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JP2001287439A - 耐候性、耐水性及び視認性に優れた記録媒体 - Google Patents

耐候性、耐水性及び視認性に優れた記録媒体

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Publication number
JP2001287439A
JP2001287439A JP2000105052A JP2000105052A JP2001287439A JP 2001287439 A JP2001287439 A JP 2001287439A JP 2000105052 A JP2000105052 A JP 2000105052A JP 2000105052 A JP2000105052 A JP 2000105052A JP 2001287439 A JP2001287439 A JP 2001287439A
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JP
Japan
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layer
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ink receiving
receiving layer
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Application number
JP2000105052A
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Inventor
Koji Mori
浩司 森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Otsuka Chemical Co Ltd
Original Assignee
Otsuka Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録後に得られる記録画像が極めて耐
候性、耐水性、視認性及び耐傷性に優れた記録媒体を提
供する。 【解決手段】 基材層の表面にインク受容層と表層と
しての保護層が積層され、更に該基材層の裏面に裏打ち
層を有する記録媒体において、基材層、インク受容層、
保護層及び裏打ち層の少なくともいずれか一層に式
(1)で表わされるベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤
を0.1〜50重量%含有することを特徴とする記録媒
体。 【化1】 〔式中R及びRは同一又は異なって、水素原子又は
炭素数1〜10のアルキル基を示す。n、n’は同一又
は異なって4〜8の数、m、m’は同一又は異なって0
〜20の数を示す。〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鮮明で光沢があ
り、且つ耐候性、耐水性、及び視認性に優れた画像が得
られる記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、インク等の
記録用の液体(記録液)の微小液滴を飛翔させて紙や樹
脂シートなどの記録媒体に画像や文字などを記録するも
のであり、作業時間の低減、多色化の容易性、且つ鮮明
な画像が得られる等の優位性よりパーソナルコンピュー
ター、複写機、ワードプロセッサー、FAX、プロッタ
ー等の様々な情報機器のプリンターとして急速に展開さ
れている。また、近年高性能のデジタルカメラ、デジタ
ルビデオ、スキャナー普及と相まって、これらから得ら
れた画像情報をインクジェット記録方式で出力する機会
が増大している。
【0003】他方、記録の高速化、高精細化、フルカラ
ー化など記録装置、記録方式が大きく発展する中で、記
録媒体にも、耐候性、耐水性、耐NOx性、耐傷性、視
認性等の高度な特性が要求されるようになってきた。こ
のような要求に対し従来から多種多様の記録媒体が提案
されてきた。例えば、特開昭61−61887号公報に
は、インク受容層に特定のポリアリルアミン誘導体を、
また特開平8−174990号公報には、反応型紫外線
吸収性単量体から誘導した紫外線吸収性カチオンポリマ
ーを含有させることにより、画像の耐水性、耐候性を向
上させる方法が記載されている。特開昭62−5618
4号公報、特開昭62−273890号公報、及び特開
昭62−280085号公報等には、インク受容層に種
々の紫外線吸収剤を含有する樹脂層を積層する方法、特
開平7−237348号公報及び特開平8−2090号
公報には、インク受容層の上に熱可塑性樹脂粒子を含む
層を積層し、記録後に表層を被膜化して画像の耐水性、
耐湿性、耐擦過性を向上させる方法が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、インク
受容層に特異的なカチオン性化合物を導入して画像の耐
候性及び耐水性を改善する方法はカチオン種が限られて
しまうため、逆に得られた画像の画質が大きく低下する
という問題があり、またインク受容層の上に保護層とし
て種々の紫外線吸収剤を含有する樹脂層を積層する方法
は、その紫外線吸収剤に由来するいくつかの問題を抱え
ている。例えば、有機系の紫外線吸収剤の多くは低分子
量であり、且つまた結晶性が高く樹脂との相容性が低い
ため、施工後に保護層表面からブリードアウトする虞が
ある。従って画像に長期耐候性を付与することができな
いだけでなく、画像表面が粉吹き状態になったり、表面
光沢が低下したりすることがある。また無機系の紫外線
吸収剤を用いた場合は、保護層のフェーズを低下して画
像の鮮明度を低下させるため大量に使用することができ
ない。
【0005】本発明の課題は、記録後に得られる記録画
像が極めて耐候性、耐水性、視認性及び耐傷性に優れた
記録媒体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は基材層の表面に
インク受容層と表層としての保護層が積層され、更に該
基材層の裏面に裏打ち層を有する記録媒体において、基
材層、インク受容層、保護層及び裏打ち層の少なくとも
いずれか一層に式(1)で表わされるベンゾトリアゾ−
ル系紫外線吸収剤を0.1〜50重量%含有することを
特徴とする記録媒体に係る。
【0007】
【化2】
【0008】〔式中R及びRは同一又は異なって、
水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を示す。n、
n’は同一又は異なって4〜8の数、m、m’は同一又
は異なって0〜20の数を示す。〕
【0009】本発明の記録媒体は、極めて優れた長期耐
候性、耐水性、視認性、耐傷性を有すると共に、複数の
