JP2001315140A - ポリビニルアルコール系重合体フィルムとその製造法および偏光フィルム - Google Patents
ポリビニルアルコール系重合体フィルムとその製造法および偏光フィルムInfo
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Abstract
が可能で幅広のPVAフィルムとその製造法、およびこ
れを用いて作製した偏光フィルムを提供することにあ
る。 【解決手段】 フィルム幅が2m以上のポリビニルアル
コール系重合体フィルムであって、このポリビニルアル
コール系重合体フィルムは30℃の水中に5分間浸した
時のカール角度が180°以下である。
Description
ールしにくく、均一な延伸が可能であり、幅広の偏光フ
ィルムの製造原料として有用なポリビニルアルコール系
重合体フィルムとその製造法および偏光フィルムに関す
る。
は、光のスイッチング機能を有する液晶とともに、液晶
ディスプレイ(LCD)の基本的な構成要素である。こ
のLCDの適用分野も、開発初期の頃の電卓および腕時
計などの小型機器から、近年では、ラップトップパソコ
ン、ワープロ、液晶カラープロジェクター、車載用ナビ
ゲーションシステム、液晶テレビ、パーソナルホンおよ
び屋内外の計測機器などの広範囲に広がり、液晶表示画
面の大型化に伴い、従来品以上に幅広で、偏光斑の小さ
い偏光板が求められている。
重合体フィルム(以下、ポリビニルアルコール系重合体
を「PVA」、ポリビニルアルコール系重合体フィルム
を「PVAフィルム」と略記することがある)を一軸延
伸させて染色するか、染色した後一軸延伸してから、ホ
ウ素化合物で固定処理を行った(染色と固定処理が同時
の場合もある)偏光フィルムに、三酢酸セルロース(T
AC)フィルムや酢酸・酪酸セルロース(CAB)フィ
ルムなどの保護膜を貼り合わせた構成となっている。
上の観点から自由幅一軸延伸を採用することが多い。自
由幅一軸延伸は、その文字通り、延伸に伴って幅方向が
収縮するネックインが起こり、幅方向に厚さムラが発生
する。そのため、得られる偏光フィルムの幅が狭くな
り、液晶表示画面の大型化に大きな障害となっていた。
°の方向を液晶表示画面の長辺または短辺として製品を
採取するので、液晶表示画面の大型化に伴い、幅広の偏
光フィルムを確保することは偏光フィルムの収率向上に
非常に重要な項目となっている。
端部がカールして、均一な延伸ができず、偏光斑の小さ
い偏光フィルムを得ることができず、さらに幅方向の収
率が悪化するという問題があった。
時に端部がカールしにくく、均一な延伸が可能であり、
幅広の偏光フィルムの製造原料として有用なPVAフィ
ルムとその製造法、およびこのPVAフィルムを用いて
作製した偏光フィルムを提供することにある。
に、本発明にかかる偏光フィルム用に有用なPVAフィ
ルムは、フィルム幅が2m以上であって、30℃の水中
に5分間浸した時のカール角度が180°以下であるこ
とを特徴とする。このPVAフィルムを製造する際に
は、PVAフィルムの表裏両面を多段式のロールを用い
て乾燥させることが好ましい。このPVAフィルムを用
いて偏光フィルムが得られる。ここで、前記カール角度
とは、このフィルム幅方向の端部がカールして曲がる角
度をいう。
せず、均一な延伸が可能であり、幅広の偏光フィルムの
製造原料として有用なPVAフィルムが得られ、このP
VAフィルムを用いて、偏光斑が小さく幅広の偏光フィ
ルムが得られる。
基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る
PVAフィルムのカール角度を測定する方法を示す構成
図である。まず、PVAフィルムのTD方向に5cm幅
で、MD方向に40cm長さのPVAフィルムを切り出
す。この切り出したPVAフィルム1の一方の短辺1b
側の下端に3.4gの錘2を糸で取り付け、他方の短辺
1a側の上端を上下移動自在な支持体3に糸で取り付け
て、PVAフィルム1を吊り下げる。この支持体3を下
方向に移動させて、該PVAフィルム1全体を、容器4
内の30℃、100リットルの水5の中に浸す。5分間
浸した後のPVAフィルム1のカール角度を水面上より
目視6で観察する。この場合、図2(a)の模式図のよ
うに、カール角度が180°またはそれ以下であること
が極めて重要である。180°を超えると、延伸時に端
部のカールが大きくて均一な延伸ができず、偏光斑の小
さい偏光フィルムが得られない。前記水中に浸した時の
カール角度で好ましいのは、図2(b)の模式図のよう
に90°またはそれ以下、さらに好ましいのは、図2
(c)の模式図のように45°またはそれ以下である。
