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JP2001275350A - スイッチング電源回路 - Google Patents

スイッチング電源回路

Info

Publication number
JP2001275350A
JP2001275350A JP2000088538A JP2000088538A JP2001275350A JP 2001275350 A JP2001275350 A JP 2001275350A JP 2000088538 A JP2000088538 A JP 2000088538A JP 2000088538 A JP2000088538 A JP 2000088538A JP 2001275350 A JP2001275350 A JP 2001275350A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
switching
voltage
circuit
switching element
primary
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000088538A
Other languages
English (en)
Inventor
Masayuki Yasumura
昌之 安村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP2000088538A priority Critical patent/JP2001275350A/ja
Publication of JP2001275350A publication Critical patent/JP2001275350A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電力変換効率の向上、及び回路の小型軽量化 【解決手段】 一次側に電圧共振形コンバータを備え、
二次側には並列共振回路又は直列共振回路を備える複合
共振形スイッチングコンバータの構成に対して、その一
次側にアクティブクランプ回路を設けることで一次側並
列共振コンデンサの両端に生じる並列共振電圧パルスを
クランプし、そのレベルを抑制する。また、二次側に対
してもアクティブクランプ回路を設けることで、二次巻
線に得られる電圧を抑制する。これによって、電源回路
に備えられるスイッチング素子、及び共振コンデンサ等
の各素子の耐圧について低耐圧品を選定することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種電子機器に電
源として備えられるスイッチング電源回路に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】スイッチング電源回路として、例えばフ
ライバックコンバータやフォワードコンバータなどの形
式のスイッチングコンバータを採用したものが広く知ら
れている。これらのスイッチングコンバータはスイッチ
ング動作波形が矩形波状であることから、スイッチング
ノイズの抑制には限界がある。また、その動作特性上、
電力変換効率の向上にも限界があることがわかってい
る。そこで、先に本出願人により、各種共振形コンバー
タによるスイッチング電源回路が各種提案されている。
共振形コンバータは容易に高電力変換効率が得られると
共に、スイッチング動作波形が正弦波状となることで低
ノイズが実現される。また、比較的少数の部品点数によ
り構成することができるというメリットも有している。
【0003】図10の回路図は、先に本出願人が提案し
た発明に基づいて構成することのできる、先行技術とし
てのスイッチング電源回路の一例を示している。この図
に示す電源回路においては、先ず、商用交流電源(交流
入力電圧VAC)を入力して直流入力電圧を得るための整
流平滑回路として、ブリッジ整流回路Di及び平滑コン
デンサCiからなる全波整流回路が備えられ、交流入力
電圧VACの1倍のレベルに対応する整流平滑電圧Eiを
生成するようにされる。
【0004】上記整流平滑電圧Ei(直流入力電圧)を
入力して断続するスイッチングコンバータとしては、1
石のスイッチング素子Q1を備えて、いわゆるシングル
エンド方式によるスイッチング動作を行う電圧共振形コ
ンバータが備えられる。ここでの電圧共振形コンバータ
は他励式の構成を採っており、スイッチング素子Q1に
は例えばMOS−FETが使用される。スイッチング素
子Q1のドレインは、絶縁コンバータトランスPITの
一次巻線N1を介して平滑コンデンサCiの正極と接続
され、ソースは一次側アースに接続される。
【0005】また、スイッチング素子Q1のドレイン−
ソース間に対しては、並列共振コンデンサCrが並列に
接続される。この並列共振コンデンサCrのキャパシタ
ンスと、絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1
に得られるリーケージインダクタンスとによって一次側
並列共振回路を形成するものとされている。そして、ス
イッチング素子Q1のスイッチング動作に応じて、この
並列共振回路による共振動作が得られるようにされるこ
とで、スイッチング素子Q1のスイッチング動作として
は電圧共振形となる。
【0006】また、スイッチング素子Q1のドレイン−
ソース間に対しては、いわゆるボディダイオードによる
クランプダイオードDDが並列に接続されていること
で、スイッチング素子がオフとなる期間に流れるクラン
プ電流の経路を形成する。さらにこの場合は、スイッチ
ング素子Q1のドレインが、次に説明するスイッチング
駆動部10B内の発振回路41に対して接続されてい
る。この発振回路41に対して入力されるドレインの出
力は、後述するようにしてスイッチング周波数制御時に
おけるスイッチングのオン期間を可変制御するために利
用される。
【0007】上記スイッチング素子Q1は、発振回路4
1及びドライブ回路42を統合的に備えるスイッチング
駆動部10Bによって、そのスイッチング駆動されると
共に、定電圧制御のためにスイッチング周波数が可変制
御される。なお、この場合のスイッチング駆動部10B
は、例えば1つの集積回路(IC)として備えられる。
また、このスイッチング駆動部10Bは、起動抵抗Rs
を介して整流平滑電圧Eiのラインと接続されており、
例えば電源起動時において、上記起動抵抗Rsを介して
電源電圧が印加されることで起動するようにされてい
る。
【0008】スイッチング駆動部10B内の発振回路4
1では、発振動作を行って発振信号を生成して出力す
る。そして、ドライブ回路42においてはこの発振信号
をドライブ電圧に変換してスイッチング素子Q1のゲー
トに対して出力する。これにより、スイッチング素子Q
1は、発振回路41にて生成される発振信号に基づいた
スイッチング動作を行うようにされる。従って、スイッ
チング素子Q1のスイッチング周波数、及び1スイッチ
ング周期内のオン/オフ期間のデューティは、発振回路
41にて生成される発振信号に依存して決定される。
【0009】ここで、上記発振回路41では、後述する
ようにしてフォトカプラ2を介して入力される二次側直
流出力電圧EOのレベルに基づいて発振信号周波数(ス
イッチング周波数fs)を可変する動作を行うようにさ
れている。また、このスイッチング周波数fsを可変す
ると同時に、スイッチング素子Q1がオフとなる期間TO
FFは一定とした上で、スイッチング素子Q1がオンとな
る期間TON(導通角)が可変されるように、発振信号波
形の制御を行うようにされている。この期間TON(導通
角)の可変制御は、並列共振コンデンサCrの両端に得
られる並列共振電圧V1のピーク値に基づいて行うよう
にされる。このような発振回路41の動作により、後述
するようにして二次側直流出力電圧EOについての安定
化が図られる。
【0010】絶縁コンバータトランスPITは、スイッ
チング素子Q1のスイッチング出力を二次側に伝送する 絶縁コンバータトランスPITは、図12に示すよう
に、例えばフェライト材によるE型コアCR1、CR2
を互いの磁脚が対向するように組み合わせたEE型コア
が備えられ、このEE型コアの中央磁脚に対して、分割
ボビンBを利用して一次巻線N1と、二次巻線N2をそれ
ぞれ分割した状態で巻装している。そして、中央磁脚に
対しては図のようにギャップGを形成するようにしてい
る。これによって、所要の結合係数による疎結合が得ら
れるようにしている。ギャップGは、E型コアCR1,
CR2の中央磁脚を、2本の外磁脚よりも短くすること
で形成することが出来る。また、結合係数kとしては、
例えばk≒0.85という疎結合の状態を得るようにし
ており、その分、飽和状態が得られにくいようにしてい
る。
【0011】上記絶縁コンバータトランスPITの一次
巻線N1の巻終わり端部は、図10に示すようにスイッ
チング素子Q1のドレインと接続され、巻始め端部は平
滑コンデンサCiの正極(整流平滑電圧Ei)と接続さ
れている。従って、一次巻線N1に対しては、スイッチ
ング素子Q1のスイッチング出力が供給されることで、
スイッチング周波数に対応する周期の交番電圧が発生す
る。
【0012】絶縁コンバータトランスPITの二次側で
は、一次巻線N1により誘起された交番電圧が二次巻線
N2に発生する。この場合、二次巻線N2に対しては、二
次側並列共振コンデンサC2が並列に接続されること
で、二次巻線N2のリーケージインダクタンスL2と二次
側並列共振コンデンサC2のキャパシタンスとによって
並列共振回路が形成される。この並列共振回路により、
二次巻線N2に誘起される交番電圧は共振電圧となる。
つまり二次側において電圧共振動作が得られる。
【0013】即ち、この電源回路では、一次側にはスイ
ッチング動作を電圧共振形とするための並列共振回路が
備えられ、二次側には電圧共振動作を得るための並列共
振回路が備えられる。なお、本明細書では、このように
一次側及び二次側に対して共振回路が備えられて動作す
る構成のスイッチングコンバータについては、「複合共
振形スイッチングコンバータ」ともいうことにする。
【0014】上記ようにして形成される電源回路の二次
側に対しては、ブリッジ整流回路DBR及び平滑コンデン
サCOから成る整流平滑回路を備えることで二次側直流
出力電圧EOを得るようにしている。つまり、この構成
では二次側においてブリッジ整流回路DBRによって全波
整流動作を得ている。この場合、ブリッジ整流回路DBR
は二次側並列共振回路から供給される共振電圧を入力す
ることで、二次巻線N2に誘起される交番電圧とほぼ等
倍レベルに対応する二次側直流出力電圧EOを生成す
る。また、二次側直流出力電圧EOは、フォトカプラ4
0を介することで一次側と二次側を直流的に絶縁した状
態で、一次側のスイッチング駆動部10B内の発振回路
41に対して入力されるようにもなっている。
【0015】ところで、絶縁コンバータトランスPIT
の二次側の動作としては、一次巻線N1、二次巻線N2の
極性(巻方向)と整流ダイオードDO(DO1,DO2)の
