20〜200質量部が使用され、少なくとも1段以
上で重合することができる。グラフトさせる単量体混合
物が重合体(II−A+B)100質量部に対し10質量
部以上であると、重合体(II−A+B)の凝集が起こり
難くなり、透明性が良好となるため好ましい。
【0026】また、最外層重合体(II−C)は、耐可塑
剤白化性の観点からそのガラス転移温度が90℃以上の
範囲にあることが好ましい。
【0027】本発明に用いられるゴム含有重合体(II)
は、粒子径が0.2〜0.4μmの範囲にあることが好
ましい。更に、好ましくは0.25〜0.35μmであ
る。なお、ゴム含有重合体(II)は、通常の乳化重合で
製造することができる。粒子径が0.2μm以上である
と、本発明のゴム含有重合体(II)の使用量では得られ
るフィルムが脆くなくなり、フィルム製膜が良好とな
る。粒子径が0.4μm以下であると、得られるフィル
ムの透明性が良好となる。
【0028】また、本発明では〔ゴム重合体(II−B)
の直径−硬質重合体(II−A)の直径〕の値が重要であ
り、耐可塑剤白化性の観点から0.1μm以下であるこ
とが必要である。好ましくはこの値が0.07μm以下
の範囲であり、より好ましくは0.05μm以下の範囲
である。
【0029】本発明に用いられる熱可塑性重合体(II
I)は、メタクリル酸メチル50〜100質量%と、こ
れと共重合可能な他のビニル単量体0〜50質量%とか
らなり、その還元粘度(重合体0.1gをクロロホルム
100mLに溶解し、25℃で測定)が0.2L/gを
超える熱可塑性重合体である。熱可塑性重合体(III)
を使用することによって、フィルム製膜性が向上するた
め、特に高いレベルの厚み精度や製膜速度が必要となる
場合に効果を示す。
【0030】熱可塑性重合体(III)の還元粘度が0.
2L/gを超えた範囲であると、厚み精度の良好なフィ
ルムとなる。使用される熱可塑性重合体(III)の還元
粘度は、通常0.2L/gを超えて2L/g以下、好ま
しくは、1.2L/g以下である。
【0031】本発明に用いられる熱可塑性重合体(II
I)において、メタクリル酸メチルと共重合可能なビニ
ル系単量体としては、アクリル酸アルキルエステル、メ
タクリル酸アルキルエステル、芳香族ビニル化合物、ビ
ニルシアン化合物等があげられ、これらは単独でまたは
2種以上を併用して使用することができる。重合は乳化
重合法によるのが好ましく、乳化重合法によって製造し
た重合体ラテックスを各種凝固剤により分離回収あるい
はスプレードライ法により固形分を分離回収し重合体粉
末を得ることによって製造される。
【0032】本発明において、必要に応じて用いる熱可
塑性重合体(III)の好ましい使用量は0.1〜10質
量部である。0.1質量部未満では熱可塑性重合体(II
I)使用による製膜性向上効果が発現しにくく、一方、
10質量部を超えた範囲では樹脂組成物の粘度が高くな
り、フィルム製膜性及び透明性がやや低下する傾向を示
す。
【0033】本発明のアクリル樹脂フィルムは、こうし
て得られた熱可塑性重合体(I)20〜94.5質量部
およびゴム含有重合体(II)5.5〜80質量部からな
り、(I)および(II)の合計が100質量部であり、
ゴム含有重合体(II)中のゴム重合体(II−B)の割合
が(I)および(II)の合計の5〜72質量%であるフ
ィルムである。
【0034】また、熱可塑性重合体(III)を使用する
場合は、熱可塑性重合体(I)20〜94.4質量部、
ゴム含有重合体(II)5.5〜80質量部および熱可塑
性重合体(III)0.1〜10質量部からなり、
(I)、(II)および(III)の合計が100質量部で
あり、ゴム含有重合体(II)中のゴム重合体(II−B)
の割合が(I)、(II)および(III)の合計の5〜7
2質量%であるフィルムである。
【0035】ゴム含有重合体(II)は5.5〜80質量
部の範囲で使用されるが、特にゴム含有重合体(II)中
のゴム重合体(II−B)の割合は硬質重合体(I)及び
(II)又は(I)、(II)及び(III)の合計の5〜7
2質量%でなければならない。ゴム重合体(II−B)の
割合が5質量%以上であるとフィルムが脆くなくなり、
製膜可能となる。ゴム重合体(II−B)の割合が72質
量%以下であることが製膜性の観点から必要である。
【0036】ゴム重合体(II−B)の割合は耐可塑剤白
化性、表面硬度の観点から50質量%以下であることが