は、例えば、ビニルエステルを重合して得られたポリビ
ニルエステルをけん化することにより製造される。また
該PVAを不飽和カルボン酸またはその誘導体、不飽和
スルホン酸またはその誘導体、炭素数2〜30のα−オ
レフィンなどを15モル%未満の割合でグラフト共重合
した変性PVAや、ビニルエステルと不飽和カルボン酸
またはその誘導体、不飽和スルホン酸またはその誘導
体、炭素数2〜30のα−オレフィンなどを15モル%
未満の割合で共重合した変性ポリビニルエステルをけん
化することにより製造される変性PVAや、未変性また
は変性PVAをホルマリン、ブチルアルデヒド、ベンツ
アルデヒドなどのアルデヒド類で水酸基の一部を架橋し
たいわゆるポリビニルアセタール樹脂などを挙げること
ができる。
ル、ギ酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピ
バリン酸ビニル、バーサティック酸ビニル、ラウリン酸
ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニルなどが例
示される。
は、主としてPVAの変性を目的に共重合されるもの
で、本発明の趣旨を損なわない範囲で使用される。この
ようなコモノマーとして、例えばエチレン、プロピレ
ン、1−ブテン、イソブテンなどのオレフィン類;アク
リル酸およびその塩;アクリル酸メチル、アクリル酸エ
チル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸i−プロピ
ル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、ア
クリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルへキシル、
アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクタデシルなどのア
クリル酸エステル類;メタクリル酸およびその塩;メタ
クリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n
−プロピル、メタクリル酸i−プロピル、メタクリル酸
n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t
−ブチル、メタクリル酸2−エチルへキシル、メタクリ
ル酸ドデシル、メタクリル酸オクタデシルなどのメタク
リル酸エステル類;アクリルアミド、N−メチルアクリ
ルアミド、N−エチルアクリルアミド、N,N−ジメチ
ルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アクリ
ルアミドプロパンスルホン酸およびその塩、アクリルア
ミドプロピルジメチルアミンおよびその塩、N−メチロ
ールアクリルアミドおよびその誘導体などのアクリルア
ミド誘導体;メタクリルアミド、N−メチルメタクリル
アミド、N−エチルメタクリルアミド、メタクリルアミ
ドプロパンスルホン酸およびその塩、メタクリルアミド
プロピルジメチルアミンおよびその塩、N−メチロール
メタクリルアミドおよびその誘導体などのメタクリルア
ミド誘導体;N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセ
トアミド、N−ビニルピロリドンなどのN−ビニルアミ
ド類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、
n−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニルエー
テル、n−ブチルビニルエーテル、i−ブチルビニルエ
ーテル、t−ブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエ
ーテル、ステアリルビニルエーテルなどのビニルエーテ
ル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのニ
トリル類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニ
ル、フッ化ビニリデンなどのハロゲン化ビニル類;酢酸
アリル、塩化アリルなどのアリル化合物;マレイン酸お
よびその塩またはそのエステル;イタコン酸およびその
塩またはそのエステル;ビニルトリメトキシシランなど
のビニルシリル化合物;酢酸イソプロペニルなどを挙げ
ることができる。これらのなかでもα−オレフィンが好
ましく、特にエチレンが好ましい。
るのが好ましい。
点から95モル%以上が好ましく、98モル%以上がよ
り好ましく、99モル%以上がさらに好ましく、99.