接続関係と、二次巻線N2に励起される交番電圧の極性
変化によって、一次巻線N1のインダクタンスL1と二次
巻線N2のインダクタンスL2との相互インダクタンスM
について、+Mとなる場合と−Mとなる場合とがある。
例えば、図13(a)に示す回路と等価となる場合に相
互インダクタンスは+Mとなり、図13(b)に示す回
路と等価となる場合に相互インダクタンスは−Mとな
る。これを、図10に示す二次側の動作に対応させてみ
ると、二次巻線N2に得られる交番電圧が正極性のとき
にブリッジ整流回路DBRに整流電流が流れる動作は+M
の動作モード(フォワード動作)と見ることができ、ま
た逆に二次巻線N2に得られる交番電圧が負極性のとき
にブリッジ整流ダイオードDBRに整流電流が流れる動作
は−Mの動作モード(フライバック動作)であると見る
ことができる。二次巻線N2に得られる交番電圧が正/
負となるごとに、相互インダクタンスが+M/−Mのモ
ードで動作することになる。
【0016】このような構成では、一次側並列共振回路
と二次側並列共振回路の作用によって増加された電力が
負荷側に供給され、それだけ負荷側に供給される電力も
増加して、最大負荷電力の増加率も向上する。これは、
先に図12にて説明したように、絶縁コンバータトラン
スPITに対してギャップGを形成して所要の結合係数
による疎結合としたことによって、更に飽和状態となり
にくい状態を得たことで実現されるものである。例え
ば、絶縁コンバータトランスPITに対してギャップG
が設けられない場合には、フライバック動作時において
絶縁コンバータトランスPITが飽和状態となって動作
が異常となる可能性が高く、上述した全波整流動作が適
正に行われるのを望むのは難しい。
【0017】また、この図10に示す回路における安定
化動作は次のようになる。一次側のスイッチング駆動部
10B内の発振回路41に対しては、前述したように、
フォトカプラ40を介して二次側直流出力電圧EOが入
力される。そして、発振回路41においては、この入力
された二次側直流出力電圧EOのレベル変化に応じて、
発振信号の周波数を可変して出力するようにされる。こ
れは即ち、スイッチング素子Q1のスイッチング周波数
を可変する動作となるが、これにより、一次側電圧共振
形コンバータと絶縁コンバータトランスPITとの共振
インピーダンスが変化し、絶縁コンバータトランスPI
Tの二次側に伝送されるエネルギーも変化することにな
る。この結果、二次側直流出力電圧EOとしては、所要
のレベルで一定となるように制御されることになる。即
ち、電源の安定化が図られる。
【0018】また、この図10に示す電源回路において
は、発振回路41においてスイッチング周波数を可変す
るのにあたり、先にも述べたように、スイッチング素子
Q1がオフとなる期間TOFFは一定とされたうえで、オン
となる期間TONを可変制御するようにされる。つまり、
この電源回路では、定電圧制御動作として、スイッチン
グ周波数を可変制御するように動作することで、スイッ
チング出力に対する共振インピーダンス制御を行い、こ
れと同時に、スイッチング周期におけるスイッチング素
子の導通角制御(PWM制御)も行うようにされている
ものである。そして、この複合的な制御動作を1組の制
御回路系によって実現している。なお、本明細書では、
このような複合的な制御を「複合制御方式」ともいう。
【0019】また、図11に、本出願人が提案した内容
に基づいて構成される電源回路としての他の例を示す。
なお、この図において図10と同一部分には同一符号を
付して説明を省略する。図11に示す電源回路の一次側
には、1石のスイッチング素子Q1によりシングルエン
ド動作を行う電圧共振形コンバータ回路として、自励式
の構成が示される。この場合、スイッチング素子Q1に
は、高耐圧のバイポーラトランジスタ(BJT;接合型
トランジスタ)が採用されている。
【0020】スイッチング素子Q1のベースは、ベース
電流制限抵抗RB−起動抵抗RSを介して平滑コンデンサ
Ci(整流平滑電圧Ei)の正極側に接続されて、起動
時のベース電流を整流平滑ラインから得るようにしてい
る。また、スイッチング素子Q1のベースと一次側アー
ス間には、駆動巻線NB、共振コンデンサCB、ベース電
流制限抵抗RBの直列接続回路よりなる自励発振駆動用
の直列共振回路が接続される。また、スイッチング素子
Q1のベースと平滑コンデンサCiの負極(1次側アー
ス)間に挿入されるクランプダイオードDDにより、ス
イッチング素子Q1のオフ時に流れるクランプ電流の経
路を形成するようにされており、また、スイッチング素
子Q1のコレクタは、絶縁コンバータトランスPITの
一次巻線N1の一端と接続され、エミッタは接地され
る。
【0021】また、上記スイッチング素子Q1のコレク
タ−エミッタ間に対しては、並列共振コンデンサCrが
並列に接続されている。そしてこの場合にも、並列共振
コンデンサCr自身のキャパシタンスと、絶縁コンバー
タトランスPITの一次巻線N1側のリーケージインダ
クタンスL1とにより電圧共振形コンバータの一次側並
列共振回路を形成する。
【0022】この図に示す直交形制御トランスPRT
は、共振電流検出巻線ND、駆動巻線NB、及び制御巻線
NCが巻装された可飽和リアクトルである。この直交形
制御トランスPRTは、スイッチング素子Q1を駆動す
ると共に、定電圧制御のために設けられる。この直交形
制御トランスPRTの構造としては、図示は省略する
が、4本の磁脚を有する2つのダブルコの字形コアの互
いの磁脚の端部を接合するようにして立体型コアを形成
する。そして、この立体型コアの所定の2本の磁脚に対
して、同じ巻回方向に共振電流検出巻線ND、駆動巻線
NBを巻装し、更に制御巻線NCを、上記共振電流検出巻
線ND及び駆動巻線NBに対して直交する方向に巻装して
構成される。
【0023】この場合、直交形制御トランスPRTの共
振電流検出巻線NDは、平滑コンデンサCiの正極と絶
縁コンバータトランスPITの一次巻線N1との間に直
列に挿入されることで、スイッチング素子Q1のスイッ
チング出力は、一次巻線N1を介して共振電流検出巻線
NDに伝達される。直交形制御トランスPRTにおいて
は、共振電流検出巻線NDに得られたスイッチング出力
がトランス結合を介して駆動巻線NBに誘起されること
で、駆動巻線NBにはドライブ電圧としての交番電圧が
発生する。このドライブ電圧は、自励発振駆動回路を形
成する直列共振回路(NB,CB)からベース電流制限抵
抗RBを介して、ドライブ電流としてスイッチング素子
Q1のベースに出力される。これにより、スイッチング
素子Q1は、直列共振回路の共振周波数により決定され
るスイッチング周波数でスイッチング動作を行うことに
なる。そして、そのコレクタに得られるとされるスイッ
チング出力を絶縁コンバータトランスPITの一次巻線
N1に伝達するようにされている。
【0024】また、この図11に示す回路に備えられる
絶縁コンバータトランスPITとしても、先に図12に
より説明したのと同様の構造を有するものとされている
ことで、一次側と二次側は疎結合の状態が得られるよう
にされている。
【0025】そして図11に示す回路の絶縁コンバータ
トランスPITの二次側においても、二次巻線N2に対
して二次側並列共振コンデンサC2が並列に接続される
ことで、二次側並列共振回路が形成されており、従っ
て、この電源回路としても複合共振形スイッチングコン
バータとしての構成を得ている。
【0026】また、この電源回路の二次側では、二次巻
線N2に対して1本のダイオードDOと平滑コンデンサC
Oから成る半波整流回路が備えられていることで、フォ
ワード動作のみの半波整流動作によって二次側直流出力
電圧EOを得るようにされている。この場合、二次側直
流出力電圧EOは制御回路1に対しても分岐して入力さ
れ、制御回路1においては、直流出力電圧EOを検出電
圧として利用するようにしている。
【0027】制御回路1では、二次側の直流出力電圧レ
ベルEOの変化に応じて、制御巻線NCに流す制御電流
(直流電流)レベルを可変することで、直交形制御トラ
ンスPRTに巻装された駆動巻線NBのインダクタンス
LBを可変制御する。これにより、駆動巻線NBのインダ
クタンスLBを含んで形成されるスイッチング素子Q1の
ための自励発振駆動回路内の直列共振回路の共振条件が
変化する。これは、スイッチング素子Q1のスイッチン
グ周波数を可変する動作となり、この動作によって二次
側の直流出力電圧を安定化する。また、このような直交
形制御トランスPRTを備えた定電圧制御の構成にあっ
ても、一次側のスイッチングコンバータが電圧共振形と
されていることで、スイッチング周波数の可変制御と同
時にスイッチング周期におけるスイッチング素子の導通
角制御(PWM制御)も行う、複合制御方式としての動
作が行われる。
【0028】図14は、上記図10及び図11に示した
電源回路における一次側電圧共振形コンバータの動作を
示す波形図である。図14(a)(b)(c)は、それ
ぞれ交流入力電圧VAC=100Vで、最大負荷電力Po
max=200W時の動作を示し、図14(d)(e)
(f)は、それぞれ交流入力電圧VAC=100Vで、最
小負荷電力Pomin=0Wとされる無負荷時の動作を示
している。
【0029】スイッチング素子Q1がスイッチング動作
を行うと、スイッチング素子Q1がオフとなる期間TOFF
においては、一次側並列共振回路の共振動作が得られ
る。これによって、並列共振コンデンサCrの両端に得
られる並列共振電圧V1としては、図14(a)(d)
に示すようにして、期間TOFFにおいて正弦波状の共振
パルスが現れる波形となる。ここで、複合共振形として
二次側共振回路が並列共振回路である場合には、図示す
るように、スイッチング素子Q1がオフとなる期間TOFF
は一定で、オンとなる期間TONが可変される。また、期
間TOFFにおいて並列共振動作が得られることで、並列
共振コンデンサCrに流れる並列共振電流Icrとして
は、図14(c)(f)に示すようにして、この期間T
OFFにおいて、略正弦波状によって正方向から負の方向
に遷移するようにして流れることになる。
【0030】ここで、図14(a)と図14(d)を比
較して分かるように、負荷電力Poが小さくなるのに従
ってスイッチング周波数fsは高くなるように制御され
ており、また、期間TOFFを一定として、スイッチング
素子Q1がオンとなる期間TONについて可変を行うこと
でスイッチング周波数fs(スイッチング周期)を可変
するようにされている。即ち、前述した複合制御方式と
しての動作が示されているものである。また、図10及
び図11に示される電圧共振形コンバータの構成では、
上記並列共振電圧V1のレベルは負荷電力変動に対応し
て変化し、例えば、最大負荷電力Pomax=200W時
には550Vpとなり、最小負荷電力Pomin=0W時
には、300Vpとなる。即ち、負荷電力が重くなるの
に従って、並列共振電圧V1は上昇する傾向を有する。
【0031】また、スイッチング素子Q1のドレイン又
はコレクタに流れるスイッチング出力電流IQ1は、図1
