[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JP2001294606A - 高シンジオタクチック塩化ビニル系重合体の製造方法 - Google Patents

高シンジオタクチック塩化ビニル系重合体の製造方法

Info

Publication number
JP2001294606A
JP2001294606A JP2000110091A JP2000110091A JP2001294606A JP 2001294606 A JP2001294606 A JP 2001294606A JP 2000110091 A JP2000110091 A JP 2000110091A JP 2000110091 A JP2000110091 A JP 2000110091A JP 2001294606 A JP2001294606 A JP 2001294606A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vinyl chloride
group
polymerization
chloride polymer
mol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000110091A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuyoshi Oki
祥嘉 沖
Yoshio Okamoto
佳男 岡本
Mitsuo Sawamoto
光男 澤本
Junichiro Kanesaka
順一郎 金坂
Naohiko Nagata
直彦 永田
Yoshitaka Nagara
佳孝 長柄
Yoshimichi Okano
善道 岡野
Masamichi Nishimura
政通 西村
Kazutoshi Terada
和俊 寺田
Tomiaki Otake
富明 大竹
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Chemical Innovation Institute
Original Assignee
Japan Chemical Innovation Institute
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Chemical Innovation Institute filed Critical Japan Chemical Innovation Institute
Priority to JP2000110091A priority Critical patent/JP2001294606A/ja
Publication of JP2001294606A publication Critical patent/JP2001294606A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polymerization Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ラジカル重合法により、高シンジオタクチッ
ク塩化ビニル系重合体を製造する方法を提供すること。 【解決手段】 好ましくはチタン化合物であるルイス酸
の存在下、ラジカル重合開始剤により塩化ビニル系単量
体の重合反応を行い高シンジオタクチック塩化ビニル系
重合体を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ラジカル重合法に
より塩化ビニル系重合体を製造する方法において、ルイ
ス酸の存在下でラジカル重合開始剤により塩化ビニル系
単量体の重合反応を行い、高シンジオタクチック塩化ビ
ニル系重合体を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】重合体の物理化学的特性は、重合体の一
次構造(例えば、分子量、分子量分布、立体構造など)
に大きく依存している。その中でも重合体の立体構造
は、重合体の熱力的特性などと密接な関係にあり、重合
体の立体構造制御に関し、種々の検討が行われている。
塩化ビニル系重合体は、加工性、物理特性、価格などに
おいてバランスに優れる材料であり、フィルム、シート
などの幅広い分野で用いられている。しかしながら、塩
化ビニル系重合体はポリエチレン、ポリプロピレンなど
に比べ、機械的強度が低く耐衝撃性を必要とする分野に
おいては、補強材などを添加したコンパウンドとして使
用することが一般的である。この機械的強度が低い原因
としては、一般的な塩化ビニル系重合体は、分子主鎖中
に分岐、頭−頭結合などの不規則構造が存在するためで
あり、この不規則構造の低減により結晶性に優れた新規
な塩化ビニル系重合体が合成できるものと期待される。
【0003】そして、重合体の立体構造を制御する方法
としては、重合反応時の重合温度を低下することによ
り、重合体中のシンジオタクチシティーが向上すること
が、すでに知られている。塩化ビニル系重合体において
も、特公昭34−2989号公報にはメタノール中で硝
酸ウラニルを用い重合を行う方法、特公昭35−758
8号公報には過酸化水素などによるレドックス重合法、
などの低温重合によるシンジオタクチシティーに富んだ
ポリ塩化ビニルの製造方法が提案されている。その他の
立体規則性の高い塩化ビニル系重合体を得る方法として
は、アルデヒド中での重合を行う方法〔P.H.Bur
leigh,J.Am.Chem.Soc.,82, 7
49 (1960)〕、尿素アダクト中での放射線重合
を行う方法〔桜田一郎、南部慶一、日化、80、307
(1959)〕などが報告されているがいずれの方法も
実用化には至っていない。
【0004】さらに、アルキルリチウム〔B.Wess
len,A.Wirsen,J.Polym.Sc
i.,Polym.Chem.Ed.,13,2571
(1975)、圓藤紀代司、齊藤真、Polymer
Preprints,Japan47(7)、1181
(1998)〕、または、メタロセン触媒〔特開平8−
208736号公報、圓藤紀代司、齊藤真、Polym
er Preprints,Japan 47(8),
1651(1998)〕を重合開始剤として用いた塩化
ビニル単量体の重合反応により得られる塩化ビニル重合
体が、通常のラジカル重合により得られる塩化ビニル重
合体よりシンジオタクチシティーが高く、その結果熱的
安定性に優れていることが報告されている。不純物や溶
媒の影響を受けにくい重合方法としては、ラジカル重合
法が知られており、実験室レベル、工業的にも広く採用
されている。しかしながら、ラジカル重合における立体
構造の制御は困難であり、これまで報告されているもの
は非常に少なく、例えばメタクリル酸エステルの重合反
応において、嵩高いエステル基を持つ単量体を合成し、
アイソタクチシティーに富んだ重合体を得る方法〔T.
