JP2001231853A - 医療用液体の熱交換用容器及び温度調節装置 - Google Patents
医療用液体の熱交換用容器及び温度調節装置Info
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- JP2001231853A JP2001231853A JP2000042751A JP2000042751A JP2001231853A JP 2001231853 A JP2001231853 A JP 2001231853A JP 2000042751 A JP2000042751 A JP 2000042751A JP 2000042751 A JP2000042751 A JP 2000042751A JP 2001231853 A JP2001231853 A JP 2001231853A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 医療現場において、医療用液体を迅速かつ精
密に温度調節するための温度調節装置、及びそこに用い
る熱交換用容器を提供する。 【解決手段】 医療用液体を流入させる入口部、前記液
体を流通させる空間を内部に有する金属製シェルからな
る本体部、及び本体部の内部を通過した液体を流出させ
る出口部を有し、シェルの内側方向には畝状に突出する
1又はそれ以上の流路案内壁を有しており、本体部の内
部には流路案内壁によって液体の流れを導く液体流路が
形成されており、液体流路の全体としての長さが金属製
シェルの最も長い辺の長さよりも長く設定されているこ
とを特徴とする熱交換用容器を提供する。
密に温度調節するための温度調節装置、及びそこに用い
る熱交換用容器を提供する。 【解決手段】 医療用液体を流入させる入口部、前記液
体を流通させる空間を内部に有する金属製シェルからな
る本体部、及び本体部の内部を通過した液体を流出させ
る出口部を有し、シェルの内側方向には畝状に突出する
1又はそれ以上の流路案内壁を有しており、本体部の内
部には流路案内壁によって液体の流れを導く液体流路が
形成されており、液体流路の全体としての長さが金属製
シェルの最も長い辺の長さよりも長く設定されているこ
とを特徴とする熱交換用容器を提供する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、動物、特にヒトに
関する医療分野において、体内に注入すべき液体の温度
を調節する装置に関する。
関する医療分野において、体内に注入すべき液体の温度
を調節する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】医療現場において、輸血、輸液又は補液
を身体に供給する場合、同時に、それらの液体の温度調
節(例えば、加温若しくは加熱又は冷却)を行うことが
必要とされる場合がある。例えば、透析に際して、室温
程度まで温度が低下した血液を加温するために、透析液
自体を体温程度まで加温又は加熱することが必要とされ
る場合がある。また、例えば、脳等の特定の臓器につい
て手術を行う場合に、多量の出血や臓器の代謝を抑制す
る目的で、その臓器及び/又はその臓器の周囲の臓器を
低温状態に保持することが試みられている。
を身体に供給する場合、同時に、それらの液体の温度調
節(例えば、加温若しくは加熱又は冷却)を行うことが
必要とされる場合がある。例えば、透析に際して、室温
程度まで温度が低下した血液を加温するために、透析液
自体を体温程度まで加温又は加熱することが必要とされ
る場合がある。また、例えば、脳等の特定の臓器につい
て手術を行う場合に、多量の出血や臓器の代謝を抑制す
る目的で、その臓器及び/又はその臓器の周囲の臓器を
低温状態に保持することが試みられている。
【0003】補液を血管に供給する直前に、その供給す
る液体を低温に冷却する体外循環装置は、特開平9―2
90021号公報において開示されている。そこでは、
医療分野、特に脳外科の分野で使用されている分離冷却
法と称される方法に体外循環装置を用いて、身体の一部
を選択してその部位を局所的に冷却することを開示して
いる。このような分離冷却法は、例えば、身体の局所
(例えば頭部)に手術を施す時のように出血が心配され
る場合、あるいは局部的に生体機能の代謝を一時的に低
下させてその間に治療を行う場合等に、用いられ得る局
部冷却方法である。
る液体を低温に冷却する体外循環装置は、特開平9―2
90021号公報において開示されている。そこでは、
医療分野、特に脳外科の分野で使用されている分離冷却
法と称される方法に体外循環装置を用いて、身体の一部
を選択してその部位を局所的に冷却することを開示して
いる。このような分離冷却法は、例えば、身体の局所
(例えば頭部)に手術を施す時のように出血が心配され
る場合、あるいは局部的に生体機能の代謝を一時的に低
下させてその間に治療を行う場合等に、用いられ得る局
部冷却方法である。
【0004】このような用途において、従来は、冷媒と
しての冷却水又はブラインなどが入れられているタンク
の中に、軟質プラスチック材料、例えば塩化ビニール等
からなるチューブを渦巻き状などの形態にして入れ、そ
のチューブの中に輸血、輸液又は補液すべき液体を通過
させて、液体の冷却を行うことが可能であった。
しての冷却水又はブラインなどが入れられているタンク
の中に、軟質プラスチック材料、例えば塩化ビニール等
からなるチューブを渦巻き状などの形態にして入れ、そ
のチューブの中に輸血、輸液又は補液すべき液体を通過
させて、液体の冷却を行うことが可能であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うにして行う温度調節では、良好な冷却効率(熱交換効
率)は得られないため、長いチューブを用いることが必
要となって装置全体が嵩張る事態に至ったり、又は、長
いチューブをタンク内に出し入れする際に冷却水等がタ
ンクの周囲にこぼれたり、或いは冷却水等がチューブを
伝わってしたたり落ちたりすること等によって、タンク
を設置している床面が不潔又は不衛生となる事態に至っ
たりすることも少なくなかった。更に、長いチューブを
用いることなどのために、冷却すべき液体の体積に比べ
て、タンクは比較的大きな規模となって、大きなスペー
スを要することや、タンク又は冷却水の移動が困難であ
るという問題点も生じていた。
うにして行う温度調節では、良好な冷却効率(熱交換効
率)は得られないため、長いチューブを用いることが必
要となって装置全体が嵩張る事態に至ったり、又は、長
いチューブをタンク内に出し入れする際に冷却水等がタ
ンクの周囲にこぼれたり、或いは冷却水等がチューブを
伝わってしたたり落ちたりすること等によって、タンク
を設置している床面が不潔又は不衛生となる事態に至っ
たりすることも少なくなかった。更に、長いチューブを
用いることなどのために、冷却すべき液体の体積に比べ
て、タンクは比較的大きな規模となって、大きなスペー
スを要することや、タンク又は冷却水の移動が困難であ
るという問題点も生じていた。
【0006】更に、タンク内の水を冷却に用いる場合に
は、設定温度を微妙に調節しようとする場合に、水全体
の熱容量が大きいため、迅速かつ精密に温度を変化させ
ることは困難であった。また、冷蔵庫内で保存されてい
た血液を輸血する場合には、血液を血管に注入する前に
体温と同程度の温度まで加熱(又は加温)することが望
ましい場合もあるが、加熱による温度調節の場合にも、
上述したのと同様の問題点が指摘されていた。
は、設定温度を微妙に調節しようとする場合に、水全体
の熱容量が大きいため、迅速かつ精密に温度を変化させ
ることは困難であった。また、冷蔵庫内で保存されてい
た血液を輸血する場合には、血液を血管に注入する前に
体温と同程度の温度まで加熱(又は加温)することが望
ましい場合もあるが、加熱による温度調節の場合にも、
上述したのと同様の問題点が指摘されていた。
【0007】そこで、軟質プラスチック材料のチューブ
の代替手段としては、軟質プラスチック材料、例えば軟
質の塩化ビニール等のシートを少なくとも2枚重ねて、
液体の流路の輪郭となる部分をシールすることによって
形成されるバッグが用いられるに至っていた。更に、冷
却源又は加熱源としても、迅速かつに精密に温度を変化
させ、調節するという応答性の点から、電気的制御手段
を用いて温度調節板を冷却又は加熱する温度調節装置が
用いられるに至っていた。
の代替手段としては、軟質プラスチック材料、例えば軟
質の塩化ビニール等のシートを少なくとも2枚重ねて、
液体の流路の輪郭となる部分をシールすることによって
形成されるバッグが用いられるに至っていた。更に、冷
却源又は加熱源としても、迅速かつに精密に温度を変化
させ、調節するという応答性の点から、電気的制御手段
を用いて温度調節板を冷却又は加熱する温度調節装置が
用いられるに至っていた。
【0008】このようなバッグと温度調節装置との組合
せによれば、冷却及び/又は加熱機能を有する2枚の温
度調節板を適当な間隔を隔ててほぼ平行に配し、その2
枚の温度調節板の間にバッグを配置し、バッグの内部に
所定の液体を流通させて、その膨らんだ状態でバッグの
表面を温度調節板の表面に対して接触させることによっ
て、バッグを介して液体を間接的に冷却又は加熱させ、
液体の温度調節を行っていた。
せによれば、冷却及び/又は加熱機能を有する2枚の温
度調節板を適当な間隔を隔ててほぼ平行に配し、その2
枚の温度調節板の間にバッグを配置し、バッグの内部に
所定の液体を流通させて、その膨らんだ状態でバッグの
表面を温度調節板の表面に対して接触させることによっ
て、バッグを介して液体を間接的に冷却又は加熱させ、
液体の温度調節を行っていた。
【0009】この種のバッグは、軟質の塩化ビニール等
のシートにおいて、液体の流路の輪郭となる部分をシー
ルして形成されているため、流通させる液体の供給圧力
が過大になった場合には、バッグの流路の部分は更に膨
らんで、シール部も外側へ向かって引っ張られる結果、
シール部から液漏れが発生するおそれがあった。このよ
うな液漏れを防止するためには、流路の輪郭部分におけ
るシールの強度を向上させたり、とじしろとなるシール
部の面積を大きく設定したりする必要があった。しかし
ながら、バッグの温度調節板に面する面の面積全体に対
して、温度調節板に直接的に接触して、温度調節(液体
と温度調節板との間の熱交換)に有効に利用されるバッ
グの流路部分の面積の割合を大きく設定するには、一定
の限界が存在していた。
のシートにおいて、液体の流路の輪郭となる部分をシー
ルして形成されているため、流通させる液体の供給圧力
が過大になった場合には、バッグの流路の部分は更に膨
らんで、シール部も外側へ向かって引っ張られる結果、
シール部から液漏れが発生するおそれがあった。このよ
うな液漏れを防止するためには、流路の輪郭部分におけ
るシールの強度を向上させたり、とじしろとなるシール
部の面積を大きく設定したりする必要があった。しかし