シート状の記録媒体を表層と裏打ち層とが接触された状
態で重ね合せて、あるいはロール状として保管、搬送等
を行った場合でも、これらの層のブロッキングや裏打ち
層からのその構成成分の表層への転移(裏うつり現象)
を効果的に防止することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の記録媒体は、基材層の表
面にインク受容層と表層としての保護層が積層され、更
に該基材層の裏面に裏打ち層を有するものである。
【0011】本発明の記録媒体に用いる基材層は、透明
でも不透明でも良く、記録媒体に所望の形態維持性能を
付与できるものであれば良い。このような基材層として
は特に限定されるものではないが、具体的には上質紙、
中質紙、アート紙、ボンド紙、レジンコート紙、バライ
タ紙などの紙類、ポリエチレンテレフタレート、テレフ
タル酸−エチレングリコール−シクロヘキサンジメタノ
ール共重合体、ジアセテート、トリアセテート、ポリカ
ーボネート、ポリエチレン、ポリアクリレート、ポリ塩
化ビニル、ポリスチレン、ABS、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体など
のプラスチック材料及びそれらの複合材料からなるフィ
ルム、シート、板状物等を挙げることができる。また用
途によっては、金属、硝子、セラミック、木材等も適す
る。
【0012】これらの基材層は、磁気記録、光記録、バ
ーコード等の他の記録媒体を積層して使用することも出
来るし、接着層及び剥離層を積層して使用することも可
能である。基材層として紙を用いる場合、一般的に繊維
状物質からなる基紙の表面を硫酸バリウムを含む層でコ
ートし使用することが知られているが、銀塩写真に匹敵
するような画像を得るためには、表面のベック平滑度を
400秒以上、かつ白色度を87%以上に調整してなる
基材層を使用することがとりわけ好ましい。
【0013】ここで用いる硫酸バリウムとしては、その
平均粒径が0.4〜1.0μmが好ましく、0.4〜0.8
μmのものがより好ましい。硫酸バリウムを結着させる
ためのバインダーとしては、ゼラチンが好ましく、硫酸
バリウム100重量部に対して1〜20重量部、好まし
くは6〜12重量部の割合で用いることができる。硫酸
バリウムを含む層の基紙への塗工量は、インクの溶媒成
分に対する吸収性を更に好ましいものとし、また表面の
平滑性をより良好とするために、20〜40g/m
範囲が好ましい。また、硫酸バリウムを含む層のベック
平滑度の上限は、インクの溶媒成分に対する吸収性をよ
り好適なものとする上で、400〜600秒が好まし
く、450〜550秒がより好ましく、475〜525
秒が特に好ましい。
【0014】インク受容層としては特に制限はなく、様
々な形態のものとすることができるが、銀塩写真に匹敵
するような画像が求められる場合に好ましい例を挙げれ
ば、アルミナ水和物とバインダーである水溶性高分子物
質を含有するもの、吸水性及び/又は吸溶剤性樹脂より
選ばれる少なくとも一種と、無機粒子から選ばれる固形
部材の少なくとも一種を含有するものを例示できる。
【0015】アルミナ水和物としては、市販のもの、あ
るいはアルミニウムアルコキシド、アルミン酸ナトリウ
ムなどを公知の方法によって加水分解して製造されたも
のを用いることができる。その粒子形状は繊毛状または
針状、板状、紡錘状等に限定されず、また、配向性の有
無も問わないが、透明性、光沢性、染料定着性の高いも
ので、且つ被膜形成時にクラック等が入らず、塗工性の
良いものであればより好ましい。工業的に市販されてい
るものとしては、例えば、触媒化成工業社製の「カタロ
イドAS−2」、「カタロイドAS−3」、日産化学社
製「アルミナゾル−520」等が挙げられる。これらの
アルミナ水和物は、通常粒子径が1μm以下と細かいも
のであり、優れた分散性を有するものであるため、記録
媒体に非常に良好な平滑性、光沢性を保持させることが
できる。
【0016】アルミナ水和物を結着するために使用され
るバインダーとしては、水溶性高分子物質であれば特に
限定されるものではない。具体的には、例えば、ポリビ
ニルアルコールまたはその変性体、澱粉またはその変性
体、ゼラチンまたはその変性体、カゼインまたはその変
性体、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、ヒ
ドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル
セルロースなどのセルロース誘導体、SBRラテック
ス、NBRラテックス、メチルメタクリレート−ブタジ
エン共重合体などの共役ジエン系共重合体ラテックス、
メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体のケン化
物、(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸
との共重合体のケン化物、エチレン酢酸ビニル共重合体
のケン化物等の官能基変性重合体ラテックス、エチレン
酢酸ビニル共重合体及びその鹸化物などのビニル系共重
合体ラテックス、ポリビニルピロリドン、ポリビニルア
セトアミド、無水マレイン酸またはその共重合体、アク
リル酸エステル共重合体などが好ましい。これらのバイ
ンダーは単独あるいは複数種混合して用いることができ
る。
【0017】アルミナ水和物とバインダーの混合比は、
重量比で、1:1〜30:1の範囲で使用されることが
好ましく、5:1〜25:1の範囲で使用されることが
より好ましい。バインダーの量をこれらの範囲とするこ
とで、インク受容層の機械的強度を好ましいものとする
ことができ、ひび割れや粉落ちの発生の防止や、好適な
細孔容積の維持が可能となる。
【0018】アルミナ水和物を含む層を形成するための
塗工液には、アルミナ水和物及びバインダーに加え、必
要に応じて分散剤、増粘剤、pH調整剤、潤滑剤、流動
性変性剤、界面活性剤、消泡剤、耐水化剤、離型剤、蛍
光増白剤、酸化防止剤などを、本発明の効果を損なわな
い範囲内で添加することも可能である。アルミナ水和物
を含む層の塗工量としては、染料定着性をもたせ且つ必
要な平滑性を持たせる為にも乾燥固形分換算で30g/
以下が好ましく、20〜30g/mの範囲がより
好ましい。塗工乾燥方法は特に限定されないが、必要に
応じてアルミナ水和物及びバインダーを含む層を形成し
た後に焼成処理を施すことも可能である。かかる焼成処
理を施すことにより、バインダーの架橋強度が上がり、
インク受容層の機械的強度が向上し、また、アルミナ水
和物層の表面光沢が向上する。また、ポリビニルアミ
ン、ジメチルアミン−エピクロルヒドリン共重合物、ア
クリルアミド−ジアリルアミン共重合物、ジシアンジア
ミド−ホルムアルデヒド共重合物、ポリビニルアミン−
アクリロニトリル共重合物、ポリアクリルアミド重合
物、ジメチルアミノエチルアクリレート重合物、グリシ