Nakano,M.Makita,Y.Okamot
o,Polymer J.,30(8)、681(19
98)〕、ビニルエステルの重合をフッ素系アルコール
中で行う方法(特開平11−147913号公報)など
が提案されている。
【0005】しかしながら、特公昭34−2989号公
報、特公昭35−7588号公報において提案された方
法は、低温という特殊な条件下で重合反応を行うことが
必要となり、工業的に非常に不利である。また、アルキ
ルリチウム、メタロセン触媒を重合開始剤として用いた
重合反応では、重合反応系内における不純物、溶媒など
の影響を受けやすいうえに、高純度のビニル単量体、不
活性雰囲気が必要になるなど、操作が煩雑化し、経済的
にも不利である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、不純物や溶
媒の影響を受けにくい重合方法として知られているラジ
カル重合により、優れた物理的特性を有する高シンジオ
タクチック塩化ビニル系重合体の製造方法を提供するこ
とを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討の結果、ラジカル重合法によ
り塩化ビニル系重合体を製造する方法において、特定の
化合物存在下で重合反応を行うことにより、常温におい
ても高シンジオタクチック塩化ビニル系重合体が得られ
ることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわ
ち、本発明は、ルイス酸の存在下、ラジカル重合開始剤
により塩化ビニル系単量体の重合反応を行うことを特徴
とする高シンジオタクチック塩化ビニル系重合体の製造
方法に関するものである。ここで、ルイス酸は、下記一
般式(1)、(2)および(3)で示される群から選ば
れた少なくとも1種が好ましい。 LX1 2 ・・・・・(1) MY1 2 3 ・・・・・(2) NZ1 2 3 4 ・・・・・(3) (ただし、上記X1 ,X2 ,Y1 ,Y2 ,Y3 ,Z1
2 ,Z3 およびZ4 は、それぞれ独立してハロゲン原
子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていて
もよいアリール基、置換されていてもよいアルコキシ基
または置換されていてもよいアリーロキシ基であり、L
は周期表第2族または第12族に属する元素、Mは周期
表第13族に属する元素、Nは周期表第4族または第1
4族に属する元素を示す。) また、上記ルイス酸としては、チタン化合物が好まし
い。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に、本発明をより詳細に説明
する。本発明は、ルイス酸存在下、ラジカル重合開始剤
により塩化ビニル系単量体の重合反応を行い、高シンジ
オタクチック塩化ビニル系重合体を製造するものであ
る。本発明において用いるルイス酸としては、一般的に
ルイス酸として知られる化合物であれば特に制限はなく
用いることが可能であり、例えば下記一般式(1)、
(2)および(3)で示される群から選ばれた少なくと
も1種のルイス酸を挙げることができる。 LX1 2 ・・・・・(1) MY1 2 3 ・・・・・(2) NZ1 2 3 4 ・・・・・(3)
【0009】ここで、上記一般式(1)においては、X
1 ,X2 は、それぞれ独立してハロゲン原子、置換され
ていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリー
ル基、置換されていてもよいアルコキシ基または置換さ
れていてもよいアリーロキシ基であり、Lは周期表第2
族または第12族に属する元素を示す。ここで、X1
2 を示すハロゲン原子としては、例えば塩素、臭素、
フッ素などを挙げることができ、アルキル基としては、
例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロ
ピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基な
どを挙げることができ、アリール基としては、例えばフ
ェニル基、ナフチル基など、さらに芳香族環上に1個以