ながら、バッグの温度調節板に面する面の面積全体に対
して、温度調節板に直接的に接触して、温度調節(液体
と温度調節板との間の熱交換)に有効に利用されるバッ
グの流路部分の面積の割合を大きく設定するには、一定
の限界が存在していた。
【0010】また、温度調節板の表面と、軟質プラスチ
ック材料、特に塩化ビニールのシートとの間での熱伝導
性は必ずしも良好ではないという問題もあった。更に、
このようなバッグにおける液体の流路は、通常はバッグ
内部において所定のパターンにて蛇行する1本のチュー
ブを形成する単管状の形態であって、軟質プラスチック
材料により形成されるバッグ自体の剛性が乏しいため、
冷却効率を上げるためのフィン等を流路内に設けること
も困難であった。
ック材料、特に塩化ビニールのシートとの間での熱伝導
性は必ずしも良好ではないという問題もあった。更に、
このようなバッグにおける液体の流路は、通常はバッグ
内部において所定のパターンにて蛇行する1本のチュー
ブを形成する単管状の形態であって、軟質プラスチック
材料により形成されるバッグ自体の剛性が乏しいため、
冷却効率を上げるためのフィン等を流路内に設けること
も困難であった。
【0011】また、塩化ビニール製のバッグは使い捨て
を目的としており、リサイクルなどは考慮されておら
ず、資源としての無駄につながっていた。本発明は、医
療用液体の温度調節装置について、上述のような従来技
術における種々の問題点を克服することを目的とするも
のである。本発明は、また、上記のような電気的制御を
行う温度調節装置に用いるのに有用な熱交換用容器を提
供することを目的とする。
を目的としており、リサイクルなどは考慮されておら
ず、資源としての無駄につながっていた。本発明は、医
療用液体の温度調節装置について、上述のような従来技
術における種々の問題点を克服することを目的とするも
のである。本発明は、また、上記のような電気的制御を
行う温度調節装置に用いるのに有用な熱交換用容器を提
供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、1つの要旨に
おいて、医療用液体を流入させる入口部、前記液体を流
通させる空間を内部に有する金属製シェルからなる本体
部、及び本体部の内部を通過した液体を流出させる出口
部を有する熱交換用容器であって、シェルの内側方向に
は畝状に突出する1又はそれ以上の流路案内壁が設けら
れており、本体部の内部には、流路案内壁によって、液
体の流れを導く液体流路が形成されていることを特徴と
する熱交換用容器を提供する。
おいて、医療用液体を流入させる入口部、前記液体を流
通させる空間を内部に有する金属製シェルからなる本体
部、及び本体部の内部を通過した液体を流出させる出口
部を有する熱交換用容器であって、シェルの内側方向に
は畝状に突出する1又はそれ以上の流路案内壁が設けら
れており、本体部の内部には、流路案内壁によって、液
体の流れを導く液体流路が形成されていることを特徴と
する熱交換用容器を提供する。
【0013】本発明は、もう1つの要旨において、上記
の熱交換用容器に加えて、ペルチェ素子を含む温度調節
部及び温度測定部が設けられていることを特徴とする医
療用液体の温度調節装置を提供する。
の熱交換用容器に加えて、ペルチェ素子を含む温度調節
部及び温度測定部が設けられていることを特徴とする医
療用液体の温度調節装置を提供する。
【0014】本発明において、熱交換用容器及び温度調
節装置に流通させる医療用液体とは、医学的治療または
検査もしくは診断のような医療処置に使用する液体であ
れば特に限定されるものではない。例えば、そのような
液体には、医療処置に用いる補液、希釈液または輸液と
呼ばれている液体が含まれる。このような液体は、意図
する所定の医療処置に際して、冷却又は加熱することが
必要とされる場合があり、本発明の熱交換用容器又は温
度調節装置はそのような用途に用いることができる。
節装置に流通させる医療用液体とは、医学的治療または
検査もしくは診断のような医療処置に使用する液体であ
れば特に限定されるものではない。例えば、そのような
液体には、医療処置に用いる補液、希釈液または輸液と
呼ばれている液体が含まれる。このような液体は、意図
する所定の医療処置に際して、冷却又は加熱することが
必要とされる場合があり、本発明の熱交換用容器又は温
度調節装置はそのような用途に用いることができる。
【0015】具体的には、医療用の液体として栄養分お
よび/または電解質を含む水溶液を例示でき、例えばリ
ンゲル液、乳酸リンゲル液、低分子デキストリン含有リ
ンゲル液(例えば5%含有)等の等張液が本発明の液体
に含まれる。液体は、溶液である必要は必ずしもなく、
全体として液状の流体として扱うことができるものであ
ればよい。例えば、分散液、懸濁液等の形態であっても
よく、血液も液体に含まれる。また、適当であるなら、
気体を含んでいてもよい。
よび/または電解質を含む水溶液を例示でき、例えばリ
ンゲル液、乳酸リンゲル液、低分子デキストリン含有リ
ンゲル液(例えば5%含有)等の等張液が本発明の液体
に含まれる。液体は、溶液である必要は必ずしもなく、
全体として液状の流体として扱うことができるものであ
ればよい。例えば、分散液、懸濁液等の形態であっても
よく、血液も液体に含まれる。また、適当であるなら、
気体を含んでいてもよい。
【0016】より具体的には、次のような補液を本発明
の医療用液体として例示できる:所定の温度に冷却した
補液としての乳酸リンゲル液を脳に供給して、脳を選択
的に所定温度に冷却する方法(「分離冷却法」とも呼ば
れる)(J.Neurosurg;第24巻,第994〜1001
頁,1966年,参照、Neurosurgery;第31巻,第1
049〜1055頁,1992年)参照)に使用する補
液。補液(または希釈液もしくは輸液)を所定温度に冷
却または加温して血管に(従って、体内に)計量注入す
る補液供給ユニット、血管から(従って、体内から)補
液によって希釈された希釈血液を計量導出(または脱
血)し、導出した希釈血液を濃縮するための血液濃縮ユ
ニット、および濃縮血液を加温または冷却して血管に計
量注入する血液供給ユニットを有して成る、身体の一部
分を特定の温度にて維持する分離温度調節法(または選
択的冷却(もしくは加温)法)に用いる体外循環装置
(例えば特開平9―290021号公報参照)を使用し
て供給する補液。
の医療用液体として例示できる:所定の温度に冷却した
補液としての乳酸リンゲル液を脳に供給して、脳を選択
的に所定温度に冷却する方法(「分離冷却法」とも呼ば
れる)(J.Neurosurg;第24巻,第994〜1001
頁,1966年,参照、Neurosurgery;第31巻,第1
049〜1055頁,1992年)参照)に使用する補
液。補液(または希釈液もしくは輸液)を所定温度に冷
却または加温して血管に(従って、体内に)計量注入す
る補液供給ユニット、血管から(従って、体内から)補
液によって希釈された希釈血液を計量導出(または脱
血)し、導出した希釈血液を濃縮するための血液濃縮ユ
ニット、および濃縮血液を加温または冷却して血管に計
量注入する血液供給ユニットを有して成る、身体の一部
分を特定の温度にて維持する分離温度調節法(または選
択的冷却(もしくは加温)法)に用いる体外循環装置
(例えば特開平9―290021号公報参照)を使用し
て供給する補液。
【0017】更に、点滴に用いる種々の成分(例えば、
薬剤、栄養分、電解質等)を含む液体、透析液等も本発
明の導管を用いて輸送する液体に含まれる。また、癌組
織または癌前駆組織には、高温(例えば42〜43℃)
に加温すると死滅すると言われているものがあり、その
ような組織を高温に加熱するために、その組織を有する
身体の臓器またはその一部分にのみ高温の液体(例えば
補液)を供給することもあるが、そのような補液も本発
明の医療用液体に含まれる。このような液体は、そのよ
うな癌治療に有効な薬剤を含んでよく、この液体の供給
には、上述の体外循環装置を用いることができる。これ
らは例示であって、上記の趣旨に適合する液体であれ
ば、その他の液体も含まれる。
薬剤、栄養分、電解質等)を含む液体、透析液等も本発
明の導管を用いて輸送する液体に含まれる。また、癌組
織または癌前駆組織には、高温(例えば42〜43℃)
に加温すると死滅すると言われているものがあり、その
ような組織を高温に加熱するために、その組織を有する
身体の臓器またはその一部分にのみ高温の液体(例えば
補液)を供給することもあるが、そのような補液も本発
明の医療用液体に含まれる。このような液体は、そのよ
うな癌治療に有効な薬剤を含んでよく、この液体の供給
には、上述の体外循環装置を用いることができる。これ
らは例示であって、上記の趣旨に適合する液体であれ
ば、その他の液体も含まれる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の熱交換用容器及び温度調
節装置について、その好ましい態様を示す図面を参照し
ながら、以下、説明する。熱交換用容器の本体部は対向
する2つの平行平板状の主表面を有する金属製のシェル
によって形成され、その内部には液体を流通させる空間
が設けられている。本体部の中を流通する液体は、シェ
ルと直接的に接触しており、シェルは外部の冷却又は加
熱源に直接的に接触している。このような熱交換用容器
を用いる温度調節装置についての1つの好ましい態様例
を図8に示している。尚、図8は温度調節装置の構成を
理解しやすいように、図8において上下方向に示されて
いる装置の厚さ方向の寸法を、図8において左右方向に
示されている装置の長さ方向の寸法に対して拡大した形
態で表示している。
節装置について、その好ましい態様を示す図面を参照し
ながら、以下、説明する。熱交換用容器の本体部は対向
する2つの平行平板状の主表面を有する金属製のシェル
によって形成され、その内部には液体を流通させる空間
が設けられている。本体部の中を流通する液体は、シェ
ルと直接的に接触しており、シェルは外部の冷却又は加
熱源に直接的に接触している。このような熱交換用容器
を用いる温度調節装置についての1つの好ましい態様例
を図8に示している。尚、図8は温度調節装置の構成を
理解しやすいように、図8において上下方向に示されて
いる装置の厚さ方向の寸法を、図8において左右方向に
示されている装置の長さ方向の寸法に対して拡大した形
態で表示している。
【0019】図8に示す温度調節装置は、2枚の平板状
の温度調節板62が相互に平行に配置されており、符号
10によって本体部が示されている熱交換用容器を、2
枚の平板状の温度調節板62の間に、本体部10の表面
と温度調節板62の表面とが密着状態で接触するように
配設して構成されている。従って、この態様では、温度
調節板62は、熱交換用容器を、熱交換用容器の厚さ方
向(図8では上下方向)について上下の両方向から挟む
形態となっているが、これに限らず、温度調節板62が