4(b)(e)に示すようにして、期間TOFFには0レ
ベルで、期間TONにおいて図示する波形によって流れ
る。このスイッチング出力電流IQ1のレベルもまた、負
荷電力Poが重くなるのに応じて高くなる傾向を有して
おり、例えばこの図によれば、最大負荷電力Pomax=
200W時には3.8Aとなり、最小負荷電力Pomin
=0W時には、1Aとなる。
【0032】また、図10及び図11に示した電源回路
の特性として、最大負荷電力Pomax=200W時にお
ける、交流入力電圧VACに対するスイッチング周波数f
s、スイッチング周期内の期間TOFFと期間TON、及び
並列共振電圧V1の変動特性を、図15に示す。
【0033】図15に示されるように、先ず、スイッチ
ング周波数fsとしては、交流入力電圧VAC=90V〜
140Vの変動範囲に対してfs=110KHz〜14
0KHz程度の範囲で変化することが示されている。こ
れは即ち、直流入力電圧変動に応じて二次側直流出力電
圧EOの変動を安定化する動作が行われることを示して
いる。交流入力電圧VACの変動に対しては、この交流入
力電圧VACのレベルが高くなるのに応じてスイッチング
周波数を上昇させるように制御を行うようにされてい
る。
【0034】そして、1スイッチング周期内における期
間TOFFと期間TONについてであるが、期間TOFFはスイ
ッチング周波数fsに対して一定であり、期間TONがス
イッチング周波数fsの上昇に応じて二次曲線的に低く
なっていくようにされており、スイッチング周波数制御
として複合制御方式の動作となっていることがここでも
示される。
【0035】また、並列共振電圧V1も、商用交流電源
VACの変動に応じて変化するものとされ、図示するよう
に、交流入力電圧VACが高くなるのに応じてそのレベル
が上昇するように変動する。
【0036】さらに図16に、本出願人の発明に基づく
他の電源回路の構成を示す。この図に示す電源回路は、
複合共振形スイッチングコンバータとして、二次側に直
列共振回路を備えた構成を採る。なお、この図におい
て、図10及び図11と同一部分には同一符号を付して
説明を省略する。
【0037】この図に示す電源回路の二次側は、次のよ
うな構成を採っている。絶縁コンバータトランスPIT
の二次巻線N2の巻始め端部は、直列共振コンデンサC
sの直列接続を介して、整流ダイオードDO1のアノード
と整流ダイオードDO2のカソードの接続点に対して接続
され、巻終わり端部は二次側アースに対して接続され
る。整流ダイオードDO1のカソードは平滑コンデンサC
Oの正極と接続され、整流ダイオードDO2のアノードは
二次側アースに対して接続される。平滑コンデンサCO
の負極側は二次側アースに対して接続される。
【0038】このような接続形態では、[二次巻線N2
、直列共振コンデンサCs、整流ダイオードDO1,DO
2、平滑コンデンサCO]の組から成る倍電圧半波整流回
路が形成されることになる。ここで、直列共振コンデン
サCsは、自身のキャパシタンスと二次巻線N2 の漏洩
インダクタンスL2 とによって、整流ダイオードDO1,
DO2のオン/オフ動作に対応して共振動作を行う直列共
振回路を形成する。なお、直列共振コンデンサCsにつ
いては、一次側の並列共振回路(N1 ,Cr)の並列共
振周波数をfo1とし、上記二次側の直列共振回路の直
列共振周波数をfo2とすると、fo1≒fo2となる
ように、そのキャパシタンスが選定される。
【0039】即ち、この電源回路では、「複合共振形ス
イッチングコンバータ」として、一次側にはスイッチン
グ動作を電圧共振形とするための並列共振回路を備え、
二次側には電流共振動作を得るための直列共振回路が備
えられるものである。
【0040】そして、上記した[二次巻線N2 、直列共
振コンデンサCs、整流ダイオードDO1,DO2,平滑コ
ンデンサCO]の組による倍電圧整流動作としては、例
えば次のようになる。一次側のスイッチング動作により
一次巻線N1 にスイッチング出力が得られると、このス
イッチング出力は二次巻線N2 に励起される。倍電圧整
流回路は、この二次巻線N2 に得られた交番電圧を入力
して整流動作を行う。この場合、先ず、整流ダイオード
DO1がオフとなり、整流ダイオードDO2がオンとなる期
間においては、一次巻線N1 と二次巻線N2 との極性が
−Mとなる減極性モードで動作して、整流ダイオードD
O2により整流した整流電流を直列共振コンデンサCsに
対して充電する動作が得られる。そして、整流ダイオー
ドDO2がオフとなり、整流ダイオードDO1がオンとなっ
て整流動作を行う期間においては、一次巻線N1 と二次
巻線N2 との極性が+Mとなる加極性モードとなり、二
次巻線N2 に誘起された電圧に直列共振コンデンサCs
の電位が加わる状態で平滑コンデンサCOに対して充電
が行われる動作となる。上記のようにして、絶縁コンバ
ータトランスPITの二次側において、二次側直列共振
回路の直列共振動作を伴って、加極性モードと減極性モ
ードを交互に繰り返すようにして整流動作が行われる結
果、平滑コンデンサCOには、二次巻線N2 に発生する
誘起電圧のほぼ2倍のレベルに対応した二次側直流出力
電圧EOが得られる。なお、この場合には倍電圧整流動
作により二次側直流出力電圧EOを得るようにされてい
ることから、例えば二次側に等倍電圧整流回路を備える
構成と比較すれば、二次巻線N2の巻数としては約1/
2で済むことになる。
【0041】また、この場合にも、二次側直流出力電圧
EOは、フォトカプラ40を介して一次側のスイッチン
グ駆動部10B内の発振回路41に対してフィードバッ
クされており、このフィードバックされた二次側直流出
力電圧レベルに基づいて、一次側において複合制御方式
としての定電圧動作が得られる。
【0042】続いて、二次側に直列共振回路を備えた複
合共振形スイッチングコンバータとしての他の例を図1
7に示す。また、この図に示す電源回路は、一次側とし
ては、図11に示したのと同様に、シングルエンド方式
で自励式の電圧共振形コンバータが備えられる。
【0043】また、この電源回路の二次側においても、
二次巻線N2の巻始め端部に対して直列共振コンデンサ
Csが直列に接続されることで二次側直列共振回路を形
成するようにされている。そしてこの場合には、二次側
整流回路としてブリッジ整流回路DBRが備えられ、上記
直列共振コンデンサCsを介して二次巻線N2の巻始め
端部をブリッジ整流回路DBRの正極入力端子に接続し、
二次巻線N2の巻始め端部をブリッジ整流回路DBRの負
極入力端子に接続するようにして設けられる。この回路
構成では、二次巻線N2に得られる交番電圧、即ち二次
側直列共振回路の共振出力をブリッジ整流回路DBRによ
り全波整流して平滑コンデンサCOに充電することで、
二次側直流出力電圧EOを得るようにされる。この場合
にも、二次側直流出力電圧EOは制御回路1に対しても
分岐して入力され、制御回路1においては、入力された
直流出力電圧EOを定電圧制御のための検出電圧として
利用するようにしている。
【0044】図18は、上記図16及び図17に示した
電源回路における一次側電圧共振形コンバータの動作を
示す波形図である。ここでも、図18(a)(b)
(c)は、それぞれ交流入力電圧VAC=100Vで、最
大負荷電力Pomax=200W時の動作を示し、図18
(d)(e)(f)は、それぞれ交流入力電圧VAC=1
00Vで、最小負荷電力Pomin=0Wとされる無負荷
時の動作を示している。
【0045】スイッチング素子Q1のスイッチング動作
によって、並列共振コンデンサCrの両端に得られる並
列共振電圧V1としては、図18(a)(d)に示すよ
うにして、期間TOFFにおいて正弦波状の共振パルスが
現れる波形となるが、ここでは、二次側共振回路が並列
共振回路とされていることで、スイッチング素子Q1が
オフとなる期間TOFFとしては、図示するように可変と
なるものである。また、並列共振コンデンサCrに流れ
る並列共振電流Icrとしては、図18(c)(f)に
示すものとなり、期間TOFFにおいて図示する波形によ
り流れるものとなる。
【0046】ここでも、図18(a)及び図18(d)
の波形から分かるように、負荷電力Poが小さくなるの
に従ってスイッチング周波数fsは高くなるように制御
される。また、1周期内においては、スイッチング素子
Q1がオンとなる期間TONについて可変を行うことでス
イッチング周波数fs(スイッチング周期)を可変する
ようにしている。また、図16及び図17に示される回
路構成によっても、上記並列共振電圧V1のレベルは負
荷電力が重くなるのにしたがって並列共振電圧V1が上
昇する傾向を有する。ここでは、最大負荷電力Pomax
=200W時には580Vpとなり、最小負荷電力Po
min=0W時には380Vpとなっている。
【0047】また、スイッチング素子Q1のドレイン又
はコレクタに流れるスイッチング出力電流IQ1は、図1
8(b)(e)に示すようにして、期間TOFF、TONの
タイミングに同期したうえで、先の図14(b)(e)
と略同様の波形パターンが得られる。つまり、期間TOF
Fには0レベルで、期間TONにおいて図示する波形によ
って流れるものである。そしてこの構成にあっても、ス
イッチング出力電流IQ1は、負荷電力Poが重くなるの
に応じて高くなる傾向を有しており、この場合には、最
大負荷電力Pomax=200W時には3.6Aとなり、
最小負荷電力Pomin=0W時には、0.3Aとなる。
【0048】図19は、また、図16及び図17に示し
た電源回路の特性として、最大負荷電力Pomax=20
0W時における、交流入力電圧VACに対するスイッチン
グ周波数fs、スイッチング周期内の期間TOFFと期間
TON、及び並列共振電圧V1の変動特性を示している。
【0049】スイッチング周波数fsとしては、交流入
力電圧VAC=90V〜140Vの変動範囲に対してfs
=110KHz〜160KHz程度の範囲で変化するこ
とが示されており、ここでも、直流入力電圧変動に応じ
て二次側直流出力電圧EOの変動を安定化する動作が行
われることを示している。そしてこの場合にも、交流入
力電圧VACの変動に対しては、この交流入力電圧VACの
レベルが高くなるのに応じてスイッチング周波数を上昇
させるように制御を行うようにされる。
【0050】また、この図によっても、1スイッチング
周期内における期間TOFFと期間TONについては、例え
ば負荷が同一とされる条件では、期間TOFFはスイッチ
ング周波数fsに対して一定で、期間TONがスイッチン
グ周波数fsの上昇に応じて低くなっていくようにされ
ている。即ち、スイッチング周波数制御として複合制御
方式の動作となっていることがここでも示される。
【0051】商用交流電源VACの変動に応じて変化する
とされる並列共振電圧V1は、この場合には、図示する
ように、交流入力電圧VACが高くなるのに応じてそのレ
ベルが直線(比例)的に上昇する傾向が得られる。
【0052】
【発明が解決しようとする課題】上記各図に示した電源
回路のように、複合制御方式により二次側直流出力電圧
を安定化する構成を採る電源回路では、図14,図15