上の炭素数1〜5のアルキル基で置換されたフェニル
基、ナフチル基などを挙げることができ、アルコキシ基
としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポ
キシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブト
キシ基、t−ブトキシ基などを挙げることができ、アリ
ーロキシ基としては、例えばフェノキシ基、ナフトキシ
基など、さらに芳香環上に1個以上の炭素数1〜5のア
ルキル基で置換されたフェノキシ基、ナフトキシ基など
を挙げることができる。また、Lを示す周期表第2族ま
たは第12族に属する元素としては、例えばマグネシウ
ム、亜鉛などを挙げることができる上記一般式(1)で
示されるルイス酸の具体例としては、例えば塩化亜鉛、
臭化亜鉛などを挙げることができる。
【0010】上記一般式(2)においては、Y1
2 ,Y3 は、それぞれ独立してハロゲン原子、置換さ
れていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリ
ール基、置換されていてもよいアルコキシ基または置換
されていてもよいアリーロキシ基であり、Mは周期表第
13族に属する元素を示す。ここで、Y1 ,Y2 ,Y3
の具体例としては、上記X1 、X2 で挙げられたものと
同様のものを挙げることができる。また、Mを示す周期
表第13族に属する元素としては、例えばホウ素、アル
ミニウムなどを挙げることができる
【0011】上記一般式(2)で示されるルイス酸の具
体例としては、例えば臭化アルミニウム、フッ化アルミ
ニウム、塩化アルミニウム、トリエチルアルミニウム、
トリイソプロキシアルミニウム、メチルアルミニウムビ
ス(2,6- ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノ
キシド)、トリスペンタフルオロフェニルボレート、フ
ッ化ホウ素のエーテル錯体、塩化ホウ素、トリメチルボ
レート、トリイソプロポキシボレートなどを挙げること
ができる。
【0012】上記一般式(3)で示される化合物の
1 ,Z2 ,Z3 ,Z4 は、それぞれ独立してハロゲン
原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されてい
てもよいアリール基、置換されていてもよいアルコキシ
基または置換されていてもよいアリーロキシ基であり、
Mは周期表第4族または第14族に属する元素を示す。
ここで、Z1 ,Z2 ,Z3 ,Z4 の具体例としては、上
記X1 ,X2 で挙げられたものと同様のものを挙げるこ
とができる。また、Nを示す周期表第4族または第14
族に属する元素としては、例えばチタン、ジルコニウ
ム、ハフニウム、錫などを挙げることができる上記一般
式(3)で示されるルイス酸の具体例としては、例えば
四塩化スズ、四臭化チタン、四フッ化チタン、四塩化チ
タン、テトラブトキシチタンなどを挙げることができ
る。
【0013】そして、本発明においては、これらルイス
酸を2種以上の混合物として用いることも可能である。
本発明においては、特に立体規則性に優れる塩化ビニル
系重合体を効率よく製造できることから、四臭化チタ
ン、四フッ化チタン、四塩化チタン(TiCl4)、テ
トラブトキシチタンなどのチタン化合物のルイス酸を用
いることが特に好ましい。
【0014】本発明において用いられる塩化ビニル系単
量体としては、塩化ビニル単量体単独、または、塩化ビ
ニル単量体と塩化ビニル単量体と共重合が可能な他のビ
ニル系単量体との混合物を挙げることができる。塩化ビ
ニル系単量体との共重合が可能な他のビニル系単量体と
しては、例えばエチレン、プロピレン、ブテン、ペンテ
ン−1、ブタジエン、アクリロニトリル、塩化ビニリデ
ン、シアン化ビニリデン、N−ビニルピロリドン、ビニ
ルピリジンなどを挙げることができる。
【0015】本発明において用いられるラジカル重合開
始剤としては、一般的に知られているラジカル重合開始
剤を用いることが可能である。例えば、アゾビスイソブ
チロニトリル(AIBN)などのアゾ系開始剤、過酸化
ベンゾイルなどの過酸化物、トリブチルホウ素(n−B
3 B)などのアルキルホウ素に空気を少量加えたもの