好ましく、更に好ましくは18質量%以下である。
【0037】本発明のアクリル樹脂フィルムは、必要に
応じて、一般の配合剤、例えば、安定剤、滑剤、加工助
剤、可塑剤、耐衝撃助剤、発泡剤、充填剤、着色剤、艶
消剤、紫外線吸収剤等を含むことができる。特に基材の
保護の点では、耐候性を付与するために、紫外線吸収剤
が添加されていることが好ましい。使用される紫外線吸
収剤の分子量は300以上であることが好ましく、特に
好ましくは400以上である。分子量が300より小さ
な紫外線吸収剤を使用すると、射出成形金型内で真空成
形または圧空成形を施す際に揮発し、金型汚れを発生さ
せることがある。紫外線吸収剤の種類は、特に限定され
ないが、分子量400以上のベンゾトリアゾール系また
は分子量400以上のトリアジン系のものが特に好まし
く使用でき、前者の具体例としては、チバガイギー社の
チヌビン234、旭電化工業社のアデカスタブLA−3
1、後者の具体例としては、チバガイギー社のチヌビン
1577等が挙げられる。
【0038】本発明のアクリル樹脂フィルムの熱変形温
度(ASTM D648に基づく測定)は耐可塑剤白化
性の観点から90℃以上であることが好ましい。更に好
ましくは100℃以上である。
【0039】本発明のアクリル樹脂フィルムの熱変形温
度は、ゴム含有重合体(II)の使用量によっても変わる
が、主に本発明に使用される熱可塑性重合体(I)の熱
変形温度により決まる。熱可塑性重合体(I)の熱変形
温度については、熱可塑性重合体(I)の単量体組成を
公知の方法で調整することによって調節できる。種々の
条件によって異なるが、例えば、共重合成分としてメチ
ルアクリレートを使用する場合、熱変形温度を80℃以
上とする場合においては熱可塑性重合体(I)中のメチ
ルメタクリレート含量を88質量%以上とし、熱変形温
度を100℃以上とする場合においては熱可塑性重合体
(I)中のメチルメタクリレート含量を95質量%以上
とすることにより調節できる。熱変形温度を110℃以
上とする場合においては、熱可塑性重合体(I)中に、
無水マレイン酸、フェニルマレイミドなどのマレイミド
類を共重合させる必要がある。もちろん、熱変形温度を
80℃以上および100℃以上とする場合においても、
無水マレイン酸、フェニルマレイミドなどのマレイミド
類を共重合させメチルメタクリレート含量を減らすこと
も可能である。
【0040】本発明で用いられるアクリル樹脂フィルム
の製造法としては、溶融流延法や、Tダイ法、インフレ
ーション法などの溶融押出法、カレンダー法等の公知の
方法が挙げられるが、経済性の点からTダイ法が好まし
い。
【0041】また、積層用アクリル樹脂フィルムは、通
常成形品に意匠性を付与するために、必要に応じて適当
な印刷法により印刷をしたものが用いられる。この場
合、アクリル樹脂フィルムに片側印刷処理を施したもの
を用いることが好ましく、成形時には印刷面を基材樹脂
との接着面に配することが印刷面の保護や高級感の付与
の点から好ましい。また、基材となるプラスチックの色
調を生かし、透明な塗装の代替として用いる場合には、
透明なまま使用することができる。特に、このように基
材の色調を生かす用途には、アクリル樹脂フィルムは、
塩化ビニルやポリエステルフィルムに比べ、透明性、深
み感や高級感の点で優れている。さらに、必要に応じて
艶消しや着色加工したものを用いることができる。
【0042】アクリル樹脂フィルムの厚みは300μm
以下であり、好ましくは100μm〜300μmであ
る。100μm以上であると、成形品外観として十分な
深みが得られる。特に複雑な形状に成形する場合、延伸
によって十分な厚みが得られる。また、300μm以下
であると、適度な剛性となるためラミネート性、二次加
工性等が容易となる。単位面積あたりの重量の点で、経
済的に有利である。さらに製膜性が安定してフィルムの
製造が容易となる。
【0043】成型品に塗装によって十分な厚みの塗膜を
作るためには、十数回の重ね塗りが必要であり、コスト
がかかり、生産性が極端に悪くなるのに対して、本発明
によるアクリル積層成型品であれば、アクリル樹脂フィ
ルム自体が塗膜となるため、容易に非常に厚い塗膜を形
成することができ、工業的に有利である。
【0044】本発明に用いられる成形品を構成する基材
となる樹脂は、アクリル樹脂フィルムと溶融接着可能な
ものであることが必要であり、ABS樹脂、AS樹脂、
ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル
樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル系樹脂あるいはこれ
らを主成分とする樹脂が挙げられるが、接着性の点でA
BS樹脂、AS樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニ
ル樹脂あるいはこれらの樹脂を主成分とする樹脂が好ま
しく、より好ましくはABS樹脂、ポリカーボネート樹
脂あるいはこれらを主成分とする樹脂を用いることがで
きる。ただし、ポリオレフィン樹脂等の熱融着しない基
材樹脂でも印刷層の種類を工夫することでアクリル樹脂
フィルムと基材を成形時に接着させることは可能であ
る。
【0045】本発明の積層成形品は、2次元形状の積層
体に成形する場合、熱融着できる基材に対しては熱ラミ
ネーション等の公知の方法を用いることができる。ま
た、熱融着しない基材に対しては接着剤を介して貼り合
わせることは可能である。
【0046】3次元形状の積層体に成形する場合は、イ
ンサート成形法やインモールド成形法等の公知の方法を
用いることができる。これらの中でも生産性の観点から
インモールド成形法が特に好ましい。
【0047】インモールド成形法は、アクリル樹脂フィ
ルムを加熱した後、真空引き機能を持つ型内で真空成形
を行う。この成形方法は、フィルムの成形と射出成形を
一工程で行えるため、作業性、経済性の点から好まし
い。加熱温度としてはアクリル樹脂フィルムが軟化する
温度以上であることが望ましい。これはフィルムの熱的
性質、あるいは成形品の形状に左右されるが、通常70
℃以上である。また、あまり温度が高いと表面外観が悪
化したり、離型性が悪くなる。これもフィルムの熱的性
質、あるいは成形品の形状に左右されるが、通常170
℃以下であることが好ましい。
【0048】このように、真空成形によりフィルムに三
次元形状を付与する場合、アクリル樹脂フィルムは高温
時の伸度に富んでおり、非常に有利である。真空成形で
三次元形状を付与した後、射出成形によりアクリル樹脂
フィルムと基材樹脂を溶融一体化し、アクリル積層射出
成形品を得ることができる。
【0049】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明は実施例により限定されるものではな
い。なお、実施例中「部」は「質量部」を、「%」は
「質量%」をそれぞれ表す。また、実施例中の略号は以
下のとおりである。
【0050】 MMA メチルメタクリレート MA メチルアクリレート BA ブチルアクリレート AMA アリルメタクリレート St スチレン CHP クメンパイドロパーオキサイド NOM n−オクチルメルカプタン DOP ジオクチルフタレート なお、得られた熱可塑性重合体(I)、(III)、ゴム
含有重合体(II)およびフィルムは以下の試験法により
諸物性を測定した。 1)熱可塑性重合体(I)(III)の還元粘度 重合体0.1gをクロロホルム100mLに溶解し、2
5℃で測定した。 2)ゴム含有重合体(II)の粒子径 乳化重合にて得られたゴム含有重合体(II)のポリマー
ラテックスの最終粒子径を大塚電子(株)製の光散乱光
度計DLS−700を用い、動的光散乱法で測定した。 3)ゴム重合体(II−B)の直径−硬質重合体(II−
A)の直径 得られたフィルム状物を適当な大きさに切り出し、切片
を0.5質量%四酸化ルテニウム水溶液に、室温で15
時間浸漬してゴム重合体(II−B)部分を染色した。更
に、ミクロトームを用いて約70nmの厚みにサンプル
を切断し、透過型電子顕微鏡で写真撮影した。この写真
から無作為に50個の染色されているゴム重合体(II−
B)を選び、その各々の内径と外径を算出し、その差の
平均値をゴム重合体(II−B)の直径−硬質重合体(II
−A)の直径とした。 4)フィルムの全光線透過率および曇価 JIS K6714に従って評価した。 5)フィルムの表面光沢 フィルムの表面光沢はグロスメーター(ムラカミカラー
リサーチラボラトリー製 GM−26D型)を用い60
゜での表面光沢を測定した。 6)フィルムの製膜性 Tダイ法にて厚み100μmのフィルムを製膜し、5時
間以上フィルムが切れずに製膜可能であったものを○、
5時間で数回のフィルム切断が発生したものを△、フィ