ジルジメチルアミン重合物等のポリアミンやポリアミド
等の第四級アンモニウム塩等のカチオン性化合物を併用
し、インクの定着性を向上させることもできる。
【0019】さらに、上記のアルミナ水和物を含む層を
形成するための塗工液に、特開平7−76161号公報
で記載されているような、ホウ酸またはホウ酸塩などの
バインダーの架橋剤を含有させても、インク受容層の機
械的強度が向上するので好ましい。なお、本発明におけ
るインク受容層は、記録媒体に付与されたインクを主に
吸収する部分であり、上述したように基材層の表面に硫
酸バリウムを含む層などのインク吸収性の層が予め設け
られている場合、この基材層側の層もインク受容層の一
部として解釈することができる。
【0020】他方、吸水性及び/又は吸溶剤性樹脂より
選ばれる少なくとも一種と、無機粒子から選ばれる固形
部材の少なくとも一種を含有するものを本発明のインク
受容層として用いる場合に、用いられる無機粒子として
は特に限定されるものではなく、具体的にはシリカ、ク
レー、タルク、ケイソウ土、炭酸カルシウム、硫酸バリ
ウム、ケイ酸アルミニウム、合成ゼオライト、アルミ
ナ、酸化亜鉛、雲母等が挙げられる。中でもシリカ、ア
ルミナ、炭酸カルシウムが好ましく、さらに湿式法のゲ
ルタイプのシリカが最適である。
【0021】また、吸水性及び/又は吸溶剤性を有する
樹脂としては、前記固形部材を結着する機能と油性もし
くは水溶性インクを吸収する機能を有するもので有れば
特に限定されるものではないが、膨潤性を有するものが
望ましく、具体的には高松油脂(株)製の商品名NS−
120XK、NS−282LK、NS−141LX等が
挙げられる。これらの樹脂は、前記と同様の第四級アン
モニウム塩等のカチオン性化合物を併用し、インクの定
着性を向上させることもできる。
【0022】上記固形部材の使用量は、吸水性及び/又
は吸溶剤性を有する樹脂の合計量100重量部に対して
10〜300重量部の範囲とするのが好ましく、さらに
20〜150重量部の範囲で使用するのがより好まし
い。
【0023】表層としての保護層としては特に制限はな
く、様々な形態のものとすることができるが、好ましい
例としては、多孔質熱可塑性樹脂層であって樹脂粒子間
に保持される空隙により多孔質となっており、必要によ
り記録後に加圧及び/又は加熱により整膜処理するも
の、及び、あらかじめ剥離シートに施工された樹脂層を
転写することにより形成されるもの等を例示できる。
【0024】表層としての保護層として多孔質熱可塑性
樹脂層を用いる場合、該多孔質熱可塑性樹脂層は、記録
操作におけるインク付与時にはインクの透過性を有する
ことでその下に設けられたインク受容層へインクを通過
せる機能を有し、記録終了後に加熱により平滑な連続性
のあるフィルムに変化させることが可能なものである。
ここで多孔質熱可塑性樹脂層は、熱可塑性樹脂粒子を用
いて、各粒子間を、適度な多孔質性を維持できるように
結合して層形態を保持する構成を有している。
【0025】該多孔質熱可塑性樹脂層の構成成分として
用いることのできる熱可塑性樹脂粒子としては、各種の
熱可塑性樹脂材料からなるものを用いることができる。
熱可塑性樹脂粒子としては、例えば、塩化ビニル系、塩
化ビニリデン系、スチレン系、アクリル系、ウレタン
系、ポリエステル系、エチレン系、塩化ビニル−酢酸ビ
ニル系、塩化ビニル−酢酸ビニル−アクリル酸系、SB
R系、NBR系などのラテックス(ここで「ラテック
ス」とは分散媒中に樹脂粒子を分散させたものを意味
し、所謂ラテックスの他、エマルジョン、スラリー等を
含む。)に含まれる熱可塑性樹脂粒子としてのラテック
ス粒子を好適に用いることができ、必要に応じてラテッ
クスの固形分量を調整して用いることができる。これら
の粒子は、成膜性等を損なわない範囲内で単独あるいは
複数種混合して用いることもできる。熱可塑性樹脂粒子
の粒径としては、好ましくは0.1〜5.0μmの範囲で
あり、0.2μm〜0.8μmの範囲がより好ましい。
【0026】熱可塑性樹脂粒子を含む塗工液を調製する
には、熱可塑性樹脂粒子を適当な溶媒、例えば水性溶媒
中に分散させ、その固形分を10〜50重量%の範囲と
することが好ましいが、塗工方法に合わせて適宜調整す
ることが可能である。塗工量としては、表面光沢を付与
し、干渉色の発現を抑え、且つ保護膜として充分な機能
を有する程度の厚さを得る上で、乾燥層厚で通常2〜1
0μmになるように調整するのが好ましい。表層の形成
においては、各粒子間の空隙が保持された多孔質の層と
なるように、乾燥条件等を設定する。多孔質の状態で表
層を形成する方法としては、例えば、熱可塑性樹脂粒子
を含む塗工液をインク受容層上に塗工した後、熱可塑性
樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)以上であり、かつ最
低造膜温度以下の温度で熱処理して多孔質層を形成する
方法が利用できる。
【0027】表層には必要に応じて分散剤、増粘剤、p
H調整剤、潤滑剤、流動性変性剤、界面活性剤、消泡
剤、耐水化剤、離型剤、蛍光増白剤、酸化防止剤など
を、本発明の効果を損なわない範囲内で添加してもよ
い。
【0028】保護層として、あらかじめ剥離シートに施
工された樹脂層を転写することにより形成されるもの
は、例えばPETフィルム等の剥離シートに積層された
転写可能な樹脂層の形で用いられる。該樹脂層は、加熱
圧着ロール等により、基材層上に積層された画像が形成
されたインク受容層の表面に圧着した後、剥離シートを
剥離することにより形成される。該樹脂層はどの様な機
能を備えたものであっても良く、具体的には耐候性、耐
NOx性、耐水性、視認性、耐傷性、耐溶剤性、防汚
性、帯電防止性等が挙げられる。また、該樹脂層は、エ
ネルギー線や熱などによる硬化機能を有していても良
い。
【0029】該樹脂層は、インク受容層に転写可能なも
のであれば、特に限定されるものではないが、具体的に
は、塩化ビニル系、塩化ビニリデン系、スチレン系、ア
クリル系、ウレタン系、ポリエステル系、エチレン系、
塩化ビニル−酢酸ビニル系、塩化ビニル−酢酸ビニル−
アクリル酸系、SBR系、NBR系、メラミン系、アル
キド樹脂系、フッ素樹脂系、シリコン樹脂系、アクリル
シリコン系、ブチラール樹脂系等が挙げられ、これらの
1種以上を用いることができる。これらは裏打ち層その
他、本発明の記録媒体に用いられる材料(特に樹脂)と
熱収縮率がほぼ同等のものを用いるのが好ましい。ま
た、これらの樹脂は、転写フィルムとして単独で使用す
ることもできるし、より透明性の優れた熱可塑性接着剤
を積層して使用することもできる。熱可塑性接着剤は、
透明性、熱圧着性に優れていれば何ら限定されるもので
はないが、具体的には東和合成化学工業(株)製「アロ
ンメルト」、日信化学工業(株)製「日信ホットメル
ト」、「ビニブラン」等が挙げられる。
【0030】裏打ち層としては特に制限はなく、様々な