熱交換用容器の厚さ方向について少なくとも一方向から
接触する形態であってもよい。
の温度調節板62が相互に平行に配置されており、符号
10によって本体部が示されている熱交換用容器を、2
枚の平板状の温度調節板62の間に、本体部10の表面
と温度調節板62の表面とが密着状態で接触するように
配設して構成されている。従って、この態様では、温度
調節板62は、熱交換用容器を、熱交換用容器の厚さ方
向(図8では上下方向)について上下の両方向から挟む
形態となっているが、これに限らず、温度調節板62が
熱交換用容器の厚さ方向について少なくとも一方向から
接触する形態であってもよい。
【0020】また、温度調節装置は、熱交換用容器の内
部を流通させる液体の温度を測定する温度測定部61を
有している。温度測定部61は、熱交換用容器に流入す
る側及び熱交換用容器から流出する側に設けられている
ことが好ましいが、いずれか一方のみに設けられていて
もよいし、これ以外の部分、例えば温度調節板62や熱
交換用容器の本体部10の内部の温度を測定するように
設けられていてもよい。図には示していないが、温度測
定部61も適当な電気的信号伝達手段によってコントロ
ーラ65に電気的に接続される。
部を流通させる液体の温度を測定する温度測定部61を
有している。温度測定部61は、熱交換用容器に流入す
る側及び熱交換用容器から流出する側に設けられている
ことが好ましいが、いずれか一方のみに設けられていて
もよいし、これ以外の部分、例えば温度調節板62や熱
交換用容器の本体部10の内部の温度を測定するように
設けられていてもよい。図には示していないが、温度測
定部61も適当な電気的信号伝達手段によってコントロ
ーラ65に電気的に接続される。
【0021】温度調節部60は、ペルチェ素子及びこの
ペルチェ素子に電流を供給するための電極を有すること
が好ましい。ペルチェ素子とは、直流電流を流すことに
よって冷却及び加熱等の温度制御を行うことができる半
導体素子である。温度測定部61は、熱交換用容器への
入口側の液体温度及び/又は熱交換用容器からの出口側
の液体温度を連続的又は断続的に測定し、その情報は電
気的信号伝達手段によってコントローラ65へ送られ
る。
ペルチェ素子に電流を供給するための電極を有すること
が好ましい。ペルチェ素子とは、直流電流を流すことに
よって冷却及び加熱等の温度制御を行うことができる半
導体素子である。温度測定部61は、熱交換用容器への
入口側の液体温度及び/又は熱交換用容器からの出口側
の液体温度を連続的又は断続的に測定し、その情報は電
気的信号伝達手段によってコントローラ65へ送られ
る。
【0022】コントローラ65は、温度測定部61が測
定した温度に関する情報及びその他の制御に必要な情報
に基づいて、温度調節部60を制御するのに必要な信号
を温度調節部60へ送る。例えば、温度測定部61が測
定した温度が、温度調節装置において確保しようとする
液体の目標温度よりも高い場合には、温度測定部61の
測定温度と液体の目標温度との温度差が小さくなるよう
に、温度調節部60を冷却する旨の信号を温度調節部6
0へ送り、これとは逆の場合には、加熱する旨の信号を
温度調節部60へ送る。
定した温度に関する情報及びその他の制御に必要な情報
に基づいて、温度調節部60を制御するのに必要な信号
を温度調節部60へ送る。例えば、温度測定部61が測
定した温度が、温度調節装置において確保しようとする
液体の目標温度よりも高い場合には、温度測定部61の
測定温度と液体の目標温度との温度差が小さくなるよう
に、温度調節部60を冷却する旨の信号を温度調節部6
0へ送り、これとは逆の場合には、加熱する旨の信号を
温度調節部60へ送る。
【0023】コントローラ65から送られてきた信号に
基づいて、温度調節部60が温度調節板62を加熱又は
冷却すると、温度調節板62と直接的に密着状態で接触
している熱交換用容器の本体部10における金属製シェ
ルの主表面は、温度調節板62からの熱伝導作用によっ
て同様に加熱又は冷却される。金属製シェルの内側に
は、そこを流通する液体が直接的に接触しているので、
金属製シェルの主表面が加熱又は冷却されることによっ
て、金属製シェルの中を通過する間に、液体も金属製シ
ェルによって冷却又は加熱され、従って液体の温度調節
を行うことができる。その結果、温度調節装置を通過し
た液体の温度は、実用的な範囲で、所望の温度と実質的
に同等の温度に調節される。
基づいて、温度調節部60が温度調節板62を加熱又は
冷却すると、温度調節板62と直接的に密着状態で接触
している熱交換用容器の本体部10における金属製シェ
ルの主表面は、温度調節板62からの熱伝導作用によっ
て同様に加熱又は冷却される。金属製シェルの内側に
は、そこを流通する液体が直接的に接触しているので、
金属製シェルの主表面が加熱又は冷却されることによっ
て、金属製シェルの中を通過する間に、液体も金属製シ
ェルによって冷却又は加熱され、従って液体の温度調節
を行うことができる。その結果、温度調節装置を通過し
た液体の温度は、実用的な範囲で、所望の温度と実質的
に同等の温度に調節される。
【0024】効率の良い熱伝導を確保するためには、熱
伝導性の良好な金属材料をシェルの材料として用いるこ
とが好ましい。また、液体は電解質等の腐食性の成分を
含み得るので、シェルに用いる材料としては、良好な耐
腐食性を有することも必要である。従って、シェルに用
いる材料として好ましい金属の例としては、各種のステ
ンレス鋼、例えばSUS304、SUS316等を挙げ
ることができる。
伝導性の良好な金属材料をシェルの材料として用いるこ
とが好ましい。また、液体は電解質等の腐食性の成分を
含み得るので、シェルに用いる材料としては、良好な耐
腐食性を有することも必要である。従って、シェルに用
いる材料として好ましい金属の例としては、各種のステ
ンレス鋼、例えばSUS304、SUS316等を挙げ
ることができる。
【0025】本発明の熱交換用容器は、シェルに金属材
料を採用することによって、軟質プラスチック材料を用
いていたバッグの形態の熱交換器よりも、熱伝導性及び
応答性が良好な熱交換器が得られる。更に、熱交換用容
器が金属製であることによって、耐久性にも優れてお
り、適当な洗浄、消毒又は滅菌処理を施すことによっ
て、複数回繰り返して使用することができる。
料を採用することによって、軟質プラスチック材料を用
いていたバッグの形態の熱交換器よりも、熱伝導性及び
応答性が良好な熱交換器が得られる。更に、熱交換用容
器が金属製であることによって、耐久性にも優れてお
り、適当な洗浄、消毒又は滅菌処理を施すことによっ
て、複数回繰り返して使用することができる。
【0026】また、本発明に係る熱交換用容器は、金属
製のシェルを用いることによって、高温から低温まで幅
広い設定温度に対応することができると共に、液体の圧
力変化などによってその形状が影響を受けにくい、好ま
しくは実質的に影響を受けないという利点も有してい
る。
製のシェルを用いることによって、高温から低温まで幅
広い設定温度に対応することができると共に、液体の圧
力変化などによってその形状が影響を受けにくい、好ま
しくは実質的に影響を受けないという利点も有してい
る。
【0027】図1〜4に示すように、1つの好ましい態
様では、熱交換用容器の本体部10は、互いに鏡面対称
な形状を有する一対のシェル11・12を組み合わせて
構成される。一対のシェル11・12を向かい合わせに
して組み合わせて形成される本体部10は、全体として
内部に所定の体積の空間を有する容器の形態となって、
本体部10の内部に液体を流通させ得るように、シェル
11・12の外周部分において、それぞれ内側方向に向
かって高さH(図3に示す)にて立ち上がる外周壁部1
7・18を有している。
様では、熱交換用容器の本体部10は、互いに鏡面対称
な形状を有する一対のシェル11・12を組み合わせて
構成される。一対のシェル11・12を向かい合わせに
して組み合わせて形成される本体部10は、全体として
内部に所定の体積の空間を有する容器の形態となって、
本体部10の内部に液体を流通させ得るように、シェル
11・12の外周部分において、それぞれ内側方向に向
かって高さH(図3に示す)にて立ち上がる外周壁部1
7・18を有している。
【0028】図1は、熱交換用容器を、その内部構造を
理解しやすいように部分的に破断した状態の斜視図によ
って示している。図2は、正面から見た状態における本
体部10の断面図であるが、シェル12と組み合わせる
前のシェル11を正面から見た状態もこの図によって示
される。図1及び2に示すように、各シェル11・12
の内面側には、内側方向に突出する畝状の流路案内壁1
3・14が設けられている。
理解しやすいように部分的に破断した状態の斜視図によ
って示している。図2は、正面から見た状態における本
体部10の断面図であるが、シェル12と組み合わせる
前のシェル11を正面から見た状態もこの図によって示
される。図1及び2に示すように、各シェル11・12
の内面側には、内側方向に突出する畝状の流路案内壁1
3・14が設けられている。
【0029】本明細書において、本体部10の上下方向
について説明する場合には図2の上下方向を基準とし、
本体部10の左右方向について説明する場合には図2の
左右方向を基準とする。図2において、シェル11の外
周壁部17は、左側の外周壁部17L、上側の外周壁部
17T、右側の外周壁部17R、及び下側の外周壁部1
7Bから構成されており、左側の外周壁部17Lから上
側の外周壁部17Tを経て右側の外周壁部17Rまでは
連続して形成されている。下側の外周壁部17Bの左端
と左側の外周壁部17Lの下端との間には入口部31が
設けられており、同様に、下側の外周壁部17Bの右端
と右側の外周壁部17Lの下端との間には出口部32が
設けられている。シェル12は、このシェル11と鏡面
対称となる形態で形成されている。
について説明する場合には図2の上下方向を基準とし、
本体部10の左右方向について説明する場合には図2の
左右方向を基準とする。図2において、シェル11の外
周壁部17は、左側の外周壁部17L、上側の外周壁部
17T、右側の外周壁部17R、及び下側の外周壁部1
7Bから構成されており、左側の外周壁部17Lから上
側の外周壁部17Tを経て右側の外周壁部17Rまでは
連続して形成されている。下側の外周壁部17Bの左端
と左側の外周壁部17Lの下端との間には入口部31が
設けられており、同様に、下側の外周壁部17Bの右端
と右側の外周壁部17Lの下端との間には出口部32が
設けられている。シェル12は、このシェル11と鏡面
対称となる形態で形成されている。
【0030】熱交換用容器は、図には示していないが、
シェル11及び12を既知の種々の締結手段及び/又は
方法、例えばロウ付け、溶接等によって締結したり、或
いは、分解可能とするために、ネジ手段などのファスナ
ー手段、クランプ手段若しくは圧着手段等によって締結
することなどによって、入口部31及び出口部32の部