などを挙げることができる。本発明においては、塩化ビ
ニル系単量体とルイス酸の使用割合は任意であり特に制
限はなく、その中でも特に効率よく高シンジオタクチッ
ク塩化ビニル系重合体を製造することが可能となること
から、塩化ビニル系単量体/ルイス酸=99/1〜50
/50(モル比)の範囲で用いることが好ましい。本発
明における製造方法としては、塊状重合法、懸濁重合
法、乳化重合法、溶液重合法などの一般的な重合反応を
行うことができる。そして、溶液重合を行う場合の溶媒
としては特に制限はなく、例えばアセトン、シクロヘキ
サンなどのケトン類;1,2−ジクロロエタン、2,
4,6−トリクロロペンタンなどのハロゲン系溶媒;
1,4−ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテ
ル類;トルエン、ベンゼンなどの芳香族系溶媒などを用
いることができ、その中でも特にテトラヒドロフラン、
トルエンを用いることが好ましい。
【0016】本発明を実施する際には、空気存在下で製
造を行うことも可能ではあるが、窒素、アルゴンなどの
不活性雰囲気下で重合反応を行うことが好ましい。そし
て、重合反応を行う際の条件としては、特に制限はなく
適宜選択して行うことができ、重合反応圧力としては、
常圧下または加圧下のどちらでもよい。また、重合反応
温度としては、特に制限はなく例えば−78℃〜50℃
程度の範囲で選択することができ、特に本発明において
は、反応温度のコントロールが容易であるが、従来の製
造方法においては立体規則性制御が困難とされていた−
20℃〜40℃、なかでも0〜20℃の範囲で重合反応
を行っても高シンジオタクチック塩化ビニル系重合体の
製造が可能となる。本発明により得られる高シンジオタ
クチック塩化ビニル系重合体は、例えばフィルム、シー
ト、塗料などの一般的な塩化ビニル系重合体の用途に用
いることができる。
【0017】
【実施例】以下に、本発明を実施例により詳細に説明す
るが、本発明はこれら実施例により限定されるものでは
ない。なお、以下の実施例における反応は、特に断りの
ない限り、乾燥窒素雰囲気下で行ったものである。
【0018】塩化ビニル系重合体の数平均分子量(M
n)の測定 実施例および比較例により得られた塩化ビニル系重合体
をゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー〔日本
分光(株)製〕にて、溶媒としてテトラヒドロフランを
用い、ポリスチレン換算値の数平均分子量(Mn)を測
定した。塩化ビニル系重合体のNMR測定 実施例および比較例により得られた塩化ビニル系重合体
を5重量%の重水素化ニトロベンゼン溶媒とし、100
MHzのNMR(商品名:Varian Gemini
2000 spectometer)を用い、NMR
測定を行い、三連子(rr/mr/mm)のrr割合
(積分比)(%)を下記式より求め、該rr割合を三連
子のシンジオタクチシティーの値として立体規則性を評
価した。 rr割合(%)=rrピーク/(rrピーク+mrピー
ク+mmピーク)×100
【0019】実施例1 ステンレス製反応容器に、窒素雰囲気下、室温で四塩化
チタン0.045ml(0.42mmol、0.14m
ol/L)、−78℃で塩化ビニル単量体2.6ml
(0.038mol、12.7mol/L)およびラジ
カル重合開始剤としてトリブチルホウ素(1mol/L
のTHF溶液)0.4ml(0.42mmol、0.1
4mol/L)を仕込み、40℃に調製した恒温槽に浸
し、その後、反応系に少量の空気を加え重合反応を開始
させた。反応時間が24時間経過した時点で、重合反応
系を−78℃に冷却しラジカル重合禁止剤であるヒドロ
キノンを添加することにより重合反応を停止させた。得
られた重合反応溶液を大量のメタノール中に投入するこ
とにより、塩化ビニル重合体を回収した。得られた塩化
ビニル重合体の評価結果を表1に示す。40℃の重合温
度で得られた塩化ビニル重合体の数平均分子量は5,5
00であり、rr割合は33%であった。
【0020】実施例2 ステンレス製反応容器に、窒素雰囲気下、室温で四塩化
チタン0.045ml(0.42mmol、0.14m
ol/L)、−78℃で塩化ビニル単量体2.6ml