及び図18,図19にも示されるように、並列共振電圧
V1のピークレベルは、負荷条件及び交流入力電圧VAC
の変動に応じて変化する。そして、特に最大負荷電力に
近い重負荷の状態で、例えば100V系の商用交流電源
ACとしての交流入力電圧VACのレベルが140Vにま
で上昇したとされる場合には、図15、図19に示した
ようにして、並列共振電圧V1は最大で700Vpにま
で上昇する。
【0053】このために、並列共振電圧V1が印加され
る並列共振コンデンサCr及びスイッチング素子Q1に
ついては、商用交流電源AC100V系に対応する場合
には800Vの耐圧品を選定し、また、商用交流電源A
C200V系に対応する場合には1200Vの耐圧品を
選定する必要があることになる。これにより、並列共振
コンデンサCr及びスイッチング素子Q1としては共に
大型となり、またコストも高くなる。
【0054】また、スイッチング素子としては、これを
高耐圧な構造とするほどその特性は低下するという特質
を有している。このため、上記のようにしてスイッチン
グ素子Q1について高耐圧のものを選定することで、ス
イッチング動作による電力損失は増加して電力変換効率
の低下を招くことにもなる。
【0055】さらに、一次側のスイッチング周波数を可
変しての複合制御方式により二次側直流出力電圧を安定
化する構成を採る場合、二次側の負荷が短絡するという
異常が発生したときには、スイッチング周波数は低くす
るように制御系が動作することになる。スイッチング周
波数が低くなる状態では、図14に示した波形図からも
分かるように、スイッチング素子がオンとなる期間TON
が長くなり、従って例えばスイッチング素子Q1や並列
共振コンデンサCrにかかる電圧(V1)や電流(IQ1,
Icr)のレベルが上昇することになる。このため、負
荷短絡発生時の対策として、このときに生じる高レベル
の電圧や電流を制限してスイッチング素子を保護するた
めの過電流保護回路や過電圧保護回路を設ける必要があ
ることになる。これら過電流保護回路や過電圧保護回路
を設けることによっても、回路の小型化及び低コスト化
の促進が妨げられるものである。
【0056】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は上記した
課題を考慮して、スイッチング電源回路として次のよう
に構成する。つまり、入力された直流入力電圧を断続し
て出力するためのメインスイッチング素子を備えて形成
されるスイッチング手段と、このスイッチング手段の動
作を電圧共振形とする一次側並列共振回路が形成される
ようにして備えられる一次側並列共振コンデンサと、一
次側と二次側とについて疎結合とされる所要の結合係数
が得られるようにギャップが形成され、一次側に得られ
る上記スイッチング手段の出力を二次側に伝送する絶縁
コンバータトランスとを備える。また、絶縁コンバータ
トランスの二次巻線に対して二次側共振コンデンサを接
続することで形成される二次側共振回路と、絶縁コンバ
ータトランスの二次巻線に得られる交番電圧を入力して
整流動作を行うことで二次側直流出力電圧を得るように
構成される直流出力電圧生成手段とを備える。そして、
メインスイッチング素子のオン/オフタイミングに同期
した所定のオン/オフタイミングを有するようにしてス
イッチングを行う第1の補助スイッチング素子を備える
ことで、上記一次側並列共振コンデンサの両端に発生す
る一次側並列共振電圧をクランプするように設けられる
一次側アクティブクランプ手段を設ける。また、直流出
力電圧生成手段を形成する整流ダイオード素子のオン/
オフタイミングに同期した所定のオン/オフタイミング
を有するようにしてスイッチングを行う第2の補助スイ
ッチング素子を備えることで、少なくとも二次巻線に生
じる交番電圧をクランプするように設けられる二次側ア
クティブクランプ手段を設ける。そしてさらに、所定の
一定スイッチング周波数のもとで、二次側直流出力電圧
のレベルに応じて、スイッチング周期内のオン/オフ期
間の比を可変するようにして上記二次側整流ダイオード
素子をスイッチング駆動することで定電圧制御を行う定
電圧制御手段とを備える。
【0057】上記構成によれば、一次側においては電圧
共振形コンバータを形成するための一次側並列共振回路
を備え、二次側には、二次巻線及び二次側共振コンデン
サとにより形成される二次側共振回路とが備えられた、
いわゆる複合共振形スイッチングコンバータの構成が得
られる。ここで、一次側電圧共振形コンバータのスイッ
チング周波数は所定周波数で固定とされている。この構
成を基として、一次側においては、メイン用のスイッチ
ング素子のオフ時に発生する並列共振電圧をクランプす
るための第1のアクティブクランプ手段を備え、二次側
にも、二次巻線に得られる電圧レベルを抑制するための
第2のアクティブクランプ手段を備える。そして、定電
圧制御としては、スイッチング周波数は一定で、二次側
整流ダイオードのオン/オフ期間のデューティ比を可変
制御することで行うようにされる。
【0058】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1の実施の形
態としての電源回路の構成を示している。なお、この図
において、図10,図11及び図16,図17と同一部
分には同一符号を付して説明を省略する。また、この図
1に示す電源回路も複合共振形スイッチングコンバータ
としての構成を採り、従ってこの場合にも先に図12に
示した構造の絶縁コンバータトランスPITを備えてい
るものとされる。これについては、後述する他の実施の
形態としての電源回路についても同様とされる。
【0059】図1に示す電源回路の一次側の全体構成と
しては、先ず、メインとなるメイン用スイッチング素子
Q1を備え、基本的にはシングルエンド方式としてのス
イッチング動作を他励式により行う電圧共振形コンバー
タが設けられる。また、これに加えて、後述するように
して、並列共振コンデンサCrの両端に得られる並列共
振電圧V1をクランプするための一次側アクティブクラ
ンプ回路30が備えられる。この一次側アクティブクラ
ンプ回路30には、補助スイッチング素子Q2が備えら
れる。そして、上記メイン用スイッチング素子Q1及び
補助スイッチング素子Q2のそれぞれについてスイッチ
ング駆動するための一次側スイッチング駆動部10が備
えられる。なお、この場合、メイン用スイッチング素子
Q1及び補助スイッチング素子Q2には、共にMOS−F
ETが使用される。
【0060】この場合、一次側アクティブクランプ回路
30は、補助スイッチング素子Q2,クランプコンデン
サCCL1,クランプダイオードDD2を備えて形成され
る。補助スイッチング素子Q2のドレイン−ソース間に
対してはクランプダイオードDD2が並列に接続される。
ここでは、クランプダイオードDD2のアノードがソース
に対して接続され、カソードがドレインに対して接続さ
れる。また、補助スイッチング素子Q2のドレインはク
ランプコンデンサCCL1を介して、整流平滑電圧Eiの
ラインと一次巻線N1の巻始め端部との接続点に対して
接続される。また、補助スイッチング素子Q2のソース
は一次巻線N1の巻終わり端部に対して接続される。つ
まり、本実施の形態の一次側アクティブクランプ回路3
0としては、上記補助スイッチング素子Q2//クラン
プダイオードDD2の並列接続回路に対して、クランプコ
ンデンサCCL1を直列に接続して成るものとされる。そ
して、このようにして形成される回路を絶縁コンバータ
トランスPITの一次巻線N1に対して並列に接続して
構成されるものである。メイン用スイッチング素子Q1
と補助スイッチング素子Q2とでは、後述するようにし
て同一のスイッチング周波数で同期してスイッチングを
行うが、スイッチング周期内におけるオン/オフタイミ
ングは互いに異なるようにされる。
【0061】本実施の形態としての一次側スイッチング
駆動部10は、図示するように、発振回路11,第1ド
ライブ回路12、レベルシフト回路13、第2ドライブ
回路14を備えてなる。
【0062】発振回路11は、この場合には例えば10
0KHzで固定の発振信号を生成し、第1ドライブ回路
12、レベルシフト回路13に対して分岐して出力す
る。
【0063】第1ドライブ回路12では、発振回路11
から入力された信号を電圧信号に変換して、MOS−F
ETであるメイン用スイッチング素子Q1を駆動するた
めのスイッチング駆動信号を生成し、メイン用スイッチ
ング素子Q1のゲート端子に印加する。このスイッチン
グ駆動信号に応じて、メイン用スイッチング素子Q1は
スイッチング動作を行うことになる。
【0064】また、レベルシフト回路13では、入力さ
れた信号について所定のレベルシフト処理を行うこと
で、最終的に補助スイッチング素子Q2のオン/オフタ
イミングに対応した波形の信号を得る。そして、この信
号を第2ドライブ回路14に対して供給する。第2ドラ
イブ回路14では、入力された信号を電圧変換して補助
スイッチング素子Q2のためのスイッチング駆動信号を
生成し、MOS−FETである補助スイッチング素子Q
2のゲート端子に対して印加する。これにより、補助ス
イッチング素子Q2が所要のオン/オフタイミングで以
てスイッチング動作を行うようにされる。なお、上記構
成による本実施の形態の一次側スイッチング駆動部10
としては、1つのICとして構成されるものとされる。
【0065】図2の波形図は、上記図1に示した回路の
動作として、主として一次側のスイッチング動作を示し
ている。つまり、一次側アクティブクランプ回路30が
設けられた電圧共振形コンバータとしての動作が示され
ているものである。この図2に示される動作は、図1に
示す回路についてAC100V系に対応する構成とした
場合に得られるものとされ、交流入力電圧VAC=100
V、最大負荷電力Pomax=200Wとされる条件での
各部の動作が示されている。
【0066】この図では、メイン用スイッチング素子Q
1,補助スイッチング素子Q2の各ゲートに対して印加さ
れるスイッチング駆動信号は、それぞれ図2(b)
(e)に示すゲート電圧VG1,VG2が相当する。ゲート
電圧VG1,VG2は、この最大負荷電力Pomax=200
W時においては、それぞれ図2(b)(e)に示すよう
にして、そのオン/オフ期間が設定されている。これに
より、図2(a)(d)のスイッチング素子Q1、Q2の
各両端電圧V1、V3としても示されるように、スイッチ
ング素子Q1、Q2は、例えばスイッチング周波数100
KHzで固定とされ、かつ、ほぼ50%のデューティに
よってオン/オフを行う。
【0067】ここで図2においては、1スイッチング周
期内の動作モードについて、モード〜までの5段階
の動作モードが示される。ゲート電圧VG1によってメイ
ン用スイッチング素子Q1がオンとなるように制御され
るのは、図2(c)に示すスイッチング出力電流IQ1が
流れる期間ton2においてであり、この期間ton2におい
てはモードとしての動作が得られる。なお、補助スイ
ッチング素子Q2は、この期間ton2においては0レベル