分で開口し、それ以外の部分は水密状態、即ち液体が漏
れない状態の容器とすることができる。この場合に、必
要に応じて、シェル11・12の間にパッキン又はガス
ケットを介在させることもできる。
シェル11及び12を既知の種々の締結手段及び/又は
方法、例えばロウ付け、溶接等によって締結したり、或
いは、分解可能とするために、ネジ手段などのファスナ
ー手段、クランプ手段若しくは圧着手段等によって締結
することなどによって、入口部31及び出口部32の部
分で開口し、それ以外の部分は水密状態、即ち液体が漏
れない状態の容器とすることができる。この場合に、必
要に応じて、シェル11・12の間にパッキン又はガス
ケットを介在させることもできる。
【0031】シェル11の内部には、図1及び2に示す
ように、所定の長さにわたって内側方向に突出する直線
状の畝の形態の流路案内壁13が設けられている。流路
案内壁13は、図2においては本体部10の高さ方向
(図1における縦方向)に沿って互いに平行となるよう
に、図面の左側から順に、13a、13b、13c、1
3d、13e、13f及び13gと7本設けられてい
る。
ように、所定の長さにわたって内側方向に突出する直線
状の畝の形態の流路案内壁13が設けられている。流路
案内壁13は、図2においては本体部10の高さ方向
(図1における縦方向)に沿って互いに平行となるよう
に、図面の左側から順に、13a、13b、13c、1
3d、13e、13f及び13gと7本設けられてい
る。
【0032】最も左側に位置する流路案内壁13aの下
端部分は下側の外周壁部17Bの左端部分に連続してお
り、最も右側に位置する流路案内壁13gの下端部分は
下側の外周壁部17Bの右端部分に連続している。
端部分は下側の外周壁部17Bの左端部分に連続してお
り、最も右側に位置する流路案内壁13gの下端部分は
下側の外周壁部17Bの右端部分に連続している。
【0033】最も左側に位置する流路案内壁13a及び
左側の外周壁部17Lはいずれも直線状であって、両者
は図2に示すように幅Wの間隔をおいてほぼ平行となる
ように配されており、この流路案内壁13aと左側の外
周壁部17Lとの間の幅Wの部分が流路25Aとなる。
また、左側から2番目に位置する流路案内壁13bは、
流路案内壁13aとの間に幅Wの間隔を隔ててほぼ平行
となるように配されており、この流路案内壁13aと流
路案内壁13bとの間の幅Wの部分が流路25Bとな
る。
左側の外周壁部17Lはいずれも直線状であって、両者
は図2に示すように幅Wの間隔をおいてほぼ平行となる
ように配されており、この流路案内壁13aと左側の外
周壁部17Lとの間の幅Wの部分が流路25Aとなる。
また、左側から2番目に位置する流路案内壁13bは、
流路案内壁13aとの間に幅Wの間隔を隔ててほぼ平行
となるように配されており、この流路案内壁13aと流
路案内壁13bとの間の幅Wの部分が流路25Bとな
る。
【0034】流路案内壁13aの上端部は、上側の外周
壁部17Tとの間に幅Wの間隔を隔てた位置で終点とな
るように配されており、流路案内壁13aの上端部と上
側の外周壁部17Tとの間の幅Wの部分は流路25Aと
流路25Bとを連絡する流路連絡部となっている。流路
案内壁13bの上端側は上側の外周壁部17Tに連続し
ており、流路案内壁13bの下端側は下側の外周壁部1
7Bとの間に幅Wの間隔を隔てた地点で終点となってい
る。従って、流路案内壁13bは、最も左側に位置する
流路案内壁13aと上下方向について逆向きに配されて
いると表現することもできる。
壁部17Tとの間に幅Wの間隔を隔てた位置で終点とな
るように配されており、流路案内壁13aの上端部と上
側の外周壁部17Tとの間の幅Wの部分は流路25Aと
流路25Bとを連絡する流路連絡部となっている。流路
案内壁13bの上端側は上側の外周壁部17Tに連続し
ており、流路案内壁13bの下端側は下側の外周壁部1
7Bとの間に幅Wの間隔を隔てた地点で終点となってい
る。従って、流路案内壁13bは、最も左側に位置する
流路案内壁13aと上下方向について逆向きに配されて
いると表現することもできる。
【0035】その他の流路案内壁については、それぞれ
隣接する流路案内壁との間に幅Wの間隔をおいてほぼ平
行となるように配されており、さらに、流路案内壁13
c、13e及び13gは、最も左側に位置する流路案内
壁13aと同様の向きとなり、また、流路案内壁13d
及び13fは、左側から2番目に位置する流路案内壁1
3bと同様の向きとなるように配されている。
隣接する流路案内壁との間に幅Wの間隔をおいてほぼ平
行となるように配されており、さらに、流路案内壁13
c、13e及び13gは、最も左側に位置する流路案内
壁13aと同様の向きとなり、また、流路案内壁13d
及び13fは、左側から2番目に位置する流路案内壁1
3bと同様の向きとなるように配されている。
【0036】従って、最も外側の流路案内壁を除く流路
案内壁(13b〜13f)は両側に隣接する流路案内壁
とは上下方向について逆向きに配されており、流路案内
壁13a〜13gは全体としてシェル11の内部におい
てS字状に蛇行する流路25A〜25Hを形成してい
る。
案内壁(13b〜13f)は両側に隣接する流路案内壁
とは上下方向について逆向きに配されており、流路案内
壁13a〜13gは全体としてシェル11の内部におい
てS字状に蛇行する流路25A〜25Hを形成してい
る。
【0037】流路案内壁13がシェル11から突出する
高さH’(図1に示す)とシェルの厚さとの総和は、こ
の態様においては、外周壁部17の高さH(図3に示
す)に対応する高さとなっている。従って、シェル11
の内部には、幅Wの溝状の流路25Aが外周壁部17及
び流路案内壁13によって囲まれて形成されている。
高さH’(図1に示す)とシェルの厚さとの総和は、こ
の態様においては、外周壁部17の高さH(図3に示
す)に対応する高さとなっている。従って、シェル11
の内部には、幅Wの溝状の流路25Aが外周壁部17及
び流路案内壁13によって囲まれて形成されている。
【0038】シェル12は、シェル11と鏡面対称とな
るように形成されていること以外は、シェル11と同様
に形成されており、外周部分に外周壁部18を有すると
共に、内部に一連の流路案内壁14a、14b、14
c、14d、14e、14f及び14gを有している。
るように形成されていること以外は、シェル11と同様
に形成されており、外周部分に外周壁部18を有すると
共に、内部に一連の流路案内壁14a、14b、14
c、14d、14e、14f及び14gを有している。
【0039】互いに鏡面対称な形態に形成されているシ
ェル11及び12を図1に示すように組み合わせると、
シェル11の外周壁部17とシェル12側の外周壁部1
8とが密着すると同時に、シェル11側の流路案内壁1
3a、13b、13c、13d、13e、13f及び1
3gと、シェル12側の流路案内壁14a、14b、1
4c、14d、14e、14f及び14gとの間もそれ
ぞれ密着する。従って、本体部10の内部には、入口部
31と出口部32との間を1本の液体の流路25が連絡
する形態となる。
ェル11及び12を図1に示すように組み合わせると、
シェル11の外周壁部17とシェル12側の外周壁部1
8とが密着すると同時に、シェル11側の流路案内壁1
3a、13b、13c、13d、13e、13f及び1
3gと、シェル12側の流路案内壁14a、14b、1
4c、14d、14e、14f及び14gとの間もそれ
ぞれ密着する。従って、本体部10の内部には、入口部
31と出口部32との間を1本の液体の流路25が連絡
する形態となる。
【0040】本体部10の内部において流路をこのよう
に設けることによって、本体部10の中を流れる液体の
流れ(流れの主方向)は、図2において白抜きの矢印F
によって示すように、流路25Aでは上向きの流れとな
り、流路25Aと流路25Bとの間の流路連絡部を経た
後、流路25Bでは流路25Aとは逆に下向きの流れと
なっており、更に流路25Bと流路25Cとの間の流路
連絡部を経た後、流路25Cでは流路25Bとは逆に上
向きの流れとなっている。
に設けることによって、本体部10の中を流れる液体の
流れ(流れの主方向)は、図2において白抜きの矢印F
によって示すように、流路25Aでは上向きの流れとな
り、流路25Aと流路25Bとの間の流路連絡部を経た
後、流路25Bでは流路25Aとは逆に下向きの流れと
なっており、更に流路25Bと流路25Cとの間の流路
連絡部を経た後、流路25Cでは流路25Bとは逆に上
向きの流れとなっている。
【0041】従って、本体部10の中における液体の流
れは、最も外側の流路を除く各流路(25B〜25G)
においては両側に隣接する流路における液体の流れとは
反転した向きに流れていると表現することもでき、液体
の流れも全体としてシェル11の内部において、流路2
5A〜25Hに沿ってS字状に蛇行している。入口部3
1から熱交換用容器の中に流入した液体は、本体部10
の内部に設けられている流路25を通過した後、出口部
32から流出する。
れは、最も外側の流路を除く各流路(25B〜25G)
においては両側に隣接する流路における液体の流れとは
反転した向きに流れていると表現することもでき、液体
の流れも全体としてシェル11の内部において、流路2
5A〜25Hに沿ってS字状に蛇行している。入口部3
1から熱交換用容器の中に流入した液体は、本体部10
の内部に設けられている流路25を通過した後、出口部
32から流出する。
【0042】図1〜4に示す例では、シェルは、材料コ
スト及び生産コストを抑えるという観点から、ステンレ
ス鋼板をプレス加工することによって成形しているが、
ステンレス鋼板以外の金属板を材料とすることもできる
し、或いはプレス加工以外の加工方法を採用することも
できる。
スト及び生産コストを抑えるという観点から、ステンレ
ス鋼板をプレス加工することによって成形しているが、
ステンレス鋼板以外の金属板を材料とすることもできる
し、或いはプレス加工以外の加工方法を採用することも
できる。
【0043】入口部31及び出口部32には、図2〜4
に示すように、外部のチューブ等に接続するためのコネ
クタ33・34を備えることが好ましい。コネクタは、
液体の逆流を防止する弁などを有することも好ましい。
尚、入口部31及び出口部32の中心軸は、図2〜4に
示す例では、入口部31の中心軸は、本体部10の中へ
流入して最初に流れる流路における液体の流れ方向(図
2において流路25Aの流れの主方向Fと同じ)と同一
となっており、出口部32の中心軸は、本体部10から
流出する直前に流れる流路における液体の流れ方向(図
2において流路25Hの流れの主方向Fと同じ)と同一
となっているが、これに限らず、それぞれ本体部10の
中へ流入する又は本体部10から流出する液体の流れ方
向に対して交差する方向に設けることもできる。例え
ば、図には示していないが、図3において、入口部31