ルムの切断のためサンプルが得られなかったものを×と
した。 7)耐可塑剤白化性 DOPを可塑剤として使用した。ネル布を1cm2四方
に切り出し、成形品の上に載せDOPを4滴たらし、7
0℃雰囲気下で1日間放置して、その後ネル布を取り除
き洗剤で洗浄した後の白化度合いを観察した。
【0051】 ○−白化目立たない △−僅かに白化が見られる ×−白化が見られる 8)ガラス転移温度 FOXの式にて計算した。
【0052】実施例1 a)ゴム含有重合体(II)の製造 反応容器に下記に示す(イ)および(ロ)の原料(重合
体(II−A))を仕込み、窒素雰囲気下80℃で90分
間、撹拌を行いながら重合した。その後、(ハ)の原料
(ゴム重合体(II−B))を90分間にわたって連続的
に添加し、さらに120分間重合を行い、重合体ラテッ
クスを得た。
【0053】得られた弾性体重合体ラテックスに引き続
いて下記に示す原料(ニ)を添加し撹拌した後、下記に
示す原料(ホ)(最外層重合体(II−C))を80℃で
45分間にわたって連続的に添加し、その後さらに80
℃で1時間連続して重合を行い、ゴム含有重合体(II)
ラテックスを得た。得られたゴム含有重合体(II)の粒
子径は0.27μmであった。なお、ゴム重合体(II−
B)のガラス転移温度は−34℃であった。
【0054】ゴム含有重合体(II)ラテックスを塩化カ
ルシウムを用いて凝析、凝集、固化反応を行い、ろ過、
水洗後乾燥してゴム含有重合体(II)−1を得た。 (イ) 脱イオン水 300部 N−アシルザルコシン酸ソーダ 0.5部 ホウ酸 1.0部 炭酸ナトリウム 0.1部 ソジウムホルムアルデヒドスルホキシレート 0.5部 硫酸第一鉄 0.00024部 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 0.00072部 (ロ) MMA 49.5部 AMA 0.5部 CHP 0.15部 (ハ) BA 40.0部 St 9.5部 AMA 0.5部 CHP 0.15部 (ニ) 脱イオン水 5部 N−アシルザルコシン酸ソーダ 1.2部 (ホ) MMA 79.2部 MA 0.8部 NOM 0.28部 CHP 0.24部 b)熱可塑性重合体(III)の製造 反応容器に窒素置換したイオン交換水200部を仕込
み、乳化剤オレイン酸カリウム1部、過硫酸カリウム
0.3部を仕込んだ。続いてMMA40部、BA10
部、NOM0.005部を仕込み、窒素雰囲気下65℃
にて3時間撹拌し、重合を完結させた。引き続いてMM
A48部、BA2部からなる単量体混合物を2時間にわ
たり滴下し、滴下終了後2時間保持を行い、重合を完結
させた。得られたラテックスを0.25%硫酸水溶液に
添加し、重合体を酸凝析した後脱水、水洗、乾燥し、粉
体状で重合体を回収した。得られた共重合体の還元粘度
ηsp/cは0.38L/gであった。 c)アクリルフィルムの製造 上記のようにして得られたゴム含有重合体(II)−1、
熱可塑性重合体(III)および熱可塑性重合体(I)で
あるメタクリル酸メチル/アクリル酸メチル共重合体
(メタクリル酸メチル/アクリル酸メチル=98/2、
還元粘度0.06L/g、ガラス転移温度104℃)を
第1表に示す各種割合でヘンシェルミキサーを用いて混
合した。次いで40mmφのスクリュー型押出機(L/
D=26)を用いてシリンダー温度200℃〜260
℃、ダイ温度250℃で溶融混練し、ペレット化して、
フィルム組成物を得た。
【0055】得られたペレットを80℃で一昼夜乾燥
し、300mmTダイを取り付けた40mmφのノンベ
ントスクリュー型押出機(L/D=26)を用いてシリ
ンダー温度200℃〜240℃、Tダイ温度250℃で
200μmのフィルムを製膜した。
【0056】得られたアクリルフィルムに印刷加工し、
140℃で1分間加熱した後、真空引き機能を持つ金型
で真空成形を行った。成形加工したフィルムを金型に配
した状態で、第2表に示したABS樹脂をフィルムの印
刷面側に射出成形し、成形品を得た。
【0057】製膜性に関しては前述のとおり、100μ
mの厚みのフィルムを製膜して判断した。得られたフィ
ルムの製膜性等を表1、フィルムの物性と耐可塑剤白化
性等の評価結果を表2に示す。
【0058】実施例2〜4 熱可塑性重合体(I)、ゴム含有重合体(II)および熱
可塑性重合体(III)のフィルム中の配合量を表1の通