形態のものとすることができるが、好ましい具体例とし
ては、熱可塑性樹脂粒子が被膜化されたものを例示でき
る。かかる熱可塑性樹脂粒子としては、表層の保護層と
して用いることが可能な熱可塑性樹脂粒子をそのまま用
いることができる。その際、裏打ち層は加熱等によりあ
らかじめ被膜化を行うのが好ましい。裏打ち層の塗工時
に使用する熱可塑性樹脂粒子の量は、特に限定されるわ
けではないが、経済性及びカール防止性能を考慮に入れ
ると、例えば5〜15g/m程度となるように調整す
ることが好ましい。
【0031】裏打ち層には、必要に応じて分散剤、増粘
剤、pH調整剤、潤滑剤、流動性変性剤、界面活性剤、
消泡剤、耐水化剤、離型剤、蛍光増白剤、酸化防止剤な
どを、本発明の効果を損なわない範囲内で添加してもよ
い。更に、裏打ち層には筆記性、難燃性、強度付与、着
色等を目的として無機顔料を添加することもできる。そ
の添加量は、1〜30重量%程度が好ましい。無機顔料
としては、例えば、炭酸カルシウム、カオリン、タル
ク、クレー、硫酸バリウム、チタンホワイト、非晶質シ
リカ、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、擬ベー
マイト、アルミナ、炭酸マグネシウム、酸化チタン等が
挙げられ、これらの1種以上を用いることができる。
【0032】本発明の記録媒体のうち、保護層と裏打ち
層とがともに熱可塑性樹脂粒子を含む材料から形成され
るものは、多孔質熱可塑性樹脂層からなる保護層を被膜
化するための加熱処理を行う場合も、保護層が転写によ
って形成される樹脂層で形成され熱転写される場合も、
表層と裏打ち層との収縮率等に差が生じにくく、記録画
像のカールの発生が効果的に防止されるため好ましい。
【0033】本発明の記録媒体で使用される式(1)で
表されるベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(以下、
「紫外線吸収剤(1)」ということがある)は優れた紫
外線吸収能を有するだけでなく様々な優れた特性を有し
ている。例えば、紫外線吸収剤(1)は極めて反応性が
高い2個のヒドロキシアルキル基を有するため、必要あ
れば樹脂に化学結合で導入することが可能である。ま
た、紫外線吸収剤(1)のうち2個の長鎖ポリエステル
を分子内に有するものは様々な樹脂、特にここでは保護
層やインク受容層のバインダーに使用される樹脂との相
溶性に優れるという優れた特徴を有している。また、紫
外線吸収剤(1)は、極めて水に難溶であるため、画像
に高度な長期耐候性を与えるだけでなく、優れた耐水性
及び視認性を付与することが可能となる。また、紫外線
吸収剤(1)は高分子量であり、耐熱性や耐熱蒸散性に
優れるため、保護層を熱により被膜化したり熱転写する
際、熱による分解、蒸散することが極めて少ない。
【0034】本発明の記録媒体に使用される紫外線吸収
剤(1)の具体例としては、2,2’−メチレンビス
[6−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾ−ル−2−イ
ル)−4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール]、
2,2’−メチレンビス[6−(2H−1,2,3−ベン
ゾトリアゾール−2−イル)−4−(グリコロイルオキ
シエチル)フェノール]、2,2’−メチレンビス[6
−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)
−4−(3−ヒドロキシプロパノイルオキシエチル)フ
ェノール]、2,2’−メチレンビス[6−(2H−1,
2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(4−
ヒドロキシブタノイルオキシエチル)フェノール]、
2,2’−メチレンビス[6−(2H−1,2,3−ベン
ゾトリアゾール−2−イル)−4−(5−ヒドロキシヘ
プタノイルオキシエチル)フェノール]、2,2’−メ
チレンビス[6−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾー
ル−2−イル)−4−(6−ヒドロキシヘキサノイルオ
キシエチル)フェノール]、2,2’−メチレンビス
[6−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イ
ル)−4−(16−ヒドロキシ−4,11−ジオキソ−
3,10−ジオキサヘキサデシル)フェノール]、2,
2’−メチレンビス[6−(2H−1,2,3−ベンゾト
リアゾール−2−イル)−4−(24−ヒドロキシ−
4,11,18−トリオキソ−3,10,17−トリオキサ
トリコシル)フェノール]、2,2’−メチレンビス
[6−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イ
ル)−4−(31−ヒドロキシ−4,11,18,25−
テトラオキソ−3,10,17,24−テトラオキサヘキ
サデシル)フェノール]、2,2’−メチレンビス[6
−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)
−4−(37−ヒドロキシ−4,11,18,25,32−
ヘプタオキソ−3,10,24,31−ヘプタオキサヘプ
タトリアコンチル)フェノール]等が挙げられる。
【0035】紫外線吸収剤(1)は、本発明の記録媒体
のいずれの層に含有させて使用してもよい。即ち、表層
である保護層に含有させて保護層に耐候性を付与するこ
ともできるだけでなく、大量に含有させて紫外線を遮蔽
することも可能である。基材層に含有させて画像に高度
な長期耐候性、耐水性及び視認性を付与させることが出
来る。また紫外線吸収剤(1)をインク受容層に含有さ
せて直接画像に高度な長期耐候性、耐水性及び視認性を
付与することができる。さらには、紫外線吸収剤(1)
は、本発明の記録媒体の裏面に構成される裏打ち層に含
有させ、裏打ち層に長期耐候性を付与することもでき
る。もちろん、これらの複数に同時に配合してもよい。
これらの中でも、保護層、インク受容層及び裏打ち層の
少なくとも一層に紫外線吸収剤(1)を含有させるのが
好ましい。
【0036】紫外線吸収剤(1)を表層としての保護層
に含有させて使用する場合、その使用量は保護層の膜厚
に応じて適宜選択されるが、保護層の部材100重量部
に対して好ましくは0.1〜50重量部、より好ましく
は1〜20重量部の範囲で使用するのがよい。使用量が
0.1〜50重量部の場合、保護層の耐候性及び下層の
画像の耐候性が十分であり、また画像の視認性及び保護
層の機械的物性も良好である。
【0037】また、紫外線吸収剤(1)をインク受容層
に含有させる場合は、インク受容層に用いられるバイン
ダーと混合することにより含有させるのが好ましく、そ
の際の使用量としては、バインダー100重量部に対し