の中心軸を、本体部10の中へ流入して最初に流れる流
路における液体の流れ方向に対して垂直に設けることも
でき、出口部32の中心軸についても同様である。
に示すように、外部のチューブ等に接続するためのコネ
クタ33・34を備えることが好ましい。コネクタは、
液体の逆流を防止する弁などを有することも好ましい。
尚、入口部31及び出口部32の中心軸は、図2〜4に
示す例では、入口部31の中心軸は、本体部10の中へ
流入して最初に流れる流路における液体の流れ方向(図
2において流路25Aの流れの主方向Fと同じ)と同一
となっており、出口部32の中心軸は、本体部10から
流出する直前に流れる流路における液体の流れ方向(図
2において流路25Hの流れの主方向Fと同じ)と同一
となっているが、これに限らず、それぞれ本体部10の
中へ流入する又は本体部10から流出する液体の流れ方
向に対して交差する方向に設けることもできる。例え
ば、図には示していないが、図3において、入口部31
の中心軸を、本体部10の中へ流入して最初に流れる流
路における液体の流れ方向に対して垂直に設けることも
でき、出口部32の中心軸についても同様である。
【0044】尚、一対のシェル11及び12の組合せに
よって本体部10を構成する場合であっても、シェル1
1及び12についての構成は上記の例に限定されるもの
ではない。例えば、シェル11及び12を鏡面対称な形
状とせずに、外周壁部17及び流路案内壁13をすべて
シェル11側に設けて、シェル11をトレイ状容器とす
る場合にシェル12がそれを覆う平板状の蓋となるよう
な形態とすることもできるし、これとは逆に、外周壁部
及び流路案内壁をすべてシェル12側に設けることもで
きる。また、各外周壁部17及び流路案内壁13をそれ
らの長手方向について2以上の部分に分割して、その一
部をシェル11側に設け、残りの部分をシェル12の側
に設けることもできる。
よって本体部10を構成する場合であっても、シェル1
1及び12についての構成は上記の例に限定されるもの
ではない。例えば、シェル11及び12を鏡面対称な形
状とせずに、外周壁部17及び流路案内壁13をすべて
シェル11側に設けて、シェル11をトレイ状容器とす
る場合にシェル12がそれを覆う平板状の蓋となるよう
な形態とすることもできるし、これとは逆に、外周壁部
及び流路案内壁をすべてシェル12側に設けることもで
きる。また、各外周壁部17及び流路案内壁13をそれ
らの長手方向について2以上の部分に分割して、その一
部をシェル11側に設け、残りの部分をシェル12の側
に設けることもできる。
【0045】この他、本体部を一対のシェル11及び1
2のみから形成するのではなく、3以上の部材の組合せ
によって形成することもできる。例えば、シェルを共に
平板状として、2枚の平板状のシェルの間に、外周壁部
及び流路案内壁を形成するスペーサー部材を挟むように
して、組み合わせた状態において、図1に示すような本
体部ができあがるようにすることもできる。この場合に
おける、シェル及びスペーサー部材の締結にも、上述し
たような既知の種々の締結手段及び/又は方法を用いる
ことができる。
2のみから形成するのではなく、3以上の部材の組合せ
によって形成することもできる。例えば、シェルを共に
平板状として、2枚の平板状のシェルの間に、外周壁部
及び流路案内壁を形成するスペーサー部材を挟むように
して、組み合わせた状態において、図1に示すような本
体部ができあがるようにすることもできる。この場合に
おける、シェル及びスペーサー部材の締結にも、上述し
たような既知の種々の締結手段及び/又は方法を用いる
ことができる。
【0046】また、流路案内壁13の設置する数を変更
することもできるし、流路案内壁13の形状も図示する
例のような直線状ではなく、多様な曲線の組合せまたは
多様な曲線と直線との組合せとすることもできる。これ
ら流路案内壁13の形状については、液体が流れる際の
圧力損失を考慮することがより好ましい。
することもできるし、流路案内壁13の形状も図示する
例のような直線状ではなく、多様な曲線の組合せまたは
多様な曲線と直線との組合せとすることもできる。これ
ら流路案内壁13の形状については、液体が流れる際の
圧力損失を考慮することがより好ましい。
【0047】本発明は、基本的には、熱交換用容器の入
口部から流入する液体が、本体部の中を通過する間に、
液体が本体部の金属製のシェルと接触することによっ
て、液体と金属製のシェルとの間で熱交換が行われ、そ
の結果として温度調節がなされた液体を出口部を通して
熱交換用容器から流出させるという技術的思想に基づく
ものである。
口部から流入する液体が、本体部の中を通過する間に、
液体が本体部の金属製のシェルと接触することによっ
て、液体と金属製のシェルとの間で熱交換が行われ、そ
の結果として温度調節がなされた液体を出口部を通して
熱交換用容器から流出させるという技術的思想に基づく
ものである。
【0048】尚、図に示す態様では、シェル11・12
における外周壁部の高さH(図3に示す)は、シェル1
1の上下寸法(図2に示すLy)や、シェル11の左右
寸法(図2に示すLx)に比べて、きわめて小さい寸法
となっている。これは、本体部10の内部の流路を液体
が流れる際に、液体とシェルとの間で伝熱が行われて
も、液体の流れがそれほど速くない場合、層流又はそれ
に近い状態で流れることもあり、液体の流れと垂直な方
向についての断面(流路断面ともいう)において、その
流れのシェルに接触する外側部分から流れの中央部分へ
向かう熱の伝達速度はあまり大きくはなく、従って流路
断面における流れの外側部分の温度と流れの中央部分の
温度との温度差が、短時間では無視できる程度に小さく
はならないこともあるので、流路断面における熱の伝達
距離を小さくすることを目的の1つとするためである。
における外周壁部の高さH(図3に示す)は、シェル1
1の上下寸法(図2に示すLy)や、シェル11の左右
寸法(図2に示すLx)に比べて、きわめて小さい寸法
となっている。これは、本体部10の内部の流路を液体
が流れる際に、液体とシェルとの間で伝熱が行われて
も、液体の流れがそれほど速くない場合、層流又はそれ
に近い状態で流れることもあり、液体の流れと垂直な方
向についての断面(流路断面ともいう)において、その
流れのシェルに接触する外側部分から流れの中央部分へ
向かう熱の伝達速度はあまり大きくはなく、従って流路
断面における流れの外側部分の温度と流れの中央部分の
温度との温度差が、短時間では無視できる程度に小さく
はならないこともあるので、流路断面における熱の伝達
距離を小さくすることを目的の1つとするためである。
【0049】更に、シェル11・12の伝熱面である各
主表面の面積は、図2に示されるシェル11の上下寸法
Lyとシェル11の左右寸法Lxとの積の値であるが、こ
の伝熱面に対して単位時間あたりで加えられる熱エネル
ギーの量が一定である場合には、シェル11・12の外
周壁部の高さHが小さいほど本体部10内部の熱容量を
小さくすることができる。本体部10内部の熱容量を小
さくすると、シェル11・12が温度調節板62から受
ける温度変化の影響は、本体部10の内部の液体の全体
に速やかに伝えられると理解することができる。
主表面の面積は、図2に示されるシェル11の上下寸法
Lyとシェル11の左右寸法Lxとの積の値であるが、こ
の伝熱面に対して単位時間あたりで加えられる熱エネル
ギーの量が一定である場合には、シェル11・12の外
周壁部の高さHが小さいほど本体部10内部の熱容量を
小さくすることができる。本体部10内部の熱容量を小
さくすると、シェル11・12が温度調節板62から受
ける温度変化の影響は、本体部10の内部の液体の全体
に速やかに伝えられると理解することができる。
【0050】この意味においてシェルの外周壁部の高さ
Hを、シェル11の上下寸法Ly及びシェル11の左右
寸法Lxよりもはるかに小さく設定することは、本体部
10内部の熱容量を小さくすることをもう1つの目的と
するためである。また、シェルの外周壁部の高さHは、
流路25Aの幅W(図2に示す)と対比しても相対的に
非常に小さく設定されている。例えばH/Wの比は、
0.05〜0.6、好ましくは0.1〜0.4、最も好
ましくは0.1〜0.3とすることができる。図1〜4
に示す態様では、H/Wの比の値は0.2に設定されて
いる。
Hを、シェル11の上下寸法Ly及びシェル11の左右
寸法Lxよりもはるかに小さく設定することは、本体部
10内部の熱容量を小さくすることをもう1つの目的と
するためである。また、シェルの外周壁部の高さHは、
流路25Aの幅W(図2に示す)と対比しても相対的に
非常に小さく設定されている。例えばH/Wの比は、
0.05〜0.6、好ましくは0.1〜0.4、最も好
ましくは0.1〜0.3とすることができる。図1〜4
に示す態様では、H/Wの比の値は0.2に設定されて
いる。
【0051】熱交換用容器の本体部を形成するシェル
は、液体を流通させながら熱交換を行うという機能を果
たすことができれば、種々の形状及び形態をとることが
できる。この熱交換用容器は、所定の用途に1回使用し
た後で廃棄することもできるし、洗浄した後、繰り返し
て使用することもできる。繰り返して使用する場合に
は、熱交換用容器の内部に流通させる液体の種類に対応
した所定の洗浄用液体を用いて洗浄し、容器を分解する
ことなく洗浄するだけで、再び使用することができる。
また、有機物等を含む液体を流通させた場合には、単に
洗浄用液体を用いて洗浄するだけでは、再使用に適さな
いこともあるので、そのような用途に用いる熱交換用容
器は分解できる構成となっていることが好ましい。
は、液体を流通させながら熱交換を行うという機能を果
たすことができれば、種々の形状及び形態をとることが
できる。この熱交換用容器は、所定の用途に1回使用し
た後で廃棄することもできるし、洗浄した後、繰り返し
て使用することもできる。繰り返して使用する場合に
は、熱交換用容器の内部に流通させる液体の種類に対応
した所定の洗浄用液体を用いて洗浄し、容器を分解する
ことなく洗浄するだけで、再び使用することができる。
また、有機物等を含む液体を流通させた場合には、単に
洗浄用液体を用いて洗浄するだけでは、再使用に適さな
いこともあるので、そのような用途に用いる熱交換用容
器は分解できる構成となっていることが好ましい。
【0052】この液体の流路断面における温度分布を均
一化するために、本発明の熱交換用容器は、もう1つの
好ましい態様において、液体の流路25にじゃま板手段
50を取り付けることもできる。本発明においてじゃま
板手段とは、流れる液体がじゃま板手段に衝突して分岐
及び合流し、これを繰り返すことによって、局部的に観
察した場合の液体の流れに、液体の流れの主方向(液体
が全体として流れる方向)に対して交差する方向の速度
成分を付与する機能を有している。
一化するために、本発明の熱交換用容器は、もう1つの
好ましい態様において、液体の流路25にじゃま板手段