り変更する以外は実施例1と同様に実施した。
【0059】実施例5 実施例1のゴム含有重合体(II)−1の重合において
(ロ)の組成を以下に示す(ロ´)に変更して重合して
得たゴム含有重合体(II)−2を使用する以外は実施例
1と同様に実施した。 (ロ´) MMA 45.5部 BA 4.0部 AMA 0.5部 CHP 0.15部 実施例6実施例1のゴム含有重合体(II)−1の重合に
おいて(ホ)の組成を以下に示す(ホ´)に変更して重
合して得たゴム含有重合体(II)−3を使用する以外は
実施例1と同様に実施した。 (ホ´) MMA 73.6部 BA 6.4部 NOM 0.28部 CHP 0.24部 実施例7実施例1の熱可塑性重合体(I)の替わりにメ
タクリル酸メチル/アクリル酸ブチル共重合体(メタク
リル酸メチル/アクリル酸ブチル=92/8、還元粘度
0.07L/g、ガラス転移温度84℃)を使用する以
外は実施例1と同様に実施した。
【0060】比較例1、2 熱可塑性重合体(I)、ゴム含有重合体(II)、熱可塑
性重合体(III)のフィルム中の配合量を表1の通り変
更する以外は実施例1と同様に実施した。
【0061】比較例3 実施例1のゴム含有重合体(II)−1の重合において
(ロ)の組成を以下に示す(ロ´´)に変更して重合し
て得たゴム含有重合体(II)−4を使用する以外は実施
例1と同様に実施した。 (ロ´´) BA 40.0部 St 9.5部 AMA 0.5部 CHP 0.15部 比較例4 実施例1のゴム含有重合体(II)−1の重合において
(ロ)及び(ハ)の組成をそれぞれ以下に示す(ロ´´
´)及び(ハ´´)に変更して重合して得たゴム含有重
合体(II)−5を使用する以外は実施例1と同様に実施
した。 (ロ´´´) MMA 19.8部 AMA 0.2部 CHP 0.06部 (ハ´´) BuA 64.0部 St 15.2部 AMA 0.8部 CHP 0.24部
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】以上の実施例及び比較例より、以下のこと
が判明した。 実施例1〜7のフィルムは何れも良好な製膜性、透明
性、鉛筆硬度、耐DOP白化性及び真空成形性を有す
る。 比較例1の弾性共重合体含有量の低いフィルムは製膜
性が不良である。 比較例2のゴム含有重合体含有量の高いフィルムは製
膜性が不良である。 比較例3および4のフィルムは、製膜性、透明性、鉛
筆硬度、真空成形性は良好であるものの、耐DOP白化
性が不良であり、使用される用途に制限が生じるために
工業的利用価値が低い。
【0065】
【発明の効果】本発明によって、比較的高温下で使用し
ても耐可塑剤白化性に優れた積層用アクリル樹脂フィル
ム及びこのアクリルフィルムの積層成形品が得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08J 5/18 CEY C08J 5/18 CEY 4J026 C08L 51/00 C08L 51/00 // B29K 105:20 B29K 105:20 621:00 621:00 633:04 633:04 B29L 9:00 B29L 9:00 Fターム(参考) 4F071 AA33 AA33X AA76 AA77 AA86 AA88 AH19 BA01 BA02 BB02 BB04 BB06 BC01 4F100 AK12 AK25A AK74 AL01A AL05A AN02A BA01 BA02 BA07 EH17 EH172 GB33 HB00B JA05A JA06A JB16A JL10 YY00A 4F206 AA13 AA18 AA21 AA24 AA28 AD05 AD08 AD09 AD20 AG03 AR17 JA07 JB13 JB19 JF05 JL02 JM04 JN11 4F208 AA21 AA24 AA45 AG03 AR17 MA01 MA02 MB01 MC03 MG04 MG11 MG22 MJ23 MK15 MW01 4J002 BG05W BG053 BN11X FD050 4J026 AA45 AC09 AC15 BA27 BB07 DA04 DA13 DB04 DB13 FA02 FA07 GA08

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記に示される熱可塑性重合体(I)2