5モル%以上が最も好ましい。
ルコール単位に変換されうる単位の中で、実際にビニル
アルコール単位にけん化されている単位の割合を示した
ものである。なお、PVAのけん化度は、JIS記載の
方法により測定を行った。
から500以上が好ましく、1000以上がより好まし
く、2500以上が最も好ましい。PVA重合度の上限
は8000以下が好ましく、6000以下がより好まし
い。
726に準じて測定される。すなわちPVAを再けん化
し、精製した後、30℃の水中で測定した極限粘度から
求められる。
る方法としては、例えば、PVAを溶剤に溶解したPV
A溶液を使用して、流延製膜法、湿式製膜法(貧溶媒中
への吐出)、ゲル製膜法(PVA水溶液を一旦冷却ゲル
化した後、溶媒を抽出除去し、PVAフィルムを得る方
法)、およびこれらの組み合わせによる方法や、含水P
VA(有機溶剤などを含んでいても良い)を溶融して行
う溶融押出製膜法などで製造することができる。これら
のなかでも流延製膜法および溶融押出製膜法が、良好な
偏光フィルムが得られることから好ましい。
PVAを溶解する溶剤としては、例えば、ジメチルスル
ホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ド、N−メチルピロリドン、エチレングリコール、グリ
セリン、プロピレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコー
ル、トリメチロールプロパン、エチレンジアミン、ジエ
チレントリアミン、グリセリン、水などを挙げることが
でき、これらのうち1種または2種以上を使用すること
ができる。これらのなかでも、ジメチルスルホキシド、
水、またはグリセリンと水の混合溶媒が好適に使用され
る。
PVA溶液または含水PVAのPVA割合は、10〜7
0重量%が好適であり、15〜50重量%が最も好適で
ある。このPVA溶液または含水PVAには、必要に応
じて可塑剤、界面活性剤、二色性染料などを含有させて
も良い。
て、多価アルコールを使用することが好ましい。多価ア
ルコールとしては、例えば、エチレングリコール、グリ
セリン、プロピレングリコール、ジエチレングリコー
ル、ジグリセリン、トリエチレングリコール、テトラエ
チレングリコール、トリメチロールプロパンなどを挙げ
ることができ、これらのうち1種または2種以上を使用
することができる。これらの中でも延伸性向上効果から
ジグリセリンやエチレングリコールやグリセリンが好適
に使用される。
100重量部に対して1〜30重量部が好ましく、3〜
25重量部がより好ましく、5〜20重量部が最も好ま
しい。1重量部より少ないと、染色性や延伸性が低下す
る場合があり、30重量部より多いと、PVAフィルム
が柔軟になりすぎて取り扱い性が低下する場合がある。
を使用することが好ましい。界面活性剤の種類としては
特に限定はないが、アニオン性またはノニオン性の界面
活性剤が好ましい。アニオン性界面活性剤としては、た
とえば、ラウリン酸カリウムなどのカルボン酸型、オク
チルサルフェートなどの硫酸エステル型、ドデシルベン
ゼンスルホネートなどのスルホン酸型のアニオン性界面
活性剤が好適である。ノニオン性界面活性剤としては、
たとえば、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどの
アルキルエーテル型、ポリオキシエチレンオクチルフェ
ニルエーテルなどのアルキルフェニルエーテル型、ポリ
オキシエチレンラウレートなどのアルキルエステル型、
ポリオキシエチレンラウリルアミノエーテルなどのアル
キルアミン型、ポリオキシエチレンラウリン酸アミドな
どのアルキルアミド型、ポリオキシエチレンポリオキシ
プロピレンエーテルなどのポリプロピレングリコールエ
ーテル型、オレイン酸ジエタノールアミドなどのアルカ
ノールアミド型、ポリオキシアルキレンアリルフェニル
エーテルなどのアリルフェニルエーテル型などのノニオ
ン性界面活性剤が好適である。これらの界面活性剤の1
種または2種以上の組み合わせで使用することができ
る。
0重量部に対して0.01〜1重量部が好ましく、0.