50を取り付けることもできる。本発明においてじゃま
板手段とは、流れる液体がじゃま板手段に衝突して分岐
及び合流し、これを繰り返すことによって、局部的に観
察した場合の液体の流れに、液体の流れの主方向(液体
が全体として流れる方向)に対して交差する方向の速度
成分を付与する機能を有している。
【0053】本発明における1つの好ましい態様におい
て、じゃま板手段50は図5〜7に示すような一定のパ
ターンを繰り返してなる形態を有する、流路内における
充填物であってよい。図5は、じゃま板手段50を備え
た状態の1つの流路断面の一部を示すものであって、図
2における本体部10の左側の外周壁部17L及び流路
25Aにおいて矢印V−Vの向きに見た状態の断面図を
示している。
て、じゃま板手段50は図5〜7に示すような一定のパ
ターンを繰り返してなる形態を有する、流路内における
充填物であってよい。図5は、じゃま板手段50を備え
た状態の1つの流路断面の一部を示すものであって、図
2における本体部10の左側の外周壁部17L及び流路
25Aにおいて矢印V−Vの向きに見た状態の断面図を
示している。
【0054】図5の流路の断面図においてじゃま板手段
50を観察すると、じゃま板手段50の最小単位は上向
きに先すぼまりの1つの台形D1であって、台形D1は
左側側辺D1−52L及び上底D1−51及び右側側辺
D1−52Rからなる。上向きに先すぼまりの1つの台
形D1の右側の隣には、台形D1の右側側辺D1−52
Rを共通の側辺として、台形D1とは上下方向について
反転した状態の下向きに先すぼまりの台形D2が隣接し
て配されており、流路断面25Aの長手方向(図5にお
いて左右方向)について全体としては、このようなパタ
ーンで上向きに先すぼまりの1つの台形D2n−1(n
は1以上の整数である)と下向きに先すぼまりの台形D
2nが連続して隣接するパターンを有している。各台形
の高さhは、流路25の流れに垂直な方向の厚み、従っ
て流路案内壁13がシェル11から突出する高さH’の
ほぼ2倍となるように設定されている。
50を観察すると、じゃま板手段50の最小単位は上向
きに先すぼまりの1つの台形D1であって、台形D1は
左側側辺D1−52L及び上底D1−51及び右側側辺
D1−52Rからなる。上向きに先すぼまりの1つの台
形D1の右側の隣には、台形D1の右側側辺D1−52
Rを共通の側辺として、台形D1とは上下方向について
反転した状態の下向きに先すぼまりの台形D2が隣接し
て配されており、流路断面25Aの長手方向(図5にお
いて左右方向)について全体としては、このようなパタ
ーンで上向きに先すぼまりの1つの台形D2n−1(n
は1以上の整数である)と下向きに先すぼまりの台形D
2nが連続して隣接するパターンを有している。各台形
の高さhは、流路25の流れに垂直な方向の厚み、従っ
て流路案内壁13がシェル11から突出する高さH’の
ほぼ2倍となるように設定されている。
【0055】このじゃま板手段50を流れに沿う方向
(図6及び7における白抜きの矢印Fの方向)にわたっ
て観察すると、図6に示すように、上記のような台形の
パターンを有する断面形状が、所定の長さXだけ液体の
流れ方向に延びて第1列のブロックB1を形成してい
る。次の第2列のブロックB2も、図5に示すような流
路断面において左右方向に台形が連続するパターンを有
しているが、流路断面の長手方向(図5において左右方
向)について、台形の上底51の長さY(図5に示す)
を越えない距離だけ横ずれして(図6及び7では左方向
にずれて)いる。従って、隣接する2つのブロックB1
及びB2は、流れに垂直な断面の面内で、流れに沿う方
向Fの向きに見るとオーバーラップして観察される上底
51を有しており、そのオーバーラップする部分によっ
てブロックB1とブロックB2とが連結された形態とな
っている。以下、同様に、第3列のブロックB3、第4
列のブロックB4、第5列のブロックB5と続いてい
る。
(図6及び7における白抜きの矢印Fの方向)にわたっ
て観察すると、図6に示すように、上記のような台形の
パターンを有する断面形状が、所定の長さXだけ液体の
流れ方向に延びて第1列のブロックB1を形成してい
る。次の第2列のブロックB2も、図5に示すような流
路断面において左右方向に台形が連続するパターンを有
しているが、流路断面の長手方向(図5において左右方
向)について、台形の上底51の長さY(図5に示す)
を越えない距離だけ横ずれして(図6及び7では左方向
にずれて)いる。従って、隣接する2つのブロックB1
及びB2は、流れに垂直な断面の面内で、流れに沿う方
向Fの向きに見るとオーバーラップして観察される上底
51を有しており、そのオーバーラップする部分によっ
てブロックB1とブロックB2とが連結された形態とな
っている。以下、同様に、第3列のブロックB3、第4
列のブロックB4、第5列のブロックB5と続いてい
る。
【0056】このじゃま板手段50は、上記のような流
路断面において複数の台形が左右方向に連続するパター
ンを有するブロックBm(mは1以上の整数である)
が、流れに沿う方向に関して2列又はそれ以上の数の列
で連続するものを1つのピースとして形成したもの(例
えば、B1〜B5)であってよく、本発明の熱交換用容
器は、流路内の少なくとも一部、好ましくは流路が屈曲
する部分以外の部分にこのようなピースを所望する数及
び形態にて配設することができる。
路断面において複数の台形が左右方向に連続するパター
ンを有するブロックBm(mは1以上の整数である)
が、流れに沿う方向に関して2列又はそれ以上の数の列
で連続するものを1つのピースとして形成したもの(例
えば、B1〜B5)であってよく、本発明の熱交換用容
器は、流路内の少なくとも一部、好ましくは流路が屈曲
する部分以外の部分にこのようなピースを所望する数及
び形態にて配設することができる。
【0057】各ピースは、図2に示す正面図の面内で広
がる平面内において、モザイク・タイルのように相互に
隣接させて平面内に敷きつめることができるような輪郭
の平面形状を有するように形成されていることが好まし
い。また、じゃま板手段50を形成する材料は、シェル
11・12の場合と同様の理由から、シェル11・12
に用いる材料と同じ材料を用いることが好ましい。
がる平面内において、モザイク・タイルのように相互に
隣接させて平面内に敷きつめることができるような輪郭
の平面形状を有するように形成されていることが好まし
い。また、じゃま板手段50を形成する材料は、シェル
11・12の場合と同様の理由から、シェル11・12
に用いる材料と同じ材料を用いることが好ましい。
【0058】このようなじゃま板手段50を流路25内
に配設することによって、例えば図6及び7において、
流路25内を流れる液体は全体としては矢印Fの向きに
流れるが、流路断面の細部について観察すると、ブロッ
クB1における台形D1(図5〜7において、第1列の
ブロックB1の最も左側の台形を指しており、台形B1
D1と表記する。以下、同様。)の中に流れ込む液体の
流れAは、台形B1D1の中をじゃま板手段50に沿っ
て流れた後、この流れ方向の下流側に位置するブロック
B2の台形B2D1の右側の側面B2D1−52Rに衝
突し、流れAの一部は台形B2D1の側面B2D1−5
2Rの右側へ流れArとなって分岐して流れ、流れAの
残りの一部は台形B2D1の側面B2D1−52Rの左
側、従って、台形B2D1の中へ流れAlとなって分岐
して流れる。
に配設することによって、例えば図6及び7において、
流路25内を流れる液体は全体としては矢印Fの向きに
流れるが、流路断面の細部について観察すると、ブロッ
クB1における台形D1(図5〜7において、第1列の
ブロックB1の最も左側の台形を指しており、台形B1
D1と表記する。以下、同様。)の中に流れ込む液体の
流れAは、台形B1D1の中をじゃま板手段50に沿っ
て流れた後、この流れ方向の下流側に位置するブロック
B2の台形B2D1の右側の側面B2D1−52Rに衝
突し、流れAの一部は台形B2D1の側面B2D1−5
2Rの右側へ流れArとなって分岐して流れ、流れAの
残りの一部は台形B2D1の側面B2D1−52Rの左
側、従って、台形B2D1の中へ流れAlとなって分岐
して流れる。
【0059】同様に、台形B1D2の中を流れる流れ
A’は、台形B2D3の左側の側面B2D3−52Lに
衝突して、この側面B2D3−52Lの左側(従って、
台形B2D2の中)へ流れる流れAl’と、側面B2D
3−52Rの右側へ流れる流れAr’とに分岐する。
A’は、台形B2D3の左側の側面B2D3−52Lに
衝突して、この側面B2D3−52Lの左側(従って、
台形B2D2の中)へ流れる流れAl’と、側面B2D
3−52Rの右側へ流れる流れAr’とに分岐する。
【0060】従って、流れArは流れAl’と合流して
台形B2D2の中を流れる。他の各台形BmDn(m及
びnは、それぞれ1以上の整数である)を流れる流れに
ついても同様であって、各台形の側面(側辺)に衝突し
てその側面の両側へ分岐した流れは、それぞれ隣接する
台形の側面に衝突して分岐して流れてくる隣の流れとそ
れぞれ合流して流れる。
台形B2D2の中を流れる。他の各台形BmDn(m及
びnは、それぞれ1以上の整数である)を流れる流れに
ついても同様であって、各台形の側面(側辺)に衝突し
てその側面の両側へ分岐した流れは、それぞれ隣接する
台形の側面に衝突して分岐して流れてくる隣の流れとそ
れぞれ合流して流れる。
【0061】このように、液体の流れは、台形の断面形
状を有するじゃま板手段50によって、流れの主方向に
対して流路断面の左右方向に交差する速度成分が付与さ
れ、図5で示す流路断面の左右方向について混合され
る。液体の流れに、流れの主方向に対して流路断面の上
下方向についても交差する速度成分を付与したい場合に
は、じゃま板手段50を構成する台形に上向き又は下向
きに傾斜する面を設けることもできる。また、シェル1
1・12から液体のシェルに面する部分へ伝熱が行われ
ることによって、本体部10の中の液体は1種の対流の
ような流動も行い、これによっても液体の流れには、流
れの主方向に対して流路断面の上下方向についても交差
する速度成分が付与され、液体の流れは流路断面におけ
る厚み方向(図5において上下方向)についても混合さ
れる。
状を有するじゃま板手段50によって、流れの主方向に
対して流路断面の左右方向に交差する速度成分が付与さ
れ、図5で示す流路断面の左右方向について混合され
る。液体の流れに、流れの主方向に対して流路断面の上
下方向についても交差する速度成分を付与したい場合に
は、じゃま板手段50を構成する台形に上向き又は下向
きに傾斜する面を設けることもできる。また、シェル1
1・12から液体のシェルに面する部分へ伝熱が行われ
ることによって、本体部10の中の液体は1種の対流の
ような流動も行い、これによっても液体の流れには、流
れの主方向に対して流路断面の上下方向についても交差