    0〜94.5質量部およびゴム含有重合体(II)5.5
    〜80質量部からなり、(I)および(II)の合計が1
    00質量部であり、ゴム含有重合体(II)中のゴム重合
    体(II−B)の割合が(I)および(II)の合計の5〜
    72質量%である積層用アクリル樹脂フィルム。熱可塑
    性重合体(I):メタクリル酸アルキルエステル50〜
    100質量%と、アクリル酸アルキルエステル0〜50
    質量%と、これと共重合可能な他のビニル単量体0〜4
    9質量%とからなり、その還元粘度(重合体0.1gを
    クロロホルム100mLに溶解し、25℃で測定)が
    0.1L/g以下である熱可塑性重合体。ゴム含有重合
    体(II):最内層がメタクリル酸アルキルエステルを主
    成分とするガラス転移点温度が25℃以上である硬質重
    合体(II−A)、中間層がアクリル酸アルキルエステル
    を主成分とするガラス転移点温度が0℃未満であるゴム
    重合体(II−B)および最外層がメタクリル酸アルキル
    エステルを主成分とする最外層重合体(II−C)からな
    る3層構造を有し、且つゴム含有重合体(II)中の透過
    型電子顕微鏡で観察した〔ゴム重合体(II−B)の直径
    −硬質重合体(II−A)の直径〕の値が0.1μm以下
    である重合体。
  2. 【請求項2】 熱可塑性重合体(I)20〜94.4質
    量部、ゴム含有重合体(II)5.5〜79.9質量部お
    よび下記に示される熱可塑性重合体(III)0.1〜1
    0質量部からなり、(I)、(II)および(III)の合
    計が100質量部であり、ゴム含有重合体(II)中のゴ
    ム重合体(II−B)の割合が(I)、(II)および(II
    I)の合計の5〜72質量%である積層用アクリル樹脂
    フィルム。熱可塑性重合体(III):メタクリル酸メチ
    ル50〜100質量%と、これと共重合可能な他のビニ
    ル単量体0〜50質量%とからなり、その還元粘度(重
    合体0.1gをクロロホルム100mLに溶解し、25
    ℃で測定)が0.1L/gを超える熱可塑性重合体。
  3. 【請求項3】 熱可塑性重合体(I)のガラス転移温度
    が90℃以上である請求項1または2記載の積層用アク
    リル樹脂フィルム。
  4. 【請求項4】 ゴム含有重合体(II)中の硬質重合体
    (II−A)のガラス転移温度が90℃以上である請求項
    1または2記載の積層用アクリル樹脂フィルム。
  5. 【請求項5】 ゴム含有重合体(II)中の最外層重合体
    (II−C)のガラス転移温度が90℃以上である請求項
    1または2記載の積層用アクリルフィルム。
  6. 【請求項6】 請求項1記載のアクリル樹脂フィルムを
    積層接着したことを特徴とするアクリル積層成形品。
  7. 【請求項7】 アクリルフィルムに射出成形金型内で真
    空成形または圧空成形を施し、その後基材である樹脂を
    射出成形することにより得られたものである請求項6記
    載のアクリル積層成形品。
  8. 【請求項8】 アクリルフィルムの片側に印刷を施した
    後、該フィルムの印刷面側を基材となる樹脂に積層する
    ことにより得られたものである請求項6記載のアクリル
    積層成形品。
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JP2006022262A (ja) * 2004-07-09 2006-01-26 Mitsubishi Rayon Co Ltd アクリル樹脂フィルム、加飾アクリル樹脂フィルム、およびこれらを含む積層成形品
JP2009214458A (ja) * 2008-03-11 2009-09-24 Dainippon Printing Co Ltd インサート成形用加飾シート
CN107573469A (zh) * 2017-09-15 2018-01-12 江苏景宏新材料科技有限公司 一种嵌段结构的丙烯酸酯压敏胶乳液的制备方法
KR20220123411A (ko) 2019-12-27 2022-09-06 주식회사 쿠라레 메타크릴계 수지 조성물

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