のゲート電圧VG2によってオフ状態にあるように制御さ
れる。
【0068】モード(期間ton2)においては、絶縁
コンバータトランスPITの一次巻線N1に得られるリ
ーケージインダクタンスL1を介して上記スイッチング
出力電流IQ1が流れる動作が得られる。このときのスイ
ッチング出力電流IQ1としては、図2(c)の期間ton
2に示すように、負の方向から正の方向に反転する波形
となる。ここで、スイッチング出力電流IQ1が負の方向
に流れる期間は、直前の期間td2の終了を以て並列共
振コンデンサCrにおける放電が終了することでクラン
プダイオードDD1が導通し、クランプダイオードDD1→
一次巻線N1を介してスイッチング出力電流IQ1を流す
ことで、電源側に電力を回生するモードとなる。そし
て、スイッチング出力電流IQ1(図2(c))が負の方
向から正の方向に反転するタイミングにおいては、図2
(b)に示すゲート電圧VG1がHレベルに立ち上がるよ
うに制御されていることで、このタイミングで、メイン
用スイッチング素子Q1は、ZVS(Zero Volt Switchin
g)及びZCS(Zero Current Switching)によりターンオ
ンする。
【0069】そして、次の期間td1においては、モー
ドとしての動作となる。この期間では、メイン用スイ
ッチング素子Q1がターンオフすることで、一次巻線N1
に流れていた電流は、並列共振コンデンサCrに流れる
ことになる。これにより、図2(d)の電流Icrとし
ては、図示するように正極性によりパルス的に現れる波
形を示す。これは部分共振モードとしての動作とされ
る。また、このときには、メイン用スイッチング素子Q
1に対して並列に並列共振コンデンサCrが接続されて
いることで、メイン用スイッチング素子Q1はZVSに
よりターンオフされるものである。
【0070】続いては、補助スイッチング素子Q2がオ
ン状態となるように制御されると共に、メイン用スイッ
チング素子Q1がオフ状態にあるように制御される期間
となり、これは、図2(e)に示すゲート電圧VG2がH
レベルとなる期間TON2に相当する。この期間TON2は、
アクティブクランプ回路の動作期間であり、先ずモード
としての動作を行った後にモードとしての動作を行
うようにされる。
【0071】先のモードの動作では、一次巻線N1か
ら流れる電流Icrによって並列共振コンデンサCrへ
の充電が行われるが、これによりモードの動作として
は、一次巻線N1に得られている電圧が、図2(h)に
示されているクランプコンデンサCCL1の両端電圧VCL
の初期時(期間TON2開始時)電圧レベルに対して同電
位もしくはそれ以上となる。これにより、補助スイッチ
ング素子Q2に並列接続されるクランプダイオードDD2
の導通条件が満たされて導通することで、クランプダイ
オードDD2→クランプコンデンサCCL1の経路で電流が
流れるようにされ、クランプ電流IQ2としては、図2
(g)の期間TON2開始時以降において、負方向から時
間経過に従って0レベルに近づく鋸歯状波形が得られる
ことになる。ここで、クランプコンデンサCCL1のキャ
パシタンスは並列共振コンデンサCrのキャパシタンス
の25倍以上となるように選定されている。このため、
このモードとしての動作によっては、大部分の電流が
クランプ電流IQ2としてクランプコンデンサCCL1に対
して流れるようにされ、並列共振コンデンサCrに対し
てはほとんど流れない。これにより、この期間TON2時
にメイン用スイッチング素子Q1にかかる並列共振電圧
V1の傾きは緩やかとなるようにされ、結果的には図2
(a)に示すようにして、270Vpにまで抑制されて
その導通角は広がることになる。即ち、並列共振電圧V
1に対するクランプ動作が得られる。これに対して、例
えば図2(a)において破線により示す先行技術として
の回路(図10及び図11の回路)において得られる並
列共振電圧V1は、550Vpのレベルを有するパルス
波形とされていたものである。
【0072】そして、期間TON2において上記モード
が終了すると引き続いてモードとしての動作に移行す
る。このモード開始時は、図2(g)に示すクランプ
電流IQ2が負の方向から正方向に反転するタイミングと
される。このタイミングでは、図2(e)に示すように
Hレベルのゲート電圧VG2が出力されている状態にある
ことから、補助スイッチング素子Q2は、このクランプ
電流IQ2が負の方向から正方向に反転するタイミング
で、ZVS及びZCSによりターンオンする。このよう
にして補助スイッチング素子Q2がオンとなる状態で
は、このときに得られる一次側並列共振回路の共振作用
によって、補助スイッチング素子Q2に対しては、一次
巻線N1→クランプコンデンサCCL1を介して、正方向に
増加していくクランプ電流IQ2が図2(g)に示すよう
にして流れる。
【0073】上記モードの動作は、期間TON2におけ
るHレベルのゲート電圧VG2がLレベルに立ち下がるタ
イミングを以て終了するようにされ、続いては、期間t
d2におけるモードとしての動作に移行する。モード
では、並列共振コンデンサCrが一次巻線N1に対し
て電流Icrを流すようにして放電を行う動作が得られ
る。つまり部分共振動作が得られる。このときにメイン
用スイッチング素子Q1にかかる並列共振電圧V1は、上
述もしたように並列共振コンデンサCrのキャパシタン
スが小さいことに因って、その傾きが大きいものとな
り、図2(a)に示すようにして、急速に0レベルに向
かって下降するようにして立ち下がっていく。そして、
補助スイッチング素子Q2は、上記モードが終了して
モードが開始されるタイミングでターンオフを開始す
るが、このときには、上記したようにして並列共振電圧
V1が或る傾きを有して立ち下がることで、ZVSによ
るターンオフ動作となる。また、補助スイッチング素子
Q2がターンオフすることによって発生する電圧は、上
記したようにして並列共振コンデンサCrが放電を行う
ことで、急峻には立ち上がらないようにされる。この動
作は、例えば図2(f)のスイッチング出力電圧V2と
して示されるように、期間td2(モード時)を以
て、或る傾きを有して0レベルからピークレベルに遷移
する波形として示されている。なお、このスイッチング
出力電圧V2としては、補助スイッチング素子Q2がオフ
とされる期間TOFF2において240Vpを有すると共
に、この期間TOFF2の開始期間である期間td1(モー
ド時)を以て240Vpから0レベルに遷移し、終了
期間である期間td2(モード時)を以て、上述のよ
うに0レベルから240Vpに遷移する波形となる。そ
して、以降は、1スイッチング周期ごとにモード〜
の動作が繰り返される。
【0074】続いて、図1に示す本実施の形態の電源回
路の二次側の構成について説明する。この電源回路の二
次側においては、二次巻線N2及び並列共振コンデンサ
C2から成る並列共振回路を備える。これにより電源回
路全体としては、一次側の電圧共振形コンバータと共に
複合共振形スイッチングコンバータを形成する。また、
この場合には、二次巻線N2の巻始め端部に対しては、
整流ダイオードDO1及び平滑コンデンサCO1から成る半
波整流回路を接続することで、二次側直流出力電圧EO1
を得るようにしている。この二次側直流出力電圧EO1
は、後述する誤差増幅回路23に対しても分岐して供給
されるようになっており、これにより二次側出力の安定
化を図るようにしている。またこの場合には、二次巻線
N2に対してタップを設け、この二次巻線N2のタップ端
子と二次側アース間を整流電流経路とする、整流ダイオ
ードDO2及び平滑コンデンサCO2から成る半波整流回路
を接続することで、低圧の二次側直流出力電圧EO2を得
るようにもしている。
【0075】そして、この電源回路の二次側において
は、二次側アクティブクランプ回路31と、これを駆動
する二次側スイッチング駆動部20が設けられる。二次
側アクティブクランプ回路31は、この場合には1石の
MOS−FETの補助スイッチング素子Q3を備えて成
るものとされる。補助スイッチング素子Q3のドレイン
−ソース間には、図のようにして、クランプダイオード
DD3が接続される。そして、補助スイッチング素子Q3
のドレインは、クランプコンデンサCCL2を介して、二
次巻線N2の巻始め端部に対して接続される。
【0076】つまり、二次側アクティブクランプ回路3
1は、補助スイッチング素子Q3//クランプダイオー
ドDD2の並列接続回路に対して、クランプコンデンサC
CL2を直列に接続して形成され、このようにして形成さ
れる回路を二次巻線N2に対して並列に接続して構成さ
れる。
【0077】二次側スイッチング駆動部20は、例えば
図示するように、PWM制御回路21、ドライブ回路2
2、及び誤差増幅回路23を備えて構成される。なお、
これらの機能回路部のうちで、PWM制御回路21及び
ドライブ回路22は、1つのICによって構成すること
が可能とされる。また、このICとしてのPWM制御回
路21及びドライブ回路22は、電源起動時の二次側直
流出力電圧EO2を起動抵抗Rs2を介して入力すること
で動作を開始するようにされている。
【0078】誤差増幅回路23では、入力された二次側
直流出力電圧EO1の変動に応じたレベルの電圧又は電流
をPWM制御回路21に対して出力する。PWM制御回
路21には、二次巻線N2のタップ出力端子に得られる
交番電圧が検出抵抗Rtを介して源信号として入力され
ている。この源信号は一次巻線N1から二次巻線N2に励
起された交番電圧であり、従って、その周波数は一次側
のスイッチング周波数に対応している。誤差増幅回路2
3は、入力した二次巻線の交番電圧を基にして、一次側
のスイッチング周波数に同期した100KHzのPWM
信号を出力する。このPWM信号は、誤差増幅回路23
から入力された電圧又は電流レベルに応じてそのデュー
ティ比が可変される。ここで可変されるデューティ比
は、補助スイッチング素子Q3の1スイッチング周期に
おけるオン期間とオフ期間のデューティ比に対応する。
PWM制御回路21は、このPWM信号をドライブ回路
22に対して出力する。そしてドライブ回路22では、
PWM制御回路21から出力されたPWM信号波形に基
づいてドライブ電圧を生成して補助スイッチング素子Q
3のゲートに印加する。これによって補助スイッチング
素子Q3は、PWM制御回路21によりそのオン期間と
オフ期間のデューティ比が可変制御されるようにしてス
イッチングを行う。つまり、補助スイッチング素子Q3
はスイッチング周波数は固定で、そのオン期間(導通
角)が可変制御されるようにしてスイッチング動作を行
うものとされる。
【0079】図3は、図1に示す電源回路における二次
側の動作を主として示す波形図である。この図は、AC
100Vで、最大負荷電力Pomax=200W時の動
作を示している。この図を参照して、二次側アクティブ
クランプ回路31の動作について説明する。
【0080】図3(a)には、一次側のスイッチング動
作のタイミングを示すために、並列共振電圧V1が示さ
れる。そして、このようなスイッチング動作に応じて一