する速度成分が付与され、液体の流れは流路断面におけ
る厚み方向(図5において上下方向)についても混合さ
れる。
【0062】じゃま板手段50において、各台形におけ
る上底51の部分は、図5に示すようにシェル11及び
12に対して接触しているため、シェル11・12が冷
却又は加熱されると、じゃま板手段50は各台形におけ
る上底51の部分がシェル11・12によって同様に冷
却又は加熱され、従って、その冷却又は加熱の影響は各
台形における側面52へも及ぶことになる。この場合
に、各台形の側面52は液体に対する伝熱面としての機
能も果たすことになり、1種の伝熱用のフィンと表現す
ることもできる。従って、じゃま板手段50が設けられ
た流路内を液体が流れると、その液体は、シェル11・
12によって冷却又は加熱作用を受けるだけでなく、更
に広い面積にて接触するじゃま板手段50によっても冷
却又は加熱作用を受けることができ、液体全体を均一に
冷却又は加熱することができることに加えて、液体全体
についての冷却又は加熱の効率を大きく向上させること
ができる。
る上底51の部分は、図5に示すようにシェル11及び
12に対して接触しているため、シェル11・12が冷
却又は加熱されると、じゃま板手段50は各台形におけ
る上底51の部分がシェル11・12によって同様に冷
却又は加熱され、従って、その冷却又は加熱の影響は各
台形における側面52へも及ぶことになる。この場合
に、各台形の側面52は液体に対する伝熱面としての機
能も果たすことになり、1種の伝熱用のフィンと表現す
ることもできる。従って、じゃま板手段50が設けられ
た流路内を液体が流れると、その液体は、シェル11・
12によって冷却又は加熱作用を受けるだけでなく、更
に広い面積にて接触するじゃま板手段50によっても冷
却又は加熱作用を受けることができ、液体全体を均一に
冷却又は加熱することができることに加えて、液体全体
についての冷却又は加熱の効率を大きく向上させること
ができる。
【0063】更に、上述のように、液体の流れが1つの
ブロックを通過する度に、液体の流れは局部的に観察し
て、流路断面の図5における左右方向について混合され
るのと同時に、流路断面の図5における上下方向につい
ても混合される結果、液体の流れが、本発明の熱交換用
容器の本体部10の中を通過すると、好ましくは流路の
中の複数のブロックを通過すると、液体はその流路断面
の面内全体にわたってほぼ均一の温度分布を有するもの
とすることができる。
ブロックを通過する度に、液体の流れは局部的に観察し
て、流路断面の図5における左右方向について混合され
るのと同時に、流路断面の図5における上下方向につい
ても混合される結果、液体の流れが、本発明の熱交換用
容器の本体部10の中を通過すると、好ましくは流路の
中の複数のブロックを通過すると、液体はその流路断面
の面内全体にわたってほぼ均一の温度分布を有するもの
とすることができる。
【0064】このようなじゃま板手段50としては、オ
イルクーラー用に用いられるインナーフィンとして市販
されているもの(例えば、東京ラジエーター社の製品)
を用いることができる。従って、本発明において、じゃ
ま板手段50は、上述のように液体の流れを流路断面の
左右方向及び上下方向について混合することによって、
液体がその流路断面における面内全体にわたってほぼ均
一の温度分布を有するようにすることを主たる目的とす
るものであるので、その目的を達成することができる限
りにおいて、この他の種々の形態のじゃま板手段50を
採用することができる。従って、流れに垂直な方向の断
面における形状は、必ずしも台形に限られず、半円形、
台形以外の四角形、波形、例えばS字が連続するような
形状などのものを用いることもできる。
イルクーラー用に用いられるインナーフィンとして市販
されているもの(例えば、東京ラジエーター社の製品)
を用いることができる。従って、本発明において、じゃ
ま板手段50は、上述のように液体の流れを流路断面の
左右方向及び上下方向について混合することによって、
液体がその流路断面における面内全体にわたってほぼ均
一の温度分布を有するようにすることを主たる目的とす
るものであるので、その目的を達成することができる限
りにおいて、この他の種々の形態のじゃま板手段50を
採用することができる。従って、流れに垂直な方向の断
面における形状は、必ずしも台形に限られず、半円形、
台形以外の四角形、波形、例えばS字が連続するような
形状などのものを用いることもできる。
【0065】そのような種々の形態のじゃま板手段50
としては、化学工学の分野において、熱交換器に用いる
ものとして既に知られているじゃま板手段を用いること
ができる。そのようなものには、例えば「化学装置便覧
・改訂第二版」化学工学協会編、平成元年3月30日
付、丸善株式会社発行、第575頁の第14・41図及
び第14・42図に示されている横手じゃま板又は長手
じゃま板などの形態のじゃま板手段、又は例えば上記
「化学装置便覧・改訂第二版」第568頁の第14・3
1図に示されている(a)の形態のねじりテープ、
(b)の形態の内面に設ける線状のフィン、(c)の形
態の内面に設ける複数の層のフィン、(d)の形態の星
状テープ、並びに上記「化学装置便覧・改訂第二版」第
578頁の第14・14図に示されている巻付けフィ
ン、オーバーラップド巻付けフィン、押込みフィン、転
造フィンなどの形態の種々のフィンを、そのじゃま板手
段としての機能に着目して、本発明に利用してシェル1
1・12に直接的に取り付けることもできるし、又は充
填物として挿入することにより間接的に取り付けること
もできる。
としては、化学工学の分野において、熱交換器に用いる
ものとして既に知られているじゃま板手段を用いること
ができる。そのようなものには、例えば「化学装置便覧
・改訂第二版」化学工学協会編、平成元年3月30日
付、丸善株式会社発行、第575頁の第14・41図及
び第14・42図に示されている横手じゃま板又は長手
じゃま板などの形態のじゃま板手段、又は例えば上記
「化学装置便覧・改訂第二版」第568頁の第14・3
1図に示されている(a)の形態のねじりテープ、
(b)の形態の内面に設ける線状のフィン、(c)の形
態の内面に設ける複数の層のフィン、(d)の形態の星
状テープ、並びに上記「化学装置便覧・改訂第二版」第
578頁の第14・14図に示されている巻付けフィ
ン、オーバーラップド巻付けフィン、押込みフィン、転
造フィンなどの形態の種々のフィンを、そのじゃま板手
段としての機能に着目して、本発明に利用してシェル1
1・12に直接的に取り付けることもできるし、又は充
填物として挿入することにより間接的に取り付けること
もできる。
【0066】また、本発明の温度調節装置は、「分離冷
却法」と称される、医療分野、特に脳外科の分野におい
て用いられる方法に好適に用いることができる。「分離
冷却法」は、具体的には身体の一部を選択してその部位
を局所的に冷却する方法であって、例えば、身体の局所
(例えば頭部)に手術を施す時のように出血が心配され
る場合、あるいは局部的に生体機能の活性を一時的に低
下させてその間に治療を行う場合等に用いられる局部冷
却方法である。この方法の詳細については、上述したよ
うに特開平9−290021号公報に記載されている。
却法」と称される、医療分野、特に脳外科の分野におい
て用いられる方法に好適に用いることができる。「分離
冷却法」は、具体的には身体の一部を選択してその部位
を局所的に冷却する方法であって、例えば、身体の局所
(例えば頭部)に手術を施す時のように出血が心配され
る場合、あるいは局部的に生体機能の活性を一時的に低
下させてその間に治療を行う場合等に用いられる局部冷
却方法である。この方法の詳細については、上述したよ
うに特開平9−290021号公報に記載されている。
【0067】ペルチェ素子を加温・冷却装置に用いる場
合には、素子に流れる電流の流れ方向(従って、極性)
に応じて加熱または冷却を行うことができ、その時の加
熱または冷却熱量は、電流量を調節することによって調
節することができる。また、ペルチェ素子を使用する
と、加温と冷却との間の切り替えを自在に電気的に実施
でき、電流量の増減も容易かつ精度良く実施できるの
で、温度調節の応答および感度が良く、温度調節の精度
も高い。
合には、素子に流れる電流の流れ方向(従って、極性)
に応じて加熱または冷却を行うことができ、その時の加
熱または冷却熱量は、電流量を調節することによって調
節することができる。また、ペルチェ素子を使用する
と、加温と冷却との間の切り替えを自在に電気的に実施
でき、電流量の増減も容易かつ精度良く実施できるの
で、温度調節の応答および感度が良く、温度調節の精度
も高い。
【0068】例えば、加温・冷却装置を出た補液、血液
等の温度を測定して、その測定結果を、加温・冷却装置
のコントローラーにフィードバックして、測定結果に応
じてペルチェ素子への電流量の増減および/極性の切り
替えを感度および精度良く実施できる。従って、本発明
の温度調節装置によれば、温度調節部60にペルチェ素
子を用いることによって、液体の温度を精密かつ迅速に
調節することが可能となる。
等の温度を測定して、その測定結果を、加温・冷却装置
のコントローラーにフィードバックして、測定結果に応
じてペルチェ素子への電流量の増減および/極性の切り
替えを感度および精度良く実施できる。従って、本発明
の温度調節装置によれば、温度調節部60にペルチェ素
子を用いることによって、液体の温度を精密かつ迅速に
調節することが可能となる。
【0069】
【発明の効果】本発明に係る熱交換用容器は、シェルに
金属材料を採用することによって、軟質プラスチック材
料を用いていたバッグの形態の熱交換器よりも、熱伝導
性及び応答性が良好な熱交換器が得られる。更に、熱交
換用容器が金属製であることによって、耐久性にも優れ
ており、適当な洗浄、消毒又は滅菌処理を施すことによ
って、複数回繰り返して使用することができる。
金属材料を採用することによって、軟質プラスチック材
料を用いていたバッグの形態の熱交換器よりも、熱伝導
性及び応答性が良好な熱交換器が得られる。更に、熱交
換用容器が金属製であることによって、耐久性にも優れ
ており、適当な洗浄、消毒又は滅菌処理を施すことによ
って、複数回繰り返して使用することができる。
【0070】また、本発明に係る熱交換用容器は、液体
流路の全体としての長さを金属製シェルの最も長い辺の
長さよりも長く設定しているので、熱交換用容器の外形
的寸法(大きさ)と対比して、相対的に長い液体流路を
確保することができるので、容器内部を流通させる液体
と容器とが接触する面積を大きく設定することができ、
小型ながら伝熱効率に優れた熱交換用容器を提供するこ
とができる。更に、本発明に係る熱交換用容器は、金属
製のシェルを用いることによって、高温から低温まで幅
広い設定温度に対応することができると共に、液体の圧
力変化などによってその形状が影響を受けにくいという
利点も有している。