て0.1〜50重量部、好ましくは0.3〜10重量部、
より好ましくは1〜7重量部の範囲とするのがよい。紫
外線吸収剤の使用量が0.1〜50重量部の場合、画像
に十分な耐候性を付与することが容易で、また画像の解
像度も低下することがないので好ましい。
【0038】紫外線吸収剤(1)を本発明の記録媒体の
裏打ち層に含有させて使用する場合、裏打ち層の構成材
料100重量部に対して好ましくは0.1〜5重量部、
より好ましくは0.2〜3重量部の範囲で使用するのが
よい。紫外線吸収剤の使用量が0.1〜5重量部の場合
は、配合の効果が十分に発揮され、また経済的にも有利
である。紫外線吸収剤(1)は、単独で使用することも
できるし、また2種以上混合して使用することもでき
る。また本発明の効果を損なわない範囲で、一般的なベ
ンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、トリアジン
系、ベンゾエート系、及び桂皮酸系紫外線吸収剤、さら
にはヒンダードアミン等の光安定剤や硫黄系、リン系、
ヒンダードフェノール系の酸化防止剤と併用することも
できる。
【0039】本発明の記録媒体は、記録情報に応じてイ
ンク滴を表層を介してインク受容層に付与することによ
って画像を形成することができる。記録終了後に、表層
を加熱処理してこれを非多孔質の連続した透明なフィル
ム状の保護層に変化させるか、もしくはあらかじめ別の
基材層に積層させた樹脂層を熱転写して保護層を形成さ
せることにより、耐候性、耐水性、視認性、耐傷性、及
び耐NOx性が向上した画像を得ることができる。記録
媒体にインクを付与する方法としては、特に制限はない
が、高速印字、高精細印字を可能とする点で、インクジ
ェット方式が好ましい。またインクとしては、水系、溶
剤系等、特に限定されるものではなく、また色素として
は染料もしくは顔料のどちらでも使用可能である。
【0040】本発明の記録媒体の用途としては、特に限
定されず、具体的にはパーソナルコンピューター、複写
機、ワープロ、FAX、プロッター等の様々な情報機器
のプリンターの記録材用途、デジタルカメラ、デジタル
ビデオ、スキャナー、医療機器、分析機器、測定機器等
の画像情報の出力機の記録材用途、看板、バックライト
の看板、ポスター、マーキングフィルム、標識、標示板
等のディスプレー用途、衣料、絨毯、カーテン等の繊維
用途、建材の内外装用途、自動車部材用途、キャッシュ
カード、IDカード等カード類の絵柄用途、食品、化学
品、医薬品、その他あらゆる商品の容器、ラベル又は包
装材の絵柄用途、その他家具、スポーツ用品、レジャー
用品、玩具や文房具の絵柄用途などが挙げられる。
【0041】
【実施例】以下実施例を挙げ、本発明を具体的に詳細に
説明するが、これに限定されるものではない。
【0042】合成例1 冷却管、窒素導入管、温度計及び撹拌装置を備えた四口
フラスコに2,2’−メチレンビス[6−(2H−1,
2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(2−
ヒドロキシエチル)フェノール](「RUVA−10
0」、大塚化学(株)製)129.3g、ε−カプロラ
クトン[ダイセル化学工業(株)製]170.3g、モ
ノ−n−ブチルスズ脂肪酸塩[「SCAT−24」、三
共有機合成(株)製]50ppmを加えた。反応温度を
150℃に保ちながら6時間反応させると酸価(mgK
OH/g)1.8、粘度2645cp(60℃)、数平
均分子量1391、重量平均分子量1688、Mw/M
n=1.213の目的物である2,2’−メチレンビス
[6−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イ
ル)−4−(23−ヒドロキシ−4,11,18−トリオ
キソ−3,10,17−トリオキサトリコシル)フェノー
ル]が粘調オイルとして得られた(収率98%)。
【0043】合成例2 冷却管、窒素導入管、温度計及び撹拌装置を備えた四口
フラスコに2,2’−メチレンビス[6−(2H−1,
2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(2−
ヒドロキシエチル)フェノール][RUVA−10
0」、大塚化学(株)製]93.7g、ε−カプロラク
トン[ダイセル化学工業(株)製]206.3g、モノ
−n−ブチルスズ脂肪酸塩[「SCAT−24」、三共
有機合成(株)製]50ppmを加えた。反応温度を1
50℃に保ちながら6時間反応すると酸価(mgKOH
/g)2.5、粘度987cp(60℃)、数平均分子
量2017、重量平均分子量2465、Mw/Mn=
1.222の目的物である2,2’−メチレンビス[6−
(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−
4−(37−ヒドロキシ−4,11,18,25,32−ヘ
プタオキソ−3,10,24,31−ヘプタオキサヘプタ
トリアコンチル)フェノール]がワックス状固体として
得られた(収率98%)。
【0044】実施例1 米国特許第4242271号に記載された方法に従って
アルミニウムアルコキシドを合成し、これを加水分解す
ることによりアルミナコロイダルゾルを得た。このコロ
イダルゾルを脱塩処理した後、酢酸を添加して解膠処理
を行った。このコロイダルゾルを乾燥して得たアルミナ
水和物をX線回折により測定したところ、擬ベーマイト
であった。次に、このアルミナ水和物のコロイダルゾル
を濃縮して15重量%の溶液を得た。一方、ポリビニル
アルコール(PVA117、クラレ社製)をイオン交換
水に溶解して10重量%の溶液を得た。これらの2種の
溶液を、アルミナ水和物とポリビニルアルコールの固形
分が重量比で10:1になるように混合し、攪拌して分
散させた。得られたアルミナ水和物とポリビニルアルコ
ールとの溶液100重量部に対し、ポリビニルアルコー
ルの架橋剤としてホウ酸12重量部を添加して塗工液を
得た。基材層は、坪量150g/m、ステキヒトサイ
ズ度220秒、ベック平滑度360秒の木材パルプと填
剤とからなるロール状の原紙(幅30cm、長さ50
m)を用いた。このロール状の原紙の表面に、ダイコー
ターにより上記の分散液を乾燥塗工量30g/mとな
るように塗工し、乾燥させてインク受容層を形成させ
た。
【0045】次に、この基材層の裏面に、ラテックス
[日信化学工業社製、製品名:ビニブラン602、MF
T(最低造膜温度):130℃]の20重量部液中に合
成例1の紫外線吸収剤0.2重量部、シリカゲル(グレ
ース・デビゾン社製、製品名:サイロイドP−412)
1重量部を添加した塗工液をダイコーターによって乾燥
塗工量が10g/mとなるように塗布し、更に、14
0℃で加熱被膜化して裏打ち層を形成させた。更に、イ
ンク受容層の上に表層として、固形分15重量%の塩化
ビニル−酢酸ビニル−アクリル酸系ラテックス(平均粒
子径:0.6μm、0.12μm以下の粒子の割合が7.