次巻線N1に得られるスイッチング出力電流I1としては
図3(b)に示すものとなる。
【0081】二次側アクティブクランプ回路31の動作
は、図3におけるモード〜の5段階の動作モードと
して得られる。ここでも、モード〜の動作モードは
1スイッチング周期内の動作となる。
【0082】モードとしての動作は、整流ダイオード
DO1がオンとなる期間Donに行われる。この期間Donに
おいては、図3(d)のスイッチング電圧V3の波形が
正レベルとして現れていることからも分かるように、補
助スイッチング素子Q3はオフ状態にある。このときに
は、整流ダイオードDO1を流れる整流電流IOは、二次
巻線N2のリーケージインダクタンスを介して、図3
(i)に示すようにして流れる。このモードである期
間Donにおいては、二次巻線N2の両端に得られる交番
電圧である二次巻線電圧Voは、図3(c)に示すよう
にして、二次側直流出力電圧EO1のレベルでクランプさ
れることになる。そして、整流ダイオードDO1がターン
オフすることでモードが終了して期間td3に至る
と、モードとしての動作が得られる。モードとなる
期間td3では、これまで二次巻線N2から整流ダイオ
ードDO1へと流れていた電流は反転して、並列共振コン
デンサC2を介して図3(f)に示すように電流IC2と
して流れる。そして、モードの期間td3が経過する
と、期間Ton3の前半期間においてモードの動作が開
始されることになる。このモードとしての期間では、
図3(c)に示すように、二次巻線N2に得られる二次
巻線電圧Voが、平滑コンデンサCO1の初期電圧とほぼ
同等レベル、もしくはそれ以上となる。これにより、補
助スイッチング素子Q3に並列接続されるクランプダイ
オードDD3が導通し、クランプコンデンサCCL2を介し
て流れる。これは、期間Ton3の前半期間における、図
3(g)の電流Icoとして示されている。ここで、クラ
ンプコンデンサCCL2のキャパシタンスは、例えば並列
共振コンデンサC2のキャパシタンスの25倍以上とな
るように選定していることで、このモードとしての動
作時にあっては、二次巻線N2に流れる電流I2(図3
(e))のほとんどはクランプコンデンサCCL2を介し
て流すことができる。これによって、図3(c)に示さ
れる二次巻線電圧Voの波形の傾きとしては緩やかにな
り、結果的にはそのピークレベルを抑制する。
【0083】上記した期間Ton3の前半期間が終了して
後半期間となると、モードとしての動作に移行する。
モードの期間では、補助スイッチング素子Q3をター
ンオンさせてオン状態とする。この状態では、期間Ton
3の後半期間における図3(g)の電流Ico、及び図3
(h)の補助スイッチング素子Q3のスイッチング出力
電流IQ3として示すようにして、補助スイッチング素子
Q3に電流が流れる。このときには、二次巻線N2とクラ
ンプコンデンサCCL2との共振作用を伴って、二次巻線
N2→クランプコンデンサCCL2→補助スイッチング素子
Q3の電流経路が形成される。このようにして電流が流
れることにより、期間Ton3の後半期間においても、図
3(c)に示される二次巻線電圧Voの波形の傾きを緩
やかなものとしている。
【0084】そして、上記した期間Ton3におけるモー
ド,の動作によって、結果的には図3(c)に示す
二次巻線電圧Voのピークレベルをクランプするように
される。そして、実際としては、例えば先に先行技術と
して各図に示した電源回路における二次巻線電圧が44
0V程度であったのに対して、図1に示した回路では、
220V程度にまで抑制される。
【0085】期間Ton3におけるモードの動作が終了
した後は、補助スイッチング素子Q3をオフとするよう
に制御することで、モードとしての動作が得られる期
間td4に移行する。このモードとしては、補助スイ
ッチング素子Q3がターンオフしたことで、二次巻線N2
に流れる正極性の電流が、図3(f)のIC2として示す
ようにして並列共振コンデンサC2を介して流れる。こ
のとき、並列共振コンデンサC2のキャパシタンスが小
さいことで、二次巻線電圧Voは急峻な傾きを有して0
レベルに向かう。以降は、1スイッチング周期ごとにモ
ード〜の動作が繰り返される。
【0086】ここで、整流ダイオードD01は、例えばモ
ードである期間td3と、モードである期間td4
の各期間で、ZVSを行う。また、図3(h)に示すス
イッチング電流IQ3と、図3(d)に示すスイッチング
電圧V3との波形、及び、図3(c)の二次巻線電圧V
oの波形の各タイミングから分かるように、補助スイッ
チング素子Q3は、整流ダイオードDO1がオンとなって
導通状態にあるときに、モード(td3)の期間を利
用して、ZVS及びZCSによりターンオンさせてい
る。また、補助スイッチング素子Q3は、モードが開
始されるタイミングでターンオフを開始するが、このと
きには、先にも述べたようにして、図3(c)の二次巻
線電圧Voが或る傾きを有して立ち下がることで、ZV
Sによるターンオフ動作となる。
【0087】また、上記図3(a)〜(i)に示した各
部の動作波形として、最小負荷電力Pomin=20W時
の動作を図4(a)〜(i)に示す。図4(a)と先の
図3(a)の並列共振電圧V1を比較して分かるよう
に、一次側の電圧共振形コンバータとしては、負荷電力
の変化に関わらずスイッチング周波数及び1スイッチン
グ周期内のオン/オフ期間のデューティ比はほぼ50%
で変化しない。
【0088】これに対して二次側においては、例えば図
4(c)〜図4(i)の二次側各部の動作波形にも示さ
れるように、スイッチング周波数は一次側スイッチング
コンバータと同じとなるように固定された上で、1スイ
ッチング周期内のオン/オフ期間のデューティ比が変化
するようにされる。これは、負荷変動による二次側直流
出力電圧EO1の変化に応じて、補助スイッチング素子Q
3を駆動するドライブ信号波形についてPWM制御が行
われることによるものである。つまり、この波形からも
分かるように、本実施の形態の電源回路では、二次側直
流出力電圧の変化に応じて、二次側アクティブクランプ
回路31の補助スイッチング素子Q3のオン期間(Ton
3)を可変制御するものである。ここで、二次側の整流
回路系のスイッチング周波数は、上記もしたように、一
次側のスイッチング周波数に依存するために、一次側ス
イッチングコンバータのスイッチング周波数と同じとな
る。つまり、負荷変動に関わらず固定される。したがっ
て、上記のようにして、二次側において補助スイッチン
グ素子Q3のオン期間(Ton3)が可変制御されることに
伴って、二次側の整流ダイオードDO1の導通角も可変制
御されることになり、これにより二次側直流出力電圧E
O1のレベルも可変されて安定化が図られるものである。
例えば実際には、補助スイッチング素子Q3について
は、 Ton3/(Don+Ton3)=0.4〜0.9 で表されるデューティ比となるようにPWM制御が行わ
れるようにされている。
【0089】そして、例えば図4に示すようにして軽負
荷の条件となったような場合でも、図示するようにし
て、1スイッチング周期内においてモード〜として
の二次側の動作を行うものであり、これによって、例え
ば二次巻線電圧Voがクランプされる。
【0090】上記図2及び図3,図4による説明から分
かるように、図1に示す回路では、メイン用スイッチン
グ素子Q1のオフ時に発生するとされる並列共振電圧V1
に対するクランプが行われて、そのレベルが抑制される
ことになる。そして、例えば最大負荷条件のもとでAC
100V系としてVAC=144V程度までに上昇したと
しても、並列共振電圧V1は400V未満に抑えられ
る。また、AC200V系として構成した場合でも、並
列共振電圧V1のピークレベルの最大値としては、80
0V未満で抑制することが可能になる。従って、図1に
示す回路としては、メイン用スイッチング素子Q1につ
いて、AC100V系に対応する場合には400Vの耐
圧品を選定し、また、AC200V系に対応する場合に
は、800Vの耐圧品を選定すればよいことになる。つ
まり、図10及び図11に示した回路の場合よりも定耐
圧品を選定することができる。また、補助スイッチング
素子Q2についても同様の耐圧品を選定すればよい。
【0091】また、図1に示す回路では、二次側におい
てもアクティブクランプ回路が動作することで、二次巻
線N2に得られる交番電圧(Vo)もクランプして抑制
するようにされており、例えば実際としては、図10及
び図11に示した回路において得られる二次巻線N2の
交番電圧レベルの1/2程度となる。したがって、二次
側に備えられる整流ダイオードについては、これに応じ
て、約1/2程度のレベルの耐圧品を選定することが可
能となる。また、補助スイッチング素子Q3について
も、これと同等の低耐圧品を選定すればよいものであ
る。
【0092】これにより、図1に示す回路としては、例
えば先行技術として各図(図10、図11、図16、図
17)に示した各電源回路よりも各スイッチング素子の
特性が向上する。例えばスイッチング素子がMOS−F
ETとされる場合には、オン抵抗が低下するものであ
る。そしてこれにより電力変換効率の向上が図られる。
例えば実際としては、図10及び図11に示す回路の電
力変換効率が92%であるのに対して、図1に示す回路
では94%となり、結果的には約4.6Wの電力損失の
低減が図られる。
【0093】また、スイッチング素子について低耐圧品
が選定されることで、スイッチング素子の小型化も図ら
れることになる。例えば先行技術として示した回路に使
用されるスイッチング素子は、1000V以上の耐圧品
が必要となることから、そのパッケージのサイズが比較
的大型となるのに対して、図1に示す回路における各ス
イッチング素子Q1,Q2としては、より小さなパッケー
ジ品を使用することが可能になるものである。また、並
列共振電圧V1のレベルが抑制されることで、図1に示
す回路では、並列共振コンデンサCrについても、先行
技術の場合より低耐圧品を採用することが可能になり、
従って、並列共振コンデンサCrの小型化も図られる。
【0094】さらには、図1の電源回路の動作であれ
ば、二次側負荷が短絡した場合であっても、一次側のス
イッチング周波数は固定であるため、先行技術の回路の
場合のように、スイッチング周波数が低くなるように制
御されて過電流、過電圧の状態になるということは無
い。従って、本実施の形態の電源回路にあっては、この
ための保護回路を設ける必要も無くなる。
【0095】参考のために、上記図2、図3、図4に示
した実験結果を得た際の、図1に示した電源回路におけ
る要部の素子についての選定値を示しておく。 二次巻線N2=43T 二次側並列共振コンデンサC2=0.01μF クランプコンデンサCCL2=0.27μF
【0096】図5は、第2の実施の形態としての電源回
路の構成例を示している。この図に示す電源回路は、二
次側の構成は図1に示した構成と同様とされているが、
一次側において、電圧共振形コンバータ及び一次側アク
ティブクランプ回路30を形成するメイン用スイッチン
グ素子Q1、補助スイッチング素子Q2の各々について、