流路の全体としての長さを金属製シェルの最も長い辺の
長さよりも長く設定しているので、熱交換用容器の外形
的寸法(大きさ)と対比して、相対的に長い液体流路を
確保することができるので、容器内部を流通させる液体
と容器とが接触する面積を大きく設定することができ、
小型ながら伝熱効率に優れた熱交換用容器を提供するこ
とができる。更に、本発明に係る熱交換用容器は、金属
製のシェルを用いることによって、高温から低温まで幅
広い設定温度に対応することができると共に、液体の圧
力変化などによってその形状が影響を受けにくいという
利点も有している。
【0071】本発明に係る熱交換用容器は、液体流路の
少なくとも一部にじゃま板手段を有することによって、
内部を流通させる液体と熱交換用容器及びじゃま板手段
との接触面積を大きくすることができ、液体と熱交換用
容器との間での伝熱効率及び/又は混合効率を向上させ
ることができる。じゃま板手段は、液体の流れに、流れ
の主方向に対して交差する方向の速度成分を付与して、
液体の温度を全体として均一化することができるので、
液体と熱交換用容器との間での伝熱効率及び/又は混合
効率をより向上させることができる。
少なくとも一部にじゃま板手段を有することによって、
内部を流通させる液体と熱交換用容器及びじゃま板手段
との接触面積を大きくすることができ、液体と熱交換用
容器との間での伝熱効率及び/又は混合効率を向上させ
ることができる。じゃま板手段は、液体の流れに、流れ
の主方向に対して交差する方向の速度成分を付与して、
液体の温度を全体として均一化することができるので、
液体と熱交換用容器との間での伝熱効率及び/又は混合
効率をより向上させることができる。
【0072】本発明に係る温度調節装置は、上述した熱
交換用容器についての全ての利点を享有することができ
る。本発明に係る温度調節装置は、ペルチェ素子を含む
温度調節部及び温度測定部を有することによって、迅速
かつに精密に温度を調節することができる。
交換用容器についての全ての利点を享有することができ
る。本発明に係る温度調節装置は、ペルチェ素子を含む
温度調節部及び温度測定部を有することによって、迅速
かつに精密に温度を調節することができる。
【0073】本発明に係る温度調節装置は、本体部の表
面と温度調節部の表面とが相互に密着し、好ましくは、
本体部の表面と温度調節部の表面とがいずれも実質的な
平面に形成されていることによって相互に密着するの
で、温度調節部と本体部の表面との間に大きな伝熱面積
を確保することができ、温度調節部から本体部の表面へ
の冷却又は加熱を効率よく行うことができる。本発明に
係る温度調節装置を用いて分離冷却法に使用する補液を
温度調節する場合には、加温及び冷却の程度およびその
切り替えを迅速かつ自在に行うことができる。
面と温度調節部の表面とが相互に密着し、好ましくは、
本体部の表面と温度調節部の表面とがいずれも実質的な
平面に形成されていることによって相互に密着するの
で、温度調節部と本体部の表面との間に大きな伝熱面積
を確保することができ、温度調節部から本体部の表面へ
の冷却又は加熱を効率よく行うことができる。本発明に
係る温度調節装置を用いて分離冷却法に使用する補液を
温度調節する場合には、加温及び冷却の程度およびその
切り替えを迅速かつ自在に行うことができる。
【図1】 部分的に破断した、本発明の熱交換用容器を
示す斜視図である。
示す斜視図である。
【図2】 本発明の熱交換用容器の正面断面図である。
【図3】 本発明の熱交換用容器の側面図である。
【図4】 本発明の熱交換用容器の底面図である。
【図5】 本発明の熱交換用容器において、流路内にじ
ゃま板手段を配設した状態を示す図1の線V−Vについ
ての断面図である。
ゃま板手段を配設した状態を示す図1の線V−Vについ
ての断面図である。
【図6】 本発明の熱交換用容器に用いるじゃま板手段
の斜視図である。
の斜視図である。
【図7】 本発明の熱交換用容器に用いるじゃま板手段
の平面図である。
の平面図である。
【図8】 本発明の温度調節装置を示す摸式図である。
10…本体部、11、12…シェル、13、13a、1
3b、13c、13d、13e、13f、13g、1
4、14a、14b、14c、14d、14e、14
f、14g…流路案内壁、17、17T、17B、17
L、17R、18…外周壁部、25、25A、25B、
25C、25D、25E、25F、25G、25H、2
6…流路、31…入口部、32…出口部、33、34…
コネクタ、50…じゃま板手段、51…台形の上底、5
2…台形の側辺(又は側面)、D1、D2、D3…じゃ
ま板手段を形成する台形、D1−52L…台形D1の左
側側辺、D1−52R…台形D1の右側側辺、D1−5
1…台形D1の上底、B1、B2、B3、B4、B5…
じゃま板手段におけるブロックの列、60…温度調節
部、61…温度測定部、62…温度調節板、64…電気
的信号伝達手段、65…コントローラ。
3b、13c、13d、13e、13f、13g、1
4、14a、14b、14c、14d、14e、14
f、14g…流路案内壁、17、17T、17B、17
L、17R、18…外周壁部、25、25A、25B、
25C、25D、25E、25F、25G、25H、2
6…流路、31…入口部、32…出口部、33、34…
コネクタ、50…じゃま板手段、51…台形の上底、5
2…台形の側辺(又は側面)、D1、D2、D3…じゃ
ま板手段を形成する台形、D1−52L…台形D1の左
側側辺、D1−52R…台形D1の右側側辺、D1−5
1…台形D1の上底、B1、B2、B3、B4、B5…
じゃま板手段におけるブロックの列、60…温度調節
部、61…温度測定部、62…温度調節板、64…電気
的信号伝達手段、65…コントローラ。
Claims (7)
- 【請求項1】 医療用液体を流入させる入口部、対向す
る2つの平行平板状の主表面によって規定され、前記液
体を流通させる空間を内部に有する金属製シェルからな
る本体部、及び本体部の内部を通過した液体を流出させ
る出口部を有する熱交換用容器であって、 金属製シェルの主表面の少なくとも一方は、外部から熱
伝導を受ける伝熱面としての機能を有しており、シェル
の内側方向には畝状に突出する1又はそれ以上の流路案
内壁が設けられており、 本体部の内部には、流路案内壁によって、液体の流れを
導く液体流路が形成されていることを特徴とする熱交換
用容器。 - 【請求項2】 液体流路の少なくとも一部にじゃま板手
段が設けられていることを特徴とする請求項1記載の熱
交換用容器。 - 【請求項3】 じゃま板手段は、液体の流れに、流れの
主方向に対して交差する方向の速度成分を付与すること
を特徴とする請求項2記載の熱交換用容器。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載する熱交
換用容器に加えて、ペルチェ素子を含む温度調節部及び
温度測定部が設けられていることを特徴とする医療用液
体の温度調節装置。 - 【請求項5】 本体部の表面と、温度調節部の表面とが
相互に密着状態で接触することを特徴とする請求項4記
載の温度調節装置。 - 【請求項6】 相互に接触する本体部の表面及び温度調
節部の表面が共に実質的に平板状となっていることを特
徴とする請求項5記載の温度調節装置。 - 【請求項7】 分離冷却法に使用する補液を温度調節す
る請求項4〜6のいずれかに記載の温度調節装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000042751A JP2001231853A (ja) | 2000-02-21 | 2000-02-21 | 医療用液体の熱交換用容器及び温度調節装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000042751A JP2001231853A (ja) | 2000-02-21 | 2000-02-21 | 医療用液体の熱交換用容器及び温度調節装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001231853A true JP2001231853A (ja) | 2001-08-28 |
Family
ID=18565783
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000042751A Pending JP2001231853A (ja) | 2000-02-21 | 2000-02-21 | 医療用液体の熱交換用容器及び温度調節装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001231853A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006325751A (ja) * | 2005-05-24 | 2006-12-07 | Senko Medical Instr Mfg Co Ltd | 輸液熱交換器及び輸液熱交換装置 |
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JP2010094142A (ja) * | 2008-10-14 | 2010-04-30 | Nikkiso Co Ltd | 熱交換装置 |
US8191985B2 (en) | 2008-09-18 | 2012-06-05 | Riso Kagaku Corporation | Ink jet printer |
JP2013532538A (ja) * | 2010-07-27 | 2013-08-19 | ユニバーシティ オブ ストラスクライド | 統合型灌流装置 |
JP2019531107A (ja) * | 2016-07-29 | 2019-10-31 | ダブリュ・オー・エム・ワールド・オブ・メディスン・ゲーエムベーハーW.O.M. World Of Medicine Gmbh | 医療機器内の流体の流れ温度調節を行うための装置および方法 |
WO2024152546A1 (zh) * | 2023-01-17 | 2024-07-25 | 青岛海尔空调器有限总公司 | 用于控制空调器的方法及装置、空调器、存储介质 |
-
2000
- 2000-02-21 JP JP2000042751A patent/JP2001231853A/ja active Pending
Cited By (8)
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JP7016857B2 (ja) | 2016-07-29 | 2022-02-07 | ダブリュ・オー・エム・ワールド・オブ・メディスン・ゲーエムベーハー | 医療機器内の流体の流れ温度調節を行うための装置および方法 |
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