02〜0.5重量部がより好ましく、0.05〜0.3
重量部が最も好ましい。0.01重量部より少ないと、
延伸性向上や染色性向上の効果が現れにくく、1重量部
より多いと、PVAフィルム表面に溶出してブロッキン
グの原因になり、取り扱い性が低下する場合がある。
る時に、フィルムの送り方向に直列に配置した二段また
はそれ以上の多段式のロールにより、順次各ロールの円
周面に沿わせてPVAフィルムの表裏両面を乾燥させる
ことが好ましい。単一のロールでPVAフィルムの片面
側からのみ乾燥させた場合には、水中でのカール角度が
大きくなり、均一な延伸ができず、良好な偏光フィルム
が得られない。
の各乾燥面は、スチーム、熱媒、温水、電気ヒーターな
どで加熱されたものが使用可能である。また、温風や冷
風などをPVAフィルムに吹き付けたり、PVAフィル
ム周囲の空気や蒸気などを吸引するなどの手段を、補助
的に用いても良い。さらにまた、三番目以降の乾燥は、
ロール乾燥だけでなく、テンター方式やフリー方式など
のフローティングドライヤーなどを用いることも可能で
ある。
径は、上流側の第一ロール径より小さいことが好まし
く、第一ロール径の0.95倍以下がより好ましく、
0.9倍以下がさらに好ましく、かつ、第一ロール径の
0.1倍以上が好ましい。第二ロール径が第一ロール径
と同じかまたはより長い場合には、延伸時にPVAフィ
ルムの両端部に皺が入りやすく、得られる偏光フィルム
の幅収率が悪化しやすいだけでなく、色斑も発生しやす
い。
を製膜した場合、幅が2mより広く、しかも長さ方向に
継ぎ目のない金属ベルトは、現在工業的に生産されてお
らず、長さ方向に継ぎ目がある金属ベルトでは、長さ方
向の金属ベルトの継ぎ目部分に相当する部分が偏光斑と
なり、偏光斑の小さい偏光フィルムが得られない。ま
た、金属ベルトを用いて乾燥した場合、水中に浸した時
のカール角度が大きくなりやすく、均一な延伸が難し
い。
ム幅は2m以上であることが重要である。PVAフィル
ムのフィルム幅は、2.3m以上が好ましく、2.6m
以上がより好ましく、3m以上がさらに好ましく、3.
3m以上が最も好ましい。2mよりフィルム幅が狭い
と、ネックインの影響がPVAフィルム中央部付近にま
で及び、幅広で偏光性能が良好な偏光フィルムが得られ
ない。
150μmであり、より好ましくは20〜100μmで
あり、さらに好ましくは30〜90μmであり、最も好
ましくは35〜80μmである。
毎に測定した時の厚さ斑(最大厚さと最小厚さの差)
は、好ましくは10μm以下であり、より好ましくは8
μm以下であり、さらに好ましくは6μm以下である。
PVAフィルムの厚さ斑が10μmを超える場合には、
得られる偏光フィルムに偏光斑が発生しやすい。
ムを製造するには、例えば、該PVAフィルムを染色、
一軸延伸、固定処理、および乾燥処理、さらに必要に応
じて熱処理を行えばよく、染色、一軸延伸、固定処理の
操作順に特に制限はない。また、一軸延伸を二回または
それ以上行っても良い。
後のいずれでも可能である。染色に用いる染料として
は、ヨウ素−ヨウ化カリウム;ダイレクトブラック 1
7、19、154;ダイレクトブラウン 44、10
6、195、210、223;ダイレクトレッド 2、
23、28、31、37、39、79、81、240、
242、247;ダイレクトブルー 1、15、22、
78、90、98、151、168、202、236、
249、270;ダイレクトバイオレット 9、12、
51、98;ダイレクトグリーン 1、85;ダイレク
トイエロー 8、12、44、86、87;ダイレクト
オレンジ 26、39、106、107などの二色性染
料などが、1種または2種以上の混合物で使用できる。
通常染色は、PVAフィルムを上記染料を含有する溶液
中に浸漬させることにより行うことが一般的であるが、