BJT(バイポーラトランジスタ)を選定して構成して
いる。なお、この図において、図1、及び先行技術とし
て示した各図(図10、図11、図16、図17)と同
一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0097】この図5に示す電源回路の一次側は、先に
図11に示した、一次側には自励式電圧共振形コンバー
タを備え、二次側には並列共振回路を備えた複合共振形
スイッチングコンバータに対して、一次側アクティブク
ランプ回路30を備えたものとみることができる。
【0098】この図に示す回路の一次側においては、自
励式によりメイン用スイッチング素子Q1及び補助スイ
ッチング素子Q2をスイッチング駆動するために、コン
バータドライブトランスCDTが備えられる。コンバー
タドライブトランスCDTには、メイン用スイッチング
素子Q1の自励発振駆動回路を形成する駆動巻線NBと、
補助スイッチング素子Q2の自励発振駆動回路を形成す
る駆動巻線NB2とが、電流検出巻線NDと磁気的に結合
されるようにして巻装されている。ここで、駆動巻線N
Bと駆動巻線NB2とは互いに逆極性となるようにして巻
装されている。このコンバータドライブトランスCDT
が備えられることで、一次側の、メイン用スイッチング
素子Q1及び補助スイッチング素子Q2は、例えば100
KHzの周波数で固定となるようにしてスイッチング駆
動される。
【0099】この図における一次側アクティブクランプ
回路30は、BJTとしての補助スイッチング素子Q2
のコレクタと一次巻線N1の巻始め端部とをクランプコ
ンデンサCCL1を介して接続し、エミッタを一次巻線N1
の巻終わり端部に対して接続している。つまり、補助ス
イッチング素子Q2とクランプコンデンサCCL1の直列接
続回路を一次巻線N1に対して並列に接続する。
【0100】補助スイッチング素子Q2は自励式により
スイッチング駆動される。このための自励発振駆動回路
は、直列共振回路(NB2,CB2)及びベース電流制限抵
抗RB2を図のように接続し、駆動巻線NB2をコンバータ
ドライブトランスCDTに巻装することで構成される。
また、補助スイッチング素子Q2のベースには起動抵抗
Rs3が接続されており、起動時には整流平滑電圧Ei
から電流検出巻線NDを介して起動電流がベースに流れ
るようにしている。
【0101】このような一次側の構成では、メイン用ス
イッチング素子Q1を備えた自励式の電圧共振形コンバ
ータがスイッチング周波数固定によりスイッチング動作
を行うと共に、補助スイッチング素子Q2が、メイン用
スイッチング素子Q1のオン/オフタイミングとは逆と
なるタイミングでオン/オフするスイッチング動作を行
うことで、先に図2に示したのと略同様の動作が得ら
れ、例えば一次側並列共振電圧V1のレベルを抑制する
ようにされる。また、二次側の動作としては図1に示し
た回路と同様であり、従って、図2及び図3により説明
したのと同様の動作によって、二次側交番電圧のレベル
も抑制されることになる。この結果、図5に示す回路と
しても、図1の回路と同等の作用効果を有することにな
る。
【0102】また、この図5に示す回路においては、B
JTとされるスイッチング素子について低耐圧品を選定
できることになるが、BJTのスイッチング特性として
は蓄積時間及び下降時間等を短くすることができ、これ
による電力変換効率の向上が図られるものである。
【0103】図6は、第3の実施の形態としての電源回
路の構成を示している。なお、この図において、図1、
図5及び先行技術として示した各図(図10、図11、
図16、図17)と同一部分には同一符号を付して説明
を省略する。
【0104】この図に示す電源回路は、図1に示した電
源回路における二次側の構成である二次側並列共振回路
と半波整流回路の組み合わせに代えて、二次側直列共振
コンデンサCs、整流ダイオードDO1,DO2、及び平滑
コンデンサCO1を図のように接続して成る整流回路系を
二次側に備えるものである。つまり、二次側直列共振コ
ンデンサCsと二次巻線N2から成る二次側直列共振回
路を含む倍電圧整流回路を形成しているものである。
【0105】また、この図にあっては、絶縁コンバータ
トランスPITの二次側において三次巻線N3が巻装さ
れており、低圧の二次側直流出力電圧EO2は、この三次
巻線N3に対して接続される、整流ダイオードDO3、平
滑コンデンサCO2から成る半波整流回路によって得るよ
うにされている。この場合、PWM制御回路21に対し
て供給すべき源信号は、この三次巻線N3から抵抗Rt
を介して入力されるようになっている。
【0106】このようにして構成される図6の電源回路
における一次側の動作は、例えば先に図2による説明と
ほぼ同様となる。また、二次側の動作は、図7及び図8
の波形図に示される。図7は商用交流電源AC100V
で最大負荷電力Pomax=200W時の動作が示され、
図8は商用交流電源AC100Vで最大負荷電力Pomi
n=20W時の動作が示される。
【0107】最大負荷電力Pomax=200W時には、
図7(a)の並列共振電圧V1に示されるオン/オフタ
イミングによって、例えば100KHzのスイッチング
周波数で、かつ、ほぼ50%のオン/オフ期間のデュー
ティ比でもって、一次側の電圧共振形コンバータがスイ
ッチング動作を行っている。また、このとき一次巻線N
1に得られるスイッチング出力電流I1としては図7
(b)に示すものとなる。
【0108】この場合の二次側アクティブクランプ回路
31としても、モード〜の5段階の動作モードを1
スイッチング周期ごとに繰り返すようにされる。モード
としての動作は、整流ダイオードDO1がオンとなる期
間Donに行われる。この期間Donにおいては、補助スイ
ッチング素子Q3はオフ状態にあるものとされ、補助ス
イッチング素子Q3の両端電圧V3は、図7(f)に示す
ようにして或る正レベルが得られている。また、このと
きには、図7(e)に示すようにして、正レベルの正弦
波状に二次巻線N2を流れる二次巻線電流I2は、そのリ
ーケージインダクタンスを介するようにして、整流ダイ
オードDO1に対して整流電流IO(図7(h))として
流れて平滑コンデンサCO1に対して充電を行う。また、
このモードである期間Donにおいては、二次巻線N2
の両端に得られる交番電圧である二次巻線電圧Voは、
図7(c)に示すようにして、二次側直流出力電圧EO1
のレベルでクランプされることになる。そして、整流ダ
イオードDO1がターンオフすることでモードが終了し
て期間td3に至ると、モードとしての動作が得られ
る。
【0109】モードとなる期間td3では、これまで
二次巻線N2に流れていた電流I2は図7(e)に示すよ
うに反転して、並列共振コンデンサC2→二次側アース
→整流ダイオードDO2の経路で流れる。そして、モード
の期間td3が経過すると、期間Ton3の前半期間に
おいてモードの動作が開始されることになる。このモ
ードとしての期間では、図7(d)に示すように、二
次側直列共振コンデンサCsの両端電圧V2が、平滑コ
ンデンサCO1の初期電圧とほぼ同等レベル、もしくはそ
れ以上となる。これにより、補助スイッチング素子Q3
に並列接続されるクランプダイオードDD3が導通し、ク
ランプコンデンサCCL2を介して流れる。これは、期間
Ton3の前半期間における、図7(g)の電流Icoとし
て示されている。
【0110】本実施の形態の場合、クランプコンデンサ
CCL2のキャパシタンスは、例えば二次側直列共振コン
デンサCsのキャパシタンスとほぼ同等となるように選
定している。この期間td3を含む期間Ton3としては
短時間なものとなるため、このときに生じるわずかな電
流は、クランプコンデンサCCL2に流すようにして、二
次側直列共振コンデンサCsにはほとんど流れないよう
にされる。このために、補助スイッチング素子Q3の両
端電圧V3は、図3(f)に示すようにして、期間Ton3
の前後の期間td3,td4において緩やかな傾きを有
するようになる。これにより、補助スイッチング素子Q
3の両端電圧V3の両端電圧V3のピークを抑制すること
が可能となるものである。
【0111】上記した期間Ton3の前半期間が終了して
後半期間となると、モードとしての動作に移行する。
モードの期間では、補助スイッチング素子Q3をター
ンオンさせてオン状態とする。この状態では、期間Ton
3の後半期間における図7(g)の電流Ico、のスイッ
チング出力電流IQ3として示すようにして、補助スイッ
チング素子Q3に電流が流れる。このときには、二次巻
線N2とクランプコンデンサCCL2との共振作用を伴っ
て、二次巻線N2→クランプコンデンサCCL2→補助スイ
ッチング素子Q3の電流経路が形成される。また、この
モード、の期間では、補助スイッチング素子Q3は
ZVSの動作となりスイッチング損失もわずかなものと
なる。
【0112】期間Ton3におけるモードの動作が終了
した後は、補助スイッチング素子Q3をオフとするよう
に制御することで、モードとしての動作が得られる期
間td4に移行する。このモードとしては、補助スイ
ッチング素子Q3がターンオフしたことで、二次巻線N2
に流れる正極性の電流が、図7(e)の電流I2として
示すようにして二次側直列共振コンデンサCsを介して
流れる。このとき、二次側直列共振コンデンサCsのキ
ャパシタンスが小さいことで、二次巻線電圧Voは急峻
な傾きを有して0レベルに向かう。以降は、1スイッチ
ング周期ごとにモード〜の動作が繰り返される。
【0113】このようにしてモード〜としての動作
が行われることで、実際としては、図7(f)に示す補
助スイッチング素子Q3の両端電圧V3は或るレベルにま
でクランプされることになる。これによって、補助スイ
ッチング素子Q3については、低耐圧品を選定すること
ができる。
【0114】また、上記図7(a)〜(h)に示した各
部の動作波形として、最小負荷電力Pomin=20W時
の動作を図8(a)〜(h)に示す。図7(a)と先の
図8(a)の並列共振電圧V1を比較して分かるよう
に、一次側の電圧共振形コンバータとしては、負荷電力
の変化に関わらずスイッチング周波数及び1スイッチン
グ周期内のオン/オフ期間のデューティ比はほぼ50%
で変化しない。
【0115】これに対して二次側においては、例えば図
8(c)〜図8(i)の二次側各部の動作波形にも示さ
れるように、スイッチング周波数は一次側スイッチング
コンバータと同じとなるように固定された上で、1スイ
ッチング周期内のオン/オフ期間のデューティ比が変化
するようにされる。これは、負荷変動による二次側直流
出力電圧EO1の変化に応じて、補助スイッチング素子Q
3を駆動するドライブ信号波形についてPWM制御が行
われることによるものである。つまり、この波形からも
分かるように、本実施の形態の電源回路では、二次側直
流出力電圧の変化に応じて、二次側アクティブクランプ
回路31の補助スイッチング素子Q3のオン期間(Ton
3)を可変制御するものである。ここで、二次側の整流
回路系のスイッチング周波数は、上記もしたように、一
次側のスイッチング周波数に依存するために、一次側ス