5重量%、Tg:65℃、MFT:127℃)100重
量部に対して合成例1の紫外線吸収剤5重量部を分散さ
せた液をダイコーターで塗布し、更に、MFTより低い
65℃で乾燥して、約5μmの多孔質ラテックス層を形
成した。以上のようにして、インク受容層、裏打ち層、
表層の順に3段階の塗工を行い、記録媒体を調製した。
【0046】次に上記方法で得た記録媒体をジェットプ
リンタ[BJC610JW、キヤノン(株)社製]に搭
載して画像を形成した後、140℃でサンプルを熱処理
して、表層を透明被膜化して銀塩写真画質でカールのな
い平面性の良好な印字物を得た。インク組成は、以下の
通りである。 染料 3重量部 Y:C.I.ダイレクトイエロー86 M:C.I.アシッドレッド35 C:C.I.ダイレクトブルー199 BK:C.I.フードブラック2 グリセリン 7重量部 チオジグリコール 7重量部 水 83重量部
【0047】実施例2 実施例1と同様に、アルミナ水和物のコロイダルゾルの
15重量%の溶液とポリビニルアルコール(PVA11
7)10重量%の水溶液を、アルミナ水和物とポリビニ
ルアルコールの固形分が重量比で10:1になるように
混合し、攪拌して分散させた。得られたアルミナ水和物
とポリビニルアルコールとの溶液100重量部に対し、
ポリビニルアルコールの架橋剤としてホウ酸12重量部
を添加して塗工液を得た。基材層も実施例1と同様に、
坪量150g/m、ステキヒトサイズ度220秒、ベ
ック平滑度360秒の木材パルプと填剤とからなるロー
ル状の原紙(幅30cm、長さ50m)を用い、同じく
同様の方法でインク受容層を形成させた。次に、この基
材層の裏面に、ラテックス[ビニブラン602、MFT
(最低造膜温度):130℃]の20重量部液中に合成
例2の紫外線吸収剤0.2重量部、シリカゲル(サイロ
イドP−412)1重量部を添加した塗工液をダイコー
ターによって乾燥塗工量が10g/mとなるように塗
布し、更に、140℃で加熱被膜化して裏打ち層を形成
させた。
【0048】更に、インク受容層の上に表層として合成
例2の紫外線吸収剤5重量部を分散させた固形分15重
量%の実施例1で用いた塩化ビニル−酢酸ビニル−アク
リル酸系ラテックスをダイコーターで塗布し、更に、M
FTより低い65℃で乾燥して、約5μmの多孔質ラテ
ックス層を形成した。以上のようにして、インク受容
層、裏打ち層、表層の順に3段階の塗工を行い、記録媒
体を調製し、実施例1と同様の方法で銀塩写真画質でカ
ールのない平面性の良好な印字物を得た。
【0049】実施例3 実施例1と同様に、アルミナ水和物のコロイダルゾルの
15重量%の溶液、ポリビニルアルコール(PVA11
7)10重量%の水溶液、さらに合成例1の紫外線吸収
剤を、アルミナ水和物、ポリビニルアルコール、及び合
成例1の紫外線吸収剤の固形分が重量比で10:1:
0.2になるように混合し、攪拌して分散させた。得ら
れたアルミナ水和物、ポリビニルアルコール及び上記紫
外線吸収剤との溶液100重量部に対し、ポリビニルア
ルコールの架橋剤としてホウ酸12重量部を添加して塗
工液を得た。基材層も実施例1で用いたロール状の原紙
(幅30cm、長さ50m)を用い、同じく同様の方法
でインク受容層を形成させた。
【0050】次に、この基材層の裏面に、ラテックス
[ビニブラン602、MFT(最低造膜温度):130
℃]の20重量部液中に合成例1の紫外線吸収剤0.2
重量部、シリカゲル(サイロイドP−412)1重量部
を添加した塗工液をダイコーターによって乾燥塗工量が
10g/mとなるように塗布し、更に、140℃で加
熱被膜化して裏打ち層を形成させた。更に、インク受容
層の上に表層として固形分15重量%の実施例1で用い
た塩化ビニル−酢酸ビニル−アクリル酸系ラテックスを
ダイコーターで塗布し、更に、MFTより低い65℃で
乾燥して、約5μmの多孔質ラテックス層を形成した。
以上のようにして、インク受容層、裏打ち層、表層の順
に3段階の塗工を行い、記録媒体を調製し、実施例1と
同様の方法で銀塩写真画質でカールのない平面性の良好
な印字物を得た。
【0051】実施例4 実施例1と同様に、アルミナ水和物のコロイダルゾルの
15重量%の溶液とポリビニルアルコール(PVA11
7)10重量%の水溶液を、アルミナ水和物とポリビニ
ルアルコールの固形分が重量比で10:1になるように
混合し、攪拌して分散させた。得られたアルミナ水和物
とポリビニルアルコールとの溶液100重量部に対し、
ポリビニルアルコールの架橋剤としてホウ酸12重量部
を添加して塗工液を得た。基材層も実施例1で用いたロ
ール状の原紙(幅30cm、長さ50m)を用い、同じ
く同様の方法でインク受容層を形成させた。次に、この
基材層の裏面に、ラテックス[ビニブラン602、MF
T(最低造膜温度):130℃]の20重量部液中に微
粉砕した2,2’−メチレンビス[6−(2H−1,2,
3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(2−ヒド
ロキシエチル)フェノール][「RUVA−100」、
大塚化学(株)製]0.2重量部、シリカゲル(サイロ
イドP−412)1重量部を添加した塗工液をダイコー
ターによって乾燥塗工量が10g/mとなるように塗
布し、更に、140℃で加熱被膜化して裏打ち層を形成
させた。
【0052】更に、インク受容層の上に表層として微粉
砕した2,2’−メチレンビス[6−(2H−1,2,3
−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(2−ヒドロ
キシエチル)フェノール](「RUVA−100」)5
重量部を分散させた固形分15重量%の実施例1で用い
た塩化ビニル−酢酸ビニル−アクリル酸系ラテックスを
ダイコーターで塗布し、更に、MFTより低い65℃で