(0.038mol、12.7mol/L)およびラジ
カル重合開始剤であるトリブチルホウ素(1mol/L
のTHF溶液)0.4ml(0.42mmol、0.1
4mol/L)を仕込み、30℃に調製した恒温槽に浸
し反応系に少量の空気を加え重合反応を開始させた。反
応時間が24時間経過した時点で、重合反応系を−78
℃に冷却しラジカル重合禁止剤であるヒドロキノンを添
加することにより重合を停止させた。得られた重合反応
溶液を大量のメタノール中に投入することにより、塩化
ビニル重合体を回収した。得られた塩化ビニル重合体の
評価結果を表1に示す。30℃の重合温度で得られた塩
化ビニル重合体の数平均分子量は6,300であり、r
r割合は34%であった。
【0021】実施例3 ステンレス製反応容器に、窒素雰囲気下、室温で四塩化
チタン0.045ml(0.42mmol、0.14m
ol/L)、−78℃で塩化ビニル単量体2.6ml
(0.038mol、12.7mol/L)およびラジ
カル重合開始剤であるトリブチルホウ素(1mol/L
のTHF溶液)0.4ml(0.42mmol、0.1
4mol/L)を仕込み、20℃に調製した恒温槽に浸
し反応系に少量の空気を加え重合反応を開始させた。反
応時間が24時間経過した時点で、重合反応系を−78
℃に冷却しラジカル重合禁止剤であるヒドロキノンを添
加することにより重合を停止させた。得られた重合反応
溶液を大量のメタノール中に投入することにより、塩化
ビニル重合体を回収した。得られた塩化ビニル重合体の
評価結果を表1に示す。20℃の重合温度で得られた塩
化ビニル重合体の数平均分子量は8,000であり、r
r割合は36%であった。図1に、得られた塩化ビニル
重合体の13C−NMRスペクトル測定の結果を示す。
【0022】実施例4 ガラス製反応容器に、窒素雰囲気下、室温でアゾビスイ
ゾブチロニトリル0.015g(0.089mmol、
0.03mol/L)、溶媒としてトルエン1.44m
lおよび四塩化チタン0.022ml(0.20mmo
l、0.08mol/L)、−78℃で塩化ビニル単量
体1.44ml(0.021mol、7.0mol/
L)を仕込み、20℃に調製した恒温槽に浸し光を照射
することにより重合反応を開始させた。反応時間が24
時間経過した時点で、光を遮断した後重合反応系を−7
8℃に冷却し重合を停止させた。得られた重合反応溶液
を大量のメタノール中に投入することにより、塩化ビニ
ル重合体を回収した。得られた塩化ビニル重合体の評価
結果を表1に示す。20℃の重合温度で得られた塩化ビ
ニル重合体の数平均分子量は14,300であり、rr
割合は36%であった。
【0023】実施例5 ステンレス製反応容器に、窒素雰囲気下、室温で四塩化
チタン0.908ml(8.4mmol、2.8mol
/L)、−78℃で塩化ビニル単量体2.6ml(0.
038mol、12.7mol/L)およびラジカル重
合開始剤であるトリブチルホウ素(1mol/LのTH
F溶液)0.4ml(0.42mmol、0.14mo
l/L)を仕込み、20℃に調製した恒温槽に浸し反応
系に少量の空気を加え重合反応を開始させた。反応時間
が24時間経過した時点で、重合反応系を−78℃に冷
却しラジカル重合禁止剤であるヒドロキノンを添加する
ことにより重合を停止させた。得られた重合反応溶液を
大量のメタノール中に投入することにより、塩化ビニル
重合体を回収した。得られた塩化ビニル重合体の評価結
果を表1に示す。20℃の重合温度で得られた塩化ビニ
ル重合体の数平均分子量は7,700であり、rr割合
は35%であった。
【0024】実施例6 ステンレス製反応容器に、窒素雰囲気下、室温で四塩化
チタン0.110ml(1.05mmol、0.35m
ol/L)および溶媒としてトルエン1.14ml、−
78℃で塩化ビニル単量体1.44ml(0.021m
ol、7.0mol/L)およびラジカル重合開始剤で
あるトリブチルホウ素(1mol/LのTHF溶液)
0.4ml(0.42mmol、0.14mol/L)
を仕込み、20℃に調製した恒温槽に浸し反応系に少量
の空気を加え重合反応を開始させた。反応時間が24時
間経過した時点で、重合反応系を−78℃に冷却しラジ