イッチングコンバータのスイッチング周波数と同じとな
る。つまり、負荷変動に関わらず固定される。したがっ
て、上記のようにして、二次側において補助スイッチン
グ素子Q3のオン期間(Ton3)が可変制御されることに
伴って、二次側の整流ダイオードDO1の導通角も可変制
御されることになる。この場合、このような可変制御に
よって、図7(d)、図8(d)の二次側直列共振コン
デンサCsの両端電圧(共振電圧)の正負のクランプレ
ベルが可変制御されることになって、二次側直流出力電
圧EO1の安定化が図られる。例えば実際には、補助スイ
ッチング素子Q3については、 Ton3/(Don+Ton3)=0.1〜0.5 で表されるデューティ比となるようにPWM制御が行わ
れるようにされている。そして、例えば図8に示すよう
にして軽負荷の条件となったような場合でも、図示する
ようにして、1スイッチング周期内においてモード〜
としての二次側の動作を行うものであり、これによっ
て、例えば二次巻線電圧Voがクランプされる。
【0116】ここでも参考として、上記図7及び図8に
示した実験結果を得た際の、図6に示した電源回路にお
ける要部の素子についての選定値を示しておく。 二次巻線N2=23T 二次側直列共振コンデンサCs=クランプコンデンサC
CL2=0.1μF
【0117】図9は、第4の実施の形態としての電源回
路の構成例を示している。なお、この図において、図
1、図5、図6及び先行技術として示した各図(図1
0、図11、図16、図17)と同一部分には同一符号
を付して説明を省略する。
【0118】この図9に示す回路は、先に図6に示した
電源回路と比較した場合には、二次側の構成は同様とな
る。つまり、二次側の整流回路系として、二次側直列共
振コンデンサCs、整流ダイオードDO1,DO2、及び平
滑コンデンサCO1から成る、二次側直列共振回路を含む
倍電圧整流回路を形成している。そして、一次側の構成
として、電圧共振形コンバータを形成するメイン用スイ
ッチング素子Q1と、一次側アクティブクランプ回路3
0を形成するスイッチング素子Q2についてBJTを採
用した上で、自励式によりスイッチング駆動させるよう
に構成するものである。つまり、一次側の構成として
は、図5に示した第2の実施の形態としての電源回路と
同様の構成を採るものである。
【0119】このような構成とされても、例えば一次側
は図2に示したのと同様の動作によってメイン用スイッ
チング素子Q1の両端電圧V1をクランプしてピークレベ
ルを抑制し、また、二次側では、図7及び図8により説
明した動作によって、定電圧制御、及び二次側直列共振
コンデンサCsの両端電圧V2、補助スイッチング素子
Q3の両端電圧V3をクランプしてピークレベルを抑制す
るようにされる。
【0120】なお、本発明の実施の形態として各図に示
した構成に限定されるものではない。例えば、メインと
なるスイッチング素子と補助スイッチング素子とについ
ては、SIT(静電誘導サイリスタ)などの他の素子を
採用することも考えられるものであり、また、他励式と
するためのスイッチング駆動部の構成も各図に示したも
のに限定される必要はなく、適宜適切とされる回路構成
に変更されて構わない。また、二次側共振回路を含んで
形成される二次側の整流回路としても、実施の形態とし
ての各図に示した構成に限定されるものではなく、他の
回路構成が採用されて構わないものである。
【0121】
【発明の効果】以上説明したように本発明のスイッチン
グ電源回路では、一次側に電圧共振形コンバータを備
え、二次側には並列共振回路又は直列共振回路を備える
複合共振形スイッチングコンバータの構成に対して、そ
の一次側にアクティブクランプ回路を設けることで、一
次側並列共振コンデンサの両端に生じる並列共振電圧パ
ルスをクランプして、そのレベルを抑制するようにされ
る。また、二次側に対しても、アクティブクランプ回路
を設けることで、二次側に生じる交番電圧レベルを抑制
するようにされる。これによって、電源回路に備えられ
るスイッチング素子、整流ダイオード素子等の各素子の
耐圧については、これまでよりも低耐圧品を選定するこ
とができる。また、一次側並列共振コンデンサ、及び二
次側の並列/直列共振コンデンサに流れる電流量は少な
いものとすることができるので、これらの素子について
もキャパシタンスを小容量とし、かつ、低耐圧品を採用
することが可能となる。
【0122】そして、このようにして低耐圧品が選定さ
れることで、スイッチング素子のスイッチング特性が向
上するために、電力変換効率の向上も図られることにな
る。また、低耐圧品を選定した場合には、これら各部品
素子も小型となるため、電源回路としての基板サイズの
小型軽量化を促進することも可能となるものである。さ
らに、本発明としてのスイッチング駆動の構成によれ
ば、例えばスイッチング周波数可変により定電圧制御を
行う場合のように負荷短絡時にスイッチング周波数は低
下することなく一定となるようにされ、メイン用スイッ
チング素子及び補助スイッチング素子は共に安定したZ
VS、ZCSによりスイッチング動作を行うようにされ
る。これによって、負荷短絡時に対応して過電圧保護回
路や過電流保護回路を設ける必要はなくなり、この点で
も回路の小型軽量化が大幅に促進される。
【0123】また、本発明の電源回路の定電圧制御とし
ては、二次側直流出力電圧の変動に応じて、二次側のア
クティブクランプ回路を形成するスイッチング素子の1
周期内における導通角を制御することによって行うよう
にしている。例えば、二次側直流出力電圧の変動に応じ
て一次側スイッチングコンバータのスイッチング周波数
を可変するなど、一次側スイッチング動作の可変制御に
よって行う場合には、一次側に対して二次側直流出力電
圧レベルを帰還する系の絶縁を図る必要が生じるが、本
発明では、このような一次側と二次側との絶縁機能は不
要となるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態としてのスイッチン
グ電源回路の構成を示す回路図である。
【図2】本実施の形態のスイッチング電源回路における
一次側の動作を示す波形図である。
【図3】第1の実施の形態のスイッチング電源回路の、
二次側の動作(最大負荷電力時)を示す波形図である。
【図4】第1の実施の形態のスイッチング電源回路の、
二次側の動作(最小負荷電力時)を示す波形図である。
【図5】第2の実施の形態としてのスイッチング電源回
路の構成を示す回路図である。
【図6】第3の実施の形態としてのスイッチング電源回
路の構成を示す回路図である。
【図7】第3の実施の形態のスイッチング電源回路の、
二次側の動作(最大負荷電力時)を示す波形図である。
【図8】第3の実施の形態のスイッチング電源回路の、
二次側の動作(最小負荷電力時)を示す波形図である。
【図9】第4の実施の形態としてのスイッチング電源回
路の構成を示す回路図である。
【図10】先行技術としてのスイッチング電源回路の構
成例を示す回路図である。
【図11】先行技術としてのスイッチング電源回路の他
の構成例を示す回路図である。
【図12】絶縁コンバータトランスの構成を示す断面図
である。
【図13】相互インダクタンスが+M/−Mの場合の各
動作を示す等価回路図である。
【図14】図10及び図11に示すスイッチング電源回
路の動作を示す波形図である。
【図15】図10及び図11に示すスイッチング電源回
路についての、交流入力電圧に対する特性を示す説明図
である。
【図16】先行技術としてのスイッチング電源回路の、
さらに他の構成例を示す回路図である。
【図17】先行技術としてのスイッチング電源回路の、
さらに他の構成例を示す回路図である。
【図18】図16及び図17に示すスイッチング電源回
路の動作を示す波形図である。
【図19】図16及び図17に示すスイッチング電源回
路についての、交流入力電圧に対する特性を示す説明図
である。
【符号の説明】
10 一次側スイッチング駆動部、11 発振回路、1
2 第1ドライブ回路、13 レベルシフト回路、14
第2ドライブ回路、20 二次側スイッチング駆動
部、21 PWM制御回路、22 ドライブ回路、23
誤差増幅器、30 一次側アクティブクランプ回路、
31 二次側アクティブクランプ回路、Q1 メイン用
スイッチング素子、Q2,Q3 補助スイッチング素子、
PIT 絶縁コンバータトランス、Cr 一次側並列共
振コンデンサ、C2 二次側並列共振コンデンサ、Cs
二次側直列共振コンデンサ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力された直流入力電圧を固定のスイッ
    チング周波数によりスイッチングして出力するためのメ
    インスイッチング素子を備えて形成されるスイッチング
    手段と、 上記スイッチング手段の動作を電圧共振形とする一次側
    並列共振回路が形成されるようにして備えられる一次側
    並列共振コンデンサと、 一次側と二次側とについて疎結合とされる所要の結合係
    数が得られるようにギャップが形成され、一次側に得ら
    れる上記スイッチング手段の出力を二次側に伝送する絶
    縁コンバータトランスと、 上記絶縁コンバータトランスの二次巻線に対して二次側
    共振コンデンサを接続することで形成される二次側共振
    回路と、 上記絶縁コンバータトランスの二次巻線に得られる交番
    電圧を入力して整流動作を行うことで二次側直流出力電
    圧を得るように構成される直流出力電圧生成手段と、 上記メインスイッチング素子のオン/オフタイミングに
    同期した所定のオン/オフタイミングを有するようにし
    てスイッチングを行う第1の補助スイッチング素子を備
    えることで、上記一次側並列共振コンデンサの両端に発
    生する一次側並列共振電圧をクランプするように設けら
    れる一次側アクティブクランプ手段と、 上記直流出力電圧生成手段を形成する二次側整流スイッ
    チング素子のオン/オフタイミングに同期した所定のオ
    ン/オフタイミングを有するようにしてスイッチングを
    行う第2の補助スイッチング素子を備えることで、少な
    くとも二次巻線に生じる交番電圧をクランプするように
    設けられる二次側アクティブクランプ手段と、 所定の一定スイッチング周波数のもとで、上記二次側直
    流出力電圧のレベルに応じて、スイッチング周期内のオ
    ン/オフ期間の比を可変するようにして上記二次側整流
    ダイオード素子をスイッチング駆動することで定電圧制
    御を行うようにされる定電圧制御手段と、 を備えて構成されることを特徴とするスイッチング電源
    回路。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102307017A (zh) * 2011-09-16 2012-01-04 浙江大学 一种应用于有源箝位反激式微型光伏并网逆变器装置的控制方法
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