乾燥して、約5μmの多孔質ラテックス層を形成した。
以上のようにして、インク受容層、裏打ち層、表層の順
に3段階の塗工を行い、記録媒体を調製し、実施例1と
同様の方法で銀塩写真画質でカールのない平面性の良好
な印字物を得た。
【0053】実施例5 膨潤性ポリエステル樹脂[「NS141LX」、高松樹
脂(株)製]、ジルコニウム系硬化剤[「ジルコゾール
ZC−2」、第一希元素化学工業(株)製)、及びシリ
カ[「ミズカシルP705」、水澤化学(株)製]が固
形分重量比で100:2:40となるように含水メタノ
ール(60重量%)に溶解、分散し、固形分20重量%
の塗工液を得た。実施例1で使用したロール状の原紙
(幅30cm、長さ50m)に、乾燥塗工量30g/m
となるように塗工し、120℃で乾燥させてインク受
容層を形成させた。次に、この基材層の裏面に、ラテッ
クス[ビニブラン602、MFT(最低造膜温度):1
30℃]の20重量部液中に合成例1の紫外線吸収剤
0.2重量部、シリカゲル(サイロイドP−412)1
重量部を添加した塗工液をダイコーターによって乾燥塗
工量が10g/mとなるように塗布し、更に、140
℃で加熱被膜化して裏打ち層を形成させ、記録媒体を調
製した。
【0054】また、画像形成ののち受容層上に熱転写す
る保護層は以下のようにして調製した。剥離シートであ
る厚さ50μmのPETフィルム[「テトロンS」、帝
人(株)製]上に、合成例1の紫外線吸収剤を固形分重
量比で10重量%含有させたアクリル系樹脂の固形分含
量40重量%トルエン溶液[「ダイヤナールLR−21
6」、三菱レーヨン(株)製]をバーコーターを用いて
乾燥後の厚さが5μmになるように塗布し、熱風乾燥に
より120℃で5分間乾燥した。次に上記樹脂層の上に
熱可塑性接着剤(「ビニブラン240」、日信化学工業
(株)製)を同じくバーコーダーを用いて乾燥後の厚さ
が10μmになるように塗布して120℃で乾燥し接着
層を形成した。上記方法で得た記録媒体は、実施例1と
同様の方法で画像を形成させた。次にラミネート機を用
いて保護層を基材層であるPETフィルムごと、画像を
形成した記録媒体にラミネートしたのち、基材層フィル
ムのみを剥離すると銀塩写真画質でカールのない平面性
の良好な印字物を得た。ラミネートの条件は、線圧15
kg/cm、温度140℃、速度1m/minである。
【0055】実施例6 実施例1と同様に、アルミナ水和物のコロイダルゾルの
15重量%の溶液とポリビニルアルコール(PVA11
7)10重量%の水溶液を、アルミナ水和物とポリビニ
ルアルコールの固形分が重量比で10:1になるように
混合し、攪拌して分散させた。得られたアルミナ水和物
とポリビニルアルコールとの溶液100重量部に対し、
ポリビニルアルコールの架橋剤としてホウ酸12重量部
を添加して塗工液を得た。基材も実施例1と同様のロー
ル状の原紙(幅30cm、長さ50m)を用い、同じく
同様の方法でインク受容層を形成させた。
【0056】次に、この基材の裏面に、ラテックス[ビ
ニブラン602、MFT(最低造膜温度)130℃]の
20重量部液中に、シリカゲル(サイロイドP−41
2)1重量部を添加した塗工液をダイコーターによって
乾燥塗工量が10g/mとなるように塗布し、更に、
140℃で加熱皮膜化して裏打ち層を形成させた。更
に、インク受容層の上に表層として合成例1の紫外線吸
収剤5重量部を分散させた固形分15重量%の実施例1
で用いた塩化ビニル−酢酸ビニル-アクリル酸系ラテッ
クスをダイコーターで塗布し、更に、MFTより低い6
5℃で乾燥して、約5μmの多孔質ラテックス層を形成
した。以上のようにして、インク受容層、裏打ち層、表
層の順に3段階の塗工を行い、記録媒体を調製し、実施
例1と同様の方法で銀塩写真画質でカールのない平面性
の良好な印字物を得た。
【0057】比較例1 実施例1と同様に、アルミナ水和物のコロイダルゾルの
15重量%の溶液、ポリビニルアルコール(PVA11
7)10重量%の水溶液、さらに微粉砕した市販の紫外
線吸収剤[「チヌビン326」、チバ・スペシャルティ
ー・ケミカルズ(株)製]を、アルミナ水和物、ポリビ
ニルアルコール、及び上記紫外線吸収剤の固形分が重量
比で10:1:0.2になるように混合し、攪拌して分
散させた。得られたアルミナ水和物、ポリビニルアルコ
ール及び上記紫外線吸収剤との溶液100重量部に対
し、ポリビニルアルコールの架橋剤としてホウ酸12重
量部を添加して塗工液を得た。
【0058】基材層も実施例1で使用したロール状の原
紙(幅30cm、長さ50m)を用い、同じく同様の方
法でインク受容層を形成させた。次に、この基材層の裏
面に、ラテックス[ビニブラン602、MFT(最低造
膜温度):130℃]の20重量部液中に市販の紫外線
吸収剤(チヌビン326)0.2重量部、シリカゲル
(サイロイドP−412)1重量部を添加した塗工液を
ダイコーターによって乾燥塗工量が10g/mとなる
ように塗布し、更に、140℃で加熱被膜化して裏打ち
層を形成させた。以上のようにして、インク受容層、裏
打ち層の順に2段階の塗工を行い、記録媒体を調製し、
実施例1と同様の方法で印字物を得た。
【0059】比較例2 実施例1と同様に、アルミナ水和物のコロイダルゾルの
15重量%の溶液とポリビニルアルコール(PVA11
7)10重量%の水溶液を、アルミナ水和物とポリビニ
ルアルコールの固形分が重量比で10:1になるように
混合し、攪拌して分散させた。得られたアルミナ水和物
とポリビニルアルコールとの溶液100重量部に対し、
ポリビニルアルコールの架橋剤としてホウ酸12重量部
を添加して塗工液を得た。基材層も実施例1で使用した
ロール状の原紙(幅30cm、長さ50m)を用い、同
じく同様の方法でインク受容層を形成させた。