カル重合禁止剤であるヒドロキノンを添加することによ
り重合を停止させた。得られた重合反応溶液を大量のメ
タノール中に投入することにより、塩化ビニル重合体を
回収した。得られた塩化ビニル重合体の評価結果を表1
に示す。20℃の重合温度で得られた塩化ビニル重合体
の数平均分子量は5,300であり、rr割合は36%
であった。
【0025】実施例7 ガラス製反応容器に窒素雰囲気下、室温で四塩化チタン
0.045ml(0.42mmol、0.14mol/
L)、−78℃で塩化ビニル単量体2.6ml(0.0
38mol、12.7mol/L)およびラジカル重合
開始剤であるトリブチルホウ素(1mol/LのTHF
溶液)0.4ml(0.42mmol、0.14mol
/L)を仕込み、−20℃に調製した恒温槽に浸し反応
系に少量の空気を加え重合反応を開始させた。反応時間
が50時間経過した時点で、重合反応系を−78℃に冷
却しラジカル重合禁止剤であるヒドロキノンをを添加す
ることにより重合を停止させた。得られた重合反応溶液
を大量のメタノール中に投入することにより、塩化ビニ
ル重合体を回収した。得られた塩化ビニル重合体の評価
結果を表2に示す。−20℃の重合温度で得られた塩化
ビニル重合体の数平均分子量は13,700であり、r
r割合は36%であった。
【0026】実施例8 ガラス製反応容器に、窒素雰囲気下、室温で四塩化チタ
ン0.908ml(8.4mmol、2.8mol/
L)、−78℃で塩化ビニル単量体2.6ml(0.0
38mol、12.7mol/L)およびラジカル重合
開始剤であるトリブチルホウ素(1mol/LのTHF
溶液)0.4ml(0.42mmol、0.14mol
/L)を仕込み、−20℃に調製した恒温槽に浸し反応
系に少量の空気を加え重合反応を開始させた。反応時間
が50時間経過した時点で、重合反応系を−78℃に冷
却しラジカル重合禁止剤であるヒドロキノンを添加する
ことにより重合を停止させた。得られた重合反応溶液を
大量のメタノール中に投入することにより、塩化ビニル
重合体を回収した。得られた塩化ビニル重合体の評価結
果を表2に示す。−20℃の重合温度で得られた塩化ビ
ニル重合体の数平均分子量は7,600であり、rr割
合は36%であった。
【0027】比較例1 ステンレス製反応容器に、窒素雰囲気下、−78℃で塩
化ビニル単量体2.6ml(0.038mol、12.
7mol/L)およびラジカル重合開始剤であるトリブ
チルホウ素(1mol/LのTHF溶液)0.4ml
(0.42mmol、0.14mol/L)を仕込み、
40℃に調製した恒温槽に浸し反応系に少量の空気を加
え重合反応を開始させた。反応時間が24時間経過した
時点で、重合反応系を−78℃に冷却しラジカル重合禁
止剤であるヒドロキノンを添加することにより重合を停
止させた。得られた重合反応溶液を大量のメタノール中
に投入することにより、塩化ビニル重合体を回収した。
得られた塩化ビニル重合体の評価結果を表2に示す。4
0℃の重合温度で得られた塩化ビニル重合体の数平均分
子量は11,800であり、rr割合は31%であっ
た。同じ重合温度条件で行った実施例1と比較してその
rr割合は低いものであった。
【0028】比較例2 ステンレス製反応容器に、窒素雰囲気下、−78℃で塩
化ビニル単量体2.6ml(0.038mol、12.
7mol/L)およびラジカル重合開始剤であるトリブ
チルホウ素(1mol/LのTHF溶液)0.4ml
(0.42mmol、0.14mol/L)を仕込み、
30℃に調製した恒温槽に浸し反応系に少量の空気を加
え重合反応を開始させた。反応時間が24時間経過した
時点で、重合反応系を−78℃に冷却しラジカル重合禁
止剤であるヒドロキノンを添加することにより重合を停
止させた。得られた重合反応溶液を大量のメタノール中
に投入することにより、塩化ビニル重合体を回収した。
得られた塩化ビニル重合体の評価結果を表2に示す。3
0℃の重合温度で得られた塩化ビニル重合体の数平均分
子は13,600であり、rr割合は32%であった。
同じ重合温度条件で行った実施例2と比較して、そのr
r割合は低いものであった。
【0029】比較例3 ステンレス製反応容器に、窒素雰囲気下、−78℃で塩
化ビニル単量体2.6ml(0.038mol、12.