PVAフィルムに混ぜて製膜するなど、その処理条件や
処理方法は特に制限されるものではない。
が使用でき、温水中(前記染料を含有する溶液中や後記
固定処理浴中でもよい)または吸水後のPVAフィルム
を用いて空気中で行うことができる。延伸温度は特に限
定されないが、PVAフィルムを温水中で延伸(湿式延
伸)する場合は30〜90℃が、また乾熱延伸する場合
は50〜180℃が好適である。また一軸延伸の延伸倍
率(多段の一軸延伸の場合には合計の延伸倍率)は、偏
光性能の点から4倍以上が好ましく、4.5倍以上がよ
り好ましく、5倍以上がさらに好ましい。延伸倍率の上
限は特に制限はないが、8倍以下であると均一な延伸が
得られやすいので好ましい。延伸後のフィルムの厚さ
は、3〜75μmが好ましく、5〜50μmがより好ま
しい。
にすることを目的に、固定処理を行うことが多い。固定
処理に使用する処理浴には、通常、ホウ酸および/また
はホウ素化合物が添加される。また、必要に応じて処理
浴中にヨウ素化合物を添加してもよい。
は30〜150℃で行うのが好ましく、50〜150℃
で行うのがより好ましい。
ィルムは、通常、その両面または片面に、光学的に透明
で、かつ機械的強度を有した保護膜を貼り合わせて偏光
板として使用される。保護膜としては、三酢酸セルロー
ス(TAC)フィルム、酢酸・酪酸セルロース(CA
B)フィルム、アクリル系フィルム、ポリエステル系フ
ィルムなどが使用される。また、貼り合わせのための接
着剤としては、PVA系接着剤やウレタン系接着剤など
を挙げることができるが、なかでもPVA系接着剤が好
適である。
するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものでは
ない。なお、実施例中の二色性比は以下の方法により評
価した。
能を評価する指標として二色性比を使用した。この二色
性比は、日本電子機械工業会規格(EIAJ)LD−2
01−1983に準拠し、分光光度計を用いて、C光
源、2度視野にて測定・計算して得た透過率Ts(%)
と偏光度P(%)を使用して下記の式から求めた。 二色性比=log(Ts/100−Ts/100×P/
100)/log(Ts/100+Ts/100×P/
100)
0重量部と、グリセリン10重量部を含有する、PVA
濃度が15重量%の水溶液を、ロール径3mの金属ロー
ルに流延製膜し、次いでロール径2.5mの金属ロール
に沿わせて乾燥することによりPVAフィルムの表裏表
面を乾燥し、フィルム幅2.6m、厚さ75μm、幅方
向の厚さ斑が6μmのPVAフィルムを得た。このPV
Aフィルムを図1の30℃の水中に5分間浸した時のカ
ール角度は、90°(図2(b))であった。
延伸、固定処理、乾燥、熱処理の順に処理して偏光フィ
ルムを作製した。すなわち、PVAフィルムを30℃の
水中に5分間浸して予備膨潤し、ヨウ素濃度0.4g/
リットル、ヨウ化カリウム濃度40g/リットルの35
℃の水溶液中に3分間浸した。続いて、ホウ酸濃度4%
の40℃の水溶液中で5.6倍に一軸延伸を行い、ヨウ
化カリウム濃度40g/リットル、ホウ酸濃度40g/
リットル、塩化亜鉛濃度10g/リットルの30℃の水
溶液中に5分間浸して固定処理を行った。フィルムを取
り出し、定長下、40℃で熱風乾燥し、さらに100℃
で5分間熱処理を行った。
あり、色斑もなかった。また、透過度は43.1%、偏
光度は98.9%であり、二色性比は34.7であっ
た。
0重量部と、グリセリン10重量部と、水110重量部
を、押出機中で溶融混練し、ロール径3mの金属ロール
に吐出させ、次いでロール径2.5mの金属ロールに沿
わせて乾燥することによりPVAフィルムの表裏表面を
乾燥し、フィルム幅2.7m、厚さ76μm、幅方向の
厚さ斑が6μmのPVAフィルムを得た。このPVAフ
ィルムを実施例1と同様に水中に浸した時のカール角度