【0060】次に、この基材層の裏面に、ラテックス
[ビニブラン602、MFT(最低造膜温度):130
℃]の20重量部液中に市販の紫外線吸収剤(チヌビン
213)0.2重量部、シリカゲル(サイロイドP−4
12)1重量部を添加した塗工液をダイコーターによっ
て乾燥塗工量が10g/mとなるように塗布し、更
に、140℃で加熱被膜化して裏打ち層を形成させた。
更に、インク受容層の上に表層として市販の紫外線吸収
剤(チヌビン213)5重量部を分散させた固形分15
重量%の実施例1で用いた塩化ビニル−酢酸ビニル−ア
クリル酸系ラテックスをダイコーターで塗布し、更に、
MFTより低い65℃で乾燥して、約5μmの多孔質ラ
テックス層を形成した。以上のようにして、インク受容
層、裏打ち層、表層の順に3段階の塗工を行い、記録媒
体を調製し、実施例1と同様の方法で写真画質の印字物
を得た。
【0061】試験例1 実施例1〜6と比較例1〜2の印字物をキセノンウェザ
オメーター(CI3000、ATLAS社製)を用いて
温度63℃、湿度70%の条件で200時間耐候促進試
験にかけた後、色彩計[商品名CR−300、ミノルタ
(株)製]により促進試験前後の色差を測定して耐候性
の評価を行った(L*値、a*値、b*値、ΔE*
値)。表1〜2には、各値の(30時間耐促進試験後の
値)−(初期値)を示しており、その値が小さい程、変
色が小さい(耐候性が高い)と評価できる。さらに耐候
性試験前後の視認性の変化についても目視で評価した。
結果を表1〜2に示した。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】表1の本発明の実施例1〜6のものは、表
2の比較例1〜2と比較すると、紫外線による変色が非
常に少ない、耐候性に優れた記録媒体である。
【0065】試験例2 実施例1〜6と比較例1〜2の印字物を25℃の水中で
約15分間放置したのち、布を用いて水分を良く拭き取
り、さらに風乾させた。次にマクベス反射濃度計(RD
−918)を用いて試験前後の反射濃度を測定し、反射
濃度の残存率により記録媒体の耐水性を評価した。この
値が100%に近いほど、耐水性が優れていると評価で
きる。さらに耐水性試験前後の視認性の変化についても
目視で評価した。結果を表3に示した。 反射濃度残存率(%)=100×試験後の反射濃度/反
射前の残存率
【0066】
【表3】
【0067】表3の本発明の実施例1〜6のものは、比
較例1〜2と比較すると、水分による退色が極めて少な
い、耐水性に優れた記録媒体である。
【0068】試験例3 実施例1〜6と比較例1〜2の印字物を800gの重り
を載せてこすり、目視により耐傷性を評価した。傷のつ
かないものを○、若干傷のつくものを△、傷のつくもの
を×とした。結果を表4に示した。
【0069】
【表4】
【0070】表4の本発明の実施例1〜6のものは、比
較例1〜2と比較すると、表面の傷つきが極めて少な
い、耐傷性に優れた記録媒体である。
【0071】
【発明の効果】本発明の記録媒体は、基材層の表面にイ
ンク受容層と表層としての保護層が積層され、更に該基
材層の裏面に裏打ち層を有するものであって、その各層
の少なくとも1層に特定の紫外線吸収剤(1)を含有さ
せることにより、極めて優れた長期耐候性、耐水性、視
認性、耐傷性を有すると共に、複数のシート状の記録媒
体を表層と裏打ち層とが接触された状態で重ね合せて、
あるいはロール状として保管、搬送等を行った場合で
も、これらの層のブロッキングや裏打ち層からのその構
成成分の表層への転移(裏うつり現象)を効果的に防止
することができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材層の表面にインク受容層と表層とし
    ての保護層が積層され、更に該基材層の裏面に裏打ち層
    を有する記録媒体において、基材層、インク受容層、保
    護層及び裏打ち層の少なくともいずれか一層に式(1)
    で表わされるベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を0.
    1〜50重量%含有することを特徴とする記録媒体。 【化1】 〔式中R及びRは同一又は異なって、水素原子又は
    炭素数1〜10のアルキル基を示す。n、n’は同一又
    は異なって4〜8の数、m、m’は同一又は異なって0
    〜20の数を示す。〕
  2. 【請求項2】 インク受容層、保護層及び裏打ち層の少
    なくともいずれか一層に、式(1)で表されるベンゾト
    リアゾール系紫外線吸収剤を0.1〜50重量%含有す
    る請求項1に記載の記録媒体。
  3. 【請求項3】 保護層と裏打ち層が多孔質熱可塑性樹脂
    層であり、且つ該多孔質熱可塑性樹脂層は熱可塑性樹脂
    粒子間に保持された空隙を有することで多孔質となって
    おり、また該裏打ち層のみが加圧及び/又は加熱により
    整膜処理を施されていることを特徴とする請求項1に記
    載の記録媒体。
  4. 【請求項4】 インク受容層がアルミナ水和物とバイン
    ダーである水溶性高分子物質を含有することを特徴とす
    る請求項1〜3に記載の記録媒体。
  5. 【請求項5】 インク受容層が、吸水性及び/又は吸溶
    剤性樹脂より選ばれる少なくとも一種と、無機粒子から
    選ばれる固形部材の少なくとも一種を含有することを特
    徴とする請求項1〜4に記載の記録媒体。
  6. 【請求項6】 保護層があらかじめ剥離シートに施工さ
    れた樹脂層を転写することにより形成されたものである
    請求項1〜5に記載の記録媒体。
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