7mol/L)およびラジカル重合開始剤であるトリブ
チルホウ素(1mol/LのTHF溶液)0.4ml
(0.42mmol、0.14mol/L)を仕込み、
20℃に調製した恒温槽に浸し反応系に少量の空気を加
え重合反応を開始させた。反応時間が24時間経過した
時点で、重合反応系を−78℃に冷却しラジカル重合禁
止剤であるヒドロキノンを添加することにより重合を停
止させた。得られた重合反応溶液を大量のメタノール中
に投入することにより、塩化ビニル重合体を回収した。
得られた塩化ビニル重合体の評価結果を表2に示す。2
0℃の重合温度で得られた塩化ビニル重合体の数平均分
子量は24,700であり、rr割合は34%であっ
た。同じ重合温度条件で行った実施例3〜6のいずれと
も比較して、そのrr割合は低いものであった。図2に
は、得られた塩化ビニル重合体の13C−NMRスペクト
ル測定の結果を示す。
【0030】比較例4 ステンレス製反応容器に、窒素雰囲気下、室温で溶媒と
してトルエン1.14ml、−78℃で塩化ビニル単量
体1.44ml(0.021mol、7.0mol/
L)およびラジカル重合開始剤であるトリブチルホウ素
(1mol/LのTHF溶液)0.4ml(0.42m
mol、0.14mol/L)を仕込み、20℃に調製
した恒温槽に浸し反応系に少量の空気を加え重合反応を
開始させた。反応時間が24時間経過した時点で、重合
反応系を−78℃に冷却しラジカル重合禁止剤であるヒ
ドロキノンを添加することにより重合を停止させた。得
られた重合反応溶液を大量のメタノール中に投入するこ
とにより、ポリ塩化ビニルを回収した。得られた塩化ビ
ニル重合体の評価結果を表2に示す。20℃の重合温度
で得られた塩化ビニル重合体の数平均分子量は13,2
00であり、rr割合は34%であった。同じ重合温度
条件で行った実施例3〜6のいずれとも比較して、その
rr割合は低いものであった。
【0031】比較例5 ガラス製反応容器に窒素雰囲気下、−78℃で塩化ビニ
ル単量体2.6ml(0.038mol、12.7mo
l/L)およびラジカル重合開始剤であるトリブチルホ
ウ素(1mol/LのTHF溶液)0.4ml(0.4
2mmol、0.14mol/L)を仕込み、−20℃
に調製した恒温槽に浸し反応系に少量の空気を加え重合
反応を開始させた。反応時間が50時間経過した時点
で、重合反応系を−78℃に冷却しラジカル重合禁止剤
であるヒドロキノンを添加することにより重合を停止さ
せた。得られた重合反応溶液を大量のメタノール中に投
入することにより、塩化ビニル重合体を回収した。得ら
れた塩化ビニル重合体の評価結果を表2に示す。−20
℃の重合温度で得られた塩化ビニル重合体の数平均分子
量は19,000であり、rr割合は34%であった。
同じ重合温度条件で行った実施例7または8のいずれと
も比較して、そのrr割合は低いものであった。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】*;仕込み割合の濃度は、重合系内におけ
る化合物のモル濃度で表した。
【0035】
【発明の効果】本発明は、ラジカル重合法により、高シ
ンジオタクチック塩化ビニル系重合体の製造方法を提供
するものであり、その工業的価値は極めて高いものであ
る。また、本発明により得られる結晶性に優れた新規な
塩化ビニル系重合体は、耐衝撃性を必要とする分野にお
いても、補強材などを添加する必要がなく、好適に使用
でき、フィルム、シート、塗料などの用途に広く用いる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例3により得られた塩化ビニル重合体の13
C−NMRスペクトル測定によるメチン部分のスペクト
ルであり、低磁場側より3連子の立体規則性がrr、m
r、mmと帰属される。
【図2】比較例3により得られた塩化ビニル重合体の13
C−NMRスペクトル測定によるメチン部分のスペクト
ルであり、低磁場側より3連子の立体規則性がrr、m
r、mmと帰属される。
フロントページの続き (72)発明者 金坂 順一郎 三重県四日市市霞1−8 東ソー株式会社 四日市研究所内 (72)発明者 永田 直彦 京都府宇治市小桜23番地 ユニチカ株式会 社中央研究所内 (72)発明者 長柄 佳孝 京都府宇治市小桜23番地 ユニチカ株式会 社中央研究所内 (72)発明者 岡野 善道 兵庫県姫路市網干区新在家1239 ダイセル 化学工業株式会社革新技術センター内 (72)発明者 西村 政通 兵庫県姫路市網干区新在家1239 ダイセル 化学工業株式会社革新技術センター内 (72)発明者 寺田 和俊 茨城県つくば市御幸が丘41番地 株式会社 クラレつくば研究所内 (72)発明者 大竹 富明 茨城県つくば市御幸が丘41番地 株式会社 クラレつくば研究所内 Fターム(参考) 4J015 AA03 AA10 BA06 BA14 DA04

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ルイス酸の存在下、ラジカル重合開始剤
    により塩化ビニル系単量体の重合反応を行うことを特徴
    とする高シンジオタクチック塩化ビニル系重合体の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 ルイス酸が下記一般式(1)、(2)お
    よび(3)で示される群から選ばれた少なくとも1種で
    ある請求項1に記載の高シンジオタクチック塩化ビニル