は45°(図2(c))であった。
延伸、固定処理、乾燥、熱処理の順に処理して偏光フィ
ルムを作製した。すなわち、PVAフィルムを30℃の
水中に5分間浸して予備膨潤し、ヨウ素濃度0.4g/
リットル、ヨウ化カリウム濃度40g/リットルの35
℃の水溶液中に3分間浸した。続いて、ホウ酸濃度4%
の40℃の水溶液中で5.6倍に一軸延伸を行い、ヨウ
化カリウム濃度40g/リットル、ホウ酸濃度40g/
リットル、塩化亜鉛濃度10g/リットルの30℃の水
溶液中に5分間浸して固定処理を行った。フィルムを取
り出し、定長下、40℃で熱風乾燥し、さらに100℃
で5分間熱処理を行った。
あり、色斑もなかった。また、透過度は43.0%、偏
光度は99.7%であり、二色性比は43.7であっ
た。
がある)に流延製膜して片面側からのみ乾燥した以外
は、実施例1と同様に処理を行い、フィルム幅2.6
m、厚さ75μm、幅方向の厚さ斑が10μmのPVA
フィルムを得た。このPVAフィルムを実施例1と同様
に水中に浸した時のカール角度は360°(図2
(d))であった。
して偏光フィルムを作製しようとしたが、延伸作業中に
PVAフィルム端部がカールして巻き込み、均一な延伸
ができなかった。また、クロスニコル状態の偏光板の間
に当該偏光フィルムを45°に挿入して透過光を目視観
察すると、金属ベルトの流れ方向の継ぎ目部分が偏光斑
となった。
外は、実施例1と同様に処理を行い、厚さ74μm、幅
方向の厚さ斑が6μmのPVAフィルムを得た。このP
VAフィルムを実施例1と同様に水中に浸した時のカー
ル角度は120°であった。
して偏光フィルムを作製した。得られた偏光フィルムの
厚さは23μmであった。また、偏光フィルムの中央部
は、透過度は42.8%、偏光度は98.7%であり、
二色性比は32.0であった。クロスニコル状態の偏光
板の間に当該偏光フィルムを45°に挿入して透過光を
目視観察すると、大きな偏光斑が見られた。
のみを用いてPVAフィルムの片面側からのみ乾燥した
以外は、実施例1と同様に処理を行い、フィルム幅2.
6m、厚さ75μm、幅方向の厚さ斑が10μmのPV
Aフィルムを得た。このPVAフィルムを実施例1と同
様に水中に浸した時のカール角度は360°(図2
(d))であった。
して偏光フィルムを作製しようとしたが、延伸作業中に
PVAフィルム端部がカールして巻き込み、均一な延伸
ができなかった。
端部がカールせず、均一な延伸が可能な偏光フィルムの
製造原料として有用なPVAフィルムが得られ、このP
VAフィルムを用いて、偏光斑が小さく幅広の偏光フィ
ルムが得られる。
ール角度を測定する方法を示す斜視図である。
面図である。
5…水、6…目視。
Claims (5)
- 【請求項1】 フィルム幅が2m以上であって、30℃
の水中に5分間浸した時のカール角度が180°以下で
あることを特徴とするポリビニルアルコール系重合体フ
ィルム。 - 【請求項2】 偏光フィルム用である請求項1記載のポ
リビニルアルコール系重合体フィルム。 - 【請求項3】 請求項2記載の偏光フィルム用ポリビニ
ルアルコール系重合体フィルムを用いて作製した偏光フ
ィルム。 - 【請求項4】 ポリビニルアルコール系重合体フィルム
の表裏両面を、多段式のロールを用いて乾燥させること
を特徴とする請求項1記載のポリビニルアルコール系重
合体フィルムの製造法。 - 【請求項5】 偏光フィルム用ポリビニルアルコール系
重合体フィルムの製造法である請求項4記載のポリビニ
ルアルコール系重合体フィルムの製造法。
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Cited By (6)
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