    系重合体の製造方法。 LX1 2 ・・・・・(1) MY1 2 3 ・・・・・(2) NZ1 2 3 4 ・・・・・(3) (ただし、上記X1 ,X2 ,Y1 ,Y2 ,Y3 ,Z1
    2 ,Z3 およびZ4 は、それぞれ独立してハロゲン原
    子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていて
    もよいアリール基、置換されていてもよいアルコキシ基
    または置換されていてもよいアリーロキシ基であり、L
    は周期表第2族または第12族に属する元素、Mは周期
    表第13族に属する元素、Nは周期表第4族または第1
    4族に属する元素を示す。)
  3. 【請求項3】 ルイス酸がチタン化合物である請求項1
    または請求項2記載の高シンジオタクチック塩化ビニル
    系重合体の製造方法。
JP2000110091A 2000-04-12 2000-04-12 高シンジオタクチック塩化ビニル系重合体の製造方法 Withdrawn JP2001294606A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000110091A JP2001294606A (ja) 2000-04-12 2000-04-12 高シンジオタクチック塩化ビニル系重合体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000110091A JP2001294606A (ja) 2000-04-12 2000-04-12 高シンジオタクチック塩化ビニル系重合体の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001294606A true JP2001294606A (ja) 2001-10-23

Family

ID=18622672

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000110091A Withdrawn JP2001294606A (ja) 2000-04-12 2000-04-12 高シンジオタクチック塩化ビニル系重合体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001294606A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA1186435A (en) "living" polymers and process for their preparation
US6329480B1 (en) Preparation process of acrylic acid ester polymer
JP3293630B2 (ja) フルオロモノマー重合用のヨウ素含有連鎖移動剤
US20130090439A1 (en) Polymerization Of 2,3,3,3-Tetrafluoropropene And Polymers Formed From 2,3,3,3-Tetrafluoropropene
CN1244600C (zh) 热塑性含氢氟聚合物的制备方法
JP2001294606A (ja) 高シンジオタクチック塩化ビニル系重合体の製造方法
JP4742410B2 (ja) 塩化ビニル系重合体の製造方法
US7091293B2 (en) Stereoregular polar vinyl polymers and methods of making the same
JP4770010B2 (ja) 高シンジオタクチック塩化ビニル系重合体の製造方法
JP2007099881A (ja) 精密に重合の制御されたポリマーの効率的製造法
US3127380A (en) x xcoor
Nuyken et al. Poly (vinyl ether) s, Poly (vinyl ester) s, and Poly (vinyl halogenide) s
JPS63122712A (ja) 耐熱変形性ハロゲン化ビニリデン共重合体
JPS60170606A (ja) 含フツ素重合体の製造方法
JP2002256015A (ja) 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の製造方法
JPH06179721A (ja) フルオロアルキル基含有カチオン重合体及びその製造方法
US2615878A (en) Copolymers of vinylidene cyanide with 1,2-dihalo ethylenes
JP3697803B2 (ja) 熱安定性に優れる塩化ビニル重合体およびその製造方法
JPH0776207B2 (ja) 新規なフッ素含有ペルオキシジカーボネート
JPH11269215A (ja) スチレン系誘導体のリビングポリマー及びその製造方法
JPH05163315A (ja) ペルフルオロ−オキサ−アルキル基含有重合体及びその製造方法
JPH02269709A (ja) 塩化ビニル系共重合体の製造方法
CN1752118A (zh) 以甲基丙烯酸甲酯为主成分的聚合物
JPH059444B2 (ja)
JP2002256028A (ja) 塩化ビニル−オレフィン共重合体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20070703